JP2014067587A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性に優れ、高容量な非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】負極活物質を有する負極と、非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、前記負極活物質は、SiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化ケイ素を有し、前記非水電解質は、フッ化リチウムを有することを特徴とする。好ましくは、フッ化リチウムの含有量は、非水電解質の質量に対して、0.1〜5.0質量%、酸化ケイ素の含有量は、負極活物質の質量に対して、1.0〜20質量%、酸化ケイ素の平均粒径は、1.0〜20μmとする。
【選択図】なし
【解決手段】負極活物質を有する負極と、非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、前記負極活物質は、SiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化ケイ素を有し、前記非水電解質は、フッ化リチウムを有することを特徴とする。好ましくは、フッ化リチウムの含有量は、非水電解質の質量に対して、0.1〜5.0質量%、酸化ケイ素の含有量は、負極活物質の質量に対して、1.0〜20質量%、酸化ケイ素の平均粒径は、1.0〜20μmとする。
【選択図】なし
Description
本発明は非水電解質二次電池に関し、詳しくは非水電解質二次電池の安全性の向上に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、タブレット型コンピュータ等の移動情報端末の高機能化、小型軽量化が急速に進展している。これらの端末の駆動電源として、高いエネルギー密度を有し、高容量である非水電解質二次電池が広く利用されている。
非水電解質二次電池は、可燃性の有機溶媒を使用しており、過充電等の異常時における安全性を十分に確保する必要がある。
ここで、非水電解質二次電池に関する技術としては、下記特許文献1〜3がある。
特許文献1は、環状エーテルおよび鎖状エーテルと、六フッ化リン酸リチウム等のルイス酸性塩と、LiF等のハロゲン化リチウムと、を含む非水電解液を用いる技術を開示している。この技術によると、長期保存後の重負荷特性を向上できるとされる。
特許文献2は、充放電した時、負極表面にLiFを含むSEI皮膜が形成される技術を開示している。この技術によると、改善された寿命特性を有する高容量リチウム二次電池を提供できるとされる。
特許文献3は、粒子状のコバルト酸リチウムの表面にメカノケミカル法によりフッ化リチウム粒子を付着させたものを正極活物質として用いる技術を開示している。この技術によると、サイクル試験後の放電容量維持率が向上し、厚みの増加率を小さくできるとされる。
しかしながら、上記特許文献1〜3は、過充電のような電池異常時においても高い安全性を確保することについて、何ら考慮していない。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、電池異常時においても高い安全性を備えた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、負極活物質を有する負極と、非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、前記負極活物質は、SiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化ケイ素を有し、前記非水電解質は、フッ化リチウムを有することを特徴とする。
上記構成では、負極活物質がSiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化ケイ素を有しているので、負極活物質が黒鉛粒子のみからなる場合よりも放電容量を高めることができる。また、非水電解質に含まれるフッ化リチウム(LiF)は、SiOx粒子含有負極と反応してその表面に被膜を形成する。この被膜は、過充電時における非水電解質とSiOx粒子含有負極との反応を抑制し、ハイレートで放電した場合におけるリチウムの析出を抑制し、さらにSiOx粒子のサイクル劣化を抑制するように作用する。このため、過充電のような電池異常時における安全性が向上する。さらに、負荷特性やサイクル特性を向上させることもできる。
上記構成において、前記フッ化リチウムの含有量は、前記非水電解質の質量に対して、0.1〜5.0質量%である構成とすることができる。
フッ化リチウム(LiF)の含有量が過小であると、LiFによる効果が十分に得られないおそれがある。他方、LiFによる効果が上限に達する以上に含有させると、コスト高につながる。このため、LiF含有量は、上記範囲に規制することが好ましい。
上記構成において、前記酸化ケイ素の含有量は、前記負極活物質の質量に対して、1.0〜20質量%である構成とすることができる。
SiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化ケイ素は黒鉛粒子よりも充放電に伴う体積変動が大きく、充放電サイクルによって性能が劣化し易い。このため、SiOx粒子の含有量が多すぎると、LiFを含ませていてもサイクル特性が低下し易くなる。他方、SiOx粒子の含有量が過小であると、SiOx粒子による放電容量向上効果が不十分となるおそれがある。したがって、SiOx粒子の含有量は1〜20質量%であることが好ましい。
この場合、SiOx粒子とともに用いる負極活物質は、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素材料の粒子であることが好ましい。
上記構成において、前記酸化ケイ素の平均粒径が、1.0〜20μmである構成とすることができる。
SiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化ケイ素は、黒鉛粒子よりも充放電に伴う体積変動が大きく、充放電によってSiOx粒子が割れて性能が劣化し易いが、この影響はSiOx粒子の平均粒径が大きいほど大きくなる。また、SiOx粒子の平均粒径が大き過ぎると、SiOx粒子の比表面積が小さくなってリチウムイオンの挿入・脱離のスムースな進行が阻害されるおそれもある。したがって、SiOx粒子の平均粒径は20μm以下であることが好ましい。また、現在のSiOx粒子の作製技術上、SiOx粒子の平均粒径は1μm以上であることが好ましい。
