JP2014067844A - 描画装置および描画方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一部の変調要素に不具合が生じた場合に、直ちに装置の稼働を停止させて不具合のある部品の交換作業を行うといった措置をとらなくとも、描画性能を維持しつつ描画処理を続行できる技術を提供する。
【解決手段】描画装置1は、複数の変調要素を備え、当該複数の変調要素のうち、動作変調要素として選択された一群の変調要素に光を入射させつつ、各変調要素の状態を切り換えることによって前記変調光を形成する光学ユニット40と、変調要素の不具合を検出するとともに、不具合のある変調要素が検出された場合に、当該不具合のある変調要素の配列位置を特定する不具合検査部921と、光学ユニット40が備える複数の変調要素のうち、当該不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、動作変調要素とするべき一群の変調要素を再選択する再選択部922と、を備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、基板に光を照射して、パターン(例えば、回路パターン)等を形成する技術に関する。なお、ここでいう「基板」には、半導体基板、プリント基板、液晶表示装置等に具備されるカラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置等に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板等を含む。
基板上に塗布された感光材料にパターンを描画するにあたって、近年では、例えば、CADデータ等に応じて変調した光ビーム(描画光)によって基板上の感光材料を走査することにより、当該感光材料に直接パターンを露光する描画装置が注目されている。この描画装置は、例えば、光ビームを画素単位でオン/オフ変調するための空間光変調器を備える描画ヘッドから、描画ヘッドに対して相対的に移動される基板に対して描画光を照射して、基板にパターンを描画する。
空間光変調器は、例えば、1個の画素に対応する変調素子(変調単位となる素子)を、一次元、あるいは、二次元に、複数個配列した構成となっている。変調素子は、例えば、光源から供給される光ビームを反射して基板上に与えるオン状態と、光ビームをオン状態とは異なる方向に向けて反射させるオフ状態との間で、切り換えることができるようになっている。この構成において、各変調素子の状態が、パターンを表現した制御信号に応じて独立して切り換えられることによって、光ビームが画素単位でオン/オフ変調されることになる。
ところで、基板に対するパターンの描画は、通常、極めて多数の変調素子を用いて行われる。ここで、一部の変調素子に不具合が発生して正常動作が行えない状態となってしまうと、例えば、当該不具合のある変調素子が描画を担当する部分に、スジや線ずれ等が生じる恐れがある。つまり、一部の変調素子に不具合が発生すると、それがたった一つの変調素子であったとしても、所期の描画パターンを描画することができなくなる可能性があり、描画性能が担保されない。
この事情に応じて、例えば、特許文献1には、回折格子型の空間光変調器であるGLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(「GLV」は登録商標)からの随伴次数などを監視して、GLVの欠陥の有無、および、欠陥の原因を判別し、必要に応じて、補正露光を行う構成が記載されている。
また例えば、特許文献2には、マイクロミラーが二次元的に配列された空間光変調器であるDMD(Digital Micromirror Device:デジタルマイクロミラーデバイス)からの反射光を検出して、一部のマイクロミラーの不具合に起因する光ビームの欠陥を検出する技術が記載されている。
また例えば、特許文献3には、空間光変調器のエレメントがオン状態(あるいは、オフ状態)に固着する欠陥が生じた場合に、当該欠陥が生じているエレメントの周囲のエレメントに対する制御信号を切り換えて、当該欠陥を補償する構成が開示されている。
特開2006−93460号公報 特開2006−227345号公報 特開平8−230236号公報
上記のとおり、描画装置において、一部の変調素子に不具合が生じた場合の対応策は、各種提案されている。しかしながら、従来提案されている技術は、必要とされる処理や構成が複雑である上、不具合の生じる前後で描画性能の低下が完全には避けられないという問題があった。このため、一部の変調素子に欠陥が生じた場合の現実的な対応としては、直ちに装置の稼働を停止して、不具合のある部品を交換する、というものが一般的であった。
ところが、描画装置においては、メンテナンスなどのために、定期的に装置の稼働を停止させる必要があるところ、この定められた稼働停止タイミング以外に、例えばたった一つの変調素子の交換のために装置の稼働をいちいち停止させるとなると、稼働計画に遅延が生じてしまう。稼働計画の遅延は、生産工程の消費エネルギーの増加にもつながってしまう。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、一部の変調要素に不具合が生じた場合に、直ちに装置の稼働を停止させて不具合のある部品の交換作業を行うといった措置をとらなくとも、描画性能を維持しつつ描画処理を続行できる技術を提供することを目的とする。
第1の態様は、パターンに応じた変調が施された変調光を形成して基板に照射して、前記基板に前記パターンを描画する描画装置であって、複数の変調要素を備え、前記複数の変調要素のうち、動作変調要素として選択された一群の変調要素に光を入射させつつ、前記一群の変調要素のそれぞれの状態を切り換えることによって前記変調光を形成する光照射部と、前記一群の変調要素のそれぞれの不具合の有無を検査するとともに、不具合のある変調要素が検出された場合に、当該不具合のある変調要素の位置を特定する不具合検査部と、前記複数の変調要素のうち、不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、動作変調要素とするべき一群の変調要素を再選択する再選択部と、を備える。
第2の態様は、第1の態様に係る描画装置であって、前記複数の変調要素が、一列に配列されており、前記複数の変調要素に、前記複数の変調要素の全てに不具合がない正常状態において動作変調要素として選択される連続するN個(ただし、Nは2以上の整数)の変調要素と、前記N個の変調要素の一方側に隣り合って配置されたM個(ただし、Mは1以上の正の整数)の予備の変調要素と、が含まれ、前記N個の変調要素のうち、前記M個の予備の変調要素と隣り合う端とは逆側の端の変調要素を含む連続するM個の変調要素のそれぞれを、端部要素と呼ぶとして、前記再選択部が、前記端部要素のいずれかに不具合が検出された場合に、前記複数の変調要素のうち、不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、連続するN個の変調要素を、動作変調要素として再選択する。
第3の態様は、第1の態様に係る描画装置であって、前記複数の変調要素が、一列に配列されており、動作変調要素として選択されている連続するN個(ただし、Nは2以上の偶数)の変調要素のうち、一方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を前半の変調要素群と呼び、他方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を後半の変調要素群と呼ぶとして、前記再選択部が、動作変調要素として選択されている前記N個の変調要素のいずれかに不具合が検出された場合に、前記前半の変調要素群と前記後半の変調要素群とのうち、不具合のある変調要素を含まない方の変調要素群を、動作変調要素として再選択する。
第4の態様は、第1の態様に係る描画装置であって、前記複数の変調要素が、一列に配列されており、前記複数の変調要素に、前記複数の変調要素の全てに不具合がない正常状態において動作変調要素として選択される連続するN個(ただし、Nは2以上の偶数)の変調要素と、前記N個の変調要素の一方側に隣り合って配置されたM個(ただし、Mは1以上の正の整数)の予備の変調要素と、が含まれ、前記N個の変調要素のうち、前記M個の予備の変調要素と隣り合う端とは逆側の端の変調要素を含む連続するM個の変調要素のそれぞれを、端部要素と呼び、前記N個の変調要素のうち、一方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を前半の変調要素群と呼び、他方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を後半の変調要素群と呼ぶとして、前記再選択部が、動作変調要素として選択されている前記N個の変調要素のいずれかに不具合が検出された場合に、当該不具合のある変調要素が前記端部要素であるか否かを判断し、前記不具合のある変調要素が前記端部要素である場合は、前記複数の変調要素のうち、前記不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、連続するN個の変調要素を、動作変調要素として再選択し、前記不具合のある変調要素が前記端部要素でない場合は、前記前半の変調要素群と前記後半の変調要素群とのうち、不具合のある変調要素を含まない方の変調要素群を、動作変調要素として再選択する。
第5の態様は、パターンに応じた変調が施された変調光を形成して基板に照射して、前記基板に前記パターンを描画する描画方法であって、a)複数の変調要素を備える光照射部において、前記複数の変調要素のうち、動作変調要素として選択された一群の変調要素に光を入射させつつ、前記一群の変調要素のそれぞれの状態を切り換えることによって前記変調光を形成する工程と、b)前記一群の変調要素のそれぞれの不具合の有無を検査する工程と、c)前記b)工程において不具合のある変調要素が検出された場合に、当該不具合のある変調要素の位置を特定する工程と、d)前記複数の変調要素のうち、不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、動作変調要素とするべき一群の変調要素を再選択する工程と、を備える。
第6の態様は、第5の態様に係る描画方法であって、前記複数の変調要素が、一列に配列されており、前記複数の変調要素に、前記複数の変調要素の全てに不具合がない正常状態において動作変調要素として選択される連続するN個(ただし、Nは2以上の整数)の変調要素と、前記N個の変調要素の一方側に隣り合って配置されたM個(ただし、Mは1以上の正の整数)の予備の変調要素と、が含まれ、前記N個の変調要素のうち、前記M個の予備の変調要素と隣り合う端とは逆側の端の変調要素を含む連続するM個の変調要素のそれぞれを、端部要素と呼ぶとして、前記b)工程で、前記端部要素のいずれかに不具合が検出された場合に、前記d)工程で、前記複数の変調要素のうち、不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、連続するN個の変調要素を、動作変調要素として再選択する。
