JP2014067567A - 導電ペースト - Google Patents

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卓也 外村
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Abstract

【課題】撥水性部分と親水性部分を有する基板上に導電パターンを形成することができるパターン性に優れる導電ペーストであって、特にフレキソ印刷やグラビア印刷で塗布するのに好適であり、塗布後に得られる被膜の形状の変形が抑制された導電ペーストを提供する。
【解決手段】金属粒子と、水を含む分散媒と、分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.8以上で、重量平均分子量Mwが500以下である乾燥抑制剤としての物質と、を含有し、前記物質の含有量が50質量%以下であること、を特徴とする導電ペースト。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体集積回路等の配線や電極パターンを形成するために用いる導電ペーストに関し、更には有機薄膜トランジスタ基板の電極パターンへの応用も可能な導電ペーストに関する。より詳しくは、本発明は、配線や電極パターンに沿って表面エネルギーの異なる基板(パターン部が親液性であり、その他の部分撥液性)上に好適に用いることができる導電ペーストに関する。
従来、配線パターンの形成には、基板の全面にスパッタや蒸着等で金属薄膜を形成した後、フォトリソグラフィー法によって不要な部分をエッチングして必要な導電膜パターンを形成する方法が一般的に用いられている。ところが、このような方法では、工程が煩雑であり、また、高価な真空装置を用いる必要があり、材料使用効率も数%程度でそのほとんどを捨ててしまうことになる。
そのため、配線パターンの形成には、より簡便で安価な方法が求められてきており、近年では、撥液部と親液部のパターンを形成した基板の親液部のみに選択的に液体材料を塗布し、その後の熱処理によって導電膜パターンに変換することにより、簡単な工程で精度よく導電膜パターンを形成する方法が提案されている。
例えば、特許文献1(特開2002−164635号公報)には、ミクロンオーダーの精度を有し、尚且つ、簡便な工程で良質な導電膜パターンを形成する手段を提供することを意図して、基板表面に有機分子膜を用いて、親液部と撥液部とを所定のパターンに形成するとともに、導電性微粒子を分散させた液体を親液部に選択的に塗布した後、熱処理によって導電膜に変換することにより、親液部のみに導電膜を形成する技術が提案されている(特許文献1、要約等)。
また、特許文献2(特開2008−004586号公報)には、高精度で導電性に優れた導電回路を形成することができ、耐変形性や加工性にも優れ、低コストで導電回路パターンを形成することができる導電回路パターンの形成方法を提供することを意図して、基材表面の光触媒層に配線パターンマスクを通して励起光を照射し、配線パターンに対応した光触媒を活性化させて親水性とした後、光触媒層の全面に導電性材料含有液を接触させることにより、親水性の光触媒部分に導電性材料含有液を付着させ、次いで、導電性材料含有液を乾燥硬化して導電部を形成する技術が提案されている(特許文献2、要約等)。
即ち、上記特許文献1及び2においては、金、銀又は銅等を含む金属粒子を含む導電インクを撥液部と親液部のパターンを形成した基板上に塗布することで所望の導電パターンを得る方法が開示され、そのための導電インクに必要とされる物性(粘度、表面張力等)が開示されている。
特開2002−164635号公報 特開2008−004586号公報
しかしながら、上記特許文献1における導電性微粒子を分散させた液体や上記特許文献2における導電性材料含有液を用いる場合、条件や塗布方法によっては、うまく印刷できないことや、塗布後の導電パターン(被膜)の形状がくずれてしまうといった不具合が生じることがあった。
以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、撥水性部分と親水性部分を有する基板(即ち、撥水性部分及び親水性部分を有するパターンを有する基板)上に導電パターンを形成することができるパターン性に優れる導電ペーストであって、特にフレキソ印刷やグラビア印刷で塗布するのに好適であり、塗布後に得られる被膜の形状の変形が抑制された導電ペーストを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく導電ペースト及びその成分の組成について鋭意実験を繰り返して研究を重ねた結果、分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.6以上で重量平均分子量が500以上である増粘剤としての物質、又は、分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.8以上で重量平均分子量が500以下である乾燥抑制剤としての物質を用いることが、上記目的を達成する上で極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。また、本発明は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果得られたものでもある。
本発明は、上記のうちの乾燥抑制剤を用いた導電ペーストに関するものであり、金属粒子と、水を含む分散媒と、分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.8以上で重量平均分子量が500以下である乾燥抑制剤としての物質と、を含有し、前記物質の含有量が50質量%以下であること、を特徴とする導電ペーストを提供する。
上記の構成を有する本発明の導電ペーストは、表面自由エネルギーの異なる部分を有する基板(即ち、親水性部分及び疎水性部分を有する基板)に塗布した際に良好なパターン性を与えることができる。特に、上記増粘剤を構成する物質においては、分子中の酸素原子(O)は、構成として、−O−R(エーテル結合)、−COO−R(エステル結合)、−OH(水酸基)又は−COOH(カルボキシル基)等の官能基の形態で存在するが、いずれの場合であっても、上記官能基が存在することで親水化度が上昇し、O/Cの値が0.8以上でMwが500以下の物質は親水性の高い材料であることから、上記良好なパターン性を与えることができるものと考えられる。
上記乾燥抑制剤を構成する物質は、上記のように酸素原子を多く含むため、水の中で容易に水素結合を有し、更に親水性が極めて高いために、多量に配合することができ、適切な増粘効果を発現する。したがって、これらの物質は塗布した基材と水素結合を発生し易いため、本発明の導電ペーストは基材に対する密着性に優れる。また、本発明の導電ペーストは、良好なパターン性を保ちつつ、様々な印刷方法に適した粘度に調整(増粘)することが可能であり、粘度を増加させることで塗布後の塗膜のタレを抑制し、得られる被膜に優れたレベリング性を付与することができる。
一方、上記乾燥抑制剤に、酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.8未満の物質を用いると、親水化度が弱まるため、上記撥水性部分と親水性部分とを有する基板上に塗布した場合に撥水性部分にも塗布されてしまい、良好なパターン性が得られなくなってしまう。
