JP6176082B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents

車両用駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6176082B2
JP6176082B2 JP2013245057A JP2013245057A JP6176082B2 JP 6176082 B2 JP6176082 B2 JP 6176082B2 JP 2013245057 A JP2013245057 A JP 2013245057A JP 2013245057 A JP2013245057 A JP 2013245057A JP 6176082 B2 JP6176082 B2 JP 6176082B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
axis
electrical machine
rotating electrical
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013245057A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015101277A (ja
Inventor
重樹 ▲高▼見
重樹 ▲高▼見
貴久 平野
貴久 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2013245057A priority Critical patent/JP6176082B2/ja
Publication of JP2015101277A publication Critical patent/JP2015101277A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6176082B2 publication Critical patent/JP6176082B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Description

本発明は、ダンパを介して内燃機関に駆動連結される入力部材と、第一回転電機と、第二回転電機と、差動歯車装置と、車輪に駆動連結される出力装置とを備えた車両用駆動装置に関する。
上記のような車両用駆動装置として、特開2013−166548号公報(特許文献1)に記載された装置が知られている。特許文献1の装置において、入力部材〔入力軸I〕、第一回転電機〔MG1〕、及び差動歯車装置〔動力分配装置PT〕の回転軸心〔第一軸A1〕と、第二回転電機〔MG2〕の回転軸心〔第二軸A2〕と、出力装置〔出力用差動歯車装置DF〕の回転軸心〔第三軸A3〕とは、互いに平行かつ軸方向に見て三角形の頂点に位置するように配置されている。そして、当該三角形の内部に配置されるカウンタギヤ機構〔C〕の1つのギヤ〔第一ギヤ42〕に、差動歯車装置の出力要素〔リングギヤR〕と一体回転するギヤ〔出力ギヤ22〕と第二回転電機の出力ギヤ〔37〕とが共通に噛み合っている。しかし、特許文献1の装置では、軸方向に見てダンパとカウンタギヤ機構とが互いに重複して配置され、かつ、軸方向に見てカウンタギヤ機構と第二回転電機とが互いに重複して配置されるため、第二回転電機の回転軸心に沿った軸方向長さが長くなりがちだった。
一方、特開2001−246953号公報(特許文献2)には、同様の前提構成を備えつつ、出力装置〔ディファレンシャル装置D〕に対する差動歯車装置〔P〕側からの動力伝達系と第二回転電機〔電動機M〕側からの動力伝達系とが別個に構成された装置が開示されている。出力装置に対する2つの動力伝達系を分けることで、各軸の位置を変更することなくトータルギヤ比が設定可能であり、また、車載上の制約を小さくすることができる。しかし、特許文献2の装置では、出力装置に対する差動歯車装置側からの動力伝達系には同軸減速機構やカウンタ減速機構が設けられており、これらの存在を考慮すると、やはり第二回転電機の回転軸心に沿った軸方向長さが長くなる可能性がある。
特開2013−166548号公報 特開2001−246953号公報
そこで、ダンパに連結される複軸構成の車両用駆動装置において、所定の減速比を確保しつつ、第二回転電機の回転軸心に沿った軸方向長さを短く抑えることが望まれる。
本発明に係る車両用駆動装置は、
ダンパを介して内燃機関に駆動連結される入力部材と、第一回転電機と、第二回転電機と、3つの回転要素を有する差動歯車装置と、車輪に駆動連結される出力装置とを備え、
前記差動歯車装置の前記3つの回転要素のうち、1つの回転要素に前記入力部材が駆動連結され、別の1つの回転要素に前記第一回転電機が駆動連結され、残余の回転要素である出力要素が前記出力装置に駆動連結されるとともに、前記第二回転電機が前記出力装置に駆動連結された車両用駆動装置であって、
前記出力要素と前記出力装置との間で駆動力を伝達する駆動伝達機構を備え、
前記ダンパ、前記差動歯車装置、及び前記第一回転電機が、これらに共通の第一軸上に並んで配置され、
前記第二回転電機が、前記第一軸に平行でありかつ前記第一軸とは異なる第二軸上に配置され、
前記出力装置が、前記第一軸に平行でありかつ前記第一軸及び前記第二軸とは異なる第三軸上に配置され、
前記3つの回転要素のうち、回転速度の順で中間となる回転要素が前記出力要素とされ、
前記駆動伝達機構が、一枚歯からなるアイドラギヤで構成され
前記差動歯車装置は、サンギヤ、キャリヤ、及びリングギヤを有するダブルピニオン型の遊星歯車機構により構成され、
前記出力要素は、前記リングギヤであり、
前記差動歯車装置と前記アイドラギヤとは、径方向に見て重複している。
本願において、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体回転するように連結された状態や、1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。このような伝動部材には、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(軸、歯車機構、ベルト等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等)が含まれても良い。但し、差動歯車装置の各回転要素について「駆動連結」という場合には、当該差動歯車装置の他の回転要素を介することなく駆動連結されている状態を意味するものとする。
