JP2014063803A - レーザーダイシングシート−剥離シート積層体、レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法 - Google Patents

レーザーダイシングシート−剥離シート積層体、レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保管された状態にあるレーザーダイシングシート−剥離シート積層体を取り出す際に不具合が生じにくい当該積層体、その積層体から剥離シートを剥離してなるレーザーダイシングシート、およびそのレーザーダイシングシートを用いて板状部材を個片化してチップ体を製造するチップ体の製造方法を提供する。
【解決手段】基材1と、基材1の一方の面に積層された粘着剤層3とを備えたレーザーダイシングシート10であって、基材1,2の粘着剤層3に対向する側と反対側の面である背面1Aは、その表面の粗さが算術平均粗さRaで0.1μm未満である第1の領域1aおよび0.3μm以上である第2の領域1bを備え、第1の領域1aは使用時にレーザーが照射されるレーザー入射領域1cを含み、第2の領域1bは、レーザー入射領域1cよりも平面視でレーザーダイシングシート10の外周側に設けられるレーザーダイシングシート10。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体ウエハなどの板状部材をダイシングするダイシング工程においてレーザー光を用いる場合に使用されるダイシングシートであるレーザーダイシングシート、そのレーザーダイシングシートと剥離シートとの積層体であるレーザーダイシングシート−剥離シート積層体およびそのレーザーダイシングシートを用いて板状部材を個片化して得られるチップ体の製造方法に関する。
半導体ウエハは表面に回路が形成された後、ウエハの裏面側に研削加工を施し、ウエハの厚さを調整する裏面研削工程およびウエハを所定のチップサイズに個片化するダイシング工程が行われる。
近年の電子機器筐体のサイズダウンや多積層チップを用いた半導体装置の需要の増加にともない、その構成部材である半導体チップの薄型化が進められている。このため、従来350μm程度の厚みであったウエハを、50〜100μmあるいはそれ以下まで薄くすることが求められるようになった。
脆質部材であるウエハは、薄くなるにつれて、加工や運搬の際、破損する危険性が高くなる。このような極薄ウエハは、高速回転するダイシングブレードにより切断されると、半導体ウエハの特に裏面側にチッピング等が生じ、チップの抗折強度が著しく低下する。
このため、レーザー光を半導体ウエハの内部に照射して選択的に改質部を形成させながらダイシングラインを形成して改質部を起点として半導体ウエハを切断する、いわゆるステルスダイシング法が提案されている(特許文献1)。ステルスダイシング法によれば、レーザー光を半導体ウエハの内部に照射して改質部を形成後、極薄の半導体ウエハを基材と粘着剤層とからなる粘着シート(ダイシングシート)に貼付し、ダイシングシートをエキスパンドすることで、ダイシングラインに沿って半導体ウエハを分割(ダイシング)し、半導体チップを歩留まりよく生産することができる。
上記のような、ダイシング工程において加工手段としてレーザーが用いられる場合もあれば、ダイシング工程の際に半導体ウエハなどの板状部材を正確にアライメントするためのツールとしてもレーザーが用いられる場合もある。これらの場合のような、ダイシング工程においてレーザー光を用いる場合に使用されるダイシングシート(本明細書において、「レーザーダイシングシート」ともいう。)は、その使用にあたりこのレーザーダイシングシートをレーザーが透過するため、レーザー光に対する優れた透過性を有していなければならない。
かかる要求に応えるために、例えば、特許文献2には、基材樹脂フィルムと、前記基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された粘着シートであって、400〜1100nmの波長領域における平行光線透過率が80%以上であるウエハ貼着用粘着シートが開示され、当該シートの好ましい一態様では、基材樹脂フィルムの粘着剤層が形成された面の反対側の面の算術平均粗さRaが、0.1〜0.3μmであることとされている。
特許第3762409号公報 特開2012−15236号公報