また、本発明の導電ペーストにおいては、上記乾燥抑制剤が導電ペースト全体の50質量%以下含まれることから、塗布した導電ペーストを焼成して得られる導電性被膜の導電性を良好に保つことができる。50質量%を超えて含まれると、パターン性の良好な導電性被膜は得られるものの、焼成した際にその物質が残存する傾向が強く、焼成後に得られる導電性被膜の導電性が十分でない場合がある。なお、分子量が小さい物質を適用する場合、粘度を上げるためには必然的に多量配合する必要が生じるが、本発明における乾燥抑制剤を構成する上記物質は分子量が小さいため、結果的には沸点が低くなり、多量に配合しても導電性を良好に保つことができる。
本発明は、更に、表面自由エネルギーの異なる部分を有する基板に、上記本発明の導電ペーストを塗布して塗膜を形成する塗布工程と、前記塗布工程により得られた塗膜を焼成して被膜を形成する焼成工程と、を含むこと、を特徴とする導電性被膜の形成方法をも提供する。
このような構成を有する本発明の導電性被膜の形成方法によれば、上述した本発明の導電ペーストを用いていることから、撥水性部分及び親水性部分を有する基板上に塗布することで良好なパターン性を得ることができ、また、上記物質の含有量を50重量%以下とすること(更にはコロイド状とすること)により、150℃以下の低温で焼成することが可能であり、そのため、耐熱性の弱い汎用性プラスチック基板(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等)上に導電性皮膜を形成することが可能となる。
ここで、本発明における乾燥抑制剤を構成する上記物質の分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値は、従来公知の方法(例えば、FT−IR(赤外分光法)、NMR(核磁気共鳴法)、MS(質量分析法)、CHNコーダー(元素分析装置)、SIMS(二次イオン質量分析)、各種クロマトグラフィ、DSC(示差走査熱量測定)、粉末X線回折法等)により、もしくはそれらを組み合わせることにより、当該物質の化学式を同定した後、化学式中のO及びCの数から計算により求めることができる。また、本発明における乾燥抑制剤を構成する上記物質の重量平均分子量Mwは、従来公知の方法(例えば、SEC(サイズ排除クロマトグラフィ)、MS(質量分析法)、SIMS(二次イオン質量分析)等)により測定することができる。
上記本発明の導電ペースト及び導電性被膜の形成方法において、前記物質は、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール及びマルチトールからなる群より選択される少なくとも1種であること、が好ましい。
また、上記本発明の導電ペースト及び導電性被膜の形成方法において、前記金属が、金、銀及び銅からなる群より選択される少なくとも1種の貴金属であること、が好ましい。
上記本発明の導電ペースト及び導電性被膜の形成方法における「表面自由エネルギーの異なる部分を有する基板」とは、言い換えると、「親水性部分及び疎水性部分を有する基板」のことをいう。なかでも、その値が小さいほど親水性が良好であるため、前記親水性部分における水の静的接触角が50°未満であり、また、その値が大きいほど疎水性が良好であるため、前記疎水性部分における水の静的接触角が50°以上であること、が好ましい。より好ましくは、前記親水性部分における水の静的接触角は40°以下であり、前記疎水性部分における水の静的接触角は70°以上である。パターン性にとっては、疎水性部分と親水性部分との接触角差が大きいほど有利である。なお、水の静的接触角測定は公知の方法により測定することができ、例えば協和界面科学(株)製のDrop Master 300 により、ニードル:22G、液滴量:0.5μL、着滴:1秒間後測定、という条件で測定することができる。
本発明によれば、撥水性部分と親水性部分を有する基板上に導電パターンを形成することができるパターン性に優れる導電ペーストであって、特にフレキソ印刷やグラビア印刷で塗布するのに好適であり、塗布後に得られる被膜の形状の変形が抑制された導電ペーストを提供することができる。また、形状の変形が抑制された被膜の形成方法を提供することができる。
以下、本発明の導電ペースト及びこれを用いた導電性被膜の形成方法の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、本発明の一実施形態を示すに過ぎずこれらによって本発明が限定されるものではなく、また、重複する説明は省略することがある。
(1)導電ペースト
本実施形態の導電ペーストは、金属粒子と、水を含む分散媒と、分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.8以上で、重量平均分子量Mwが500以下である物質を含む乾燥抑制剤と、を含有し、前記物質の含有量が50質量%以下であることを特徴とする。そして、本実施形態の導電ペーストは、上記金属粒子を金属コロイド液として含むことを特徴とする。即ち、本実施形態の導電ペーストは、金属コロイド液と水を含む分散媒と上記乾燥抑制剤とを含む。
本実施形態の導電ペーストに含まれるような金属コロイド液を用いて得られる被膜は良好な導電性を有することが知られている(例えば、特開2002−245854号公報参照)。したがって、本実施形態の導電ペーストは、上記乾燥抑制剤に起因して耐レベリング性を有するとともに、高い導電性を備える導電性被膜を確実に形成することが可能である。
本実施形態の導電ペーストにおける上記金属コロイド液は、金属成分(金属粒子)と有機成分とからなる金属コロイド粒子を主成分とする固形分と、これら固形分を分散する分散媒とを含むものである。ただし、上記コロイド液において、「分散媒」は上記固形分の一部を溶解していても構わない。なお、主成分とは、構成成分のうちの最も含有量の多い成分のことをいう。
このような金属コロイド液によれば、有機成分を含んでいるため、金属コロイド液中での金属コロイド粒子の分散性を向上させることができ、したがって、金属コロイド液中の金属成分の含有量を増やしても金属コロイド粒子が凝集しにくく、良好な分散安定性を保つことができる。なお、ここでいう「分散性」とは、金属コロイド液を調製した直後において、当該金属コロイド液中での金属粒子の分散状態が優れているか否か(均一か否か)を示すものであり、「分散安定性」とは、金属コロイド液を調整して所定の時間を経過した後において、当該金属コロイド液中での金属粒子の分散状態が維持されているか否かを示すものであり、「低沈降凝集性」ともいえる。
ここで、本実施形態における金属コロイド液の「固形分」とは、シリカゲル等を用いて金属コロイド液から分散媒を取り除いた後、例えば、30℃以下の常温(例えば25℃)で24時間乾燥させたときに残存する固形分のことをいい、通常は、金属粒子、残存有機成分及び残留還元剤等を含むものである。なお、シリカゲルを用いて金属コロイド液から分散媒を取り除く方法としては、種々の方法を採用することが可能であるが、例えばガラス基板上に金属コロイド液を塗布し、シリカゲルを入れた密閉容器に塗膜付ガラス基板を24時間以上放置することにより分散媒を取り除けばよい。
本実施形態の金属コロイド液において、好ましい固形分の濃度は1〜70質量%である。固形分の濃度が1質量%以上であれば、導電ペーストにおける金属の含有量を確保することができ、導電効率が低くならない。また、固形分の濃度が70質量%以下であれば、金属コロイド液の粘度が増加せず取り扱いが容易で、工業的に有利である。より好ましくは、固形分の濃度が10〜65質量%である。
(1−1)金属粒子を含むコロイド液
続いて、本実施形態の導電ペーストを構成する金属コロイド液についてより詳細に説明する。この金属コロイド液としては、例えば金属成分(金属粒子)と有機成分とからなる金属コロイド粒子を主成分とする固形分と、これら固形分を分散する分散媒と、を含む種々の金属コロイド液を用いることができる。
本実施形態の金属コロイド液は、固形分に対して10℃/分の昇温速度で熱重量分析を行ったときの100〜500℃における重量損失が10質量%以下であることが好ましい。上記固形物を500℃まで加熱すると、有機物などが酸化分解され、大部分はガス化されて消失する。このため、500℃までの加熱による減量は、ほぼ固形分中の有機物の量に相当し得る。
上記重量損失が多いほど金属コロイドの分散安定性は優れるが、多過ぎると有機物が不純物として導電ペースト中に残留して、導電性被膜の導電性を低下させる。特に100℃程度の低温での加熱によって導電性の高い導電性被膜を得るためには、上記重量損失が10質量%以下であることが好ましい。一方、上記重量損失が少な過ぎるとコロイド状態での分散安定性が損なわれるため、0.01質量%以上であることが好ましい。より好ましい重量損失は0.05〜4.5質量%である。
金属コロイド液の固形分に含まれるべき金属コロイド粒子の形態に関しては、例えば、金属成分からなる粒子の表面に有機成分が付着して構成されている金属コロイド粒子、上記金属成分からなる粒子をコアとして、その表面が有機成分で被覆されて構成されている金属コロイド粒子、金属成分と有機成分とが均一に混合されて構成されている金属コロイド粒子等が挙げられるが、特に限定されない。金属成分からなる粒子をコアとして、その表面が有機成分で被覆されて構成されている金属コロイド粒子、又は金属成分と有機成分とが均一に混合されて構成されている金属コロイド粒子が好ましい。なお、当業者は、上述した形態を有する金属コロイド粒子を、当該分野における周知技術を用いて適宜調製することができる。
本実施形態の金属コロイド液における金属コロイド粒子(金属粒子を含む。)の平均粒径は1〜400nm以下であるのが好ましく、更には、70nm以下であるのがより好ましい。金属コロイド粒子の平均粒径が1nm以上であれば、良好な導電性被膜を形成可能な導電ペーストが得られ、金属コロイド粒子製造がコスト高とならず実用的である。また、400nm以下であれば、金属コロイド粒子の分散安定性が経時的に変化しにくく、好ましい。なお、本実施形態の金属コロイド液を用いて得られる導電ペーストにおいても、金属コロイド粒子(金属粒子を含む。)の平均粒径(メディアン径)はこの範囲と略同じである(近似できる)。
なお、金属コロイド液における粒子の粒径は固形分濃度によって変動し、一定とは限らない。また、導電ペーストが、任意成分として、後述する樹脂成分、有機溶剤又は表面張力調整剤等を含む場合、平均粒径が400nm超の粒子成分を含む場合があるが、沈降を生じて本発明の効果を著しく損なわない成分であれば400nm超の平均粒径を有する粒子成分を含んでもよい。
ここで、金属コロイド液における粒子の平均粒径は、動的光散乱法(ドップラー散乱光解析)によるもので、例えば、(株)堀場製作所製動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550で測定した体積基準のメディアン径(D50)で表すことができる。具体的には、純水10mL中に金属コロイド液を数滴滴下し、手で振動し分散させて測定用試料を調製する。ついで、測定用試料3mLを、(株)堀場製作所製動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550、のセル内に投入し、下記の条件にて測定する。
・測定条件
データ読み込み回数:100回
セルホルダー内温度:25℃
・表示条件
分布形態:標準
反復回数:50回
粒子径基準:体積基準
分散質の屈折率:0.200−3.900i(銀の場合)
分散媒の屈折率:1.33(水が主成分の場合)
・システム条件設定
強度基準:Dynamic
散乱強度レンジ上限:10000.00
散乱強度レンジ下限:1.00
本実施形態の金属コロイド液の金属成分である金属粒子としては、特に限定されるものではないが、本実施形態の導電ペーストを用いて得られる被膜の導電性を良好にすることができるため、上記金属のイオン化列が水素より貴であることが好ましい。上記金属のイオン化列が水素より貴である金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、レニウム等を挙げることができる。なかでも、前記金属は、金、銀及び銅からなる群より選択される少なくとも1種の貴金属であることがより好ましい。これらの金属は単独で、用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。併用する方法としては、複数の金属を含む合金粒子を用いる場合や、コア−シェル構造や多層構造を有する金属粒子を用いる場合がある。
例えば、上記金属コロイド液として銀コロイド液を用いる場合、本実施形態の導電ペーストを用いて形成した被膜の導電率が良好となるが、マイグレーションの問題を考慮する必要がある。ここで、銀及びその他の金属からなる混合コロイド溶液を用いることによって、マイグレーションを起こりにくくすることができる。当該「その他の金属」としては、上述のイオン化列が水素より貴である金属、即ち金、銅、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、レニウム等が好ましく、金、銅、白金、パラジウムがより好ましい。
本実施形態の金属コロイド液において、金属コロイド粒子中の「有機成分」は、上記金属成分とともに実質的に金属コロイド粒子を構成する有機物のことである。当該有機成分には、金属中に最初から不純物として含まれる微量有機物、後述する製造過程で混入した微量の有機物が金属成分に付着した有機物、洗浄過程で除去しきれなかった残留還元剤、残留分散剤等のように、金属成分に微量付着した有機物等は含まれない。なお、上記「微量」とは、具体的には、金属コロイド粒子中1質量%未満が意図される。
本実施形態における金属コロイド粒子は、有機成分を含んでいるため、金属コロイド液中での分散安定性が高い。そのため、金属コロイド液中の金属成分の含有量を増大させても金属コロイド粒子が凝集しにくく、その結果、良好な分散性が保たれる。
金属コロイド粒子中の有機成分の含有量は、0.5〜30質量%であるのが好ましい。有機成分の含有量が0.5質量%以上であれば、得られる金属コロイド粒子の貯蔵安定性が良くなる傾向があり、30質量%以下であれば、得られる金属コロイド粒子を用いて製造される導電ペーストの導電性が良い傾向がある。有機成分のより好ましい含有量は1〜20質量%であり、更に好ましい含有量は1〜10質量%である。