また、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
また、「回転速度の順」とは、各回転要素の回転状態における回転速度の順番を意味する。各回転要素の回転速度は、差動歯車装置の回転状態によって変化するが、各回転要素の回転速度の高低の並び順は、差動歯車装置の構造によって定まるものであるため一定となる。なお、各回転要素の回転速度の順は、速度線図(共線図)における各回転要素の配置順に等しい。
この構成によれば、差動歯車装置の3つの回転要素のうち、回転速度の順で中間となる回転要素が出力要素とされるので、当該差動歯車装置は入力部材の回転速度を減速するとともにトルクを増幅するいわゆる電気式トルクコンバータとして機能する。よって、例えば専用の同軸減速機構等を設けることなく、差動歯車装置側から出力装置側への減速比を確保することができる。これにより、出力要素と出力装置との間で駆動力を伝達する駆動伝達機構を、例えばカウンタ減速機構ではなく、一枚歯からなるアイドラギヤで構成することができる。同軸減速機構の省略が可能になることと、駆動伝達機構を一枚歯からなるアイドラギヤで構成できることとにより、第二回転電機を軸方向でダンパ側に寄せて配置することが可能となる。従って、所定の減速比を確保しつつ、第二回転電機の回転軸心に沿った軸方向長さを短く抑えることができる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
1つの態様として、前記駆動伝達機構とは別に、前記第二回転電機と前記出力装置との間で駆動力を伝達するギヤ機構をさらに備えると好適である。
この構成によれば、出力要素と出力装置との間の動力伝達系と、第二回転電機と出力装置との間の動力伝達系とが別個に備えられるので、各部品の配置上の制約を小さくすることができる。よって、第二回転電機の回転軸心に沿った軸方向長さを短く抑え易い。
1つの態様として、前記ギヤ機構の回転軸心が前記第二軸及び前記第三軸の双方を含む平面である基準面に対して前記第一軸側とは反対側に位置するように、前記ギヤ機構が配置されていると好適である。
この構成によれば、軸方向に見てギヤ機構をダンパから離して配置することができる。よって、第二回転電機の回転軸心に沿った軸方向長さを短く抑え易い。
1つの態様として、前記ギヤ機構が、軸方向に見て前記ダンパと重複しないように配置されていると好適である。
本願において、2つの部材の配置に関して、「ある方向に見て重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。従って、2つの部材の配置に関して、「ある方向に見て重複しない」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が存在しないことを意味する。
この構成によれば、ギヤ機構とダンパとの軸方向の位置関係に関わらず、ギヤ機構とダンパとが干渉することを回避できる。よって、ギヤ機構を軸方向でダンパ側、さらには内燃機関側に寄せて配置することができる。その結果、第二回転電機を内燃機関側に寄せて配置することができ、第二回転電機の回転軸心に沿った軸方向長さを有効に短縮できる。
1つの態様として、前記ギヤ機構は、前記第二回転電機の出力ギヤに噛み合う第一ギヤと、前記第一ギヤとは軸方向の異なる位置で前記出力装置の入力ギヤに噛み合う第二ギヤと、を有し、前記第一ギヤが、前記第二ギヤに対して軸方向で前記第二回転電機側とは反対側に配置されていると好適である。
この構成によれば、ギヤ機構の全体が、出力装置の入力ギヤよりも第二回転電機側とは反対側に配置される。よって、ギヤ機構を軸方向でダンパ側、さらには内燃機関側に寄せて配置することができる。その結果、第二回転電機を内燃機関側に寄せて配置することができ、第二回転電機の回転軸心に沿った軸方向長さを有効に短縮できる。
1つの態様として、前記第一ギヤが、軸方向に見て前記ダンパと重複することなく、かつ、径方向に見て前記ダンパと重複するように配置されていると好適である。
この構成によれば、軸方向に見て第一ギヤとダンパとが重複する構成に比べて、第二回転電機の回転軸心に沿った軸方向長さをさらに有効に短縮できる。
1つの態様として、車載状態で、前記アイドラギヤの回転軸心が前記第一軸に平行でありかつ前記第三軸よりも上方に位置するように、前記アイドラギヤが配置されていると好適である。
この構成によれば、車載状態でアイドラギヤを出力装置の回転軸心よりも上方に配置することができる。よって、一般的に車両用駆動装置の内部に貯留される油中にアイドラギヤが浸らないようにし、或いは、浸る量を少なく抑えることができる。これにより、油の撹拌抵抗に起因する動力損失を小さく抑えることができる。
1つの態様として、車載状態で、前記第一軸に対して水平方向の一方側に前記第二軸及び前記第三軸が配置されているとともに、前記第二軸が前記第三軸に対して上方に配置されていると好適である。
この構成によれば、複軸構成の車両用駆動装置に適したレイアウトを実現しつつ、第二回転電機の回転軸心に沿った軸方向長さを短く抑えることができる。
第一の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図 差動歯車装置の速度線図 軸方向に見た場合の各部品の配置を示す模式図 車両用駆動装置の部分断面図 第二の実施形態における軸方向に見た場合の各部品の配置を示す模式図 差動歯車装置の別態様を示すスケルトン図 差動歯車装置の別態様を示すスケルトン図
〔第一の実施形態〕
本発明に係る車両用駆動装置の第一の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る車両用駆動装置1は、車輪Wの駆動力源として内燃機関E及び回転電機MG1,MG2の双方を備えるハイブリッド車両用の駆動装置である。この車両用駆動装置1は、いわゆる2モータスプリット方式のハイブリッド車両用の駆動装置として構成されている。また、本実施形態に係る車両用駆動装置1は、FF(Front Engine Front Drive)車両用の駆動装置として構成されている。
