JP2014067708A - イオン化装置、それを有する質量分析装置あるいはそれを有する画像生成システム - Google Patents

イオン化装置、それを有する質量分析装置あるいはそれを有する画像生成システム Download PDF

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Abstract

【課題】 大気圧環境下で溶媒に溶解しにくい物質を積極的に溶解させ、高いイオン化を実現する。
【解決手段】 試料2を保持する保持台1と、保持台1に保持されている試料のイオン化する部分を決めるためのプローブ3と、レーザー光を発する照射部7と、試料がイオン化したイオンを引き出すイオン引出電極10を有するイオン化装置であり、試料の一部領域に液体を供給する液供給手段4を有し、照射部7は、試料2とプローブ3の間の液架橋部6にレーザー光を照射するように配置されており、プローブ3の液架橋部6に接している部分とイオン引出電極との間で電界を発生させる電界発生手段5、11を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は試料をイオン化するためのイオン化装置に関する。
固体試料の表面の成分分析のために固体を大気圧環境下でイオン化させる技術がある。
またイオン化技術を利用して、表面のどこにどのような物質が存在するのかを画像表示するイメージング質量分析(Imaging Mass Spectrometry:IMS)が研究されている。
非特許文献1と特許文献1には、大気圧環境下で固体表面の微小領域に溶媒を付与して溶媒に溶解した物質(溶質)をイオン化させる方法が示されている。
非特許文献1では、2本のキャピラリを用いることが示されている。2本のキャピラリは互いの端部が非常に近い位置に位置決めされている。一方のキャピラリからは溶媒が供給され、他方のキャピラリは固体からの溶質を有する溶媒(溶液)をイオン化部分まで移動させる。
イオン化部分において溶媒に高電圧が印加され、上述の他方のキャピラリの端部で溶質はイオン化される。
特許文献1では、二重管構造を有するキャピラリを用いる。外側の管と内側の管の間からキャピラリ端部に溶媒が放出される。内側の管は陰圧になっており、放出され溶質を溶解した溶媒(溶液)を吸引することができる。このキャピラリを試料表面に近接し、試料の表面にレーザー光を照射し、脱離した物質をキャピラリ端部の液体に溶解させることができる。溶質を溶解した溶媒は内側の管を移動して質量分析装置へ導入される。
非特許文献1は大気圧環境下でイオン化がされるものの、溶媒に溶解しやすい物質しか溶質として溶媒に溶解できず、改善の余地がある。一方、特許文献1は試料にレーザー光を照射することで、溶媒に溶解しにしにくい物質も溶媒に溶解させることができるが、物質を溶媒に取り込む工程(サンプリング行程)と、イオン化が発生する工程(イオン化工程)の場所が分離されており、またサンプリング行程とイオン化工程の間に時差が発生し、高速に分析を行うことが困難であった。
本発明は大気圧環境下で溶媒に溶解しにくい物質を積極的に溶解させ、高いイオン化効率を実現するものである。
よって本発明は、
試料を保持する保持台と、前記保持台に保持されている前記試料のイオン化する部分を決めるためのプローブと、レーザー光を発する照射部と、前記試料がイオン化したイオンを引き出すイオン引出電極を有するイオン化装置において、
前記試料の一部領域に液体を供給する液供給手段を有し、
前記照射部は、前記試料とプローブの間の液架橋部に、レーザー光を照射する位置に配
置されており、
前記プローブの前記液架橋部に接している部分と前記イオン引出電極との間で電界を発生させる電界発生手段を有することを特徴とするイオン化装置を提供する。
本発明により、大気圧環境下でイオン化に優れたイオン分析装置を提供することができる。また本発明のイオン分析装置はレーザー光を液架橋部に照射するので、試料の溶媒に溶解しにくい物質(溶質)を溶解しやすくすることができるか、溶解している溶質に光化学反応を生じさせることができるかの少なくともいずれか一方が可能となる。
第一の実施の形態に係るイオン化装置を有する画像作成システムを示す模式図である。 第二の実施の形態に係るイオン化装置を有する画像作成システムを示す模式図である。 第一の実施の形態に係るイオン化装置のレーザー光の照射と電圧の印可のタイミングを示す模式図である。 第二の実施の形態に係るイオン化装置のレーザー光の照射と電圧の印可のタイミングを示す模式図である。 本発明に係るイオン化装置の同期回路を示す模式図である。
(第一の実施の形態)
本発明の第一の実施の形態に係るイオン化装置は、試料に溶媒を供給する液供給手段と、液架橋を試料との間で形成するプローブと、レーザー光が液架橋部に照射されるように照射部が配置されている装置である。
