JP2014068655A - 衣類乾燥機 - Google Patents

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亨 久保田
Koichi Izawa
浩一 井澤
Tsutomu Sakuma
勉 佐久間
Tsuyoshi Hosoito
強志 細糸
Hideji Shinagawa
英司 品川
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Abstract

【課題】乾燥風による風力を利用してフィルタを自動的に清掃可能としたリント捕獲装置を備えた衣類乾燥機を提供する。
【解決手段】送風手段および加熱手段により生成した乾燥風を、衣類などを収容する回転槽内に供給した後、リント捕獲装置を経て回転槽外に排出するようにした衣類乾燥機において、リント捕獲装置は、乾燥風を排出する通風路中に設けたリント捕獲用のフィルタと、このフィルタに近接して設けたリント掻き取り手段とを具備する。リント掻き取り手段は、フィルタの上流側表面と摺接し該フィルタに捕獲したリントを掻き取る掻き取り部材と、この掻き取り部材を保持するとともに乾燥風の風力を受けて回転する回転翼車を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、リント捕獲装置を備えた衣類乾燥機に関する。
従来、この種乾燥機では、空気を加熱する手段として例えばヒートポンプ機構を採用するとともに、送風機により加熱した空気を乾燥風としてドラム内に循環供給するようにしている。この乾燥風を循環供給するために、ヒートポンプ機構とドラム間にわたり循環した通風路を形成するとともに、この通風路のドラムの下流側にリント捕獲装置を設けている。リント捕獲装置は、乾燥風によりドラム内の衣類の乾燥作用中に生じた糸屑などのリントを排気中から捕獲するもので、さらに下流側に配置されるヒートポンプ機構や送風機側にリントが流入して絡み付くなどによる不具合を防止し安全性を確保している。
この安全性を確保するため、リント捕獲装置が有するメッシュ状のフィルタが捕獲したリントで目詰まり状態となるのを回避すべく、通常1回の乾燥運転を行なう毎にリントを剥離するなどのフィルタ清掃が必要である。そこで、このようなフィルタの清掃を、機外から手作業により可能としたもの(例えば、特許文献1参照)、或は乾燥運転中に自動的に行なえるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、逐次手作業でリント清掃を行なうのは煩雑で面倒である。また、自動的に清掃する手段では、モータ等の専用の駆動源を必要としてコスト高となり、また点検修理などのメンテナンスが容易でないなど、実用面での不安な要因を有する。
また、上記した乾燥風の循環タイプに限らず、衣類に対し乾燥作用した後の乾燥風を設置室内に排出する排気タイプの乾燥機にあっても、室内にリント等を排出して汚さないようにリント捕獲装置は必要である。しかも、上記いずれのタイプのリント捕獲装置においても、乾燥運転中にフィルタにリントが徐々に捕獲され目詰まり現象が進行するため、フィルタの通気性(送風性能)、延いては乾燥性能が低下する傾向にある。
特許第4975150号公報 特開2004−154321号公報
そこで、乾燥風による風力を利用してフィルタを自動的に清掃可能としたリント捕獲装置を備えた衣類乾燥機を提供する。
本実施形態の衣類乾燥機によれば、送風手段および加熱手段により生成した乾燥風を、衣類などを収容する回転槽内に供給した後、リント捕獲装置を介して排出するようにしたものにおいて、リント捕獲装置は、乾燥風を排出する通風路中に設けたリント捕獲用のフィルタと、このフィルタに近接して設けたリント掻き取り手段とを具備する。リント掻き取り手段は、フィルタの上流側表面に摺接し該フィルタに捕獲したリントを掻き取る掻き取り部材と、この掻き取り部材を保持するとともに乾燥風の風力を受けて回転する回転翼車を備えている。
第1実施形態による通風路中に設けたリント捕獲装置を示す縦断面図 第1実施形態によるリント掻き取り手段の拡大正面図(a)、および同図(a)中のA−A線に沿って切断して示す断面図(b) 第1実施形態によるドラム式洗濯乾燥機の背面側から内部を透視した概略構成を模式的に示す背面図 第1実施形態によるドラム式洗濯乾燥機の上半部を一部破断して示す右側面図 第2実施形態によるリント捕獲装置を拡大して示す縦断面図 第3実施形態によるフィルタユニットを取り出した状態のリント捕獲装置を示す斜視図 第4実施形態によるフィルタユニットを取り出した状態のリント捕獲装置を示す縦断面図 第4実施形態によるフィルタユニットを取り出した状態のリント捕獲装置を示す斜視図
(第1実施形態)
以下、衣類乾燥機としてドラム式洗濯乾燥機に適用した第1実施形態につき、図1ないし図4を参照して説明する。そのうち、図3はヒートポンプ機構15を有する洗濯乾燥機1を背面側から透視した概略構成を模式的に示したもので、図4は、洗濯乾燥機1の上半部の一部を破断して示す右側面図で、これら図3、図4に基づきドラム式洗濯乾燥機1の全体構成の概要につき述べる。この種洗濯乾燥機1は、衣類の洗濯運転(洗い、すすぎ、脱水行程を実行)から乾燥運転までを自動的に実行できるようにしたもので、以下は主に乾燥機能に係る構成につき説明する。
洗濯乾燥機1の外郭を形成する本体としての箱状の外箱2は、図4に示すように洗濯乾燥機1の正面である前面2aには、上部に操作パネル3、ほぼ中央部に開閉可能なドア4を備えている。また、外箱2の天面2bには、透明部材からなる開閉蓋5を備えている。この開閉蓋5は、詳細は後述するが外箱2内の上部に設けたリント捕獲装置6の上方に対応した開放部7を臨む位置に開閉可能に設けられ、上方外部から内部のリント捕獲装置6を目視可能としている。
本体たる外箱2内には、回転槽としての横軸周りの円筒状のドラム8と、該ドラム8の外周囲を囲うように弾性支持された同円筒状の水槽9を備えており、周知のように多孔状のドラム8内に衣類などを収容し、水槽9では洗濯時には貯水し或は乾燥運転時には乾燥風の出入口を設けた構成としている。なお、ドラム8は水槽9の背面に設けられたモータ10により回転駆動される。このモータ10は、例えばアウターロータ形で直流のブラシレスモータからなるもので、洗濯運転(洗い、すすぎ、脱水行程を実行)および乾燥運転に応じた回転方向や回転速度に駆動制御される。
