JP2014064028A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ESD耐量が大きく、かつ無効面積の少ないESD保護ダイオードを備えた半導体装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、半導体装置は、第1の半導体素子を含む第1の領域と、前記第1の領域を囲む第2の領域と、を有する半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた絶縁膜と、前記絶縁膜の一部を介して前記第2の領域上に設けられた第2の半導体素子と、を備える。前記第2の半導体素子は、前記半導体基板の外周に沿った長辺と、前記長辺と交差する短辺と、を有する半導体層と、前記半導体層上において、前記長辺に沿って延在する第1の電極と、前記第1の電極に並べて配置された第2の電極と、前記第1の電極と、前記第2の電極と、の間に延在するPN接合と、を有する。前記第1の電極および前記第2の電極のそれぞれと、前記短辺と、の間隔は、前記PN接合と前記短辺との間隔よりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置に関し、特にESD保護ダイオードを備えた半導体装置に関する。
近年の高速・大容量情報化の流れにより、電子素子への微細化・高周波化の技術的要求はますます高まっている。この結果、電子素子のESD(静電破壊)耐量向上への要求も急激に高まっている。携帯機器等に用いられる小型高速スイッチング素子、あるいは電圧コンバータ回路等に広く用いられるMOSトランジスタにおいても、素子の微細化あるいはゲート酸化膜の薄膜化によりESD耐量低下は懸念されている。
このような素子ではシリコン基板上にESD保護ダイオードが同時に形成されることが多い。特に多結晶シリコンを用いた保護素子は素子製造プロセス上の自由度が高く、広く用いられている。
従来、ESD保護ダイオードは、リング状の閉じた環状構造に設けられるため、中心部の面積は無効面積となる。そのため、大きなESD耐量を得るために、保護ダイオードの接合面積を大きくすると、無効面積の増加、素子全体の面積増加となる。
そこで、チップ外周部等に形成したリング状の保護ダイオードと、電極パッドの外周部に形成したリング状の保護ダイオードとを直列接続することにより高耐圧の保護ダイオードを提供する提案がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−294778号公報
本発明は、ESD耐量が大きく、かつ無効面積の少ないESD保護ダイオードを備えた半導体装置を提供する。
実施形態によれば、半導体装置は、第1の半導体素子を含む第1の領域と、前記第1の領域を囲む第2の領域と、を有する半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた絶縁膜と、前記絶縁膜の一部を介して前記第2の領域上に設けられた第2の半導体素子と、を備える。前記第2の半導体素子は、前記半導体基板の外周に沿った長辺と、前記長辺と交差する短辺と、を有する半導体層と、前記半導体層上において、前記長辺に沿って延在する第1の電極と、前記第1の電極に並べて配置された第2の電極と、前記第1の電極と、前記第2の電極と、の間において、前記長辺に沿って延在するPN接合と、を有する。前記第1の電極および前記第2の電極のそれぞれと、前記短辺と、の間隔は、前記PN接合と前記短辺との間隔よりも大きい。
本発明によれば、ESD耐量が大きく、かつ無効面積の少ないESD保護ダイオードを備えた半導体装置が提供される。
本発明の実施形態に係る半導体装置の構成を例示する模式的平面図である。 図1に表した半導体装置のA−A線断面図である。 図1に表した半導体装置の電流密度の計算値のグラフ図である。 比較例の半導体装置の模式的平面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の他の構成を例示する模式的平面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の他の構成を例示する模式的平面図である。 図6に表した半導体装置のA−A線断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の形状や縦横の寸法の関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体装置の構成を例示する模式的平面図である。
