JP2014065015A - 描画装置、描画方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マーキングの外観品質を向上させる。
【解決手段】機能液を液滴として吐出する吐出ヘッドと、ワークの位置情報を取得する位置情報取得部と、前記ワークの前記位置情報を取得して、取得された前記位置情報に対応する傾き補正値に基づいて前記ワークに前記液滴を吐出させる制御部と、を備えた。
【選択図】図4
【解決手段】機能液を液滴として吐出する吐出ヘッドと、ワークの位置情報を取得する位置情報取得部と、前記ワークの前記位置情報を取得して、取得された前記位置情報に対応する傾き補正値に基づいて前記ワークに前記液滴を吐出させる制御部と、を備えた。
【選択図】図4
Description
本発明は、描画装置及び描画方法に関する。
従来、半導体装置(半導体チップ含む)等のワーク上に製造番号や製造会社名等の情報をレーザーマーカー等でマーキングするマーキング装置が知られている。ところで、ワークにマーキングする際、ワークが所定位置からずれてしまう場合がある。このため、マーキング装置に備えられた位置情報検出手段により、ワークの位置情報を取得し、取得された位置情報に基づいて、レーザーマーカーのレーザー光の照射位置を補正制御するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、インクジェット方式の描画装置を用いてワーク上に描画する場合では、ワークの位置情報を取得し、取得された位置情報に基づいて、ワークの位置ずれを補正した描画データを生成し、当該生成された描画データに基づいてワーク上に描画する際、例えば、ワークの傾き角に応じて補正された描画データに基づいて描画した場合、ワークに対して液滴が吐出されるノズルの位置が変更されるため、描画された画像に切れ目(ジャギー)等が発生する場合があり、外観品質を低下させてしまう、という課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる描画装置は、機能液を液滴として吐出する吐出ヘッドと、ワークの位置情報を取得する位置情報取得部と、前記ワークの前記位置情報を取得して、取得された前記位置情報に含まれる前記ワークの傾き角に対応して設定された傾き補正値に基づいて前記ワークに前記液滴を吐出させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、取得されたワークの傾き角に対応して設定された傾き補正値に基づいて描画される。すなわち、ワークの傾き角に対して一義的に算出される傾き補正値に基づいて描画されるのではなく、例えば、取得されたワークの傾き角に対して、複数の傾き補正値から任意に補正値を選択することが可能となる。そして、所望する画像を描画するための補正値を設定することにより、画像上における切れ目やジャギー等の発生を抑制し、画像の外観品質を向上させることができる。
[適用例2]上記適用例にかかる描画装置では、前記ワークの傾き角に対応して描画イメージを作成し、作成された前記描画イメージに基づいて、前記ワークの傾き角に対応した前記傾き補正値を設定することを特徴とする。
この構成によれば、ワークの傾き角に対応して描画イメージが作成される。これにより、描画イメージから画像の切れ目やジャギー等の発生の有無を容易に確認することができ、適切な傾き補正値を設定することができる。
[適用例3]上記適用例にかかる描画装置では、前記描画イメージを作成する描画シミュレーターを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、描画イメージの作成と液滴の吐出動作とを効率よく実施することができる。
[適用例4]上記適用例にかかる描画装置の前記制御部では、前記ワーク毎に、前記傾き補正値を設定することを特徴とする。
この構成によれば、ワーク毎に傾き補正値が設定されるため、例えば、トレイ上に載置された複数のワークに対して容易に描画作業を行うことができる。
[適用例5]本適用例にかかる描画方法は、ワークに対して液滴を吐出して、前記ワーク上に描画パターンを描画する描画方法であって、前記ワークの位置情報を取得して、取得された前記位置情報に含まれる前記ワークの傾き角に対応して設定された傾き補正値に基づいて前記ワークに前記描画パターンを描画することを特徴とする。
この構成によれば、取得されたワークの傾き角に対応して設定された傾き補正値に基づいて描画される。すなわち、ワークの傾き角に対して一義的に算出される傾き補正値に基づいて描画されるのではなく、例えば、取得されたワークの傾き角に対して、複数の傾き補正値から任意に補正値を選択することが可能となる。そして、所望する画像を描画するための補正値を設定することにより、画像上における切れ目やジャギー等の発生を抑制し、画像の外観品質を向上させることができる。