そして、ドラム8内の衣類を乾燥するため、水槽9の外周囲には乾燥風を一方から連続して供給し、他方から排出する通風路としての循環ダクト11を設けている。この循環ダクト11は、本実施形態では図示するように水槽9の背面側から乾燥風を供給する給気ダクト12と、水槽9の前方上部から乾燥風を排出する排気ダクト13が途中にリント捕獲装置6を備えた構成とするとともに、これら給排ダクト12、13の他端である下端側を熱交換ダクト14(図3参照)の両側端部に夫々接続し、もって水槽9を介在して閉鎖された連続した通風路となす循環ダクト11を構成している。
上記熱交換ダクト14は、外箱2内の底部に配置されたヒートポンプ機構15を構成する蒸発器16および凝縮器17のフィンチューブ(図示せず)を介在した構成とし、この間を流れる空気と熱交換が行なえるようにしている。このヒートポンプ機構15は、図3中に模式的に示すように、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機18、高温高圧の冷媒を放熱して凝縮する凝縮器17、高圧冷媒を減圧する膨張弁19、減圧された冷媒を蒸発させて吸熱する蒸発器16等を環状に配管接続した構成からなり、該ヒートポンプ機構15(具体的には凝縮器17)の下流側に送風手段としての送風機20を設け、熱交換ダクト14などの循環ダクト11内を空気が循環するようしている。
上記構成により、衣類を乾燥する乾燥運転時ではヒートポンプ機構15が稼動し、送風機20が回転駆動されると、図3,4中に矢印で示す方向に空気が循環する。すなわち、熱交換ダクト14を流れる空気が凝縮器17で加熱され、乾燥風となって給気ダクト12から水槽9内に供給され、回転するドラム8内では衣類と接触して乾燥作用を実行する。この乾燥作用を実行した乾燥風は、ドラム8および水槽9から排気ダクト13を介して排出される。その乾燥風(排気)は再び熱交換ダクト14に至り、該排気中の水分が蒸発器16にて除湿され、再び凝縮器17にて加熱される。
このように、ヒートポンプ機構15は循環空気を加熱する加熱手段としての機能を有するもので、特には熱交換ダクト14における蒸発器16、凝縮器17の熱交換作用を受けて循環空気を効果的に除湿して加熱し、送風機20により衣類乾燥に適した温度(約70℃)の乾燥風を連続的に再生しドラム8内に供給し、衣類の乾燥作用を実行する。
ここで、上記リント捕獲装置6について詳細に述べると、これは上記したように循環ダクト11を構成する排気ダクト13の通風路中に設けられ、ドラム8や水槽9の下流側に位置して乾燥運転時に衣類から遊離した糸屑などのリントを排気中から捕獲し、さらに下流側の熱交換ダクト14内に流入しないようにしている。つまり、熱交換ダクト14には加熱手段として機能するヒートポンプ機構15の蒸発器16および凝縮器17を配置しているので、蒸発器16などを構成するフィンチューブ(図示せず)などにリントが付着する不具合を防止している。
しかも、このリント捕獲装置6は、単にフィルタ22(後述する)でリントなどを捕獲するだけでなく、フィルタ22に捕獲されたリントを掻き取る清掃機能を発揮することで、フィルタ22の目詰まりを抑えて通気性を良好に維持でき、つまり乾燥風の低量化を防ぐことができるので、終始効率の良い乾燥運転ができることを特徴としている。具体的には、図1の縦断面図に示すように排気ダクト13の一部を兼ねた中空容器状のフィルタケース21内に、乾燥風が図中矢印方向に流れる通風路を遮るように配置されたリント捕獲用のフィルタ22を備えている。
このフィルタ22は、例えば円形状をなし合成樹脂製の繊維を平織りして表面が平滑なメッシュ状としたもので、例えば耐熱樹脂製のフィルタケース21とモールド成形等により一体的に形成されている(ただし、フィルタ単体をネジ止めや溶着手段などを利用してフィルタケース21内に取付固定してもよい)。
このフィルタ22の上流側に近接して、リント掻き取り手段23を設けている。
以下、このリント掻き取り手段23について、図2(a)に示すリント掻き取り手段23の拡大正面図、および同図(a)中のA−A線に沿って切断して示す断面図である同図(b)も参照して説明すると、まずフィルタ22の上流側表面に近接して回転翼車24が配置されている。この回転翼車24は、本実施形態では中心部から放射状に延びる3個の回転翼24a,24b,24cを具備した構成としており、詳細は後述するが乾燥運転時に矢印W方向に流れる乾燥風の風力を受けて矢印F方向に回転する構成としている。
具体的に述べると、上記3個の回転翼24a,24b,24cは、いずれも樹脂成形による同一形状にあり、よって以下は説明の便宜上、1個の回転翼24aを代表として説明する。回転翼24aは、図2(a)に示すように正面から見て(矢印W方向と一致)細い帯状幅にてフィルタ22の外周部まで延びた先細りの形状としており、さらに全体に円弧状に反った形状にあってフィルタ22の表面に近接配置されている。
この回転翼24aの断面形状は、図2(b)に示すように、矢印W方向に流れる乾燥風と対向する該回転翼24aの表面形状は、回転方向である矢印F側を高くした傾斜面25としていて、つまり乾燥風に対し所定角度の傾斜面25が対向している。なお、本実施形態では傾斜面25部分を内方側(反矢印F方向側)に若干湾曲する形状としていて、これは上記矢印W方向の乾燥風による風力を、より効果的に受け止め取り込むのに有効とするためである。また、裏面側も表面側と実質的に同一形状としており、全体に傾斜し且つ湾曲した断面形状としている。
よって、図2(b)に示す本実施形態によれば、乾燥風による矢印W方向の風力を受けた回転翼24aの傾斜面25は、該回転翼24aを矢印F方向に回転させる分力が生じ、乾燥風が流れる乾燥運転中、回転翼24aの回転を継続して可能とするもので、すなわち回転翼車24は乾燥風を利用して回転させることができ、専用の動力源を必要としない。
このように回転翼車24は、同一形状とする3個の回転翼24a,24b,24cを放射状に配置してなる構成としている。
この回転翼車24は、その中心部の支軸28が図1に示すようにフィルタ22の中心部を貫通して、その後方端部を支持部材としての支持枠27にて回転可能に軸支されている。支持枠27は、例えば中心部から放射状に延びる3本の脚部27a,27b,27cを有し、フィルタケース21の内壁部に適宜の固定手段(ねじ、溶着、嵌合およびこれらを併用した手段等)により固定されている。もって、回転翼車24はフィルタ22の上流側表面と近接した位置に回転可能に支持される。