図1は本発明の第一の実施の形態に係るイオン化装置を有する画像作成システムを示す模式図である。
試料2は保持台1に載置され保持される。試料は生体組織の切片(細胞群)である。プローブ3は針状でその端部が試料に接触あるいは図示するように極めて近い位置に配置されている。プローブはその内側に流路を有し(不図示)、流路を介して試料面に溶媒を供給する。溶媒は試料に含まれる物質を溶質として溶解できる液体であり、溶質が溶解した溶媒を溶液と以下で呼ぶ。溶媒は、水と有機溶媒の混合物であるとよく、酸および塩基の少なくともいずれかがさらに混合されているとよいが、水あるいは有機溶媒のみでも良い。溶媒であるこの混合物が試料に触れることで、試料に含まれる溶媒に溶解しやすい物質(脂質と糖類と平均分子量が20以上1億未満の分子の少なくともいずれか)が容易に溶解し、溶媒である液体が溶液へ変化する。
ここで溶解とは、溶媒中に分子、原子、微小な粒子が分散している状態のことを指す。溶解しやすい物質の例として、細胞膜を構成する脂質分子や、細胞内に含まれる糖や浮遊するタンパク質があげられ、溶解しにくい物質の例として、細胞骨格を形成するタンパク質や細胞骨格にアンカリングしているタンパク質があげられる。
溶媒は液供給手段4からプローブ3へ連続して供給されるが、その際電圧印加手段5により電圧が印加される。プローブ3に供給された溶媒はプローブ端部と試料2との間で液架橋6を形成する。液架橋とは、プローブと試料とを架橋する状態の液体のことである。これは、表面張力等を利用している。液架橋が形成されると、液体内に試料表面の物質が溶解される。液架橋は大気圧環境下で形成される。液架橋の体積は微量でおよそ1×10−12程度である。そしてこの液架橋の、試料の面内方向における面積はおよそ1×10−8程度の面積である。すなわち液架橋は試料面内の一部領域に配置される。
レーザー光を発する照射部7は、レーザー光が液架橋にあたるように光源が配置されている。液架橋にレーザー光が照射される領域を液架橋部と定義する。液架橋部は、液架橋の一部分であってもよいし、液架橋全体を持って液架橋部とするものであっても良い。
照射部は試料面側、すなわち保持台の試料が保持される側に配置されている。保持台1は振動手段16を有しており、振動手段16によって液架橋6は振動する。
レーザー光の集光位置を確認する方法として、照射部7に照射位置を観察するためのカメラが内蔵されていてもよい。このことにより、集光位置からの光をカメラで観察し、液架橋部とレーザー光の集光位置が重なるように、照射部7またはプローブの位置を調整することで、レーザー光を効率的に液架橋部に照射することができる。液架橋部を観察する場合にはレーザー光の出射を停止するか、レーザー光の波長域を透過しない光学フィルターを使用することが望ましい。またレーザー光の集光位置を観察する場合には、レーザー光の波長域を透過する光学フィルターを用いることが望ましい。照射部7またはプローブの位置の調整には、ステッピングモータなどの位置決め装置を利用することが望ましく、これらを照射部7またはプローブの支持部に接続することができる。
試料面内におけるレーザー光のスポットサイズはおよそ1×10−12以上の面積である。スポットサイズはレーザー光集光用レンズ(不図示)により任意に変えることができ、上記液架橋部の面積よりも大きくすることができる。また、レーザー光をパルス駆動する駆動手段を有することが好ましく、レーザー光はパルス幅がフェムト秒からナノ秒程度のパルス光で、10J/m以上のパワーのものを用いるとよい。レーザー光の波長は紫外領域でも、可視領域でも、赤外領域のいずれでもよい。
プローブの先端にテイラーコーン8を生じさせるために、イオン引出電極10とそれに電圧を印加させるための電圧印加手段11が配置されている。プローブ3に付着する液体とイオン引出電極10の間の高い電位差(1kV以上10kV以下、より好ましくは3以上5kV以下)により、液体がテイラーコーンを形成し、イオン引き込み口に向かって錐状に伸びた形状をしている。テイラーコーン先端において、帯電した液体がテイラーコーンから引きちぎられ、過剰に帯電した液滴9となり、イオン引出電極へスプレーされる。この液体は溶媒に試料に含まれる物質が溶質として溶解している。
液滴9に含まれる物質は質量分析装置においてイオン化した状態で導入される。質量分析装置は質量電荷比を計測する。なおテイラーコーンが形成されること、帯電液滴がスプレーされること、イオン化することの一連を総称して以降ではエレクトロスプレーイオン化と呼ぶ。
液架橋6とテイラーコーン8は連続している。物質はエレクトロスプレーイオン化が行われている場合にも液架橋に溶解する。帯電液体は連続的にプローブに供給され、連続的にスプレーが生じる。液架橋の形成と物質のイオン化が同一プローブで行われる。
本実施形態のように、レーザー光が液架橋部に照射されることで、溶媒である水と有機溶媒と酸または塩基を有する混合物に、溶解しにくい溶質が多く溶解される。そのためテイラーコーン8には溶媒に容易に溶解する溶質と溶解しにくい溶質とが溶解している。
本実施形態では溶解しにくい物質を溶媒に溶解させるためにレーザー光を用いているが、本発明に係るイオン化装置のレーザー光は、溶質にレーザー光をあてて光化学反応させた後に、イオン化するために用いられてもよい。より具体的には光触媒反応、光切断反応や光吸収反応を利用する。本実施形態ではレーザー光が照射された液架橋を構成する液体は速やかにエレクトロスプレーイオン化されるため、例えば寿命時間が1ミリ秒以下と短い物質(ラジカル分子・反応中間体)の分析を行うことができる。
イオン引出電極は導電部材を有し電圧印加手段11と接続しており電圧印加手段11により所定の電圧が印加される。イオン引出電極はテイラーコーンから離脱する液滴に含まれるイオンを引き込む流路を構成する構造体で、例えば円筒である。イオン引出電極には不図示のポンプが接続されており、イオンは外部環境、すなわち気体と共にイオン引出電極に引き寄せられる。イオンは液滴の状態あるいは気相の状態のどちらでも引出電極を通過する。そして質量分析手段12においては、イオンは気相の状態で飛行する。質量分析手段12はTOF法(Time of Flight法)を利用した飛行時間型質量分析手段である。イオンは質量分析手段12が有する真空の飛行空間を飛行することで質量が分析される。
ここで、溶媒への電圧の印可を断続的に行うことにより、エレクトロスプレーの発生を断続的に行うことができる。このことにより、電圧印可により変質を受ける物質への、電圧印可時間を最小限にとどめ、物質をイオン化できるようになる。
すなわち、本実施形態に係るイオン化装置を用いることで、試料表面に配置された液体によってプローブと前記試料が前記液体で架橋された液架橋部を形成する工程と、該液架橋部にレーザー光を照射する工程と、前記プローブに付着した液体を飛翔させ、イオン化した物質を質量分析する工程と、を実施することができ、これにより大気圧環境下でイオン化に優れた、すなわち高感度の試料分析が可能となる。
第一の実施の形態に係る画像作成システムは、質量分析装置と、画像情報形成装置を有する。質量分析装置はイオン化部と質量分析部12を有する。イオン化部は保持台1、プローブ3、照射部7、イオン引出電極10、液供給手段4、電界発生手段5、11を有するイオン化装置である。
上述するように液架橋6は試料2の面内の極めて狭い領域に配置される。試料の面内のより広い範囲を分析するために、試料2を面内方向に走査させる移動手段13を有している。移動手段13は分析位置特定手段14と接続されており、分析位置特定手段14は質量分析手段12と接続している。分析位置特定手段14は質量分析装置12が分析するべき領域を位置情報として特定し、その位置の溶質が液架橋に含まれそしてテイラーコーン8に含まれるように保持台1を移動させる。質量分析結果は、質量分析部12によって質量スペクトルデータなどの質量情報として得られる。分析位置特定手段14は特定位置における分析対象物質の質量分析結果に基づいて画像表示するための画像情報を形成する画像形成部を有する画像情報作成装置である。画像情報は二次元画像でも三次元画像でもよい。分析位置特定手段14の出力部(不図示)から出力された画像情報は分析位置特定手段と接続するフラットパネルディスプレイなどの画像表示手段15に送られる。画像情報は画像表示手段15に入力され、画像として表示する。このように、試料の特定位置に対応した質量分析結果に基づき、特定位置を面内で変えてそれぞれの位置で質量分析することで、試料の質量分析結果を画像として表示することができる。すなわち、分析された質量情報と試料における位置情報とから試料に含まれる物質の成分の分布を画像表示する。質量分析結果により、液架橋に溶解した溶質の成分を知ることができる。画像は生体組織切片中の所定の成分がマッピングされる(重畳表示される)。表示される成分は位置だけでなくその量も表示され、量は色であるいは明るさでその違いが表示される。また、試料2の予め取得した顕微鏡画像と、取得した試料2の質量に関する画像とを重ね合わせて表示することもできる。
分析位置特定手段14は振動手段16と接続している。溶媒に溶解しにくい溶質をより溶解させるために本実施形態はレーザー光と振動を組み合わせて用いている。
振動手段は、前記プローブと前記試料の相対的距離を周期的に変化させる手段であり、互いに近づけたり離れたりすることで試料のイオン化効率をより高めることができるようになる。
移動手段13は、試料におけるプローブとの間に液架橋が形成される位置、およびレーザー光が照射される照射位置を相対的に移動させることができる手段であれば良い。
図1のように照射部およびプローブの空間配置を固定した状態とし、移動機構により試料の保持台1を移動させる構成や、試料は固定された状態とし、照射部およびプローブを移動させる手段を設ける構成も挙げられる。いずれの構成においても、照射部およびプローブの位置関係を保持したまま、すなわち固定されている状態で試料の分析位置を移動させることができる構成が好ましい。
本実施形態に係るイオン化装置は試料に生体組織切片を用いて、溶媒に水と有機溶媒と酸または塩基とを有する混合物、容易に溶解する溶質として脂質と糖類と平均分子量が20以上1億未満の分子の少なくともいずれか、溶解しにくい溶質として平均分子量が20以上1億未満の高分子を挙げたが、本発明に係るイオン化装置はその他の試料、溶媒、溶質の組み合わせにも適用できる。例えば溶媒の場合、水と有機溶媒と酸または塩基の比率を変えることができる。比率は例えばどれかが0すなわち含まれなくてもよい。比率を変えることで、試料が有する水溶性分子と脂溶性分子の、混合物に対する溶解度を変化させ、所望の分子のイオン化を優先させることもできる。
本実施形態に係るイオン化装置は、電圧印加手段5が溶媒に電圧を印加する形態であるが、これはプローブ3が絶縁体である場合が好ましい。また本発明に係るイオン化装置は、電圧印加手段5がプローブ3に電圧を印加し、その結果溶媒に電圧が印加される形態でもよい。この場合、プローブ3が導電体で、溶媒がその導電体に触れるように構成されていることが好ましい。
本実施形態に係るイオン化装置は、プローブ3が内部に流路を有し、流路に溶媒が流れる構成であるが、本発明に係るイオン化装置は、液体供給手段4から液滴がプローブ3に供給され、プローブ3を伝ってプローブ3先端で液架橋を形成する構成でもよい。
本実施形態に係るイオン化装置は、プローブ3が内部に流路を有する構成であるが、本発明に係るイオン化装置は、流路を複数有し、各流路が互いに異なる溶媒を流すために設けられている構成でもよい。この場合異なる溶媒には異なる電圧を印加する手段を有してもよい。
本実施形態に係るイオン化装置は、イオン引出電極10とそれに電圧を印加させるための電圧印加手段11とが接続された形態であるが、この場合イオン引出電極10は導電性部材を有しており、そこが電圧印加手段11と接続している構成が好ましい。
一方で本発明に係るイオン化装置は、イオン引出電極10が絶縁部材で、イオン引出電極10のプローブ3に近い端部に導電部材を配置し、電圧印加手段11がその導電部材に接続し、高電界をテイラーコーン8や液滴9や気相イオンに与える形態でもよい。
本実施形態に係るイオン引出電極には、不図示のポンプが設けられているが、ポンプを停止し、電界による引き寄せ効果のみを利用することで、イオンを質量分析装置に取り込むこともできる。
本実施形態に係るイオン化装置は、照射部7を保持台の試料を保持する側に配置している形態であるが、本発明に係るイオン化装置は、試料1のプローブ3と向き合う側の面に対して裏面側に照射部7を配置する構成でもよい。この場合レーザー光は試料を透過して液架橋部を照射する。この場合保持台は試料の端に設けられ、レーザー光の光路上には設けられていない構成でもよい。あるいはレーザー光の進行を妨げない光透過部材であってもよい。
本実施形態に係るイオン化装置は、飛行時間型質量分析装置に用いるほかに、四重極型質量分析計や磁場偏向型質量分析計、イオントラップ型質量分析計、イオンサイクロトロン型質量分析計のイオン発生部として用いてもよい。
本実施形態に係るイオン化装置は、大気圧環境下で架橋部を形成し、物質をイオン化させているが、大気圧とは標準大気圧の101325Paの0.1倍から10倍の範囲である。また環境は通常の室内と同じ雰囲気下でもよく、あるいは窒素雰囲気下、あるいはアルゴン雰囲気下のような不活性ガス雰囲気下でもよい。
本実施形態にかかるイオン化装置は、プローブ内部の流路に溶媒を、一様な流量で連続的に流す構成であるが、溶媒の流量(流速)を制御してもよい。すなわち、流量の増減を任意の値で設定することができる。このことにより、被溶解物質が多い場合には流量を増やし、少ない場合には流量を減らすことで、液架橋に溶解する物質の濃度の変動を抑え、試料物質を効率的にイオン化することができる。また、流量を増減することで液架橋の大きさを増減することが可能である。液架橋のサイズはイオン化領域のサイズと対応するため、質量画像の空間分解能と相関することになる。液架橋のサイズが小さいと空間分解能は向上する一方で、計測領域の数が増加するため、総計測時間が増加する。すなわち、流量を増減することで、総計測時間を変化することが可能になる。例えば、まずは低い空間分解能で質量画像を取得したのちに、特定の箇所を決定し、さらに高い空間分解能で精密に質量画像を取得することができる。
本実施形態にかかるイオン化装置は、液架橋へのレーザー光の照射のタイミングは、液架橋に連続的に行われる構成であるが、任意の時間に断続的に照射してもよい。すなわち、液架橋へのレーザー光の照射を一定時間内で行った後に、一定時間停止する形態でもよい。例えば、レーザー光により分解されやすい物質とされない物質が共存する試料において、分解されやすい物質がイオン化する時間はレーザー光の照射を停止し、分解されない物質がイオン化する時間にレーザー光を照射することで、イオン化効率を向上させることができる。
本実施形態にかかるイオン化装置は、イオン引出電極の電圧印可が定常的に行われるが、レーザー光の照射のタイミングと、イオン引出電極への電圧印可のタイミングを任意の値に調整してもよい。例えば、レーザー光の照射開始直後に電圧印可を一定期間実施する。このことにより、レーザー光が照射されていない期間に発生する不要なイオンを検出することがなくなり、レーザー光が照射された直後に発生するイオンを効率的に回収することができるようになる(図3)。
(第二の実施の形態)
本発明の第二の実施の形態に係るイオン化装置は、プローブ3がその端部を振動する形態である。それ以外は第一の実施の形態を同じである。
図2は本実施の形態に係るイオン化装置の模式図である。
本実施形態に係るイオン化装置は振動手段27が保持台1ではなくプローブ3に設けられている。振動手段27は電圧印可手段28と接続し、且つ分析位置特定手段14と接続している。プローブ3は手段27により図中矢印が示すように振動する。
振動手段27は圧電素子やモーター素子等であり、プローブ3を振動させる。プローブ3の振動の振れ幅は数十ナノメートルから数百mメートル程度、周波数は10Hz以上1MHz程度である。
プローブ3は連続的に振動し、振動中に試料2と接している場合にはプローブ3と試料2との間で液架橋が形成される。そしてプローブが振動中に試料2から離れている場合、液架橋は形成されず、テイラーコーン8が生じ液滴9がスプレーされる。すなわちプローブ3と試料2が近づいたり離れたりすることで液架橋の形成と液滴9の発生を分離して実施することができる。
そしてプローブ3が振動中に試料2と接している場合には液架橋部にレーザーが照射され、そしてプローブが振動中に試料2から離れて液架橋部が形成されていない場合は液架橋が存在していないのでレーザーは液架橋部を照射しない。
このようにプローブが振動することでプローブと試料の接触時間が減るので、プローブと試料との相対的移動(試料面内方向における走査方向の相対移動)にともなうプローブによる試料への破壊を防止できる。また、液架橋の形成時間を短縮することで、液架橋のサイズを抑制し、イオン化を発生する空間的なサイズを小さくすることができる。
本実施形態に係るイオン化装置は、振動手段がプローブを振動するが、振動手段を設けずにプローブの自発的な共振を利用してもよい。例えばプローブのサイズ、材質、流路サイズ、印加電圧の大きさ、溶媒の流量を以下のようにすると可能であると考える。
プローブのサイズ : 長さ10マイクロメートル〜100ミリメートル
材質 : ガラス、ステンレス、シリコン、PMMA
流路サイズ : 流路断面積1平方マイクロメートル〜1平方ミリメートル
印加電圧の大きさ : 0ボルト〜10kボルト
溶媒の流量 : 毎分1ナノリットル〜毎分100マイクロリットル
本実施形態に係るイオン化装置は、振動手段が連続的に振動するが、本発明に係るイオン化装置は、イオン化した物質の質量分析ができれば振動手段が断続的に振動してもよい。断続的とは振動している状態と停止している状態が繰り返す場合や、振動時のプローブの振れ幅および/または周期が繰り返して変化する状態を示す。
また振動手段に設定する振動周波数は、共振周波数でも非共振周波数でもどちらでもよい。
本実施形態に係るイオン化装置は、プローブ先端部が試料2とイオン引出電極10との間で振動するが、本発明に係るイオン化装置は、プローブをそれ以外に回転運動させてもよい。プローブを回転運動させる場合、直交しあう二軸方向の任意の振動をプローブに与えればよい。この場合プローブの振動は2つの正弦波の合波となる。
本実施形態に係るイオン化装置は、液供給手段が溶媒を連続してプローブと試料の間に供給するが、本発明に係るイオン化装置は、液供給手段が溶媒を、プローブと試料が近づいている(接している)場合にプローブと試料の間に供給し、プローブと試料が離れている場合に供給を止める、すなわち溶媒の供給とプローブの振動を同期させてもよい。
本実施形態に係るイオン化装置の、プローブの振動は複数の方法を用いて検出することができる。例えばレーザー光をプローブの側面に照射し、反射光の変位を検出する方法や、プローブに振動検出用電気素子を接続し、素子の電気抵抗の変化からプローブのひずみを検出する方法や、プローブに磁性体を接続し、プローブに近接させたコイルに流れる誘導電流の変化を検出する方法が挙げられる。