上記有機成分としては、例えば、分散剤又は還元剤として用いられる有機物が挙げられる。分散剤としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸等の有機酸;例えば、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、クエン酸一カリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸二水素カリウム、リンゴ酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸水素ナトリウム、グリコール酸ナトリウム等のイオン性化合物;例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等の界面活性剤;例えば、ゼラチン、アラビアゴム、アルブミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルセルロース類、アルカンチオール類等の高分子物質等が挙げられるが、分散媒に溶解しかつ分散効果を示すものであれば特に限定されず、これらは単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
また、分散剤は、COOH基とOH基とを有し、かつ、(COOH基の数)≧(OH基の数)であるヒドロキシ酸又はその塩であることが好ましい。このような分散剤を使用すれば、100℃程度の低温で焼成しても高い導電性を示す導電性被膜を形成可能な導電ペーストを得ることができる。特に、COOH基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ(COOH基の数)が(OH基の数)以上であるヒドロキシ酸又はその塩を用いると、金属コロイド粒子の分散安定性が向上するため、導電性に優れた導電性被膜を得ることができる。
このような分散剤としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸等の有機酸;例えば、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、クエン酸一カリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸二水素カリウム、リンゴ酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸水素ナトリウム、グリコール酸ナトリウム等のイオン性化合物が挙げられ、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、リンゴ酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム等が好ましい。
また、還元剤としては、適当な溶媒に溶解して還元作用を示すものであれば特に限定されないが、タンニン酸又はヒドロキシ酸が好適に用いられる。タンニン酸又はヒドロキシ酸は、還元剤として機能すると同時に、分散剤としての効果を発揮する。これらの還元剤又は分散剤を、単独で用いても、複数組み合わせて用いてもよい。
なお、タンニン酸としては、一般に「タンニン酸」に分類されるものであれば特に限定されず、ガロタンニン酸、五倍子タンニン等も含まれる。タンニン酸の含有量は、金属イオン1価/gに対して、0.01〜6gであることが好ましい。例えば1価の銀イオンの場合、銀イオン1g当たりのタンニン酸の含有量は0.01〜6gであり、3価の金イオンの場合は、金イオン1g当たりのタンニン酸の含有量は0.0 3〜18gである。タンニン酸の含有量が少な過ぎると還元反応が不十分であり、多過ぎると過剰に吸着して導電ペースト中に残存することがある。タンニン酸のより好ましい含有量は、0.02〜1.5gである。
本実施形態の金属コロイド液は、金属成分(金属粒子)と有機成分とからなる金属コロイド粒子を主成分とする固形分を分散する分散媒を含む。なお、当該分散媒は固形分の一部を溶解するものであってもよい。かかる分散媒としては、金属コロイド粒子を首尾よく分散し得る分散媒であれば特に限定されないが、水及び/又は水溶性有機分散媒等の水性分散媒が挙げられる。水性分散媒である水及び/又は水溶性有機分散媒を用いると、本実施形態の導電ペーストを製造する際、環境に対する悪影響が少ないため好ましい。
なお、水溶性有機分散媒としては、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限はなく用いることができ、例えば、導電ペーストの任意成分として後述する水溶性有機溶剤を用いることができるが、水と混合して用いる場合、得られる混合物が水性となるように、例えば、75体積%以下の有機分散媒を用いるのが好ましい。
本実施形態の金属コロイド液は、その他の成分として、上記有機成分とは異なる界面活性剤を含有していてもよい。多成分溶媒系の導電ペーストにおいては、乾燥時の揮発速度の違いによる被膜表面の荒れ及び固形分の偏りが生じ易い。本実施形態の金属コロイド液に界面活性剤を添加することによってこれらの不利益を抑制し、均一な導電性被膜を形成することができる導電ペーストが得られる。
本実施形態において用いることのできる界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の何れを用いることができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。少量の添加量で効果が得られるので、フッ素系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の含有量は少な過ぎると効果が得られず、多過ぎると被膜中で残量不純物となるため、導電性が阻害されるおそれがある。好ましい界面活性剤の含有量は、金属コロイド液の分散媒100質量部に対して0.01〜5質量部である。
(1−2)水を含む分散媒
本実施形態の導電ペーストは、水を含む分散媒を含む。上記のように、金属粒子を含む金属コロイド液が水を含む場合もあるが、導電ペーストの濃度調整のために、上記金属コロイド液に更に水を添加する場合もある。
(1−3)乾燥抑制剤
そして、本実施形態の導電ペーストは、分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.8以上で、重量平均分子量Mwが500以下である乾燥抑制剤としての物質を含む。かかる物質においては、上述のように、分子中の酸素原子(O)は、構成として、−O−R(エーテル結合)、−COO−R(エステル結合)、−OH(水酸基)又は−COOH(カルボキシル基)等の官能基の形態で存在する。これらの官能基を有することから、上記物質の親水化度が上昇し、O/Cの値が0.8以上で重量平均分子量Mwが500以下の物質は親水性の高い材料であることとなり、よって良好なパターン性を与えることができるものと考えられる。
上記乾燥抑制剤を構成する物質は、上記のように酸素原子を多く含むため、水の中で容易に水素結合を有し、更に親水性が極めて高いために、多量に配合することができ、適切な増粘効果を発現する。したがって、これらの物質は塗布した基材と水素結合を発生し易いため、本発明の導電ペーストは基材に対する密着性に優れる。また、本実施形態の導電ペーストは、良好なパターン性を保ちつつ、様々な印刷方法に適した粘度に調整(増粘)することが可能であり、粘度を増加させることで塗布後の塗膜のタレを抑制し、得られる被膜に優れたレベリング性を付与することができる。
一方、上記乾燥抑制剤に、酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.8未満の物質を用いると、親水化度が弱まるため、上記撥水性部分と親水性部分とを有する基板上に塗布した場合に撥水性部分にも塗布されてしまい、良好なパターン性が得られなくなってしまう。
