JP2014069757A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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裕弥 本田
Shinichi Nomura
晋一 野村
Ryuta Horie
竜太 堀江
Atsushi Kawamoto
篤志 河本
Yoshinobu Nozaki
芳信 野崎
Kiyonori Takagi
清式 高木
Koichi Okuda
弘一 奥田
Keisuke Omuro
圭佑 大室
Masashi Yamamoto
真史 山本
Keita Imai
恵太 今井
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Abstract

【課題】入力部材及びポンプ用駆動モータにより単一の液圧発生装置を駆動可能に構成された車両用駆動装置において、必要な駆動力を確保しつつ装置全体の大型化を抑制する。
【解決手段】2モータスプリット方式の車両用駆動装置は、モータ本体部61を有するポンプ用駆動モータ60と、ポンプ駆動部材43とポンプ本体部41とを有する液圧発生装置40とを備える。ポンプ駆動部材43は、第一被駆動ギヤ76と第二被駆動ギヤ77とのうち回転速度の高い方と一体回転するように駆動連結される。モータ本体部61が軸方向に見てポンプ本体部41と重複している。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、第一回転電機と、第二回転電機と、少なくとも3つの回転要素を有する差動歯車装置とを備え、差動歯車装置の第一回転要素に第一回転電機が駆動連結され、第二回転要素に入力部材が駆動連結され、第三回転要素に出力部材及び第二回転電機が駆動連結された車両用駆動装置に関する。
上記のような車両用駆動装置として、特開2003−336725号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。この車両用駆動装置は、ポンプ駆動部材〔回転軸34〕と、当該ポンプ駆動部材の回転に伴い液圧を発生させるポンプ本体部〔ロータ33〕とを有する液圧発生装置〔オイルポンプ31〕を備えている。ポンプ駆動部材は、差動歯車装置の第二回転要素〔キャリヤ18〕に駆動連結されるギヤに噛み合うギヤ〔ギヤ36〕と出力部材〔中間シャフト23〕に駆動連結されるギヤに噛み合うギヤ〔ギヤ35〕とのうち、回転速度の高い方と一体回転するように構成されている。これにより、入力部材〔インプットシャフト7〕及び出力部材のそれぞれの回転速度(停止状態に対応する“ゼロ”を含む)に応じて、これらのうち回転速度が高い方の回転により液圧発生装置が駆動される。よって、単一の液圧発生装置のみを用い、車両の走行状態に応じて内燃機関又は第二回転電機〔電動モータ2〕のトルクによって液圧〔油圧〕を発生させて、必要な部位に適切に液体〔油〕を供給可能となっている。
一方、例えばアイドリングストップ機能を有する車両用の駆動装置では、入力部材や出力部材の停止状態でも液圧発生装置を駆動できるようにするため、専用のポンプ用駆動モータが備えられる場合がある。例えば特開2005−30517号公報(特許文献2)には、そのようなポンプ用駆動モータ〔電動モータM〕を備える車両用駆動装置が記載されている。
ここで、特許文献1の車両用駆動装置に係る液圧発生装置の駆動力源の1つに、特許文献2のポンプ用駆動モータを適用することを考える。このようにすれば、液圧発生装置の個数を最小限に抑えつつ、入力部材及び出力部材の停止状態でもポンプ用駆動モータのトルクによって液圧を発生させて必要な部位に適切に液体を供給することが可能となる。なお、この場合、特許文献1の装置においてポンプ駆動部材と一体回転し得る2つのギヤのうち、入力部材(差動歯車装置の第二回転要素)に駆動連結されるものとは異なる方のギヤをポンプ用駆動モータで駆動する構成が考えられる。そして、ポンプ用駆動モータを差動歯車装置の径方向外側に配置する構成が考えられる。
装置全体の小型化や低コスト化を図るためには、小型のポンプ用駆動モータを用いることが好ましい。そして、そのような小型のポンプ用駆動モータを用いて必要な駆動力を確保するためには、ポンプ用駆動モータから液圧発生装置までの減速比(「モータ減速比」と称する)を高める必要がある。その際、装置全体を大型化させることなくモータ減速比を高めることが好ましい。しかし、このような点に関して、特許文献1では一切の認識がされていなかった。
特開2003−336725号公報 特開2005−30517号公報
そこで、入力部材及びポンプ用駆動モータにより単一の液圧発生装置を駆動可能に構成された車両用駆動装置において、必要な駆動力を確保しつつ装置全体の大型化を抑制することが望まれる。
本発明に係る、内燃機関に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、第一回転電機と、第二回転電機と、少なくとも第一回転要素、第二回転要素、及び第三回転要素を有する差動歯車装置とを備え、前記第一回転要素に前記第一回転電機が駆動連結され、前記第二回転要素に前記入力部材が駆動連結され、前記第三回転要素に前記出力部材及び前記第二回転電機が駆動連結された車両用駆動装置の特徴構成は、モータ出力部材を介して第一駆動ギヤに駆動連結されたモータ本体部を有するポンプ用駆動モータと、ポンプ駆動部材と当該ポンプ駆動部材の回転に伴い液圧を発生させるポンプ本体部とを有する液圧発生装置と、を備え、前記ポンプ駆動部材は、前記第一駆動ギヤに噛み合う第一被駆動ギヤと前記第二回転要素と一体回転するギヤに噛み合う第二被駆動ギヤとのうち、回転速度の高い方と一体回転するように駆動連結され、前記モータ本体部が、前記差動歯車装置の径方向に見て前記ポンプ本体部と重複することなく、前記差動歯車装置の軸方向に見て前記ポンプ本体部と重複するように配置されている点にある。
本願において、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体回転するように連結された状態や、1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。このような伝動部材には、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(軸、歯車機構、ベルト等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等)が含まれても良い。
また、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
また、2つの部材の配置に関して、「ある方向に見て重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。よって、「重複する」の概念には、全体が重複する態様の他、一部のみが重複する態様も含まれる。
