JP2014065016A - ドレン水中和容器およびこれを備えた燃焼機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、中和容器のドレン水流入部33とドレン水排出部35を備え、ドレン水排出部35の下流域に水封トラップ部36を設けとともに、中和容器の中和剤充填部分の空間が単体で構成され、ドレン水流入部33よりドレン水排出部35の中間領域で且つ、水封トラップ部36の上方位置にドレン水水位の検知装置39が設けられている。
【選択図】図3
Description
また、特許文献1に記載されている水位検知装置は、中和容器内封水トラップの上流側への配置が条件であり、特許文献1の図1ならびに図7に示すように水位検知装置を中和容器のドレン水流入部近傍へ配置する必要があるとともに、中和容器内部には検知部分が通常ドレン水に接しないよう空間部が必要となるために、更なる中和容器の大型化をまねく問題点があった。
さらに、中和容器が目詰りした場合にドレン詰まり検知部からドレン受け部までの貯留箇所がドレン配管部分しかなく、ドレン水を貯留する容積が極端に少なく、ドレン目詰り検知による燃焼機器の運転停止後にドレン水がオーバーフローしてしまう虞があった。
(1)本発明のドレン水中和容器は、燃焼ガスの潜熱回収に伴って発生するドレン水を中和するための中和剤を充填したドレン水中和容器において、前記中和剤を収容する中空の中和容器本体と、前記中和容器本体へドレン水を流入させるドレン水流入部と、前記ドレン水を排出するドレン水排出部を備え、前記ドレン水排出部の下流域に水封トラップ部を設けたことを特徴とする。
(3)本発明のドレン水中和容器は、(1)または(2)項において、前記ドレン水流入部より、前記ドレン水排出部の中間領域で且つ、水封トラップ部の上方位置にドレン水の水位を検知する、検知装置を設けたことを特徴とする。
(4)本発明のドレン水中和容器は、(1)〜(3)項のいずれか一項において、樹脂製のブロー成形品からなることを特徴とする。
(6)本発明の燃焼機器は、燃料ガスを燃焼するバーナを有する燃焼部と、この燃焼部で発生した燃焼ガスから顕熱を回収する一次熱交換器と、この一次熱交換器を通過した排気ガスから潜熱を回収する二次熱交換器と、この潜熱回収の際に生じたドレン水を中和するドレン水中和容器を有する燃焼機器であって、前記ドレン水中和容器が前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載のドレン水中和容器であることを特徴とする。
また、中和容器本体内に水封トラップ部となる仕切り板を設ける必要がなくなるので、中和容器の中和剤充填容量の最大化をなしえ、仕切り板を不要としたので1箇所から中和剤を充填可能となり、中和剤の充填作業の軽減を図ることができる。
また、中和容器のドレン水流入部よりドレン水排出部の中間領域で且つ、水封トラップ部の上方位置の範囲内にドレン水の水位を検知する検知装置を設置することが可能となり、より自由な設計を図ることができる。
さらに、中和容器の中和剤を充填する部分、ドレン水流入部、ドレン水排出部、水封トラップ部を樹脂製のひとつのブロー成形品で製作することで、コスト低減を図ることができる。
図1と図2は壁貫通型の追い炊き機能付き給湯機(壁貫通釜とも称する。)としての燃焼機器とそれに備えられるドレン水中和容器の一実施形態を示す。この実施形態の燃焼機器は、燃焼ガスからの顕熱を回収する一次熱交換器と、排気ガスからの潜熱の回収を行う二次熱交換器とを備える。熱交換器では、排気ガスからの潜熱回収を行う際に、排気ガス中の窒素酸化物等を含んだ強酸性のドレン水が発生する。このため、熱交換器で発生したドレン水は、ドレン受け皿で集められ、ドレン配管によって中和容器に導かれ、中和剤によって中和された後に排出される。
前記風呂往き配管28と前記風呂戻り配管29は、浴槽30に取り付けられた循環金具31に接続されている。前記給湯配管26は、前記浴槽30の上縁面に設置された水栓32に接続される。前記浴槽30には、脱着可能なエプロン50が取り付けられている。
この例の燃焼機器1において、給湯燃焼部13、給湯一次熱交換器12および給湯二次熱交換器10と、追炊燃焼部19、追焚一次熱交換器17および追焚二次熱交換器18を図示略の筐体の内部に収容して燃焼機器本体1Aが大略構成され、更に燃焼機器本体1Aの筐体内部にドレン水中和容器7が備えられている。このドレン水中和容器7の内部には炭酸カルシウムなどの中和剤が必要量充填されている。
まず、図1に示す燃焼機器1において、給湯機能における湯水の流れについて説明する。湯水が燃焼機器1に設けられている給水配管接続部2から給水され、水量センサ3によって、この湯水が所定の流量に達したか否かが検知される。水量センサ3を通った湯水は、接続配管10Aを介し給湯二次熱交換器10に導かれ、この給湯二次熱交換器10で排気ガスから潜熱を回収する。この潜熱を回収した湯水は、給湯一次熱交換器12に接続配管12Aを介し導かれ、この給湯一次熱交換器12で燃焼ガスからの顕熱を回収する。この顕熱を回収した湯水は、接続配管20Aを介し湯水を浴室内に供給する給湯配管28を接続する給湯配管接続部20を通り、給湯栓から使用される。
本実施形態のドレン水中和容器7は、幅広で縦長の側面壁7a、7aと幅狭で縦長の正面壁7bおよび背面壁7cと、底壁7dおよび天井壁7eとから概略構成された縦長かつ薄型の樹脂製一体もののタンクである。前記正面壁7bの高さ方向中央側にドレン水流入部33が形成され、前記背面壁7cの底部側にドレン水排出部35が形成されている。なお、ドレン水中容器7の外形は縦長かつ薄型のタンク形状に限らず、必要なドレン水の容量や設置するべき燃焼機器の形状等に併せて任意の形状を採用できるので、図3に示す形状には限定されない。
ドレン水流入部33は、流入管33Aと、この流入管33Aおよび正面壁7bの間に形成された溜まり部33Bと、この溜まり部33Bと正面壁7bの接続部分に縦長に形成された流入側スリット部33aから構成されている。流入側スリット部33aは、中和剤11の粒径よりも小さなスリット幅とされ、ドレン水48がこの流入側スリット部33aを介しドレン水中和容器7の内部に流れ込むことができ、中和剤11は流入側スリット部33aを介し外部に出ないように構成されている。
背面壁7cにおいて水封トラップ部36の上方でドレン水流入部33より下方に詰まり検知部40が形成されている。この詰まり検知部40は、背面壁7cの外方に樽型に膨出するように形成され、ドレン水中和容器7を構成する樹脂からブロー成形時に一体成形されてなる。
なお、ドレン水中和容器7はブロー成形により一体成形されているので、ドレン水中和容器7の前面壁7bと背面壁7cと底壁7dと天井壁7eのそれぞれの幅方向中央部分に沿ってブロー成形時に形成されたコンプレッションリブ42が形成されている。なお、このコンプレッションリブ42はドレン水排出部35の周囲と水封トラップ部36の周囲と詰まり検知部40の周囲にもこれらを囲むように延出形成されている。
ここで、コンプレッションリブ42がドレン水中和容器7のほぼ全周に形成されているので、詰まり検知部40の周囲は部分的にコンプレッションリブ42により囲まれて補強されている。更に、管路36Aと管路36Bも部分的にコンプレッションリブ42に囲まれて補強されるとともに、逆U字形に配置されている管路36Aと管路36Bの間の部分にコンプレッションリブ42の一部が延在して水封壁37が形成されている。
具体的には中和容器形状の封水用の仕切り板が不要となるため、中和剤充填部34は仕切りなどのない単一空間とすることができる。これにより同一サイズの中和容器に対する中和剤の充填量が増加するため、中和性能の向上や中和容器の小型化を実現できる。さらに、中和剤充填部34の内部空間を仕切りなどのない単一空間とすることで、中和剤の投入口も単一とすることが可能となり、中和剤の充填作業の軽減が図れる。
詰まり検知装置39は排気ガスのトラップより上流側に設ける必要があるが、本実施形態では水封トラップ部36をドレン水排出部35の下流側へ配置したことにより、詰まり検知装置39の位置はドレン水流入部33とドレン水排出部35間のドレン排水領域で且つ、詰まりが発生していない正常時のドレン水位となる水封壁37の上端部37aより上方の領域とすることが出来る。
本実施形態では水封トラップ部36の上方に樽型に突設した詰まり検知部40を設けてそこに詰まり検知装置39を設けることにより、中和剤充填部34の容積を減らすことなく、さらには詰まり検知部40と詰まり検知装置39を設けることによるドレン水中和容器7の幅方向の拡大を防止した構成とすることが可能となる。
樽型に突設して内部を中空とした詰まり検知部40と中和剤充填部34との間に詰まり検知スリット部41を設けていることにより、ドレン水流入部33からのドレン水の大量流入や燃焼機器の運転等による振動に起因するドレン水の水面に発生する跳ね返りや細波の影響を無くすることができる。