なお、以下の説明では、各部材についての方向や位置等に関する用語は、製造上許容され得る誤差による差異を有する状態をも含む概念である。また、各部材についての方向は、それらが車両用駆動装置1に組み付けられた状態での方向を表す。
図1に示すように、車両用駆動装置1は、内燃機関Eに駆動連結される入力軸10と、差動歯車装置20と、第一回転電機30と、第二回転電機40と、車輪Wに駆動連結される出力装置70とを備えている。また、車両用駆動装置1は、差動歯車装置20と出力装置70との間で駆動力を伝達する駆動伝達機構50と、第二回転電機40と出力装置70との間で駆動力を伝達するギヤ機構60とを個別に備えている。図3に示すように、これらは、ケース(駆動装置ケース)2内に収容されている。
図1及び図4に示すように、入力軸10、差動歯車装置20、及び第一回転電機30は、これらに共通の第一軸X1上に配置されている。入力軸10、差動歯車装置20、及び第一回転電機30は、第一軸X1上に、内燃機関E側から記載の順に並んで配置されている。第二回転電機40は、第一軸X1とは異なる第二軸X2上に配置されている。出力装置70は、第一軸X1及び第二軸X2とは異なる第三軸X3上に配置されている。第一軸X1、第二軸X2、及び第三軸X3は、互いに平行に配置されている。本実施形態では、これらの各軸X1〜X3に平行な方向を「軸方向」と定義する。
図3に示すように、第一軸X1、第二軸X2、及び第三軸X3は、軸方向に見て三角形の頂点に位置するように配置されている。本実施形態では、車載状態で軸方向に見て、第一軸X1に対して水平方向の一方側に第二軸X2及び第三軸X3が配置されている。第二軸X2及び第三軸X3は、軸方向に見て水平方向の同程度の位置に配置されている。また、第二軸X2は、第三軸X3に対して上方に配置されている。本実施形態では、第三軸X3が第一軸X1に対して下方に配置され、第二軸X2が第一軸X1に対して上方に配置されている。
入力軸10は、内燃機関Eに駆動連結されている。内燃機関Eは、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等)である。本実施形態では、内燃機関Eの出力軸(クランクシャフト等の内燃機関出力軸)に、入力軸10が駆動連結されている。また、入力軸10は、当該入力軸10と同軸に(第一軸X1上に)配置されたダンパDを介して、内燃機関Eに駆動連結されている。なお、入力軸10がダンパDに加えてクラッチ等を介して内燃機関Eに駆動連結されていても好適である。本実施形態では、入力軸10が本発明における「入力部材」に相当する。
入力軸10は、差動歯車装置20に駆動連結されている。差動歯車装置20は、サンギヤ21、キャリヤ22、及びリングギヤ23の3つの回転要素を有する遊星歯車機構により構成されている。差動歯車装置20は、複数のピニオンギヤを支持するキャリヤ22と、前記ピニオンギヤにそれぞれ噛み合うサンギヤ21及びリングギヤ23とを有する。本実施形態では、差動歯車装置20は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構により構成されている。また、本実施形態では、差動歯車装置20の3つの回転要素は、回転速度の順に、サンギヤ21、リングギヤ23、及びキャリヤ22となっている。なお、各回転要素21〜23の回転速度の順は、速度線図(共線図とも言う;図2を参照)における各回転要素21〜23の配置順に等しい。
本実施形態では、サンギヤ21に第一回転電機30が駆動連結され、キャリヤ22に入力軸10が駆動連結され、リングギヤ23に出力装置70が駆動連結されている。サンギヤ21にキャリヤ22及びリングギヤ23を介することなく第一回転電機30が駆動連結され、キャリヤ22にサンギヤ21及びリングギヤ23を介することなく入力軸10が駆動連結され、リングギヤ23にサンギヤ21及びキャリヤ22を介することなく出力装置70が駆動連結されている。本実施形態では、リングギヤ23が本発明における「出力要素」に相当する。
図2は、差動歯車装置20の動作状態を表す速度線図である。この速度線図において、縦軸は、各回転要素の回転速度に対応している。「0」は回転速度がゼロであることを示しており、上側が正の回転速度を表し、下側が負の回転速度を表す。並列に配置された複数本の縦線のそれぞれは、差動歯車装置20の各回転要素21〜23に対応している。また、各回転要素21〜23に対応する縦線の間隔は、差動歯車装置20のギヤ比λ(リングギヤ23の歯数に対するサンギヤ21の歯数の比=〔サンギヤ21の歯数〕/〔リングギヤ23の歯数〕)に対応している。また、太実線で示される直線が、差動歯車装置20の動作状態を示している。
差動歯車装置20は、入力軸10に伝達される内燃機関Eのトルクと第一回転電機30のトルクとを合成してリングギヤ23に伝達する。すなわち、差動歯車装置20において、回転速度の順で一方端となるサンギヤ21が第一回転電機30と一体回転するように駆動連結されるとともに、他方端となるキャリヤ22が入力軸10と一体回転するように駆動連結される。そして、サンギヤ21に伝達される第一回転電機30のトルクとキャリヤ22に伝達される入力軸10(内燃機関E)のトルクとがギヤ比λに応じた所定比率で合成されて、回転速度の順で中間となるリングギヤ23に伝達される。第一回転電機30は、主に負方向に回転しながら正トルクを出力して、サンギヤ21に伝達されるトルクを支持しながら発電する。リングギヤ23には、内燃機関Eのトルクに対して増幅されたトルクが車輪Wの駆動用のトルクとして伝達される。本実施形態では、差動歯車装置20は、動力合成装置(動力合成用差動歯車装置)として機能する。また、差動歯車装置20は、いわゆる電気式トルクコンバータとして機能する。
図1及び図4に示すように、本実施形態では、リングギヤ23は筒状の差動出力部材25の内周面に一体的に形成されており、この差動出力部材25の外周面には、さらに第一出力ギヤ26が一体的に形成されている。本実施形態では、第一出力ギヤ26は、差動出力部材25における軸方向の中央部よりも内燃機関E側の部分に形成されている。このようにして、リングギヤ23と第一出力ギヤ26とは、一体回転するように構成されている。第一出力ギヤ26は、駆動伝達機構50を構成するアイドラギヤ51に噛み合っている。リングギヤ23及びこれと一体回転する第一出力ギヤ26は、駆動伝達機構50を介して出力装置70に駆動連結されている。
