JP2014067742A - 筐体の密閉構造および密閉構造を有する筺体の製造方法 - Google Patents

筐体の密閉構造および密閉構造を有する筺体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 筐体の密閉構造においてコストを低減させる。
【解決手段】 押出成形により前面から後面にかけて筒状に成形されるとともに、窓孔20aが開口形成された上面20および当該上面20に対向しかつ内部部品が設置されるベース面2Aを有する筺体本体2と、窓孔20aの開口部をパッキン36を介して閉塞する蓋体3および透光板35と、筺体本体2の前面および後面の各開口部2aをそれぞれパッキン41、51を介して閉塞する前側カバー4および後側カバー5とを設ける。
【選択図】 図12

Description

本発明は、筐体の気密性や液密性を確保するための筐体の密閉構造に関する。
例えばFA(ファクトリー・オートメーション)用のスイッチ等の各種制御機器の筐体は、一般に、電子機器を収容する筺体本体と、これを閉塞する蓋体とから構成されている。また、このような筐体がオイルや水などの液体が飛散する環境で使用される場合には、筺体本体と蓋体との間にパッキン等のシール部材を介在させることにより、液体に対する液密性(以下、本明細書中では、ガスに対する気密性も含めて「密閉性」と呼称する。)を実現している。
従来の筐体の密閉構造は、特開2010−92694号公報の図7に示すように、電子機器を収容するための内部空間101aを有するバスタブ状の筐体本体101と、内部空間101aを閉塞する蓋体102と、筐体本体101の合わせ面101bに設けられたパッキン103とから構成されている。筺体本体101の内部空間101aは、筺体本体101の内部に形成された凹部であって、当該内部空間101aは、凹部の周りに形成された側壁部によってその周囲を囲繞されている。
上述したように、従来の筺体本体は、内部空間の全周に側壁部を有するバスタブ状部材であり、このため、例えばアルミダイカスト等を用いた成形法のほか、ブロー成形や絞り加工により製作されるが、これらの場合、金型の製作費が高価となる。また、筺体の長手方向の長さを変更する際には、金型を新たに製作し直す必要があり、この場合には、金型の製作費がさらに増えることになる。その一方、筺体本体を一つずつ切削加工により製作することも考えられるが、この場合には、筺体の長手方向の長さ変更に容易に対応できるものの、同様に、筺体本体の製作コストがかさむことになる。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、筐体の密閉構造においてコストを低減させることにある。また、本発明は、前面、後面および上面に開口する筺体本体を備えた筺体の密閉構造において、コストを低減させつつ筺体の密閉性を向上させようとしている。さらに、本発明は、筐体の密閉構造において、コストを低減させつつ内部部品の組付け時の作業性を向上させようとしている。
上記課題を解決するため、本発明に係る筐体の密閉構造は、押出成形により前面から後面にかけて筒状に成形されるとともに、窓孔が開口形成された上面および当該上面に対向しかつ内部部品が設置されるベース面を有する筺体本体と、窓孔の開口部を第1のシール部材を介して閉塞する蓋体と、前面および後面の各開口部をそれぞれ第2、第3のシール部材を介して閉塞する前側および後側カバーとを備えている(請求項1参照)。
本発明によれば、筺体本体が押出成形により成形されるので、ダイカスト等のように上型および下型の双方を用意する必要がなく、金型構造を簡略化できるため、コストを低減できる。また、押出成形の場合、材料の押出方向には同一の横断面形状となるので、押出成形された筺体本体を適宜任意の長さに切断することにより、筺体の長手方向の長さを容易に変更できる。この場合、筺体の長手方向の長さを変更する際に、変更後の長さに対応した金型を新たに製作する必要がなく、コストを一層低減できる。
しかも、本発明によれば、筺体本体が前面から後面にかけて筒状に成形されるとともに、上面には窓孔が開口形成されているので、前面および後面の各開口部は、第2、第3のシール部材を介して前側および後側カバーにより確実に閉塞できるとともに、上面の窓孔の開口部は、第1のシール部材を介して蓋体により確実に閉塞できる。これにより、筺体の密閉性を向上できる。
