JP6082555B2 - ドレン水中和容器およびこれを備えた燃焼機器 - Google Patents
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Description
前述した中和容器内は中和剤が溶解しながらドレン水の中和を行なうことで中和剤に含まれる不純物、ドレン水に含まれる不純物、外部から進入するチリやゴミなどにより、中和容器のドレン水排出部分に目詰りが生じてドレン水がオバーフローすることを防止するための検知方法として、たとえば特許文献1の図1に示すように、上方から流入するドレン水流入部の両端に水位検知用の電極を設置するとともに、ドレン水導入部と電極の中間領域に凹凸状のドレン水ストッパ部を設けられたものが知られている。
さらに、特許文献1に記載の従来技術では、ドレン水流入部を跨ぐよう近傍に水位感知用電極が配置されており、ドレン水流入状態の変化の影響をうけやすく、正確な水位感知の効果を発揮することはできない問題点があった。
(1)本発明のドレン水中和容器は、燃焼ガスの潜熱回収に伴って発生するドレン水を中和するための中和剤を充填したドレン水中和容器において、前記中和剤を収容する中空の樹脂製の中和容器本体と、前記中和容器本体へドレン水を流入させる樹脂製のドレン水流入部と、前記ドレン水を排出する樹脂製のドレン水排出部を備え、前記中和容器本体のドレン水流入部から隔離された位置に、前記中和容器本体の周壁の一部を膨出させて中和容器本体の内部空間と通じる検知室を有する中空構造の検知部が形成され、前記検知室にドレン水水位の検知装置が配置され、前記中和容器本体においてドレン水流入部と反対側に前記検知室が設けられ、前記検知室と前記中和容器本体内部空間との境界部に狭窄形状の通路が形成され、前記検知室に複数の電極が取り付けられ、前記複数の電極の取付位置の間に、前記中和容器本体の一部から前記複数の電極の取付位置の間に延出された仕切り部材が配置されたことを特徴とする。
(2)本発明のドレン水中和容器は、(1)項に記載のドレン水中和容器において、前記中和容器本体が正面壁および背面壁と側面壁と底壁および天井壁を有する樹脂製一体物のブロー成形タンクからなり、正面壁と背面壁と底壁と天井壁の幅方向中央部分に沿って前記中和容器本体の周囲を取り囲むコンプレッションリブが形成され、前記ドレン水流入部が前記正面壁側に形成され、前記ドレン水排出部と前記検知部が背面壁側に形成され、前記ドレン水流入部の周囲と前記ドレン水排出部の周囲と前記検知部の周囲にもコンプレッションリブが形成されるとともに、前記仕切り部材が前記検知部周囲のコンプレッションリブの一部から延出形成されたことを特徴とする。
発生した燃焼ガスから顕熱を回収する一次熱交換器と、この一次熱交換器を通過した排気
ガスから潜熱を回収する二次熱交換器と、この潜熱回収の際に生じたドレン水を中和する
ドレン水中和容器を有する燃焼機器であって、前記ドレン水中和容器が前記(1)または(2)に記載のドレン水中和容器であることを特徴とする。
また、中和容器本体と検知室を連通させた狭窄形状の通路を形成することにより、ドレン水の大量流入や、燃焼機器の運転等による振動に起因する、ドレン水の水面上に発生する跳ね返りや細波に影響されることがなく、ドレン水の水位検知の正確性が向上しその信頼性を高めることができる。この狭窄形状の通路は詰まり検知部に対する中和剤の侵入も防止する。
さらに、検知室を中和容器本体のドレン水流入部と反対側に設けたので、ドレン水流入部との離隔距離を最大にすることにより、よりドレン水の流入に影響されることがなく、ドレン水位の検知の正確性が向上しその信頼性を高めることができる。
検知室においてドレン水水位検知用の複数の電極取付部の間に仕切り部材を設けることで、水位検知用の複数の電極間の沿面距離を確保することができ、検知の正確性が向上しその信頼性を高めることができる。
中和容器を樹脂製一体物のブロー成形タンクから構成し、検知室に設けた複数の電極の間に前記中和容器のコンプレッションリブの一部から延出された仕切り部材を設けるならば、コンプレッションリブの一部からなる仕切り部材により複数の電極間の沿面距離を確保し、詰まり検知の正確性を確保した上でブロー成形品として一体化した構成によりコスト低減を図ることができる。