第7の態様は、第5の態様に係る描画方法であって、前記複数の変調要素が、一列に配列されており、動作変調要素として選択されている連続するN個(ただし、Nは2以上の偶数)の変調要素のうち、一方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を前半の変調要素群と呼び、他方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を後半の変調要素群と呼ぶとして、前記b)工程で、動作変調要素として選択されている前記N個の変調要素のいずれかに不具合が検出された場合に、前記d)工程で、前記前半の変調要素群と前記後半の変調要素群とのうち、不具合のある変調要素を含まない方の変調要素群を、動作変調要素として再選択する。
第8の態様は、第5の態様に係る描画方法であって、前記複数の変調要素が、一列に配列されており、前記複数の変調要素に、前記複数の変調要素の全てに不具合がない正常状態において動作変調要素として選択される連続するN個(ただし、Nは2以上の偶数)の変調要素と、前記N個の変調要素の一方側に隣り合って配置されたM個(ただし、Mは1以上の正の整数)の予備の変調要素と、が含まれ、前記N個の変調要素のうち、前記M個の予備の変調要素と隣り合う端とは逆側の端の変調要素を含む連続するM個の変調要素のそれぞれを、端部要素と呼び、前記N個の変調要素のうち、一方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を前半の変調要素群と呼び、他方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を後半の変調要素群と呼ぶとして、前記d)工程が、d1)動作変調要素として選択されている前記N個の変調要素のいずれかに不具合が検出された場合に、当該不具合のある変調要素が前記端部要素であるか否かを判断する工程と、d2)前記d1)工程で前記不具合のある変調要素が前記端部要素であると判断された場合に、前記複数の変調要素のうち、前記不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、連続するN個の変調要素を、動作変調要素として再選択する工程と、d3)前記d1)工程で前記不具合のある変調要素が前記端部要素でないと判断された場合に、前記前半の変調要素群と前記後半の変調要素群とのうち、不具合のある変調要素を含まない方の変調要素群を、動作変調要素として再選択する工程と、を備える。
第1、第5の態様によると、光照射部が備える複数の変調要素のうち、不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、動作変調要素とするべき一群の変調要素を再選択する。この構成によると、変調要素に不具合が生じた場合であっても、不具合のない変調要素のみを用いて変調光を形成して、以後の描画処理を続行することができる。したがって、直ちに装置の稼働を停止させて不具合のある部品の交換作業を行うといった措置をとらなくとも、描画性能を維持しつつ描画処理を続行できる。
第2、第6の態様によると、正常状態において動作変調要素として選択されているN個の変調要素のうちの端部要素のいずれかに不具合が検出された場合に、再選択部が、予備の変調要素を含む複数の変調要素のうち、不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、連続するN個の変調要素を動作変調要素として再選択する。この構成によると、再選択の前後において、動作変調要素の個数が変化しない。したがって、スループットの低下を抑制しつつ、描画処理を続行することができる。
第3、第7の態様によると、動作変調要素として選択されているN個の変調要素のいずれかに不具合が検出された場合に、前半変調要素群と後半変調要素群とのうち、不具合のある変調要素を含まない方の変調要素群を、動作変調要素として再選択する。この構成によると、複雑な制御変更などを伴うことなく、簡易に、描画処理を続行することができる。
第4、第8の態様によると、不具合のある変調要素の位置に応じて、異なる態様で動作変調要素を再選択する。すなわち、不具合のある変調要素が端部要素である場合は、再選択部が、光照射部が備える複数の変調要素のうち、不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、連続するN個の変調要素を動作変調要素として再選択する。一方、不具合のある変調要素が端部要素でない場合は、前半変調要素群と後半変調要素群とのうち、不具合のある変調要素を含まない方の変調要素群を、動作変調要素として再選択する。前者の再選択の態様によると、再選択の前後において、動作変調要素の個数が変化しないので、スループットの低下を抑制しつつ、描画処理を続行することができる。一方、後者の再選択の態様によると、複雑な制御変更などを伴うことなく、簡易に、描画処理を続行することができる。特にここでは、前者の選択態様を優先的に実行することによって、スループットの低下を効果的に抑制することができる。
描画装置の側面図である。 描画装置の平面図である。 空間光変調器の構成例を模式的に示す図である。 変調素子の構成を説明するための模式図である。 変調素子の構成を説明するための模式図である。 制御部のハードウエア構成を示すブロック図である。 描画装置が備える機能構成のブロック図である。 シフト方式の再選択の態様を説明するための図である。 シフト方式の再選択の態様を説明するための図である。 分割方式の再選択の態様を説明するための図である。 分割方式の再選択の態様を説明するための図である。 描画装置において実行される処理の全体の流れを示す図である。 描画処理を説明するための図である。 検査処理の流れを示す図である。 動作変調素子を再選択する処理の流れを示す図である。 カバー部材を備える構成例を説明するための図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、以下の説明において参照される各図には、各部材の位置関係や動作方向を明確化するために、共通のXYZ直交座標系およびθ軸が適宜付されている。
<1.装置構成>
第1の実施の形態に係る描画装置1の構成について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は、描画装置1の構成を模式的に示す側面図である。図2は、描画装置1の構成を模式的に示す平面図である。
描画装置1は、レジスト等の感光材料の層が形成された基板Wの上面に光を照射して、パターン(回路パターン)等を露光する露光装置である。なお、基板Wは、半導体基板、プリント基板、カラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板のいずれであってもよい。図においては、円形の半導体基板が例示されている。
描画装置1は、本体フレーム101で構成される骨格の天井面および周囲面にカバーパネル(図示省略)が取り付けられることによって形成される本体内部と、本体フレーム101の外側である本体外部とに、各種の構成要素を配置した構成となっている。
描画装置1の本体内部は、処理領域102と受け渡し領域103とに区分されている。処理領域102には、主として、基板Wを保持するステージ10、ステージ10を移動させるステージ駆動機構20、ステージ10の位置を計測するステージ位置計測部30、基板Wの上面に光を照射する2個の光学ユニット40,40、および、基板Wの面内に形成されているアライメントマークを撮像するアライメント撮像部50が配置される。一方、受け渡し領域103には、処理領域102に対する基板Wの搬出入を行う搬送装置60とプリアライメント部70とが配置される。
描画装置1の本体外部であって、受け渡し領域103に隣接する位置には、カセットCTを載置するためのカセット載置部104が配置される。受け渡し領域103に配置された搬送装置60は、カセット載置部104に載置されたカセットCTに収容された未処理の基板Wを取り出して処理領域102に搬入するとともに、処理領域102から処理済みの基板Wを搬出してカセットCTに収容する。カセット載置部104に対するカセットCTの受け渡しは外部搬送装置(図示省略)によって行われる。
また、描画装置1は、描画装置1が備える各部と電気的に接続されて、これら各部の動作を制御する制御部90を備える。
以下において、描画装置1が備える各部の構成について説明する。
<ステージ10>
ステージ10は、平板状の外形を有し、その上面に基板Wを水平姿勢に載置して保持する保持部である。ステージ10の上面には、複数の吸引孔(図示省略)が形成されており、この吸引孔に負圧(吸引圧)を形成することによって、ステージ10上に載置された基板Wをステージ10の上面に固定保持することができるようになっている。
<ステージ駆動機構20>
ステージ駆動機構20は、ステージ10を基台105に対して移動させる機構であり、ステージ10を主走査軸(Y軸)、副走査軸(X軸)、および回転軸(Z軸周りの回転軸(θ軸))のそれぞれに沿って移動させる。ステージ駆動機構20は、具体的には、ステージ10を回転させる回転機構21と、回転機構21を介してステージ10を支持する支持プレート22と、支持プレート22を副走査軸に沿って移動させる副走査機構23とを備える。ステージ駆動機構20は、さらに、副走査機構23を介して支持プレート22を支持するベースプレート24と、ベースプレート24を主走査軸に沿って移動させる主走査機構25とを備える。
回転機構21は、ステージ10の上面(基板Wの載置面)の中心を通り、当該載置面に垂直な回転軸Aを中心としてステージ10を回転させる。回転機構21は、例えば、上端が載置面の裏面側に固着され、鉛直軸に沿って延在する回転軸部211と、回転軸部211の下端に設けられ、回転軸部211を回転させる駆動部(例えば、回転モータ)212とを含む構成とすることができる。この構成においては、駆動部212が回転軸部211を回転させることにより、ステージ10が水平面内で回転軸Aを中心として回転することになる。
副走査機構23は、支持プレート22の下面に取り付けられた移動子とベースプレート24の上面に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ231とを有している。また、ベースプレート24には、副走査軸に沿って延びる一対のガイド部材232,232が敷設されており、各ガイド部材232と支持プレート22との間には、ガイド部材232に摺動しながら当該ガイド部材232に沿って移動可能なボールベアリング233が設置されている。つまり、支持プレート22は、当該ボールベアリング233を介して一対のガイド部材232上に支持される。この構成においてリニアモータ231を動作させると、支持プレート22はガイド部材232に案内された状態で副走査軸に沿って滑らかに移動する。
主走査機構25は、ベースプレート24の下面に取り付けられた移動子と描画装置1の基台105上に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ251を有している。また、基台105には、主走査軸に沿って延びる一対のガイド部材252,252が敷設されており、各ガイド部材252とベースプレート24との間には例えばエアベアリング253が設置されている。エアベアリング253にはユーティリティ設備から常時エアが供給されており、ベースプレート24は、エアベアリング253によってガイド部材252上に非接触で浮上支持される。この構成においてリニアモータ251を動作させると、ベースプレート24はガイド部材252に案内された状態で主走査軸に沿って摩擦なしで滑らかに移動する。