図2は、図1に表した半導体装置のA−A線断面図である。
図1〜2に表したように、本実施例の半導体装置60は、半導体基板5、絶縁膜17、半導体領域50、第1及び第2の電極20、21を備える。
半導体基板5の上に絶縁膜17を介して半導体領域50が設けられている。本実施例においては、半導体領域50が帯状の場合を例示している。また、半導体領域50には、N型半導体領域18a、18b、18cとP型半導体領域19a、19bとが交互にストライプ状に端面Q(側壁)まで形成されている。すなわち、N型半導体領域18a、18b、18cとP型半導体領域19a、19bとのPN接合が、半導体領域50の端面Q(側壁)に露出している。そして、電極20、21は、この端面Qから離間して設けられている。
P型半導体領域19aとN型半導体領域18aとは、保護ダイオード28aを構成する。同様に、P型半導体領域19bとN型半導体領域18bとは、保護ダイオード28bを構成する。また、P型半導体領域19aとN型半導体領域18bとは、保護ダイオード29aを、P型半導体領域19bとN型半導体領域18cとは、保護ダイオード29bをそれぞれ構成する。
半導体領域50には、NPNPN構造の逆直列に接続した複数の保護ダイオード28a、29a、28b、29bが形成されている。
また、半導体領域50のN型半導体領域18a、18cに、それぞれ第1の電極20、第2の電極21が接続されている。第1の電極20、第2の電極21に印加される過電圧によりNPNPN構造の保護ダイオード28a、29a、28b、29bは、ブレークダウンし、電流が流れる。
なお、後に図6を参照して説明するように、このような半導体領域50は、トランジスタなどの他の素子と集積化することができる。そして、これらの場合に、半導体領域50の形状は、図1に表したように直線の帯状には限定されず、その他、L字状やクランク状など、各種の形状に屈曲させた帯状にすることができる。
ここで、図1に表したように、半導体領域50の主面をXY面にとり、XY面と垂直な第1の方向にZ軸をとる。また、第1及び第2の電極20、21との間に流れる電流の方向をY軸にとり、Y軸及びZ軸と垂直にX軸をとる。
また、第1及び第2の電極20、21のY軸方向の間隔をLdとする。
このとき、保護ダイオード28a、29a、28b、29bのPN接合が露出する半導体領域50の端面Q(側壁)は、第1及び第2の電極20、21の端部Pより、X軸方向に少なくとも間隔Ldだけ外側まで形成されている。すなわち、端面Qと端部Pとの間の距離をWsとしたとき、半導体領域50は、Ws≧Ldを満たすように形成されている。
なお、図1においては、端面Q、端部Pは、電極20、21及び半導体領域50の右側のみに図示しているが、左側についても同様である。
本実施例の半導体装置60は、例えば、以下の製造工程により製造することができる。
まず、N型シリコン基板5の上に酸化膜(絶縁膜)17が、例えば、膜厚0.5μmで形成される。その上に多結晶シリコン領域(半導体領域)50を、例えば、膜厚0.6μmで形成する。さらに酸化膜(絶縁膜)17が、例えば、膜厚0.1μmで形成される。
次に、多結晶シリコン領域(半導体領域)50にホウ素(B)イオン注入が、例えば、加速電圧40keV、ドーズ量5×1013cm−2で行われる。多結晶シリコン領域(半導体領域)50は、P型半導体領域となる。
フォトリソグラフィー技術を用いて、多結晶シリコン領域(半導体領域)50の不要な領域が、例えばRIE(反応性イオンエッチング)法を用いて除去される。
全面に酸化膜(絶縁膜)17が形成される。
その後、フォトリソグラフィー技術を用いて、多結晶シリコン領域(半導体領域)50中の選択的領域に、ヒ素(As)イオン注入が行われる。イオン注入は、例えば、加速電圧70keV、ドーズ量5×1014cm−2で行われ、N型半導体領域18a、18b、18cが形成される。ヒ素(As)イオン注入が行われなかった多結晶シリコン領域(半導体領域)50の領域が、P型半導体領域19a、19bとなる。
熱処理が、例えば、窒素ガス(N)雰囲気で、温度900°C、時間20分で行われ、各領域が活性化される。
さらにN型半導体領域18a、18cに、第1及び第2の電極20、21が形成される。
また、必要により、他の電極との電極配線金属、電極パッドが形成される。
以上の製造工程により、図1〜図2に表した本実施例の半導体装置60が製造される。
上記のイオン注入、熱処理による不純物の拡散が、1〜2μm程度あるため、N型半導体領域18a、18b、18c、P型半導体領域19a、19bの最小長さは2μm程度となる。従って、3つのP型またはN型半導体領域を有するNPN、PNP構造の最小長さは6μmとなる。