第一回転電機30は、ケース2に固定された第一ステータ31と、当該第一ステータ31の径方向内側に回転自在に支持された第一ロータ32とを有する。第一ロータ32は、第一ロータ軸33と一体回転するように連結されている。第一ロータ軸33の内燃機関E側の端部には、サンギヤ21が形成されている。このようにして、第一ロータ32は、第一ロータ軸33を介して、差動歯車装置20のサンギヤ21に駆動連結されている。
第一回転電機30は、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを果たすことが可能である。第一回転電機30は、蓄電装置(バッテリやキャパシタ等;図示せず)に電気的に接続されている。第一回転電機30は、主に負方向に回転しながら正トルクを出力して発電を行うジェネレータとして機能する。なお、車両の走行状態によっては、第一回転電機30がモータとして機能する場合もある。
第二回転電機40は、ケース2に固定された第二ステータ41と、当該第二ステータ41の径方向内側に回転自在に支持された第二ロータ42とを有する。第二ロータ42は、第二ロータ軸43と一体回転するように連結されている。第二ロータ軸43の内燃機関E側の端部には、第二出力ギヤ45が形成されている。このようにして、第二ロータ42は、第二ロータ軸43を介して第二出力ギヤ45に駆動連結されている。第二出力ギヤ45は、ギヤ機構60の第一ギヤ61に噛み合っている。第二出力ギヤ45は、ギヤ機構60を介して出力装置70に駆動連結されている。
第二回転電機40も、モータとしての機能とジェネレータとしての機能とを果たすことが可能であり、蓄電装置(図示せず)に電気的に接続されている。第二回転電機40は、主に車両を走行させるための駆動力を補助するモータ(アシストモータ)として機能する。なお、車両の減速時等には、第二回転電機40がジェネレータとして機能する場合もある。
駆動伝達機構50は、差動歯車装置20の出力要素であるリングギヤ23と、出力装置70との間で駆動力を伝達する。駆動伝達機構50は、アイドラギヤ51が形成された1つの円板状部材52と、この円板状部材52をその回転軸心の位置で支持する支持軸53とを有する。アイドラギヤ51は、円板状部材52の外周面に形成されている。駆動伝達機構50は、第一軸X1に平行であり、かつ、第一軸X1、第二軸X2、及び第三軸X3とは異なる第四軸X4上に配置されている。アイドラギヤ51は、リングギヤ23と一体回転する第一出力ギヤ26に噛み合っているとともに、出力装置70の入力ギヤ71にも噛み合っている。第一出力ギヤ26と入力ギヤ71とは、第三軸X3基準での周方向の互いに異なる位置で、アイドラギヤ51に噛み合っている(図3を参照)。
このように、アイドラギヤ51は、差動歯車装置20のリングギヤ23と一体回転する第一出力ギヤ26と、出力装置70の入力ギヤ71との双方に噛み合うように両者間に設けられる中間のギヤである。アイドラギヤ51は、第一出力ギヤ26の回転方向と入力ギヤ71の回転方向とを合わせるとともに、第一出力ギヤ26と入力ギヤ71との間の軸間距離を埋める機能を果たす。アイドラギヤ51は、“アイドルギヤ”や“遊び歯車”とも称される。駆動伝達機構50は、差動歯車装置20からの出力回転を同速のまま(差動歯車装置20からの出力トルクをそのままの大きさで)出力装置70に伝達する同速伝達機構として機能する。
ギヤ機構60は、第二回転電機40と出力装置70との間で駆動力を伝達する。ギヤ機構60は、第一ギヤ61と、この第一ギヤ61とは軸方向の異なる位置に設けられた第二ギヤ62と、2つのギヤ61,62を連結する連結軸63とを有する。ギヤ機構60は、第一軸X1に平行であり、かつ、第一軸X1、第二軸X2、第三軸X3、及び第四軸X4とは異なる第五軸X5上に配置されている。第一ギヤ61は、第二回転電機40の第二出力ギヤ45に噛み合っている。第二ギヤ62は、出力装置70の入力ギヤ71に噛み合っている。
本実施形態では、第一ギヤ61は、第二ギヤ62に対して軸方向で第二回転電機40側とは反対側に配置されている。本実施形態では、第一ギヤ61は、第二ギヤ62に対して軸方向で内燃機関E側(ダンパD側)に配置されている。また、第二ギヤ62は、第一ギヤ61よりも小径に(歯数が少なく)形成されている。ギヤ機構60は、第二回転電機40からの出力回転を減速して(同時に第二回転電機40からの出力トルクを増幅して)出力装置70に伝達する減速機構(カウンタ減速機構)として機能する。
互いに別個に設けられる差動歯車装置20側からの動力伝達系と第二回転電機40側からの動力伝達系とは、出力装置70において合流する。出力装置70は、入力ギヤ71と、当該入力ギヤ71に連結された本体部72とを有する。本実施形態では、本体部72は、入力ギヤ71に対して軸方向で内燃機関E側(ダンパD側)に配置されている。出力装置70の入力ギヤ71には、駆動伝達機構50のアイドラギヤ51及びギヤ機構60の第二ギヤ62の双方が噛み合っている。アイドラギヤ51と第二ギヤ62とは、第三軸X3基準における周方向の互いに異なる位置で、入力ギヤ71に噛み合っている(図3を参照)。
本体部72は、互いに噛合する複数の傘歯車とそれらを収容する収容ケースとを含み、差動歯車機構を構成する。出力装置70は、互いに独立した2つの機構50,60を介して差動歯車装置20側及び第二回転電機40側から入力ギヤ71に入力される回転及びトルクを、本体部72にて左右2つの出力軸80(すなわち、左右2つの車輪W)に分配して伝達する。出力装置70は、差動歯車機構を有する出力装置(出力用差動歯車装置)として機能する。
これにより、内燃機関Eを最適燃費特性に沿うように(高い効率で排ガスの少ない状態に)制御しながら第一回転電機30に発電させつつ、内燃機関E及び第一回転電機30のトルクと(必要な場合には)第二回転電機40のトルクとによって車両を走行させることができる。