さらに、本発明によれば、筺体本体の上面に窓孔が開口形成されていることにより、筺体本体のベース面に内部部品を組み付ける際には、上面の窓孔を通してベース面に直接アクセスすることができるので、内部部品の組付け時の作業性を向上できる。なお、筺体本体の上面に窓孔が開口形成されていない場合、内部部品を筺体本体の内部に組み込む際には、予め内部部品が設置されたベース板を筺体本体の前面または後面の開口部を通して筺体本体の内部に挿入するとともに、ベース板の挿入後、当該ベース板を筺体本体の内部に取り付ける作業が必要になる。しかしながら、本発明では、このようなベース板を別途設ける必要がなく、ベース板の取付作業が不要となるので、内部部品の組付け時の作業性を向上できる。
本発明では、蓋体がその上面から下方にかけて垂設された垂設部に折曲部を有し、筺体本体が前面から後面にかけて凹設されかつ蓋体の折曲部を受け入れる受入れ部を有しており、筺体が、筺体本体の受入れ部に配置された蓋体の折曲部を筺体本体の窓孔の開口部から離れる側に折曲部の下方から付勢することにより第1のシール部材を加圧する加圧手段をさらに備えている。内部部品は少なくとも一つ以上のユニットを含んでおり、ユニットは、筺体の外部から筺体本体の窓孔を介して筺体の内部に設置可能になっている(請求項2参照)。
この場合には、筺体本体を前後方向に長く構成した場合であっても、筺体本体を射出成形法により成形することで、受入れ部を有する筺体本体の製造にかかるコストを低減できる。また、少なくとも一つ以上のユニットを上面の窓孔を介して筺体の外部から内部に設置できるようになるため、少なくとも一つ以上のユニットを筺体本体の前面または後面の開口部を通して筺体の外部から内部に設置する場合と比較して、製品の組立コストを低減できる。
本発明に係る密閉構造を有する筺体の製造方法は、以下の工程を備えている(請求項3参照)。
i) 筺体本体を押出成形により筒状に成形する工程。
ii) 筒状に成形された前記筺体本体を所定の長さに切断する工程。
iii) 切断された前記筺体本体の上面に窓孔を開口形成する工程。
iv) 前記窓孔の開口部を第1のシール部材を介して蓋体により閉塞する工程。
v) 前記筺体本体の前面および後面の各開口部をそれぞれ第2、第3のシール部材を介して前側および後側カバーにより閉塞する工程。
この製造方法によれば、筺体本体が押出成形により成形されることにより、ダイカスト等のように上型および下型の双方を用意する必要がなく、金型構造を簡略化できるため、コストを低減できる。また、押出成形の場合、材料の押出方向には同一の横断面形状となるので、押出成形された筺体本体を適宜任意の長さに切断することにより、筺体の長手方向の長さを容易に変更できる。この場合、筺体の長手方向の長さを変更する際に、変更後の長さに対応した金型を新たに製作する必要がなく、コストを一層低減できる。
しかも、筺体本体が前面から後面にかけて筒状に成形されるとともに、上面には窓孔が開口形成されているので、前面および後面の各開口部は、第2、第3のシール部材を介して前側および後側カバーにより確実に閉塞できるとともに、上面の窓孔の開口部は、第1のシール部材を介して蓋体により確実に閉塞できる。これにより、筺体の密閉性を向上できる。
さらに、筺体本体の上面に窓孔が開口形成されていることにより、筺体本体のベース面に内部部品を設置する際には、上面の窓孔を通してベース面に直接アクセスすることができるので、内部部品の組付け時の作業性を向上できる。
以上のように、本発明によれば、筺体本体を押出成形により成形するようにしたので、ダイカスト等のように上型および下型の双方を用意する必要がなく金型構造を簡略化できるため、コストを低減できるとともに、押出成形された筺体本体を適宜任意の長さに切断することで筺体の長手方向の長さを容易に変更できるため、コストを一層低減できる。しかも、筺体本体を前面から後面にかけて筒状に成形するとともに、上面に窓孔を開口形成するようにしたので、前面および後面の各開口部を第2、第3のシール部材を介して前側および後側カバーにより確実に閉塞できるとともに、上面の窓孔の開口部を第1のシール部材を介して蓋体により確実に閉塞できるので、筺体の密閉性を向上できる。さらに、筺体本体の上面に窓孔が開口形成されていることにより、筺体本体のベース面に内部部品を設置する際には、上面の窓孔を通してベース面に直接アクセスすることができるので、内部部品の組付け時の作業性を向上できる。