ここで、SiOx粒子の平均粒径は、公知の方法で測定することができ、たとえば走査型電子顕微鏡を用いて測定することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、高容量で且つ安全性に優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
以下、実施例を用いて、本発明を説明する。
(実施例1)
<正極の作製>
正極活物質としての、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)粒子と、導電剤としてのアセチレンブラックと、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、質量比94:3:3で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に投入、混練して、正極スラリーを調製した。
<正極の作製>
正極活物質としての、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)粒子と、導電剤としてのアセチレンブラックと、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、質量比94:3:3で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に投入、混練して、正極スラリーを調製した。
上記正極スラリーを、厚さ15μmのアルミニウム箔製の芯体の両面に、ドクターブレード法により塗布した。この後、乾燥し、スラリー調整に用いた溶媒(NMP)を除去した。この後、ロールプレス機で圧延し、所定のサイズに裁断して、正極板を得た。
<負極の作製>
黒鉛粒子(平均粒径20μm)とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子(平均粒径10μm)とを質量比97:3で混合してなる負極活物質97質量部と、結着剤であるスチレンブタジエンゴム(SBR)1.5質量部と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)1.5質量部と、を、水に分散させて、負極スラリーを調製した。
黒鉛粒子(平均粒径20μm)とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子(平均粒径10μm)とを質量比97:3で混合してなる負極活物質97質量部と、結着剤であるスチレンブタジエンゴム(SBR)1.5質量部と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)1.5質量部と、を、水に分散させて、負極スラリーを調製した。
この負極スラリーを、厚みが12μmの銅箔製の芯体の両面に、ドクターブレード法により塗布した。この後、乾燥し、スラリー調整に用いた溶媒(水)を除去した。この後、ロールプレス機で圧延し、所定のサイズに裁断して、負極板を得た。
<電解質の調製>
エチレンカーボネート(EC)と、プロピレンカーボネート(PC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、メチルエチルカーボネート(MEC)と、を体積比15:10:65:10(25℃、1気圧条件)で混合した混合溶媒に、LiPF6を1.5モル/リットルの濃度で溶解して、ベース電解質を得た。ベース電解質に、LiFを3.0質量%となるように添加し、非水電解質を得た。
エチレンカーボネート(EC)と、プロピレンカーボネート(PC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、メチルエチルカーボネート(MEC)と、を体積比15:10:65:10(25℃、1気圧条件)で混合した混合溶媒に、LiPF6を1.5モル/リットルの濃度で溶解して、ベース電解質を得た。ベース電解質に、LiFを3.0質量%となるように添加し、非水電解質を得た。
<電池の組み立て>
正極板にアルミニウム製の正極タブを溶接し、負極板にニッケル製の負極タブを溶接した。こののち、正極板及び負極板を、ポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを介して重ね合わせた後に捲回して、電極体を得た。
正極板にアルミニウム製の正極タブを溶接し、負極板にニッケル製の負極タブを溶接した。こののち、正極板及び負極板を、ポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを介して重ね合わせた後に捲回して、電極体を得た。
得られた捲回型電極体の上面にそれぞれ上部絶縁板を配置し、有底円筒形の外装缶内に上記電極体を挿入し、正極タブを封口体に溶接し、負極タブを外装缶の内底部に溶接した。
次に、外装缶の所定位置に、内側に突出した凸部を備える環状の溝入れ部を形成し、電極体を外装缶内に位置決めした。
次いで、上記非水電解質を外装池缶内に注液した。この後、封口体を、絶縁ガスケットを用いてカシメ固定して、直径18mm、高さ65mmの非水電解質二次電池を作製した。
なお、上記封口体には、電池内圧の上昇により作動して、電流遮断及びガス排出を行う公知の安全機構を設けてある。この安全機構において、電流遮断の設計圧力は、1.3MPaとし、ガス排出の設計圧力は、2.3MPaとした。
(実施例2)
非水電解質に含まれるLiFを0.05質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
非水電解質に含まれるLiFを0.05質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例3)
非水電解質に含まれるLiFを0.1質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
非水電解質に含まれるLiFを0.1質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例4)
非水電解質に含まれるLiFを1.0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係る非水電解質二次電池を作製した。
非水電解質に含まれるLiFを1.0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例5)
非水電解質に含まれるLiFを5.0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5に係る非水電解質二次電池を作製した。
非水電解質に含まれるLiFを5.0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例6)
非水電解質に含まれるLiFを7.0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係る非水電解質二次電池を作製した。
非水電解質に含まれるLiFを7.0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例7)
黒鉛粒子とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の質量混合比を99:1としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7に係る非水電解質二次電池を作製した。
黒鉛粒子とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の質量混合比を99:1としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例8)
黒鉛粒子とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の質量混合比を95:5としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8に係る非水電解質二次電池を作製した。
黒鉛粒子とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の質量混合比を95:5としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例9)
黒鉛粒子とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の質量混合比を90:10としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9に係る非水電解質二次電池を作製した。
黒鉛粒子とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の質量混合比を90:10としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例10)
黒鉛粒子とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の質量混合比を85:15としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10に係る非水電解質二次電池を作製した。
黒鉛粒子とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の質量混合比を85:15としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例11)
黒鉛粒子とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の質量混合比を80:20としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11に係る非水電解質二次電池を作製した。
黒鉛粒子とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の質量混合比を80:20としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例12)
黒鉛粒子とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の質量混合比を75:25としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例12に係る非水電解質二次電池を作製した。
黒鉛粒子とSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の質量混合比を75:25としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例12に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例13)
SiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の平均粒径を1μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例13に係る非水電解質二次電池を作製した。
SiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の平均粒径を1μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例13に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例14)
SiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の平均粒径を5μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例14に係る非水電解質二次電池を作製した。
SiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の平均粒径を5μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例14に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例15)
SiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の平均粒径を15μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例15に係る非水電解質二次電池を作製した。
SiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の平均粒径を15μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例15に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例16)
SiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の平均粒径を20μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例16に係る非水電解質二次電池を作製した。
SiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の平均粒径を20μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例16に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例17)
SiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の平均粒径を25μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例17に係る非水電解質二次電池を作製した。
SiOx(x=1)で表される酸化ケイ素粒子の平均粒径を25μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例17に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例1)
非水電解質として上記ベース電解質を用いた(LiFは含まれない)こと以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
非水電解質として上記ベース電解質を用いた(LiFは含まれない)こと以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
《サイクル特性試験》
実施例1〜17及び比較例1と同じ条件で電池をそれぞれ作製し、以下に示す条件で充放電を行った。そして、以下に示す式により、容量維持率を算出した。なお、充放電はすべて25℃条件で行った。この結果を下記表1〜3に示す。
実施例1〜17及び比較例1と同じ条件で電池をそれぞれ作製し、以下に示す条件で充放電を行った。そして、以下に示す式により、容量維持率を算出した。なお、充放電はすべて25℃条件で行った。この結果を下記表1〜3に示す。
充電:定電流4Aで電圧が4.2Vとなるまで、その後定電圧4.2Vで電流が100mAとなるまで
休止:10分
放電:定電流20Aで電圧が2.5Vとなるまで
休止:10分
容量維持率(%)=300サイクル目放電容量÷1サイクル目放電容量×100
休止:10分
放電:定電流20Aで電圧が2.5Vとなるまで
休止:10分
容量維持率(%)=300サイクル目放電容量÷1サイクル目放電容量×100
《過充電試験》
実施例1〜17及び比較例1と同じ条件で電池をそれぞれ作製し、以下に示す条件で充電及び過充電を行い、熱電対を用いて電池表面温度をモニタリングした。なお、終止電圧に至る前に安全機構が作動して充電電流が遮断されたものについては、その時点で試験を中止した。また、充放電はすべて25℃条件で行った。この結果を、下記表1〜3に示す。
実施例1〜17及び比較例1と同じ条件で電池をそれぞれ作製し、以下に示す条件で充電及び過充電を行い、熱電対を用いて電池表面温度をモニタリングした。なお、終止電圧に至る前に安全機構が作動して充電電流が遮断されたものについては、その時点で試験を中止した。また、充放電はすべて25℃条件で行った。この結果を、下記表1〜3に示す。
充電:定電流4Aで電圧が4.2V
過充電:充電電池に定電流5Aで電圧が10Vとなるまで
過充電:充電電池に定電流5Aで電圧が10Vとなるまで
上記表1から、非水電解質にフッ化リチウム(LiF)を含む実施例1〜6は、最高到達温度が65.2〜73.3℃、容量維持率が68〜80%であり、非水電解質にLiFを含まない比較例1は、最高到達温度が76.6℃、容量維持率が65%であり、比較例1の方が劣っていることが分かる。
このことは、次のように考えられる。非水電解質に含まれるLiFは、負極と反応して被膜を形成する。この被膜は、過充電時における非水電解質と負極との反応を抑制し、ハイレートで放電した場合におけるリチウムの析出を抑制し、且つ、SiOx粒子のサイクル劣化を抑制するように作用する。このため、LiFによって過充電試験での最高到達温度が低下し、且つ、ハイレートサイクル試験後の容量維持率が高まる。
また、上記表1から、LiF含有量が0.05質量%である実施例2は、最高到達温度が73.3℃、容量維持率が68%であり、LiF含有量が0.1質量%以上である実施例1、3〜6は、最高到達温度が65.2〜68.8℃、容量維持率が71〜80%でありであり、実施例2の方がわずかに劣っていることが分かる。
このため、LiF含有量は、0.1質量%以上であることが好ましい。また、LiFによる効果が上限に達する以上に含有させると、コスト高につながる。このため、LiF含有量は、5.0質量%以下であることが好ましい。
また、表2から、負極活物質におけるSiOx(x=1)で表される酸化ケイ素の含有量が1〜25質量%である実施例1、7〜12は、最高到達温度が65.2〜68.5%と、優れていることが分かる。このことから、過充電時の安全性確保の観点からは、SiOxの含有量を特に規定する必要がないことが分かる。
また、表2から、SiOxの含有量が25質量%である実施例12は、容量維持率が56%と、SiOxの含有量が1〜20質量%である実施例1、7〜11の70〜81%よりも劣っていることが分かる。
このことは、次のように考えられる。SiOxは黒鉛よりも充放電サイクルによる劣化が大きいため、SiOx粒子の含有量が多すぎると、LiFを含ませていてもサイクル特性が低下し易くなる。したがって、サイクル特性を高めるためには、SiOxの含有量は1〜20質量%であることが好ましい。
また、表3から、SiOxの平均粒径が1〜25μmである実施例1、13〜17は、最高到達温度が65.6〜69.9℃と、優れていることが分かる。このことから、過充電時の安全性確保の観点からは、SiOxの平均粒径を特に規定する必要がないことが分かる。
また、表3から、SiOxの平均粒径が25μmである実施例17は、容量維持率が58%と、SiOxの平均粒径が1〜20μmである実施例1、13〜16の70〜80%よりも劣っていることが分かる。
このことは、次のように考えられる。SiOx粒子は、黒鉛粒子よりも充放電に伴う体積変動が大きく、SiOx粒子の平均粒径が大き過ぎると、充放電によってSiOx粒子が割れてサイクル劣化を招きやすくなる。また、SiOx粒子の平均粒径が大き過ぎると、SiOx粒子比表面積が小さくなってリチウムイオンの挿入・脱離のスムースな進行が阻害されるおそれもある。したがって、ハイレート放電特性をも確保するためには、SiOxの平均粒径は20μm以下であることが好ましい。