<ステージ位置計測部30>
ステージ位置計測部30は、ステージ10の位置を計測する機構であり、ステージ10外からステージ10に向けてレーザ光を出射するとともにその反射光を受光し、当該反射光と出射光との干渉からステージ10の位置(具体的には、主走査軸に沿う位置(Y位置)、および、回転軸に沿う位置(θ位置))を計測する、干渉式のレーザ測長器により構成される。
ステージ位置計測部30は、例えば、ステージ10の−Y側の側面に取り付けられるとともに、−Y側の面に主走査軸に垂直な反射面を備えるプレーンミラー31と、ステージの−Y側において基台105に対して固定される各部(具体的には、レーザ光源32、スプリッタ33、第1リニア干渉計34、第1レシーバ35、第2リニア干渉計36および第2レシーバ37)とを備える構成とすることができる。
このステージ位置計測部30においては、レーザ光源32から出射されたレーザ光は、スプリッタ33により2分割され、一方のレーザ光の一部が第1リニア干渉計34を介してプレーンミラー31上の第1の部位に入射し、プレーンミラー31からの反射光が、第1リニア干渉計34において元のレーザ光の一部(これが参照光として利用される)と干渉して第1レシーバ35により受光される。第1レシーバ35における、反射光と参照光との干渉後の強度変化に基づいて、第1リニア干渉計34とプレーンミラー31との主走査軸に沿う離間距離が特定される。この第1レシーバ35からの出力に基づいて、専門の演算回路(図示省略)にてステージ10の主走査方向における位置(Y位置)が求められる。
一方、レーザ光源32から出射されてスプリッタ33により分割された他方のレーザ光の一部は、取付台38の内部を+X側から−X側へと通過し、第2リニア干渉計36を介してプレーンミラー31に入射する。ここで、第2リニア干渉計36からのレーザ光は、プレーンミラー31上の第1の部位から副走査軸に沿って一定距離だけ離間したプレーンミラー31上の第2の部位に入射することになる。プレーンミラー31からの反射光は、第2リニア干渉計36において元のレーザ光の一部と干渉して第2レシーバ37により受光される。第2レシーバ37における、反射光と参照光との干渉後の強度変化に基づいて、第2リニア干渉計36とプレーンミラー31との主走査軸に沿う離間距離が特定される。第2レシーバ37からの出力と上述した第1レシーバ35からの出力に基づいて、専門の演算回路(図示省略)にてステージ10の回転角度が求められる。
<光学ユニット40>
<a.構成>
光学ユニット40は、ステージ10上に保持された基板Wの上面に光を照射して基板Wにパターンを描画するための機構である。上述したとおり、描画装置1は2個の光学ユニット40,40を備える。一方の光学ユニット40は、例えば基板Wの+X側半分の露光を担当し、他方の光学ユニット40は、例えば基板Wの−X側半分の露光を担当する。これら2個の光学ユニット40,40は、ステージ10およびステージ駆動機構20を跨ぐようにして基台105上に架設されたフレーム107に、間隔をあけて固設される。なお、2個の光学ユニット40,40の間隔は必ずしも一定に固定されている必要はなく、光学ユニット40,40の一方あるいは両方の位置を変更可能とする機構を設けて、両者の間隔を調整可能としてもよい。
2個の光学ユニット40,40はいずれも同じ構成を備える。すなわち、各光学ユニット40は、天板を形成するボックスの内部に配置されたレーザ駆動部41、レーザ発振器42および照明光学系43と、フレーム107の+Y側に取り付けられた付設ボックスの内部に収容されたヘッド部とを備える。ヘッド部は、空間光変調部44と投影光学系45とを主として備える。
レーザ発振器42は、レーザ駆動部41からの駆動を受けて、出力ミラー(図示省略)からレーザ光を出射する。照明光学系43は、レーザ発振器42から出射された光(スポットビーム)を、強度分布が均一な線状の光(光束断面が線状の光であるラインビーム)とする。レーザ発振器42から出射され、照明光学系43にてラインビームとされた光は、ヘッド部に入射し、パターンデータPD(図6参照)に応じた空間変調を施された上で基板Wに照射される。
ヘッド部に入射した光は、具体的には、ミラー46を介して、定められた角度で空間光変調部44に入射する。空間光変調部44は、当該入射光を空間変調して、パターンの描画に寄与させる必要光と、パターンの描画に寄与させない不要光とを、互いに異なる方向に反射させる。ただし、光を空間変調させるとは、具体的には、光の空間分布(振幅、位相、および偏光等)を変化させることを意味する。
空間光変調部44は、具体的には、電気的な制御によって入射光を空間変調させる空間光変調器441を備える。空間光変調器441は、その反射面の法線が、ミラー46を介して入射する入射光の光軸に対して傾斜して配置される。ミラー46を介して空間光変調器441に入射した光は、空間光変調器441において空間変調された上で、投影光学系45に向けて進行する。空間光変調器441は、例えば、回折格子型の空間光変調器(例えば、GLV)等を利用して構成される。回折格子型の空間光変調器は、格子の深さを変更することができる回折格子であり、例えば、半導体装置製造技術を用いて製造される。
ここで、空間光変調器441の構成例について、図3を参照しながら詳細に説明する。図3は、空間光変調器441の構成例を模式的に示す図である。
空間光変調器441は、具体的には、基板800上に、複数の可動リボン801と複数の固定リボン802とが、その長尺方向を互いに平行にして、それぞれ交互に配列された構成を備えている。なお、各リボン801,802の短尺方向に沿う幅は、略同一とされてもよいし、コントラストや反射率を考慮して、微量に異なるものとされてもよい。
ここで、互いに隣接する可動リボン801と固定リボン802とを「リボン対803」とすると、互いに隣接する所定数個(図示の例では、4個)のリボン対803からなるリボン対集合804が、描画されるパターンの1つの画素(画素単位)に対応する。すなわち、1個のリボン対集合804が、1つの画素に対応する変調素子81を構成する。つまり、空間光変調器441は、複数の変調素子81を、一次元に(すなわち、一列に)並べた構成となっている。
変調素子81の構成について、図4、図5を参照しながらより詳細に説明する。各リボン801,802の表面は、帯状の反射面を形成する。固定リボン802はスペーサ(図示省略)を介して基板800上に配設されており、基板800から一定の距離だけ離間した位置に固定されている。したがって、固定リボン802の表面は、基板800の表面(以下、「基準面800f」という)と平行な姿勢で基準面800fに対して固定された固定反射面802fを形成する。
一方、可動リボン801は、固定リボン802と同じ位置(すなわち、基板800から一定の距離だけ離間した位置)(図4参照)と、基準面800fの側に引き下げられた位置(図5参照)との間で移動可能とされている。したがって、可動リボン801の表面は、基準面800fと平行な姿勢を維持しつつ基準面800fに対して移動可能な、可動反射面801fを形成する。
変調素子81の動作は、可動リボン801と基板800との間に印加する電圧のオン/オフで制御される。
すなわち、電圧がオフされている状態においては、可動リボン801は、基準面800fとの離間距離が固定リボン802と等しい位置にあり、可動反射面801fと固定反射面802fとが面一となる(図4に示す状態)。つまり、電圧がオフされている状態においては、変調素子81の表面は平面となっている。この状態で、変調素子81に光が入射すると、その入射光Lは回折せずに正反射する。これにより、正反射光(0次回折光)L1が発生する。
一方、電圧がオンされている状態においては、可動リボン801は、基準面800fの側に引き下げられた位置にあり、可動反射面801fが固定反射面802fよりも基準面800fの側に引き下がった状態となる(図5に示す状態)。つまり、電圧がオンされている状態においては、変調素子81の表面には、平行な溝が周期的に並んで複数本形成される。この状態で、変調素子81に光が入射すると、可動反射面801fで反射される反射光と、固定反射面802fで反射される反射光との間に光路差が生じる。ただし、変調素子81においては、以下に説明するように、この光路差(以下「d」で表す)が「d=(n+1/2)λ(ただし、λは入射光Lの波長、nは任意の整数値をとりうる)」となるようにされている。したがって、正反射光(0次回折光)は打ち消しあって消滅し、他の次数の回折光(±1次回折光、±2次回折光、および、さらに高次の回折光)L0が発生する。より正確には、0次回折光の強度が最小となり、他の次数の回折光の強度が最大となる。
なお、上記においては、電圧がオフの時に可動リボン801と固定リボン802とが等しい位置(基準面800fから等しい距離だけ離間した位置であり、0次回折光が発生する位置)となる状態が形成されるとしたが、電圧と各リボン801,802の位置との関係は必ずしもこれに限られるものではなく、任意の電圧時に、等しい位置(0次回折光が発生する位置)となり、また、別の電圧時に、0次以外の次数の回折光が発生する位置となるように構成してもよい。
光路差dは、電圧がオンされた状態における可動反射面801fと固定反射面802fとの離間距離Df、入射光Lの波長λ、および、入射光Lの入射角αを用いて(式1)で規定される。ただし、「入射光Lの入射角α」は、入射光Lの光軸と、反射面801f,802fの法線方向とがなす角度をいう。
d=2Df・cosα ・・・(式1)
つまり、変調素子81においては、離間距離Df、および、入射光Lの入射角αは、(式2)の関係を満たす値に調整されている。
(n+1/2)λ=2Df・cosα ・・・(式2)
例えば、光路差dを「d=(7/2)λ」としたい場合、離間距離Dfは「(7/4)λ/cosα」とされる。
ただし、変調素子81に入射する入射光Lの光軸は、反射面801f,802fの法線方向に対して角度αだけ傾斜し、かつ、リボン801,802の配列方向(すなわち、各リボン801,802の長手方向と直交する方向)に垂直とされる。ここで、入射光Lは、光軸およびリボン801,802の配列方向に垂直な方向に関して僅かに集光しつつ、配列方向に関して平行な状態とされている。つまり、入射光Lは、光束断面が配列方向に長い線状の光とされている。
再び図3を参照する。空間光変調器441は、複数の変調素子81のそれぞれに対して独立に電圧を印加可能なドライバ回路ユニット82を備える。
ドライバ回路ユニット82は、制御部90と接続されており、制御部90からの指示に応じて、指示された変調素子81に対して電圧を印加する。上述したとおり、各変調素子81の表面状態は、ドライバ回路ユニット82から印加される電圧に応じて、0次回折光L1を出射する状態(図4に示される状態)と、0次以外の次数の回折光(±1次回折光、±2次回折光、および、さらに高次の回折光)L0を出射する状態(図5に示される状態)との間で切り換えられる。