本発明の一実施例による密閉構造を有する筐体を採用したLED照明装置の全体斜視図である。 LED照明装置(図1)の平面図である。 LED照明装置(図1)の正面図である。 LED照明装置(図1)の背面図である。 LED照明装置(図1)の前面側側面図である。 LED照明装置(図1)の後面側側面図である。 LED照明装置(図1)の背面側斜視図である。 LED照明装置(図1)の背面側斜視図である。 図2のIX-IX線横断面図である。 図2のX-X線横断面図である。 LED照明装置(図1)の分解組立図である。 図11から電子部品およびリフレクター等の内部部品を省略した状態の分解組立図であって、本実施例構造の主要部品を示す図である。 図9から内部部品を省略した状態を示す図である。 図13から蓋体および取付ネジを省略した状態の分解組立図である。 図10から内部部品を省略した状態の筺体本体を示す図である。 本実施例構造を構成する筺体本体の全体斜視図である。 本発明の第1の変形例による密閉構造を有する筺体の横断面概略図である。 本発明の第2の変形例による密閉構造を有する筺体の横断面概略図である。 本発明の第3の変形例による密閉構造を有する筺体の横断面概略図である。 本発明の第4の変形例による密閉構造を有する筺体の横断面概略図である。 本発明の第5の変形例による密閉構造を有する筺体の横断面概略図である。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図15は、本発明の一実施例による密閉構造を有する筐体を説明するための図であって、ここでは、当該密閉構造がLED(Light Emitting Diode)照明装置に適用された場合を例にとって説明する。
図1ないし図8は、本実施例構造を採用したLED照明装置の外観を示している。これらの図に示すように、このLED照明装置の筺体1は、下方に配置された筺体本体2と、筺体本体2の上に装着される蓋体3と、筺体本体2の前後方向(図2ないし図4左右方向)の端面(つまり前面および後面)にそれぞれ装着される前側カバー4および後側カバー5とを有している。
筺体本体2は、後述するように、LED発光素子等が搭載された基板が設置される部材であって、その後側端面に装着された後側カバー5には、LED発光素子に電源電流を供給するためのリード線10が接続されている。また、筺体本体2の下部には、複数の放熱用フィン20fが設けられている。筺体本体2は、例えばアルミニウムまたは樹脂を用いた押出成形法により成形されている。押出成形時の材料の押出方向は、筺体本体2の前後方向と一致している。
蓋体3は、LED発光素子から出射された光を装置外部に透過するための窓部30aが開口形成された平坦状の上部30と、上部30の左右の両側縁部で下方に折り曲げられて垂設された垂設部31、32とを有している。蓋体3は、例えばSUS製のシートメタルを折曲げ加工することにより構成されている。また、窓部30aからは、その下方に配置された透光板35が見えている。
図2のそれぞれIX-IX線断面図およびX-X線断面図である図9および図10、ならびに装置の分解組立図である図11に示すように、筺体本体2の平坦状のベース面2A上には、放熱シート6を介して基板7が設けられている。基板7上には、複数のLED発光素子70を含む電子部品が搭載されており、基板7にはリード線10が電気的に接続されている。基板7の上方には、リフレクターユニット8が設けられている。リフレクターユニット8は、各LED発光素子70から出射された光を上方に反射させるための概略すり鉢状の反射面80aをそれぞれ有する複数のリフレクター部80を有している。各リフレクター部80は、対応する各LED発光素子70の上に配置されている。リフレクターユニット8の上には、各リフレクター部80で反射した光を装置外部に向かって拡散させるための拡散シート9が配設されている。筺体本体2の上面20上には、パッキン36を介して透光板35が載置されている。透光板35は、蓋体3の上部30の直下に設けられている。
図12および図15に示すように、筺体本体2のベース面2Aには、複数のネジ孔2bが形成されている。これらのネジ孔2bには、基板7および放熱シート6をベース面2A上にネジ止め固定するための取付ネジ72が挿入される(図11参照)。また、図12ないし図15に示すように、筺体本体2の左右両側部には、上下方向の複数の貫通孔2cおよび複数のネジ孔2dが形成されている。一方、蓋体3の各垂設部31、32には、それぞれ内側に折り曲げられかつ上部30に沿って延びる折曲部31’、32’が設けられている。折曲部31’には、複数のネジ孔31’aおよび複数の切欠き31’bが形成されており、同様に、折曲部32’には、複数のネジ孔32’aおよび複数の切欠き(図示せず)が形成されている。