本実施例の半導体装置60においては、N型半導体領域18a、18b、18c、P型半導体領域19a、19bの長さは、例えば、それぞれ4μmに形成される。また、第1の電極20と直近のP型半導体領域19aとの距離、第2の電極21と直近のP型半導体領域19bとの距離も、例えば、それぞれ4μmに形成される。
この場合、第1及び第2の電極20、21のY軸方向の間隔Ldは、20μmとなる。本実施例においては、保護ダイオード28a、29a、28b、29bのPN接合が露出する半導体領域50の端面Q(側壁)と、第1及び第2の電極20、21の端部Pとの距離Wsも、例えば、20μmに形成されている。
なお、本実施例においては、N型半導体領域18a、18b、18c、P型半導体領域19a、19bにより、NPNPN構造の保護ダイオード28a、29a、28b、29bが構成される場合を例示している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、任意数のN型半導体領域、P型半導体領域を交互に形成することにより任意数の保護ダイオードを構成することができる。また、PNPNP構造の保護ダイオードを構成することもできる。
このような半導体装置60の第1の電極20、第2の電極21に過電圧が印加されると、半導体領域50に形成された保護ダイオード28a、29a、28b、29bは、ブレークダウンし、電流が流れる。
第1の電極20に高電圧が、第2の電極21に低電圧が印加された場合、過電圧により保護ダイオード28a、28bがブレークダウンし、第1の電極20から第2の電極21に向けて電流が流れる。また逆に、第1の電極20に低電圧が、第2の電極21に高電圧が印加された場合、過電圧により保護ダイオード29a、29bがブレークダウンし、第2の電極21から第1の電極に向けて電流が流れる。
図3は、図1に表した半導体装置の電流密度の計算値のグラフ図である。
図3におけるX軸の方向は、図1に表したX軸の方向に対応する。また、図3におけるX軸の位置は、図1においてN型半導体領域18bの上下方向の中心を通る位置とした。また、第1及び第2の電極20、21のX軸方向の中心を原点Oにとり、図1に表したようにY軸を設定した。そして、第1及び第2の電極20、21間に電流2Iを流した場合のX軸上のY方向の電流密度をJとした。
図3においては、このときのX軸上の位置Xを横軸にとり、Y軸方向の電流密度Jの計算値を縦軸に表している。
なお、電流密度Jの計算においては、半導体領域50の厚さを1μm、第1及び第2の電極20、21のY軸方向の長さをそれぞれ6μmとしている。また、第1及び第2の電極20、21のX軸方向の幅Wdを、それぞれ50μmとして、電流2I=2Aを流している。
すなわち、第1及び第2の電極20、21の端部Pは、X=±Wd/2=±25μmの位置になる。また、半導体装置60は、図1において、左右対称である。そこで、図3においては、0≦X≦25μmの部分に電流I=1Aを流した場合の、X軸上Y軸方向の電流密度Jについて計算している。
なお、対称性から、X=0において、電流IはY軸と平行に流れる。また、Y=0すなわちX軸上において、電流Iは、Y軸と平行に流れる。
ESDとして、HBM(人体モデル)を想定すると、1Aの電流が流れた場合は、HBMにおける電圧に換算すると1500Vに相当する。半導体装置60全体では、2Aの電流が流れ、3000Vに相当する。
図3に表したように、第1及び第2の電極20、21の端部Pから10μm程度はなれた位置での電流密度Jは、ほぼ0になっている。また、保護ダイオード28a、29a、28b、29bのPN接合が露出する半導体領域50の端面Q(側壁)においても、大きな再結合電流が集中することはない。
従って、後述するように、本実施例の半導体装置60によれば、ESD耐量が大きく、また無効面積の少ない、保護ダイオード構造を得ることが出来る。
ここで、比較例の半導体装置について説明する。
図4は、比較例の半導体装置の模式的平面図である。
図4に表したように、比較例の半導体装置160は、半導体基板5、絶縁膜17、多結晶シリコン領域150、第1及び第2の電極120、121を備える。
比較例の半導体装置160のA−A線断面図は、図2に表した本実施例の半導体装置60のA−A線断面図と同様である。