再び図1、図2を参照する。投影光学系45は、空間光変調器441にて空間変調された光のうち、パターンの描画に寄与させるべきでない不要光を遮断するとともにパターンの描画に寄与させるべき必要光のみを基板Wの表面に導いて、当該表面に結像させる。ただし、空間光変調器441にて空間変調された光には、0次回折光と、0次以外の次数の回折光(具体的には、±1次回折光、±2次回折光、および、比較的微量の±3次以上の高次回折光)とが含まれており、0次回折光はパターンの描画に寄与させるべき必要光であり、それ以外の回折光はパターンの描画に寄与させるべきでない不要光である。これら必要光と不要光とは互いに異なる方向に沿って出射される。すなわち、必要光はZ軸に沿って−Z方向に、不要光はZ軸から±X方向に僅かに傾斜した軸に沿って−Z方向に、それぞれ出射される。投影光学系45は、例えば、遮断板によって、Z軸から±X方向に僅かに傾斜した軸に沿って進行する不要光を遮断するとともに、Z軸に沿って進行する必要光のみを通過させる。投影光学系45は、この遮断板の他に、入射光の幅を広げる(あるいは狭める)ズーム部を構成する複数のレンズ、入射光を定められた倍率として基板W上に結像させる対物レンズ、等をさらに含む構成とすることができる。
<b.動作態様>
ここで、光学ユニット40の動作態様について説明する。光学ユニット40に描画動作を実行させる場合、制御部90にて実現される描画制御部901(図7参照)は、レーザ駆動部41を駆動してレーザ発振器42から光を出射させる。出射された光は照明光学系43にてラインビームとされ、ミラー46を介して空間光変調部44の空間光変調器441に入射する。空間光変調器441は、複数の変調素子81の配列方向を、副走査方向(X軸方向)に沿わせるような姿勢で配置されており、入射光はその線状の光束断面を変調素子81の配列方向に沿わせるようにして、一列に配列された複数の変調素子81に入射する。描画制御部901は、パターンデータPDに基づいてドライバ回路ユニット82に指示を与え、ドライバ回路ユニット82が指示された変調素子81に対して電圧を印加する。これによって、各変調素子81にて個々に空間変調された光が形成され、副走査方向に沿う所定画素分の空間変調された変調光が、基板Wに向けて出射されることになる。空間光変調器441にて形成された変調光は、投影光学系45に入射し、ここで、不要光が遮断されるとともに必要光のみが基板Wの表面に導かれ、定められた倍率とされて基板Wの表面に結像される。
後に明らかになるように、光学ユニット40は、副走査方向に沿う所定画素分の空間変調された光を断続的に照射し続けながら(すなわち、基板Wの表面にパルス光を繰り返して投影し続けながら)、主走査方向(Y軸方向)に沿って基板Wに対して相対的に移動される。したがって、光学ユニット40が主走査方向に沿って基板Wを1回横断すると、基板Wの表面に、副走査方向に沿って所定画素分の幅をもつ一本のパターン群が描画されることになる。この、所定画素分の幅をもつ1本のパターン描画領域を、以下の説明では「1ストライプ分の領域」ともいう。
<アライメント撮像部50>
再び図1、図2を参照する。アライメント撮像部50は、基板Wの面内に形成されたアライメントマークを撮像する。アライメント撮像部50は、照明ユニット501から延びるファイバと接続される。また、アライメント撮像部50は、例えば、鏡筒、対物レンズ、および、CCD等のエリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)により構成される撮像素子を含んで構成される。この構成において、照明ユニット501から出射される光はファイバによって鏡筒に導かれ、鏡筒を介して基板Wの上面に導かれる。そして、その反射光が、対物レンズを介してエリアイメージセンサで受光される。これによって、基板Wの上面の撮像データが取得されることになる。ただし、撮像に用いられる照明光は、基板W上のレジスト等を感光させない波長の光が採用される。アライメント撮像部50は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じて基板Wの面内の所定の位置を撮像し、取得された撮像データを制御部90に送信する。なお、アライメント撮像部50はオートフォーカス可能なオートフォーカスユニットをさらに備えていてもよい。
<搬送装置60>
搬送装置60は、基板Wを支持するための2本のハンド61,61と、ハンド61,61を独立に移動させるハンド駆動機構62とを備える。各ハンド61は、ハンド駆動機構62によって駆動されることにより進退移動および昇降移動されて、ステージ10に対する基板Wの受け渡しを行う。
<プリアライメント部70>
プリアライメント部70は、基板Wの回転位置を粗く補正する装置である。プリアライメント部70は、例えば、回転可能に構成された載置台と、載置台に載置された基板Wの外周縁の一部に形成された切り欠き部(例えば、ノッチ、オリエンテーションフラット等)の位置を検出するセンサと、載置台を回転させる回転機構とから構成することができる。この場合、プリアライメント部70におけるプリアライメント処理は、まず、載置台に載置された基板Wの切り欠き部の位置をセンサで検出し、続いて、回転機構が、当該切り欠き部の位置が定められた位置となるように載置台を回転させることによって行われる。
<制御部90>
制御部90は、描画装置1が備える各部と電気的に接続されており、各種の演算処理を実行しつつ描画装置1の各部の動作を制御する。
図6は、制御部90のハードウエア構成を示すブロック図である。制御部90は、例えば、CPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94等がバスライン95を介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成されている。ROM92は基本プログラム等を格納しており、RAM93はCPU91が所定の処理を行う際の作業領域として供される。記憶装置94は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。記憶装置94にはプログラムPが格納されており、このプログラムPに記述された手順に従って、主制御部としてのCPU91が演算処理を行うことにより、各種機能が実現されるように構成されている。プログラムPは、通常、予め記憶装置94等のメモリに格納されて使用されるものであるが、CD−ROMあるいはDVD−ROM、外部のフラッシュメモリ等の記録媒体に記録された形態(プログラムプロダクト)で提供され(あるいは、ネットワークを介した外部サーバからのダウンロードなどにより提供され)、追加的または交換的に記憶装置94等のメモリに格納されるものであってもよい。なお、制御部90において実現される一部あるいは全部の機能は、専用の論理回路等でハードウエア的に実現されてもよい。
記憶装置94には、さらに、パターンデータPDが格納される。ただし、「パターンデータPD」は、基板Wに描画すべきパターンを記述したデータである。具体的には、パターンデータPDは、例えば、CAD(computer aided design)を用いて生成されたCADデータをラスタライズしたデータであり、光を照射すべき基板W上の位置情報が画素単位で記録される。制御部90は、基板Wに対する一連の処理に先立って、あるいは、当該処理と並行して、パターンデータPDを取得して、記憶装置94に格納している。なお、パターンデータPDの取得は、例えばネットワーク等を介して接続された外部端末装置から受信することにより行われてもよいし、記録媒体から読み取ることにより行われてもよい。
また、制御部90では、入力部96、表示部97、通信部98もバスライン95に接続されている。入力部96は、各種スイッチ、タッチパネル等により構成されており、オペレータから各種の入力設定指示を受け付ける。表示部97は、液晶表示装置、ランプ等により構成されており、CPU91による制御の下、各種の情報を表示する。通信部98は、LAN等を介したデータ通信機能を有する。
<2.機能構成>
描画装置1の機能構成について、図7を参照しながら説明する。図7は、描画装置1が備える機能構成のブロック図である。図7に示される各構成は、例えば、制御部90において、プログラムPに記述された手順に従って主制御部としてのCPU91が演算処理を行うことにより実現されてもよいし、専用の論理回路等でハードウエア的に実現されてもよい。
描画装置1は、描画制御部901と、検査処理部902とを備える。
<2−1.描画制御部901>
描画制御部901は、描画装置1が備える各部に基板Wに対する描画処理を実行させる。描画制御部901は、具体的には、ステージ駆動機構20を駆動してステージ10を移動させるとともに、移動されるステージ10に載置された基板Wに対して、各光学ユニット40から、パターンデータPDに応じた空間変調を施された変調光(描画光)を照射させる。
描画制御部901が各光学ユニット40に描画光を形成させる態様は、上述したとおりである。ここで、空間光変調器441が備える変調素子81の個数を「Q個」とすると、当該Q個の変調素子81は、その全てがドライバ回路ユニット82と接続されており、描画制御部901の制御に応じて動作できる状態となっている。そして、描画制御部901は、空間光変調器441が備えるQ個の変調素子81の全てに不具合がない状態(以下「正常状態」ともいう)においては、当該Q個の変調素子81のうちから選択された、連続する(すなわち、互いに隣り合う)「N個」の変調素子81に、レーザ光を入射させつつ、当該N個の変調素子81のそれぞれに対して、パターンデータPDに応じた制御信号を送出する。すると、当該N個の変調素子81のそれぞれの状態が、入力された制御信号に応じて切り換わり、副走査方向に沿うN画素分の描画光が形成される。ここで、「N」は、2以上でありかつQより小さい偶数であって、1ストライプ分の領域の幅に応じて規定される値である。
ただし、正常状態においては、例えば図8の上段(左側)に示されるように、空間光変調器441が備えるQ個の変調素子81のうち、中央付近にある連続するN個の変調素子81が、描画光の形成に用いるべき変調素子81として選択される。つまり、正常状態においては、描画に用いられるN個の変調素子81の+X側に、連続する「Ma個」の変調素子81が配置され、当該N個の変調素子81の−X側に、連続する「Mb」個の変調素子81が配置された状態となっており、これらMa個の変調素子81とMb個の変調素子とは、正常状態においては、描画光の形成に用いられない予備の変調素子(以下「予備変調素子B」ともいう)となっている。「Ma」「Mb」のそれぞれは、0以上の任意の整数をとり得る(ただし、「Ma+Mb+N=Q」)。「Ma」と「Mb」とは、互いの差が小さくなるような値(最も好ましくは、Ma=Mb)とされることが好ましい。
<2−2.検査処理部902>
検査処理部902は、各光学ユニット40の空間光変調器441が備える一群の変調素子81の不具合を検査するとともに、不具合のある変調素子81が検出された場合に、描画光の形成に用いる変調素子81を再選択する処理を行う。検査処理部902は、不具合検査部921と、再選択部922と、変更処理部923とを備える。
<不具合検査部921>
不具合検査部921は、各光学ユニット40の空間光変調器441が備えるQ個の変調素子81のそれぞれの不具合の有無を検査する。そして、いずれかの変調素子81に不具合が発生して正常な動作ができない状態となっている場合に、それを不具合変調素子Cとして検出するとともに、当該不具合変調素子Cとして検出された変調素子81の位置を特定する。
