JP2014066376A - 制御弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御弁における弁体の作動安定性と弁体の軸線方向に流れる作動流体の流量確保とを同時に実現する。
【解決手段】膨張弁1は、一側面に開口する取付穴32の奥方に弁孔18が形成された金属製のボディ2と、弁孔18と同軸状の挿通孔が形成されるとともに、冷媒を軸線方向に流通させるための流通路を形成可能な形状を有する樹脂製のガイド部材36と、ガイド部材36の挿通孔を貫通するように挿通され、弁孔18に接離して弁部を開閉する金属製の弁体38と、弁体38をその一端側および他端側にて軸線方向に変位可能に支持する支持機構と、を備える。弁孔18の開口端部に設けられた弁座34に弁体38が着座したときに、弁体38が自律的に調心可能となるよう、弁体38とガイド部材36との半径方向のクリアランスの大きさが設定され、流通路の断面がクリアランスの断面よりも大きくなるよう、ガイド部材36の形状が定められている。
【選択図】図1

Description

本発明は制御弁に関し、特に制御弁における弁部の支持構造に関する。
自動車用空調装置の冷凍サイクルには一般に、循環する冷媒を圧縮するコンプレッサ、圧縮された冷媒を凝縮するコンデンサ、凝縮された冷媒を気液に分離するレシーバ、分離された液冷媒を絞り膨張させて霧状にして送出する膨張弁、その霧状の冷媒を蒸発させてその蒸発潜熱を利用して車室内の空気を冷却するエバポレータが設けられている。膨張弁としては、エバポレータから導出された冷媒が適度な過熱度を有するように、例えばエバポレータ出口における冷媒の温度および圧力を感知して弁部を開閉し、エバポレータへ送出する冷媒の流量を制御する温度式膨張弁が用いられる。
このような冷凍サイクルにおいては、冷媒がエバポレータ内の配管を通過する過程で圧力損失が生じることから、その配管が長いほどその運転効率が低下することになる。そこで、配管の短い2つの薄型のエバポレータを並列に配置し、それぞれで熱交換を行わせる構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。このような構成により、冷媒が各エバポレータを通過する際の圧力損失を低減でき、冷凍サイクルの運転効率を向上させることができる。
特開2010−38455号公報(図5,図6)
このような冷凍サイクルに適用される膨張弁として、同引用文献には、2つのエバポレータにそれぞれ対応する2つの弁部を並列に設け、その2つの弁部にて冷媒を独立に断熱膨張させるものが開示されている。この膨張弁は、2つの弁部を連動制御する複合弁として構成され、2つのエバポレータの下流側で合流した冷媒の温度および圧力を感知してそれらの弁部を開閉する。
ところで、このように2つの弁部を連動させる複合弁を構成する場合、その2つの弁部を直列に配置して同一軸線上で連動させる態様とするほうが構成も簡易となり、省スペース化も図れる。しかしながら、このような構成を実現する場合、それら2つの弁部を構成する2つの弁体の組み付けに工夫を要する。すなわち、ボディに設けられた流体通路における弁体の作動安定性を確保するとともに、弁体の長手方向に沿った冷媒の流量を確保しなければならない。特に後者については、弁体そのものが流通路を形成できるよう形状を工夫することが考えられるが、弁体は一般にその剛性を確保するために金属製であるため、複雑な加工を行おうとすると加工コストが嵩むといった問題がある。なお、このような問題は膨張弁に限らず、例えば直列に2連の逆止弁など、2つの弁部により作動流体の流れを制御する他の複合弁についても同様に該当し得る。また、作動流体の流量を確保するという観点では弁部が1つの制御弁についても該当し得る。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、制御弁における弁体の作動安定性と、弁体の軸線方向に流れる作動流体の流量確保とを同時に実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の制御弁は、一側面に開口する取付穴が流体通路の一部を形成し、その取付穴の奥方に弁孔が形成された金属製のボディと、取付穴の開口部からボディに挿入されて固定され、弁孔と同軸状の挿通孔が形成されるとともに、作動流体を軸線方向に流通させるための流通路を形成可能な形状を有する樹脂製のガイド部材と、ガイド部材の挿通孔を貫通するように挿通され、弁孔に接離して弁部を開閉する金属製の弁体と、弁体をその一端側および他端側にて軸線方向に変位可能に支持する支持機構と、を備える。