ただし、比較例の半導体装置160においては、N型半導体領域118cは、第2の電極121の内側にも矩形状に形成されている。また、多結晶シリコン領域150の平面形状が矩形状である。さらに、N型半導体領域118a、118b、118cとP型半導体領域119a、119bとは、平面形状が交互に同心矩形状に形成され、PN接合が閉じた環状構造になっている。そのため、比較例の半導体装置160においては、多結晶シリコン領域150には、PN接合が露出する端面(側壁)はない。これ以外の点については、図1〜図2に表した本実施例の半導体装置60と同様である。
すなわち、P型半導体領域119aとN型半導体領域118aとは、保護ダイオード128aを構成する。同様に、P型半導体領域119bとN型半導体領域118bとは、保護ダイオード128bを構成する。また、P型半導体領域119aとN型半導体領域118bとは、保護ダイオード129aを、P型半導体領域119bとN型半導体領域118cとは、保護ダイオード129bをそれぞれ構成する。
多結晶シリコン領域150には、NPNPN構造の逆直列に接続した複数の保護ダイオード128a、129a、128b、129bが形成されている。
また、多結晶シリコン領域150の最外部のN型半導体領域118aと、最内部のN型半導体領域118cに、それぞれ第1の電極120、第2の電極121が接続されている。第1の電極120、第2の電極121に印加される過電圧によりNPNPN構造の保護ダイオード128a、129a、128b、129bは、ブレークダウンし、電流が流れる。なお、電流は、第1の電極120と第2の電極121との間を流れるため、第2の電極121の内側のN型半導体領域118cの部分は、後述するように無効面積となる。
比較例の半導体装置160は、第1の電極120、第2の電極121を、例えば同じ半導体基板5の上に形成されたMOSトランジスタのソース、ゲートとそれぞれ電気的に接続することにより、MOSトランジスタのESD保護ダイオードとなる。
MOSトランジスタのゲート・ソース間にESD電圧が印加されると、半導体装置160の保護ダイオード128a、129a、128b、129bがブレークダウンし、電流が流れる。すなわち、ESD電圧は、このダイオード構造を介してゲート・ソース間に放電され、MOSトランジスタが保護される。
ところで、このダイオード構造は、平面形状が矩形状の、PN接合が閉じた環状構造に形成されている。これは、PN接合が多結晶シリコン領域150の端面に露出させないためである。PN接合が多結晶シリコン領域150の端面に露出した場合、端面では結晶構造の乱れ、あるいは製造プロセス上生じた破砕領域のため、速い再結合速度を持つことを懸念したためである。
再結合速度が速い場合、この領域で再結合時に放出されるバンドギャップ相当分のエネルギーが結晶格子を破壊し、さらに再結合速度の速い領域を増大させるため、ダイオード特性の劣化を招きやすいという問題がある。このため、PN接合を多結晶シリコン領域150の端面に露出させない工夫として環状構造が採用されている。
MOSトランジスタ等を保護する場合、保護ダイオード自体のESD耐量も高くなくてはならないのは当然であり、そもそもESD保護ダイオードが劣化しにくい構造が必要である。
しかし、このように保護ダイオードの劣化を避けるため、環状構造を用いた場合、保護ダイオード部の面積効率が悪くなるという問題も生じている。
すなわち、一般に、ESD保護機能はダイオード接合面積が大きなものほど高く、大きなESD耐量を確保することが出来る。従って、大きなESD耐量を得るためには、出来るだけ大きなダイオード接合面積を得ることが必要である。しかし、図4に表したように、ダイオード接合面積を大きくするためには、環状構造をした矩形の周辺長を長くする必要がある。この場合、中心部、すなわち、図4に表した第2の電極121の内側のN型半導体領域118cの部分の面積は無効面積となる。しかも素子全体の面積増加をもたらし製造コスト高になり、産業上好ましくない。
多結晶シリコン領域150の膜厚を厚くすることも有効であるが、この場合、多結晶シリコン、酸化膜、基板シリコン間での応力差が亀裂等の問題を起すことが知られており、概ね1μm程度が限界とされている。このように、ESD保護機能の高い保護ダイオードを得ようとすると、無効面積の増加を招き、素子面積全体の面積を増加させてしまうという問題があった。
なお、比較例の半導体装置160においては、保護ダイオードの平面形状が同心矩形状の場合について説明したが、リング状の場合についても同様である。
これに対して、本実施例の半導体装置60においては、保護ダイオード28a、29a、28b、29bは半導体領域50に帯状に形成され、無効面積が少ない。