ところで、車両用駆動装置1の車載性を考慮すれば、装置全体は極力小型化されていることが好ましい。内燃機関Eに対して車両の幅方向に隣接して配置される、FF車両用の車両用駆動装置1では、特に軸方向に小型化されていることが好ましい。このことは、複数の構成部品(差動歯車装置20、第一回転電機30、及びダンパD)が並んで配置される第一軸X1上の部品に関して、まず第1に当てはまる。
この点、本実施形態では、図4に示すように、差動歯車装置20の全体が、円筒状の差動出力部材25の内側において、第一軸X1基準での径方向に見て差動出力部材25と重複して配置されている。このため、差動出力部材25が占有する軸方向の空間内に差動歯車装置20の全体を配置することができる。また、差動出力部材25の外周面に第一出力ギヤ26が一体的に設けられているので、差動出力部材25が占有する軸方向の空間内に、第一出力ギヤ26をも配置することができる。よって、差動歯車装置20及び第一出力ギヤ26の双方を差動出力部材25が占有する空間内に収めて、差動出力部材25、差動歯車装置20、及び第一出力ギヤ26が占有する空間の軸方向長さを短縮することができる。
軸方向長さの短縮は、上述した第一軸X1上の部品に関してだけでなく、第二軸X2上の部品(第二回転電機40)に関しても同様に要求される。第二軸X2に沿った軸方向長さを短く抑えることができれば、車載性をさらに向上させることができる。または、第二軸X2に沿った軸方向長さを拡大させることなく、主にアシストモータとして機能する第二回転電機40として大型の回転電機を用いることができる。或いは、要求される仕様に応じて両者をバランス良く実現することも可能である。この点に鑑み、本実施形態では、差動歯車装置20と出力装置70との間の動力伝達系と、第二回転電機40と出力装置70との間の動力伝達系とを個別に備えるとともに、それぞれの動力伝達系の配置位置の最適化が図られている。
ここで、図3に示すように、本実施形態では、第一軸X1及び第三軸X3の双方を含む仮想平面を第一基準面R1と定義する。また、第二軸X2及び第三軸X3の双方を含む仮想平面を第二基準面R2と定義する。また、第一軸X1及び第二軸X2の双方を含む仮想平面を第三基準面R3と定義する。また、第一軸X1を含む仮想鉛直平面を第四基準面R4と定義する。また、第一軸X1を含む仮想水平面を第五基準面R5と定義する。また、第二軸X2を含む仮想水平面を第六基準面R6と定義する。また、第三軸X3を含む仮想水平面を第七基準面R7と定義する。本実施形態では、第二基準面R2が本発明における「基準面」に相当する。
本実施形態では、差動歯車装置20と出力装置70との間で駆動力を伝達する駆動伝達機構50の回転軸心となる第四軸X4は、第三基準面R3に対して第三軸X3側に位置するように配置されている。第二回転電機40と出力装置70との間で駆動力を伝達するギヤ機構60の回転軸心となる第五軸X5も、第三基準面R3に対して第三軸X3側に位置するように配置されている。駆動伝達機構50の大部分とギヤ機構60の全体とは、いずれも、第三基準面R3に対して第三軸X3側に位置するように配置されている。
本実施形態では、駆動伝達機構50の回転軸心となる第四軸X4は、第七基準面R7に対して第二軸X2側(上側)に位置するように配置されている。また、第四軸X4は、第一基準面R1に対して第二軸X2側に位置するように配置されている。さらに、第四軸X4は、第五基準面R5に対して第二軸X2側(上側)に位置するように配置されている。駆動伝達機構50は、その全体が第七基準面R7、第一基準面R1、及び第五基準面R5に対して第二軸X2側(上側)に位置するように配置されている。
また、第四軸X4は、第二基準面R2に対して第一軸X1側であって、かつ、第四基準面R4に対して第三軸X3側に位置するように配置されている。駆動伝達機構50は、その全体が、第二基準面R2に対して第一軸X1側であって、かつ、第四基準面R4に対して第三軸X3側に位置するように配置されている。このように、駆動伝達機構50は、アイドラギヤ51の一部を除く大部分が、第一基準面R1と第二基準面R2と第三基準面R3とによって囲まれる三角柱状空間に配置されている。さらに、駆動伝達機構50は、アイドラギヤ51の一部を除く大部分が、第五基準面R5と第二基準面R2と第三基準面R3とによって囲まれる三角柱状空間に配置されている。本実施形態では、駆動伝達機構50は、軸方向に見てダンパDと重複する部分を有している。また、本実施形態では、駆動伝達機構50は、軸方向に見て第二回転電機40とも重複する部分を有している。
本実施形態では、ギヤ機構60の回転軸心となる第五軸X5は、第二基準面R2に対して第一軸X1側とは反対側に位置するように配置されている。ギヤ機構60を構成する第二ギヤ62と連結軸63とは、いずれも、その全体が第二基準面R2に対して第一軸X1側とは反対側に位置するように配置されている。ギヤ機構60を構成する第一ギヤ61は、その一部が第二基準面R2に対して第一軸X1側に位置するように配置されている。ここで、第四軸X4を含む仮想鉛直平面を第八基準面R8と定義すると、ギヤ機構60は、その全体が第八基準面R8に対して第一軸X1側とは反対側に位置するように配置されている。
また、第五軸X5は、第一基準面R1に対して第二軸X2側であって、かつ、第三基準面R3に対して第三軸X3側に位置するように配置されている。ギヤ機構60は、その全体が、第一基準面R1に対して第二軸X2側であって、かつ、第三基準面R3に対して第三軸X3側に位置するように配置されている。また、第五軸X5は、第五基準面R5に対して第二軸X2側(上側)であって、かつ、第六基準面R6に対して第三軸X3側(下側)に位置するように配置されている。ギヤ機構60を構成する第二ギヤ62と連結軸63とは、いずれも、その全体が、第五基準面R5に対して第二軸X2側(上側)であって、かつ、第六基準面R6に対して第三軸X3側(下側)に位置するように配置されている。ギヤ機構60を構成する第一ギヤ61は、その全体が第六基準面R6に対して第三軸X3側(下側)に位置するとともに、その一部が第五基準面R5に対して第三軸X3側(下側)に位置するように配置されている。