[適用例6]上記適用例にかかる描画方法では、前記ワークの傾き角に対応して描画イメージを作成し、作成された前記描画イメージに基づいて、前記ワークの傾き角に対応した前記傾き補正値を設定することを特徴とする。
この構成によれば、ワークの傾き角に対応して描画イメージが作成される。これにより、描画イメージから画像の切れ目やジャギー等の発生の有無を容易に確認することができ、適切な傾き補正値を設定することができる。
[適用例7]上記適用例にかかる描画方法では、作成された前記描画イメージを表示することを特徴とする。
この構成によれば、作成された描画イメージを目視にて確認できるので、所望の条件を確実に設定することができる。
[適用例8]上記適用例にかかる描画方法では、表示された前記描画イメージに基づいて、前記傾き補正値を設定することを特徴とする。
この構成によれば、描画イメージから描画パターンの切れ目やジャギーの発生具合を確認することができるので、確実に適切な傾き補正値を設定することがでる。このため、試し描画を繰り返し行う必要が無くなり、生産性を向上させることができる。
[適用例9]上記適用例にかかる描画方法では、作成された前記描画イメージの前記ワークにおける配置位置に基づいて、前記傾き補正値を設定することを特徴とする。
この構成によれば、描画される描画パターンの位置の品質を含めて外観品質を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
まず、描画装置の構成について説明する。描画装置は、機能液を液滴として吐出する吐出ヘッドと、ワークの位置情報を取得する位置情報取得部と、ワークの位置情報を取得して、取得された位置情報に含まれるワークの傾き角に対応して設定された傾き補正値に基づいてワークに液滴を吐出させる制御部を備えたものである。さらに、本描画装置は。ワークの傾き角に対応して描画イメージを作成し、作成された描画イメージに基づいて、ワークの傾き角に対応した傾き補正値を設定するものである。また、本実施形態では、描画イメージを作成する描画シミュレーター等を備えている。以下、具体的に説明する。
図1は、描画装置の構成を示し、図1(a)は、描画装置全体の構成を示す斜視図であり、図1(b)は、描画装置に備えられた吐出ヘッドの概略構成を示す斜視図である。
図1(a)に示すように、描画装置1は、ヘッド機構部2と、媒体搬送機構部3と、保守装置部5と、制御部7と、描画シミュレーター70を備えている。ヘッド機構部2は、機能液を液滴として吐出する吐出ヘッド20を有している。描画装置1は、また、図示省略した機能液供給部や、吐出検査装置部を備えている。吐出ヘッド20が吐出する機能液は、機能液供給部から吐出ヘッド20に供給される。制御部7は、上記した各機構部などを総括的に制御する。
ヘッド機構部2は、ヘッド移動部としてのキャリッジユニット22と、キャリッジ走査機構62とを、備えている。キャリッジユニット22は、吐出ヘッド20を有するヘッドユニット21と、紫外線を照射する紫外線照射部27と、位置情報取得部50とを備えている。キャリッジ走査機構62は、キャリッジユニット22が吊設されたキャリッジ枠45を備え、キャリッジ枠45をY軸方向に移動させることで、キャリッジユニット22をY軸方向に移動させる。
キャリッジ走査機構62は、支持柱43と、支持梁44と、ガイド部46と、駆動モーター47と、駆動プーリー47aと、従動プーリー47bと、ベルト42aと、キャリッジ枠45と、エンコーダー48と、を備えている。支持梁44は、2つの支持柱43に掛け渡されるように設けられ、Y軸方向に延在している。ガイド部46は、支持梁44に固定されており、Y軸方向に延在している。駆動モーター47は、支持梁44のY軸方向における一方の端近くで、支持梁44に固定されている。駆動モーター47の出力軸には、駆動プーリー47aが固定されており、駆動プーリー47aが、駆動モーター47によって回動駆動される。従動プーリー47bは、支持梁44のY軸方向における、駆動モーター47が固定された端と反対側の端近くで、支持梁44に、回動可能に固定されている。従動プーリー47bの回動軸の軸方向は、駆動プーリー47aの回動軸(駆動モーター47の出力軸)の軸方向と、略平行である。ベルト42aは、駆動プーリー47aと従動プーリー47bとの間に掛け渡されており、駆動プーリー47aが回動することによって、駆動される。ベルト42aは、ガイド部46と並行してY軸方向に延在している。エンコーダー48は、支持梁44に固定されており、ガイド部46と略平行にY軸方向に延在している。
