JP2014065970A - 鋼板の連続洗浄装置および連続洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼板に傷等が付くことなく、鋼板全体にわたってくまなく油分を除去することができ、付加的な工程が不要であり、ランニングコストを抑えることが可能な鋼板の連続洗浄装置および連続洗浄方法を提供する。
【解決手段】連続走行する鋼板11の両面に付着する油分を連続洗浄する鋼板の連続洗浄装置10は、走行する鋼板11の両面に超音波の媒介物質を供給する媒介物質供給部4と、走行する鋼板11の両面に媒介物質を介して超音波を付与してキャビテーション処理を行う超音波発生装置1と、キャビテーション処理後の走行する鋼板11の両面を挟持し、鋼板の油分および水分を吸収する吸収ロール3を有する吸収ロールユニット5とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、焼鈍処理やめっき処理の前に、鋼板の表裏面に付着した圧延油および機械油を除去する鋼板の連続洗浄装置および連続洗浄方法に関する。
例えば、鉄鋼における連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきラインには、冷延鋼板が通板される。これらの冷延鋼板の表裏面には、圧延油や機械油が付着しており、これらの油分が付着したまま焼鈍やめっきなどの処理を行うと、鋼板のスリップによる設備や鋼板自体の破損、残留した油分による設備の汚損、鋼板表面の汚れによる商品価値の低下が発生する。そのため、焼鈍やめっきの前に、これらの残留した油分の除去が必要である。
従来、鋼板の連続洗浄方法としては、鋼板のアルカリ水溶液への浸漬、アルカリ電解溶液への浸漬およびこれらに付随するブラッシングによる方法が提案されている。しかし、この手法では、洗浄液に一定時間、鋼板を浸漬させる必要があるためラインの高速化が難しいという問題がある。また、洗浄液としてアルカリ溶液を使用するため、その廃液処理が必要である。さらに、洗浄液は一定期間使用するため、溶液の汚れと共に洗浄能力が低下するという問題がある。また、電解洗浄ラインでは、アルカリ電解溶液を電気分解することから、アルカリ電解溶液内に大量の泡が発生してしまい作業環境が悪化するという問題がある。
そこで、鋼板にドライアイスをショットブラストする方法が提案されている(例えば特許文献1)。この手法は、ドライアイスを鋼板表面にショットブラストし、低温で油分を固化させることにより、剥離除去する手法である。また、鋼板に高温蒸気を吹き付け、その後ブラッシングをする手法が提案されている(例えば特許文献2)。さらに、鋼板表面に、油を高圧ノズルで噴射した後、ロールやエアブローで残留油を除去する手法が提案されている(例えば特許文献3)。
特開平11−50284号公報 特開2007−246936号公報 特開平7−155824号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法では、固形物のドライアイスを鋼板に衝突させるため鋼板表面に傷が発生する可能性がある。また、処理にはドライアイスを大量に消費するため、ランニングコストが大きくなるという問題を持つ。さらに、この手法は固体を吹き付けるため表面にムラが生じやすく、油分が完全に除去できないという問題を持つ。また、上記特許文献2の方法では、ブラッシング後に鋼板表面に水分が残留するため、鋼板表面に錆が発生しやすい。そのため、ブラッシング後に鋼板の乾燥工程を付加する必要があるという問題がある。さらに、上記特許文献3に記載の方法では、表面に一時的に大量の油分が付着するためロールのクリーニング周期が短く、ランニングコストがかさむという問題点を持つ。また、大量の油が付着するため、表面に微量の油分が残るという問題点がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、鋼板に傷等を付けることなく、鋼板全体にわたってくまなく油分を除去することができ、付加的な工程が不要であり、ランニングコストを抑えることが可能な鋼板の連続洗浄装置および連続洗浄方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の(1)から(8)を提供する。
(1) 連続走行する鋼板の両面に付着する油分を連続洗浄する鋼板の連続洗浄装置であって、
走行する鋼板の両面に超音波の媒介物質を供給する媒介物質供給部と、
走行する鋼板の両面に前記媒介物質を介して超音波を付与してキャビテーション処理を行う超音波付与手段と、
前記キャビテーション処理後の走行する鋼板の両面を挟持し、鋼板の油分および水分を吸収する吸収ロールを有する吸収ロールユニットと、
を具備することを特徴とする鋼板の連続洗浄装置。