この回転翼車24には、フィルタ22の表面と摺接可能とするゴム製でへら状をなした掻き取り部材26を保持している。具体的には、3本の回転翼24a,24b,24cに対し、それぞれ1個の掻き取り部材26a,26b,26cを取り付けている。この掻き取り部材26は、平板状のへら状をなした表面にフッ素樹脂によるコーティングが施されている。
これら掻き取り部材26a,26b,26cの取付手段につき述べると、特には図2(a),(b)に示すように回転翼24a(24b,24c)の裏面側に、その傾斜面に沿って接着剤やかしめ或は溶着手段などにより固定保持される。この場合、掻き取り部材26の下端部が、回転翼24a,24b,24cの傾斜下端部から下方に突出し、より柔軟性を有する自由端部とし、この自由端部の下部領域がフィルタ22の表面と弾性的に接触した状態に取り付けられている。
ただし、本実施形態では各掻き取り部材26a,26b,26cは、それぞれ次に述べるような特徴を有している。すなわち、そのうち回転翼24aが保持する掻き取り部材26aは、最も中心側に近い内方に位置し、これとは反対に回転翼24cが保持する掻き取り部材26cは最も外周側に位置し、従って回転翼24bが保持する掻き取り部材26bは、それらの中間位置に取り付けられている。つまり、本実施形態では3個の掻き取り部材26a,26b,26cは、互に径方向に位置ずれした状態に配置されている。この配置構成は、詳細は後述するが回転翼車24が矢印F方向に回転したとき、3個の掻き取り部材26a,26b,26cが描く回転軌跡は、円形状のフィルタ22の表面を径方向に隙間無く摺接する構成としている。
さらに、3個の掻き取り部材26a,26b,26cのうち、外周側に位置するものほどフィルタ22との摺接面積が小さくなるように設定している。例えば、図2(a)中に示すように、各掻き取り部材26a,26b,26cの摺接する幅寸法(以下、摺接幅寸法という)a,b,cが外周側に位置するものほど順に小さくなるように設定し(a>b>c)、もって摺接面積を小さくなるように小形化した。よって、回転軌跡(摺接範囲)が大きくなる外周側における摺接抵抗を軽減することができ、3個の掻き取り部材26a,26b,26cの各摺接抵抗をバランス良く配置できて、回転翼車24はスムースに回転動作することができる。
このように、本実施形態でいうリント掻き取り手段23は、回転翼車24、掻き取り部材26および回転翼車24を軸支する支持枠27により構成されるとともに、これら構成部品は、ヒートポンプ機構15による乾燥風温度を70℃に加熱可能であることから、70℃までで、熱膨張率が100×10−6/K以下の材料で構成されている。
一方、回転翼車24などのリント掻き取り手段23を内部に収容したフィルタケース21は、矩形中空状をなしていて上面側は手指が挿入可能に大きく開口しており、その開口部21aを開閉可能とする透明部材からなる開閉蓋5を回動可能に設けている(図1参照)。この開閉蓋5は、前記したように外箱2の天面2bの開放部7に、本体たる外箱2の外方に臨んで設けられ、自由端部側には係合爪部5aが形成され、フィルタケース21側の係合孔29に対して弾性的に係合離脱可能としている。
従って、開閉蓋5は本体外から開閉操作可能で、且つ内方の回転翼車24やフィルタケース21内に溜められたリントなどの状態を目視可能としている。また開閉蓋5は、開口部21aを閉鎖した乾燥運転中にあるとき、閉鎖状態の気密性が高いのが好ましいことから、必要に応じ外周囲に環状のパッキンなどを介在した構成としてもよい。
なお、フィルタケース21は断面矩形状の主体部に対し、その前後端部は円筒状の接続部21b,21cが形成され、前記排気ダクト13の途中部位に接続されている。また、上記接続部21bの後端部には格子状の粗目とする透孔21dが形成されている。これは通気性を妨げることがないことはもとより、開閉蓋5が開放状態にあるとき、フィルタケース21内に異物が落下し接続部21b側に侵入することを防止するものである。
次に、上記構成のリント捕獲装置6を備えたドラム式の洗濯乾燥機1の作用について述べる。
本実施形態の横軸周りのドラム8や水槽9を備えた洗濯乾燥機1では、周知のように洗濯運転(洗い、すすぎ、脱水の各行程)から乾燥運転まで、図示しない制御装置により操作パネル3からの操作信号等の入力に基づき、ドラム8を夫々適正な回転速度にて駆動制御するなどして各運転を実行する。以下、そのうちの乾燥運転について詳述する。
乾燥運転がスタートすると、図示しない制御装置はモータ10を駆動しドラム8を所定速度の低速回転制御する。同時に、図3に示すヒートポンプ機構15の圧縮機18や送風機20を通電駆動する。この結果、閉鎖したドア4により実質的に閉鎖された水槽9内の空間を介して連通接続された循環ダクト11には、図3中に示す矢印方向の循環空気流が生じる。この空気流は、熱交換ダクト14に配置の凝縮器17により加熱され温風化され、つまり乾燥風として送風機20を経て給気ダクト12側に送られる。
給気ダクト12に送られた乾燥風は、図4に示すように水槽9の背面側から内部に流入しドラム8内に供給される。この回転するドラム8内では、収容された図示しない衣類などと乾燥風との接触が良好に行われ乾燥作用が実行される。このようにして、衣類などから水分を奪うなど乾燥作用に寄与した後の乾燥風は、排気風としてドラム8から排出され水槽9の前方上部から排気ダクト13側に排出される。
そして乾燥風は、排気ダクト13を経て直ちにリント捕獲装置6を構成するフィルタケース21内に達する。このリント捕獲装置6では、乾燥風中に含まれたリントが捕獲収集されるのであるが、その詳細な作用説明は後述する。そして、リント捕獲装置6を経てリントが除去された乾燥風は、未だ湿気を含んだまま図3に示す下方向に垂下した排気ダクト13を経て熱交換ダクト14に達する。
この熱交換ダクト14では、乾燥風中の湿気はヒートポンプ機構15の蒸発器16により冷却除湿され、除湿後の乾いた空気として下流側の凝縮器17に流入し、ここで再び加熱されて乾燥作用に好適する温度の乾燥風が再生される。このように乾燥風が再生され、ドラム8への供給が繰り返し行われ、つまり乾燥風は外部に排気されることなく循環ダクト11を循環するとともに、約70℃まで達する好適温度の乾燥風として再生されドラム8内に供給されることで衣類などの被乾燥物の乾燥作用が効果的に促進される。そして、制御プログラムに基づき所定の乾燥運転を終えると全運転が終了する。