特許文献2に開示されるように、基材樹脂フィルムの粘着剤層が形成された面の反対側の面を平滑面とすることは、レーザーダイシングシートにとってダイシング加工性を高めるなどの利点を有する。しかしながら、レーザーダイシングシートの基材における粘着剤層に対向する側と反対側の面(本明細書において「基材背面」ともいう。)を平滑面とすると、次のような問題が生じることが明らかになった。
すなわち、一般的に、レーザーダイシングシートの粘着剤層は、ダイシング工程に使用されるまでの間、その基材に対向する側と反対側の面(使用時に板状部材が貼付される面)に剥離シートの剥離面が貼付されて、粘着剤層の汚染や劣化が生じないようにされている。こうして得られたレーザーダイシングシートと剥離シートとの積層体であるレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(本明細書において「DR積層体」ともいう。)は、様々な形態で保管される。例えば、複数のレーザーダイシングシートが長尺の剥離シートの剥離面に当該剥離シートの長尺方向に平行な方向に並んで積層されてなる長尺体の形態で保管される場合もあれば、この長尺体が長尺方向に巻き取られて巻取体の形態で保管される場合もある。また、例えば1枚のレーザーダイシングシートが1枚の剥離シートに貼付されてなるDR積層体を何層も重ねて得られるスタック体の形態で保管される場合もある。
DR積層体が巻取体やスタック体の形態で保管されると、DR積層体のレーザーダイシングシートの基材背面と、そのDR積層体に最近位の別のDR積層体における剥離シート剥離面とは反対側の面(本明細書において「剥離シート裏面」ともいう。)とが接した状態となる。保管状態によっては(具体的には、巻取体の巻き取り力が強い場合や、スタック体が積層方向に加圧された場合などが例示される。)、このDR積層体の基材背面と、当該背面に接する別のDR積層体の剥離シート裏面との密着性が高まることがあった。
この密着性が高まったときの問題について、長尺体の形態を有するDR積層体がそのレーザーダイシングシートが内側になるように巻き取られた巻取体を一具体例として説明する。この巻取体からDR積層体を繰り出すときには、最外層にある剥離シートが引っ張られ、その剥離シートの内周側(巻芯側)に位置する剥離面に貼付するレーザーダイシングシートも、この最外周の剥離シートとともに巻取体から繰り出されることによって、繰り出し作業が正常に行われる。しかしながら、基材背面と、巻取体において一回り内周側に位置するDR積層体の剥離シート裏面との密着性が高い場合には、本来繰り出されるべきレーザーダイシングシートが、そのレーザーダイシングシートの粘着剤側の面と最外周の剥離シートの剥離面との界面で剥離してしまう。その結果、レーザーダイシングシートは最外周の剥離シートとともに繰り出されずに、一回り内周側に位置するDR積層体の剥離シート裏面上に残留する。
かかる事態が生じると、繰り出されたDR積層体はレーザーダイシングシートがはぎとられているため、その後のレーザーダイシングシートと板状部材との貼付作業を実施することができなくなる。さらに、DR積層体の剥離シート裏面に付着した状態のレーザーダイシングシートは、その後の剥離シートの巻き取り作業の作業性を著しく低下させる可能性がある。具体的には、剥離シートの巻取のためのピンチローラに巻き付いてしまうことが例示され、このような場合には巻取体の形態のDR積層体の繰り出し作業を停止しなければならない。以下、このような不具合を「DR積層体供給不良」ともいう。
スタック体の形態のDR積層体でも同様のDR積層体供給不良は生じ得る。剥離シートの下層側にレーザーダイシングシートが貼付されているDR積層体のスタック体の場合には、上記の巻取体の形態のDR積層体の場合と同様に、剥離シートをつかんでDR積層体をめくり出したときに、剥離シートだけがめくり出され、レーザーダイシングシートはスタック体に残留する問題が生じ得る。剥離シートの上層側にレーザーダイシングシートが貼付されているDR積層体のスタック体の場合には、剥離シートをつかんでDR積層体をめくり出したときに、一層下側のDR積層体のレーザーダイシングシートも一緒にめくり出される問題が生じ得る。