蓋体3を筺体本体2の上に被せたとき、蓋体3の各ネジ孔31’a、32’aは、筺体本体2の対応する各貫通孔2cと上下方向に整列しており、蓋体3の各切欠き31’bは、筺体本体2の対応する各ネジ孔2dと上下方向に整列している。筺体本体2の各貫通孔2cに筺体本体2の下面側から取付ネジ(加圧手段)18を挿入するとともに、取付ネジ18のネジ部を蓋体3の各ネジ孔31’a、32’aに螺合させて締め付けることにより、蓋体3が筺体本体2にネジ止めされるとともに、蓋体3が下方に付勢されつつ、蓋体3が透光板35を介して(すなわち、透光板35が蓋体3と一体となって)パッキン36を筺体本体2との間で押圧挟持するようになっている。また、組立後の装置を所望の取付面に取り付ける際には、取付面を挿通させた取付ボルト(図示せず)のネジ部を筺体本体2の下面側から各ネジ孔2dに螺合させて締め付けることにより、装置が取付面に取り付けられるようになっている。
筺体本体2は、図12ないし図15に示すように、前面から後面にかけて筒状(この例では角筒状)に形成されており、前後方向に延びる貫通孔2aを有している。貫通孔2aの下面はベース面2Aを構成している。筺体本体2は、ベース面2Aから上方に隔てられかつベース面2Aと対向する平坦状の上面20を有しており、当該上面20は貫通孔2aの上面を構成している。筺体本体2の上面20には、当該上面20を上下方向に貫通するとともに前後方向に延びる窓孔20aが開口形成されている。窓孔20aは、筺体本体2の前面、後面および左右両側面には開口しておらず、上面20の外周形状の内側に刳り貫かれて形成されている。
窓孔20aが筺体本体2の前面、後面および左右両側面まで開口していないことにより、筺体本体2の上面20におけるパッキン36との合わせ面の形状は、図15に示すように、窓孔20aの開口部の全周(つまり左右方向および前後方向)にわたって切れ目のないものとなっており、この例では、窓孔20aの開口部の全周にわたって板枠状の平面形状を有している。また、窓孔20aが筺体本体2の前面および後面まで開口していないことにより、筺体本体2の前面および後面におけるパッキン41、51との合わせ面の形状は、図14に示すように、貫通孔2aの開口部の全周(つまり上下方向および左右方向)にわたって切れ目のないものとなっており、この例では、貫通孔2aの開口部の全周にわたって概略板枠状の平面形状を有している。
筺体本体2の上面20における窓孔20aの開口部は、パッキン36を介して透光体35により閉塞されている。筺体本体2の前面側の開口部は、パッキン41を介して前側カバー4により閉塞されている。前側カバー4およびパッキン41は、取付ネジ40により、筺体本体2の前面側の開口部の合わせ面にネジ止め固定されている。同様に、筺体本体2の後面側の開口部は、パッキン51を介して後側カバー5により閉塞されている。後側カバー5およびパッキン51は、取付ネジ50により、筺体本体2の後面側の開口部の合わせ面にネジ止め固定されている。各パッキン36、41、51は、ここでは、例えばニトリルゴム製のものが用いられているが、各パッキン36、41、51を構成する材料としては、これに限定されるものではなく、その他の種類のゴムでもよく、またゴム以外の材料(例えば樹脂等)であってもよい。
筺体本体2の前面側および後面側の開口部の各合わせ面には、前後方向の貫通孔2eが形成されている。これらの貫通孔2eには、前面側からは取付ネジ40が挿入され、後面側からは取付ネジ50が挿入されるようになっている。この場合、取付ネジ40、50として、タッピンネジを用いるようにすれば、貫通孔2eにネジ加工を施す必要がなく、製造工程を簡略化できる。もちろん、貫通孔2eにネジ加工を施して、一般的な取付ネジをそのネジ孔に螺合させるようにしてもよい。図13ないし図14に示すように、各貫通孔2eの下部は切欠部2e’により一部切欠かれており、各貫通孔2eは下方に開口している。これにより、タッピンネジを各貫通孔2eにネジ込んでいく際に発生する切粉が切欠部2e’を通って下方に排出されるようになっており、その結果、発生した切粉が前面側および後面側の開口部の各合わせ面の上に介入するのを防止でき、パッキン41、51のシール性能の低下を防止できる。
筺体本体2の上面20の左右両側縁部には、上方に立ち上がりつつ前後方向に延びる一対の立壁部21が形成されており、これらの立壁部21により、パッキン36が筺体本体2の上面20上で左右方向(図13ないし図14の左右方向)に位置決めされている。パッキン36は、概略板枠状のシート状部材であって、平坦状のシート部36Aには窓孔36aが開口形成されるとともに、シート部36Aの全周(つまり前後方向および左右方向)にわたってその外周縁部には、上方に立ち上がる立壁部36bが形成されている。パッキン36を筺体本体2の上面20上に載置した際には、パッキン36の左右方向の各立壁部36bおよび筺体本体2の上面20の各立壁部21を介して、パッキン36が筺体本体2の上面20上において左右方向に位置決めされている。また、透光板35をパッキン36のシート部36A上に載置した際には、パッキン36の外周縁部の立壁部36bを介して、透光板35がパッキン36のシート部36A上において前後方向および左右方向に位置決めされている。
パッキン36のシート部36Aには、それぞれ上方および下方にわずかに突出しつつシート部36Aの全周(つまり前後方向および左右方向)にわたって切れ目なく延設された弾性突条部36p、36p’が設けられている(図13A参照)。
弾性突条部36pは、蓋体3の装着時に透光板35により加圧された際に、弾性圧縮変形するように構成されており、これにより、パッキン36が透光板35の下面35aに密着するようになっている。弾性突条部36pは、パッキン36の外周縁部に沿って略矩形状に延設されている。弾性突条部36p’は、蓋体3の装着時に筺体本体2の上面20により加圧された際に弾性圧縮変形するように構成されており、これにより、パッキン36が筺体本体2の上面20に密着するようになっている。弾性突条部36p’は、弾性突条部36pと同様に略矩形状に延びている。これらの弾性突条部36p、36p’は、パッキン36に必須の部位ではないが、これらがあることによって、パッキン36のシール性能を向上できる。
筺体本体2は、上述したように、例えばアルミニウム材料または樹脂材料の押出成形加工により成形されるが、押出成形の際には、図15中のx方向が材料の押出方向となる。このため、筺体本体2の貫通孔2a、各放熱用フィン20f、各立壁部21、各貫通孔2e、各切欠部2e’および各受入れ部2Dはいずれも押出方向のx方向に沿って延びている。
上述した筺体本体2を製作する際には、まず、筺体本体2を押出成形法により筒状に成形する。次に、筒状に成形された筺体本体2を所定の長さに切断する。次に、切断された筺体本体2の上面20に窓孔20aを貫通形成する追加工を行う。また、筺体本体2のベース面2Aに複数のネジ孔2bを追加工するとともに、筺体本体2の左右両側部に複数の貫通孔2cおよびネジ孔2dを追加工する。そして、必要に応じて、アルマイトやショットブラスト等の表面処理を施す。このようにして、筺体本体2を得る。
押出成形法を用いて得られた筺体本体2を用いて、上述した密閉構造の筺体1を組み立てる際には、まず、LED発光素子70を含む電子部品が搭載された基板7を放熱シート6を介して筺体本体2のベース面2A上に配置し、基板7を放熱シート6とともにベース面2A上に取付ネジ72によりネジ止め固定する(図11参照)。
次に、筺体本体2の前面側の開口部をパッキン41を介して前側カバー4により閉塞し、前側カバー4およびパッキン41を、取付ネジ40により筺体本体2の前面側の開口部の合わせ面にネジ止め固定する。同様に、筺体本体2の後面側の開口部をパッキン51を介して後側カバー5により閉塞し、後側カバー5およびパッキン51を、取付ネジ50により筺体本体2の後面側の開口部の合わせ面にネジ止め固定する。また、後側カバー5にリード線10を接続するとともに、パッキン51に形成された導入孔を介してリード線10の先端を筺体本体2の内部に導入して、基板7に電気的に接続する。また、隣り合う基板7同士をコネクタ71により電気的に接続する。
次に、基板7の上にリフレクターユニット8を載置し、その上に拡散シート9を載置する。そして、パッキン36を筺体本体2の上面20上に配置する(図11参照)。このとき、パッキン36は、筺体本体2の上面20上の左右の立壁部21により左右方向に位置決めされている。この状態から、パッキン36のシート部36A上に透光板35を載置する。このとき、透光板35は、パッキン36の外周縁部の立壁部36bにより前後方向および左右方向に位置決めされている(図9、図10および図13参照)。なお、ここでは、リフレクターユニット8および基板7がそれぞれ2つ設けられた例を示しているが、リフレクターユニット8および基板7は、それぞれ1つでもよく、あるいは3つ以上でもよい。1つのリフレクターユニット8および1つの基板7が、光源部品として1つのユニットを構成している。