ここで、前記した乾燥風(排気風)中からリントを捕獲収集するリント捕獲装置6の作用について、図1および図2を参照して詳細に説明する。回転するドラム8から排出された乾燥風は衣類などから生じたリントを含み、フィルタケース21内に矢印Wで示す方向に流入する。この乾燥風の流れは、フィルタ22に対しほぼ直交する方向にあって、乾燥風中のリントはフィルタ22に効果的に捕獲収集され、それ以上の下流側へのリントの流出を防いでいる。
一方、フィルタ22に近接して設けたリント掻き取り手段23は、該フィルタ22表面に捕獲収集されたリントを掻き取り、フィルタケース21の内底部に溜める。すなわち、リント掻き取り手段23は、3本の回転翼24a,24b,24cからなる回転翼車24と、各回転翼24a,24b,24cのそれぞれに、1個の掻き取り部材26a,26b,26cを備えているが、各回転翼24a,24b,24cは共通の構成にあって矢印W方向に流れる乾燥風に対し、所定角度傾斜した傾斜面25を対向配置している。このため、図2(b)で開示したように矢印W方向の風力を傾斜面25で受けた回転翼24aは、矢印F方向への分力を生じ、結果として3本の回転翼24a,24b,24cに生じた分力を合わせて回転翼車24を矢印F方向に回転させる。
これにより、各回転翼24a,24b,24cが備えた1個の掻き取り部材26a,26b,26cは、フィルタ22の表面と弾性的に接触した状態で摺接する。この摺接作用により、捕獲されたばかりのリントを掻き取ることができ、リントはフィルタケース21の下方に溜められる。つまり、リントはフィルタ22で捕獲しつつ掻き取り部材26a,26b,26cで掻き取る作用が連続して行なわれ、リントがフィルタ22に固く絡み付く前に小さな力で容易に掻き取ることができる。
しかも、掻き取り部材26a,26b,26cは、図2(a)で開示したように互に径方向に位置ずれした配置構成にあることから、各掻き取り部材26a,26b,26cを小形化としながら図2(a)に二点鎖線で示すように、各掻き取り部材26a,26b,26cの回転軌跡に基づく掻き取りエリアを示すようにフィルタ22のほぼ全面に亘る掻き取り作用が可能で、且つ掻き取り部材26a,26b,26cの各1個に加わる摺接に伴う摩擦抵抗などを軽減でき、延いては回転翼車24の回転抵抗を、掻き取り清掃する機能を低下させることなく抑えることができ、もって回転翼車24は風力作用にて円滑に回転することできる。
さらに、本実施形態では3個の掻き取り部材26a,26b,26cを、外周側に位置するものほどフィルタ22との摺接面積が小さくなるように、例えば摺接幅寸法a,b,cに対して外周側に位置するものほど小さくなるように設定し小形化した(a>b>c)。よって、回転軌跡(摺接範囲)が大きくなる外周側における摺接抵抗を軽減することができ、3個の掻き取り部材26a,26b,26cの各摺接抵抗をバランス良く配分できて、回転翼車24は風力作用のみにて一層スムースに回転動作する。
よって、上記のように乾燥運転中、リントの捕獲と掻き取り作用がほぼ同時に進行することで、フィルタ22は常に清掃されメッシュ(網目)部分の目詰まり状態が進行することもないことから、乾燥風の通風性を良好に保つことができ所期の乾燥性能を維持できる。
そして、所定の乾燥運転が終了すると、ヒートポンプ機構15や送風機20も停止し、乾燥風の流れもなくなるので回転翼車23の回転動作も停止する。ただし、例えば乾燥運転コースにおいて乾燥直後の衣類などの温度を下げるなどのため、加熱手段として機能するヒートポンプ機構15を停止した状態で送風機20の稼動による所謂冷風運転を実行する場合もあるが、この場合も上記同様に風力により回転翼車23は回転動作し、リントの捕獲や掻き取り作用が実行される。
乾燥運転の終了により、リントや埃などはフィルタケース21の内底部に溜まった状態にある。この状態は、透明な開閉蓋5の上方(外部)から目視でき、必要であれば開閉蓋5は簡単に開閉操作できるので開放して内部の状態を確認する。そして、リント捕獲装置6の清掃を要する場合は、開放された開口部21aから手指を挿入してフィルタケース21の内底部に溜まったリントなどを取り出す。よって、リント捕獲装置6に対しリントを除去する清掃は開閉蓋5を開閉するなど、手作業により簡単に実施できる。
以上説明した第1実施形態のリント捕獲装置6を備えた洗濯乾燥機1によれば、次のような効果が期待できる。
リント捕獲装置6には、乾燥運転時における衣類乾燥用の乾燥風を利用して回転する回転翼車24などからなるリント掻き取り手段23を設けた。上記回転翼車24には、排気する通風路を兼ねたフィルタケース21内に設けたフィルタ22の表面を摺接する掻き取り部材26を設けた。具体的には、3本の回転翼24a,24b,24cにそれぞれ1個の掻き取り部材26a,26b,26cを保持した構成とし、フィルタ22表面を摺接することで捕獲されたリントを掻き取るようにした。
これにより、乾燥運転中リントはフィルタ22で捕獲しつつ掻き取り部材26a,26b,26cで掻き取られることから、フィルタ22がリントにより目詰まり状態になることを防止できることはもとより、目詰まり状態に進行することもないので乾燥運転の終始に亘り所期のリント捕獲性能を維持できる。勿論、下流側へのリントの流出を防ぐので加熱手段として機能するヒートポンプ機構15へのリントの絡み付きなどによる悪影響を回避できる。
また、上記の如くフィルタ22は乾燥運転中に目詰まり現象が進行しないので、常にフィルタ22は良好な通気性を確保でき、乾燥風の流れは良好で乾燥性能の効率アップが期待できるとともに、フィルタ22の目詰まりがないことから複数回の乾燥運転が可能でリントを清掃する作業回数を軽減できる。しかも、掻き取り部材26a,26b,26cを保持した回転翼車24は、乾燥運転時に衣類乾燥のために生成されドラム8に供給される乾燥風を流用して回転させているので、専用の動力源は不要で構成の複雑化を防ぎ安価に提供できる。
なおフィルタ22は、合成樹脂製の繊維を平織りして表面が平滑なメッシュ状としたので、掻き取り部材26a,26b,26cが該フィルタ22の表面を摺接することで、捕獲したリントを容易に掻き取ることができ、且つフィルタ22側にリントを取り残すことを防止できるので、この点からも乾燥風の良好な通風性を確保するのに有効である。ただし、フィルタ22は斯かる構成に限らず、例えば樹脂成形により表面平滑なメッシュ状の透孔を一体成形する構成としても、同様の作用効果が期待できる。