本発明は、このような巻取体やスタック体の形態にあるDR積層体にDR積層体供給不良が生じる可能性を低減させることができるレーザーダイシングシート、このレーザーダイシングシートと剥離シートとの積層体であるレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(DR積層体)、およびそのレーザーダイシングシートを用いて板状部材を個片化してチップ体を製造するチップ体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らが検討したところ、DR積層体が備えるレーザーダイシングシートの基材背面が複数の部分から構成されるものとし、その複数の部分の一つ(本明細書において面の一部分を「領域」という。)を、レーザー入射面として適した第1の領域とし、上記の複数の部分の別の一つを剥離シート裏面(自らが構成要素となるDR積層体の剥離シート裏面である場合もあれば、自らが構成要素となるDR積層体とは別のDR積層体の剥離シート裏面である場合もある。)に対する密着性が低い第2の領域とすることで、上記のDR積層体供給不良が生じにくくなるとの知見を得た。
かかる知見に基づき完成された本発明は、第1に、基材と、前記基材の一方の面に積層された粘着剤層とを備えたレーザーダイシングシートであって、前記基材の前記粘着剤層に対向する側と反対側の面である背面は、その表面の粗さが算術平均粗さRaで0.1μm未満である第1の領域および0.3μm以上である第2の領域を備え、前記第1の領域は使用時にレーザーが照射されるレーザー入射領域を含み、前記第2の領域は、前記レーザー入射領域よりも平面視で前記レーザーダイシングシートの外周側に設けられることを特徴とするレーザーダイシングシートを提供する(発明1)。
レーザーダイシングシートの基材背面を、算術平均粗さが低くレーザーを透過させた際に散乱や位相の均一性の低下が生じにくい第1の領域と、算術平均粗さが大きく剥離シート裏面に対する密着性が低い第2の領域とを備えるものとし、第2の領域をレーザー入射領域よりも外周側に配置することによって、DR積層体からレーザーダイシングシートを剥離する前の段階で、レーザーダイシングシートが剥離シートの剥離面から剥がれてしまう不具合が生じにくくなる。
上記発明(発明1)において、前記第2の領域の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.5μm以上であることが好ましい(発明2)。このような表面粗さであることにより、レーザーダイシングシートと剥離シートの裏面との密着性をより安定的に低下させることができる。
上記発明(発明1,2)において、前記第2の領域は平面視で環状であって、前記レーザー入射領域は、環状をなす前記第2の領域の平面視での内周よりも前記第2の領域の面内方向中心側に位置することが好ましい(発明3)。基材背面における第2の領域の配置を上記のようにすることにより、DR積層体を繰り出したりめくり出したりする際に、レーザーダイシングシートが剥離シートの剥離面から剥離してしまう不具合がより安定的に生じにくい。
上記発明(発明1から3)において、前記基材の背面は、前記第1の領域と前記第2の領域とからなることが好ましい(発明4)。基材背面がこのような構成の場合には、基材背面における第2の領域以外の領域全体をレーザー入射領域とすることが可能となるため、板状部材の加工(具体的にはステルスダイシングが例示される。)以外の目的(例えば板状部材のアライメント、リングフレームのアライメント)で、レーザー等の光を使用する場合であっても、その光を入射させる領域を確保することが容易となる。
上記発明(発明1から4)において、前記基材は、23℃におけるヤング率が30MPa以上600MPa以下であることが好ましい(発明5)。基材がかかる特性を有する場合には、エキスパンド工程において基材が均一に伸長されやすいため、エキスパンド工程の際に基材が破断したり基材とリングフレームとが剥離したりする不具合が生じにくい。特に、ステルスダイシング法を採用した場合には、レーザーダイシングシート上の板状部材が適切に割断されなかったり板状部材が割断されてなるチップ体の整列方向にばらつきが生じたりする不具合が生じにくい。
上記発明(発明1から5)において、前記第2の領域は、前記基材の背面に対して粗面化処理が施されたことにより形成されたものであることが好ましい(発明6)。かかる方法により第2の領域が形成される場合には、背面全面が第1の領域からなる基材を用意すれば、上記の発明に係るレーザーダイシングシートを容易に作製することができる。
上記発明(発明1から6)において、前記第1の領域は、前記波長1064nmにおける直線透過率が80%以上であるとともに、波長1064nmにおける位相差が100nm以下であることが好ましい(発明7)。第1の領域が上位の特性を有する場合には、上記の発明に係るレーザーダイシングシートはステルスダイシングのためのダイシングシートとして好適に用いることができる。
本発明は、第2に、上記発明(発明1から7)のいずれかに係るレーザーダイシングシートと、前記レーザーダイシングシートの前記粘着剤層側の面にその剥離面が対向するように積層された剥離シートとを備え、前記剥離シートの剥離面には、前記レーザーダイシングシートが積層されていない領域を有するレーザーダイシングシート−剥離シート積層体を提供する(発明8)。
かかるレーザーダイシングシート−剥離シート積層体は、前述のDR積層体供給不良が生じにくい。
本発明は、第3に、上記発明(発明8)に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体から前記剥離シートを剥離して前記レーザーダイシングシートの前記粘着剤層側の面を表出させ、前記レーザーダイシングシートの前記表出した粘着剤層側の面における平面視で前記第1の領域と重複する領域に板状部材を貼付し、前記第1の領域をレーザー入射面として、前記基材および前記粘着剤層を透過して前記板状部材へと至るようにレーザーを照射し、前記レーザーを照射した後の前記板状部材が貼付している前記レーザーダイシングシートをその主面内方向に伸長させることにより、前記板状部材を個片化して、チップ体を得ることを特徴とするチップ体の製造方法を提供する(発明9)。
かかる製造方法によれば、レーザーダイシングシートを透過して入射したレーザー光によって板状部材の内部に適切に改質部が形成されるため、レーザーダイシングシートを伸長させるエキスパンド工程によってその改質部の部分で板状部材が破断されることがより安定的に生じる。それゆえ、本発明に係る製造方法によれば、チップ体を歩留まり高く製造することが可能となる。
本発明に係るレーザーダイシングシートは、基材背面における第1の領域の少なくとも一部をレーザー入射領域として用いることで、使用時にレーザーダイシングシートに照射されたレーザー光が基材によって散乱されたり位相の均一性が低下したりしにくく、適切なレーザー光を板状部材に照射することができる。しかも、このようなレーザーダイシングシートを備える本発明に係るDR積層体によれば、使用前のDR積層体が積層された状態(具体的には、巻取体の形態にある場合やスタック体の形態にある場合が例示される。)においてDR積層体の剥離シート裏面に接する面、すなわち基材背面は、第1の領域のみならず第2の領域をも備え、この第2の領域は、相対的に粗な面から構成される。また、第2の領域は通常レーザーダイシングシートの大部分を占める、レーザーが照射されるレーザー入射領域よりも平面視でレーザーダイシングシートの外周側に設けられている。このため、あるDR積層体をその基材背面に剥離シート裏面が接するように配置されていた剥離シートから引き剥がそうとしたときに、剥離シートの剥離面と粘着剤層の面との密着性、粘着剤層と基材との密着性、および基材背面のうち第2の領域と剥離シートの裏面との密着性の間で最も密着性の低い界面にて剥離が生じるところ、平面視でダイシングシートの外周に近い位置に設けられている粗な面から構成される第2の領域と、剥離シートの裏面との密着性が最も低くなって、この界面での剥離が生じやすくなっている。それゆえ、本発明に係るDR積層体は、巻取体やスタック体の形態であっても、DR積層体供給不良が生じにくい。
本発明の一実施形態に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(DR積層体)の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(DR積層体)のレーザーダイシングシートの基材背面を概念的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(DR積層体)が巻取体の形態をなし、この巻取体からDR積層体が繰り出されている状態を概念的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る巻取体からレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(DR積層体)が繰り出されて、長尺の剥離シートに貼付しているレーザーダイシングシートの1枚を取り出そうとする直前の状態を概念的に示す部分断面図である。 本発明の一実施形態に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(DR積層体)の複数がスタック体の形態をなしている状態を概念的に示す断面図である。 本実施形態に係るレーザーダイシングシートの粘着剤層に板状部材およびリングフレームが貼付された状態を概念的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.レーザーダイシングシート−剥離シート積層体