次に、筺体本体2の両側に前面側から後面側にかけて設けられた受入れ部(ここでは前面側から後面側にかけて凹設された凹部)2Dに蓋体3の折曲部31’、32’を挿入することによって、透光板35の上に蓋体3を被せる(図11参照)。このとき、蓋体3の各ネジ孔31’a、32’aは、筺体本体2の対応する各貫通孔2cと整列している(図9参照)。この状態から、筺体本体2の下方から各貫通孔2cに挿入した各取付ネジ18を蓋体3の対応する各ネジ孔31’a、32’aに螺合させて締め付けることにより、蓋体3を筺体本体2にネジ止め固定する。
各取付ネジ18を締め付けた状態では、蓋体3の上部30が下方に付勢されることで透光板35を下方に押圧しており、透光板35の下面35aおよび筺体本体2の上面20により、パッキン36が押圧挟持されている(図9、図10参照)。その結果、筺体本体2の上面20における窓孔20aの開口部がシールされることになる(図13参照)。なお、蓋体3の上部30には、上方にわずかに突出しつつ各折曲部31、32間に突条に延びる一対のリブ30bが形成されており(図1参照)、これにより、取付ネジ18の締付けによって蓋体3の上部30が下方に付勢された際に上部30の曲げ変形が防止されている。このようにして、筺体1が組み立てられる(図1ないし図8参照)。
次に、上述のようにして組み立てられた筺体1を取付面(図示せず)に取り付ける際には、当該取付面を挿通した取付ボルト(図示せず)のネジ部を、筺体本体2の下面から筺体本体2の各ネジ孔2dに螺合させて締め付けることにより、筺体1が取付面に取り付けられることになる。
このような本実施例によれば、筺体本体2が押出成形により成形されるので、ダイカスト等のように上型および下型の双方を用意する必要がなく、金型構造を簡略化できるため、コストを低減できる。また、押出成形の場合、材料の押出方向には同一の横断面形状となるので、押出成形された筺体本体を適宜任意の長さに切断することにより、筺体の長手方向の長さを容易に変更できる。この場合、筺体の長手方向の長さを変更する際に、変更後の長さに対応した金型を新たに製作する必要がなく、コストを一層低減できる。
しかも、本実施例によれば、筺体本体2が前面から後面にかけて筒状に成形されるとともに、上面20には窓孔20aが開口形成されているので、前面および後面の各開口部は、パッキン41、51を介して前側および後側カバー4,5により確実に閉塞できるとともに、上面20の窓孔20aの開口部は、パッキン36を介して透光板35により確実に閉塞できる。これにより、筺体1の密閉性を向上できる。
さらに、本実施例によれば、筺体本体2の上面20に窓孔20aが開口形成されていることにより、筺体本体2のベース面2Aに内部部品を組み付ける際には、上面20の窓孔20aを通してベース面2Aに直接アクセスすることができるので、内部部品の組付け時の作業性を向上できる。なお、筺体本体2の上面20に窓孔20aが開口形成されていない場合、内部部品を筺体本体2の内部に組み込む際には、予め内部部品が設置されたベース板を筺体本体2の前面または後面の開口部を通して筺体本体2の内部に挿入するとともに、ベース板の挿入後、当該ベース板を筺体本体2の内部に取り付ける作業が必要になる。しかしながら、本実施例では、このようなベース板を別途設ける必要がなく、ベース板の取付作業が不要となるので、内部部品の組付け時の作業性を向上できる。また、筺体本体2の上面20に窓孔20aが開口形成されていることで、作業者が装置のメンテナンス作業時に当該窓孔を利用して内部部品にアクセスすることができる。
本実施例では、筺体本体2の上面20が窓孔20aの開口部の全周にわたって切れ目のない合わせ面を有しているので、上面20の窓孔20aの開口部をパッキン36を介して透光板35により確実に閉塞でき、これにより、筺体1の密閉性を向上できる。
本実施例では、筺体本体2の前面および後面が各開口部の全周にわたって切れ目のない合わせ面を有しているので、前面および後面の各開口部がパッキン41、51を介して前側および後側カバー4、5により確実に閉塞でき、これにより、筺体1の密閉性を向上できる。
本実施例では、パッキン36のシート部36Aが、透光板35の下面35aおよび筺体本体2の上面20との当接側にそれぞれ弾性突条部36p、36p’を有しており、これにより、パッキン36のシート部36Aが透光板35の下面35aおよび筺体本体2の上面20により押圧挟持される際には、パッキン36の各弾性突条部36p、36p’がそれぞれ弾性圧縮変形するので、パッキン36を透光板35および筺体本体2に隙間なく密着させることができ、これにより、筺体としての密閉性を向上できる。