図1と図2は壁貫通型の追い炊き機能付き給湯機(壁貫通釜とも称する。)としての燃焼機器とそれに備えられるドレン水中和容器の一実施形態を示す。この実施形態の燃焼機器は、燃焼ガスからの顕熱を回収する一次熱交換器と、排気ガスからの潜熱の回収を行う二次熱交換器とを備える。熱交換器では、排気ガスからの潜熱回収を行う際に、排気ガス中の窒素酸化物等を含んだ強酸性のドレン水が発生する。このため、熱交換器で発生したドレン水は、ドレン受け皿で集められ、ドレン配管によって中和容器に導かれ、中和剤によって中和された後に排出される。
前記風呂往き配管28と前記風呂戻り配管29は、浴槽30に取り付けられた循環金具31に接続されている。前記給湯配管26は、前記浴槽30の上縁面に設置された水栓32に接続される。前記浴槽30には、脱着可能なエプロン50が取り付けられている。
この例の燃焼機器1において、給湯燃焼部13、給湯一次熱交換器12および給湯二次熱交換器10と、追炊燃焼部19、追焚一次熱交換器17および追焚二次熱交換器18を図示略の筐体の内部に収容して燃焼機器本体1Aが大略構成され、更に燃焼機器本体1Aの筐体内部にドレン水中和容器7が備えられている。このドレン水中和容器7の内部には炭酸カルシウムなどの中和剤が必要量充填されている。
まず、図1に示す燃焼機器1において、給湯機能における湯水の流れについて説明する。湯水が燃焼機器1に設けられている給水配管接続部2から給水され、水量センサ3によって、この湯水が所定の流量に達したか否かが検知される。水量センサ3を通った湯水は、接続配管10Aを介し給湯二次熱交換器10に導かれ、この給湯二次熱交換器10で排気ガスから潜熱を回収する。この潜熱を回収した湯水は、給湯一次熱交換器12に接続配管12Aを介し導かれ、この給湯一次熱交換器12で燃焼ガスからの顕熱を回収する。この顕熱を回収した湯水は、接続配管20Aを介し湯水を浴室内に供給する給湯配管28を接続する給湯配管接続部20を通り、給湯栓から使用される。
本実施形態のドレン水中和容器7は、幅広で縦長の側面壁7a、7aと幅狭で縦長の正面壁7bおよび背面壁7cと、底壁7dおよび天井壁7eとから概略構成された縦長かつ薄型の樹脂製一体もののタンクである。前記正面壁7bの高さ方向中央側にドレン水流入部33が形成され、前記背面壁7cの底部側にドレン水排出部35が形成されている。なお、ドレン水中容器7の外形は縦長かつ薄型のタンク形状に限らず、必要なドレン水の容量や設置するべき燃焼機器の形状等に併せて任意の形状を採用できるので、図3に示す形状には限定されない。
ドレン水流入部33は、流入管33Aと、この流入管33Aおよび正面壁7bの間に形成された溜まり部33Bと、この溜まり部33Bと正面壁7bの接続部分に縦長に形成された流入側スリット部33aから構成されている。流入側スリット部33aは、中和剤11の粒径よりも小さなスリット幅とされ、ドレン水48がこの流入側スリット部33aを介しドレン水中和容器7の内部に流れ込むことができ、中和剤11は流入側スリット部33aを介し外部に出ないように構成されている。
背面壁7cにおいて水封トラップ部36の上方でドレン水流入部33より下方に詰まり検知部40が形成されている。この詰まり検知部40は、背面壁7cの外方に樽型に膨出するように形成され、ドレン水中和容器7を構成する樹脂からブロー成形時に一体成形されてなる。
なお、ドレン水中和容器7はブロー成形により一体成形されているので、ドレン水中和容器7の前面壁7bと背面壁7cと底壁7dと天井壁7eのそれぞれの幅方向中央部分に沿ってブロー成形時に形成されたコンプレッションリブ42が形成されている。なお、このコンプレッションリブ42はドレン水排出部35の周囲と水封トラップ部36の周囲と詰まり検知部40の周囲にもこれらを囲むように延出形成されている。
ここで、コンプレッションリブ42がドレン水中和容器7のほぼ全周に形成されているので、詰まり検知部40の周囲は部分的にコンプレッションリブ42により囲まれて補強されている。更に、管路36Aと管路36Bも部分的にコンプレッションリブ42に囲まれて補強されるとともに、逆U字形に配置されている管路36Aと管路36Bの間の部分にコンプレッションリブ42の一部が延在して水封壁37が形成されている。
具体的には中和容器形状の封水用の仕切り板が不要となるため、中和剤充填部34は仕切りなどのない単一空間とすることができる。これにより同一サイズの中和容器に対する中和剤の充填量が増加するため、中和性能の向上や中和容器の小型化を実現できる。さらに、中和剤充填部34の内部空間を仕切りなどのない単一空間とすることで、中和剤の投入口も単一とすることが可能となり、中和剤の充填作業の軽減が図れる。
