JP2014067567A - 導電ペースト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属粒子と、水を含む分散媒と、分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.8以上で、重量平均分子量Mwが500以下である乾燥抑制剤としての物質と、を含有し、前記物質の含有量が50質量%以下であること、を特徴とする導電ペースト。
【選択図】なし
Description
本実施形態の導電ペーストは、金属粒子と、水を含む分散媒と、分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.8以上で、重量平均分子量Mwが500以下である物質を含む乾燥抑制剤と、を含有し、前記物質の含有量が50質量%以下であることを特徴とする。そして、本実施形態の導電ペーストは、上記金属粒子を金属コロイド液として含むことを特徴とする。即ち、本実施形態の導電ペーストは、金属コロイド液と水を含む分散媒と上記乾燥抑制剤とを含む。
続いて、本実施形態の導電ペーストを構成する金属コロイド液についてより詳細に説明する。この金属コロイド液としては、例えば金属成分(金属粒子)と有機成分とからなる金属コロイド粒子を主成分とする固形分と、これら固形分を分散する分散媒と、を含む種々の金属コロイド液を用いることができる。
データ読み込み回数:100回
セルホルダー内温度:25℃
・表示条件
分布形態:標準
反復回数:50回
粒子径基準:体積基準
分散質の屈折率:0.200−3.900i(銀の場合)
分散媒の屈折率:1.33(水が主成分の場合)
・システム条件設定
強度基準:Dynamic
散乱強度レンジ上限:10000.00
散乱強度レンジ下限:1.00
本実施形態の導電ペーストは、水を含む分散媒を含む。上記のように、金属粒子を含む金属コロイド液が水を含む場合もあるが、導電ペーストの濃度調整のために、上記金属コロイド液に更に水を添加する場合もある。
そして、本実施形態の導電ペーストは、分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.8以上で、重量平均分子量Mwが500以下である乾燥抑制剤としての物質を含む。かかる物質においては、上述のように、分子中の酸素原子(O)は、構成として、−O−R(エーテル結合)、−COO−R(エステル結合)、−OH(水酸基)又は−COOH(カルボキシル基)等の官能基の形態で存在する。これらの官能基を有することから、上記物質の親水化度が上昇し、O/Cの値が0.8以上で重量平均分子量Mwが500以下の物質は親水性の高い材料であることとなり、よって良好なパターン性を与えることができるものと考えられる。
本実施形態の導電ペーストを製造するためには、まず、金属コロイド液を調製する。ついで、この金属コロイド液と、上記の水及び乾燥抑制剤とを混合することにより、本実施形態の導電ペーストを得ることができる。上記したその他の任意の成分をここで混合してもよい。また、金属コロイド液に十分な水が含まれている場合は、水を追加的に混合する必要が無い場合もある。
本実施形態の金属コロイド液を調製する方法としては、特に限定されないが、例えば、金属コロイド粒子を含む分散液を調製し、次いで、その分散液の洗浄を行う方法等が挙げられる。金属コロイド粒子を含む溶液を調製する工程としては、例えば、下記のように、分散剤を用いて分散媒中に分散させた金属塩(又は金属イオン)を還元させればよく、還元手順としては、化学還元法に基づく手順が採用されていればよい。
本実施形態の導電ペーストは、上記金属コロイド液と、上記の水及び乾燥抑制剤とを混合することによって製造することができる。その他の任意の成分をここで混合してもよく、また、金属コロイド液に十分な水が含まれている場合は、水を追加的に混合する必要が無い場合もある。ここにおける混合方法は特に限定されるものではなく、攪拌機やスターラー等を用いて従来公知の方法によって行うことができる。
本実施形態の導電ペーストを用いれば、表面自由エネルギーの異なる部分を有する基板に、上記導電ペーストを塗布する塗布して塗膜を形成する塗布工程と、前記塗布工程により得られた塗膜を焼成して被膜を形成する焼成工程と、を含むこと、を特徴とする導電性被膜の形成方法により、基材と、前記基材の表面の少なくとも一部に形成される導電性被膜と、を含む導電性被膜付基板を好適に製造することができる。
m:導電性被膜重量(スライドガラス上に形成した導電性被膜の重さを電子天秤で測定)
d:導電性被膜密度(g/cm3)(銀の場合は10.5g/cm3)
M:導電性被膜長(cm)(スライドガラス上に形成した導電性被膜の長さをJIS1級相当のスケールで測定)
w:導電性被膜幅(cm)(スライドガラス上に形成した導電性被膜の幅をJIS1級相当のスケールで測定)
クエン酸3ナトリウム二水和物(和光純薬工業(株)製の試薬特級)34.1gと、硫酸第一鉄七水和物(和光純薬工業(株)製の試薬特級)32.3gと、を溶解させた水溶液約200mLを室温下で攪拌しながら溶解させ、ここに0.66g/mLの硝酸銀(和光純薬工業(株)製の試薬特級)水溶液15mLを滴下し、滴下後2時間攪拌を行い、銀コロイド液を調製した。
得られた銀コロイド液に対し、導電率が30μS/cm以下になるまで透析することで脱塩を行った。透析後、さらに濃縮し、2100rpm(920G)、10分間の条件で遠心分離を行うことで、粗大金属コロイド粒子を除去した。粗大金属コロイド粒子除去後の銀コロイド液を「銀コロイド液A」とした。
この銀コロイド液A中の固形分を、乾燥重量法によって求めた。ここで得られた固形分をについて、セイコー電子工業(株)社製TG/DTA300を用いて昇温速度10℃/分で室温から500℃までの大気中における熱重量変化を求め、100℃から500℃までの重量減少を計算した。銀コロイド液中の固形分は55質量%であり、熱重量分析による500℃昇温時の重量減少は2.0質量%であった。
10N−NaOH水溶液を3mL添加してアルカリ性にした水50mLに、クエン酸3ナトリウム2水和物17g、タンニン酸0.36gを溶解した。得られた溶液に対して3.87mol/L硝酸銀水溶液3mLを添加し、2時間攪拌を行い銀コロイド水溶液を得た。
得られた銀コロイド水溶液に対し、導電率が30μS/cm以下になるまで透析することで脱塩を行った。透析後、2100rpm(920G)、10分の条件で遠心分離を行うことで、粗大金属コロイド粒子を除去した。粗大金属コロイド粒子除去後の銀コロイド液を「銀コロイド液B」とした。
この銀コロイド液B中の固形分を、乾燥重量法によって求めた。ここで得られた固形分をについて、セイコー電子工業社製TG/DTA300を用いて昇温速度10℃/分で室温から500℃までの大気中における熱重量変化を求め、100℃から500℃までの重量減少を計算した。銀コロイド水溶液中の固形分は55重量%であり、熱重量分析による500℃昇温時の重量減少は1.9重量%であった。
表1に示すように、上記のようにして得られた銀コロイド液A及びBのうちのいずれかと、下記に示す物質(そのまま又は水溶液の状態)と、イオン交換水と、を添加・混合して、最終固形分が30質量%になるように調整し、導電ペースト1〜10を得た。
実験例2(参考例2)では、キサンタンガム:ケルザンT(三昌(株)製)を予め0.5%水溶液を調製した上で、導電ペーストの0.2質量%になるように添加した(キサンタンガムのO/C:0.8)。
実験例4(実施例2)では、ジグリセリン(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの20質量%になるように添加した(ジグリセリンのO/C:0.83)。
実験例6(実施例4)では、ポリグリセリン#500(阪本薬品工業(株)製)を導電ペーストの1質量%になるように添加し、ジグリセリン(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの10質量%になるように添加した(ポリグリセリンのO/C:0.67、ジグリセリンのO/C:0.83)。
実験例8(比較例1)では、1,3−ブタンジオールを20質量%添加した(1,3−ブタンジオールのO/C:0.5)。
実験例9(比較例2)では、はキサンタンガム0.2質量%と1,3−ブタンジオール20質量%を添加した(キサンタンガムは予め0.5%水溶液に調整)。
実験例10(比較例3)では、水以外何も入れなかった。
実験例12(参考例4)では、(メチルビニルエーテル/マレイン酸)クロスポリマー:商品名スタビリーゼQM(三昌(株)製)を用いて予め0.2%水溶液を調整(中和剤KOH)した上で、導電ペーストの0.05質量%になるように添加し、ε−カプロラクタム(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの5質量%になるように添加した((メチルビニルエーテル/マレイン酸)クロスポリマーのO/C:0.6、ε−カプロラクタムのO/C:0.17、Mw:約113)。