さらに、ドレン水中和容器7の成形方法はブロー成形を用いており、ブロー成形時に生じるパーティングライン上のコンプレッションリブ42が底面部のみ長い構成とされている。具体的には、側面部コンプレッションリブ42bを約2mm以下としているのに対して、底面部コンプレッションリブ42aを5mm程度としている。これは、ドレン水中和容器7の燃焼機器内部での固定に際し、位置を決定するためのガイドとして前記底面部コンプレッションリブ42aを活用するためである。
本実施形態では燃焼機器1の内部にドレン水中和容器7を内蔵する構成としており、固定構造はドレン水中和容器7を上下の固定金具にて固定する方式を採用できる。一例として、図5に示す固定金具43、47を用いてドレン水中和容器7を燃焼機器1の筐体に支持させて固定する構造を採用できる。
ドレン水中和容器7を支持するための下側の固定金具43には、ドレン水中和容器7の底面部コンプレッションリブ42aを挿入するために図6(A)に示すようなスリット状の長孔44が設けられており、ドレン水中和容器7の位置決めができる。下側の固定金具43は、短冊状の平板部43Aとその長さ方向左右両端側に折り曲げ形成された起立片43B、43Bからなるコ字型に形成され、平板部43Aの中央部に形成されている長孔44に底面部コンプレッションリブ42aを挿通してドレン水中和容器7の底部を支持できるように構成されている。なお、平板部43Aの幅方向両側縁には折曲片43Cが形成されている。
ドレン水中和容器7は中和剤11やドレン水48により約3kg程度の重量となるが、長孔44周囲の平板部43Aの面45にてドレン水中和容器7の底面を支えることにより中和容器の保持を可能としている。
ドレン水中和容器7の中和剤投入部7fに中和剤投入口蓋46が装着されているが、前記支持片47D、47Dはこれらの間に図5に示すように中和剤投入口蓋46を嵌め込むことでドレン水中和容器7の上部側を安定保持することができる。
ドレン水中和容器7の上側の固定金具47により、中和剤投入口蓋46を円周方向に保持することにより、振動などによるドレン水中和容器7への一方向の応力集中を防止できる固定構造が構成されている。
これらの固定金具43、47を燃焼機器1の筐体内部などに取り付けておき、固定金具43、47で図5に示すようにドレン水中和容器7の上下を支持することで、ドレン水中和容器7を燃焼機器1の筐体内に安定支持することができる。
Claims (6)
- 燃焼ガスの潜熱回収に伴って発生するドレン水を中和するための中和剤を充填したドレン水中和容器において、前記中和剤を収容する中空の中和容器本体と、前記中和容器本体へドレン水を流入させるドレン水流入部と、前記ドレン水を排出するドレン水排出部を備え、前記ドレン水排出部の下流域に水封トラップ部を設けたことを特徴とするドレン水中和容器。
- 前記中和容器本体の内部空間が仕切られていない単一空間で構成されたことを特徴とする請求項1記載のドレン水中和容器。
- 前記ドレン水流入部より、前記ドレン水排出部の中間領域で且つ、水封トラップ部の上方位置にドレン水の水位を検知する、検知装置を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のドレン水中和容器。
- 樹脂製のブロー成形品からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のドレン水中和容器。
- 前記中和容器本体の底面にコンプレッションリブが形成され、前記中和容器本体の頂部に筒状の中和剤投入部が形成され、前記コンプレッションリブを挿通可能な長孔を有する板状の下側固定金具で前記中和容器本体底部が支持され、前記筒状の中和剤投入部を受ける突起部を備えた上側固定金具で前記中和容器本体上部が支持されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のドレン水中和容器。
- 燃料ガスを燃焼するバーナを有する燃焼部と、この燃焼部で発生した燃焼ガスから顕熱を回収する一次熱交換器と、この一次熱交換器を通過した排気ガスから潜熱を回収する二次熱交換器と、この潜熱回収の際に生じたドレン水を中和するドレン水中和容器を有する燃焼機器であって、前記ドレン水中和容器が前記請求項1〜5のいずれか一項に記載のドレン水中和容器である燃焼機器。
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