また回転翼車24は、回転中心から放射状に延びる複数(本実施形態では3本)の回転翼24a,24b,24cを備え、各回転翼24a,24b,24cのそれぞれが保持する各1個の掻き取り部材26a,26b,26cを互に径方向に位置ずれした配置構成とした。この結果、各掻き取り部材26a,26b,26cは径方向に隙間無く摺接できるとともに、フィルタ22の広範囲に亘りリントの掻き取り清掃を可能とし、且つ各掻き取り部材26a,26b,26cとフィルタ22との摺接抵抗を軽減でき、延いては回転翼車24の風力を利用した円滑な回転動作が期待できる。
しかも、各掻き取り部材26a,26b,26cは、径方向における外周側に位置するものほどフィルタ22との摺接面積が小さくなるように設定した。具体的に本実施形態にあっては、図2(a)に示すように摺接幅寸法a,b,cに対し外周側にいくほど小さくなるように設定し小形化した(a>b>c)。このため、回転軌跡(摺接範囲)が大きくなる外周側における摺接抵抗を軽減することができ、3個の掻き取り部材26a,26b,26cの各摺接抵抗をバランス良く配置できて、回転翼車24をスムースに回転させることができる。
さらに、掻き取り部材26a,26b,26cは、本実施形態ではゴム製のへら状としたが、例えばブラシ状とすることも可能である。ただし、へら状とすることで、ブラシ状よりもリントが絡み付き難くする点で有利である。しかも、このへら状の掻き取り部材26a,26b,26cの表面にフッ素樹脂をコーティングしたので、フィルタ22と摺接した各掻き取り部材26a,26b,26cとの摩擦抵抗を軽減し、対摩耗性に優れ且つ回転翼車24の円滑な回転動作が得るのに有効である。この場合、フッ素樹脂のコーティングはフィルタ22側に施しても同様の効果が期待できることから、少なくともいずれか一方にフッ素樹脂をコーティングすればよい。
そして、フィルタ22から掻き落とされたリントは、フィルタケース21の内底部に溜まった状態にあるので、本体たる外箱2の外部に臨んで設けられた開閉蓋5を開放し、手指を挿入して簡単に取り出すことができる。また、開閉蓋5は内部を透視できる透明部材で作成したので、外部からリントの溜り具合や乾燥運転中では回転翼車24の回転状態を監視できるなど便利である。
なお、本実施形態では乾燥風の風力により回転する回転翼車24は、複数の回転翼24a,24b,24cにおいて、図2(b)に示すように乾燥風の流れ(矢印Wで示す)と対向する面を傾斜面25として、矢印F方向への分力により回転させるようにしたが、これに限らず、例えばプロペラファン形状など風力を受けて回転力が得られる構成であればよい。また、回転翼車24は合成樹脂製に限らず軽量化が可能な軽金属製としてもよい。
また、リント掻き取り手段23として、回転翼車24をフィルタケース21内に回転可能に支持する支持部材としての支持枠27は、中心部から放射状に延びる3本の脚部27a,27b,27cにより固定する構成としたが、この構成に限らず、例えばフィルタ22自体に回転翼車24を回転可能に軸支する構成としてもよい。例えば、フィルタの中心部に回転翼車24を軸支するため、上記支持枠27に相当する平帯状の支持枠を樹脂製フィルタと一体化して形成し、その剛性化したフィルタ中央のボス部に回転可能に軸支する支持部材の構成としてもよい。
その他、径方向に位置ずれ配置とした掻き取り部材26a,26b,26cは、それぞれの回転軌跡が一部ラップする配置形態としてもよい。この場合、掻き取り部材26a,26b,26cによる隙間が確実に生じない摺接範囲を確保でき、フィルタ22のリント掻き取り作用を常に有効に実施できる。また、フィルタ22の形状は、回転翼車24(掻き取り部材26a,26b,26c)の回転動作に相応した円形状としたが、該円形状より大きければよく、例えば矩形状をなすフィルタケース21の断面形状に沿った角形形状としてもよい。さらに、回転翼車24を構成する複数の回転翼24a,24b,24cは、3本に限らず、例えばバランス良く対峙する位置に2本を設ける構成としてもよい。
上記第1実施形態に対し、図5ないし図8は第2ないし第4実施形態を示すもので、上記実施形態と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる点につき詳細に述べる。
(第2実施形態)
まず、図5は第2実施形態におけるリント捕獲装置を、一部拡大して示す縦断面図である。このものは、上記第1実施形態と同様のドラム式洗濯乾燥機(図示せず)に採用されたリント捕獲装置30にあって、フィルタ22を挟んで2個の回転翼車24,32を連結して設けた構成、所謂2連式の構成としてなるリント掻き取り手段31を備えたことを特徴とする。
具体的には、フィルタ22の上流側には上記第1実施形態と共通とする回転翼車24と掻き取り部材26を備えた構成である。一方、フィルタ22の下流側には同様の回転翼車32と掻き取り部材33を備えている。そのうち、回転翼車32は実質的に上流側の回転翼車24と同一の形状をなし、且つ同じ方向を向いて支軸34に連結固定されている。このため、詳細は後述するが同じ矢印W方向に流れる乾燥風の風力を受けて、共に同一方向(矢印F方向)の回転作用を得る構成としている。また、該回転翼車32は上記実施形態と同様に互に共通形状とする3本の回転翼32a,32b(32bは図示せず),32cから構成されている。
これに対し、掻き取り部材33も上記3本の回転翼32a,32b(32bは図示せず),32cのそれぞれに1個の掻き取り部材33a,33b(33bは図示せず),33cを保持し、上流側の掻き取り部材26と実質的に共通の構成としているが、実質的にはその取付位置のみが異なる。すなわち、各掻き取り部材33a,33b(33bは図示せず),33cは、上流側(表面側)の各掻き取り部材26a,26b(26bは図示せず),26cと対向する位置に取り付けられ、フィルタ22の裏面側に接触した状態に保持される。