ギヤ機構60は、その全体が、第七基準面R7と第八基準面R8と第三基準面R3とによって区画される空間に配置されている。ギヤ機構60は、第一ギヤ61の一部を除く大部分が、第五基準面R5と第二基準面R2と第六基準面R6とによって区画される空間に配置されている。ギヤ機構60は、軸方向に見てダンパDから大きく離間して配置されており、軸方向に見てダンパDと重複しないように配置されている。ギヤ機構60は、軸方向に見て駆動伝達機構50からも離間して配置されており、軸方向に見て駆動伝達機構50とも重複しないように配置されている。
このような配置構成を採用したことで、ギヤ機構60と駆動伝達機構50との軸方向の干渉が回避できるとともに、ギヤ機構60とダンパDとの軸方向の干渉が回避できる。これにより、図4に示すように、ギヤ機構60を軸方向でダンパD側に寄せて配置することができ、さらにはギヤ機構60を軸方向で内燃機関E側に寄せて配置することができる。本実施形態では、第一出力ギヤ26、アイドラギヤ51、入力ギヤ71、及び第二ギヤ62は、同じ軸方向の位置に配置されている。そして、これらに対して軸方向で内燃機関E側に、第一ギヤ61及び第二出力ギヤ45が配置されている。
本実施形態では、軸方向に見てダンパDとは重複しないギヤ機構60の第一ギヤ61が、第五軸X5基準での径方向に見て、ダンパDと重複する部分を有するように配置されている。すなわち、ギヤ機構60の少なくとも一部がダンパDと同じ軸方向の位置を占めるに至るまで、ギヤ機構60が軸方向で内燃機関E側に近接して配置されている。これにより、第二回転電機40をも、軸方向で内燃機関E側に寄せて配置することが可能となっている。よって、装置全体の第二軸X2に沿った軸方向長さを短く抑えることができる。或いは、上述したように、装置全体の第二軸X2に沿った軸方向長さを拡大させることなく大型の第二回転電機40を用いることができる。
特に本実施形態では、内燃機関Eのトルクに対して増幅されたトルクを出力する、いわゆる電気式トルクコンバータとして機能する差動歯車装置20を備えるため、差動歯車装置20からの出力トルクは比較的大きい。このため、専用の同軸減速機構等を設けたり駆動伝達機構50をカウンタ減速機構で構成したりすることなく、差動歯車装置20側から出力装置70側への減速比を確保することができる。本実施形態では、実際、第一軸X1上には同軸減速機構は設置されておらず、駆動伝達機構50は一枚歯からなるアイドラギヤ51で構成されている。このような一枚歯からなるアイドラギヤ51で構成された駆動伝達機構50を用いることも、装置全体の第二軸X2に沿った軸方向長さを短く抑えることに寄与している。しかも、従来仕様の駆動装置における駆動伝達機構50の配置位置を変更することなく、所定の減速比を確保しつつ、装置全体の第二軸X2に沿った軸方向長さを短く抑えることができる。
なお、本実施形態では、駆動伝達機構50の回転軸心となる第四軸X4は、第七基準面R7に対して第二軸X2側(上側)に位置するように配置されている。つまり、第四軸X4が第三軸X3よりも上方に位置するように、駆動伝達機構50(アイドラギヤ51)が配置されている。これにより、ケース2内の下部に貯留される油中にアイドラギヤ51が浸らないようにし、或いは、浸る量を少なく抑えることができる。これにより、油の撹拌抵抗に起因する動力損失を小さく抑えることができる。
〔第二の実施形態〕
本発明に係る車両用駆動装置の第二の実施形態について、図面を参照して説明する。図5に示すように、本実施形態に係る車両用駆動装置1は、駆動伝達機構50を構成するアイドラギヤ51の配置位置が、上記第一の実施形態とは異なる。以下では、主に上記第一の実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、上記第一の実施形態と同様とする。
本実施形態では、駆動伝達機構50の回転軸心となる第四軸X4は、第一基準面R1に対して第二軸X2側とは反対側に位置するように配置されている。駆動伝達機構50は、その全体が第一基準面R1に対して第二軸X2側とは反対側に位置するように配置されている。また、第四軸X4は、第七基準面R7に対して第二軸X2側とは反対側(下側)に位置するように配置されている。駆動伝達機構50を構成するアイドラギヤ51は、その一部が第七基準面R7に対して第二軸X2側(上側)に位置するように配置されている。
また、第四軸X4は、第二基準面R2に対して第一軸X1側であって、かつ、第四基準面R4に対して第三軸X3側に位置するように配置されている。駆動伝達機構50は、その全体が、第二基準面R2に対して第一軸X1側であって、かつ、第四基準面R4に対して第三軸X3側に位置するように配置されている。このように、駆動伝達機構50は、その全体が、第二基準面R2と第一基準面R1と第四基準面R4とによって区画される空間に配置されている。駆動伝達機構50は、アイドラギヤ51の一部を除く大部分が、第二基準面R2と第七基準面R7と第四基準面R4とによって区画される空間に配置されている。駆動伝達機構50は、軸方向に見てダンパDと重複する部分を有している。また、本実施形態では、駆動伝達機構50は、軸方向に見て第二回転電機40とは重複する部分を有していない。
本実施形態の配置構成でも、ギヤ機構60を軸方向で内燃機関E側に寄せて配置することができる。また、軸方向に見て駆動伝達機構50と第二回転電機40とが重複する部分を有さないので、第二回転電機40をさらに軸方向で内燃機関E側に寄せて配置することができる。よって、装置全体の第二軸X2に沿った軸方向長さを短く抑えることができ、或いは、装置全体の第二軸X2に沿った軸方向長さを拡大させることなく大型の第二回転電機40を用いることができる。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る車両用駆動装置の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施形態では、駆動伝達機構50とは別に、第二回転電機40と出力装置70との間で駆動力を伝達するギヤ機構60をさらに備える構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、そのようなギヤ機構60を備えることなく、第二回転電機40の第二出力ギヤ45が出力装置70の入力ギヤ71に直接的に噛み合う構成を採用しても良い。