この実施の形態に係る描画装置1は、ステージ10上に配置された検出器(入射光の光量を検出する装置であり、例えば、ラインセンサを含んで構成される)80を備え(図1、図2参照)、不具合検査部921は、検査対象となる光学ユニット40が当該検出器80の上方に配置された状態で、当該光学ユニット40と検出器80とを制御しつつ、例えば次の3つの検出動作を実行する。
第1に、不具合検査部921は、空間光変調器441が備える全ての変調素子81に対して、その状態をOFFレベル(0次回折光L1を出射する状態(図4に示される状態))とする制御信号を与えた上で、複数の変調素子81にラインビームを入射させるとともに、検出器80で反射光の光量を検出する。そして、ラインビームの長尺方向に沿うどこかの位置において、所期のOFFレベルの光量が得られない場合に、当該位置に対応する変調素子81を、不具合変調素子Cとして検出する。この検出動作によって、ONレベル(0次以外の次数の回折光L0を出射する状態(図5に示される状態))に固定されてしまう可動リボン801を含むという不具合のある変調素子81を検出することができるとともに、当該変調素子81の位置も特定することができる。
第2に、不具合検査部921は、空間光変調器441が備える全ての変調素子81に対して、その状態をOFFレベルとする制御信号を与えた上で、複数の変調素子81にラインビームを入射させるとともに、検出器80で反射光の光量を検出する。そして、ラインビームの長尺方向に沿うどこかの位置において、所期のOFFレベルの光量が得られない場合に、当該位置に対応する変調素子81を、不具合変調素子Cとして検出する。この検出動作によって、ONレベルに固定されてしまうという不具合のある変調素子81を検出することができるとともに、当該変調素子81の位置も特定することができる。
第3に、不具合検査部921は、空間光変調器441が備える全ての変調素子81に対して、切り換えの制御信号(変調素子81の状態をONレベルからOFFレベルに(あるいは、OFFレベルからONレベルに)切り換える制御信号)を周期的に与えるとともに、応答時間を順次変化させる制御を行う。その一方で、複数の変調素子81にラインビームを断続的に入射させるとともに、検出器80で反射光の光量変化を測定する。そして、ラインビームの長尺方向に沿うどこかの位置において、応答時間が変化しない場合に、当該位置に対応する変調素子81を、不具合変調素子Cとして検出する。この検出動作によって、ON/OFF切り換えの制御信号に対する応答時間が制御不能になるという不具合のある変調素子81を検出することができるとともに、当該変調素子81の位置も特定することができる。
なお、切り換えの制御信号に対する応答時間とは、切り換えの制御信号を与えてから実際に変調素子81が状態を変化させるまでの時間をいい、正常状態においては、この応答時間は制御信号によって変化させることができる。OFFレベルからONレベルに切り換える制御信号に対する応答タイミングを例えば基準よりも微小に遅らせることによって、基準の画素サイズよりも小さなサイズの画素を描画することができる。つまり、サブピクセル単位の描画が可能となる。変調素子81において、ON/OFF切り換えの制御信号に対する応答時間が制御不能となっている場合は、このサブピクセル単位の描画が行えないことになる。
<再選択部922>
再選択部922は、描画光の形成に用いられている変調素子81(以下「動作変調素子A」ともいう)が、不具合変調素子Cとして検出された場合に、空間光変調器441が備えるQ個の変調素子81のうち、不具合変調素子Cとして検出された変調素子81を除く変調素子81の中から、動作変調素子Aとするべき一群の変調素子81を再選択する。この実施の形態に係る再選択部922は、「シフト方式」で動作変調素子Aを再選択する第1再選択部9221と、「分割方式」で動作変調素子Aを再選択する第2再選択部9222と、シフト方式、分割方式のどちらの方式で動作変調素子Aを再選択するべきかを判定する判定部9220とを備える。
<判定部9220>
上述したとおり、正常状態においては、動作変調素子AとされるN個の変調素子81よりも+X側にMa個の変調素子81(予備変調素子B)が配列され、当該N個の変調素子81よりも−X側にMb個の予備の変調素子81(予備変調素子B)が配列された状態となっている(例えば図8の上段参照)。ここで、正常状態において動作変調素子AとされているN個の変調素子81のうち、最も+X側の変調素子81を含む、連続するMb個の変調素子81のそれぞれと、当該N個の変調素子81のうち、最も−X側の変調素子81を含む、連続するMa個の変調素子81のそれぞれとを、「端部素子D」ということにする。すなわち、+X側の端部素子Dは、−X側の予備変調素子Bと同じ個数の変調素子81の範囲とされ、−X側の端部素子Dは、+X側の予備変調素子Bと同じ個数の変調素子81の範囲とされる。
判定部9220は、不具合変調素子Cとして検出された変調素子(対象変調素子)81が、端部素子Dであるか否かを判定し、当該判定結果に応じて、シフト方式、分割方式のうちのどちらの方式で動作変調素子Aを再選択するべきかを決定する。具体的には、判定部9220は、対象変調素子81が端部素子Dである場合は、シフト方式で動作変調素子Aを再選択するべきと判断し、対象変調素子81が端部素子Dでない場合は、分割方式で動作変調素子Aを再選択するべきと判断する。
対象変調素子81が端部素子Dであるということは、対象変調素子81よりも+X側、あるいは、−X側に、連続するN個以上の変調素子81が存在していることを意味している。つまり、判定部9220は、対象変調素子81よりも+X側、あるいは、−X側に、連続するN個以上の変調素子81が存在している場合は、シフト方式で動作変調素子Aを再選択するべきと判断し、対象変調素子81よりも+X側、および、−X側のどちらにも、連続するN個以上の変調素子81が存在していない場合は、分割方式で動作変調素子Aを再選択するべきと判断する。
<第1再選択部9221>
第1再選択部9221は、予備変調素子Bを含むQ個の変調素子81のうち、不具合変調素子Cとして検出された変調素子81を除く変調素子81の中から、連続するN個の変調素子81を、動作変調素子Aとして再選択する(シフト方式の再選択)。
第1再選択部9221が動作変調素子Aを再選択する具体的な態様について、図8、図9を参照しながら説明する。
不具合変調素子Cとして検出された変調素子(対象変調素子)81が端部素子Dである場合、上述したとおり、対象変調素子81よりも+X側、あるいは、−X側に、連続するN個以上の変調素子81が存在している。
ここで、対象変調素子81が+X側の端部素子Dである場合(すなわち、正常状態において動作変調素子Aとして選択されているN個の変調素子81のうち、最も+X側の変調素子81を含む、連続するMb個の変調素子81のいずれかである場合)、対象変調素子81よりも−X側に、連続するN個以上の変調素子81が存在している。そこで、第1再選択部9221は、対象変調素子81が+X側の端部素子Dである場合は、対象変調素子81よりも−X側のN個以上の変調素子81のうちから、連続するN個の変調素子81を、新たな動作変調素子Aとして選択する。好ましくは、第1再選択部9221は、図8に示されるように、最も−X側の変調素子81を含む、連続するN個の変調素子81を、新たな動作変調素子Aとして再選択する。この場合、正常状態において予備変調素子Bとされていた−X側のMb個の変調素子81が動作変調素子Aとして新たに加わるとともに、正常状態において動作変調素子AとされていたN個の変調素子81のうち+X側のMb個の変調素子81(すなわち、+X側の端部素子D)が動作変調素子Aから外れることになる。同時に、レーザ光を入射させる範囲も、新たに選択された範囲にシフトされる。
一方、対象変調素子81が−X側の端部素子Dである場合(すなわち、正常状態において動作変調素子Aとして選択されているN個の変調素子81のうち、最も−X側の変調素子81を含む、連続するMa個の変調素子81のいずれかである場合)、対象変調素子81よりも+X側に、連続するN個以上の変調素子81が存在している。そこで、第1再選択部9221は、対象変調素子81が−X側の端部素子Dである場合は、対象変調素子81よりも+X側のN個以上の変調素子81のうちから、連続するN個の変調素子81を、新たな動作変調素子Aとして選択する。好ましくは、第1再選択部9221は、図9に示されるように、最も+X側の変調素子81を含む、連続するN個の変調素子81を、新たな動作変調素子Aとして再選択する。この場合、正常状態において予備変調素子Bとされていた+X側のMa個の変調素子81が動作変調素子Aとして新たに加わるとともに、正常状態において動作変調素子AとされていたN個の変調素子81のうち−X側のMa個の変調素子81(すなわち、−X側の端部素子D)が動作変調素子Aから外れることになる。同時に、レーザ光を入射させる範囲も、新たに選択された範囲にシフトされる。
<第2再選択部9222>
ここで、動作変調素子Aとして選択されている連続するN個の変調素子81のうち、−X側半分の(N/2)個の変調素子81(すなわち、−X側の端の変調素子81を含む連続する(N/2)個の変調素子81)を、「前半素子群E」と呼ぶことにする。また、+X側半分の(N/2)個の変調素子81(すなわち、+X側の端の変調素子81を含む連続する(N/2)個の変調素子81)を、「後半素子群F」と呼ぶことにする。
第2再選択部9222は、前半素子群Eと後半素子群Fとのうち、不具合変調素子Cとして検出された変調素子81を含まない方の素子群を、動作変調素子Aとして再選択する(分割方式の再選択)。
すなわち、第2再選択部9222は、不具合変調素子Cとして検出された変調素子(対象変調素子)81が、後半素子群Fに含まれる場合(すなわち、対象変調素子81が、動作変調素子Aとして選択中のN個の動作変調素子Aのうち、+X側半分の(N/2)個の変調素子81のいずれかである場合)、図10に示されるように、前半素子群E(すなわち、動作変調素子Aとして選択中のN個の変調素子81のうち、最も−X側の変調素子81を含む、連続する(N/2)個の変調素子81)を、新たな動作変調素子Aとして再選択する。この場合、再選択前において動作変調素子AとされていたN個の変調素子81のうち、+X側半分の(N/2)個の変調素子81が、動作変調素子Aから外れることになる。同時に、レーザ光を入射させる範囲も、新たに選択された範囲にシフトされる。
また、第2再選択部9222は、対象変調素子81が前半素子群Eに含まれる場合(すなわち、対象変調素子81が、動作変調素子Aとして選択中のN個の動作変調素子Aのうち、−X側半分の(N/2)個の変調素子81のいずれかである場合)、図11に示されるように、後半素子群F(すなわち、動作変調素子Aとして選択中のN個の変調素子81のうち、最も+X側の変調素子81を含む、連続する(N/2)個の変調素子81)を、新たな動作変調素子Aとして再選択する。この場合、再選択前において動作変調素子AとされていたN個の変調素子81のうち、−X側半分の(N/2)個の変調素子81が、動作変調素子Aから外れることになる。同時に、レーザ光を入射させる範囲も、新たに選択された範囲にシフトされる。