弁孔の開口端部に設けられた弁座に弁体が着座したときに、弁体が自律的に調心可能となるよう、弁体とガイド部材との半径方向のクリアランスの大きさが設定され、流通路の断面がクリアランスの断面よりも大きくなるよう、ガイド部材の形状が定められている。
この態様よれば、金属製のボディと金属製の弁体との間に樹脂製のガイド部材を介在させることにより、そのガイド部材の形状を利用して弁体の周囲に十分な大きさの流通路を形成することが可能となる。その結果、流体通路に流すべき作動流体の流量を確保することができる。特にガイド部材を樹脂材から形成することとしたため、金属材と比較して加工が容易になり、製造コストの低減につながる。一方、弁体についてはその剛性を確保するために金属材から形成するところ、複雑な加工を伴わない単純な形状とすることができるとともに、必要最小限の大きさとすることもできるため、低コストに作製できる。また、弁体を比較的小型で単純な形状とすることにより、その作動をより安定させることができ、その自律的な調心も容易になるといったメリットも得られる。
本発明によれば、制御弁における弁体の作動安定性と弁体の軸線方向に流れる作動流体の流量確保とを同時に実現することができる。
実施形態に係る膨張弁の縦断面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 弁部周辺の構成を表す説明図である。 変形例に係る弁部周辺の構成を表す説明図である。 他の変形例に係る弁部周辺の構成を表す説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。
本実施形態は、本発明の複合弁を自動車用空調装置の冷凍サイクルに適用される温度式膨張弁(単に「膨張弁」という)として具体化したものである。この冷凍サイクルは、コンプレッサ、コンデンサ、レシーバ、膨張弁、エバポレータが設けられる。エバポレータとして、レシーバとコンプレッサとの間に第1のエバポレータと第2のエバポレータとが並列に配置され、それぞれで熱交換が行われる。2つのエバポレータにより冷却能力を維持しつつ、各エバポレータを薄型に構成することで冷媒が通過する際の圧力損失を抑え、冷凍サイクルの運転効率を向上させている。このように2つのエバポレータを並列に設けることに伴い、膨張弁は、第1のエバポレータに対応する第1の弁部と、第2のエバポレータに対応する第2の弁部を有する。
図1は、実施形態に係る膨張弁の縦断面図である。図2は、図1のA−A矢視断面図である。図1に示すように、膨張弁1は、アルミニウム合金からなる素材を押出成形して得た部材に所定の切削加工を施して形成されたボディ2を有する。このボディ2は角柱状をなし、その内部には冷媒の絞り膨張を行う2つの弁部が設けられている。ボディ2の長手方向の端部には、感温部として機能するパワーエレメント3、およびこれを外部から覆うカバー4が設けられている。ボディ2は、その押出成形により下部が幅狭に形成されている。
図1および図2に示すように、ボディ2の側部には、レシーバ側(「外部熱交換器」としてのコンデンサ側)から高温・高圧の液冷媒を導入する入口ポート6、第1の弁部にて絞り膨張された低温・低圧の冷媒を第1のエバポレータへ向けて導出する第1導出ポート7、第2の弁部にて絞り膨張された低温・低圧の冷媒を第2のエバポレータへ向けて導出する第2導出ポート8、第1のエバポレータおよび第2のエバポレータにて蒸発され、それらの下流側で合流した冷媒を導入する導入ポート9、膨張弁1を通過した冷媒をコンプレッサ側へ導出する出口ポート10が設けられている。