(2)上記の各実施形態では、ギヤ機構60の第一ギヤ61が、第二ギヤ62に対して軸方向で第二回転電機40側とは反対側(内燃機関E側)に配置されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば第一ギヤ61が、第二ギヤ62に対して軸方向で第二回転電機40側(内燃機関E側とは反対側)に配置されていても良い。
(3)上記の各実施形態では、ギヤ機構60の第一ギヤ61が、径方向に見てダンパDと重複するように配置されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば第一ギヤ61が、径方向に見てダンパDと重複しないように、軸方向でダンパDよりも差動歯車装置20側に配置されていても良い。
(4)上記の各実施形態では、ギヤ機構60が第一ギヤ61と第二ギヤ62とを備えるカウンタ減速機構として構成されている例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えばギヤ機構60が、一枚歯からなるアイドラギヤを有する同速伝達機構として構成されても良い。
(5)上記の各実施形態では、出力装置70の本体部72が、入力ギヤ71に対して軸方向で内燃機関E側に配置されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば本体部72が、入力ギヤ71に対して軸方向で内燃機関E側とは反対側(第一回転電機30及び第二回転電機40側)に配置されていても良い。
(6)上記の各実施形態では、第一軸X1に対して水平方向の一方側に配置された第二軸X2及び第三軸X3が、軸方向に見て水平方向の同程度の位置に配置されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。3軸(第一軸X1,第二軸X2,第三軸X3)の配置関係は、任意に設定することができる。例えば、上記の各実施形態の構成において、第三軸X3が、第二軸X2に対して第一軸X1側とは反対側に配置されていても良い。3軸の配置関係に応じて、各基準面R1〜R8との位置関係が所定の条件を満足するように、駆動伝達機構50及びギヤ機構60が配置されることが好ましい。
(7)上記の各実施形態では、差動歯車装置20がダブルピニオン型の遊星歯車機構によって構成された例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。差動歯車装置20としては、任意の具体的構成を採用することができる。例えば図6に示すように、差動歯車装置20がシングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されても良い。このような構成では、差動歯車装置20の3つの回転要素は、回転速度の順に、サンギヤ21、キャリヤ22、及びリングギヤ23となる(速度線図は省略)。差動歯車装置20のサンギヤ21に第一回転電機30が駆動連結され、リングギヤ23に入力軸10が駆動連結され、キャリヤ22と一体回転する第一出力ギヤ26に出力装置70が駆動連結される。或いは、例えば図7に示すように、差動歯車装置20が段付ピニオンを有する遊星歯車機構によって構成されても良い。
(8)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、ハイブリッド車両用の駆動装置に利用することができる。
1 車両用駆動装置
10 入力軸(入力部材)
20 差動歯車装置
21 サンギヤ
22 キャリヤ
23 リングギヤ(出力要素)
26 第一出力ギヤ
30 第一回転電機
40 第二回転電機
45 第二出力ギヤ
50 駆動伝達機構
51 アイドラギヤ
60 ギヤ機構
61 第一ギヤ
62 第二ギヤ
70 出力装置
71 入力ギヤ
E 内燃機関
D ダンパ
W 車輪
X1 第一軸
X2 第二軸
X3 第三軸
X4 第四軸(駆動伝達機構の回転軸心)
X5 第五軸(ギヤ機構の回転軸心)
R2 第二基準面(基準面)

Claims (8)

  1. ダンパを介して内燃機関に駆動連結される入力部材と、第一回転電機と、第二回転電機と、3つの回転要素を有する差動歯車装置と、車輪に駆動連結される出力装置とを備え、
    前記差動歯車装置の前記3つの回転要素のうち、1つの回転要素に前記入力部材が駆動連結され、別の1つの回転要素に前記第一回転電機が駆動連結され、残余の回転要素である出力要素が前記出力装置に駆動連結されるとともに、前記第二回転電機が前記出力装置に駆動連結された車両用駆動装置であって、
    前記出力要素と前記出力装置との間で駆動力を伝達する駆動伝達機構を備え、
    前記ダンパ、前記差動歯車装置、及び前記第一回転電機が、これらに共通の第一軸上に並んで配置され、
    前記第二回転電機が、前記第一軸に平行でありかつ前記第一軸とは異なる第二軸上に配置され、
    前記出力装置が、前記第一軸に平行でありかつ前記第一軸及び前記第二軸とは異なる第三軸上に配置され、
    前記3つの回転要素のうち、回転速度の順で中間となる回転要素が前記出力要素とされ、
    前記駆動伝達機構が、一枚歯からなるアイドラギヤで構成され
    前記差動歯車装置は、サンギヤ、キャリヤ、及びリングギヤを有するダブルピニオン型の遊星歯車機構により構成され、
    前記出力要素は、前記リングギヤであり、
    前記差動歯車装置と前記アイドラギヤとは、径方向に見て重複している車両用駆動装置。
  2. 前記駆動伝達機構とは別に、前記第二回転電機と前記出力装置との間で駆動力を伝達するギヤ機構をさらに備える請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記ギヤ機構の回転軸心が前記第二軸及び前記第三軸の双方を含む平面である基準面に対して前記第一軸側とは反対側に位置するように、前記ギヤ機構が配置されている請求項2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記ギヤ機構が、軸方向に見て前記ダンパと重複しないように配置されている請求項3に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記ギヤ機構は、前記第二回転電機の出力ギヤに噛み合う第一ギヤと、前記第一ギヤとは軸方向の異なる位置で前記出力装置の入力ギヤに噛み合う第二ギヤと、を有し、