ベルト42aには、キャリッジ枠45が固定されている。キャリッジ枠45は、ガイド部46に、Y軸方向に摺動自在に係合している。キャリッジ枠45は、駆動モーター47によってベルト42aが駆動させられることによって、ガイド部46に沿ってY軸方向に駆動される。キャリッジ枠45のY軸方向の位置は、エンコーダー48によって検出される。キャリッジ枠45を、キャリッジ走査機構62によってY軸方向に移動させることで、キャリッジ枠45に吊設されたヘッドユニット21が有する吐出ヘッド20を、Y軸方向に自在に移動させることができる。また、移動した任意の位置に保持することができる。
図1(b)に示すように、吐出ヘッド20は、ノズル基板25を備えている。ノズル基板25には、多数の吐出ノズル24が略一直線状に並んだノズル列24Aが、2列形成されている。吐出ノズル24から機能液を液滴として吐出し、対向する位置にあるワークなどに着弾させることで、当該位置に機能液を配置する。ノズル列24Aは、吐出ヘッド20が描画装置1に装着された状態で、図1(a)に示したX軸方向に延在している。ノズル列24Aにおいて吐出ノズル24は等間隔のノズルピッチで並んでおり、2列のノズル列24A間で、吐出ノズル24の位置がX軸方向に半ノズルピッチずれている。これにより、吐出ヘッド20としては、X軸方向に半ノズルピッチ間隔で機能液の液滴を配置することができる。
図1(a)に示すように、媒体搬送機構部3は、媒体載置台31と、スライド台31aと、媒体移動機構33と、を備えている。媒体移動機構33は、X軸ガイド35とX軸リニアモーター(図示省略)と、を備えている。X軸ガイド35は、2つの支持柱43の間で、支持梁44の下方に配設されており、Y軸方向と直交するX軸方向に略平行に延在している。スライド台31aは、X軸方向に摺動自在に、X軸ガイド35に支持されている。X軸リニアモーターは、X軸ガイド35と略平行に配設されており、スライド台31aは、X軸リニアモーターによって、X軸方向に移動させられる。また、移動した任意の位置に保持させられる。媒体載置台31は、図示省略した媒体回動機構によって、X軸方向及びY軸方向と直交するZ軸方向に平行な軸まわりの方向に回動可能に、スライド台31aの上に固定されて、支持されている。
媒体移動機構33によって、スライド台31aをX軸方向に移動させることで、スライド台31aに固定されて支持された媒体載置台31を、X軸方向に自在に移動させることができる。また、移動した任意の位置に保持することができる。すなわち、媒体載置台31に保持されたワークWなどを、X軸方向に自在に移動させることができる。また、移動した任意の位置に保持することができる。
ヘッド機構部2において、キャリッジ枠45に吊設されたヘッドユニット21が有する吐出ヘッド20は、ノズル基板25を下側に向けて、保持されている。媒体載置台31に保持されたワークWなどを、X軸方向の吐出ヘッド20が対向可能な位置まで移動して停止し、上方にある吐出ヘッド20(ヘッドユニット21)のY軸方向の移動に同調して、機能液を液滴として吐出する。X軸方向に移動するワークWなどと、Y軸方向に移動する吐出ヘッド20とを相対的に制御することにより、ワークWなどの上の任意の位置に液滴を着弾させることで、所望する平面形状の描画を実施することが可能である。
制御部7は、吐出ヘッド20や、紫外線照射部27や、キャリッジ走査機構62の駆動モーター47や、媒体移動機構33のX軸リニアモーターなどと、電気的に接続されている。制御部7が備える制御部から制御信号を送り、吐出ヘッド20や、紫外線照射部27や、駆動モーター47や、X軸リニアモーターなどを稼動させる。また、制御部7は、描画シミュレーター70と接続され、描画シミュレーター70によって作成された描画イメージに基づいて、ワークWに対して液滴を吐出させる。
保守装置部5は、各種保守装置を備えている。保守装置は、吐出ヘッド20の各種の保守を実施する装置である。吐出ヘッド20の保守を実施する際には、ヘッドユニット21(吐出ヘッド20)が、キャリッジ走査機構62を用いて保守装置部5に臨む位置に移動させられ、保守作業が実施される。
次に、キャリッジユニットの構成について説明する。図2は、キャリッジユニットの構成を示す説明図である。描画装置1は、吐出ヘッド20を移動させるヘッド移動部としてのキャリッジユニット22を有し、位置情報取得部50が、キャリッジユニット22に設置されている。さらに、位置情報取得部50が、吐出ヘッド20の移動方向の上流側に設置されている。具体的には、キャリッジユニット22は、吐出ヘッド20を有するヘッドユニット21と、紫外線を照射する紫外線照射部27と、位置情報取得部50を備えている。ヘッドユニット21のY軸方向の両側には、紫外線硬化型の機能液を硬化させるための紫外線照射部27が、1つずつ配設されている。紫外線硬化型の機能液を用いて描画した画像を、紫外線照射部27を用いて硬化させることができる。さらに両側に、位置情報取得部50が1つずつ配設されている。位置情報取得部50は、例えば、スキャナー等である。そして、キャリッジユニット22をY軸方向に移動させることで、媒体載置台31に載置されるワークWの位置情報を取得することができる。