この特徴構成によれば、ポンプ用駆動モータによって駆動される第一被駆動ギヤと、入力部材及び差動歯車装置の第二回転要素によって駆動される第二被駆動ギヤとのうち、回転速度の高い方の回転により液圧発生装置が駆動される。よって、単一の液圧発生装置を用い、車両の走行状態に応じて入力部材に伝達されるトルク又はポンプ用駆動モータのトルクによって液圧を発生させることができる。特に、入力部材及び出力部材の双方の停止状態でもポンプ用駆動モータのトルクによって液圧を発生させることができる。
このとき、モータ本体部は、径方向に見てポンプ本体部と重複しないように軸方向の位置を異ならせて配置されているとともに、軸方向に見て当該ポンプ本体部と重複するように配置されている。このため、軸方向に見てモータ本体部とポンプ本体部とが互いに重複する分だけ、ポンプ駆動部材とモータ出力部材との部材間距離を短くできる。よって、第一被駆動ギヤの大径化を抑制しつつ、第一被駆動ギヤに対して第一駆動ギヤを相対的に小径化することができる。よって、ポンプ駆動部材の回転速度に対するモータ出力部材の回転速度の比(モータ減速比)を高めることができ、小型のポンプ用駆動モータを用いつつ駆動力を確保することができる。また、ポンプ用駆動モータが小型化される分と、軸方向に見てモータ本体部とポンプ本体部とが互いに重複する分だけ、装置全体の径方向寸法の小型化を図ることもできる。
ここで、前記第一回転電機、前記差動歯車装置、及び前記第二回転電機が、前記軸方向に沿ってこの順に配置され、前記第二回転電機の外径は前記第一回転電機の外径よりも小さく、前記モータ本体部が、前記差動歯車装置の周方向の一部において、前記径方向に見て前記第二回転電機と重複するように配置されていると好適である。
この構成によれば、第一回転電機よりも小径の第二回転電機と径方向に見て重複するようにモータ本体部を配置するので、第一回転電機と重複させる場合と比較して、装置全体の大型化を抑制することができる。
また、前記第一被駆動ギヤが、前記差動歯車装置の周方向の一部において、前記差動歯車装置の径方向に見て当該差動歯車装置と重複するように配置されていると好適である。
第一被駆動ギヤが径方向に見て差動歯車装置と重複するように配置された構成では、第一被駆動ギヤの歯部の位置は、差動歯車装置の径方向外側において当該差動歯車装置によって制約を受ける。その結果、第一被駆動ギヤの大径化が規制され、モータ減速比の設定も制約を受ける。一方、そのようなモータ減速比の制約内で必要な駆動力を確保するためには、大きな駆動力を出力可能な大型のポンプ用駆動モータを用いることが考えられるが、この場合、必要な駆動力の確保と装置全体の小型化とはトレードオフの関係となる。
この点、上述した本発明の特徴構成を採用することにより、ポンプ駆動部材とモータ出力部材との部材間距離が短縮されるので、第一被駆動ギヤの外径が制約を受ける場合であってもモータ減速比を有効に高めることができる。つまり、本発明は、上記のようにモータ本体部が軸方向に見てポンプ本体部と重複するように配置された構成に、特に有効に適用することができる。
また、前記ポンプ駆動部材と前記モータ出力部材とを共通に支持する共通支持部材を備えると好適である。
この構成によれば、第一駆動ギヤと一体回転するように駆動連結されるモータ出力部材と、第一被駆動ギヤと一体回転するように駆動連結され得るポンプ駆動部材とが、単一の部材(共通支持部材)によって支持される。これにより、例えば両者が互いに異なる部材にそれぞれ支持される構成と比較して、互いに噛み合う第一駆動ギヤ及び第一被駆動ギヤにそれぞれ駆動連結される2つの部材(モータ出力部材とポンプ駆動部材)の支持部材間の位置精度を高めることができる。よって、第一駆動ギヤ及び第一被駆動ギヤの耐久性を向上させることができるとともに、これらの間で発生し得るギヤノイズを低減することができる。
また、前記共通支持部材が、前記ポンプ本体部を収容するポンプ室を形成するポンプ室形成部材であり、前記ポンプ室形成部材が、前記ポンプ室と当該ポンプ室形成部材における前記ポンプ駆動部材を支持する第一支持部とを連通する第一連通路、及び、前記ポンプ室と当該ポンプ室形成部材における前記第一被駆動ギヤを支持する第二支持部とを連通する第二連通路を更に備えると好適である。
液圧発生装置を構成するポンプ駆動部材の近傍には、ポンプ室を形成するポンプ室形成部材が設けられていることが多い。この構成によれば、そのようなポンプ室形成部材を利用して、ポンプ駆動部材を支持するとともにモータ出力部材をも支持することができる。よって、通常用いられる部材を利用した簡易な構成で、各ギヤの耐久性の向上やギヤノイズの低減を図ることができる。
また、ポンプ室形成部材が第一連通路及び第二連通路を更に備えるので、第一支持部及び第二支持部の双方に、液圧発生装置からの液体を供給することができる。これにより、当該液体が例えば油等の潤滑性を有するものである場合には、ポンプ室形成部材とポンプ駆動部材との摺動部や、ポンプ室形成部材とモータ出力部材との摺動部を適切に潤滑することができる。よって、これらの部位の磨耗等を抑制することができるとともに、ポンプ用駆動モータや液圧発生装置の円滑な駆動を確保することができる。
また、液圧駆動式の摩擦係合装置と、当該摩擦係合装置に供給される液圧を制御する液圧制御装置とを更に備え、前記差動歯車装置の周方向の位置に関し、前記モータ本体部が、前記軸方向に見て前記液圧制御装置と重複しないように前記周方向の位置を異ならせて配置されていると好適である。
この構成によれば、液圧発生装置により発生された液圧を液圧制御装置によって制御して、所望の圧力の液体を摩擦係合装置に供給することができる。よって、車両の走行状態等に応じて摩擦係合装置の係合の状態を適切に制御することができる。また、そのような液圧制御装置と干渉しないように、周方向の適切な位置にモータ本体部を配置することができる。
また、前記軸方向に並べて配置される2つのワンウェイクラッチを更に備え、2つの前記ワンウェイクラッチのそれぞれの内輪は、互いに一体化されて共通内輪を形成しているとともに、当該共通内輪が前記ポンプ駆動部材と一体回転するように構成され、2つの前記ワンウェイクラッチのそれぞれの外輪は、互いに独立に形成されているとともに前記共通内輪に対する相対回転が規制される当該相対回転の方向が互いに同一とされ、一方の外輪が前記第一被駆動ギヤと一体回転するように構成され、他方の外輪が前記第二被駆動ギヤと一体回転するように構成されていると好適である。
この構成によれば、2つのワンウェイクラッチを利用して、液圧発生装置において、ポンプ駆動部材が第一被駆動ギヤと第二被駆動ギヤとのうち回転速度の高い方と一体回転するように駆動連結される構成を簡易かつ適切に構成できる。また、2つのワンウェイクラッチが、互いに一体化された共通内輪を備える構成を採用することで、軸方向における大型化を抑制しつつポンプ駆動部材の支持精度を高めることが容易となる。
実施形態に係る車両用駆動装置の展開断面図 図1の要部拡大図 車両用駆動装置を軸方向に見た平面図 その他の実施形態に係る車両用駆動装置を軸方向に見た平面図
本発明に係る車両用駆動装置の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る車両用駆動装置1は、車両の車輪(図示せず)の駆動力源として内燃機関E及び回転電機MG1,MG2の双方を備えた車両(ハイブリッド車両)を駆動するための車両用駆動装置(ハイブリッド車両用駆動装置)である。具体的には、車両用駆動装置1は、2モータスプリット方式のハイブリッド車両用の駆動装置として構成されている。以下、本実施形態に係る車両用駆動装置1の構成について詳細に説明する。
なお、以下の説明では、特に明記して区別している場合を除き、「軸方向」、「周方向」、「径方向」は、同軸状に配置される入力軸I及び差動歯車装置DG等の回転軸心である第一軸心X1(図1を参照)を基準として定義している。また、以下の説明では、「軸第一方向L1」は軸方向に沿って内燃機関Eに向かう方向(図1における左方向)を表し、「軸第二方向L2」は軸方向に沿って出力軸Oに向かう方向(図1における右方向)を表す。また、各部材についての方向や位置等に関する用語は、製造上許容され得る誤差による差異を有する状態をも含む概念である。
1.車両用駆動装置の概略構成
本実施形態に係る車両用駆動装置1の概略構成について説明する。図1に示すように、車両用駆動装置1は、内燃機関Eに駆動連結される入力軸Iと、車輪に駆動連結される出力軸Oと、第一回転電機MG1と、第二回転電機MG2と、少なくとも3つの回転要素を有する差動歯車装置DGとを備えている。また、車両用駆動装置1は、差動歯車装置DGと出力軸Oとを結ぶ動力伝達経路に、中間軸Mと変速機構TMとを備えている。これらは、ケース(駆動装置ケース)2に収容されている。
入力軸I、中間軸M、及び出力軸Oは、軸第一方向L1側から軸第二方向L2側に向かって、軸方向に沿って記載の順に配置されている。これらは同軸状に配置されている。また、第一回転電機MG1、差動歯車装置DG、第二回転電機MG2、及び変速機構TMは、軸第一方向L1側から軸第二方向L2側に向かって、軸方向に沿って記載の順に配置されている。これらは、入力軸I等と同軸状に配置されている。すなわち、入力軸I、中間軸M、出力軸O、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、差動歯車装置DG、及び変速機構TMは、共通の回転軸心(第一軸心X1)を有している。
図1に示すように、ケース2は、軸方向に分割形成された第一ケース部21と第二ケース部22と第一カバー23と第二カバー24とを有する。第一ケース部21は、第一回転電機MG1の収容空間を形成するケース部である。第一ケース部21は、第一回転電機MG1よりも軸第二方向L2側において径方向及び周方向に延在する区画壁21Aを有する。また、第一ケース部21には、軸第一方向L1側の開口を覆うように第一カバー23が固定されている。第一カバー23を貫通する状態で、入力軸Iが配置されている。
第二ケース部22は、差動歯車装置DG、第二回転電機MG2、及び変速機構TMの収容空間を形成するケース部である。第二ケース部22は、軸方向における差動歯車装置DGと第二回転電機MG2との間、及び、第二回転電機MG2と変速機構TMとの間を、それぞれ径方向及び周方向に延在する第一中間壁22A及び第二中間壁22Bを有する。区画壁21Aと第一中間壁22Aの間に差動歯車装置DGが配置され、第一中間壁22Aと第二中間壁22Bとの間に第二回転電機MG2が配置されている。また、第二ケース部22には、軸第二方向L2側の開口を覆うように第二カバー24が固定されている。第二中間壁22Bと第二カバー24との間に変速機構TMが配置されている。第二カバー24を貫通する状態で、出力軸Oがされている。
図1に示すように、入力軸Iは内燃機関Eに駆動連結される。内燃機関Eは、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等)である。本実施形態では、ダンパを介して、内燃機関Eの出力軸(クランクシャフト等)に入力軸Iが駆動連結される。なお、入力軸Iは、内燃機関Eの出力軸にダンパを介することなく駆動連結されても良いし、クラッチ等の他の部材を介して駆動連結されても良い。本実施形態では、入力軸Iが本発明における「入力部材」に相当する。
第一回転電機MG1は、ケース2に固定された第一ステータSt1と、この第一ステータSt1の径方向内側に回転自在に支持された第一ロータRo1とを有する。第一ロータRo1は、差動歯車装置DGのサンギヤSと一体回転するように駆動連結されている。また、第二回転電機MG2は、ケース2に固定された第二ステータSt2と、この第二ステータSt2の径方向内側に回転自在に支持された第二ロータRo2とを有する。第二ロータRo2は、中間軸Mと一体回転するように駆動連結されている。本実施形態では、第二回転電機MG2は、第一回転電機MG1と比較して小径かつ幅広のものが用いられている。すなわち、第二回転電機MG2の外径は第一回転電機MG1の外径よりも小さく、かつ、第二回転電機MG2の軸方向長さは第一回転電機MG1の軸方向長さよりも長い。
回転電機MG1,MG2は、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置(図示せず)と電気的に接続されている。回転電機MG1,MG2は、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを果たすことが可能である。ここで、回転電機MG1,MG2は、ジェネレータとして機能する場合には、内燃機関Eのトルクや車両の慣性力により発電を行い、蓄電装置を充電し、或いはモータとして機能する他方の回転電機MG1,MG2を駆動するための電力を供給する。一方、回転電機MG1,MG2は、モータとして機能する場合には、蓄電装置に充電され、或いはジェネレータとして機能する他方の回転電機MG1,MG2により発電された電力の供給を受けて力行する。
差動歯車装置DGは、本実施形態では3つの回転要素を有するシングルピニオン型の遊星歯車装置として構成されている。差動歯車装置DGは、複数のピニオンギヤを支持するキャリヤCAと、ピニオンギヤにそれぞれ噛み合うサンギヤS及びリングギヤRとを有する。サンギヤSは、第一回転電機MG1の第一ロータRo1と一体回転するように駆動連結されている。キャリヤCAは、入力軸Iと一体回転するように駆動連結されている。リングギヤRは、中間軸M及び第二回転電機MG2の第二ロータRo2と一体回転するように駆動連結されている。本実施形態では、サンギヤSが本発明における「第一回転要素」に相当し、キャリヤCAが「第二回転要素」に相当し、リングギヤRが「第三回転要素」に相当する。また、中間軸Mが「出力部材」に相当する。
差動歯車装置DGのこれら3つの回転要素は、回転速度の順にサンギヤS、キャリヤCA、リングギヤRとなっている。ここで、「回転速度の順」は、各回転要素の速度線図(共線図)における配置順に等しい。これは、差動歯車装置DGの状態により、高速側から低速側に向かう順、又は、低速側から高速側に向かう順のいずれともなり得るが、基準が変わっても回転要素の並び順自体は変わらない。なお、差動歯車装置DGの速度線図(共線図)は当業者にとって周知であるので、その図示は省略する。