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(DR積層体)100は、基材1および基材1の一方の面に積層された粘着剤層3を備えるレーザーダイシングシート10と、剥離シート11とを備え、剥離シート11は、レーザーダイシングシート10の粘着剤層3側の面にその剥離面が対向するように積層されている。
(1)基材1
本実施形態に係るレーザーダイシングシート10が備える基材1は、レーザー光を適切に透過させるという機能(以下、「レーザー透過機能」ともいう。)と、剥離シート裏面に対する密着性を低下させるという機能(以下、「密着性低減機能」ともいう。)とを有する。
本実施形態に係る基材1は、図2に示されるように、上記の二つの機能を併せ持つために、単独の層状体からなる基材背面1A(基材1における粘着剤層3に対向する側と反対側の面、すなわち、レーザーダイシングシートとしての基材側の面)に、第1の領域1aおよび第2の領域1bを備える。
i)第1の領域
本明細書において、「第1の領域」1aとは、基材背面1Aにおける表面の粗さが、算術平均粗さRaで0.1μm未満である部分をいう。ここで、算術平均粗さRaは、接触式表面粗さ計により測定された、JIS B0601:2001に準拠した特性であり、以下において同様である。第1の領域1a内に、使用時にレーザーが入射されるレーザー入射領域1cが含まれる。図2では、第1の領域1a全面がレーザー入射領域1cとなっている。上記のとおり第1の領域1aは算術平均粗さRaが低い平滑面となっているため、第1の領域1aの面内に設定されるレーザー入射領域1cにおいて入射してきたレーザーが反射したり散乱したりする可能性が低減されている。算術平均粗さRaが小さくなるほど、レーザーの透過性は高まるため、第1の領域1aにおける算術平均粗さRaは、小さければ小さいほど好ましく、その下限は特に限定されない。基材1を構成する部材の製造上の制限などにより、通常、この算術平均粗さRaは0.01μm程度が下限となる。第1の領域1aの算術平均粗さRaを調整は公知の方法により行うことができる。たとえば押出し成型により基材1を与えるフィルムを製造する場合に、冷却ロールの表面形状を転写させることにより行うことができる。また、第1のシート1が延伸フィルムである場合の第1のシート1を与えるフィルムの製造において、フィルムの材料に添加する充填材の量やサイズの変更により行うことができる。また、液状物をキャストし、硬化させてフィルムを得る場合にはキャストに用いる工程フィルムの粗さを調整することにより行うことができる。
ii)第2の領域
本明細書において、「第2の領域」1bとは、基材背面1Aにおける表面の粗さが、算術平均粗さRaで0.3μm以上である部分をいう。この第2の領域1bは、上記のレーザー入射領域1cよりも平面視(視線の方向が主面の法線に平行であるこという。)でレーザーダイシングシート1の外周側に設けられる。そのような配置関係の一例として、図2には、平面視で円状をなすレーザー入射領域1c(図2において、第1の領域1aとレーザー入射領域1cは一致している。)の外周側(基材背面1Aの面内方向でレーザー入射領域1cの中心から離間する向き)に、平面視で環状をなす第2の領域1bが配置された基材背面1Aが示されている。ここで、図2に示される基材背面1Aでは、レーザー入射領域1c(すなわち第1の領域1a)の外周端と第2の領域1bの内周端とは連続している。なお、「環状」なる用語の概念には、図2に示されるように平面視で完全な環状のみならず、部分的に不連続となった場合(例えばC字形状)や、多数の領域が全体として環状をなす場合(例えば放射環形状)も含まれるものとする。
以下、図2のように第2の領域1bが平面視で完全な環状であって、その内周側は全体が第1の領域1aである場合を一具体例として、第2の領域1bによりもたらされる基材1の密着性低減機能について説明する。また、図3に示されるように、DR積層体100が、複数のレーザーダイシングシート10が長尺の剥離シート11の剥離面に当該シート11の長尺方向に平行な方向に並んで積層されてなる長尺体の形態で形成され、この長尺体が巻芯Cを中心として長尺方向に巻き取られて巻取体100Aの形態で保管されている場合を具体例とする。