なお、上記物質において、O/Cの上限値は、塗布する基板と比較的良好な相互作用を有するという理由から、概ね3であればよく、また、重量平均分子量Mwの下限値は、乾燥抑制剤として好ましい機能を果たすために沸点が100℃以上であることが好ましいという理由から、概ね46であればよい。
また、本実施形態の導電ペーストにおいては、上記乾燥抑制剤が導電ペースト全体の50質量%以下含まれることから、塗布した導電ペーストを焼成して得られる導電性被膜の導電性を良好に保つことができる。50質量%を超えて含まれると、パターン性の良好な導電性被膜は得られるものの、焼成した際にその物質が残存する傾向が強く、焼成後に得られる導電性被膜の導電性が十分でない場合がある。なお、分子量が小さい物質を適用する場合、粘度を上げるためには必然的に多量配合する必要が生じるが、本実施形態における乾燥抑制剤を構成する上記物質は分子量が小さいため、結果的には沸点が低くなり、多量に配合しても導電性を良好に保つことができる。
なお、本実施形態の導電ペーストには、本発明の効果を損なわない範囲で、分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.6以上で重量平均分子量が500以上である物質(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、ポリグリセリン、(メチルビニルエーテル/マレイン酸)クロスポリマー、糖アルコール、還元水飴及び水飴)や、分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.6〜0.8で重量平均分子量が500以下である物質(例えば、1,3−プロパンジオール)等を含んでもよい。後者の場合、導電ペーストを用いて得られる被膜のレベリング性の向上が期待できる。また、なお、本実施形態の導電ペーストには、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知のバインダー成分を配合してもよい。バインダー成分を配合することで、導電性被膜の強度向上及び基材との接着力向上が期待できる。なお、バインダー成分は塗膜の加熱時に焼結してもよいし、場合によっては、各種印刷法へ適用するために導電ペーストの粘度を調整することをバインダー成分の主目的として、焼成条件を制御してバインダー成分を全て除去してもよい。
本実施形態の導電ペーストの粘度は、1〜1000cpsの粘度範囲であることが望ましく、5〜900cpsの粘度範囲がより好ましく、30〜800cpsの粘度範囲で、あることが特に好ましい。当該粘度範囲とすることにより、基材上に導電ペーストを塗布する方法、又は、導電ペーストを用いて基材上に描画する方法として幅広い方法を適用することができる。例えば、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー方式、バーコート法、スピンコート法、インクジェット法、ディスペンサー法、刷毛による塗布方式、流延法、フレキソ法、グラビア法、又はシリンジ法等のなかから適宜選択して採用することができるようになる。
本実施形態の導電ペーストの粘度の調整は、固形分濃度の調整、各成分の配合比の調整、増粘剤の添加等によって行うことができる。また、粘度は、振動式粘度計VM−100A−L(例えばCBC(株)製のVM−100A−L)により測定できる。測定は振動子に液を浸漬させて行い、測定温度は常温(20〜25℃)とすればよい。
(2)導電ペーストの製造方法
本実施形態の導電ペーストを製造するためには、まず、金属コロイド液を調製する。ついで、この金属コロイド液と、上記の水及び乾燥抑制剤とを混合することにより、本実施形態の導電ペーストを得ることができる。上記したその他の任意の成分をここで混合してもよい。また、金属コロイド液に十分な水が含まれている場合は、水を追加的に混合する必要が無い場合もある。
(2−1)金属コロイド液の調製方法
本実施形態の金属コロイド液を調製する方法としては、特に限定されないが、例えば、金属コロイド粒子を含む分散液を調製し、次いで、その分散液の洗浄を行う方法等が挙げられる。金属コロイド粒子を含む溶液を調製する工程としては、例えば、下記のように、分散剤を用いて分散媒中に分散させた金属塩(又は金属イオン)を還元させればよく、還元手順としては、化学還元法に基づく手順が採用されていればよい。
即ち、上記のような金属粒子及び有機成分を含む金属コロイド液は、金属粒子を構成する金属の金属塩と、有機成分と、分散媒と、を含む原料水溶液を還元することにより調製することができる。この還元によって、有機成分が金属粒子の表面の少なくとも一部に局在化し、所望する金属コロイド液が得られる。
本実施形態の金属コロイド液を調製するための原料水溶液(成分の一部が溶解せず分散していてもよい。)に含まれる分散媒は、水性であり、例えば、水又は水と水溶性有機分散媒との混合物からなる水性分散媒を用いることができる。
金属コロイド液に含有させるための金属成分を得るための出発材料としては、種々の公知の金属塩又はその水和物を用いることができ、例えば、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、酸化銀、酢酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀等の銀塩;例えば、塩化金酸、塩化金カリウム、塩化金ナトリウム等の金塩;例えば、塩化白金酸、塩化白金、酸化白金、塩化白金酸カリウム等の白金塩;例えば、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パラジウム等のパラジウム塩等が挙げられるが、適当な分散媒中に溶解し得、かつ還元可能なものであれば特に限定されない。また、これらは単独で用いても複数併用してもよい。
また、上記原料水溶液においてこれらの金属塩を還元する方法は特に限定されず、例えば、還元剤を用いる方法、紫外線等の光、電子線、超音波又は熱エネルギーを照射する方法等が挙げられる。なかでも、操作の容易の観点から、還元剤を用いる方法が好ましい。
上記還元剤としては、例えば、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェニドン、ヒドラジン等のアミン化合物;例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ヨウ素化水素、水素ガス等の水素化合物;例えば、一酸化炭素、亜硫酸等の酸化物;例えば、硫酸第一鉄、酸化鉄、フマノレ酸鉄、乳酸鉄、シュウ酸鉄、硫化鉄、酢酸スズ、塩化スズ、二リン酸スズ、シュウ酸スズ、酸化スズ、硫酸スズ等の低原子価金属塩;例えば、ホルムアルデヒド、ハイドロキノン、ピロガロール、タンニン、タンニン酸、サリチル酸、D−グルコース等の糖等の有機化合物等が挙げられるが、分散媒に溶解し上記金属塩を還元し得るものであれば特に限定されない。上記還元剤を使用する場合は、光及び/又は熱を加えて還元反応を促進させてもよい。
上記金属塩、分散剤及び還元剤を用いて金属コロイド液を調製する具体的な方法としては、例えば、上記金属塩を純水等に溶かして金属塩溶液を調製し、その金属塩溶液を徐々に分散剤と還元剤とが溶解した水溶液中に滴下する方法等が挙げられる。