そのため、各掻き取り部材33a,33b(33bは図示せず),33cは、各回転翼32a,32b(32bは図示せず),32cの傾斜する上端部から突出するように取り付けられている点で異なるが、その自由端部がフィルタ22の裏面と弾性的に摺接するなど共通の構成としている。これにより、組み込まれた状態では裏面側の各掻き取り部材33a,33b(33bは図示せず),33cと、表面側の各掻き取り部材26a,26b(26bは図示せず),26cとがフィルタ22を挟んで互いに対向して圧接状態に取付保持される。ただし、各回転翼車24,32の各回転翼は対向せず周方向に位置ずれした配置構成としてもよい。
そして、この2連式の回転翼車24,32は、支軸34が支持枠27に回転可能に軸支されることで、一体的に同一方向に回転する構成としており、もってリント掻き取り手段31を構成している。
上記第2実施形態によれば、上流側に配置された回転翼車24および掻き取り部材26によるフィルタ22に対するリントの掻き取りの清掃作業は、上記第1実施形態と同様に乾燥運転時の矢印W方向の乾燥風を受けて回転し、フィルタ22表面を摺接する掻き取り部材26により実行される。
これに対し、上流側と対向配置された下流側の回転翼車32および掻き取り部材33も、矢印W方向の乾燥風を受けて回転動作する。従って、2連式のリント掻き取り手段31として、上流および下流側の回転翼車24および回転翼車32の両者を合わせた回転力を得て、リントの掻き取り機能を十分に発揮できる。ただ、この裏面側の掻き取り部材33にあっては、表面側の掻き取り部材26のリントの掻き取り作用を助成する機能を主としている。
すなわち、表面側の各掻き取り部材26a,26b(26bは図示せず),26cにフィルタ22の表面を摺接することは、該フィルタ22を弾性的に押圧した圧接状態で回転移動することになる。このため、そのままであるとメッシュ部分に一部取り残したリントや埃などが遂には裏面側に押し出されるおそれがある。ところが、本実施形態によれば対向位置の各掻き取り部材33a,33b(33bは図示せず),33cは、フィルタ22の同部位を裏面側から押圧した圧接状態に摺接することから、上記裏面側に押し出されフィルタ22を通り抜けようとするリントなどは阻止され、表面側におけるリントの掻き取り性能を向上することが期待できる。
従って、この2連式のリント掻き取り手段31によれば、フィルタ22を通り抜け下流側に流入するリントなどを確実に阻止できる特徴を有している。しかも、フィルタ22は表裏両面から圧接した状態に挟持されることから、フィルタ22の弛みを抑えることができ、表面側における掻き取り部材26による掻き取り作用を一層堅実に有効化できる。
なお、上記以外のフィルタ22の通気性の確保による乾燥性能の向上や、開閉蓋5の開閉に伴うフィルタケース21内のリントなどの取り除く清掃作業などについては、第1実施形態と同様の作用効果を有する。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態を示すリント捕獲装置のフィルタユニットを取り出した状態の一部拡大して示す斜視図である。
このものは、リント捕獲装置35を構成するフィルタユニット36を外部から着脱可能な構成としたもので、このフィルタユニット36はフィルタ37とリント掻き取り手段23とをカセット構成としたものである。
具体的には、乾燥風の通風路を兼ねた断面矩形状をなすフィルタケース39の中間部位の周側壁に、詳細は後述するフィルタユニット36を挿脱可能とする溝部38を形成している。この溝部38より下流側に、フィルタケース39と固定的に設けられた固定フィルタ40を一体的に形成している。そして、上面の開口部39aには、これをほぼ密閉状態に閉鎖する透明部材からなる開閉蓋5が設けられている。この開口部39aを開放したとき、および透明な開閉蓋5を介して上記フィルタユニット36や固定フィルタ40を上方から目視できる構成としている。
そして、ここで上記フィルタユニット36につき詳細に説明すると、これは矩形平板状で剛性を高めた仕切板41と、その中央部位に円形状のフィルタ37を一体的に形成し、このフィルタ37に近接してリント掻き取り手段23を設けた構成としている。このリント掻き取り手段23は、第1実施形態と同様の構成にあって、フィルタ37の上流側の表面に接触状態の掻き取り部材26を保持した回転翼車24を配置している。ただし、本実施形態では回転翼車24を回転可能に支持する支持部材として、回転翼車24に連結された図示しない支軸をフィルタ37に回転可能に軸支する構成としている(或は、固定の支軸に回転翼車24を回転可能に軸支する構成でもよい)。
すなわち、上記支軸を回転可能に軸支するフィルタ37は、本来合成樹脂製でメッシュ状となすもので軸支するほどの強度を有しない。そこで、本実施形態ではフィルタ37の中心部から放射状に延びる3本の脚部42a,42b,42cからなる支持枠42をフィルタ37と一体に形成するとともに、その先端をフィルタ37周りの仕切板41にまで延ばし連接した構成としている。この場合、各脚部42a,42b,42cは、当然フィルタ37上に延びてメッシュ部分を一部埋めることになる。そのため、できるだけ細くて厚みを増した帯状とするなどして剛性を高め、回転翼車24を軸支するに十分な強度を有する支持枠42を構成している。
上記構成からなるフィルタユニット36は、リント掻き取り手段23およびフィルタ37を一体化したカセット構成とし、本実施形態ではそのフィルタ37を有する仕切板41を、フィルタケース39内の溝部38に上下方向に挿脱可能に挿入しており、つまりフィルタユニット36はフィルタケース39に対し開閉蓋5を開放することで外部から着脱可能に装着される。勿論、乾燥運転中は上面の開口部39aを開閉蓋5で閉鎖された通風路が形成され、乾燥風は円筒状の接続部39bから流入し仕切板41が有するフィルタ37および固定フィルタ40を経て下流側に流れ、もって図6中に示す矢印Wで示す方向の風力を受けてリント掻き取り手段36によるリントの掻き取り作用が有効に機能する。
上記構成の第3実施形態によれば、フィルタユニット36により乾燥運転中に発生したリントなどは掻き取られてフィルタケース39の内底部に溜まる。従って、そのリントを取り除く清掃時には開閉蓋5を開放し、次いでフィルタユニット36を摘んで外部に取り出す。この結果、フィルタケース39内は大きく開放された空間となり、フィルタケース39の内底部に溜まったリントなどを容易に取り除くことができ清掃し易い。また、カセット化されたフィルタユニット36は着脱容易で、且つ外部に取り出したフィルタユニット36は、その構成部品であるフィルタ37や回転翼車24および掻き取り部材26等が、例えばリントや埃などが付着して汚れている場合には、これを容易に清掃できる。
その他、リント掻き取り手段23による機能などは第1実施形態と同様の効果を有する。また、本実施形態では着脱可能とするフィルタ37(フィルタユニット36)に対し、その下流側に通常着脱不可能とする固定的に設けられた固定フィルタ40を設けているので、フィルタ37を着脱可能とするが故に付け忘れた場合があっても、リントの下流側への流出を固定フィルタ40で阻止でき、ヒートポンプ機構等への流入を回避できる利点を有する。ただし、この固定フィルタ40は必要に応じ設ければよい。
また、仕切板41は、フィルタユニット36(フィルタ37)を着脱する際、溝部38に挿脱可能とする強度を有する構成としているが、この構成に限らず、例えばフィルタ37を大形に形成し(円形状に限らない)、その周囲枠を剛性を高めて溝部38に挿脱可能とすることで、仕切板41は省略することもできるもので、従ってフィルタユニット36は少なくともフィルタ37とリント掻き取り手段23とで構成可能である。
(第4実施形態)
図7および図8は、第4実施形態を示すもので、図7はフィルタユニットを取り出した状態のリント捕獲装置を示す縦断面図で、図8は同リント捕獲装置の斜視図である。このものは、上記第3実施形態と同様にリント掻き取り手段を有するフィルタユニットをカセット化し、これを本体外から着脱可能な構成としたものであるが、そのうちのフィルタユニットの具体構成や機能において異なる特徴を有するものである。
まず、本実施形態のリント捕獲装置43を構成するフィルタケース44は、図7中に示す矢印方向に乾燥風(排気風)が流れる通風路を兼ねた中空容器状をなし、断面矩形状の主体部に対し両側端部に円筒状の接続部44d,44eを形成している。この通風路たるフィルタケース44の中間部位には、詳細は後述するフィルタユニット45を挿脱可能に収容する容器状の空間を確保した収容部44aを有し、その下流側の後壁部分に相当する固定フィルタ44を上方に行くに従い拡開する方向に傾斜する構成としている。この固定フィルタ44は、第3実施形態(図6参照)で述べた固定フィルタ40と同様に通気性を確保するとともに、図示しないヒートポンプ機構等が配置される下流側に異物が流入しないようにしたメッシュ状をなすもので、樹脂製のフィルタケース44と一体的に形成されている。
上記収容部44aの上壁部分には矩形の開口部44bが形成されるとともに、その開口周縁に若干凹みとした載置部44cを形成している。この載置部44cの前方側にスリット孔44fを形成しており、これは後述する着脱可能とするフィルタユニット45を所定位置に載置し、所謂位置決めをしつつ支持するためのものである。
ここで、上記フィルタユニット45の構成につき詳細に説明する。このフィルタユニット45は、上面を開放した有底容器状をなすリントボックス46と、該リントボックス46の下流側である後壁に相当する部分に一体的に設けたフィルタ47と、該フィルタ47に近接して設けたリント掻き取り手段23とを一体化したカセット構成としたもので、上記フィルタケース44の収容部44aに対し挿脱可能に収容される。
さらに具体的に述べると、リントボックス46は上記収容部44aの容器状空間に対し、やや小形の相似形をなしており、従って後壁を兼ねたフィルタ47は傾斜した壁面とし、他の周壁はほぼ垂直な壁面から構成されている。例えば、このリントボックス46の大きさは、図7中に二点鎖線で示す収容部44aに収容された状態で、収容部44aの底壁および後壁を兼ねた傾斜した固定フィルタ40とは隙間を有して収容可能な大きさとしている。その前壁には、格子状の粗目とする透孔46aが形成され、乾燥風が該リントボックス46内を透孔46aから後壁側のフィルタ47を通して流れる構成としている。
このような容器状をなす周壁上端部には、外方に折曲形成されたフランジ部46bを形成しており、該フランジ部46bの前方側に一部下方に突出した突片46cを形成している。この突片46cは、リントボックス46が収容部44a内に収容したとき、フランジ部46bが載置部44cの適正位置に載置された状態で上記スリット孔44fに嵌合する構成としている。この嵌合により、該リントボックス46(延いてはフィルタユニット45)を周方向(左右前後)に移動するのを阻止し、その収容位置に支持する位置決め手段として機能する。
そして、後壁側であるフィルタ47に近接してリント掻き取り手段23を設けている。
このリント掻き取り手段23は、例えば第3実施形態で述べたものと同様の構成にあって、フィルタ47の上流側の表面に接触状態の掻き取り部材26を保持した回転翼車24を配置し、回転翼車24は矢印W方向の乾燥風により回転する構成としている。この回転翼車24を回転可能に支持する支持部材としては、回転翼車24に固定した支軸48をフィルタ47に回転可能に軸支する構成としている(或は、フィルタ47に固定した支軸48に回転翼車24を回転可能に軸支する構成でもよい)。
ただし、このフィルタ47は、例えば上記第3実施形態と同様に合成樹脂製にて表面が平滑なメッシュ状としたもので、やはり軸支するほどの強度を有していない。そこで、フィルタ47の中心部から放射状に延びる3本の脚部42a,42b(42bのみ図示),42cからなる支持部材としての支持枠42をフィルタ47と一体に形成する。支持枠42は、当然フィルタ47上に延びているので、そのメッシュ部分を一部埋めることになるため、できるだけ細くて厚みを増した帯状とするなどして剛性を高め、回転翼車24を軸支するに十分な強度が付与されている。
このように構成されたフィルタユニット45が、収容部44a内に収容され、その上方部分を開閉蓋5で閉鎖した状態で乾燥運転が開始されると、矢印方向に流れる乾燥風はフィルタケース44の接続部44dから流入し、透孔46aからリントボックス46内に流入する。ここに達した矢印Wで示す乾燥風の風力を受けてリント掻き取り手段23が機能し、フィルタ47に捕獲したリントなどを掻き取り、リントボックス46内に溜める。一方、乾燥風は該フィルタ47を通過し、さらに後方の固定フィルタ40を経て下流側に流れる。
これに対し、リントボックス46内のリントなどを取り除く清掃に際しては、開閉蓋5を本体外から開放し、収容状態のリントボックス46の前壁に形成した粗目の透孔46aに手指を掛けて持ち上げれば、載置部44cに載置支持されたリントボックス46は容易に持ち上がり、従ってフィルタユニット45は外箱2の開放部7から外部に取り出すことができる。