すなわち、図1に示すように、ボディ2の第1側面の下部には入口ポート6が開口し、上部には出口ポート10が開口している。入口ポート6と出口ポート10との間には、ねじ穴12が設けられている。一方、図2に示すように、ボディ2の第2側面の中央部には第1導出ポート7が開口し、下部には第2導出ポート8が開口し、上部には導入ポート9が開口している。また、第1導出ポート7と導入ポート9との間には一対の取付孔13(図1参照)が横並びに穿設されている。第1導出ポート7と第2導出ポート8との間にも一つの取付孔13(図1参照)が穿設されている。
ボディ2には、入口ポート6に連通する第1通路14、第1導出ポート7に連通する第2通路16、およびこれらをつなぐ弁孔18(「第1弁孔」に該当する)により第1冷媒通路が形成されている。すなわち、第1冷媒通路は、その中間部に設けられた第1の弁部を境に直角に曲がっており、入口ポート6から導入された冷媒をその第1の弁部にて絞り膨張させて霧状にし、第1導出ポート7から第1のエバポレータへ向けて導出する。
ボディ2には、また、第1通路14、第2導出ポート8に連通する第3通路20、およびこれらをつなぐ弁孔22(「第2弁孔」に該当する)により第2冷媒通路が形成されている。すなわち、第2冷媒通路は、その中間部に設けられた第2の弁部を境に直角に曲がっており、入口ポート6から導入された冷媒をその第2の弁部にて絞り膨張させて霧状にし、第2導出ポート8から第2のエバポレータへ向けて導出する。
一方、導入ポート9に連通する第4通路24と出口ポート10に連通する第5通路26により第3冷媒通路(「低圧通路」に該当する)が構成されている。すなわち、第3冷媒通路は、第4通路24と第5通路26との接続部で直角に曲がっており、導入ポート9から冷媒を導入して出口ポート10からコンプレッサへ向けて導出する。
すなわち、第1冷媒通路の中間部に弁孔18が設けられ、第2冷媒通路の中間部に弁孔22が設けられている。弁孔18と弁孔22との間には弁室28(「第1弁室」に該当する)が設けられている。弁孔22の弁室28とは反対側には弁室30(「第2弁室」に該当する)が設けられている。弁室28は、第1冷媒通路と第2冷媒通路との分岐点となっている。弁室28および弁室30は、ボディ2の下端面(「一側面」に該当する)に開口し、弁孔18の直下まで穿設された取付穴32の内方に設けられている。第1の弁部および第2の弁部を構成する各機構およびその周辺機構は、取付穴32の開口部から挿入され、ボディ2内に組み付けられる。
弁孔18の上流側開口端部により弁座34(「第1弁座」に該当する)が形成されている。弁室28には、樹脂製のガイド部材36とステンレス製の弁体38(「第1弁体」に該当する)が同心状に配設されている。ガイド部材36は段付円筒状をなし、取付穴32の奥方に圧入されている。弁体38は有底円筒状をなし、ガイド部材36の内方に挿通されている。弁体38は、弁座34に接離することにより第1の弁部の開度を調整する。すなわち、弁体38と弁座34とにより第1の弁部が構成される。
取付穴32の中間位置には、円板状の弁座形成部材40が圧入されている。この弁座形成部材40により弁室28と弁室30とが区画されている。弁座形成部材40の中央を貫通するように弁孔22が形成されている。弁孔18と弁孔22は同一軸線上に配置される。弁孔22の下流側開口端部により弁座42(「第2弁座」に該当する)が形成されている。弁室30には、ステンレス製の弁体44(「第2弁体」に該当する)が配設されている。弁体44は、弁座42に接離することにより第2の弁部の開度を調整する。すなわち、弁体44と弁座42とにより第2の弁部が構成される。
弁体44は、その上端部から軸線方向に延びる軸部46を有する。軸部46は、弁孔22を貫通して弁体38の内方に延在し、その先端面が弁体38の底部に当接する。これにより、弁体38と弁体44とが連結し、軸線方向に一体動作可能とされている。なお、各弁部およびその周辺構成の詳細については後述する。
取付穴32の下端部を封止するようにアジャストねじ48が螺着されている。弁体44は支持部材50により下方から支持されており、その支持部材50とアジャストねじ48との間には、弁体44を閉弁方向に付勢するスプリング52(「付勢部材」として機能する)が介装されている。アジャストねじ48のボディ2への螺入量を調整することで、スプリング52の荷重を調整することができる。アジャストねじ48とボディ2との間には、冷媒の漏洩を防止するためのOリング54が介装されている。