次に、描画シミュレーター70の構成について説明する。図3は、描画シミュレーターの構成を示すブロック図である。図3に示すように、描画シミュレーター70は、制御部80と、制御部80と電気的に接続された表示部90と、制御部80と電気的に接続された入力部100を備えている。制御部80は、CPU(演算処理部)81とメモリー82を有している。そして、メモリー82には、各種プログラムソフトが格納されたプログラムソフト格納部83と、描画イメージデータを格納する描画イメージ格納部84と、ワークの品種、描画パターン、使用装置、使用する吐出ヘッド(ノズル配列)等の規格情報が格納された規格情報格納部85等を備えている。そして、入力部100から、例えば、ワークの位置条件を入力すると、プログラムソフト格納部83に格納されたソフトプログラム基づいてCPU81にて演算処理して描画データを生成する。そして、生成された描画データに基づく描画イメージを表示部90に表示させるように構成されている。ワークの位置条件は、例えば、ワークWの傾き(θずれ)量、X軸方向のずれ量やY軸方向ずれ量等が含まれる。また、各位置条件に基づいて生成された描画データ及び描画イメージ等は描画イメージ格納部84に格納されるように構成されている。
次に、描画方法について説明する。本実施形態の描画方法は、ワークに対して液滴を吐出して、ワーク上に描画パターンを描画する描画方法であって、ワークの位置情報を取得して、取得された位置情報に含まれるワークの傾き角に対応して設定された傾き補正値に基づいてワークに描画パターンを描画するものである。さらに、ワークの傾き角に対応して描画イメージを作成し、作成された描画イメージに基づいて、ワークの傾き角に対応した傾き補正値を設定するものである。なお、本実施形態では、描画装置1を用いて、例えば、ICパッケージ等のワークに描画パターンを描画する描画方法について説明する。図4は、描画方法を示すフローチャートである。図5は、描画イメージの一例を示す説明図ある。図6は、ワークの位置情報取得方法を示す説明図である。図7は、描画装置の動作を示す動作図である。図8は、ワークに描画された描画パターンの一例を示す説明図である。
ステップS11では、ワークの傾きを含む位置条件に対応して生成される描画データ毎の描画イメージを作成し描画データを生成する。なお、本実施形態では、描画シミュレーター70を用いる。具体的には、描画シミュレーター70の入力部100にワークの位置条件等を入力する。例えば、まず、ワークの品種、描画パターンや使用する吐出ヘッド20等の基本情報を入力する。さらに、ワークの第1位置条件として、ワークが基準位置に配置されている状態、すなわち、ワークの位置ずれがない状態の条件を入力する。そして、入力された情報を基にソフトプログラムを起動させ、入力された第1位置条件に対応した第1描画データを生成する。そして、生成された第1描画データに基づく第1描画イメージIPaを作成する。
次いで、ステップS12では、第1描画イメージIPaを表示する。例えば、描画シミュレーター70に搭載された表示部90に表示する。本実施形態では、図5(a)に示すように、第1表示部90aには、イメージ化されたワークIW上に第1描画イメージIPaが表示される。また、第2表示部90bには、第1位置条件等が表示される。なお、このような第1描画イメージIPaは、ビットマップ画像で表示される。
次いで、再びステップS11に移行する。そして、入力部100に第2位置条件を入力する。なお、本実施形態の第2位置条件では、第1位置条件におけるワークの中心位置から角度θa分傾けた状態の条件を入力した場合について説明する。そして、入力された第2位置条件に対応した第2描画データを生成する。ここで、第2描画データは、ワークの傾き角度θa分を補正した描画データである。そして、生成された第2描画データに基づく第2描画イメージIPbを作成する。