差動歯車装置DGは、入力軸Iを介して入力される内燃機関Eのトルクを第一回転電機MG1と中間軸Mとに分配する動力分配装置としての機能を果たす。そして、協働的に機能する差動歯車装置DGと第一回転電機MG1とにより、電気的無段変速機構が構成される。また、本実施形態では、図2に示すように、リングギヤRは分配出力部材15の内周面に形成されている。分配出力部材15は、差動歯車装置DGの径方向外側を包囲するように設けられた円筒状の部材である。キャリヤCAを構成するキャリヤケース16における外周部には、第二駆動ギヤ72が形成されている。第二駆動ギヤ72は、キャリヤケース16と一体的に形成されている。第二駆動ギヤ72は、キャリヤケース16及び入力軸Iを介して、内燃機関Eと一体回転するように駆動連結されている。本実施形態では、第二駆動ギヤ72が本発明における「第二回転要素と一体回転するギヤ」に相当する。
リングギヤR及び第二ロータRo2と一体回転するように駆動連結された中間軸Mは、図1に示すように、変速機構TMの入力軸(変速入力軸)となっている。変速機構TMは、本実施形態では、変速比の異なる複数の変速段を切替可能に備えた自動有段変速機構である。このような機能を実現するため、変速機構TMは、摩擦係合装置CL(図1では模式的に表示)を備えている。このような変速用の摩擦係合装置CLとして、本実施形態では油圧駆動式(液圧駆動式)のクラッチ(ブレーキを含む)が複数備えられている。各摩擦係合装置CLには、後述するオイルポンプ40により吐出された油(液体)が供給される。供給される油の圧力(油圧)は、ケース2の下部に設けられた油圧制御装置VBによって制御される。本実施形態では、オイルポンプ40が本発明における「液圧発生装置」に相当し、油圧制御装置VBが本発明における「液圧制御装置」に相当する。
各摩擦係合装置CLの係合の状態はそれぞれに供給される油圧に応じて制御され、各摩擦係合装置CLの係合の状態が個別に制御されることで変速段が形成される。例えば、複数の摩擦係合装置CLのうちの少なくとも2つが係合した状態とされ、それ以外が解放した状態とされることで、目標とする変速段が形成される。変速機構TMは、中間軸Mに入力される回転及びトルクを、各時点における変速段(変速比)に応じて変速するとともにトルク変換して、出力軸Oに伝達する。変速機構TMの出力軸(変速出力軸)でもある出力軸Oは、出力用差動歯車装置(図示せず)を介して左右2つの車輪に駆動連結されている。これにより、差動歯車装置DGにより分配された内燃機関Eのトルクと第二回転電機MG2のトルクとが車輪に伝達されて、車両が走行する。
車両用駆動装置1は、ハイブリッド走行モードと電動走行モードとを選択可能に備えている。ハイブリッド走行モードは、内燃機関E及び回転電機MG1,MG2の双方のトルクにより車両を走行させるモードである。電動走行モードは、内燃機関Eを停止した状態で第二回転電機MG2のトルクにより車両を走行させるモードである。車両用駆動装置1は、車両の走行状態に応じて、選択された走行モードを実現可能に構成されている。
2.車両用駆動装置の各部に対する油供給構造
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る車両用駆動装置1は、油の供給が必要とされる部位に対して適切に油を供給可能とするべく、オイルポンプ40を備えている。図2に示すように、本実施形態では、第二ケース部22の第一中間壁22Aは、一定長さ以上の軸方向幅を有するように形成された肉厚部を有しており、この肉厚部がポンプボディ部31とされている。ポンプボディ部31は、軸方向から見て断面略円形状に形成された凹部を有する。この凹部の開口を覆うように、ポンプボディ部31には、軸第一方向L1側からポンプカバー33が接合されている。そして、互いに接合されたポンプボディ部31とポンプカバー33との間にポンプ室CBが形成されている。本実施形態では、ポンプボディ部31との間にポンプ室CBを形成するポンプカバー33が、本発明における「ポンプ室形成部材」に相当する。
ポンプ室CBには、ポンプ本体部41が配置されている。本実施形態では、オイルポンプ40は内接ギヤポンプとして構成されており、ポンプ本体部41はインナーロータとアウターロータとを有する。インナーロータはポンプ駆動軸43と一体回転するように駆動連結されている。アウターロータは、インナーロータに対して偏心した状態で、その内歯がインナーロータの外歯に噛み合っている。ポンプ本体部41は、ポンプ駆動軸43の回転に伴い油圧(液圧)を発生させる。ポンプ本体部41は、径方向に見て差動歯車装置DGと重複するように配置されている。本実施形態では、ポンプ駆動軸43が本発明における「ポンプ駆動部材」に相当する。また、本実施形態では、ポンプボディ部31、ポンプカバー33、ポンプ駆動軸43、及びポンプ本体部41によりオイルポンプ40が構成されている。
図1及び図2に示すように、本実施形態では、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2とは別に、オイルポンプ40を駆動するための専用のポンプ用駆動モータ60が設けられている。図2に示すように、ポンプ用駆動モータ60は、モータ本体部61とモータ出力軸62とを有する。モータ本体部61は、モータケースと、このモータケースに固定されたステータと、このステータの径方向内側に回転自在に支持されたロータとを有する。このロータは、モータ出力軸62と一体回転するように駆動連結されている。モータ出力軸62におけるモータ本体部61とは反対側の端部には、円板状のギヤ形成部材63が当該モータ出力軸62と一体回転するように駆動連結されている。ギヤ形成部材63の外周部には、第一駆動ギヤ71が形成されている。第一駆動ギヤ71は、ギヤ形成部材63と一体的に形成されている。第一駆動ギヤ71は、モータ出力軸62及びギヤ形成部材63を介して、モータ本体部61(ロータ)と一体回転するように駆動連結されている。ポンプ用駆動モータ60は、蓄電装置と電気的に接続されており、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能を果たす。本実施形態では、モータ出力軸62が本発明における「モータ出力部材」に相当する。
なお、ポンプ駆動軸43の回転軸心である第二軸心X2は、入力軸I等の第一軸心X1と平行かつ異なる位置に配置された回転軸心とされている。また、モータ出力軸62の回転軸心である第三軸心X3は、第一軸心X1及び第二軸心X2と平行かつ異なる位置に配置された回転軸心とされている。