ただし、上述したとおり、描画装置1は2個の光学ユニット40,40を備えており、第2再選択部9222は、一方の光学ユニット40の空間光変調器441において、分割方式で動作変調素子Aの再選択を行った場合は、他方の光学ユニット40の空間光変調器441においても(たとえ不具合変調素子Cが検出されていなくとも)、同じように分割方式で動作変調素子Aの再選択を行う。すなわち、第2再選択部9222は、一方の空間光変調器441において、前半素子群Eを動作変調素子Aとして再選択した場合は、他方の空間光変調器441においても、前半素子群Eを動作変調素子Aとして再選択する。また、一方の空間光変調器441において、後半素子群Fを動作変調素子Aとして再選択した場合は、他方の空間光変調器441においても、後半素子群Fを動作変調素子Aとして再選択する。
<変更処理部923>
変更処理部923は、動作変調素子Aが再選択された場合に、動作変調素子Aとして再選択された一群の変調素子81で、所期の描画処理を実行するために必要な各種の変更処理を行う。
再選択が行われる前においては、正常状態において動作変調素子AとされるN個の変調素子81が、基板Wの面内に仮想的に規定される各ストライプ領域K(図13参照)の上方を通過するように、ステージ10と空間光変調器441との相対位置関係が予め規定されている。また、各ストライプ領域Kにおける−X側からi番目(i=1,2,・・,N)の画素列に描画すべきパターンを規定しているパターンデータPDのデータ部分が、当該N個の変調素子81のうち、−X側からi番目の変調素子81の制御信号を規定している。
動作変調素子Aの再選択がシフト方式で行われた場合、変更処理部923は、主走査において、動作変調素子Aとして再選択されたN個の変調素子81が、各ストライプ領域Kの上方を通過するように、ステージ10と空間光変調器441との相対位置関係を変更する。これによって、各ストライプ領域K内の−X側からi番目(i=1,2,・・,N)の画素列の上方を、動作変調素子Aとして再選択されたN個の変調素子81のうち、−X側からi番目の変調素子81が通過するように調整される。変更処理部923は、さらに、各ストライプ領域Kにおける−X側からi番目の画素列に描画すべきパターンを規定しているパターンデータPDのデータ部分が、当該i番目の変調素子81の制御信号を規定するものとなるように、パターンデータPDの修正を行う。
一方、動作変調素子Aの再選択が分割方式で行われた場合、変更処理部923は、基板Wの面内に規定される各ストライプ領域Kを、主走査軸(Y軸)に沿う分割線で2等分割して分割ストライプ領域とする。そして、主走査において、動作変調素子Aとして再選択された(N/2)個の変調素子81が、各分割ストライプ領域の上方を通過するように、ステージ10と空間光変調器441との相対位置関係を変更する。また、変更処理部923は、副走査幅を半分にするとともに、主走査の回数を2倍に変更する。これによって、分割ストライプ領域内の−X側からi番目(i=1,2,・・,(N/2))の画素列の上方を、動作変調素子Aとして再選択された(N/2)個の変調素子81のうち、−X側からi番目の変調素子81が通過するように調整される。変更処理部923は、さらに、各分割ストライプ領域における−X側からi番目の画素列に描画すべきパターンを規定しているパターンデータPDのデータ部分が、当該i番目の変調素子81の制御信号を規定するものとなるように、パターンデータPDの修正を行う。
なお、変更処理部923は、動作変調素子Aの再選択がどちらの態様で行われた場合であっても、動作変調素子Aとして再選択されたN個(あるいは、(N/2)個)の変調素子81以外の全ての変調素子81に、描画処理の間中、OFFレベルの制御信号が与えられるように設定する。
<3.描画装置1の動作>
<3−1.全体の流れ>
描画装置1において実行される基板Wに対する一連の処理の全体の流れについて、図12を参照しながら説明する。図12は、当該処理の流れを示す図である。以下に説明する一連の動作は、制御部90の制御下で行われる。
まず、搬送装置60が、カセット載置部104に載置されたカセットCTから未処理の基板Wを取り出して描画装置1に搬入する(ステップS1)。
続いて、搬送装置60は搬入した基板Wをプリアライメント部70に搬入し、プリアライメント部70にて当該基板Wに対するプリアライメント処理が行われる(ステップS2)。プリアライメント処理は、上述したとおり、例えば、載置台に載置された基板Wの切り欠き部の位置をセンサで検出し、当該切り欠き部の位置が定められた位置となるように載置台を回転させることによって行われる。これによって、載置台に載置された基板Wが定められた回転位置におおまかに位置合わせされた状態におかれることになる。
続いて、搬送装置60が、プリアライメント処理済みの基板Wをプリアライメント部70から搬出してこれをステージ10に載置する(ステップS3)。ステージ10は、その上面に基板Wが載置されると、これを吸着保持する。
基板Wがステージ10に吸着保持された状態となると、続いて、当該基板Wが適正な位置にくるように精密に位置合わせする処理(ファインアライメント)が行われる(ステップS4)。具体的には、まず、ステージ駆動機構20が、ステージ10を受け渡し位置からアライメント撮像部50の下方位置まで移動させる。ステージ10がアライメント撮像部50の下方に配置されると、続いて、アライメント撮像部50が、基板W上のアライメントマークを撮像して、当該撮像データを取得する。続いて、制御部90が、アライメント撮像部50により取得された撮像データを画像解析してアライメントマークの位置を検出し、その検出位置に基づいて基板Wの適正位置からのずれ量を算出する。ずれ量が算出されると、ステージ駆動機構20が当該算出されたずれ量だけステージ10を移動させて、基板Wが適正位置にくるように位置合わせする。
基板Wが位置合わせされると、続いて、パターンの描画処理が行われる(ステップS5)。描画処理について、図13を参照しながら具体的に説明する。図13は、描画処理を説明するための図である。なお、描画処理に先だって、検査処理部902の制御下で、検査処理が行われており、以下に説明する描画処理は、正常に動作する変調素子81のみを用いて行われるように担保されている。検査処理の流れは、後に説明する。
描画処理は、描画制御部901の制御下で、ステージ駆動機構20がステージ10に載置された基板Wを光学ユニット40,40に対して相対的に移動させつつ、光学ユニット40,40のそれぞれから基板Wの上面に空間変調された光を照射させることによって行われる。
具体的には、ステージ駆動機構20は、まず、アライメント撮像部50の下方位置に配置されているステージ10を主走査軸(Y軸)に沿って往路方向(ここでは、例えば、+Y方向であるとする)に移動させることによって、基板Wを光学ユニット40,40に対して主走査軸に沿って相対的に移動させる(往路主走査)。これを基板Wからみると、各光学ユニット40は基板W上を主走査軸に沿って−Y方向に横断することになる(矢印AR11)。その一方で、往路主走査が開始されると、描画制御部901は、各光学ユニット40から描画光の照射を開始させる。具体的には、描画制御部901は、記憶装置94に格納されたパターンデータPDのうち、当該主走査で描画対象となるストライプ領域に描画すべきデータを記述した部分を読み出して、空間光変調部44に、当該読み出された、パターンデータPDに応じて空間変調された描画光(具体的には、副走査軸に沿うN画素分の描画光(ただし、分割方式で動作変調素子Aが再選択されている場合は、副走査軸に沿う(N/2)画素分の描画光))を形成させる。描画制御部901は、往路主走査が行われる間、空間光変調部44から、描画光を断続的に照射させ続ける(すなわち、基板Wの表面に向けてパルス光を繰り返して投影させ続ける)。
このようにして、各光学ユニット40は、基板W上を主走査軸に沿って相対的に移動しながら、描画光を、基板Wに向けて断続的に照射し続ける。したがって、光学ユニット40が主走査軸に沿って基板Wを1回横断すると、1本のストライプ領域(主走査軸に沿って延在し、副走査軸に沿う幅が描画幅に相当する領域)に、パターン群が描画されることになる。ここでは、2個の光学ユニット40が同時に基板Wを横断するので、一回の往路主走査により2本のストライプ領域のそれぞれにパターン群が描画されることになる。
描画光の照射を伴う往路主走査が終了すると、ステージ駆動機構20は、ステージ10を副走査軸(X軸)に沿って所定方向(例えば、+X方向)に、描画幅に相当する距離だけ移動させることによって、基板Wを光学ユニット40,40に対して副査軸に沿って相対的に移動させる(副走査)。これを基板Wからみると、各光学ユニット40は副走査軸に沿って−X方向に、ストライプ領域の幅分だけ移動することになる(矢印AR12)。
副走査が終了すると、描画光の照射を伴う復路主走査が実行される。すなわち、ステージ駆動機構20は、ステージ10を主走査軸(Y軸)に沿って復路方向(ここでは、−Y方向)に移動させることによって、基板Wを光学ユニット40,40に対して主走査軸に沿って相対的に移動させる(復路主走査)。これを基板Wからみると、各光学ユニット40は、基板W上を、主走査軸に沿って+Y方向に移動して横断することになる(矢印AR13)。その一方で、復路主走査が開始されると、描画制御部901は、各光学ユニット40から描画光の照射を開始させる。当該復路主走査によって、先の往路主走査で描画されたストライプ領域の隣のストライプ領域に、パターン群が描画されることになる。
描画光の照射を伴う復路主走査が終了すると、副走査が行われた上で、再び、描画光の照射を伴う往路主走査が行われる。当該往路主走査によって、先の復路主走査で描画されたストライプ領域の隣のストライプ領域に、パターン群が描画されることになる。以後も同様に、副走査を挟みつつ、描画光の照射を伴う主走査が繰り返して行われ、描画対象領域の全域にパターンが描画されると、描画処理が終了する。
再び図12を参照する。描画処理が終了すると、搬送装置60が処理済みの基板Wを搬出する(ステップS6)。これによって、当該基板Wに対する一連の処理が終了する。
<3−2.検査処理の流れ>
描画装置1においては、所定枚数の基板Wに対する描画処理が行われる度毎に、あるいは、不定期の任意のタイミングで(例えば、オペレータからの指示に応じて)、検査処理が行われる。検査処理の具体的な流れについて、図14を参照しながら具体的に説明する。
まず、不具合検査部921が、各光学ユニット40の空間光変調器441が備えるQ個の変調素子81における不具合の有無を検査し、変調素子81の不具合が検知された場合に、当該変調素子81を不具合変調素子Cとして検出する(ステップS11)。
ステップS11で不具合変調素子Cが検出されなかった場合(ステップS12でNO)、検査処理は終了される。
一方、ステップS11で、不具合変調素子Cが検出された場合(ステップS12でYES)、不具合検査部921は、さらに、ステップS11で不具合変調素子Cとして検出された変調素子(以下「対象変調素子」という)81の配列位置を特定する(ステップS13)。
対象変調素子81が、動作変調素子Aとして選択中の変調素子81である場合、続いて再選択部922が、動作変調素子Aを再選択する(ステップS14)。ステップS14の処理の流れについて、図15を参照しながら具体的に説明する。