上記のようにして得られた金属コロイド液には、金属コロイド粒子の他に、還元剤の残留物や分散剤が存在しており、液全体の電解質濃度が高い傾向にある。このような状態の液は、電導度が高いので、金属コロイド粒子の凝析が起こり、沈殿し易い。そこで、上記金属コロイド粒子を含む溶液を洗浄して余分な電解質を取り除くことにより、電導度が10mS/cm以下の金属コロイド液を得ることができる。
上記洗浄方法としては、例えば、得られた金属コロイド液を一定時間静置し、生じた上澄み液を取り除いた上で、純水を加えて再度撹枠し、更に一定期間静置して生じた上澄み液を取り除く工程を幾度か繰り返す方法、上記の静置の代わりに遠心分離を行う方法、限外濾過装置やイオン交換装置等により脱塩する方法等が挙げられる。なかでも、脱塩する方法が好ましい。また、脱塩等した液は、適宜濃縮してもよい。
(2−2)導電ペーストの製造方法
本実施形態の導電ペーストは、上記金属コロイド液と、上記の水及び乾燥抑制剤とを混合することによって製造することができる。その他の任意の成分をここで混合してもよく、また、金属コロイド液に十分な水が含まれている場合は、水を追加的に混合する必要が無い場合もある。ここにおける混合方法は特に限定されるものではなく、攪拌機やスターラー等を用いて従来公知の方法によって行うことができる。
複数の金属を含む導電ペーストを得る場合、その製造方法としては特に限定されず、例えば、銀とその他の金属とからなる導電ペーストを製造する場合には、上述した金属コロイド液の製造において、銀コロイド液とその他の金属のコロイド液とを別々に製造し、その後混合してもよく、銀イオン溶液とその他の金属イオン溶液とを混合し、その後に還元してもよい。
また、本実施形態の導電ペーストは、上記金属コロイド液を含むため、電導度を10mS/cm以下とすることができる。従来の導電ペーストは、存在する電解質成分の濃度に敏感に反応して凝集沈降するので、分散安定性(貯蔵性)が損なわれることがあった。しかし、10mS/cm以下の電導度を有していることによって、本実施形態の導電ペーストは、十分な分散安定性を有し、ガラス容器中での保管によるアルカリ分の流出、空気中の炭酸ガスの溶解による経時的な電解質濃度の上昇による貯蔵安定性の悪化等を防止することができる。
さらに、10mS/cm以下の電導度を有している導電ペーストは分散安定性が高いため、固形分濃度が高い導電ペーストの製造が容易となり、容積を減ずることができ、流通時および運搬時の取り扱いを容易にすることができる。高濃度の導電ペーストは、後で適当な分散媒を用いて、使用に最適な濃度に調整してもよい。
(3)導電性被膜(導電性被膜付基材)及びその製造方法
本実施形態の導電ペーストを用いれば、表面自由エネルギーの異なる部分を有する基板に、上記導電ペーストを塗布する塗布して塗膜を形成する塗布工程と、前記塗布工程により得られた塗膜を焼成して被膜を形成する焼成工程と、を含むこと、を特徴とする導電性被膜の形成方法により、基材と、前記基材の表面の少なくとも一部に形成される導電性被膜と、を含む導電性被膜付基板を好適に製造することができる。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、前記塗布工程での導電ペーストとして、上述した本実施形態の導電ペーストを用いれば、導電性被膜形成工程において、前記基材に塗布した前記導電ペーストを300℃以下(好ましくは150℃以下)の温度で焼成しても、優れた導電性を有する導電性被膜がより確実に得られることを見出した。
ここで、本実施形態の「表面自由エネルギーの異なる部分を有する基板に、上記導電ペーストを塗布する塗布して塗膜を形成する塗布工程」における「基材に塗布」とは、導電ペーストを面状に塗布する場合も線状に塗布(描画)する場合も含む概念であるが、主として、表面自由エネルギーの大きい部分(即ち、親水性部分及び撥水性部分のうちの親水性部分)に選択的に、塗布することをいう。
したがって、本実施形態における上記基板は、前記表面自由エネルギーの異なる部分として、親水性部分及び疎水性部分を有する。また、前記親水性部分における水の静的接触角が50°未満であり、前記疎水性部分における水の静的接触角が50°以上であること、が好ましい。
本実施形態において用いることのできる基材としては、導電ペーストを塗布して加熱により焼成して導電性被膜を搭載することのできる、少なくとも1つの主面を有するものであれば、特に制限はないが、耐熱性に優れた基材であるのが好ましい。また、先に述べたように、本実施形態の導電ペーストは、従来の導電ペーストに比較して低い温度で加熱して焼成しても十分な導電性を有する導電性被膜を得ることができるため、この低い焼成温度よりも高い温度範囲で、従来よりも耐熱温度の低い基材を用いることが可能である。
このような基材を構成する材料としては、例えば、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ビニル樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、セラミックス、ガラス又は金属等を挙げることができる。また、基材は、例えば板状又はストリップ状等の種々の形状であってよく、リジッドでもフレキシブルでもよい。基材の厚さも適宜選択することができる。接着性若しくは密着性の向上又はその他の目的ために、表面層が形成された基材や親水化処理等の表面処理を施した基材を用いてもよい。
上記基材に、表面自由エネルギーの異なる部分を形成する方法としては、例えば、以下のような方法を用いることができる。即ち、上記基板上にフッ素などの疎水性官能基をもつ有機機能膜を予め形成しておき、所望のパターンをもつマスク(例えばメタルマスク)をした上で、例えば172nmの波長を有する真空紫外光などを照射することにより、マスクされた箇所以外の有機機能膜を除去する。こうして親水性パターンを形成することで親水性部分と疎水性部分を有する基材を得ることができる。その他にも、例えば特開2002−164635号公報に記載の方法を用いることもできる。
導電ペーストを基材に塗布する工程では、種々の方法を用いることが可能であるが、上述のように、例えば、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー方式、バーコート法、スピンコート法、インクジェット法、ディスペンサー法、刷毛による塗布方式、流延法、フレキソ法、グラビア法、又はシリンジ法等のなかから適宜選択して用いることができる。
また、塗布されて、加熱により焼成される前の状態の導電ペーストからなる塗膜の形状は、所望する形状にすることが可能であり、したがって、本実施形態における「塗布」とは、導電ペーストを面状に塗布する場合も線状に塗布(描画)する場合も含む概念であり、本実施形態の塗膜及び導電性被膜は、面状及び線状の塗膜及び導電性被膜のいずれも含む概念である。また、これら面状及び線状の塗膜及び導電性被膜は、連続していても不連続であってもよく、連続する部分と不連続の部分とを含んでいてもよい。
上記のように塗布した後の塗膜を、300℃以下(好ましくは150℃以下)の温度に加熱することにより焼成し、本実施形態の導電性被膜(導電性被膜付基材)を得る。本実施形態においては、先に述べたように、本実施形態の導電ペーストを用いるため、300℃以下(好ましくは150℃以下)の温度で焼成しても、優れた導電性及び耐レベリング性を有し、形状の変形の抑制された導電性被膜がより確実に得られる。この焼成により、金属粒子同士の結合を高めて焼結することができる。