なお、前記実施例では、パッキン36が板枠状に形成され、パッキン41、51が矩形板状に形成された例を示したが、各パッキン36,41、51はこれら以外の形状を有していてもよい。
前記実施例では、パッキン36のシート部36Aにおいて透光板35との当接側および筺体本体2の上面20との当接側の双方に弾性突条部36p、36p’を設けた例を示したが、これらの弾性突条部36p、36p’のいずれか一方(または双方)を省略することも可能である。
前記実施例では、筺体本体2の下方から挿入される取付ネジ18を用いて蓋体3を下方に付勢することにより、蓋体3および筺体本体2でパッキン36を押圧挟持するようにした例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。図16ないし図20は、本発明の第1ないし第5の変形例をそれぞれ示している。なお、これらの図において、前記実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。また、各図は、内部部品を省略した状態の筺体の横断面形状を示しており(ただし、中心線から右側部分を省略)、前記実施例の図13に対応している。
〔第1の変形例〕
図16に示す第1の変形例においては、筺体本体2’が外側方に張り出すフランジ部25を有しており、フランジ部25にネジ孔2’cが形成されている。蓋体3’を上方から挿通する取付ネジ18’のネジ部がネジ孔2’cに螺合している。また、蓋体3’の上部30’と筺体本体2’のフランジ部25との間には、透光板35’およびパッキン36’が介装されている。取付ネジ18’を締め付けると、蓋体3’の上部30’および筺体本体2’のフランジ部25の間で、透光板35’およびパッキン36’が押圧挟持されることにより、筺体1’の密閉性が維持される。なお、図16中、筺体本体2’のベース面2’A、貫通孔2’aの内壁面および上面20”の下側面により、内部部品を収容するための内部空間Sが形成されている。
〔第2の変形例〕
図17に示す第2の変形例においては、第1の変形例と同様に、筺体本体2’が外側方に張り出すフランジ部25を有しており、フランジ部25にネジ孔2’cが形成されている。蓋体3’の上部30’と筺体本体2’のフランジ部25との間には、透光板35’およびパッキン36’が介装されており、蓋体3’を上方から挿通する取付ネジ18’が透光板35’およびパッキン36’を挿通するとともに、そのネジ部がネジ孔2’cに螺合している。取付ネジ18’を締め付けると、蓋体3’の上部30’および筺体本体2’のフランジ部25の間で、透光板35’およびパッキン36’が押圧挟持されることにより、筺体1’の密閉性が維持される。なお、図17においても、第1の変形例と同様に、筺体本体2’のベース面2’A、貫通孔2’aの内壁面および上面20”の下側面により、内部部品を収容するための内部空間Sが形成されている。
〔第3の変形例〕
図18に示す第3の変形例においては、第1の変形例と同様に、筺体本体2’が外側方に張り出すフランジ部25を有している。蓋体3’の上部30’と筺体本体2’のフランジ部25との間には、透光板35’およびパッキン36’が介装されている。蓋体3’の内側折曲部31”には、ネジ孔31”aが形成されている。取付ネジ18’は、そのネジ部がネジ孔31”aに下方から螺合するとともに、ネジ部先端が筺体本体2’のフランジ部25の下面に当接している。取付ネジ18’を締め付けると、蓋体3’の上部30’および筺体本体2’のフランジ部25の間で、透光板35’およびパッキン36’が押圧挟持されることにより、筺体1’の密閉性が維持される。なお、図18においても、第1の変形例と同様に、筺体本体2’のベース面2’A、貫通孔2’aの内壁面および上面20”の下側面により、内部部品を収容するための内部空間Sが形成されている。
〔第4の変形例〕
図19に示す第4の変形例においては、筺体本体2’の下部にネジ孔2’cが形成されており、取付ネジ18’がネジ孔2’cに下方から螺合している。取付ネジ18’には、シール付きワッシャー(またはパッキン)37が装着されている。取付ネジ18’のネジ部先端にはプレート38が設けられており、プレート38と筺体本体2’の上面20’との間には、透光板35’およびパッキン36’が介装されている。取付ネジ18’を締め付けると、プレート38と筺体本体2’の上面20’の間で、透光板35’およびパッキン36’が押圧挟持されることにより、筺体1’の密閉性が維持される。筺体本体2’のベース面2’A、貫通孔2’aの内壁面および透光板35’の下面35’aにより、内部部品を収容するための内部空間Sが形成されている。