一方、ボディ2の上端部には、第3冷媒通路に直交するように内外を連通させる連通孔60が形成されており、その連通孔60を封止するようにパワーエレメント3が螺着されている。パワーエレメント3は、アッパーハウジング62とロアハウジング64との間に金属薄板からなるダイヤフラム66を挟むように介装し、そのロアハウジング64側にディスク68を配置して構成されている。アッパーハウジング62とダイヤフラム66とによって囲まれる密閉空間には感温用のガスが封入されている。パワーエレメント3とボディ2との間には、冷媒の漏洩を防止するためのOリング70が介装されている。第3冷媒通路を通過する冷媒の圧力および温度は、連通孔60とディスク68に設けられた孔部又はスリットを通ってダイヤフラム66の下面に伝達される。
ボディ2の中央部には、第1冷媒通路と第3冷媒通路とをつなぐ段付孔72が設けられており、この段付孔72の小径部には長尺状の作動ロッド74が摺動可能に挿通されている。作動ロッド74は、ディスク68と弁体38との間に介装されている。作動ロッド74、弁体38、弁体44、およびスプリング52は、同一軸線上に配設される。これにより、ダイヤフラム66の変位よる駆動力が、ディスク68および作動ロッド74を介して弁体38ひいては弁体44へ伝達され、第1の弁部および第2の弁部を開閉させるようになっている。段付孔72の大径部には、作動ロッド74に外挿されるようにシール用のOリング76が配置され、第1冷媒通路と第3冷媒通路との間の冷媒の漏洩が防止されている。
作動ロッド74の上半部は、第2冷媒通路を横切るように配置された円筒状のホルダ78に内挿されている。ホルダ78は、その下端部が段付孔72の大径部に圧入されており、その下部端面によりOリング76の移動を規制している。作動ロッド74の上端部は、ディスク68の下面に設けられた凹部に挿通されつつ当接し、作動ロッド74の下端部は、弁孔18に挿通されつつ弁体38に当接している。ホルダ78と作動ロッド74との間には、作動ロッド74に所定の横荷重を与えるスプリング80が介装されている。この横荷重により、冷媒圧力の変動による作動ロッド74の振動が抑制される。
図3は、弁部周辺の構成を表す説明図である。(A)は図2のB部拡大図であり、(B)はガイド部材の斜視図である。
ガイド部材36は、所定の金型を用いた樹脂材の一体成形(射出成形)により得られる。図3(B)に示すように、ガイド部材36は円筒状の本体82を有し、その本体82の内方に形成された挿通孔83に弁体38が貫通するように挿通される。本体82の上端部と下端部には、それぞれ3つの脚部84が半径方向外向きに突設されている。ガイド部材36は、それらの脚部84が取付穴32の内周面に圧入される態様で固定されている。3つの脚部84は、円筒状の本体82の上端部および下端部が拡径され、その拡径部が周方向の3箇所で切り欠かれた残余の部分により形成されており、それぞれの外周面が取付穴32の内周面に沿った曲面となっている。
なお、図示のように、上側の3つの脚部84と下側の3つの脚部84は、周方向に互いに入れ子となる位置関係を有する。このような構成により、上下に分割された金型を用いることで容易に成形できるようにされている。各脚部の先端部は内方に向けて傾斜するテーパ形状とされており、ガイド部材36の取付穴32への挿入を容易にしている。また、ガイド部材36は、その重心に対して点対称な形状を有し、上下の区別なく挿入できるように構成されている。なお、図示のように、ガイド部材36は、上側の脚部84の先端が取付穴32の奥方端部の壁面に係止されることによりその位置決めがなされる。
このように、本体82の外径を脚部84の外接円の径よりも小さくするとともに、各脚部84間に切欠部を設けることで、弁室28における取付穴32とガイド部材36との間に比較的大きな流路面積が確保されている。すなわち、第1通路14から弁室28へ導入され、弁孔18または弁孔22を介して導出される冷媒の流量を十分に確保できる構成となっている。