次いで、ステップS12に移行し、第2描画イメージIPbを表示する。本実施形態では、図5(b)に示すように、第1表示部90aには、イメージ化されたワークIW上にイメージされた第2描画イメージIPbが表示される。また、第2表示部90bには、第2位置条件等が表示される。なお、このような第2描画イメージIPbは、ビットマップ画像で表示される。ここで、第2描画イメージIPbは、ワークIWの傾き角度θa分が補正されているが、これを第2描画イメージIPbとして表示した場合、図5(b)に示すように、第2描画イメージIPbのP領域においてジャギー(段差形状)が発生する。これは、角度θa分を補正したことにより、ワークWに対して描画する位置に対応する使用ノズルが変更されるため生じやすくなる現象である。
次いで、再びステップS11に移行する。そして、入力部100に第3位置条件を入力する。なお、本実施形態の第3位置条件では、第1位置条件におけるワークの中心から角度θb分傾けた状態、かつ、第2位置条件よりも傾き角度を大きくした条件を入力した場合について説明する。そして、入力された第3位置条件に対応した第3描画データを生成する。ここで、第3描画データは、ワークの傾き角度θb分を補正した描画データである。そして、生成された第3描画データに基づく第3描画イメージIPcを作成する。
次いで、ステップS12に移行し、第3描画イメージIPcを表示する。本実施形態では、図5(c)に示すように、第1表示部90aには、イメージ化されたワークIW上に第3描画イメージIPcが表示される。また、第2表示部90bには、第3位置条件等が表示される。なお、このような第3描画イメージIPcは、ビットマップ画像で表示される。ここで、第3描画イメージIPcは、ワークIWの傾き角度θb分が補正されているが、これを第3描画イメージIPbとしてビットマップ画像で表示した場合、図5(c)に示すように、第3描画イメージIPcのほぼ全領域においてジャギー(段差形状)が発生する。これは、角度θb分を補正することにより、対応するノズルが変更されるため生じやすくなる現象である。なお、以降、ステップS11とステップ12とを適宜繰り返し、ワークの位置条件に対応する描画イメージを作成及び表示をさらに行ってもよい。
次いで、ステップS13に移行する。ステップS13では、作成された描画イメージに基づいて、位置条件に対して採用する描画データを設定する。本実施形態では、表示された描画イメージのビットマップ画像の形態に基づいて、描画データを設定する。また、ワークW毎に、描画データを設定する。本実施形態の例では、作成された第1〜第3描画イメージIPa,IPb,IPcに基づいて、第1〜第3位置条件に対してワークWに描画する際に採用する第1〜第3描画データを設定する。例えば、表示された第1〜第3描画イメージIPa,IPb,IPcに対して、所望の外観品質が確保することができる描画データを設定する。具体的には、図5(a)に示すように、第1描画イメージIPaは、外観品質を確保するので、第1描画イメージIPaの第1位置条件に対しては第1描画データを設定する。すなわち、ワークの傾き角が0°の場合には、第1描画データを設定する。
一方、図5(b)に示すように、第2描画イメージIPbは、ジャギーが発生しており外観品質を満たさない。そこで、第2描画イメージIPbの第2位置条件に対しては第1描画データを設定する。すなわち、ワークの傾き角がθaの場合には、第2描画データではなく、第1描画データを採用する。
また、図5(c)に示すように、第3描画イメージIPcは、全体的にジャギーが発生しているが外観品質を満たすものである。このような場合には、第3描画イメージIPcの第3位置条件に対しては第3描画データを設定する。すなわち、ワークの傾き角がθbの場合には、第3描画データを採用する。
そして、例えば、ワークWの傾き角(θずれ)が10°未満の場合には、第1描画データを採用するように傾き補正値を0°に設定し、また、ワークWの傾き角(θずれ)が10°以上の場合には、第3描画データを採用するように傾き補正値をθbに設定する。なお、上記の採用する描画データの設定は、一例であり、例えば、上記ステップS11及びS12を繰り返し行い、さらに詳細に描画データの設定を行ってもよい。
次いで、ステップS14では、ワークWの位置情報を取得する。具体的には、媒体載置台31上にワークWを載置する。本実施形態のワークWは、例えば、矩形の半導体チップやICパッケージ等の半導体装置等である。また、複数のICパッケージを収納したトレイを媒体載置台31上に載置して、所定の位置に配置させてもよい。
そして、ワークWに対してキャリッジユニット22を駆動させ、キャリッジユニット22をY軸方向に移動させるとともに、位置情報取得部50を駆動させ、位置情報取得部50からワークWの位置情報を取得する。トレイに複数のワークWが収納されている場合には、ワークW毎に、位置情報を取得する。
ワークWの位置情報は、以下の様にして取得することができる。まず、基準のワーク配置SP(ワークWのずれがない状態)に対する実際のワークWのX軸及びY軸方向の補正値を演算する。具体的には、図4(a)に示すように、ワークWにおける対角線上の2点の座標(Xleft,Yleft)、(Xright,Yright)を取得する。次いで、取得された2点の座標(Xleft,Yleft)及び(Xright,Yright)に基づいて、基準のワークWの配置位置SPからの位置誤差Xoffset、Yoffsetを算出する。ワークWの中心座標を(CX、CY)とすると以下の計算式から求められる。
C Xreal = (Xright + Xleft)/2
C Yreal =(Yright +Yleft)/2
Xoffset = CXreal + CXtrue
Yoffset= CYreal + CYtrue
C Xreal = (Xright + Xleft)/2
C Yreal =(Yright +Yleft)/2
Xoffset = CXreal + CXtrue
Yoffset= CYreal + CYtrue
さらに、基準のワーク配置SP(ワークWのずれがない状態)に対する実際のワークWのθ方向の補正値を演算する。具体的には、図4(b)に示すように、回転誤差θoffsetを算出する。ワークWの横幅をWidth、縦幅をHeightとすると以下の計算式から求められる。
θreal = tan-1((Xright − Xleft) / (Yright − Yleft))
θtrue = tan-1((Width) / (Height))
θoffset =θreal −θtrue
θreal = tan-1((Xright − Xleft) / (Yright − Yleft))
θtrue = tan-1((Width) / (Height))
θoffset =θreal −θtrue
以上より理想のワークWの位置からの誤差Xoffset、Yoffset、θoffsetが演算され、ワークWの位置情報が取得される。θoffsetはワークWの傾き角である。
次いで、ステップS15では、取得された情報に対応する位置条件で設定された描画データに基づいてワークに描画パターンを描画する。例えば、トレイに収納された複数のワークWの傾き角(θずれ)が0°(θずれなし)の場合や傾き角がθaの場合には、対応して設定されている傾き補正値0°に基づき、第1描画データを生成して、ワークWに向けて液滴を吐出する。また、ワークWの傾き角がθbの場合には、対応して設定されている傾き補正値θbに基づき、第3描画データを生成して、ワークWに向けて液滴を吐出する。
液滴の吐出は、図7(a)に示すように、ヘッドユニット21を駆動させ、ワークWに対して吐出ヘッド20から機能液を液滴として吐出させ、ワークWに機能液Iを塗布させる。なお、液滴を吐出する際に、紫外線照射部27を駆動させ、塗布された機能液に対して紫外線を照射させる。これにより、図7(b)に示すように、ワークW上に塗布された機能液Iが固化され、描画パターンP(Pa)が形成される。なお、この後、形成された描画パターンP(Pa)の状態に応じて、ワークWに対して加熱処理等を行ってもよい。
そして、図8(a),(b)に示すように、ワークWの傾き角が0°及びθaの場合では、第1描画データに基づいて描画される。そして、ワークW上に描画パターンPが形成される。一方、図8(c)に示すように、ワークWの傾き角がθbの場合では、第3描画データに基づいて描画される。そして、ワークW上に描画パターンPが形成される。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
描画する前の段階において、描画シミュレーター70を用いて、ワークWの傾きを含む第1〜第3位置条件に対応した第1〜第3描画データを生成し、第1〜第3描画データに基づいて第1〜第3描画イメージIPa,IPb,IPcを作成する。そして、作成した第1〜第3描画イメージIPa,IPb,IPcのそれぞれを第1表示部90aに表示させる。そして、表示された第1〜第3描画イメージIPa,IPb,IPcを視覚で確認して、第1〜第3位置条件に対して対応する傾き補正値を設定する。その後、実際のワークWの位置情報を取得し、取得された位置情報に対応する傾き補正値に基づいて第1〜第3描画データのいずれかを生成しワークWに対して液滴を吐出させ、ワークW上に描画パターンPを描画させる。従って、実際に描画する前に、ワークWの位置情報に対応する描画イメージIPa,IPb,IPcを確認した上で、所望の描画パターンPを取得可能な描画データを選択できるので、画像パターンPに切れ目やジャギー等の発生を抑制し、描画パターンPの外観品質を向上させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)上記実施形態では、3つのワークWの位置条件に対応する第1〜第3描画イメージIPa,IPb,IPcを表示させたが、これに限定されない。例えば、さらに多くのワークWの位置条件に対応する描画イメージを表示させてもよい。このようにすれば、さらに詳細に描画される描画パターンPの状態を推測することができる。また、上記実施形態では、第1〜第3描画イメージIPa,IPb,IPcから2つの第1及び第3描画データを設定する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、ワークWの傾き角に関する位置条件について、段階的に任意に傾き補正値を設定してもよい。例えば、ワークWの傾き角が0〜4°の場合は、傾き補正値0°を設定し、ワークWの傾き角が5〜7°の場合は、傾き補正値5°を設定し、ワークWの傾き角が8°以上の場合は、各傾き角と同じ傾き補正値を設定してもよい。このようにすれば、作業効率の向上と描画パターンPの外観品質の向上を図ることができる。
(変形例2)上記実施形態では、描画装置1に描画シミュレーター70を搭載したが、描画装置1と描画シミュレーター70を別個に設けてもよい。この場合、描画シミュレーター70で行ったシミュレートの結果データを描画装置1の制御部7等に転送すればよい。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例3)上記実施形態では、表示された第1〜第3描画イメージIPa,IPb,IPcのビットマップ画像の形態に基づいて、採用する第1〜第3描画データを設定したが、これに限定されない。例えば、作成された描画イメージのワークWにおける配置位置に基づいて、位置条件に対して採用する描画データを設定してもよい。このようにすれば、描画パターンPのワークW上における位置の品質を確保することができる。
(変形例4)上記実施形態では、ワークWの傾き角に関する位置条件に基づいて描画データを生成したが、これに限定されない。傾き角に加え、X及びY軸方向におけるずれ量を加味した位置条件に対応する描画データを生成してもよい。このようにすれば、さらに描画パターンPの品質向上を図ることができる。
1…描画装置、7…制御部、20…吐出ヘッド、21…ヘッドユニット、22…キャリッジユニット、24…吐出ノズル、50…位置情報取得部、70…描画シミュレーター、90…表示部。
Claims (9)
- 機能液を液滴として吐出する吐出ヘッドと、
ワークの位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記ワークの前記位置情報を取得して、取得された前記位置情報に含まれる前記ワークの傾き角に対応して設定された傾き補正値に基づいて前記ワークに前記液滴を吐出させる制御部と、を備えたことを特徴とする描画装置。 - 請求項1に記載の描画装置において、
前記ワークの傾き角に対応して描画イメージを作成し、作成された前記描画イメージに基づいて、前記ワークの傾き角に対応した前記傾き補正値を設定することを特徴とする描画装置。 - 請求項2に記載の描画装置において、
前記描画イメージを作成する描画シミュレーターを備えたことを特徴とする描画装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の描画装置において、
前記制御部では、
前記ワーク毎に、前記傾き補正値を設定することを特徴とする描画装置。 - ワークに対して液滴を吐出して、前記ワーク上に描画パターンを描画する描画方法であって、
前記ワークの位置情報を取得して、取得された前記位置情報に含まれる前記ワークの傾き角に対応して設定された傾き補正値に基づいて前記ワークに前記描画パターンを描画することを特徴とする描画方法。 - 請求項5に記載の描画方法において、
前記ワークの傾き角に対応して描画イメージを作成し、作成された前記描画イメージに基づいて、前記ワークの傾き角に対応した前記傾き補正値を設定することを特徴とする描画方法。 - 請求項6に記載の描画方法において、
作成された前記描画イメージを表示することを特徴とする描画方法。 - 請求項6または請求項7に記載の描画方法において、
表示された前記描画イメージに基づいて、前記傾き補正値を設定することを特徴とする描画方法。 - 請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の描画方法において、
作成された前記描画イメージの前記ワークにおける配置位置に基づいて、前記傾き補正値を設定することを特徴とする描画方法。
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