まず、判定部9220が、ステップS13で特定された対象変調素子81の配列位置に基づいて、対象変調素子81が、端部素子Dであるか否かを判断する(ステップS101)。
対象変調素子81が端部素子Dである場合(ステップS101でYES)、判定部9220は、シフト方式で動作変調素子Aの再選択を行うべきと決定し、第1再選択部9221に動作変調素子Aを再選択すべき旨の指示を与える。
第1再選択部9221は、判定部9220から動作変調素子Aを再選択すべき旨の指示を受けると、まず、ステップS13で特定された対象変調素子81の配列位置に基づいて、対象変調素子81が、+X側の端部素子Dであるか否かを判断する(ステップS102)。対象変調素子81が+X側の端部素子Dである場合(ステップS102でYES)、第1再選択部9221は、対象変調素子81よりも−X側にあるN個以上の変調素子81のうちから、連続するN個の変調素子81(好ましくは、最も−X側の変調素子81を含む、連続するN個の変調素子81)を、新たな動作変調素子Aとして選択する(図8)(ステップS103)。一方、対象変調素子81が+X側の端部素子Dでない場合(すなわち、−X側の端部素子Dである場合)(ステップS102でNO)、第1再選択部9221は、対象変調素子81よりも+X側にあるN個以上の変調素子81のうちから、連続するN個の変調素子81(好ましくは、最も+X側の変調素子81を含む、連続するN個の変調素子81)を、新たな動作変調素子Aとして選択する(図9)(ステップS104)。
一方、対象変調素子81が端部素子Dでない場合(ステップS101でNO)、判定部9220は、分割方式で動作変調素子Aの再選択を行うべきと決定し、第2再選択部9222に動作変調素子Aを再選択すべき旨の指示を与える。
第2再選択部9222は、判定部9220から動作変調素子Aを再選択すべき旨の指示を受けると、まず、ステップS13で特定された対象変調素子81の配列位置に基づいて、対象変調素子81が、後半素子群Fに含まれるか否かを判断する(ステップS105)。対象変調素子81が後半素子群Fに含まれる場合(ステップS105でYES)、第2再選択部9222は、前半素子群Eを、新たな動作変調素子Aとして選択する(図10)(ステップS106)。一方、対象変調素子81が後半素子群Fに含まれない場合(すなわち、前半素子群Eに含まれる場合)(ステップS105でNO)、第2再選択部9222は、後半素子群Fを、新たな動作変調素子Aとして選択する(図11)(ステップS107)。
再び図14を参照する。ステップS14で動作変調素子Aが再選択されると、続いて、変更処理部923が、ステップS14で動作変調素子Aとして再選択された一群の変調素子81で、所期の描画処理を実行するために必要な各種の変更処理を行う(ステップS15)。以上で、検査処理が終了する。
検査処理にて動作変調素子Aの再選択が行われた場合、描画制御部901は、以後の描画処理において、ステップS14で動作変調素子Aとして再選択された一群の変調素子81に描画光を形成させる。したがって、当該描画処理においては、不具合のない変調素子81のみが描画光の形成に用いられることになり、所期の描画パターンを所期の精度で描画することができる。すなわち、不具合の発生前後で、描画性能が維持される。
このように、描画装置1においては、一部の変調素子81に不具合が生じた場合に、直ちに装置の稼働を停止させて不具合のある部品の交換作業を行うといった措置をとらなくとも、例えば次の装置停止タイミングが到達するまで、描画性能を維持しつつ描画処理を続行できる。そして、メンテナンスなどのために装置の稼働が停止されるタイミングが到達した時点で、不具合のある部品の交換作業を行えばよい。なお、当然のことながら、不具合のある部品の交換作業が行われると、正常状態が復元されるので、以後の描画処理においては、中央付近にある連続するN個の変調素子81を用いて、描画光が形成されることになる。描画装置1において、定められた稼働停止タイミング以外で装置が緊急に稼働停止される回数が抑えられることによって、稼働計画に遅延が生じにくくなり、生産工程の消費エネルギーも抑制できる。
特に、シフト方式で再選択が行われた場合、再選択の前後において、動作変調素子Aの個数が変化しない。したがって、スループットの低下を抑制しつつ、描画処理を続行することができる。
また、分割方式で再選択が行われた場合、本来1回の主走査で描画されるはずストライプ領域を単純に2分割して、各分割ストライプ領域を1回の主走査で描画することになるので、複雑な制御変更などを伴うことなく、簡易に、描画処理を続行することができる。
ここで、シフト方式の再選択は、分割方式の再選択に比べて、再選択後の描画処理に要する時間が短く抑えられるというメリットがあるところ、描画装置1においては、判定部9220が、シフト方式での再選択を優先的に実行させるので、描画装置1におけるスループットの低下を効果的に抑制することが可能となる。その一方で、シフト方式での再選択だけでなく、分割方式での再選択も実行可能であるので、予備変調素子Bの個数がいくつであっても、また、不具合のある変調素子81の位置がどこであっても、描画処理を確実に続行できる。
<4.変形例>
上記の実施の形態において、動作変調素子Aとして選択される変調素子81以外の変調素子81を覆う遮光用のカバー部材を設けてもよい。この構成によると、レーザ光をシフトさせずに、その入射範囲を、予め全ての変調素子81に入射するような範囲に設定する場合に、動作変調素子Aとして選択される変調素子81以外の変調素子81に光が入射することを防止できる。例えば、不具合のある変調素子81に光が入射することによって他の不具合のない変調素子81に影響が及ぼされる恐れがある場合には、カバー部材を設ける構成が有効である。なお、カバー部材を設ける場合、再選択が行われる度に、カバー部材の位置を変更する。
例えば、シフト方式で動作変調素子Aが再選択された結果、正常状態において予備変調素子Bとされていた−X側のMb個の変調素子81が動作変調素子Aとして新たに加わるとともに、正常状態において動作変調素子AとされていたN個の変調素子81のうち+X側のMb個の変調素子81が動作変調素子Aから外れたとする。この場合、図16に例示されるように、正常状態において、+X側のMa個の変調素子81を覆っていたカバー部材900を+X側に移動させて、これが、動作変調素子Aから外れたMb個の変調素子81を覆う状態とする。これによって、2個のカバー部材900,900によって、+X側の(Ma+Mb)個の変調素子81が覆われた状態となる。カバー部材900の移動は、カバー部材900と接続された駆動機構を制御部が制御することによって行われてもよいし、オペレータによって行われてもよい。
カバー部材900を設ける構成によると、特に、変調素子81がOFFレベルに固定される不具合が生じている場合に、当該変調素子81から基板Wの上面へ光が照射されてしまう事態を回避できる。レーザー光の入射範囲に、動作変調素子Aから外れたMb個の変調素子81が存在する場合、これらMb個の変調素子81がONレベルとされることによって、これらの変調素子81から基板Wの上面に光が照射されてしまうことを防止できる。ところが、動作変調素子Aから外れた変調素子81の中に、OFFレベルに固定される不具合のある変調素子81が含まれる場合は、当該変調素子81をONレベルにすることができないので、当該変調素子81から正反射光が発生してしまうこととなる(ただし、変調素子81に生じている不具合が、ONレベルに固定される不具合である場合は、正反射光の発生はおこらない)。動作変調素子Aから外れた変調素子81をカバー部材900で覆う構成とすれば、このような正反射光が基板Wの上面に照射されることを防止できる。
また、上記の実施の形態においては、2個の再選択部(第1再選択部9221、第2再選択部9222)を備え、シフト方式での再選択と分割方式での再選択との両方を実行可能な構成としていたが、いずれか一方の再選択部のみを備える構成であってもよい。例えば、予備変調素子Bの個数が比較的少ない(あるいは、予備変調素子Bがない)場合、第2再選択部9222のみを備える構成としてもよい。また例えば、予備変調素子Bが比較的多く存在する場合、第1再選択部9221のみを備える構成としてもよい。なお、第1再選択部9221のみを備える構成とする場合、不具合が検知された変調素子81が端部素子Dである場合はシフト方式での再選択を行い、当該変調素子81が端部素子Dでない場合は、例えば、その旨をオペレータに報知するためのメッセージを、表示部97に表示させる構成とすればよい。
また、上記の実施の形態においては、不具合変調素子Cとして検出される変調素子81が1個であることを想定していたが、複数個の変調素子81が不具合変調素子Cとして検出された場合にも、対応可能である。
例えば、2個以上の変調素子81が不具合変調素子Cとして検出された場合に、全ての不具合変調素子Cが同じ側の端部素子Dである場合、シフト方式で動作変調素子Aの再選択を行うことができる。また、それ以外の場合であって、前半素子群Eと後半素子群Fとのうち、不具合変調素子Cとして検出された変調素子81を含まない素子群がある場合は、当該素子群を、動作変調素子Aとして再選択することができる。
さらに、シフト方式で動作変調素子Aが再選択されている状態において、新たに不具合変調素子Cが検出された場合は、分割方式で動作変調素子Aを再選択することができる。また、分割方式で動作変調素子Aが再選択されている状態において、新たに不具合変調素子Cが検出された場合にも、さらに分割方式で動作変調素子Aを再選択することができる。この場合は、分割方式によって動作変調素子Aとして選択されている(N/2)個の変調素子81のうち、−X側の端の変調素子81を含む連続する(N/4)個の変調素子81が前半素子群Eとなり、+X側の端の変調素子81を含む連続する(N/4)個の変調素子81が後半素子群Fとなる。同様に、分割方式での再選択を繰り返すことが可能である。
また、上記の実施の形態においては、不具合検査部921が、変調素子81の光量が固定されてしまう不具合(すなわち、変調素子81のON/OFFの切り換えができない不具合)と、ON/OFF切り換えの制御信号に対する変調素子81の応答タイミングが制御不能となる不具合とを検出していたが、不具合検査部は、これらの一方の不具合のみを検出する構成であってもよいし、さらに別の種類の不具合を検出する構成であってもよい。
また、上記の実施の形態においては、「変調素子81」が、本願発明の「変調要素」に相当するものとしたが、空間光変調器441を構成する単位要素のいずれを変調要素としてもよい。例えば、「リボン対803」が変調要素とされてもよいし、1本のリボン(「可動リボン801」および「固定リボン802」のそれぞれ)が変調要素とされてもよい。ただし、リボン対803を変調要素とする場合、不具合検査部921は、個々のリボン対803の不具合を検出するものとする。また、リボン801,802を変調要素とする場合、不具合検査部921は、個々のリボン801,802の不具合を検出するものとする。
また、上記の実施形態では、空間光変調器441として、回折格子型の空間光変調器であるGLVが用いられていたが、このような形態には限られない。例えば、変調単位であるマイクロミラーが、一次元に配列されている空間光変調器が利用される形態であってもよい。また、例えば、変調単位であるマイクロミラーが二次元的に配列された空間光変調器(例えば、DMD)が利用されてもよい。これらの場合、変調単位であるマイクロミラーを本願発明の「変調要素」とすることができる。