すなわち、図3に表したように、ESD電圧が印加された場合、電流経路は第1及び第2の電極20、21間に形成されると考えれる。この場合、電流経路は外側に向かって広がりを持つが、その程度は概ね電極間距離Ld以内である。したがって、ESD印加時においても、電流が半導体領域50の端面Q(側壁)のPN接合露出部にまで達することはなく、ダイオード構造が極端に劣化することはない。
このように本実施例の半導体装置60によれば、半導体領域50の端面Q(側壁)のPN接合露出部に大きな再結合電流が集中することなく、ESD耐量が大きく、また無効面積の少ない、保護ダイオード構造を得ることが出来る。
図5は、本発明の実施形態に係る半導体装置の他の構成を例示する模式的平面図である。
図5に表したように、本実施例の半導体装置60aは、半導体基板5、絶縁膜17、半導体領域50、第1及び第2の電極20a、21aを備える。
半導体装置60aにおいては、第1及び第2の電極20a、21aのX軸方向の両端部25が半円筒状に形成されている。すなわち、図5に表したように、第1及び第2の電極20a、21aの平面形状(断面形状)は、X軸方向の両端部25が、例えば半径3mmの円弧状に形成されている点が、半導体装置60と異なる。これ以外については、半導体装置60と同様である。
なお、本実施例においては、両端部25を円弧状に形成した構成を例示しているが、円弧状に限らず、曲率緩和部を有すればよい。すなわち、図5に表したような両端部25の平面形状(断面形状)が多角形ではなく、曲線により形成されていればよい。
第1及び第2の電極20、21のように端部形状が直角に近い場合、電界集中によって電流集中が生じ、この部分で異常発熱し、その結果ダイオード劣化が生じることも考えられる。そこで、端部25に曲率緩和部を設けることによって、このような異常な電流集中が避けられ、ダイオード構造の劣化が抑制される。
従って、半導体装置60aによれば、半導体領域50の端面Q(側壁)のPN接合露出部に大きな再結合電流が集中することない。また、第1及び第2の電極20a、21aの端部25に電流が集中することなく、ESD耐量が大きく、また無効面積の少ない、保護ダイオード構造得ることが出来る。
図6は、本発明の実施形態に係る半導体装置の他の構成を例示する模式的平面図である。
図6に表したように、本実施例の半導体装置61は、半導体基板5、絶縁膜17、半導体領域50a〜50e、第1及び第2の電極20a、21a、MOSトランジスタ領域40、電極パッド45を備える。
本実施例の半導体装置61においては、半導体領域50a〜50dが半導体基板5の周辺部に設けられている。また、半導体領域50eは、電極パッド45の周辺に設けられている。
なお、第1及び第2の電極20a、21aは半導体領域50aに接続しているもののみ図示し、他の半導体領域50b〜50eに接続する第1及び第2の電極については、省略している。
ここで、半導体基板5、絶縁膜17、半導体領域50a、第1及び第2の電極20a、21aについては、半導体装置60aと同様である。また、半導体領域50b、50cは、半導体領域50aの平面形状をそれぞれ、U字型、L字型とした以外は同様である。半導体領域50dは、半導体基板5の周辺部に半導体領域50aの内側に設けられている点以外は、半導体領域50aと同様である。
また、半導体領域50a、50b間の距離Wpは、特に制限はなく、ゼロでもよい。ただし、距離Wpをゼロとして半導体領域50a、50bのそれぞれの一端が接続された場合でも、半導体領域50a、50bの少なくとも他端においては、PN接合が端面に露出している。
MOSトランジスタ領域40は、半導体領域50a〜50eに形成された保護ダイオードにより、ESDから保護するMOSトランジスタ素子が形成された領域であり、半導体領域50a〜50eと同時に形成される。
また、電極パッド45は、MOSトランジスタ領域40のゲート8と電気的に接続されている(図示せず)。なお、本実施例においては、電極パッド45が1つの場合を例示しているが、任意数有してもよい。
図7は、図6に表した半導体装置のA−A線断面図である。
図7に表したように、半導体装置61のMOSトランジスタ領域40は、半導体基板5の下側に裏面ドレイン電極4が設けられている。また、N型半導体基板5の表面に、P型ベース領域6a、6b、6cが形成されている。P型ベース領域6aの表面には、N型ソース領域7a、7bが、P型ベース領域6bの表面には、N型ソース領域7c、7dが、P型ベース領域6cの表面には、N型ソース領域7e、7fがそれぞれ形成されている。