本実施形態では、オイルポンプ40を駆動するために内燃機関Eのトルクも利用される。すなわち、オイルポンプ40(ポンプ駆動軸43)の駆動力源として、車輪とは無関係に独立して設けられたポンプ用駆動モータ60と、車輪の駆動力源の1つでもある内燃機関Eとが併用される。ポンプ用駆動モータ60のトルクは、第一駆動ギヤ71に噛み合う第一被駆動ギヤ76を介してポンプ駆動軸43に伝達される。内燃機関Eのトルクは、第二駆動ギヤ72に噛み合う第二被駆動ギヤ77を介してポンプ駆動軸43に伝達される。そして、本実施形態では、ポンプ駆動軸43は、第一被駆動ギヤ76と第二被駆動ギヤ77とのうち、回転速度の高い方と一体回転するように構成されている。
このような構成は、軸方向に並べて配置される2つのワンウェイクラッチ50(第一ワンウェイクラッチ50A,第二ワンウェイクラッチ50B)を用いて実現されている。第一ワンウェイクラッチ50Aは、第一駆動ギヤ71とポンプ駆動軸43との間に介在されている。第二ワンウェイクラッチ50Bは、第二駆動ギヤ72とポンプ駆動軸43との間に介在されている。第一ワンウェイクラッチ50A及び第一駆動ギヤ71は、第二ワンウェイクラッチ50B及び第二駆動ギヤ72に対して、ポンプ本体部41側である軸第二方向L2側に隣接して配置されている。ワンウェイクラッチ50A,50Bとしては、公知の基本構造を有するものを用いることができる。すなわち、同軸状に配置される内輪及び外輪と、これらの間で選択的に駆動力を伝達する駆動力伝達部材(ローラやスプラグ等)とを有するものを用いることができる。
但し、本実施形態では、第一ワンウェイクラッチ50A及び第二ワンウェイクラッチ50Bは、それぞれの内輪が互いに一体化された共通内輪51を備えている。すなわち、2つのワンウェイクラッチ50A,50Bのそれぞれの内輪は、互いに一体化されて共通内輪51を形成している。共通内輪51は、本体部52と連結部53とを有する。本体部52は、円筒状に形成され、ポンプ駆動軸43と同軸状に配置されている。連結部53は、本体部52の軸第一方向L1側の端部から径方向に延びるように形成されている。共通内輪51は、連結部53の内周部において、例えばスプライン嵌合や溶接等によってポンプ駆動軸43と一体回転するように駆動連結されている。
一方、第一ワンウェイクラッチ50A及び第二ワンウェイクラッチ50Bは、互いに独立した外輪を備えている。すなわち、2つのワンウェイクラッチ50A,50Bのそれぞれの外輪55A,55Bは、互いに独立に形成されている。ここで、2つのワンウェイクラッチ50A,50Bに関して、共通内輪51に対する2つの外輪55A,55Bの相対回転の規制方向は、互いに同一とされている。また、2つの外輪55A,55Bのうちの一方である第一外輪55Aが第一被駆動ギヤ76と一体回転するように構成され、他方である第二外輪55Bが第二被駆動ギヤ77と一体回転するように構成されている。本例では円板状の第一外輪55Aの外周部に第一被駆動ギヤ76が一体的に形成され、円板状の第二外輪55Bの外周部に第二被駆動ギヤ77が一体的に形成されている。
上述したように、ポンプ駆動軸43は、第一駆動ギヤ71に噛み合う第一被駆動ギヤ76と、第二駆動ギヤ72に噛み合う第二被駆動ギヤ77とのうち、回転速度の高い方と一体回転するように構成されている。そして、第一駆動ギヤ71は、ギヤ形成部材63及びモータ出力軸62を介して、モータ本体部61(ロータ)と一体回転するように駆動連結されている。第二駆動ギヤ72は、キャリヤCA及び入力軸Iを介して内燃機関Eと一体回転するように駆動連結されている。
これにより、例えばハイブリッド走行モードでの走行時等、内燃機関Eが動作している状態では、当該内燃機関Eにより駆動される第二駆動ギヤ72とこれに噛み合う第二被駆動ギヤ77を介して、オイルポンプ40(ポンプ駆動軸43)が駆動される。一方、例えば電動走行モードでの走行時等、内燃機関Eが停止している状態では、ポンプ用駆動モータ60により駆動される第一駆動ギヤ71とこれに噛み合う第一被駆動ギヤ76を介して、オイルポンプ40(ポンプ駆動軸43)が駆動される。なお、内燃機関E及びポンプ用駆動モータ60が共に動作中であれば、第一被駆動ギヤ76と第二被駆動ギヤ77とのうち回転速度の高い方を介して、オイルポンプ40(ポンプ駆動軸43)が駆動される。
これにより、単一のオイルポンプ40のみを用い、車両の走行状態に応じて内燃機関Eのトルク又はポンプ用駆動モータ60のトルクによって油圧を発生させることができる。そしてそれを、2つのワンウェイクラッチ50A,50Bを利用した比較的簡易な構成により実現している。また、本実施形態では、回転電機MG1,MG2とは別にポンプ用駆動モータ60を備えているので、例えば停車中等の内燃機関Eの停止中に、第二回転電機MG2(中間軸M)を停止させたまま、オイルポンプ40を駆動して油圧を発生させることができる。
オイルポンプ40から吐出された油の一部は、油圧制御装置VBに送られる。油圧制御装置VBは、受け取った油の圧力を所望の油圧に調整して、変速機構TM内の摩擦係合装置CL等に供給する。これにより、複数の摩擦係合装置CLのうちの2つ以上のみを係合した状態として目標とする変速段を形成し、車両を走行させることができ、或いは車両を発進させるための準備を行うことができる。オイルポンプ40から吐出された油の他の一部は、回転電機MG1,MG2(主にステータSt1,St2)を冷却し、或いはギヤの噛み合い部や軸受等を潤滑するためにも、各部に供給される。更に、本実施形態では、オイルポンプ40から吐出された油の他の一部は、ポンプ駆動軸43やモータ出力軸62の支持部やワンウェイクラッチ50A,50Bを潤滑するためにも、これらに供給される。この点については後述する。
ところで、本実施形態では、ポンプカバー33は、軸方向に突出する2つの突出部34,36を有する。第一突出部34は、ポンプカバー33の本体部から、ワンウェイクラッチ50A,50B側である軸第一方向L1側に向かって突出するように形成されている。第一突出部34は、ポンプ駆動軸43と同軸状に、当該ポンプ駆動軸43の外周を取り囲むように配置されている。第二突出部36は、径方向におけるポンプ駆動軸43よりも更に外側の位置において、ポンプカバー33の本体部から、第一突出部34とは反対に軸第二方向L2側に向かって突出するように形成されている。第二突出部36は、モータ出力軸62と同軸状に、当該モータ出力軸62の外周を取り囲むように配置されている。
第一突出部34の内周面には、軸方向の全体に亘ってポンプ駆動軸43の外周面が接している。これにより、ポンプ駆動軸43は第一突出部34により支持されている。言い換えれば、第一突出部34の内周面は、ポンプ駆動軸43を支持する第一支持部35として機能する。第二突出部36の内周面には、軸方向の全体に亘ってモータ出力軸62の外周面が接している。これにより、モータ出力軸62は第二突出部36により支持されている。言い換えれば、第二突出部36の内周面は、モータ出力軸62を支持する第二支持部37として機能する。これらの第一突出部34及び第二突出部36は、いずれもポンプカバー33の一部として当該ポンプカバー33と一体的に形成されている。