また、上記の各実施形態では、基板Wを載置したステージ10がステージ駆動機構20によって移動されることで、光学ユニット40,40に対して基板Wを相対的に移動させる形態であったが、光学ユニット40,40に対して基板Wを相対的に移動させる態様はこれに限らない。例えば、光学ユニット40,40を主走査軸および副走査軸に沿って移動させることにより、光学ユニット40,40に対して基板Wを相対的に移動させる態様としてもよい。
また、上記の実施の形態において、各光学ユニット40が、空間光変調部44で変調された光の経路を副走査方向に沿ってシフトさせる光路補正部をさらに備える構成としてもよい。この場合、光路補正部は、例えば、空間光変調部44と投影光学系45との間に設ければよい。また、光路補正部は、例えば、2個のウェッジプリズム(非平行な光学面を備えることにより入射光の光路を変更できるプリズム)と、一方のウェッジプリズムを、他方のウェッジプリズムに対して、入射光の光軸の方向(Z軸方向)に沿って直線的に移動させるウェッジプリズム移動機構とから実現することができる。この構成においては、ウェッジプリズム移動機構を駆動制御して、2個のウェッジプリズム間の離間距離を調整することによって、必要な量だけ入射光をシフトさせることができる。各光学ユニット40に光路補正部を備える構成としておけば、必要に応じて光路補正部に光の経路をシフトさせることによって、基板Wに照射される光の位置を副走査方向に沿って微調整することが可能となる。
また、上記の各実施形態では、基板Wは円形状のものであるとしたが、基板Wは必ずしも円形状である必要はなく、例えば矩形状であってもよい。
1 描画装置
10 ステージ
20 ステージ駆動機構
40 光学ユニット
41 レーザ駆動部
42 レーザ発振器
43 照明光学系
44 空間光変調部
441 空間光変調器
45 投影光学系
81 変調素子
90 制御部
901 描画制御部
902 検査処理部
921 不具合検査部
922 再選択部
9220 判定部
9221 第1再選択部
9222 第2再選択部
923 変更処理部
W 基板

Claims (8)

  1. パターンに応じた変調が施された変調光を形成して基板に照射して、前記基板に前記パターンを描画する描画装置であって、
    複数の変調要素を備え、前記複数の変調要素のうち、動作変調要素として選択された一群の変調要素に光を入射させつつ、前記一群の変調要素のそれぞれの状態を切り換えることによって前記変調光を形成する光照射部と、
    前記一群の変調要素のそれぞれの不具合の有無を検査するとともに、不具合のある変調要素が検出された場合に、当該不具合のある変調要素の位置を特定する不具合検査部と、
    前記複数の変調要素のうち、不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、動作変調要素とするべき一群の変調要素を再選択する再選択部と、
    を備える、描画装置。
  2. 請求項1に記載の描画装置であって、
    前記複数の変調要素が、一列に配列されており、
    前記複数の変調要素に、
    前記複数の変調要素の全てに不具合がない正常状態において動作変調要素として選択される連続するN個(ただし、Nは2以上の整数)の変調要素と、
    前記N個の変調要素の一方側に隣り合って配置されたM個(ただし、Mは1以上の正の整数)の予備の変調要素と、
    が含まれ、
    前記N個の変調要素のうち、前記M個の予備の変調要素と隣り合う端とは逆側の端の変調要素を含む連続するM個の変調要素のそれぞれを、端部要素と呼ぶとして、
    前記再選択部が、
    前記端部要素のいずれかに不具合が検出された場合に、前記複数の変調要素のうち、不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、連続するN個の変調要素を、動作変調要素として再選択する、描画装置。
  3. 請求項1に記載の描画装置であって、
    前記複数の変調要素が、一列に配列されており、
    動作変調要素として選択されている連続するN個(ただし、Nは2以上の偶数)の変調要素のうち、一方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を前半の変調要素群と呼び、他方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を後半の変調要素群と呼ぶとして、
    前記再選択部が、
    動作変調要素として選択されている前記N個の変調要素のいずれかに不具合が検出された場合に、前記前半の変調要素群と前記後半の変調要素群とのうち、不具合のある変調要素を含まない方の変調要素群を、動作変調要素として再選択する、描画装置。
  4. 請求項1に記載の描画装置であって、
    前記複数の変調要素が、一列に配列されており、
    前記複数の変調要素に、
    前記複数の変調要素の全てに不具合がない正常状態において動作変調要素として選択される連続するN個(ただし、Nは2以上の偶数)の変調要素と、
    前記N個の変調要素の一方側に隣り合って配置されたM個(ただし、Mは1以上の正の整数)の予備の変調要素と、
    が含まれ、
    前記N個の変調要素のうち、前記M個の予備の変調要素と隣り合う端とは逆側の端の変調要素を含む連続するM個の変調要素のそれぞれを、端部要素と呼び、
    前記N個の変調要素のうち、一方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を前半の変調要素群と呼び、他方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を後半の変調要素群と呼ぶとして、
    前記再選択部が、
    動作変調要素として選択されている前記N個の変調要素のいずれかに不具合が検出された場合に、当該不具合のある変調要素が前記端部要素であるか否かを判断し、
    前記不具合のある変調要素が前記端部要素である場合は、前記複数の変調要素のうち、前記不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、連続するN個の変調要素を、動作変調要素として再選択し、
    前記不具合のある変調要素が前記端部要素でない場合は、前記前半の変調要素群と前記後半の変調要素群とのうち、不具合のある変調要素を含まない方の変調要素群を、動作変調要素として再選択する、描画装置。
  5. パターンに応じた変調が施された変調光を形成して基板に照射して、前記基板に前記パターンを描画する描画方法であって、
    a)複数の変調要素を備える光照射部において、前記複数の変調要素のうち、動作変調要素として選択された一群の変調要素に光を入射させつつ、前記一群の変調要素のそれぞれの状態を切り換えることによって前記変調光を形成する工程と、
    b)前記一群の変調要素のそれぞれの不具合の有無を検査する工程と、
    c)前記b)工程において不具合のある変調要素が検出された場合に、当該不具合のある変調要素の位置を特定する工程と、
    d)前記複数の変調要素のうち、不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、動作変調要素とするべき一群の変調要素を再選択する工程と、
    を備える、描画方法。
  6. 請求項5に記載の描画方法であって、
    前記複数の変調要素が、一列に配列されており、
    前記複数の変調要素に、
    前記複数の変調要素の全てに不具合がない正常状態において動作変調要素として選択される連続するN個(ただし、Nは2以上の整数)の変調要素と、
    前記N個の変調要素の一方側に隣り合って配置されたM個(ただし、Mは1以上の正の整数)の予備の変調要素と、
    が含まれ、
    前記N個の変調要素のうち、前記M個の予備の変調要素と隣り合う端とは逆側の端の変調要素を含む連続するM個の変調要素のそれぞれを、端部要素と呼ぶとして、
    前記b)工程で、前記端部要素のいずれかに不具合が検出された場合に、前記d)工程で、前記複数の変調要素のうち、不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、連続するN個の変調要素を、動作変調要素として再選択する、描画方法。
  7. 請求項5に記載の描画方法であって、
    前記複数の変調要素が、一列に配列されており、
    動作変調要素として選択されている連続するN個(ただし、Nは2以上の偶数)の変調要素のうち、一方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を前半の変調要素群と呼び、他方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を後半の変調要素群と呼ぶとして、
    前記b)工程で、動作変調要素として選択されている前記N個の変調要素のいずれかに不具合が検出された場合に、前記d)工程で、前記前半の変調要素群と前記後半の変調要素群とのうち、不具合のある変調要素を含まない方の変調要素群を、動作変調要素として再選択する、描画方法。
  8. 請求項5に記載の描画方法であって、
    前記複数の変調要素が、一列に配列されており、
    前記複数の変調要素に、
    前記複数の変調要素の全てに不具合がない正常状態において動作変調要素として選択される連続するN個(ただし、Nは2以上の偶数)の変調要素と、
    前記N個の変調要素の一方側に隣り合って配置されたM個(ただし、Mは1以上の正の整数)の予備の変調要素と、
    が含まれ、
    前記N個の変調要素のうち、前記M個の予備の変調要素と隣り合う端とは逆側の端の変調要素を含む連続するM個の変調要素のそれぞれを、端部要素と呼び、
    前記N個の変調要素のうち、一方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を前半の変調要素群と呼び、他方の端の変調要素を含む連続する(N/2)個の変調要素を後半の変調要素群と呼ぶとして、
    前記d)工程が、
    d1)動作変調要素として選択されている前記N個の変調要素のいずれかに不具合が検出された場合に、当該不具合のある変調要素が前記端部要素であるか否かを判断する工程と、
    d2)前記d1)工程で前記不具合のある変調要素が前記端部要素であると判断された場合に、前記複数の変調要素のうち、前記不具合のある変調要素を除く変調要素の中から、連続するN個の変調要素を、動作変調要素として再選択する工程と、
    d3)前記d1)工程で前記不具合のある変調要素が前記端部要素でないと判断された場合に、前記前半の変調要素群と前記後半の変調要素群とのうち、不具合のある変調要素を含まない方の変調要素群を、動作変調要素として再選択する工程と、
    を備える、描画方法。
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