(2) 前記超音波付与手段により走行する鋼板に付与される超音波の周波数は100kHz以下であることを特徴とする上記(1)に記載の鋼板の連続洗浄装置。
(3) 前記吸収ロールは、多数の細孔を有する管状のロール軸と、前記ロール軸の外側に設けられた液体吸収性を有する弾性不織布シート素材で形性されたバレル部とを備え、前記吸収ロールユニットは、前記ロール軸に接続された吸引配管と、前記吸引配管を介して前記ロール軸内を負圧にする真空ポンプとをさらに備えることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の鋼板の連続洗浄装置。
(4) 前記媒介物質供給部および前記超音波付与手段が一つの装置として設けられていることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載の鋼板の連続洗浄装置。
(5) 連続走行する鋼板の両面に付着する油分を連続洗浄する鋼板の連続洗浄方法であって、
走行する鋼板の両面に超音波の媒介物質を供給し、
走行する鋼板の両面に媒介物質を介して超音波を付与してキャビテーション処理を行い、
前記キャビテーション処理後の走行する鋼板の両面を吸収ロールで挟持して鋼板の表面の油分および水分を吸収することを特徴とする鋼板の連続洗浄方法。
(6) 鋼板に付与する超音波の周波数は100kHz以下であることを特徴とする上記(5)に記載の鋼板の連続洗浄方法。
(7) 前記吸収ロールは、多数の細孔を有する管状のロール軸と、前記ロール軸の外側に設けられた液体吸収性を有する弾性不織布シート素材で形性されたバレル部とを備え、真空ポンプにより前記ロール軸内を負圧にすることにより前記吸収ロールに吸収された油分を吸引することを特徴とする上記(5)または(6)に記載の鋼板の連続洗浄方法。
(8) 走行する鋼板の両面に超音波が付与された媒介物質を供給してキャビテーション処理を行うことを特徴とする上記(5)から(7)のいずれかに記載の鋼板の連続洗浄方法。
本発明によれば、連続走行する鋼板の両面に対して媒介物質を供給し、鋼板の両面に媒介物質を介して超音波を付与してキャビテーション処理を行い、鋼板の両面に付着する油分を除去しやすくし、その後鋼板を吸収ロールで挟持し、圧下することにより、吸収ロールで油分および水分を吸収するので、固体を吹き付ける場合のように、鋼板に傷等が付くことや表面にムラが生じて油分が残留することがなく、鋼板の全体にわたってくまなく油分を除去することができる。また、鋼板に媒介物質を介して超音波を付与し、次いで吸収ロールにて鋼板の両面の油分および水分を吸収するだけであるから、ランニングコストが高くなることがない。さらに、吸収ロールにより鋼板の表面の油分のみならず水分も吸収することができるので乾燥工程のような付加的な工程を必要としない。
さらに、吸収ロールユニットが吸収ロールの他に真空ポンプを有し、吸収ロールに吸収された油分および水分を吸引するようにすることにより、吸収ロールが水分および油分により飽和することを防ぐことができる。このため、吸収ロールは、ロールの摩耗時以外は交換する必要がなく、半永久的に機能低下なく使用することができ、ランニングコストを非常に安くすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る連続洗浄装置を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続洗浄装置を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態に係る連続洗浄装置を示す側面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る鋼板の連続洗浄装置を示す側面図、図2はその正面図である。
本実施形態の鋼板の連続洗浄装置10は、例えば焼鈍ラインに設置され、焼鈍ラインの搬送機構により連続走行している冷延鋼板11の両面に付着する油分を焼鈍処理前に連続洗浄するものであり、走行する冷延鋼板11の両面に超音波の媒介物質として水を供給する給水器(媒介物質供給部)4と、冷延鋼板11の両面に媒介物質を介して超音波を付与してキャビテーション処理を行う超音波付与手段としての超音波発生装置1と、走行する冷延鋼板11を挟持してキャビテーション処理後の冷延鋼板表面の水分および油分を大まかに除去するリンガーロール2と、リンガーロール2を経た後の走行する冷延鋼板11の両面を挟持し、冷延鋼板11の水分および油分を吸収する吸収ロール3を有する吸収ロールユニット5とを備えている。
超音波発生装置1は、冷延鋼板11の両面側に設けられ超音波振動を発生させるヘッダ部1aと、ヘッダ部1aの超音波振動を増幅するホーン部1bから構成され、ホーン部1bからの超音波を、給水器4から供給される媒介物質である水を介して冷延鋼板11の両面に伝達し、キャビテーションを発生させてキャビテーション処理を行い、冷延鋼板表面の油分を除去しやすくする。ヘッダ部1aおよびホーン部1bは冷延鋼板11の幅方向に沿ってほぼ等間隔に複数設けられている。また、超音波発生装置1と給水器4は、必要に応じて冷延鋼板11の幅方向に複数配置した列が冷延鋼板11の進行方向に複数列配置されてもよい。