詰まり検知装置39は排気ガスのトラップより上流側に設ける必要があるが、本実施形態では水封トラップ部36をドレン水排出部35の下流側へ配置したことにより、詰まり検知装置39の位置はドレン水流入部33とドレン水排出部35間のドレン排水領域で且つ、詰まりが発生していない正常時のドレン水位となる水封壁37の上端部37aより上方の領域とすることが出来る。
本実施形態では水封トラップ部36の上方に樽型に突設した中空の詰まり検知部40を設けてそこに詰まり検知装置39を設けることにより、中和剤充填部34の容積を減らすことなく、さらには詰まり検知部40と詰まり検知装置39を設けることによるドレン水中和容器7の幅方向の拡大を防止した構成とすることが可能となる。
また、以上の構造により、ドレン流入部33と詰まり検知部40の距離を離すことができドレン水が流入する際の飛散による詰まり検知への影響を無くすことができ、詰まり検知の正確性を向上することが可能となる。詰まり検知部40の位置は、ドレン水が流入する際の飛散による影響がない位置にすることが必要であるが、ドレン流入部33の反対側に限定はしない。
樽型に突設した詰まり検知部40と中和剤充填部34との間には、中和剤を詰まり検知部40に侵入させないための詰まり検知スリット部41が設けられている。この詰まり検知スリット部41は、詰まり検知部40に対する中和剤11の侵入を防止するため、先の流入側スリット部33aと同様、中和剤の粒径より小さい短辺幅のスリットを設けることにより構成されている。
樽型に突設して内部を中空とした詰まり検知部40と中和剤充填部34との間に詰まり検知スリット部41を設けていることにより、ドレン水流入部33からのドレン水の大量流入や燃焼機器の運転等による振動に起因するドレン水の水面に発生する跳ね返りや細波の影響を無くすることができる。
本実施形態では、詰まり検知装置39間にコンプレッションリブ42の一部を設け、詰まり検知装置39間の沿面距離を確保している。これにより、結露等によるドレン水の存在により詰まり誤検知等への悪影響を無くすことができ、詰まり検知の正確性を向上することが可能となる。
Claims (3)
- 燃焼ガスの潜熱回収に伴って発生するドレン水を中和するための中和剤を充填したドレン水中和容器において、前記中和剤を収容する樹脂製の中空の中和容器本体と、前記中和容器本体へドレン水を流入させる樹脂製のドレン水流入部と、前記ドレン水を排出する樹脂製のドレン水排出部を備え、
前記中和容器本体のドレン水流入部から隔離された位置に、前記中和容器本体の周壁の一部を膨出させて中和容器本体の内部空間と通じる検知室を有する中空構造の検知部が形成され、前記検知室にドレン水水位の検知装置が配置され、
前記中和容器本体においてドレン水流入部と反対側に前記検知室が設けられ、
前記検知室と前記中和容器本体内部空間との境界部に狭窄形状の通路が形成され、
前記検知室に複数の電極が取り付けられ、前記複数の電極の取付位置の間に、前記中和容器本体の一部から前記複数の電極の取付位置の間に延出された仕切り部材が配置されたことを特徴とするドレン水中和容器。 - 前記中和容器本体が正面壁および背面壁と側面壁と底壁および天井壁を有する樹脂製一体物のブロー成形タンクからなり、正面壁と背面壁と底壁と天井壁の幅方向中央部分に沿って前記中和容器本体の周囲を取り囲むコンプレッションリブが形成され、前記ドレン水流入部が前記正面壁側に形成され、前記ドレン水排出部と前記検知部が背面壁側に形成され、前記ドレン水流入部の周囲と前記ドレン水排出部の周囲と前記検知部の周囲にもコンプレッションリブが形成されるとともに、前記仕切り部材が前記検知部周囲のコンプレッションリブの一部から延出形成されたことを特徴とする請求項1に記載のドレン水中和容器。
- 燃料ガスを燃焼するバーナを有する燃焼部と、この燃焼部で発生した燃焼ガスから顕熱を回収する一次熱交換器と、この一次熱交換器を通過した排気ガスから潜熱を回収する二次熱交換器と、この潜熱回収の際に生じたドレン水を中和するドレン水中和容器を有する燃焼機器であって、前記ドレン水中和容器が前記請求項1または請求項2に記載のドレン水中和容器である燃焼機器。
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