    前記第一ギヤが、前記第二ギヤに対して軸方向で前記第二回転電機側とは反対側に配置されている請求項2から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記第一ギヤが、軸方向に見て前記ダンパと重複することなく、かつ、径方向に見て前記ダンパと重複するように配置されている請求項5に記載の車両用駆動装置。
  7. 車載状態で、前記アイドラギヤの回転軸心が前記第一軸に平行でありかつ前記第三軸よりも上方に位置するように、前記アイドラギヤが配置されている請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  8. 車載状態で、前記第一軸に対して水平方向の一方側に前記第二軸及び前記第三軸が配置されているとともに、前記第二軸が前記第三軸に対して上方に配置されている請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
JP2013245057A 2013-11-27 2013-11-27 車両用駆動装置 Expired - Fee Related JP6176082B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013245057A JP6176082B2 (ja) 2013-11-27 2013-11-27 車両用駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013245057A JP6176082B2 (ja) 2013-11-27 2013-11-27 車両用駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015101277A JP2015101277A (ja) 2015-06-04
JP6176082B2 true JP6176082B2 (ja) 2017-08-09

Family

ID=53377345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013245057A Expired - Fee Related JP6176082B2 (ja) 2013-11-27 2013-11-27 車両用駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6176082B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105882380B (zh) * 2016-04-08 2018-07-03 上海中科深江电动车辆有限公司 混合动力装置
JP7039949B2 (ja) * 2017-11-17 2022-03-23 株式会社アイシン 車両用駆動装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3646965B2 (ja) * 1998-02-03 2005-05-11 富士重工業株式会社 ハイブリッド車
FR2774039B1 (fr) * 1998-01-26 2000-03-24 Renault Groupe motopropulseur hybride comportant des moyens de freinage de l'alternateur
JP3909644B2 (ja) * 1999-12-27 2007-04-25 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 ハイブリッド駆動装置
JP2010215038A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Toyota Motor Corp 前後輪駆動車両のエンジン始動制御装置
JP5682242B2 (ja) * 2010-11-08 2015-03-11 トヨタ自動車株式会社 車両用駆動装置
JP5544670B2 (ja) * 2013-04-08 2014-07-09 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 ハイブリッド駆動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015101277A (ja) 2015-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6070522B2 (ja) 車両用駆動装置
EP2507532B1 (en) Hybrid drive system
KR101420553B1 (ko) 하이브리드 구동장치
JP6083475B2 (ja) 車両用駆動装置
KR101233396B1 (ko) 구동장치
JP5544670B2 (ja) ハイブリッド駆動装置
WO2015163183A1 (ja) 車両用駆動装置
JP6176082B2 (ja) 車両用駆動装置
JP2014084000A (ja) 車両用駆動装置
JP2016222118A (ja) 車両用駆動装置
JP5699409B2 (ja) 電動駆動装置
JP5747383B2 (ja) 動力伝達装置
JP2014024412A (ja) 車両用駆動装置
JP2014065426A (ja) 車両用駆動装置
WO2021085611A1 (ja) 車両用駆動装置
JP2012076576A (ja) ハイブリッド駆動装置
JP2018065409A (ja) 車両用駆動装置
JP5875075B2 (ja) 車両用駆動装置
JP2022030136A (ja) 車両用駆動装置
JP2014069757A (ja) 車両用駆動装置
JP2019077357A (ja) ハイブリッド車用駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170613

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6176082

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees