JP2014068570A - 作業機のエンジン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】キースイッチ以外の他の操作具を用いてエンジンの運転停止や始動を行うようにしながら、操作性の低下を回避させることが可能な作業機のエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】キースイッチ以外の他の操作具Qによるエンジン停止用操作が行われたことを検出するエンジン停止用操作検出手段100と、その検出情報に基づいて、キースイッチがオン操作されている状態で他の操作具Qによるエンジン停止用操作が行われると、エンジンの作動を停止させるエンジン自動停止処理を実行し、且つ、エンジン自動停止処理を実行したのちにおいて、他の操作具Qによるエンジン停止用操作が行われると、エンジンを始動させるエンジン自動始動処理を実行する制御手段とを備える。
【選択図】図6
【解決手段】キースイッチ以外の他の操作具Qによるエンジン停止用操作が行われたことを検出するエンジン停止用操作検出手段100と、その検出情報に基づいて、キースイッチがオン操作されている状態で他の操作具Qによるエンジン停止用操作が行われると、エンジンの作動を停止させるエンジン自動停止処理を実行し、且つ、エンジン自動停止処理を実行したのちにおいて、他の操作具Qによるエンジン停止用操作が行われると、エンジンを始動させるエンジン自動始動処理を実行する制御手段とを備える。
【選択図】図6
Description
本発明は、キースイッチ以外の他の操作具によりエンジンの運転停止や始動を行うようにした作業機のエンジン制御装置に関する。
この種の作業機のエンジン制御装置の従来例として、例えば、特許文献1に記載されるように、変速操作経路に沿って操作自在な変速操作具が、変速操作経路の途中位置(中立位置)から外れたエンジン停止用指令位置に操作自在で、且つ、バネによりエンジン停止用指令位置に移動付勢される状態で設けられ、この変速操作具がエンジン停止用指令位置に操作されるとエンジンを停止させ、且つ、変速操作具がエンジン停止用指令位置から外れて変速操作経路に操作されるとエンジンを始動させる制御手段を備えたものがあった(第1の従来技術)。
又、別の従来例として、特許文献2に記載されるように、キースイッチ以外の異なる2つの操作具のうちのいずれか一方の操作具のエンジン停止用の操作に伴ってエンジンを停止させ、他方の操作具のエンジン始動用操作に伴ってエンジンを始動させる制御手段を備えたものがあった(第2の従来技術)。
上記第1の従来技術では、操作具を本来の操作経路である変速操作経路から外れたエンジン停止用指令位置に操作するとエンジンが停止し、その操作具をエンジン停止用指令位置から変速操作経路に戻すと、エンジンが始動するものであるから、エンジンを停止させている間は、操作具をエンジン停止用指令位置に保持させる必要がある。その結果、変速操作具等のように、所定の操作経路に沿って操作する必要がある操作具を兼用する場合には、エンジンを停止させている間は所定の操作経路から外れるので、操作し難いものになるおそれがある。
又、第2の従来技術では、エンジン停止用の操作を行う一方の操作具は、エンジン停止用操作を行い、エンジンを停止させたのちは、操作位置を変更させてもエンジンの始動には関与しないので、所定の操作経路に沿って操作する必要がある操作具を兼用する場合であっても、エンジンを停止させている間も所定の操作経路に位置するので、操作具の操作形態に制約を受けるおそれはない。しかし、この構成では、エンジンを停止させるために操作すべき操作具と、エンジンを始動させるために操作すべき操作具とが異なるものであるから、操作者にとっては、紛らわしいものとなり、操作対象を間違える等の無用な混乱を招くおそれがある。
つまり、従来では、キースイッチ以外の他の操作具を用いてエンジンの運転の停止や始動を行うものにおいて、他の操作具を操作するときの操作性が低下するという不利な面があった。
本発明の目的は、キースイッチ以外の他の操作具を用いてエンジンの運転停止や始動を行うようにしながら、操作性の低下を回避させることが可能な作業機のエンジン制御装置を提供する点にある。
本発明に係る作業機のエンジン制御装置の特徴構成は、
キースイッチ以外の他の操作具によるエンジン停止用操作が行われたことを検出するエンジン停止用操作検出手段と、
前記エンジン停止用操作検出手段の検出情報に基づいて、前記キースイッチがオン操作されている状態で前記他の操作具によるエンジン停止用操作が行われると、エンジンの作動を停止させるエンジン自動停止処理を実行し、且つ、前記エンジン自動停止処理を実行したのちにおいて、前記他の操作具によるエンジン停止用操作が行われると、前記エンジンを始動させるエンジン自動始動処理を実行する制御手段とが備えられている点にある。
キースイッチ以外の他の操作具によるエンジン停止用操作が行われたことを検出するエンジン停止用操作検出手段と、
前記エンジン停止用操作検出手段の検出情報に基づいて、前記キースイッチがオン操作されている状態で前記他の操作具によるエンジン停止用操作が行われると、エンジンの作動を停止させるエンジン自動停止処理を実行し、且つ、前記エンジン自動停止処理を実行したのちにおいて、前記他の操作具によるエンジン停止用操作が行われると、前記エンジンを始動させるエンジン自動始動処理を実行する制御手段とが備えられている点にある。
本構成によれば、キースイッチがオン操作されている状態で他の操作具によりエンジン停止用操作が行われると、そのことがエンジン停止用操作検出手段により検出される。制御手段は、その検出情報に基づいて、エンジン自動停止処理を実行してエンジンの作動を停止させる。又、エンジンの作動が停止したのちに、再度、他の操作具によるエンジン停止用操作が行われると、そのことがエンジン停止用操作検出手段により検出される。制御手段は、その検出情報に基づいて、エンジン自動始動処理を実行してエンジンを始動させる。
すなわち、他の操作具によりエンジン停止用操作が行われた後に、当該他の操作具がエンジン停止用操作を解除する状態に操作されても、エンジンが始動することはない。その結果、当該他の操作具として、例えば、所定の操作経路に沿って操作する必要がある操作具を兼用する場合であっても、その操作具によりエンジン停止用操作が行われてエンジンを停止させているときに、操作具を所定の操作経路に戻すことが可能であり、所定の操作経路に沿う本来の操作を容易に行うことができる。
このように、エンジンを停止させるための操作具と、エンジンを始動させるための操作具とが同一の操作具であり、しかも、エンジンを停止させるための操作とエンジンを始動させるための操作とが同一の操作であるから、操作者にとっては、操作内容が判り易く、操作対象を間違える等の無用な混乱を招くおそれは少ない。
従って、キースイッチ以外の他の操作具を用いてエンジンの運転を制御するものでありながら、操作性の低下を回避させることが可能な作業機のエンジン制御装置を提供できるに至った。
本発明においては、前記他の操作具が、エンジン停止用の所定操作位置とそれとは異なる別の操作位置とにわたり移動操作自在に設けられ、
前記他の操作具が前記エンジン停止用の所定操作位置に操作されている状態で、その操作具を位置保持並びに解除自在な位置保持手段が備えられ、
前記制御手段は、前記エンジン停止用操作検出手段の検出情報に基づいて、前記他の操作具が前記別の操作位置から前記エンジン停止用の所定操作位置に移動操作されると前記エンジン自動停止処理を実行し、且つ、前記他の操作具が前記エンジン停止用の所定操作位置に保持されている間はエンジン停止状態を維持し、その後、前記他の操作具が再度、前記別の操作位置から前記エンジン停止用の所定操作位置に移動操作されると前記エンジン自動始動処理を実行すると好適である。
前記他の操作具が前記エンジン停止用の所定操作位置に操作されている状態で、その操作具を位置保持並びに解除自在な位置保持手段が備えられ、
前記制御手段は、前記エンジン停止用操作検出手段の検出情報に基づいて、前記他の操作具が前記別の操作位置から前記エンジン停止用の所定操作位置に移動操作されると前記エンジン自動停止処理を実行し、且つ、前記他の操作具が前記エンジン停止用の所定操作位置に保持されている間はエンジン停止状態を維持し、その後、前記他の操作具が再度、前記別の操作位置から前記エンジン停止用の所定操作位置に移動操作されると前記エンジン自動始動処理を実行すると好適である。
本構成によれば、他の操作具が別の操作位置からエンジン停止用の所定操作位置に移動操作されると、エンジンの作動が停止する。そして、他の操作具が位置保持手段によりエンジン停止用の所定操作位置に保持されている間は、エンジン停止状態が維持される。その後に、他の操作具が再度、別の操作位置からエンジン停止用の所定操作位置に移動操作されると、エンジンが始動することになる。
すなわち、位置保持手段により他の操作具をエンジン停止用の所定操作位置にて位置保持させることにより、他の操作具の操作に基づいてエンジンの作動を停止させている状態であることを操作者あるいは操作者以外の者に認識させ易いものとなる。
又、エンジンが作動停止しているときに、他の操作具をエンジン停止用の所定操作位置から別の操作位置に戻し操作しても、エンジンの停止状態を維持させることができるので、所定の操作経路に沿う本来の操作を容易に行える状態に設定することができる。
本発明においては、前記位置保持手段は、前記他の操作具が前記別の操作位置から前記エンジン停止用の所定操作位置側へ移動操作されると、それに伴って位置保持状態に切り換わり、その位置保持状態において、前記他の操作具が再度、前記エンジン停止用の所定操作位置側へ移動操作されると、それに伴って保持解除状態に切り換わると好適である。
本構成によれば、他の操作具が別の操作位置からエンジン停止用の所定操作位置側へ移動操作されると、位置保持手段により位置保持される状態に切り換わる。そして、位置保持されている状態において、他の操作具が再度、エンジン停止用の所定操作位置側へ移動操作されると、位置保持状態が解除されるので、別の操作位置に移動操作させることが可能な状態になる。
すなわち、位置保持手段は、位置保持状態に切り換わるとき、及び、保持解除状態に切り換わるときのいずれにおいても、他の操作具をエンジン停止用の所定操作位置側へ移動操作させることによって切り換わることになる。
つまり、エンジンの作動を停止させるとき、エンジンを始動させるときのいずれにおいても、操作者は、他の操作具をエンジン停止用の所定操作位置側へ移動操作させるという簡単な操作で対応できる。
本発明においては、各別に走行駆動状態と走行停止状態とに切り換え自在な左右一対の走行装置が備えられ、
前記他の操作具として、前記左右一対の走行装置を各別に前記走行駆動状態と前記走行停止状態とに切り換え操作自在な左右一対の走行用操作具が備えられ、
前記エンジン停止用操作検出手段が、前記左右一対の走行用操作具の操作状態を検出するものであり、
前記制御手段は、前記左右一対の走行用操作具の夫々が前記走行停止状態であるときに、前記エンジン自動停止処理を実行すると好適である。
前記他の操作具として、前記左右一対の走行装置を各別に前記走行駆動状態と前記走行停止状態とに切り換え操作自在な左右一対の走行用操作具が備えられ、
前記エンジン停止用操作検出手段が、前記左右一対の走行用操作具の操作状態を検出するものであり、
前記制御手段は、前記左右一対の走行用操作具の夫々が前記走行停止状態であるときに、前記エンジン自動停止処理を実行すると好適である。
本構成によれば、左右一対の走行用操作具を操作することで、左右一対の走行装置のうちの一方の走行装置を走行駆動状態とし、他方の走行装置を走行停止状態に切り換えると、作業機を旋回走行させることができる。このように旋回走行しているときには、エンジンを停止させることはできない。
一方、左右一対の走行用操作具の夫々が走行停止状態であるときには、左右一対の走行装置が共に走行停止状態であり作業機は走行を停止している。このように作業機が走行を停止しているときには、制御手段がエンジン自動停止処理を実行して、エンジンの作動を停止させるのである。
従って、左右一対の走行用操作具の操作に基づいて、旋回走行中に誤ってエンジンを停止させることがなく、作業機が走行を停止している適切な状態においてエンジンを停止させることが可能となる。
以下、本発明に係る作業機のエンジン制御装置の実施形態を作業機の一例としての乗用型田植機に適用した場合について図面に基づいて説明する。
図1,2に示すように、本発明の実施形態に係る乗用型田植機は、左右一対の操向操作及び駆動自在な前輪1、及び左右一対の駆動自在な後輪2が装備された走行機体3を備え、この走行機体3の後部に作業装置としての苗植付装置4がアクチュエータとしての油圧シリンダ5にて駆動昇降自在にリンク機構6を介して連結され、走行機体3の車体後部に施肥装置7を備えて構成されている。
走行機体3における機体フレーム8の前部には、前輪1を軸支したミッションケース9が連結固定されるとともに、機体フレーム8の後部には、後輪2を軸支した後部伝動ケース10がローリング自在に支持されている。また、ミッションケース9から前方に延出された前フレーム11にエンジン12が横向きに搭載されてボンネット13で覆われているとともに、エンジン12の後方に位置する搭乗運転部には、前輪1を操向操作するためのステアリングハンドル14、運転座席15、運転部ステップ16などが備えられ、また、機体前部の左右には、予備苗を複数段に載置収容する予備苗のせ台17が設けられている。
苗植付装置4は、6条分の苗を載置して設定ストロークで往復横移動される苗のせ台21、苗のせ台21の下端から1株分ずつ苗を切り出して圃場に植付けてゆく6組の回転式の植付機構22、植付け箇所を整地する3個の接地フロート23等を備えて構成されている。
施肥装置7は、運転座席15と苗植付装置4との間において走行機体3上に搭載されており、粉粒状の肥料を貯留する肥料ホッパー24、この肥料ホッパー24内の肥料を設定量ずつ繰り出す繰出し機構25、繰り出された肥料を供給ホース26を介して各接地フロート23に備えた作溝器27に風力搬送する電動ブロア28等を備えており、作溝器27によって田面Gに形成した溝に肥料を送り込んで埋設してゆくよう構成されている。
図3及び図4に示すように、ミッションケース9の側面には、エンジン12にベルト連動された静油圧式の無段変速装置(HST)からなる主変速装置41が連結され、その出力がミッションケース9に入力されて作業系と走行系とに分岐される。分岐された作業系の動力は、ワンウエイクラッチ42によってその正転動力のみが取出され、手動操作にて6段のギヤ変速が可能な株間変速機構43および植付クラッチ(図示せず)を経て作業用動力取出し軸(PTO軸)45から取出され、苗植付装置4に伝達されるようになっている。
分岐された走行系動力は、ギヤ式の副変速装置47によって高低2段に変速された後、前輪系と後輪系に再度分岐され、前輪系の動力はデフロック可能な差動装置48を介して左右の前輪1に伝達されるとともに、後輪系の動力は伝動軸49を介して後部伝動ケース10に伝達され、多板式のサイドクラッチ50を介して左右の後輪2に伝達される。又、後部伝動ケース10には機体停止用の多板式のブレーキ51が装備されており、このブレーキ51は、運転部ステップ16の右側足元に配備された足踏み操作式のブレーキ操作具52に機械的に連動連結されている。
又、図8〜図11に示すように、ブレーキ操作具52が踏み込み操作されたことを検出するブレーキ操作検出手段としてのブレーキセンサS1が備えられている。このブレーキセンサS1は、ブレーキ操作具52が踏み込み操作されていなければオフ状態となり、ブレーキ操作具52が踏み込み操作されるとオン状態に切り換わるように構成されている。
主変速装置41は、ステアリングハンドル14の左脇に配備された変速操作具としての主変速レバー53(キースイッチ90以外の他の操作具Qの一例)で変速操作され、副変速装置47は、運転座席15の左横側に配備された副変速レバー54によって切換え操作されるようになっている。
次に、主変速装置41の変速操作構造について説明する。
図4及び図5に示すように、ステアリングハンドル14を支持するように立設されたハンドルポスト55には支持ブラケット56が固着され、この支持ブラケット56の左側端部には、支軸57を介してデテント板58が横向き支点a周りに前後揺動可能に支持され、このデテント板58に主変速レバー53が前後向き支点b周りに左右揺動可能に支持されている。ハンドルポスト55を立設支持する支持枠59に、横向き支点c周りに回動可能に中継回動部材60が支持されており、この中継回動部材60とデテント板58とが連係ロッド61を介して連係され、さらに、この中継回動部材60と、主変速装置41の変速操作軸62に連結された変速アーム63とが操作ロッド64を介して連係されている。
図4及び図5に示すように、ステアリングハンドル14を支持するように立設されたハンドルポスト55には支持ブラケット56が固着され、この支持ブラケット56の左側端部には、支軸57を介してデテント板58が横向き支点a周りに前後揺動可能に支持され、このデテント板58に主変速レバー53が前後向き支点b周りに左右揺動可能に支持されている。ハンドルポスト55を立設支持する支持枠59に、横向き支点c周りに回動可能に中継回動部材60が支持されており、この中継回動部材60とデテント板58とが連係ロッド61を介して連係され、さらに、この中継回動部材60と、主変速装置41の変速操作軸62に連結された変速アーム63とが操作ロッド64を介して連係されている。
支持ブラケット56にはガイド板65が固着されており、このガイド板65に形成された段違い状の案内溝66に係合する基端側案内部53Bが主変速レバー53の基端部に一体的に設けられている。
すなわち、図5及び図7に示すように、主変速レバー53は、上下方向に長く延設されるレバー本体53Aの基部に、連結具38を介して、棒体を略L字形に折り曲げて形成された基端側案内部53Bが一体的に固定される状態で設けられている。
この基端側案内部53Bにおける支軸形成部分53B1がデテント板58にて一体形成された一対の軸支持部58aにて前後向き支点bの周りで回動自在に支持されており、この支軸形成部分53B1からL字形に折り曲げて下向きに延出された溝案内部53B2が案内溝66を上下に貫通しており、案内溝66と基端側案内部53Bとの係合案内作用によって主変速レバー53を所定の段違い操作経路に沿って前後に揺動すべく案内するように構成されている。
すなわち、図5及び図7に示すように、主変速レバー53は、上下方向に長く延設されるレバー本体53Aの基部に、連結具38を介して、棒体を略L字形に折り曲げて形成された基端側案内部53Bが一体的に固定される状態で設けられている。
この基端側案内部53Bにおける支軸形成部分53B1がデテント板58にて一体形成された一対の軸支持部58aにて前後向き支点bの周りで回動自在に支持されており、この支軸形成部分53B1からL字形に折り曲げて下向きに延出された溝案内部53B2が案内溝66を上下に貫通しており、案内溝66と基端側案内部53Bとの係合案内作用によって主変速レバー53を所定の段違い操作経路に沿って前後に揺動すべく案内するように構成されている。
図6に示すように、段違い操作経路の段違い部位が主変速装置41の中立位置Nに相当し、中立位置Nは前進側中立位置Nfと後進側中立位置Nrとがあり、前進側中立位置Nfの前方に前進変速操作経路Fが形成され、且つ、後進側中立位置Nrの後方に後進変速操作経路Rが形成されている。
図4に示すように、デテント板58の外周に並列形成した9つの凹部67に、片持ちバネレバー68の遊端に支持したデテントローラ69を弾性係入させることで、主変速レバー53を前進5段(F1〜F5)、中立位置N、および、後進3段(R1〜R3)の各変速位置に保持することができるようになっている。
図6に示すように、ガイド板65に形成される案内溝66における前進側中立位置Nfの横外側にはエンジン停止用指令位置ES(エンジン停止用の所定操作位置Tの一例)が設定されるとともに、主変速レバー53の溝案内部53B2がエンジン停止用指令位置ESに操作されたことを検知する停止位置検出スイッチS2(エンジン停止用操作検出手段100の一例)が装備されている。
そして、主変速レバー53の横方向への操作の中心となる前後向き支点b(支軸形成部分53a1)には、付勢手段としての中央位置復帰用のネジリバネ70が装備されており、主変速レバー53が前進側中立位置Nfに向けて移動付勢されるように構成されている。
図4及び図7に示すように、ネジリバネ70は、支軸形成部分53B1に巻回される巻回部70aから下方に延びる両側の係止作用部70bの間に、主変速レバー53の基部から一体的に突出形成された係止部72が挟まれる状態で設けられている。又、両側の係止作用部70bの間には、デテント板58に形成された軸支持部58aから一体的に突出形成された固定部73が挟まれる状態で設けられている。
図4及び図7に示すように、ネジリバネ70は、支軸形成部分53B1に巻回される巻回部70aから下方に延びる両側の係止作用部70bの間に、主変速レバー53の基部から一体的に突出形成された係止部72が挟まれる状態で設けられている。又、両側の係止作用部70bの間には、デテント板58に形成された軸支持部58aから一体的に突出形成された固定部73が挟まれる状態で設けられている。
この構成によれば、図7(b)の実線にて示すように、主変速レバー53が、エンジン停止用指令位置ESに操作されると、一方の係止作用部70bが固定部73で受止め係止された状態で、他方の係止作用部70bが係止部72によって一対の係止作用部70bを押し広げるように係止作用するので、主変速レバー53がネジリバネ70の付勢力により前進側中立位置Nfに復帰付勢される。又、主変速レバー53が、後進側中立位置Nrに操作される場合にも、同様にして、前進側中立位置Nfに復帰付勢されることになる。
すなわち、中立位置Nに操作された主変速レバー53は前進側中立位置Nfに移動付勢されるように構成され、エンジン停止用指令位置ESに不測に移動することを牽制することができ、ネジリバネ70の付勢力に抗して手動操作にて主変速レバー53を操作することで、エンジン停止用指令位置ESに操作することができるようになっている。又、エンジン停止用指令位置ESに操作されたのち、主変速レバー53から手を離すと、ネジリバネ70の付勢力により、主変速レバー53は前進側中立位置Nfに移動することになる。従って、この実施形態では、前進側中立位置Nfが走行停止位置に相当するものであるが、このような構成に代えて、主変速レバー53が、走行停止位置として、後進側中立位置Nrに復帰付勢される構成とするようにしてもよい。
主変速レバー53をエンジン停止用指令位置ESに操作すると停止位置検出スイッチS2がオン状態になり、主変速レバー53がエンジン停止用指令位置ESから離れると、停止位置検出スイッチS2がオフ状態になるように構成されている。
次に、図8〜図10を参照しながら、主変速レバー53とブレーキ操作具52との連係構造について説明する。
主変速レバー53が前進変速操作経路Fに操作されている前進走行状態、あるいは、後進変速操作経路Rに操作されている後進走行状態において、機体停止用のブレーキ操作具52が踏み込み操作されると、主変速レバー53が中立位置Nにまで強制的に復帰操作されるように、主変速レバー53とブレーキ操作具52とが連動連係されている。
主変速レバー53が前進変速操作経路Fに操作されている前進走行状態、あるいは、後進変速操作経路Rに操作されている後進走行状態において、機体停止用のブレーキ操作具52が踏み込み操作されると、主変速レバー53が中立位置Nにまで強制的に復帰操作されるように、主変速レバー53とブレーキ操作具52とが連動連係されている。
説明を加えると、中継回動部材60の機体後方側箇所に、支点e周りに前後揺動可能に牽制作動部材81が配備されている。この牽制作動部材81にはアジャストボルト81bによって支点f周りに位置微調節可能な牽制金具81aが備えられており、牽制作動部材81の前縁部が、前記中継回動部材60の支点cより上方箇所に設けた第1接当ピン82に後方から対向するよう構成されるとともに、牽制金具81aの前縁部が、中継回動部材60の支点cより下方箇所に設けた第2接当ピン83に後方から対向するよう配備されている。
他方、ブレーキ操作具52を連結したペダル支軸84の他端部には牽制操作アーム85が固着され、この牽制操作アーム85の遊端に回動自在に枢支したボス部材86に、前記牽制作動部材81の下端から後方に向けて延出された押し引きロッド87の後端部が挿通連結されている。ここで、押し引きロッド87は、ボス部材86に対して一定範囲でのみ前後にスライド自在に挿通支持されるとともに、予め初期圧縮変形して押し引きロッド87に外嵌装着した圧縮コイルバネ88によって押し引きロッド87はボス部材86に対して前方スライド限界にスライド付勢されている。
図8は、ブレーキ操作具52が踏み込み操作されないで主変速レバー53が前進の最高速である前進5速F5にある状態を示し、また、図9は、ブレーキ操作具52が踏み込み操作されないで主変速レバー53が後進の最高速である後進3速R3にある状態を示している。
主変速レバー53が前進変速操作経路Fにある状態(図8の状態)でブレーキ操作具52が踏み込み操作されると、牽制操作アーム85が図中反時計方向に回動されることで押し引きロッド87が前方(図では左方)に突き出され、牽制作動部材81は支点e周りに時計方向に揺動操作される。これによって、図10に示すように、牽制作動部材81は第1接当ピン82を前方に接当押圧し、中継回動部材60は支点c周り反時計方向に強制回動され、主変速レバー53が中立位置N側に向けて戻される。
また、主変速レバー53が後進変速操作経路Rにある状態(図9の状態)でブレーキ操作具52を踏み込み操作するときには、牽制作動部材81の牽制金具81aが第2接当ピン83を前方に接当押圧し、中継回動部材60は支点c周りで時計方向に強制回動され、主変速レバー53が中立位置N側に向けて戻される。
主変速レバー53が中立位置Nに到ると(図10の状態)、第1接当ピン82および第2接当ピン83が共に牽制作動部材81に接当することで、牽制作動部材81及び中継回動部材60は、主変速レバー53が中立位置Nとなる一定姿勢に保持される。
なお、牽制作動部材81の牽制金具81aを位置調節することで、第1接当ピン82および第2接当ピン83を共に牽制作動部材81に接当させて中継回動部材60を正確に中立復帰させることができる。
なお、牽制作動部材81の牽制金具81aを位置調節することで、第1接当ピン82および第2接当ピン83を共に牽制作動部材81に接当させて中継回動部材60を正確に中立復帰させることができる。
ここで、圧縮コイルバネ88によって与えられた初期圧縮力は、主変速レバー53を強制移動させるのに必要な操作力より大きく設定されており、主変速レバー53が中立位置Nに到るまでは、圧縮コイルバネ88は操作反力で圧縮変形されることはない。そして、主変速レバー53が中立位置Nに到った後、更にブレーキ操作具52が踏み込み操作されると、前方に移動不能となった押し引きロッド87に対して牽制操作アーム85が圧縮コイルバネ88を更に圧縮変形させながら図中反時計方向に回動されることで十分なブレーキ操作ストロ−クが確保される。
前記副変速装置47は、植付け作業用の植付け変速状態と路上走行用変速状態の2段階の切り換え自在に構成されるとともに、この副変速装置47は運転座席15の左脇に配備された副変速レバー54で操作されるように構成されている。つまり、圃場での植付け作業中は、副変速装置47は植付け変速状態に維持されることになる。
図11に示すように、油圧シリンダ5に作動油を給排操作する制御弁32が備えられており、制御弁32により油圧シリンダ5に作動油が供給されると、油圧シリンダ5が収縮作動して苗植付装置4が上昇し、制御弁32により油圧シリンダ5から作動油が排出されると、油圧シリンダ5が伸長作動して苗植付装置4が下降するように構成されている。
又、走行機体3に対するリンク機構6の昇降角度を検出するポテンショメータからなるリンク角センサS3が備えられて、リンク角センサS3の検出値が制御装置Hに入力されており、走行機体3に対するリンク機構6の角度を検出することにより、走行機体3に対する苗植付装置4の高さを検出することができるようになっている。
運転座席15の前方に位置する操作パネル35の中央部には、液晶表示パネルを用いた情報表示部36が備えられている。詳述はしないが、情報表示部36には、例えば、苗のせ台21上に苗残量が少なくなったことやバッテリーVの電圧が低下していること等を表示したり、その他の種々の情報が表示される。
図13に示すように、情報表示部36には、累計稼動時間(アワーメータ)及びエンジン回転数を表示する4桁の数値表示部37が備えられている。そして、この数値表示部37は、アワーメータやエンジン回転数を表示するだけではなく、アルファベット及び*印等を表示することができるようになっており、後述するエンジン自動発停制御についての表示としても利用するようになっている。ちなみに、図13(a)は数値表示部37の全てのセグメントが点灯している全点灯状態を示し、図13(b)はエンジン回転数の表示例を示している。図13(c),(d)は、後述するように、エンジン自動発停制御における表示例を示している。
図11に示すように、ブレーキセンサS1、停止位置検出スイッチS2、リンク角センサS3の検出値が制御装置Hに入力されており、これ以外にも、エンジン12の回転数を検出するエンジン回転数センサS4が備えられ、このエンジン回転数センサS4の情報も制御装置Hに入力されるように構成されている。尚、これ以外にもバッテリーVの電圧を検出する電圧検出手段(図示せず)が備えられる。
図12は、制御装置Hやその他の電装品への電源供給状態を示しており、この図に示すように、制御装置Hは、キーKにて操作されるキースイッチ90が電源入り位置(ON)に操作されると、バッテリーVの電源が投入されて起動される。
又、キースイッチ90が電源切り位置(OFF)に操作されても、直ちに電源の供給が停止されるのではなく、自己保持回路91によって電源供給が継続されるようになっており、キースイッチ90が電源切り位置(OFF)に操作されたときにおける各部の動作状態を図示しない不揮発性メモリに書き込み記憶させたのちに、自己保持回路91を遮断して電源供給を停止するように構成されている。
又、キースイッチ90が電源切り位置(OFF)に操作されても、直ちに電源の供給が停止されるのではなく、自己保持回路91によって電源供給が継続されるようになっており、キースイッチ90が電源切り位置(OFF)に操作されたときにおける各部の動作状態を図示しない不揮発性メモリに書き込み記憶させたのちに、自己保持回路91を遮断して電源供給を停止するように構成されている。
また、キースイッチ90が始動位置(ST)に操作されたときには、バッテリーVとエンジン始動用モータ93との間の電源供給路に介装されたスターター起動用のリレー92をオン状態に切り換えてエンジン始動用モータ93を作動させてエンジン12を始動させることになる。
尚、図示はしていないが、エンジン12に対する燃料供給量を変更調節自在な調速装置が備えられ、主変速レバー53の操作状態に対応して速度が大になるほど燃料供給量を増加させるように調速装置を連動操作する連動操作機構が備えられている。
尚、図示はしていないが、エンジン12に対する燃料供給量を変更調節自在な調速装置が備えられ、主変速レバー53の操作状態に対応して速度が大になるほど燃料供給量を増加させるように調速装置を連動操作する連動操作機構が備えられている。
又、バッテリーVから制御装置Hを含む全ての電装品に対して電力を供給する主電源線95には、電力供給を断続自在な断続回路96が介装されており、この断続回路96は、制御装置Hからの指令によって電力供給状態と遮断状態とに切り換えることができるように構成され、又、キースイッチ90が始動位置(ST)に操作されたときに電力が供給されて作動する駆動回路97によっても電力供給状態と遮断状態とに切り換えることができるように構成されている。
そして、制御装置Hは、キースイッチ90が電源入り位置(ON)に維持されている場合であっても、エンジン停止条件が成立するとエンジン12の作動を停止させ、その後、エンジン始動条件が成立するとエンジンを始動させるエンジン自動発停制御を実行するように構成され、このエンジン自動発停制御を実行する状態と制御を実行しない状態とに切り換えるための自動入切スイッチSWと、エンジン停止用の条件が満たされると点灯し、満たされなければ消灯する表示ランプLとが操作パネル35に設けられている。
エンジン自動発停制御は、圃場において苗植付け作業を行なっている場合に、例えば、苗補給作業等を行うときに、エンジン12を一時的に停止させることにより、燃料の無駄な消費を抑制したり、騒音の低減を図ることが可能となるようにしたものである。又、苗補給作業が終了すると、エンジン12を始動させて苗植付け作業を行うことができる。
制御装置Hは、エンジン自動発停制御として、停止位置検出スイッチS2の検出情報に基づいて、キースイッチ90がオン操作されている状態で主変速レバー53によるエンジン停止用操作が行われると、エンジン12の作動を停止させるエンジン自動停止処理を実行し、且つ、前記エンジン自動停止処理を実行したのちにおいて、主変速レバー53によるエンジン停止用操作が行われると、エンジン12を始動させるエンジン自動始動処理を実行するように構成されている。
次に、図14のフローチャートに基づいて、制御装置Hによるエンジン自動発停制御について具体的に説明する。尚、以下の説明では、自動入切スイッチSWは入り状態に操作されているものとする。
主変速レバー53がエンジン停止用指令位置ESに操作されて、停止位置検出スイッチS2がオフ状態からオン状態に切り換わり、オン状態が設定時間(数秒間)以上継続すると(ステップ1,2)、エンジン停止条件が成立したものとして、以下のような処理を実行する。尚、設定時間の継続操作を条件とするのは、誤操作により短時間だけオン操作されることによりエンジン12を停止させないようにしたものである。
先ず、情報表示部36の表示内容をエンジン停止処理を実行することを表示するための表示に変更する(ステップ3)。このときに情報表示部36の表示内容としては、例えば、図13(c)に示すように、数値表示部37を利用して「*ECO」という表示を行い、さらに、ボンネット13の前部中央に設けられているセンターマスコット94の先端に設けてある表示ランプ(図示せず)を点滅表示させるように構成されている。
次に、リンク角センサS3の検出情報に基づいて、油圧シリンダ5を収縮作動させるように制御弁32を制御して、苗植付装置4を設定昇降位置の一例としての最大上昇位置にまで上昇させる(ステップ4,5)。苗植付装置4が最大上昇位置にまで上昇すると、エンジン12を停止させるエンジン停止処理を実行する(ステップ6)。具体的には、燃料遮断弁74を遮断状態に切り換えてエンジン12に対する燃料供給を停止することによりエンジン12の作動を停止させる。
ちなみに、エンジン12を停止させるための構成として、エンジン12が点火プラグを備えるものであれば、点火プラグに対する通電を遮断する構成とするものでもよい。
ちなみに、エンジン12を停止させるための構成として、エンジン12が点火プラグを備えるものであれば、点火プラグに対する通電を遮断する構成とするものでもよい。
主変速レバー53がエンジン停止用指令位置ESに操作されてエンジン12が停止したのちに、運転者が主変速レバー53から手を離すと、主変速レバー53はネジリバネ70の付勢力によって前進側中立位置Nfに戻るが、主変速レバー53が前進側中立位置Nfに戻ってもエンジン12の停止状態は維持される。
制御装置Hは、エンジン停止処理を実行する場合、それまで実行していた苗植付け作業における各部の動作状態(苗植付装置4の種々の作業条件等)について図示しない不揮発性メモリに記憶しておき、エンジン12を始動させて作業を再開するときに、記憶していた動作状態と同じ状態で作業を行うようにしている。
エンジン停止処理を実行してから設定時間が経過しても、後述するようなエンジン始動条件が成立しないときは(ステップ7,8,9)、バッテリーVの放電を防ぐために電源供給を遮断するようになっている(ステップ10)。具体的には、断続回路96に電力遮断状態への切り換えを指令して断続回路96を遮断させ、すべての電装品への電力供給を遮断させる。
このように電力遮断状態に切り換えられたのち、エンジン12を始動させるためには、操作者がキースイッチ90を始動位置(ST)に操作することで対応できる。つまり、キースイッチ90が始動位置(ST)に操作されると、駆動回路97が作動して断続回路96を電力供給状態に切り換えるので、制御装置Hやその他の電装品にも電力が供給され、エンジン12の始動も行われることになる。
エンジン停止処理によってエンジン12を停止している場合に、主変速レバー53がエンジン停止用指令位置ESに操作されて、停止位置検出スイッチS2がオフ状態からオン状態に切り換わり、オン状態が設定時間(数秒間)以上継続すると(ステップ8)、そのときブレーキセンサS1がオン状態であれば(ステップ9)、エンジン自動始動処理を実行する。
すなわち、エンジン12を始動させる処理を実行することを情報表示部36にて表示する(ステップ11)とともに、エンジン始動用モータ93の回転作動を開始させてエンジン12を始動させる(ステップ12)。このときの情報表示部36の表示内容としては、例えば、図13(d)に示すように、数値表示部37を利用して「N―ST」という表示を行うように構成されている。
そして、その後、エンジン回転数センサS4の検出情報に基づいて、検出されるエンジン回転数が設定回転数以上になってエンジン12が始動したことが検出されると、エンジン始動用モータ93の回転作動を停止させ、情報表示部36による表示をエンジン回転数表示に切り換えて(ステップ13,14,15)、処理を終了する。
その後は、図示はしないが、操作者は、ブレーキ操作具52の操作を解除して、主変速レバー53を操作して車体を走行させて、植付け作業を実行することになる。
その後は、図示はしないが、操作者は、ブレーキ操作具52の操作を解除して、主変速レバー53を操作して車体を走行させて、植付け作業を実行することになる。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
以下、別実施形態を列記する。
(1)主変速レバー53をエンジン停止用指令位置ESに位置保持自在な構成としてもよい。
例えば、図15に示すように、主変速レバー53が中立位置Nにおいて、後進側中立位置Nrから前進側中立位置Nf側に向けて揺動付勢する構成とし、且つ、案内溝66における前進側中立位置Nfとエンジン停止用指令位置ESとの間には、バネ板からなる弾性抵抗部材79が設けられ、前進側中立位置Nfからエンジン停止用指令位置ESへの移動に抵抗が付与されるように構成されている。
例えば、図15に示すように、主変速レバー53が中立位置Nにおいて、後進側中立位置Nrから前進側中立位置Nf側に向けて揺動付勢する構成とし、且つ、案内溝66における前進側中立位置Nfとエンジン停止用指令位置ESとの間には、バネ板からなる弾性抵抗部材79が設けられ、前進側中立位置Nfからエンジン停止用指令位置ESへの移動に抵抗が付与されるように構成されている。
弾性抵抗部材79による抵抗力を、主変速レバー53がネジリバネ70によってエンジン停止用指令位置ESに向けて操作される付勢力よりも大きく設定しておくことで、主変速レバー53が前進側中立位置Nfに位置する状態で手を離しても直ちにエンジン停止用指令位置ESに移行することはなく、意識的に弾性抵抗部材79を乗り越える操作を行ってエンジン停止用指令位置ESに移行させることになる。
そして、弾性抵抗部材79による抵抗力に抗して主変速レバー53をエンジン停止用指令位置ESに操作すると、主変速レバー53はネジリバネ70の付勢力と弾性抵抗部材79による抵抗力にとによって、エンジン停止用指令位置ESに位置保持される構成となっている。
この構成では、主変速レバー53がエンジン停止用指令位置ESに操作されて、その位置に位置保持されている間は、エンジン停止状態が維持される。そして、その後、主変速レバー53が前進側中立位置Nfに戻されたのちに、再度、エンジン停止用指令位置ESに移動操作されるとエンジン12が始動することになる。
(2)キースイッチ90以外の他の操作具Qとして、他の操作具Qとしてブレーキ操作具52を用い、エンジン停止用操作検出手段100としてブレーキセンサS1を用いる構成とし、ブレーキ操作具52が踏み込み操作された操作位置m1で位置保持並びに解除自在な位置保持手段101を備える構成としてもよい。
位置保持手段101は、ブレーキ操作具52が踏み込み操作されると、それに伴って位置保持状態に切り換わり、その位置保持状態において、ブレーキ操作具52が再度、踏み込みされると、それに伴って保持解除状態に切り換わる構成である。
すなわち、図16に示すように、ブレーキ操作具52は、図示しないストローク吸収バネを備えて、制動作用を発揮する操作位置m1よりさらに踏み込んだ最大操作位置m2(エンジン停止用の所定操作位置Tの一例)まで操作可能であり、ブレーキセンサS1が最大操作位置m2にまで操作されたことを検出するように構成されている。そして、ブレーキ操作具52は、踏み込み操作が解除されると、ブレーキ操作具52は非操作位置m3に戻るように復帰付勢されているが、操作位置m1にてブレーキ操作具52に係止保持して位置保持自在な係止具75が、ソレノイド等のアクチュエータ76により位置保持位置と保持解除位置とに切り換え自在に設けられている。
制御装置Hは、ブレーキ操作具52の操作に基づいて、エンジン自動停止処理やエンジン自動始動処理を実行するとともに、アクチュエータ76の作動を制御するように構成されている。
すなわち、エンジン12が作動している状態において、ブレーキ操作具52が操作されてブレーキセンサS1がオフ状態からオン状態に切り換わり設定時間以上経過すると、上記実施形態と同様に、エンジン自動停止処理を実行する。又、ブレーキセンサS1がオフ状態からオン状態に切り替わるとアクチュエータ76にて係止具75を位置保持状態に切り換える。そうすると、ブレーキ操作具52は操作位置m1にて位置保持される。エンジン12が停止したのちに、踏み込み操作が解除されると、ブレーキ操作具52は最大操作位置m2から操作位置m1に戻るが、そのとき、ブレーキセンサS1がオフ状態に切り換わる。
すなわち、エンジン12が作動している状態において、ブレーキ操作具52が操作されてブレーキセンサS1がオフ状態からオン状態に切り換わり設定時間以上経過すると、上記実施形態と同様に、エンジン自動停止処理を実行する。又、ブレーキセンサS1がオフ状態からオン状態に切り替わるとアクチュエータ76にて係止具75を位置保持状態に切り換える。そうすると、ブレーキ操作具52は操作位置m1にて位置保持される。エンジン12が停止したのちに、踏み込み操作が解除されると、ブレーキ操作具52は最大操作位置m2から操作位置m1に戻るが、そのとき、ブレーキセンサS1がオフ状態に切り換わる。
そして、その後、再度、ブレーキ操作具52が踏み込み操作されて、ブレーキセンサS1がオフ状態からオン状態に切り換わり設定時間以上経過すると、エンジン自動始動処理を実行する。又、アクチュエータ76にて係止具75を保持解除状態に切り換え、ブレーキ操作具52が非操作位置m3に戻ることを許容する。
(3)上記(2)で示す実施形態では、位置保持手段101が、アクチュエータ76にて操作自在な係止具75を備えるようにしたが、このような構成に代えて、ブレーキ操作具52が操作されると、弾性付勢力により自動で係止状態となり、再度、踏み込み操作すると、係止状態が解除されるような機械式のロック保持具(図示せず)を備える構成としてもよい。
(4)左右一対の後輪2(走行装置)に対して各別に作用するブレーキ51R,51Lと、それらを各別に切り換え操作自在な左右一対のブレーキペダル52R,52L(走行用操作具の一例)とを備え、エンジン停止用操作検出手段100が、左右一対のブレーキペダル52R,52Lの操作状態を検出するものであり、制御装置Hが、左右一対のブレーキペダル52R,52Lの夫々が走行停止状態であるときに、エンジン自動停止処理を実行する構成としてもよい。
すなわち、図18に示すように、キースイッチ90以外の他の操作具Qとして、左右一対のブレーキペダル52R,52Lを備え、左右一対の後輪2に各別に作用する一対のブレーキ51R,51Lを操作可能に構成し、旋回走行するときには、旋回内側の後輪だけを制動させることが可能な構成としている。
そして、苗補給時等において走行を停止させるときは、図20に示すように、左右一対のブレーキペダル52R,52Lを連結具52Pにより連動連係させる状態にして、左右両側のブレーキ51R,51Lを同時に作用する状態に切り換えることができるようにしていり。
そして、左右一対の夫々のブレーキペダル52R、52Lの夫々にブレーキセンサS1が備えられ、制御装置Hは、左右一対のブレーキセンサS1が共にオン状態に切り換わり、設定時間経過すると、エンジン自動停止処理を実行する構成である。
又、左右一対の走行用操作具として、ブレーキペダル52R,52Lに代えて、左右一対のクラッチ50を各別に入り切り自在なクラッチペダル(図示せず)の操作を用いるものでもよい。
(5)エンジン12から主変速装置41への伝動途中に主クラッチ(図示せず)と、この主クラッチを操作するクラッチ操作具(図示せず)とを備える構成とし、ブレーキ操作具52あるいはクラッチ操作具のいずれかが操作されると、エンジン12を始動させる構成としてもよい。又、主変速装置(HST)の変速状態を検出する変速センサを備え、その変速センサにより中立状態が検出されることをエンジン始動の条件としてもよい。
(6)エンジン自動始動処理において、苗植付装置4が最大上昇位置にまで上昇したのちにエンジン12を停止させるものに代えて、昇降操作範囲の途中位置に設定された所定位置にまで上昇したのちにエンジンを停止させてもよい。
(7)上記実施形態の構成に代えて、次のように構成してもよい。
図20に示すように、操作者の発する音声を制御装置Hに電子情報として入力する音声入力装置OPを備え、制御装置Hが、音声認識技術を用いて、入力された音声に基づいてエンジン12の自動停止処理やエンジン自動始動処理を実行するものでもよい。例えば、「エンジン停止」という音声入力により、制御装置Hがエンジン12の自動停止処理を実行し、「エンジン始動」という音声入力により、制御装置Hがエンジン12の自動始動処理を実行する構成である。但し、エンジン12を始動させるときは、ブレーキセンサS1がオン状態であり、ブレーキ51が作動しているときにエンジン12を始動させるようにしている。但し、ブレーキ51が作動しているという条件は備えていないものでもよい。
図20に示すように、操作者の発する音声を制御装置Hに電子情報として入力する音声入力装置OPを備え、制御装置Hが、音声認識技術を用いて、入力された音声に基づいてエンジン12の自動停止処理やエンジン自動始動処理を実行するものでもよい。例えば、「エンジン停止」という音声入力により、制御装置Hがエンジン12の自動停止処理を実行し、「エンジン始動」という音声入力により、制御装置Hがエンジン12の自動始動処理を実行する構成である。但し、エンジン12を始動させるときは、ブレーキセンサS1がオン状態であり、ブレーキ51が作動しているときにエンジン12を始動させるようにしている。但し、ブレーキ51が作動しているという条件は備えていないものでもよい。
(8)上記各実施形態では、作業機として乗用型田植機を例示したが、本発明は乗用型の直播機や他の作業機にも適用できる。
本発明は、乗用型田植機や乗用型の直播機等、キースイッチ以外の他の操作具によりエンジンの運転停止や始動を行うようにした作業機に適用できる。
2 走行装置
12 エンジン
52R,52L 走行用操作具
90 キースイッチ
100 エンジン停止用操作検出手段
101 位置保持手段
H 制御手段
N 別の操作位置
Q 他の操作具
T 所定操作位置
12 エンジン
52R,52L 走行用操作具
90 キースイッチ
100 エンジン停止用操作検出手段
101 位置保持手段
H 制御手段
N 別の操作位置
Q 他の操作具
T 所定操作位置
Claims (4)
- キースイッチ以外の他の操作具によるエンジン停止用操作が行われたことを検出するエンジン停止用操作検出手段と、
前記エンジン停止用操作検出手段の検出情報に基づいて、前記キースイッチがオン操作されている状態で前記他の操作具によるエンジン停止用操作が行われると、エンジンの作動を停止させるエンジン自動停止処理を実行し、且つ、前記エンジン自動停止処理を実行したのちにおいて、前記他の操作具によるエンジン停止用操作が行われると、前記エンジンを始動させるエンジン自動始動処理を実行する制御手段とが備えられている作業機のエンジン制御装置。 - 前記他の操作具が、エンジン停止用の所定操作位置とそれとは異なる別の操作位置とにわたり移動操作自在に設けられ、
前記他の操作具が前記エンジン停止用の所定操作位置に操作されている状態で、その操作具を位置保持並びに解除自在な位置保持手段が備えられ、
前記制御手段は、前記エンジン停止用操作検出手段の検出情報に基づいて、前記他の操作具が前記別の操作位置から前記エンジン停止用の所定操作位置に移動操作されると前記エンジン自動停止処理を実行し、且つ、前記他の操作具が前記エンジン停止用の所定操作位置に保持されている間はエンジン停止状態を維持し、その後、前記他の操作具が再度、前記別の操作位置から前記エンジン停止用の所定操作位置に移動操作されると前記エンジン自動始動処理を実行する請求項1記載の作業機のエンジン制御装置。 - 前記位置保持手段は、前記他の操作具が前記別の操作位置から前記エンジン停止用の所定操作位置側へ移動操作されると、それに伴って位置保持状態に切り換わり、その位置保持状態において、前記他の操作具が再度、前記エンジン停止用の所定操作位置側へ移動操作されると、それに伴って保持解除状態に切り換わる請求項2記載の作業機のエンジン制御装置。
- 各別に走行駆動状態と走行停止状態とに切り換え自在な左右一対の走行装置が備えられ、
前記他の操作具として、前記左右一対の走行装置を各別に前記走行駆動状態と前記走行停止状態とに切り換え操作自在な左右一対の走行用操作具が備えられ、
前記エンジン停止用操作検出手段が、前記左右一対の走行用操作具の操作状態を検出するものであり、
前記制御手段は、前記左右一対の走行用操作具の夫々が前記走行停止状態であるときに、前記エンジン自動停止処理を実行する請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業機のエンジン制御装置。
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