弁体38は、上側に底部を有する有底円筒状をなす。弁体38の上端部は上方に向けて小径化するテーパ形状となっており、そのテーパ面にて弁座34に着脱する。弁体38が弁座34に着座したときに自律的に調心可能となるよう、弁体38とガイド部材36との半径方向のクリアランスの大きさが設定されている。言い換えれば、その自律的な調心が可能となるよう、弁体38の外径が本体82の内径よりも所定量小さく形成されている。すなわち、ガイド部材36は、弁体38を支持するというよりも、弁体38の半径方向の変位を規制する規制部材として機能する。なお、このような構成によれば、図から明らかなように、ガイド部材36の外側に形成される流通路の断面は、弁体38とガイド部材36とのクリアランスよりも相当大きくなる。
弁体38は、下方に開口した所定深さの収容穴86を有し、その下端開口部から弁体44の軸部46を挿通している。軸部46は、弁体44から上方に延出し、その先端面が弁体38の底部に当接する形で連結される。弁体44が弁座42に着座したときに自律的に調心可能となるよう、軸部46と弁体38との半径方向のクリアランスの大きさが設定されている。言い換えれば、その自律的な調心が可能となるよう、軸部46の外径が収容穴86の内径よりも所定量小さく形成されている。すなわち、弁体38は、軸部46の半径方向の変位を規制する規制部材として機能する。
このような構成により、弁体38が弁座34に着座して第1の弁部を閉弁する状態と、弁体44が弁座42に着座して第2の弁部を閉弁する状態とを同時に実現する同時着座を可能とし、弁体38と弁体44のそれぞれが着座時に自律的に調心可能となっている。なお、弁体38と軸部46との安定した連結状態が保持されるよう、弁体38に対する軸部46の挿入深さが、弁体38の重心位置よりも深くなるように設定されている。このような構成により、弁体38の上下の支点間距離が短くなり、弁体38にモーメントが作用し難くなり、その挙動を安定化させることができる。
また、弁体38の下端部が拡径されており、その拡径部88と軸部46との間に小型のコイルスプリング90(「弾性体」として機能する)が介装されている。コイルスプリング90は、その軸線方向の一端側に大径部92、他端側に小径部94を有する段付形状をなし、拡径部88に挿通されるとともに、軸部46の軸部を挿通する。コイルスプリング90は、大径部92の外周面にて弁体38の内周面に当接し、小径部94の内周面にて軸部46の外周面に当接するが、その大径部92が半径方向内向きに変形し、小径部94が半径方向外向きに変形することで半径方向の弾性反力を生成する。コイルスプリング90は、その弾性反力により弁体38と軸部46とを連結する。
すなわち、弁部およびその周辺機構の組み付けの際には、取付穴32に対して奥方から弁体38およびガイド部材36、弁座形成部材40、弁体44、支持部材50およびスプリング52、を順次挿入して組み付けることになる。本実施形態ではまず、ガイド部材36を取付穴32の突き当たりまで圧入する。このときは未だボディ2に対してパワーエレメント3が取り付けられていない。続いて、弁体38が弁座34に着座したときの取付穴32への挿入深さを確認するために、弁体38をガイド部材36に挿入し、弁座34に突き当て、そのときの作動ロッド74のボディ2からの突出高さを確認しておく。
続いて、その弁座形成部材40を挿入し、その正規の圧入位置よりもやや手前まで仮圧入する。このとき、弁体38はその後方から弁座形成部材40に支持されるため、取付穴32から脱落することはない。この状態から弁体44を挿入し、その軸部46を弁体38に挿入する。このとき、弁体38は軸部46の先端面に当接した状態で支持される。そして、この状態から弁体44を弁座42に突き当てつつ、弁座形成部材40をさらに圧入していき、作動ロッド74が上述した突出高さとなったとき、つまり弁体38が弁座34に着座したときに弁座形成部材40の位置を固定する。これにより、弁体38と弁体44の同時着座を実現することができる。
続いて、支持部材50とスプリング52とアジャストねじ48とを組み付けた組立体を取付穴32に挿入する。その間、弁体44が弁体38に吊持されるため、弁体44が取付穴32から脱落することはない。すなわち、コイルスプリング90により弁体38と軸部46とを連結する機構が「脱落防止機構」として機能する。このように、脱落防止機構により弁体44の脱落が防止されるため、その後にコイルスプリング90を慎重に挿入することができ、その組立性を向上させることができる。