図4は、巻取体100AからDR積層体100が繰り出されて、長尺の剥離シート11に貼付しているレーザーダイシングシート10の1枚を剥離可能な状態にする直前の状態を概念的に示す部分断面図である。なお、図4に示される巻取体100Aは、長尺体の形態をなすDR積層体100が、巻取体100Aの巻芯Cの回転中心により近位な側(内周側)にレーザーダイシングシート10が配置され、巻取体100Aの巻芯Cの回転中心により遠位な側(外周側)に剥離シート11が配置されるように、巻き取りが行われたものである。
本実施形態に係るDR積層体100では、巻取体100AからDR積層体100の繰り出しが行われると、最外周の剥離シート11aと、最外周の剥離シート11aの剥離面にその粘着剤層3側の面が貼付されるレーザーダイシングシート10と、レーザーダイシングシート10の基材背面1Aにその剥離面と反対側の面(剥離シート裏面)が接するように配置された、最外周の剥離シート11aよりも一回り内周側の剥離シート11bとからなる重積体において、レーザーダイシングシート10と剥離シート11bとの界面で剥離が生じ、適切に、レーザーダイシングシート10を剥離可能な状態とすることができる。
本実施形態に係るレーザーダイシングシート10では、上記のように、基材背面1Aは、相対的に粗な面(算術平均粗さRaが0.3μm以上)からなる第2の領域1bが平面視で環状に配置され、その内周側に相対的に平滑な面(算術表面高さRaが0.1μm未満)からなる第1の領域1aが配置されているため、基材背面1Aと剥離シート11bとの剥離が行われる場合には、常に、相対的に粗な面の第2の領域1bと剥離シート11bの裏面との界面から剥離が行われ、相対的に平滑な第1の領域1aと剥離シート11bの裏面との界面が剥離の開始点となることはない。
これに対し、例えば、基材背面1Aが相対的に平滑な第1の領域1aのみからなる場合には、平滑な第1の領域1aと剥離シート11bの裏面との密着性が粘着剤層3と剥離シート11の剥離面との密着性に勝り、粘着剤層3と剥離シート11の剥離面との界面において剥離して、第1の領域1aからなる基材背面1Aと剥離シート11bの裏面とは密着したままとなってしまい、DR積層体供給不良に至ってしまう。このDR積層体供給不良が生じると、長尺体のDR積層体100は、その剥離シート11側の面にレーザーダイシングシート10が粘着剤層3を表出させた状態で存在することになり、剥離シート11を巻き取る際に通過するローラ(例えばピンチローラ)など繰り出しのための設備内の部品にこの粘着剤層3が付着するといった重大な不具合が生じる危険性が高まる。
このようなDR積層体供給不良の発生をより安定的に抑制する観点から、第2の領域の面粗さは算術平均粗さRaで0.5μm以上であることが好ましく、0.7μm以上であることがより好ましい。第2の領域の算術平均粗さRaの上限としては、3μm程度である。
iii)基材の材質、物性等
本具体例に係る基材1は、ダイシング工程にあたりレーザー入射領域1cにおいてレーザー光を透過させる機能を有し、ダイシング工程の後に行われるエキスパンド工程などにおいて破断しない限り、その構成材料は特に限定されない。通常は樹脂系の材料を主材とするフィルムから構成される。そのフィルムの具体例として、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム等のポリエチレンフィルム、延伸若しくは無延伸のポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、およびその水添加物または変性物等からなるフィルムが用いられる。またこれらの架橋フィルム、共重合体フィルムも用いられ、中でもエキスパンド性を考慮すると、ポリ塩化ビニルフィルムが好ましい。上記の基材は1種単独で層状体を構成していてもよいし、さらにこれらを2種類以上組み合わせた積層フィルムとして層状体を構成していてもよい。
上記の樹脂系材料を主材とするフィルム内には、顔料、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー等の各種添加剤が含まれていてもよい。こうした添加剤の含有量は特に限定されないが、基材1が所望の機能を発揮し、平滑性や柔軟性を失わない範囲に留めるべきである。前述のように基材1の一方の面は、その一部が、使用時にレーザーの入射面となるため、入射したレーザー光の直線透過率を低減させるような材料(顔料、フィラーなど)を含有しないことが好ましい。