また、N型ソース領域7bからN型ソース領域7cの上に、酸化膜17を介して多結晶シリコンゲート電極8aが形成されている。同様に、N型ソース領域7dからN型ソース領域7eの上に、酸化膜17を介して多結晶シリコンゲート電極8bが形成されている。
さらに、N型ソース領域7a〜7eと接続するソース電極10が形成されている。
ESD保護ダイオードとして機能する半導体領域50a〜50eの第2の電極21aと、多結晶シリコンゲート電極8a、8bとは電気的に接続されている(図示せず)。また第1の電極20aとソース電極10とが電気的に接続されている(図示せず)。これにより、ゲート・ソース間に印加されるESDからMOSトランジスタ領域40を保護している。
なお、本実施例においては、半導体基板5がN型であり、MOSトランジスタ領域40が、Nチャンネル縦型MOSトランジスタ構造を有する場合を例示している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、P型半導体基板を用いてもよい。また、PチャンネルMOSトランジスタ領域を有してもよく、さらに、バイポーラトランジスタ領域を有してもよい。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置を構成する各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施形態として上述した半導体装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
4 裏面ドレイン電極
5 N型半導体基板(半導体基板)
6a、6b、6c P型ベース領域
7a、7b、7c、7d、7e N型ソース領域
8、8a、8b 多結晶シリコンゲート電極
10 ソース電極
17 絶縁膜
18a、18b、18c N型半導体領域
19a、19b P型半導体領域
20、20a 第1の電極
21、21a 第2の電極
25 端部
28a、28b、29a、29b 保護ダイオード
40 MOSトランジスタ領域
45 電極パッド
50、50a〜50e 半導体領域
60、60a、61 半導体装置
118a、118b、118c N型半導体領域
119a、119b P型半導体領域
120 第1の電極
121 第2の電極
128a、128b、129a、129b 保護ダイオード
150 多結晶シリコン領域
160 半導体装置
P 第1及び第2の電極の端部
Q 半導体領域の端面(側壁)
Ld 第1及び第2の電極の間隔
Ws 端部PQ間の距離
Wd 第1及び第2の電極の幅
Wp 半導体領域の間の距離

Claims (5)

  1. 第1の半導体素子を含む第1の領域と、前記第1の領域を囲む第2の領域と、を有する半導体基板と、
    前記半導体基板上に設けられた絶縁膜と、
    前記絶縁膜の一部を介して前記第2の領域上に設けられた第2の半導体素子であって、
    前記半導体基板の外周に沿った長辺と、前記長辺と交差する短辺と、を有する半導体層と、
    前記半導体層上において、前記長辺に沿って延在する第1の電極と、
    前記第1の電極に並べて配置された第2の電極と、
    前記第1の電極と、前記第2の電極と、の間において、前記長辺に沿って延在するPN接合と、
    を有する第2の半導体素子と、
    を備え、
    前記第1の電極および前記第2の電極のそれぞれと、前記短辺と、の間隔は、前記PN接合と前記短辺との間隔よりも大きい半導体装置。
  2. 前記第2の半導体素子は、前記第1の電極と、前記第2の電極と、の間に、少なくとも2つのPN接合を有する請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記PN接合は、前記短辺まで延在し、
    前記短辺側の端面に露出する請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1の電極と、前記第2の電極と、の間隔は、前記短辺と、前記第1の電極および前記第2の電極のいずれかと、の間隔と同じである請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置。
  5. 前記第2の半導体素子は、前記絶縁膜中に設けられた請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置。
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