また、本実施形態では、弁体44と支持部材50とを別体にして互いに当接させているため、仮にスプリング52の挙動により支持部材50に横荷重が生じても、弁体44への影響が少なくされている。特に、支持部材50の上面が平坦に形成されているのに対し、弁体44の支持部材50との当接面がR形状とされていため、軸部46と支持部材50との当接状態がほぼ点接触の状態となり、そうした横荷重の影響を受け難くされている。このような構成は、上述した弁体38に対する軸部46の挿入深さを大きくする構成と相俟って、弁体44の挙動を安定化させる。
以上のように構成された膨張弁1は、第1のエバポレータおよび第2のエバポレータから戻ってきた冷媒の圧力及び温度をパワーエレメント3が感知してそのダイヤフラム66が変位する。このダイヤフラム66の変位が駆動力となり、ディスク68および作動ロッド74を介して弁体38および弁体44に伝達されて第1の弁部および第2の弁部を開閉させる。一方、レシーバから供給された液冷媒は、入口ポート6から導入され、一方で第1の弁部を通過することにより絞り膨張され、低温・低圧の霧状の冷媒となって第1のエバポレータへ供給される。また、他方で第2の弁部を通過することにより絞り膨張され、低温・低圧の霧状の冷媒となって第2のエバポレータへ供給される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
[変形例2]
図4は、変形例に係る弁部周辺の構成を表す説明図である。上記実施形態では、弁体44(第2弁体)の軸部46を弁体38(第1弁体)に挿通して連結する例を示した。変形例においては、図4(A)に示すように、弁体244(第2弁体)を支持部材250に一体に構成してもよい。この変形例では、弁体244から弁室28に向けて短い軸部246を延出させ、弁体238の下面に当接させている。弁体238は、円柱状の本体の上端部をテーパ状にした単純な形状を有する。そして、上記実施形態と同様に、弁体238が弁座34に着座したときに自律的に調心可能となるよう、弁体238とガイド部材36との半径方向のクリアランスの大きさが設定されている。すなわち、ガイド部材36は、弁体238を支持するというよりも、弁体238の半径方向の変位を規制する規制部材として機能する。ガイド部材36の外側に形成される流通路の断面は、弁体238とガイド部材36とのクリアランスよりも相当大きくなる。
さらに、図4(B)に示すように、弁体338(第1弁体)を段付円柱状に形成してもよい。すなわち、弁体338において、ガイド部材36に挿通される挿通部339よりも、弁座34に着脱する着脱部340を大きく形成してもよい。そして、着脱部340の下端面が、ガイド部材36の上面(「係止部」として機能する)によって係止されるようにしてもよい。このような構成により、第1弁体についての脱落防止機構が実現される。
[変形例2]
図5は、他の変形例に係る弁部周辺の構成を表す説明図である。(A)は弁部周辺の部分拡大図であり、(B)はガイド部材の斜視図である。上記実施形態では、ガイド部材36の上端部と下端部に複数の脚部84を設けることにより、冷媒の流路断面を確保する例を示した。変形例においては、図5(A)および(B)に示すように、ガイド部材236における本体82の上端部と下端部を拡径し、その拡径部の底部を貫通する複数の連通孔240を設けている。ガイド部材236は、所定の金型を用いた樹脂材の一体成形(射出成形)により概形を形成し、その後、連通孔240を穿設することにより得られる。ただし、金型には上下方向ではなく半径方向に分割された割型と、挿通孔83を形成するためのマンドレルが用いられる。このような構成によっても冷媒流量を確保できる。
なお、上記実施形態および変形例においては、本発明の複合弁を膨張弁として構成する例を示したが、例えば直列に2連の逆止弁など、2つの弁部を有する他の複合弁として構成してもよい。また、複合弁を自動車用空調装置の冷凍サイクルに適用した例を示したが、作動流体の流れを制御するために2つの弁部を備える他の装置に適用してもよいことは言うまでもない。