上記焼成を行う方法は特に限定されるものではなく、例えば従来公知のギアオーブン等を用いて、基材上に塗布または描画した上記導電ペーストの温度が300℃以下(好ましくは150℃以下)となるように焼成することによって導電性被膜を形成することができる。上記焼成の温度の下限は必ずしも限定されず、基材上に導電性被膜を形成できる温度であって、かつ、本発明の効果を損なわない範囲で上記流動抑制剤を蒸発又は分解により除去できる温度であることが好ましい(本発明の効果を損なわない範囲で一部が残存していてもよいが、望ましくは全て除去されるのが好ましい。)。
本実施形態の導電ペーストによれば、150℃以下、更には100℃程度の低温加熱処理でも高い導電性を発現する導電性被膜を形成することができるため、比較的熱に弱い基材上にも導電性被膜を形成することができる。また、焼成時間は特に限定されるものではなく、焼成温度に応じて、基材上に導電性被膜を形成でき、流動抑制剤を蒸発又は分解できる焼成時間であればよい。
本実施形態においては、上記基材と導電性被膜との密着性を更に高めるため、上記基材の表面処理を行ってもよい。上記表面処理方法としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、UV処理、電子線処理等のドライ処理を行う方法、基材上にあらかじめプライマー層や導電ペースト受容層を設ける方法等が挙げられる。
このようにして本実施形態の導電性被膜(導電性被膜付基材)を得ることができる。このようにして得られる本実施形態の導電性被膜は、例えば、0.1〜5μm程度、より好ましくは0.1〜1μmである。本実施形態の導電ペーストを用いれば、厚さが0.1〜5μm程度であっても、十分な導電性を有する導電性被膜が得られる。なお、本実施形態の導電性被膜の体積抵抗値は、15μΩ・cm以下である。
なお、本実施形態の導電性被膜の厚みtは、例えば、下記式を用いて求めることはできる(導電性被膜の厚さtは、レーザー顕微鏡(例えば、キーエンス製レーザー顕微鏡VK−9510)で測定することも可能である。)。
式:t=m/(d×M×w)
m:導電性被膜重量(スライドガラス上に形成した導電性被膜の重さを電子天秤で測定)
d:導電性被膜密度(g/cm3)(銀の場合は10.5g/cm3
M:導電性被膜長(cm)(スライドガラス上に形成した導電性被膜の長さをJIS1級相当のスケールで測定)
w:導電性被膜幅(cm)(スライドガラス上に形成した導電性被膜の幅をJIS1級相当のスケールで測定)
以下、実施例において本発明の導電性インクについて更に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
≪調製例1≫
クエン酸3ナトリウム二水和物(和光純薬工業(株)製の試薬特級)34.1gと、硫酸第一鉄七水和物(和光純薬工業(株)製の試薬特級)32.3gと、を溶解させた水溶液約200mLを室温下で攪拌しながら溶解させ、ここに0.66g/mLの硝酸銀(和光純薬工業(株)製の試薬特級)水溶液15mLを滴下し、滴下後2時間攪拌を行い、銀コロイド液を調製した。
得られた銀コロイド液に対し、導電率が30μS/cm以下になるまで透析することで脱塩を行った。透析後、さらに濃縮し、2100rpm(920G)、10分間の条件で遠心分離を行うことで、粗大金属コロイド粒子を除去した。粗大金属コロイド粒子除去後の銀コロイド液を「銀コロイド液A」とした。
この銀コロイド液A中の固形分を、乾燥重量法によって求めた。ここで得られた固形分をについて、セイコー電子工業(株)社製TG/DTA300を用いて昇温速度10℃/分で室温から500℃までの大気中における熱重量変化を求め、100℃から500℃までの重量減少を計算した。銀コロイド液中の固形分は55質量%であり、熱重量分析による500℃昇温時の重量減少は2.0質量%であった。
≪調製例2≫
10N−NaOH水溶液を3mL添加してアルカリ性にした水50mLに、クエン酸3ナトリウム2水和物17g、タンニン酸0.36gを溶解した。得られた溶液に対して3.87mol/L硝酸銀水溶液3mLを添加し、2時間攪拌を行い銀コロイド水溶液を得た。
得られた銀コロイド水溶液に対し、導電率が30μS/cm以下になるまで透析することで脱塩を行った。透析後、2100rpm(920G)、10分の条件で遠心分離を行うことで、粗大金属コロイド粒子を除去した。粗大金属コロイド粒子除去後の銀コロイド液を「銀コロイド液B」とした。
この銀コロイド液B中の固形分を、乾燥重量法によって求めた。ここで得られた固形分をについて、セイコー電子工業社製TG/DTA300を用いて昇温速度10℃/分で室温から500℃までの大気中における熱重量変化を求め、100℃から500℃までの重量減少を計算した。銀コロイド水溶液中の固形分は55重量%であり、熱重量分析による500℃昇温時の重量減少は1.9重量%であった。
≪実験例1〜12≫
表1に示すように、上記のようにして得られた銀コロイド液A及びBのうちのいずれかと、下記に示す物質(そのまま又は水溶液の状態)と、イオン交換水と、を添加・混合して、最終固形分が30質量%になるように調整し、導電ペースト1〜10を得た。
実験例1(参考例1)では、はポリグリセリン#500(阪本薬品工業(株)製)を導電性ペーストの10質量%になるように添加した(ポリグリセリンのO/C:0.67)。
実験例2(参考例2)では、キサンタンガム:ケルザンT(三昌(株)製)を予め0.5%水溶液を調製した上で、導電ペーストの0.2質量%になるように添加した(キサンタンガムのO/C:0.8)。
実験例3(実施例1)として、エチレングリコール(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの40質量%になるように添加した(エチレングリコールのO/C:1.0)。
実験例4(実施例2)では、ジグリセリン(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの20質量%になるように添加した(ジグリセリンのO/C:0.83)。
実験例5(実施例3)では、(メチルビニルエーテル/マレイン酸)クロスポリマー:商品名スタビリーゼQM(三昌(株)製)を予め0.2%水溶液を調整(中和剤KOH)した上で、導電ペーストの0.05質量%になるように添加し、グリセリン(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの5質量%になるように添加した((メチルビニルエーテル/マレイン酸)クロスポリマーのO/C:0.6、グリセリンのO/C:1.0)。
実験例6(実施例4)では、ポリグリセリン#500(阪本薬品工業(株)製)を導電ペーストの1質量%になるように添加し、ジグリセリン(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの10質量%になるように添加した(ポリグリセリンのO/C:0.67、ジグリセリンのO/C:0.83)。
実験例7(実施例5)では、グリセリン(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの5質量%になるように添加し(グリセリンのO/C:1.0)、1,3−プロパンジオール(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの5質量%になるように添加した(1,3−プロパンジオールのO/C:0.67、Mw:約76)