〔第5の変形例〕
図20に示す第5の変形例においては、筺体本体2’の上面20’にネジ孔2’cが形成されており、取付ネジ18’がネジ孔2’cに上方から螺合している。取付ネジ18’のネジ部先端にはプレート38が設けられており、プレート38と筺体本体2’の下部との間には、透光板35’およびパッキン36’が介装されている。取付ネジ18’を締め付けると、プレート38と筺体本体2’の下部との間で、透光板35’およびパッキン36’が押圧挟持されることにより、筺体1’の密閉性が維持される。筺体本体2’のベース面2’A、貫通孔2’aの内壁面および透光板35’の下面35’aにより、内部部品を収容するための内部空間Sが形成されている。
前記実施例および前記第1ないし第5の変形例では、本発明による密閉構造を備えた筐体がLED照明装置に適用された例を示したが、本発明の適用はこれには限定されず、本発明は、筺体内部に収容されたLEDにより各種表示を行なうLED表示装置にも適用できる。また、LED以外の発光素子(例えばEL(Electro Luminescence))や蛍光灯等の発光器具を用いた照明または表示装置にも適用できる。さらに、本発明は、照明機能や表示機能を有さず、単に密閉構造を要求されるその他の各種制御機器にも同様に適用可能である。この場合、透光板は不要となり、蓋体の窓部も不要となって、蓋体の下面がシール部を直接押圧することになる。なお、この場合においても、筺体本体の上面に窓孔が開口形成されていることで、内部部品の組付けの際には当該窓孔を通してベース面に直接アクセスすることができるので、内部部品の組付け時の作業性を向上できる点に変わりはない。
本発明は、例えばFA(ファクトリー・オートメーション)等の分野において、気密性や液密性を要求される各種制御機器の筺体に適している。
1: 筐体

2: 筺体本体
2A: ベース面
20: 上面
20a: 窓孔

3: 蓋体
31、32: 垂設部
31’、32’: 折曲部
35: 透光板
36: パッキン(第1のシール部材)

4: 前側カバー
41: パッキン(第2のシール部材)

5: 後側カバー
51: パッキン(第3のシール部材)
特開2010−92694号公報(図7参照)

Claims (3)

  1. 内部部品を収容するための筐体の密閉構造であって、
    押出成形により前面から後面にかけて筒状に成形されるとともに、窓孔が開口形成された上面と、上面と対向しかつ前記内部部品が設置されるベース面とを有する筺体本体と、
    前記窓孔の開口部を第1のシール部材を介して閉塞する蓋体と、
    前記前面および前記後面の各開口部をそれぞれ第2、第3のシール部材を介して閉塞する前側および後側カバーと、
    を備えた筐体の密閉構造。
  2. 請求項1において、
    前記蓋体が、その上面から下方にかけて垂設された垂設部に折曲部を有し、前記筺体本体が、前記前面から前記後面にかけて凹設されかつ前記蓋体の前記折曲部を受け入れる受入れ部を有しており、
    当該筺体が、前記筺体本体の前記受入れ部に配置された前記蓋体の前記折曲部を前記筺体本体の前記窓孔の前記開口部から離れる側に前記折曲部の下方から付勢することにより前記第1のシール部材を加圧する加圧手段をさらに備えるとともに、
    前記内部部品が少なくとも一つ以上のユニットを含んでおり、前記ユニットが当該筺体の外部から前記筺体本体の前記窓孔を介して当該筺体の内部に設置可能になっている、
    ことを特徴とする筺体の密閉構造。
  3. 密閉構造を有する筺体の製造方法であって、
    筺体本体を押出成形により筒状に成形し、
    筒状に成形された前記筺体本体を所定の長さに切断し、
    切断された前記筺体本体の上面に窓孔を開口形成し、
    前記窓孔の開口部を第1のシール部材を介して蓋体により閉塞し、
    前記筺体本体の前面および後面の各開口部をそれぞれ第2、第3のシール部材を介して前側および後側カバーにより閉塞するようにした、
    ことを特徴とする筺体の製造方法。
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