1 膨張弁、 2 ボディ、 3 パワーエレメント、 6 入口ポート、 18,22 弁孔、 28,30 弁室、 32 取付穴、 36 ガイド部材、 38 弁体、 40 弁座形成部材、 44 弁体、 46 軸部、 50 支持部材、 52 スプリング、 74 作動ロッド、 86 収容穴、 90 コイルスプリング、 236 ガイド部材、 238 弁体、 240 連通孔、 244 弁体、 246 軸部、 250 支持部材、 338 弁体。

Claims (4)

  1. 一側面に開口する取付穴が流体通路の一部を形成し、その取付穴の奥方に弁孔が形成された金属製のボディと、
    前記取付穴の開口部から前記ボディに挿入されて固定され、前記弁孔と同軸状の挿通孔が形成されるとともに、作動流体を軸線方向に流通させるための流通路を形成可能な形状を有する樹脂製のガイド部材と、
    前記ガイド部材の挿通孔を貫通するように挿通され、前記弁孔に接離して弁部を開閉する金属製の弁体と、
    前記弁体をその一端側および他端側にて軸線方向に変位可能に支持する支持機構と、
    を備え、
    前記弁孔の開口端部に設けられた弁座に前記弁体が着座したときに、前記弁体が自律的に調心可能となるよう、前記弁体と前記ガイド部材との半径方向のクリアランスの大きさが設定され、
    前記流通路の断面が前記クリアランスの断面よりも大きくなるよう、前記ガイド部材の形状が定められていることを特徴とする制御弁。
  2. 前記ガイド部材が、樹脂材の一体成形により得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
  3. 前記弁孔として第1弁孔が形成された前記ボディと、
    前記取付穴の開口部から前記ボディに挿入されて固定され、前記第1弁孔と同軸状の第2弁孔が貫通形成された弁座形成部材と、
    前記弁体として、前記第1弁孔と前記弁座形成部材との間に形成された第1弁室に配置され、前記第1弁孔に接離して第1の弁部を開閉する第1弁体と、
    前記弁座形成部材の前記第1弁室とは反対側に形成された第2弁室に配置され、前記第2弁孔に接離して第2の弁部を開閉する一方、前記第2弁孔を貫通するように延在して前記第1弁体に当接する軸部を有する第2弁体と、
    前記支持機構の構成要素として、前記第1弁体に前記第2弁体とは反対側から作動ロッドを介して開弁方向の駆動力を伝達する駆動部と、
    前記支持機構の構成要素として、前記第2弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の制御弁。
  4. 冷凍サイクルに設けられ、外部熱交換器を経て流入した冷媒を内部の各弁部を通過させることにより絞り膨張させて第1のエバポレータおよび第2のエバポレータへ供給し、各エバポレータから戻ってきた冷媒の圧力と温度を感知して各弁部の開度を制御するとともに、その冷媒をコンプレッサへ向けて導出する膨張弁として構成され、
    前記外部熱交換器からの冷媒を前記第1弁室へ導入するための第1通路と、
    前記第1弁室と前記第1弁孔を介して接続され、前記第1の弁部を経た冷媒を前記第1のエバポレータへ導出するための第2通路と、
    前記第2弁室と接続され、前記第2の弁部を経た冷媒を前記第2のエバポレータへ導出するための第3通路と、
    前記第1のエバポレータおよび前記第2のエバポレータから戻る冷媒を導入するための第4通路と、
    前記第4通路と接続されて低圧通路を形成し、前記コンプレッサへ向けて冷媒を導出するための第5通路と、
    前記駆動部として前記ボディに設けられ、前記低圧通路を流れる冷媒の温度と圧力を感知して動作し、前記低圧通路を横断する前記作動ロッドを介して前記第1弁体に作動連結され、前記第1の弁部および前記第2の弁部の開度を調整するパワーエレメントと、
    を備え、
    前記作動ロッドと前記軸部との間に前記第1弁体を保持するよう、前記作動ロッド、前記第1弁体、前記第2弁体および前記付勢部材が同一軸線上に配設されていることを特徴とする請求項3に記載の制御弁。
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