このとき、リントなどはリントボックス46内に溜まった状態で外部に取り出され、これを容易に廃棄することができる。また、取り出したリント掻き取り手段23やフィルタ47などの清掃作業も必要に応じ簡単にできる。
なお、上記粗目の透孔46aは乾燥風を通すためだけでなく、例えば開閉蓋5を開放状態にあるとき、誤ってフィルタケース44内に異物が落下しても該透孔46a部分で阻止し、この場合リントボックス46内に留めおくことができ、通風路内部に侵入するのを防止する機能も有している。
上記構成の第3実施形態によれば、フィルタユニット45を外部から着脱可能な構成とし、該フィルタユニット45にはリント掻き取り手段23にて掻き取ったリントなどを溜めることができる容器状のリントボックス46を含めたカセット構成とした。従って、清掃時にリントなどを周りに散らすことなくリントボックス46(フィルタユニット45)毎、外部に取り出すことができて清掃作業が簡単で確実に実施できる。
ところで、本実施形態では収容部44aの後壁に相当する固定フィルタ40を上方に行くほど開口部44bを拡開する方向に傾斜する形状としたが、これはフィルタユニット45の着脱時における特に収容時に開口部44bの間口を広げることで、リントボックス46をその底部側から収容部44a内に挿入し易くする利点を有する。ただし、この傾斜形状は必要に応じて設ければよく、従ってリントボックス46の外形形状も本実施形態に限らず適宜展開可能である。
なお、上記した各実施形態では、衣類乾燥機として乾燥機能を有する横軸周りのドラムを備えたドラム式洗濯乾燥機に適用して述べたが、これに限らず、例えば縦軸周りに回転可能な回転槽を備えた洗濯乾燥機など、つまり乾燥機能を具備したものに適用可能である。
その他、上記実施形態では温風化する空気の加熱手段としてヒートポンプ機構を採用しているが、これに限らず電気ヒータなど他の加熱手段を用いても実施可能である。また、衣類乾燥用の乾燥風を循環供給するタイプに限らず、乾燥作用後の乾燥風(排気風)を本体外に排気するタイプの衣類乾燥機にも適用可能である。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略,置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1はドラム式洗濯乾燥機(衣類乾燥機)、2は外箱(本体)、6,30,35,43はリント捕獲装置、8はドラム(回転槽)、9は水槽、11は循環ダクト(通風路)、12は給気ダクト、13は排気ダクト、14は熱交換ダクト、15はヒートポンプ機構(加熱手段)、20は送風機(送風手段)、21,39,44はフィルタケース、22,37,47はフィルタ、23,31,36はリント掻き取り手段、24,32は回転翼車、25は傾斜面、26,33は掻き取り部材、27,42は支持枠(支持部材)、36,45はフィルタユニット、および46はリントボックスを示す。
本実施形態の衣類乾燥機によれば、送風手段および加熱手段により生成した乾燥風を、衣類などを収容する回転槽内に供給した後、回転槽外にリント捕獲装置を介して排出するようにしたものにおいて、リント捕獲装置は、乾燥風を排出する通風路中に設けたリント捕獲用のフィルタと、このフィルタに近接して設けたリント掻き取り手段とを具備する。リント掻き取り手段は、フィルタの上流側表面に摺接し該フィルタに捕獲したリントを掻き取る掻き取り部材と、この掻き取り部材を保持するとともに乾燥風の風力を受けて回転する回転翼車を備えている。

Claims (10)

  1. 送風手段および加熱手段により生成した乾燥風を、衣類などを収容するドラム内に供給して乾燥し、乾燥作用後の乾燥風をリント捕獲装置を介して排出するようにしたものにおいて、
    前記リント捕獲装置は、
    乾燥風をドラム外に排出する通風路中に設けたリント捕獲用のフィルタと、このフィルタの上流側に近接して設けたリント掻き取り手段とを具備し、
    前記リント掻き取り手段は、
    前記フィルタの上流側の表面と摺接し、フィルタに捕獲したリントを掻き取る機能を有する掻き取り部材と、この掻き取り部材を保持するとともに乾燥風の風力を受けて回転する回転翼車とから構成したことを特徴とする衣類乾燥機。
  2. フィルタは、表面が平滑なメッシュ状であることを特徴とする請求項1記載の衣類乾燥機。
  3. 回転翼車は、回転中心から放射状に延びる複数の回転翼を備え、各回転翼が保持する掻き取り部材を互に径方向に位置ずれした配置構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の衣類乾燥機。
  4. 掻き取り部材は、外周側に位置するものほどフィルタとの摺接面積が小さくなるように設定したことを特徴とする請求項3記載の衣類乾燥機。
  5. リント掻き取り手段は、フィルタの下流側にも設けるとともにフィルタ裏面と摺接する掻き取り部材は、上流側の掻き取り部材と対向配置としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の衣類乾燥機。
  6. 掻き取り部材は、ゴム製でへら状をなして弾性的に摺接していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の衣類乾燥機。
  7. 掻き取り部材またはフィルタの少なくとも一方の表面に、フッ素樹脂によるコーティングを施したことを特徴とする請求項6記載の衣類乾燥機。
  8. 通風路中に設けられたフィルタと、該フィルタに保持されたリント掻き取り手段とを一体化してカセット構成としたフィルタユニットを、通風路に対し乾燥機本体外から着脱可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の衣類乾燥機。
  9. フィルタユニットを、通風路と連通する容器状のリントボックスの後壁側に設けるとともに、該リントボックスと共に本体外から着脱可能としたことを特徴とする請求項8記載の衣類乾燥機。
  10. フィルタユニットを備えたリントボックスを、本体外から着脱可能とする本体開放部に対応して、該開放部を開閉する透明部材からなる開閉蓋を設けたことを特徴とする請求項9記載の衣類乾燥機。

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