このように、第一駆動ギヤ71と一体回転するように駆動連結されるモータ出力軸62と、第一被駆動ギヤ76と一体回転するように駆動連結され得るポンプ駆動軸43とが、単一の部材であるポンプカバー33によって共通に支持されている。これにより、互いに噛み合う第一駆動ギヤ71及び第一被駆動ギヤ76にそれぞれ駆動連結される2つの部材(モータ出力軸62とポンプ駆動軸43)の支持部材間の位置精度が高められている。また、これら2つの部材の支持精度は、それぞれ軸方向の広い領域で支持されることによって高められている。よって、第一駆動ギヤ71及び第一被駆動ギヤ76の耐久性を向上させるとともに、これらの間で発生し得るギヤノイズを低減することが可能となっている。
また、共通内輪51の本体部52は、ポンプ駆動軸43の径方向に見て、ポンプカバー33の第一突出部34と重複するように配置されている。本体部52は、その軸第二方向L2側の一部が第一突出部34の軸第一方向L1側の一部と重複するように配置されている。そして、共通内輪51は、第一突出部34に対して軸第一方向L1側において、連結部53を介してポンプ駆動軸43と一体回転するように連結されている。これにより、例えば2つのワンウェイクラッチ50A,50Bとポンプ駆動軸43の支持用の第一突出部34とを軸方向に並べて配置する場合と比較して、必要な軸方向スペースを小さくことができる。よって、軸方向における大型化を抑制しつつ、ポンプ駆動軸43の支持精度を高めることが可能となっている。
ポンプカバー33は、オイルポンプ40の吐出口39を介してポンプ室CBに連通するカバー内油路を備えている。このようなカバー内油路は、本実施形態では第一油路P1及び第二油路P2の双方を含む。第一油路P1は、ポンプ室CBと第一支持部35(第一突出部34の内周面)とを連通する油路である。第一油路P1のうち吐出口39(絞り部として機能する小孔39aを含む)よりも下流側の部分は、ポンプ駆動軸43の径方向に沿って内側に延びるように形成されている。第一油路P1を通って流れる油は第一支持部35に到達し、当該部位において第一突出部34とポンプ駆動軸43との摺動部を潤滑する。本実施形態では、第一油路P1が本発明における「第一連通路」に相当する。本実施形態では、更にポンプ駆動軸43の内部に軸内油路P3(軸方向油路及び径方向油路を含む)が形成されており、この軸内油路P3を通って流れる油が、ワンウェイクラッチ50A,50Bやその周辺に設けられる軸受等に供給される。これにより、ワンウェイクラッチ50A,50Bの各部や軸受等が潤滑される。
第二油路P2は、ポンプ室CBと第二支持部37(第二突出部36の内周面)とを連通する油路である。第二油路P2のうち吐出口39よりも下流側の部分は、ポンプ駆動軸43の径方向に沿って外側に延びるように形成されている。なお、本実施形態では、吐出口39よりも下流側で分岐する第一油路P1及び第二油路P2は、ポンプ駆動軸43の径方向に沿って直線状に延びるように配置されている。第二油路P2を通って流れる油は第二支持部37に到達し、当該部位において第二突出部36とモータ出力軸62との摺動部を潤滑する。本実施形態では、第二油路P2が本発明における「第二連通路」に相当する。このように、本実施形態では、ポンプカバー33が第一油路P1及び第二油路P2の双方を備えるので、第一突出部34とポンプ駆動軸43との摺動部や第二突出部36とモータ出力軸62との摺動部の磨耗等を抑制することができる。また、ポンプ用駆動モータ60やオイルポンプ40の円滑な駆動を確保することができる。
3.ポンプ駆動モータ及びワンウェイクラッチの配置構成
上述したように、本実施形態では、オイルポンプ40(ポンプ駆動軸43)の駆動力源として、内燃機関Eに加えてポンプ用駆動モータ60が併用される。装置全体の小型化や低コスト化を図るためには、使用するポンプ用駆動モータ60は、できるだけ小型のものであることが好ましい。しかし、単純に小型のポンプ用駆動モータ60を用いるだけでは、オイルポンプ40を駆動するために必要な駆動力を十分に確保できない可能性がある。そこで、本実施形態に係る車両用駆動装置1では、ポンプ用駆動モータ60及びワンウェイクラッチ50A,50B、並びにこれらの周辺に設けられる各部材の配置構成として、以下の構成を採用した。
第一ワンウェイクラッチ50Aは、第二ワンウェイクラッチ50Bに対して軸方向におけるポンプ本体部41側である軸第二方向L2側に配置されている。これにより、第一外輪55Aと一体的に形成された第一被駆動ギヤ76は、第二外輪55Bと一体的に形成された第二被駆動ギヤ77に対して、軸方向におけるポンプ本体部41側に配置されている。また、キャリヤCAの外周部に形成された第二駆動ギヤ72に噛み合う第二被駆動ギヤ77の歯部は、径方向に見てリングギヤRが形成された分配出力部材15と重複しないように、当該分配出力部材15と軸方向の位置を異ならせて配置されている。本実施形態では、第二被駆動ギヤ77の歯部は、分配出力部材15の軸第一方向L1側に、当該分配出力部材15に対して所定の隙間を隔てた状態で配置されている。また、第二被駆動ギヤ77の歯部は、軸方向に見て分配出力部材15と重複するように配置されている。
一方、第一被駆動ギヤ76は、周方向の一部において、径方向に見て差動歯車装置DGと重複するように配置されている。具体的には、第一被駆動ギヤ76は、分配出力部材15の径方向外側に、当該分配出力部材15に対して所定の隙間を隔てた状態で配置されている。このように、第一被駆動ギヤ76の外径は分配出力部材15の存在によって物理的な制約を受けている。その結果、第一被駆動ギヤ76は、第二被駆動ギヤ77よりも小径に形成されている。
モータ本体部61は、径方向に見てポンプ本体部41と重複しないように、当該ポンプ本体部41と軸方向の位置を異ならせて配置されている。モータ本体部61は、ポンプ本体部41に対してワンウェイクラッチ50A,50Bとは反対側である軸第二方向L2側に配置されている。本実施形態では、モータ本体部61は、周方向の一部において、径方向に見て第二回転電機MG2と重複するように配置されている。本例では、第二ステータSt2の軸第一方向L1側のコイルエンド部Ceの軸方向の全域に亘って、当該コイルエンド部Ceと重複するように配置されている。
ここで、第二回転電機MG2は、これと同軸状に配置された第一回転電機MG1よりも小径に形成されている。このため、第二回転電機MG2の周囲の空間であって軸方向に見て第一回転電機MG1と重複する領域には、第一回転電機MG1の外径と第二回転電機MG2の外径との差に応じた環状空間が形成される。本実施形態では、この環状空間における周方向の一部を利用して、モータ本体部61が配置されている。一方、ポンプ駆動軸43の回転軸心である第二軸心X2は、第二回転電機MG2の外縁と概ね同じ径方向位置に配置されている。よって、ポンプ本体部41は、第二回転電機MG2の外縁よりも更に径方向外側に配置された部分を有する。当該部分は、軸方向に見て上記環状空間と重複している。
モータ本体部61は、上記環状空間において、図3に示すように軸方向に見てポンプ本体部41と重複するように配置されている。なお、図3においては、当該重複領域をクロスハッチングで表示している。図2に示すように、本実施形態では、モータ本体部61は、第一軸心X1基準での最内周側の外縁が吐出口39と概ね同じ径方向位置に配置されている。モータ本体部61は、ポンプ本体部41の第一軸心X1基準での最外周側の外縁より、ポンプ本体部41の半径のおよそ半分程度だけ、径方向内側に寄せて配置されている。このような配置では、軸方向に見てモータ本体部61とポンプ本体部41とが互いに重複する分だけ、径方向における車両用駆動装置1の全体の小型化を図ることができる(図3を参照)。更に、軸方向に見てモータ本体部61とポンプ本体部41とが互いに重複する分だけ、ポンプ駆動軸43とモータ出力軸62との軸間距離を短くできる。ここでは、例えば単純にモータ本体部61とポンプ本体部41とが径方向に見て重複して配置される場合(軸方向に見て重複しないように配置される場合)と比較して、ポンプ駆動軸43とモータ出力軸62との軸間距離を有効に短くできる。
これにより、第一駆動ギヤ71を有効に小径化することができる。よって、第一被駆動ギヤ76の外径が制約を受ける場合であっても、第一被駆動ギヤ76の外径に対する第一駆動ギヤ71の外径の比を小さくすることができる。その結果、ポンプ駆動軸43の回転速度に対するモータ出力軸62の回転速度の比(モータ減速比)を高めることができるので、小型のポンプ用駆動モータ60を用いることが可能となる。すなわち、分配出力部材15の存在によって第一被駆動ギヤ76の外径が物理的な制約を受けるにもかかわらず、小型のポンプ用駆動モータ60を用いつつポンプ駆動のための駆動力を確保することができる。
図3に示すように、本実施形態では、差動歯車装置DG、オイルポンプ40(ポンプ本体部41)、及びポンプ用駆動モータ60(モータ本体部61)は、軸方向に見て、径方向に沿って一直線上に並ぶように配置されている。すなわち、モータ出力軸62の回転軸心である第三軸心X3が、軸方向に見て入力軸I等の回転軸心である第一軸心X1とポンプ駆動軸43の回転軸心である第二軸心X2とを結ぶ仮想直線IL上に配置されている。また、モータ本体部61は、軸方向に見て油圧制御装置VBと重複しないように、周方向の位置を当該油圧制御装置VBとは異ならせて配置されている。これにより、油圧制御装置VBと干渉することなく、周方向の適切な位置にモータ本体部61が配置されている。
4.その他の実施形態
最後に、本発明に係る車両用駆動装置の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、第一被駆動ギヤ76が径方向に見て差動歯車装置DGと重複するように配置された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、第一被駆動ギヤ76が径方向に見て差動歯車装置DGと重複しないように当該差動歯車装置DGと軸方向の位置を異ならせて配置された構成としても良い。すなわち、第一被駆動ギヤ76の外径が制約を受けるか否かに関わらず、軸方向に見てモータ本体部61とポンプ本体部41とを重複させることで、容易にモータ減速比を高めることができる。
(2)上記の実施形態では、第三軸心X3が、軸方向に見て第一軸心X1と第二軸心X2とを結ぶ仮想直線IL上に配置された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、図4に示すように、第三軸心X3が軸方向に見て仮想直線ILよりも鉛直方向Vにおける下側に配置されても良い。図示の例では、軸方向に見て第一駆動ギヤ71の全体が仮想直線ILよりも下側に位置するように、第三軸心X3の位置が設定されている。このようにすれば、ケース2の径方向寸法(特に、車両用駆動装置1の横幅)を小さくすることができ、装置全体の更なる小型化を図ることができる。また、図示は省略するが、軸方向に見て油圧制御装置VBや他の構成部品と重複しない限り、モータ本体部61の全体が仮想直線ILよりも下側に位置するように、第三軸心X3の位置が設定されても良い。なお、第三軸心X3を軸方向に見て仮想直線ILよりも鉛直方向Vにおける上側に配置することも可能である。
(3)上記の実施形態では、モータ出力軸62とポンプ駆動軸43とがポンプカバー33によって共通に支持された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、モータ出力軸62とポンプ駆動軸43とが別々の部材によって支持されても良い。例えば、ポンプ駆動軸43がポンプカバー33によって支持されるとともに、モータ出力軸62がケース2等によって支持されても良い。
(4)上記の実施形態では、ポンプカバー33が第一油路P1及び第二油路P2の双方を備えている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、ポンプカバー33が第一油路P1のみを備えた構成、或いは、ポンプカバー33が第二油路P2のみを備えた構成でも良い。例えばポンプカバー33が第一油路P1のみを備える場合には、ケース2の他の部位や別途設けられる他の部材(油路形成部材)に形成される他の油路等を介して、第二支持部37に油を供給可能とすることが好ましい。第二油路P2のみを備える場合も同様に考えることができる。なお、ポンプカバー33が第一油路P1及び第二油路P2の双方を備えない構成とすることも可能である。
(5)上記の実施形態では、第一外輪55Aの外周部に第一被駆動ギヤ76が一体的に形成されるとともに、第二外輪55Bの外周部に第二被駆動ギヤ77が一体的に形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、別体として構成される第一外輪55Aと第一被駆動ギヤ76とが、例えばスプライン嵌合や溶接等によって一体回転するように駆動連結されても良い。同様に、別体として構成される第二外輪55Bと第二被駆動ギヤ77とが、例えばスプライン嵌合や溶接等によって一体回転するように駆動連結されても良い。
(6)上記の実施形態では、別体として構成される共通内輪51とポンプ駆動軸43とがスプライン嵌合や溶接等によって一体回転するように駆動連結された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、ポンプ駆動軸43における軸方向の所定位置に、共通内輪51が一体的に形成されても良い。
(7)上記の実施形態では、ワンウェイクラッチ50A,50Bが、それぞれの内輪が互いに一体化された共通内輪51を備え、当該共通内輪51の本体部52がポンプ駆動軸43の径方向に見て第一突出部34と重複するように配置された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、本体部52と第一突出部34とが互いに重複することなく軸方向に並べて配置されても良い。この場合において、ワンウェイクラッチ50A,50Bが、共通内輪51を備えるのではなく、個別に内輪を備えていても良い。
(8)上記の実施形態では、第一回転電機MG1に対して軸第二方向L2側に配置される第二回転電機MG2が、第一回転電機MG1よりも小径に形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、第二回転電機MG2が、第一回転電機MG1と比較して同径又は大径に形成されても良い。この場合において、モータ本体部61が、モータ出力軸62の周方向の一部において、径方向に見て第一回転電機MG1と重複するように配置されても良い。また、第二回転電機MG2が、第一回転電機MG1とは回転軸心を異ならせて配置されても良い。
(9)上記の実施形態では、モータ本体部61が、軸方向に見て油圧制御装置VBと重複しないように、周方向の位置を当該油圧制御装置VBとは異ならせて配置された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えばモータ本体部61が、油圧制御装置VBと軸方向の位置を異ならせて配置される場合には、軸方向に見て油圧制御装置VBと重複して配置されても良い。
(10)上記の実施形態では、シングルピニオン型の差動歯車装置DGのサンギヤSに第一回転電機MG1が駆動連結され、キャリヤCAに入力軸Iが駆動連結され、リングギヤRに中間軸M及び第二回転電機MG2が駆動連結された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。サンギヤS、キャリヤCA、リングギヤRに対する第一回転電機MG1、入力軸I、中間軸M及び第二回転電機MG2の駆動連結関係は、車両用駆動装置1の要求仕様に応じて適宜決定することができる。また、ダブルピニオン型の差動歯車装置DGを用いても良いし、4つ以上の回転要素を有する差動歯車装置DGを用いても良い。
(11)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本願の特許請求の範囲に記載されていない構成に関しては、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、2モータスプリット方式のハイブリッド車両用の駆動装置に利用することができる。
1 :車両用駆動装置
33 :ポンプカバー(ポンプ室形成部材)
35 :第一支持部
37 :第二支持部
P1 :第一油路(第一連通路)
P2 :第二油路(第二連通路)
CB :ポンプ室
40 :オイルポンプ(液圧発生装置)
41 :ポンプ本体部
43 :ポンプ駆動軸(ポンプ駆動部材)
50 :ワンウェイクラッチ
50A :第一ワンウェイクラッチ
50B :第二ワンウェイクラッチ
51 :共通内輪
55A :第一外輪
55B :第二外輪
60 :ポンプ用駆動モータ
61 :モータ本体部
62 :モータ出力軸(モータ出力部材)
71 :第一駆動ギヤ
72 :第二駆動ギヤ
76 :第一被駆動ギヤ
77 :第二被駆動ギヤ
I :入力軸(入力部材)
M :中間軸(出力部材)
E :内燃機関
MG1 :第一回転電機
MG2 :第二回転電機
DG :差動歯車装置
S :サンギヤ(第一回転要素)
CA :キャリヤ(第二回転要素)
R :リングギヤ(第三回転要素)
CL :摩擦係合装置
VB :油圧制御装置(液圧制御装置)
V :鉛直方向
X1 :第一軸心
X2 :第二軸心
X3 :第三軸心
IL :仮想直線

Claims (7)

  1. 内燃機関に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、第一回転電機と、第二回転電機と、少なくとも第一回転要素、第二回転要素、及び第三回転要素を有する差動歯車装置とを備え、前記第一回転要素に前記第一回転電機が駆動連結され、前記第二回転要素に前記入力部材が駆動連結され、前記第三回転要素に前記出力部材及び前記第二回転電機が駆動連結された車両用駆動装置であって、
    モータ出力部材を介して第一駆動ギヤに駆動連結されたモータ本体部を有するポンプ用駆動モータと、
    ポンプ駆動部材と当該ポンプ駆動部材の回転に伴い液圧を発生させるポンプ本体部とを有する液圧発生装置と、を備え、
    前記ポンプ駆動部材は、前記第一駆動ギヤに噛み合う第一被駆動ギヤと前記第二回転要素と一体回転するギヤに噛み合う第二被駆動ギヤとのうち、回転速度の高い方と一体回転するように駆動連結され、
    前記モータ本体部が、前記差動歯車装置の径方向に見て前記ポンプ本体部と重複することなく、前記差動歯車装置の軸方向に見て前記ポンプ本体部と重複するように配置されている車両用駆動装置。
  2. 前記第一回転電機、前記差動歯車装置、及び前記第二回転電機が、前記軸方向に沿ってこの順に配置され、
    前記第二回転電機の外径は前記第一回転電機の外径よりも小さく、
    前記モータ本体部が、前記差動歯車装置の周方向の一部において、前記径方向に見て前記第二回転電機と重複するように配置されている請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記第一被駆動ギヤが、前記差動歯車装置の周方向の一部において、前記差動歯車装置の径方向に見て当該差動歯車装置と重複するように配置されている請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記ポンプ駆動部材と前記モータ出力部材とを共通に支持する共通支持部材を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記共通支持部材が、前記ポンプ本体部を収容するポンプ室を形成するポンプ室形成部材であり、
    前記ポンプ室形成部材が、前記ポンプ室と当該ポンプ室形成部材における前記ポンプ駆動部材を支持する第一支持部とを連通する第一連通路、及び、前記ポンプ室と当該ポンプ室形成部材における前記第一被駆動ギヤを支持する第二支持部とを連通する第二連通路を更に備える請求項4に記載の車両用駆動装置。
  6. 液圧駆動式の摩擦係合装置と、当該摩擦係合装置に供給される液圧を制御する液圧制御装置とを更に備え、
    前記差動歯車装置の周方向の位置に関し、前記モータ本体部が、前記軸方向に見て前記液圧制御装置と重複しないように前記周方向の位置を異ならせて配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  7. 前記軸方向に並べて配置される2つのワンウェイクラッチを更に備え、
    2つの前記ワンウェイクラッチのそれぞれの内輪は、互いに一体化されて共通内輪を形成しているとともに、当該共通内輪が前記ポンプ駆動部材と一体回転するように構成され、
    2つの前記ワンウェイクラッチのそれぞれの外輪は、互いに独立に形成されているとともに前記共通内輪に対する相対回転が規制される当該相対回転の方向が互いに同一とされ、一方の外輪が前記第一被駆動ギヤと一体回転するように構成され、他方の外輪が前記第二被駆動ギヤと一体回転するように構成されている請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
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