本実施形態にかかるイオン化装置は、液架橋へのレーザー光の照射のタイミングは、液架橋が形成されているタイミングで行われる構成であるが、任意の時間に断続的に照射してもよい。すなわち、液架橋へのレーザー光の照射を一定時間内で行った後に、一定時間停止する形態でもよい。例えば、レーザー光により分解されやすい物質とされない物質が共存する試料において、分解されやすい物質がイオン化する時間はレーザー光の照射を停止し、分解されない物質がイオン化する時間にレーザー光を照射することで、イオン化効率を向上させることができる。このためには、レーザー光の照射回数が、液架橋の形成回数のうち任意の回数になるようにしてもよい。例えば、10回液架橋が形成される期間のうち、任意のタイミングでレーザー光を5回照射するなど、一定の期間において、液架橋の形成とレーザー光の照射が同時に行われる回数と、液架橋の形成のみが行われる回数をそれぞれ任意の値に設定することもできる。
本実施形態にかかるイオン化装置において、液架橋の形成とレーザー光の照射のタイミングを同期させるためには、プローブの振動の周波数および位相と、レーザー光の制御信号の周波数および位相を調整することで行われる。プローブの振動をモニタした信号と、レーザー光の照射タイミングを制御する信号を、同期回路で同期することが望ましい。
本実施形態にかかるイオン化装置は、イオン引出電極の電圧印可が定常的に行われるが、プローブの振動のタイミングと、イオン引出電極への電圧印可のタイミングを同期させてもよい。このことにより、液架橋が形成されている期間に発生する不要なイオンを検出することがなくなり、得られる計測データのノイズを軽減することが可能になる。これに加えて、先述のプローブの振動のタイミングと、レーザー光の照射のタイミングの同期を合わせて実施してもよい(図4)。
液架橋の形成、レーザー光の照射、およびイオン引出電極の電圧印可のタイミングを同期させるためには、プローブの振動、レーザー光の制御信号、電圧印可制御信号の周波数および位相を調整することで行われる。各々の信号を同期回路で同期することが望ましい。
本実施形態に係るイオン化装置においては、プローブの振動のタイミング、レーザー光の照射のタイミング、イオン引出電極の電圧印加、プローブの印可電圧、試料ステージの移動のタイミング、データの取得と保存を正確に調整することが必要である。そのための同期回路の実施形態を図5に示す。
本実施形態の装置は、基準クロックを発生させる基準クロック発生回路101、プローブの振動を制御する制御信号を生成するプローブ振動制御信号生成回路102、振動を付与する振動付与部103、プローブ104、振動を検出する振動検出装置105、光源を制御する制御信号を生成する光源制御信号生成回路106、光源107、イオン引出電極の電圧を制御する制御信号を生成する引出電極電圧制御信号生成回路108、イオン引出電極109、プローブの電圧を制御する制御信号を生成するプローブ電圧制御信号生成回路110、試料ステージの位置を制御する試料ステージ制御回路111、試料ステージ112、イオン計測器ゲート信号生成回路113、データ取得装置114で構成される。データ取得装置114は、イオン数計測器115、一次メモリ116、データフィルタ117、ストレージ118から構成される。
ここでは一例として、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(application specific integrated circuit)を使用した場合を述べる。これらを用いることで、複数の制御回路(基準クロック発生回路101、プローブ振動制御信号生成回路102、光源制御信号生成回路106、引出電極電圧制御信号生成回路108、プローブ電圧制御信号生成回路110、試料ステージ制御回路111)を集積回路上に実装し、それらの制御タイミングを高速かつ正確に調整することが可能になる。
プローブ振動制御信号生成回路102、光源制御信号生成回路106、およびに引出電極電圧制御信号生成回路108、プローブ電圧制御信号生成回路110、および試料ステージ制御回路111、イオン計測器トリガ信号生成回路113において、各々の電圧信号が生成され、振動付与部103、光源107、イオン引出電極109、プローブ104、試料ステージ112、イオン計測器115へ出力される。この電圧信号は三角波、矩形波、サイン波、コサイン波のいずれかである。
まず、プローブ振動制御信号生成回路102では、プローブの実際の振動を検出することで得られる電圧信号と、基準クロックに基づいて生成される電圧信号との間の位相差をゼロにするために、フィードバック回路が構成されており、この回路が駆動することで、一定の周波数でプローブを振動することができる。実際のプローブ104の振動の検出には、振動検出装置105が用いられ、105の出力信号は102のフィードバック回路へ入力される。このような駆動機構はPLL(Phase Locked Loop)として知られている。PLL用の回路内部に遅延補償回路を設けることによって、基準信号に対して任意の遅延時間をもつ電圧信号を生成することもできる。
105の出力信号は、106、108、110、111、113にも入力される。入力された電圧信号のうち、プローブが液架橋を形成しているタイミング、プローブ先端部分でイオン化が発生しているタイミング、液架橋とイオン化の間のタイミングといった、特定の時間を抽出し、その期間内で、各々の回路と接続されている装置の駆動が制御される。例えば、図4のプローブの変位の信号が、振動検出装置105の出力信号であり、これが106、108、110、111に入力された場合に、特定の電圧の閾値を設定し、閾値よりも小さい電圧である期間を液架橋の形成タイミングとして設定することや、閾値よりも大きい電圧である期間をイオン化が発生しているタイミングとして設定することができる。このようにして決定されるタイミングと同期するように、プローブ104の電圧印可のタイミング、光源107の光照射タイミング、イオン引出電極109の電圧印可のタイミング、試料ステージ112の移動タイミングが制御される。また、基準クロック発生回路からの信号を用いることで、プローブ104の電圧印可のタイミング、光源107の光照射タイミング、イオン引出電極109の電圧印可のタイミング、試料ステージ112の移動タイミングを定量的に計測および制御することも可能になる。
イオン数計測器ゲート信号生成回路113で生成される出力信号は、イオン数計測器115のゲート電圧信号として入力される。イオン数計測器は通常、質量分析装置のトリガ信号を断続的に受信し、トリガ信号受信後に、質量分析装置の検出器に到達したイオン数を計測するように動作する。トリガ信号は、質量分析装置のイオン分離部の構成により異なる。本実施形態においては、質量分析装置として、四重極型質量分析計、飛行時間型質量分析計、磁場偏向型質量分析計、イオントラップ型質量分析計などを用いることができ、質量分析ごとに特定のタイミングをトリガ信号として用いることができる。
例えば、四重極型質量分析計では四重極電極への高周波電圧の印加を開始する時のタイミングを示す信号を、飛行時間型質量分析計では、イオンの飛行時間を計測する装置のイオンを加速するためのパルス電圧を印加する時のタイミングを示す信号を、磁場偏向型質量分析計では、セクタ型電極への磁場の印加を開始するタイミングを示す信号を、イオントラップ型質量分析計では、イオントラップへイオンを導入するタイミングを示す信号を、それぞれトリガ信号として用いることができる。一般的には、飛行時間型質量分析計のパルス電圧の周波数はおよそ数キロ〜数十キロヘルツ程度、イオントラップ型質量分析計のイオン取込みの周波数は数十から数キロヘルツ程度であり、プローブの振動周波数よりも高いことが多い。
本実施形態では、プローブ先端部分でイオン化が発生しているタイミングに同期するように、ゲート電圧信号が出力される。ゲート信号が出力されている期間に対応して、イオン数計測器115が動作するように設定されている。ここでゲート信号は正電圧・負電圧・0ボルトのいずれかであり、イオン計測器により異なる。プローブからイオンが発生している時間のみイオン数計測器を動作することができるため、液架橋が形成されている間、および液架橋が形成されてからイオン化が発生するまでの間のノイズ信号を計測することが無くなり、計測データの信号に含まれるノイズ信号を減少することができるようになる。
次に、イオン数計測器115からの電圧信号をデジタルデータとして収録する方法を述べる。イオン数計測器115からの信号はアナログ/デジタル変換を経て、一次メモリ116に一定時間保存される。計測すべきイオン種に対応した計測データを選別し、HDDやSSDなどのストレージ118に保存する。このデータを選別する工程はデータフィルタ117内でプログラム的に処理された後に、新しいデータがメモリに上書きされる。データを選別した後にストレージに保存することで、データの総量を削減することができ、事前に計測対象のイオンが決まっている場合には適用することができる。一方、未知のイオンの検出を行う場合には、イオン数計測器115で得られた全データをストレージ118に保存することもできる。
被計測対象物の広範囲を計測する際には、試料ステージを移動させることが必要である。試料ステージ制御回路111は基準クロックに基づいて、試料ステージの位置を制御するための信号を生成し、試料ステージ112に出力する。この際に、振動検出装置105からの信号に基づいて、プローブ先端部分でイオン化が発生しているタイミング、および特定の時間内のイオン化の回数を計測することで、試料位置ごとのイオン化の回数を定量的にそろえることができる。試料ステージを移動させながら、上記データの取得と保存の工程を連続的に実施することもできる。このことにより、計測対象物の二次元データを連続的に保存することができる。