リンガーロール2は、表面がゴム等の軟質弾性体からなっており、冷延鋼板11に接触した状態で駆動機構(図示せず)により回転され、キャビテーション処理後の冷延鋼板11の両面の水分および油分を大まかに除去する。
吸収ロール3は、液体吸収性を有する弾性不織布シート素材で形性されたバレル部3aと、多数の細孔を有する管状のロール軸3bとで構成され、バレル部3aにロール軸3bが貫通して取り付けられた構造となっている。そして、吸収ロール3(バレル部3a)により冷延鋼板11を圧下した状態で駆動機構9により回転させることにより、毛細管現象により冷延鋼板11の両面の水分および油分がバレル部3aに吸収されるようになっている。
吸収ロールユニット5は、上記吸収ロール3に加え、ロータリージョイント8を介してロール軸3bに接続された吸引配管6と、吸引配管6を介してロール軸3b内を負圧にする真空ポンプ7とをさらに備えている。そして、真空ポンプ7で真空吸引をすることによりロール軸3b内部を負圧にすることが可能である。したがって、真空ポンプ7を作動させることにより、バレル部3aで吸収された水分および油分がロール軸3bの細孔を介して負圧になったロール軸3bに吸引され、さらに吸引配管6を介して系外に排出される。
次に、このような連続洗浄装置における洗浄処理動作について説明する。
焼鈍ラインにおいて、冷延鋼板11は図1の矢印の方向に連続走行している。このとき、一般的に冷延鋼板11の表裏面には、製造の過程で圧延油または機械油が付着している。このため、焼鈍処理に先立って、連続洗浄装置10により冷延鋼板11を連続的に洗浄する。
連続洗浄装置10においては、走行している冷延鋼板11に対し、最初に、給水器4から走行中の冷延鋼板11両面に水を媒介物質として供給し、超音波付与手段である超音波発生装置1により、走行する冷延鋼板11の両面に媒介物質を介して超音波を付与してキャビテーション処理を行い冷延鋼板11表面の油分を除去しやすくする。
具体的には、超音波発生装置1のヘッダ部1aから発生しホーン部1bで増幅された超音波を、給水器4から供給された水を媒介物質として冷延鋼板11に伝達する。これにより、超音波が冷延鋼板11の両面に付与される。この時、媒介物質である水中には無数の気体分子が存在し、これらの気体分子は気泡を形成する。さらに、これらの気泡は超音波のエネルギーによって収縮、膨張を繰り返す。最終的にはこれらの気泡は破裂し、その際、キャビテーションと呼ばれる非常に大きな衝撃力を発生させる。このキャビテーションによる衝撃力により、冷延鋼板11の表面に付着している残留油分が除去されやすくなる。キャビテーションを発生させるためには、発振周波数により一定レベル以上の超音波強度(音圧)が必要である。一般的に、低い周波数ほど低い超音波強度(音圧)でキャビテーションが発生し、100kHzを超えるとキャビテーション発生のために必要な超音波強度(音圧)は加速度的に増大する。そのため、消費エネルギー、装置サイズの観点から、冷延鋼板11に付与される超音波の周波数は100kHz以下であることが好ましい。また、キャビテーションの作用を効果的にするために、冷延鋼板11の全幅にわたって十分な量の水が供給される。
このようなキャビテーション処理後の冷延鋼板11は、駆動機構(図示せず)により回転されているリンガーロール2に挟持され、その両面に存在する水分および油分が大まかに除去される。このとき、リンガーロール2の周速は、走行している冷延鋼板11の板速と同期していることが望ましい。
次に、表面の水分および油分が大まかに除去された冷延鋼板11は吸収ロール3に搬送される。吸収ロール3は冷延鋼板11を挟持してかつ圧下した状態で駆動機構9により回転され、冷延鋼板11の両面に残った水分および油分を吸収する。このとき、吸収ロール3の周速は、走行している冷延鋼板11の板速と同期していることが望ましい。また、吸収ロール3における圧下は、8〜10kg/cmの線圧での軽圧下であることが好ましい。
具体的には、吸収ロール3の弾性不織布シート素材で形性されたバレル部3aが冷延鋼板11の両面を押圧することにより毛細管現象により冷延鋼板11の両面の水分および油分がバレル部3aに吸収され冷延鋼板11から除去される。
この場合に、吸収ロールユニット5は、ロータリージョイント8を介してロール軸3bに接続された吸引配管6と、吸引配管6を介してロール軸3b内を負圧にする真空ポンプ7とをさらに備えているので、真空ポンプ7で真空吸引をすることによりロール軸3b内部を負圧にすることが可能である。したがって、真空ポンプ7を作動させることにより、バレル部3aで吸収された水分および油分がロール軸3bの細孔を介して負圧になったロール軸3b内に吸引され、さらにロール軸3bから吸引配管6を介して系外に排出される。これにより、吸収ロール3(バレル部3a)が水分および油分で飽和することが防がれる。
このように、本実施形態では、給水器4により連続走行する冷延鋼板11の両面に対して超音波の媒介物質である水を供給し、超音波発生装置1により冷延鋼板11の両面に対して媒介物質である水を介して超音波を付与してキャビテーション処理を行い、冷延鋼板11の両面に付着する油分を除去しやすくし、その後冷延鋼板11を吸収ロール3で挟持し、圧下することにより、吸収ロール3のバレル部3aで水分および油分を吸収する。このため、固体を吹き付ける場合のように、鋼板に傷等が付くことや表面にムラが生じて油分が残留することがなく、冷延鋼板11の全体にわたってくまなく油分を除去することができる。また、冷延鋼板11に媒介物質である水を介して超音波を付与し、次いで吸収ロールにて冷延鋼板11の両面の油分および水分を吸収するだけであるから、ランニングコストが高くなることがない。さらに、吸収ロール3により冷延鋼板11の表面の油分のみならず水分も吸収することができるので乾燥工程のような付加的な工程を必要としない。
さらに、吸収ロールユニット5は吸収ロール3の他に真空ポンプ7を有し、吸収ロール3のバレル部3aに吸収された油分および水分を吸引するので、バレル部3aが水分および油分により飽和することを防ぐことができる。このため、吸収ロール3は、ロールの摩耗時以外は交換する必要がなく、半永久的に機能低下なく使用することができ、ランニングコストを非常に安くすることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る鋼板の連続洗浄装置を示す側面図である。本実施形態の鋼板の連続洗浄装置20は、媒介物質供給部である給水器4および超音波付与手段である超音波発生装置1を設ける代わりに、媒介物質供給部と超音波付与手段の機能を兼備する超音波水噴射装置22を有している点のみが第1の実施形態と異なっている。このため、第1の実施形態と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
超音波水噴射装置22は、媒介物質供給部としての給水部22aと超音波付与手段としてのキャビテーションノズル22bとを有する。つまり、媒介物質供給部および超音波付与手段が一つの装置として設けられている。給水部22aとキャビテーションノズル22bは、冷延鋼板11の幅方向に沿ってほぼ等間隔に複数設けられている。また、超音波水噴射装置22は、必要に応じて冷延鋼板11の幅方向に複数配置した列が冷延鋼板11の進行方向に複数列配置されてもよい。
超音波水噴射装置22においては、給水部22aから供給された媒介物質である水が、キャビテーションノズル22bから超音波が付与された状態で高圧で噴射される。この超音波水が冷延鋼板11に衝突することにより冷延鋼板11の表面でキャビテーションが発生し、第1の実施形態と同様にキャビテーション処理が行われる。これにより冷延鋼板11表面の油分が除去されやすくなる。本実施形態においても第1の実施形態と同様、冷延鋼板11に付与される超音波の周波数は100kHz以下であることが好ましい。
本実施形態の鋼板の連続洗浄装置20は、媒介物質供給部および超音波付与手段の機能を兼備する超音波水噴射装置22を有しているので、超音波発生装置1と給水器4とを別々の装置として有する第1の実施形態の連続洗浄装置10よりも簡便な機構で、走行する冷延鋼板11の両面に媒介物質である水を介して超音波を付与してキャビテーション処理を行うことができる。ただし、超音波の周波数は、噴射される水に付与可能な大きさであることが必要である。また、キャビテーション能力は第1の実施形態のほうが大きい。
このようにしてキャビテーション処理により冷延鋼板11表面の油分を除去しやすくした後は、第1の実施形態と同様、リンガーロール2により冷延鋼板11の両面に存在する水分および油分が大まかに除去され、引き続き吸収ロール3により冷延鋼板11の両面の水分および油分が吸収される。このとき、第1の実施形態と同様、リンガーロール2および吸収ロール3の周速は、走行している冷延鋼板11の板速と同期していることが望ましく、吸収ロール3における圧下は、8〜10kg/cmの線圧での軽圧下であることが好ましい。さらに、これも第1の実施形態と同様、真空ポンプ7を作動させることにより、バレル部3aで吸収された水分および油分をロール軸3bの細孔を介して負圧になったロール軸3b内に吸引され、さらにロール軸3bから吸引配管6を介して系外に排出されることにより、吸収ロール3(バレル部3a)が水分および油分で飽和することが防がれる。