実験例8(比較例1)では、1,3−ブタンジオールを20質量%添加した(1,3−ブタンジオールのO/C:0.5)。
実験例9(比較例2)では、はキサンタンガム0.2質量%と1,3−ブタンジオール20質量%を添加した(キサンタンガムは予め0.5%水溶液に調整)。
実験例10(比較例3)では、水以外何も入れなかった。
実験例11(参考例3)では、キサンタンガム:ケルザンT(三昌(株)製)を用いて予め0.5%水溶液を調製した上で、導電ペーストの0.2質量%になるように添加し(キサンタンガムのO/C:0.8)、1,3−プロパンジオール(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの5質量%になるように添加した(1,3−プロパンジオールのO/C:0.67、Mw:約76)。
実験例12(参考例4)では、(メチルビニルエーテル/マレイン酸)クロスポリマー:商品名スタビリーゼQM(三昌(株)製)を用いて予め0.2%水溶液を調整(中和剤KOH)した上で、導電ペーストの0.05質量%になるように添加し、ε−カプロラクタム(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの5質量%になるように添加した((メチルビニルエーテル/マレイン酸)クロスポリマーのO/C:0.6、ε−カプロラクタムのO/C:0.17、Mw:約113)。
実験例13(比較例4)では、ジグリセリン(和光純薬工業(株)製)を導電ペーストの55質量%になるように添加した(ジグリセリンのO/C:0.83)。
[評価試験]
(1)パターン性評価
撥水性部分と親水性部分を有する基板を以下の方法によって作製した。撥水性の自己組織化膜を前記基板全面に形成するために、前記ガラス基板とトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン0.5mlとを、同一の密閉容器に入れて48時間室温で放置することにより、前記ガラス基板上に、表面にフルオロアルキル基を有する自己組織化膜を形成した。そして、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、波長172nmの紫外線を10mWで10分間の波長の紫外光を照射して、マスクしていない部位の自己組織化膜のみを選択的に除去して、親水性部分と撥水性部分とを形成した。
ここで、静的接触角を接触角計(Drop Master 300)により、ニードル:22G、液滴量:0.5μL、着滴:1秒間後測定という条件で測定したところ、親水性部分の水の静的接触角は30°で、撥水性部分の水の静的接触角は92°であった。得られた基板上に導電ペースト1〜13をバーコーター(No.03、wet厚7μm)で塗布し、親水性部分のみに被膜がパターニングされたものを○、撥水性部分にも塗布された場合を×とした。結果を表1に示した。
(2)皮膜外観(クラック、レベリング性、タレ性など)
上記(1)で得られた被膜を顕微鏡観察し、被膜の外観を目視にて評価した。外観上クラックがないものを○とした。結果を表1に示した。
(3)粘度
導電ペースト1〜13の粘度を、振動式粘度計VM−100A−L(CBC(株)製)により測定した。測定は振動子に液を浸漬させて行い、測定温度は常温(20〜25℃)とした。結果を表1に示した。
(4)表面張力
導電ペースト1〜13の表面張力を、全自動表面張力計CBVP-Z(協和界面科学製)により測定した。測定には白金プレートを用い、自動測定で行った。測定温度は常温(20〜25℃)とした。結果を表1に示した。
(5)導電性被膜の導電性評価
導電ペースト1〜13を用い、スライドガラスにディスペンサー(武蔵エンジニアリング(株)製のSHOTMASTER300、ニードル:SNA−30G(内径0.14mm))により線幅300μm及び長さ10cmのラインを引き、塗膜を得た。得られた塗膜を自然乾燥後、ギアオーブンにて150℃×1時間の条件で加熱を行ない、導電性被膜を得た。
その後、横川メータ&インスツルメンツ(株)製の携帯用ダブルブリッジ2769を用いてダブルブリッジ法により体積抵抗率を求めた。具体的には、以下の式に基づき、測定端子間距離と導電性被膜の厚みから体積抵抗値を換算した。体積抵抗値が15μΩ・cm以下の場合を「〇」、15μΩ・cm超の場合を「×」と評価した。結果を表1に示した。
式:(体積抵抗率ρv)=
(抵抗値R)×(被膜幅w)×(被膜厚さt)/(端子間距離L)
Figure 2014067567
表1に示す結果から、本発明の導電ペーストが、撥水性部分と親水性部分を有する基板(即ち、撥水性部分及び親水性部分を有するパターンを有する基板)上に導電パターンを形成することができるパターン性に優れる導電ペーストであり、かつ、塗布・乾燥後に形状の変形が抑制された被膜を実現できる導電ペーストであることがわかる。

Claims (10)

  1. 金属粒子と、
    水を含む分散媒と、
    分子中に含まれる酸素原子と炭素原子の比(O/C)の値が0.8以上で、重量平均分子量が500以下である乾燥抑制剤としての物質と、を含有し、
    前記物質の含有量が50質量%以下であること、
    を特徴とする導電ペースト
  2. 前記物質が、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール及びマルチトールからなる群より選択される少なくとも1種であること、
    を特徴とする請求項1に記載の導電ペースト。
  3. 前記金属が、金、銀及び銅からなる群より選択される少なくとも1種の貴金属であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の導電ペースト。
  4. 表面自由エネルギーの異なる部分を有する基板に塗布されてパターニングされること、を特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載の導電ペースト。
  5. 前記表面自由エネルギーの異なる部分が、親水性部分及び疎水性部分であること、を特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかに記載の導電ペースト。
  6. 前記親水性部分における水の静的接触角が50°未満であり、前記疎水性部分における水の静的接触角が50°以上であること、を特徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載の導電ペースト。
  7. 表面自由エネルギーの異なる部分を有する基板に、請求項1〜6のうちのいずれかに記載の導電ペーストを塗布する塗布して塗膜を形成する塗布工程と、
    前記塗布工程により得られた塗膜を焼成して被膜を形成する焼成工程と、を含むこと、
    を特徴とする導電性被膜の形成方法。
  8. 前記焼成工程において、150℃以下の温度で前記塗膜を焼成して被膜を形成すること、を特徴とする請求項7に記載の導電性被膜の形成方法。
  9. 前記表面自由エネルギーの異なる部分が、親水性部分及び疎水性部分であること、を特徴とする請求項7又は8に記載の導電性被膜の形成方法。
  10. 前記親水性部分における水の静的接触角が50°未満であり、前記疎水性部分における水の静的接触角が50°以上であること、を特徴とする請求項7〜9のうちのいずれかに記載の導電性被膜の形成方法。
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