実験例13(比較例4)では、ジグリセリン(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの55質量%になるように添加した(ジグリセリンのO/C:0.83)。
(1)パターン性評価
撥水性部分と親水性部分を有する基板を以下の方法によって作製した。撥水性の自己組織化膜を前記基板全面に形成するために、前記ガラス基板とトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン0.5mlとを、同一の密閉容器に入れて48時間室温で放置することにより、前記ガラス基板上に、表面にフルオロアルキル基を有する自己組織化膜を形成した。そして、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、波長172nmの紫外線を10mWで10分間の波長の紫外光を照射して、マスクしていない部位の自己組織化膜のみを選択的に除去して、親水性部分と撥水性部分とを形成した。
上記(1)で得られた被膜を顕微鏡観察し、被膜の外観を目視にて評価した。外観上クラックがないものを○とした。結果を表1に示した。
導電ペースト1〜13の粘度を、振動式粘度計VM−100A−L(CBC(株)製)により測定した。測定は振動子に液を浸漬させて行い、測定温度は常温(20〜25℃)とした。結果を表1に示した。
導電ペースト1〜13の表面張力を、全自動表面張力計CBVP-Z(協和界面科学製)により測定した。測定には白金プレートを用い、自動測定で行った。測定温度は常温(20〜25℃)とした。結果を表1に示した。
導電ペースト1〜13を用い、スライドガラスにディスペンサー(武蔵エンジニアリング(株)製のSHOTMASTER300、ニードル:SNA−30G(内径0.14mm))により線幅300μm及び長さ10cmのラインを引き、塗膜を得た。得られた塗膜を自然乾燥後、ギアオーブンにて150℃×1時間の条件で加熱を行ない、導電性被膜を得た。
式:(体積抵抗率ρv)=
(抵抗値R)×(被膜幅w)×(被膜厚さt)/(端子間距離L)
Claims (10)
- 金属粒子と、
水を含む分散媒と、
分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.8以上で、重量平均分子量が500以下である乾燥抑制剤としての物質と、を含有し、
前記物質の含有量が50質量%以下であること、
を特徴とする導電ペースト - 前記物質が、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール及びマルチトールからなる群より選択される少なくとも1種であること、
を特徴とする請求項1に記載の導電ペースト。 - 前記金属が、金、銀及び銅からなる群より選択される少なくとも1種の貴金属であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の導電ペースト。
- 表面自由エネルギーの異なる部分を有する基板に塗布されてパターニングされること、を特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載の導電ペースト。
- 前記表面自由エネルギーの異なる部分が、親水性部分及び疎水性部分であること、を特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかに記載の導電ペースト。
- 前記親水性部分における水の静的接触角が50°未満であり、前記疎水性部分における水の静的接触角が50°以上であること、を特徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載の導電ペースト。
- 表面自由エネルギーの異なる部分を有する基板に、請求項1〜6のうちのいずれかに記載の導電ペーストを塗布する塗布して塗膜を形成する塗布工程と、
前記塗布工程により得られた塗膜を焼成して被膜を形成する焼成工程と、を含むこと、
を特徴とする導電性被膜の形成方法。 - 前記焼成工程において、150℃以下の温度で前記塗膜を焼成して被膜を形成すること、を特徴とする請求項7に記載の導電性被膜の形成方法。
- 前記表面自由エネルギーの異なる部分が、親水性部分及び疎水性部分であること、を特徴とする請求項7又は8に記載の導電性被膜の形成方法。
- 前記親水性部分における水の静的接触角が50°未満であり、前記疎水性部分における水の静的接触角が50°以上であること、を特徴とする請求項7〜9のうちのいずれかに記載の導電性被膜の形成方法。
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