したがって、第2の実施形態においても第1の実施形態と同様、固体を吹き付ける場合のように、鋼板に傷等が付くことや表面にムラが生じて油分が残留することがなく、冷延鋼板11の全体にわたってくまなく油分を除去することができる。また、冷延鋼板11に媒介物質である水を介して超音波を付与し、次いで吸収ロールにて冷延鋼板11の両面の油分および水分を吸収するだけであるから、ランニングコストが高くなることがない。さらに、吸収ロール3により冷延鋼板11の表面の油分のみならず水分も吸収することができるので乾燥工程のような付加的な工程を必要としない。さらにまた、真空ポンプ7により吸収ロール3のバレル部3aに吸収した油分および水分を吸引するので、バレル部3aが水分および油分により飽和することを防ぐことができる。このため、吸収ロール3は、ロールの摩耗時以外は交換する必要がなく、半永久的に機能低下なく使用することができ、ランニングコストを非常に安くすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では超音波を付与するための媒介物質として水を用いたが、温水であってもよい。また、水に限らず、例えばアルコールなどの有機液体等の水以外の物質を用いることもできる。また、リンガーロール2は必ずしも必須ではなく、キャビテーション処理を行った後、直接に吸収ロール3に冷延鋼板11を搬送するようにしてもよい。あるいは、リンガーロールに代えて、ワイパーのような装置を用いてもよい。さらに、鋼板として冷延鋼板を例にとって説明したが、鋼板は冷延鋼板に限るものではない。
1 超音波発生装置(超音波付与手段)
1a ヘッダ部
1b ホーン部
2 リンガーロール
3 吸収ロール
3a バレル部
3b ロール軸
4 給水器(媒介物質供給部)
5 吸収ロールユニット
6 吸収配管
7 真空ポンプ
8 ロータリージョイント
9 駆動機構
10,20 連続洗浄装置
11 冷延鋼板
22 超音波水噴射装置(媒介物質供給部+超音波付与手段)
22a 給水部
22b キャビテーションノズル

Claims (8)

  1. 連続走行する鋼板の両面に付着する油分を連続洗浄する鋼板の連続洗浄装置であって、
    走行する鋼板の両面に超音波の媒介物質を供給する媒介物質供給部と、
    走行する鋼板の両面に前記媒介物質を介して超音波を付与してキャビテーション処理を行う超音波付与手段と、
    前記キャビテーション処理後の走行する鋼板の両面を挟持し、鋼板の油分および水分を吸収する吸収ロールを有する吸収ロールユニットと、
    を具備することを特徴とする鋼板の連続洗浄装置。
  2. 前記超音波付与手段により走行する鋼板に付与される超音波の周波数は100kHz以下であることを特徴とする請求項1に記載の鋼板の連続洗浄装置。
  3. 前記吸収ロールは、多数の細孔を有する管状のロール軸と、前記ロール軸の外側に設けられた液体吸収性を有する弾性不織布シート素材で形性されたバレル部とを備え、前記吸収ロールユニットは、前記ロール軸に接続された吸引配管と、前記吸引配管を介して前記ロール軸内を負圧にする真空ポンプとをさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼板の連続洗浄装置。
  4. 前記媒介物質供給部および前記超音波付与手段が一つの装置として設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の鋼板の連続洗浄装置。
  5. 連続走行する鋼板の両面に付着する油分を連続洗浄する鋼板の連続洗浄方法であって、
    走行する鋼板の両面に超音波の媒介物質を供給し、
    走行する鋼板の両面に媒介物質を介して超音波を付与してキャビテーション処理を行い、
    前記キャビテーション処理後の走行する鋼板の両面を吸収ロールで挟持して鋼板の表面の油分および水分を吸収することを特徴とする鋼板の連続洗浄方法。
  6. 鋼板に付与する超音波の周波数は100kHz以下であることを特徴とする請求項5に記載の鋼板の連続洗浄方法。
  7. 前記吸収ロールは、多数の細孔を有する管状のロール軸と、前記ロール軸の外側に設けられた液体吸収性を有する弾性不織布シート素材で形性されたバレル部とを備え、真空ポンプにより前記ロール軸内を負圧にすることにより前記吸収ロールに吸収された油分を吸引することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の鋼板の連続洗浄方法。
  8. 走行する鋼板の両面に超音波が付与された媒介物質を供給してキャビテーション処理を行うことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の鋼板の連続洗浄方法。
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