(追加事項)
なお、非水溶媒としては、カーボネート類、ラクトン類、ケトン類、エーテル類、エステル類等を用いることができる。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ジメトキシエタン、テトロヒドロフラン、1,4−ジオキサン等を用いることができる。
なお、非水溶媒としては、カーボネート類、ラクトン類、ケトン類、エーテル類、エステル類等を用いることができる。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ジメトキシエタン、テトロヒドロフラン、1,4−ジオキサン等を用いることができる。
また、電解質塩としては、LiPF6、LiBF6、LiClO4等の一種または複数種の混合物が使用できる。また、非水溶媒に対する溶解量は、0.8〜1.8モル/リットルとすることが好ましい。
また、正極活物質としては、リチウム含有コバルトニッケルマンガン複合酸化物(LixNiaMnbCocO2、0.9<x≦1.2、a+b+c=1)、スピネル型マンガン酸リチウム(LixMn2O4)、これらの遷移金属元素を他の元素に置換した化合物等を単独で、又は二種以上混合して用いることができる。
また、SiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化ケイ素とともに用いる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な炭素材料(たとえば、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、非晶質炭素)の粒子が好ましい。また、炭素材料粒子の平均粒径は、0.5〜40μmとすることが好ましい。
また、上記実施例では、SiOxで表される酸化ケイ素として、x=1のものを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、0.5≦x<1.6の範囲のものを好適に用いることができる。また、SiOxで表される酸化ケイ素は、xの値が異なる複数種が混合されていてもよく、平均粒径が異なるものが混合されていてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、安全性に優れた高容量な非水電解質二次電池を実現できる。よって、産業上の利用可能性は大きい。
Claims (4)
- 負極活物質を有する負極と、非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、
前記負極活物質は、SiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化ケイ素を有し
前記非水電解質は、フッ化リチウムを有する、
ことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
前記フッ化リチウムの含有量は、前記非水電解質の質量に対して、0.1〜5.0質量%である、
ことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 請求項1又は2記載の非水電解質二次電池において、
前記酸化ケイ素の含有量は、前記負極活物質の質量に対して、1.0〜20質量%である、
ことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 請求項1、2、又は3に記載の非水電解質二次電池において、
前記酸化ケイ素の平均粒径が、1.0〜20μmである、
ことを特徴とする非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012212127A JP2014067587A (ja) | 2012-09-26 | 2012-09-26 | 非水電解質二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012212127A JP2014067587A (ja) | 2012-09-26 | 2012-09-26 | 非水電解質二次電池 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016126976A (ja) * | 2015-01-08 | 2016-07-11 | 株式会社Gsユアサ | リチウム二次電池 |
CN109494405A (zh) * | 2018-09-18 | 2019-03-19 | 浙江蓝德能源科技发展有限公司 | 一种锂离子电池电解液添加剂和电解液 |
JP2019185940A (ja) * | 2018-04-05 | 2019-10-24 | トヨタ自動車株式会社 | 非水電解質二次電池の製造方法 |
JP2023505132A (ja) * | 2020-04-30 | 2023-02-08 | 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司 | 二次電池、その製造方法及び当該二次電池を含む装置 |
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2012
- 2012-09-26 JP JP2012212127A patent/JP2014067587A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016126976A (ja) * | 2015-01-08 | 2016-07-11 | 株式会社Gsユアサ | リチウム二次電池 |
JP2019185940A (ja) * | 2018-04-05 | 2019-10-24 | トヨタ自動車株式会社 | 非水電解質二次電池の製造方法 |
CN109494405A (zh) * | 2018-09-18 | 2019-03-19 | 浙江蓝德能源科技发展有限公司 | 一种锂离子电池电解液添加剂和电解液 |
JP2023505132A (ja) * | 2020-04-30 | 2023-02-08 | 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司 | 二次電池、その製造方法及び当該二次電池を含む装置 |
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