以上、各々の信号生成回路が、閾値に対する出力信号をそれぞれ生成する場合を述べたが、この形態に限るものではなく、共通の信号生成回路を別途設け、105の信号に対する特定の時間を抽出し、この時間に対応する電圧信号を、各々の信号生成回路106、108、110、111、113に入力してもよい。
また、実施形態はプローブが振動している場合の同期方法をしめすものであるが、プローブが停止している場合には、プローブの振動に関するプローブ振動制御信号生成回路102、振動付与装置103、振動検出装置105を停止し、各々の制御回路には基準クロック発生回路101からの信号を用いて各種制御信号を生成すればよい。
1 保持台
2 試料
3 プローブ
4 液供給手段
5、11 電界発生手段
6 液架橋
7 照射部
8 テイラーコーン
9 液滴
10 イオン引出電極
12 質量分析手段
13 移動手段
14 分析位置特定手段
15 画像表示手段

Claims (15)

  1. 試料を保持する保持台と、前記保持台に保持されている前記試料のイオン化する部分を決めるためのプローブと、レーザー光を発する照射部と、前記試料がイオン化したイオンを引き出すイオン引出電極を有するイオン化装置であって、
    前記試料の一部領域に液体を供給する液供給手段を有し、
    前記照射部は、前記試料とプローブの間の液架橋部にレーザー光を照射するように配置されており、前記プローブの前記液架橋部に接している部分と前記イオン引出電極との間で電界を発生させる電界発生手段を有することを特徴とするイオン化装置。
  2. 前記プローブと前記試料の相対的距離を周期的に変化させる振動手段を有し、
    前記プローブと前記試料とが離れていることで前記液架橋部が形成されていない場合は、前記プローブあるいは前記試料にある前記液体にレーザー光は照射されず、
    前記プローブと前記試料とが近づいていて前記液架橋部が形成されている場合は、
    前記液架橋部に前記レーザー光が照射されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のイオン化装置。
  3. 前記レーザー光をパルス駆動する駆動手段を有することを特徴とする請求項1あるいは2に記載のイオン化装置。
  4. 前記試料における前記液架橋部の位置を相対的に移動させる移動手段を有する請求項1から3のいずれかに記載のイオン化装置。
  5. 前記移動手段が、前記保持台を移動させる手段である請求項4に記載のイオン化装置。
  6. 前記移動手段が、前記照射部および前記プローブの位置関係を保持したまま前記試料を相対的に移動させる手段である請求項4に記載のイオン化装置。
  7. 前記レーザー光の照射のタイミングを、前記試料もしくはプローブの振動のタイミングと同期させるための同期回路を有する請求項1から6のいずれかに記載のイオン化装置。
  8. 前記レーザー光の照射のタイミングを、前記液架橋部に接している部分と前記イオン引出電極への電界を発生するタイミングと同期させるための同期回路を有する請求項1から7のいずれかに記載のイオン化装置。
  9. 前記レーザー光の照射のタイミングを、前記イオン化装置に接続するイオン数計測器の動作タイミングと同期させるための同期回路を有する請求項1から8のいずれかに記載のイオン化装置。
  10. 前記レーザー光の照射のタイミングを、前記イオン化装置のイオン引出電極への電圧の印加のタイミングと同期させるための同期回路を有する請求項1から9のいずれかに記載のイオン化装置。
  11. イオン化部に請求項1乃至10のいずれか一項に記載のイオン化装置を有し、前記イオンの質量電荷比を分析する質量分析部を有する質量分析装置。
  12. 請求項11に記載の質量分析装置と、
    前記質量分析装置によって分析された質量情報と前記試料表面における前記領域の位置情報とから試料に含まれる物質の成分の分布を画像表示するための画像情報を作成する画像形成部と前記画像情報を表示装置に出力する出力部とを有する画像情報作成装置と、
    を有する画像作成システム。
  13. 試料の分析方法であって、
    試料表面に配置された液体によってプローブと前記試料が前記液体で架橋された液架橋部を形成する工程と、該液架橋部にレーザー光を照射する工程と、
    前記プローブに付着した液体を飛翔させ、イオン化した物質を質量分析する工程と、
    を有することを特徴とする試料の分析方法。
  14. 前記試料表面に対して前記プローブを相対的に移動させる工程を有する請求項13に記載の分析方法。
  15. 前記試料における複数の位置の前記質量分析の情報により、質量分析画像を取得する請求項14に記載の分析方法。
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