本具体例に係る基材1の構成材料は、ステルスダイシングに用いられる光源の波長1064nmにおける直線透過率を80%以上とすることが可能な材料から構成されていることが、ダイシング工程の加工品質および加工精度を高める観点から好ましい。
粘着剤層3がエネルギー線の照射により重合する材料を含む場合であって、重合させるために照射するエネルギー線として紫外線を用いる場合には、基材1の構成材料は紫外線に対して透過性を有することが好ましい。なお、上記のエネルギー線として電子線を用いる場合には基材1の構成材料は電子線に対する透過性を有していることが好ましい。
また、基材1における粘着剤層3が積層される側の面には、粘着剤層3を構成する粘着剤との密着性を向上するために、コロナ処理を施したり、プライマー層を設けたりしてもよい。
基材1の23℃におけるヤング率は、30MPa以上600MPa以下であり、50MPa以上500MPa以下であることが好ましく、100MPa以上400MPa以下であることがより好ましい。23℃におけるヤング率が30MPa以上600MPa以下であるである基材1は、エキスパンド工程の際に均一に伸長されやすいため、かかる工程の適性に優れ、特にステルスダイシング法を採用した場合に、レーザーダイシングシート10上の板状部材が適切に割断されなかったり板状部材が割断されてなるチップ体の整列方向にばらつきが生じたりする不具合が生じにくい。基材1のヤング率が上記のような範囲にあると、基材1の基材背面1Aに粗である領域が設けられていない場合に、DR積層体の基材背面と、当該背面に接する別のDR積層体の剥離シート裏面との密着性が高まる傾向がある。これは、基材1が接触している他の材料表面への凹凸に追従しやすくなることなどが理由と考えられる。しかしながら、基材1がかかるヤング率を有している場合であっても、本実施形態に係るレーザーダイシングシート10では、上述したように基材背面1Aが相対的に粗な面からなる第2の領域1bが設けられているために、DR積層体供給不良を防止することができる。
また、基材1の破断伸度は、23℃、相対湿度50%のときに200mm/分で延伸させることにより測定した値として50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、100%以上であることが特に好ましい。ここで、破断伸度はJIS K7161:1994(ISO 527−1:1993)に準拠した引張り試験における、試験片破壊時の試験片の長さの元の長さに対する伸び率である。上記の破断伸度が50%以上である基材1は、エキスパンド工程の際に破断しにくいため、レーザーダイシングシート10上の板状部材が適切に切断されなかったり板状部材が分割されてなるチップ体が脱落したりする不具合が生じにくい。
基材1の厚さはレーザーダイシングシート10が前述のダイシング工程やエキスパンド工程において適切に機能できる限り、限定されない。過度に薄い場合には、製造過程や使用時に破断しやすくなることが懸念される。一方基材1は、ステルスダイシングに用いられる光源の波長1064nmにおける位相差を100nm以下とすることが、ダイシング工程の加工品質および加工精度を高める観点から好ましいところ、基材1が過度に厚い場合には、基材1の材質を調整しても、上記の位相差を100nm以下とすることが困難となることが懸念される。したがって、基材1の厚さは20μm以上150μm以下であることが好ましく、40μm以上100μm以下であることより好ましく、50μm以上90μm以下であることが特に好ましい。
図2に示される構成では、基材1の基材背面1Aは、前述のように、平面視で第1の領域1aとレーザー照射領域1cは一致し、レーザーダイシングを行う場合には、通常は板状部材の端部に到るまでレーザーを照射するため、ダイシング加工される板状部材が貼付される粘着剤層3の領域(本明細書において「部材貼付領域」ともいう。)は、平面視でレーザー照射領域1c、すなわち第1の領域1a内に含まれる。
iv)基材1の製造方法
上記のように、レーザー透過機能を考慮して基材1の材質を設定する場合には、まず、そのままで基材1の背面1Aにおける第1の領域が上述の条件を満たすこととなる基材1の構成材料、つまり、少なくとも一方の面の算術平均粗さRaで0.1μm未満となるような表面粗さの面を有する基材1の構成材料を用意する。その後、基材1の構成材料の上記の一方の面の所定の場所に任意の粗面化処理を施すことによって、密着性低減機能を担う第2の領域となるべき部分を形成すればよい。粗面化処理の詳細は限定されず、サンドブラスト処理、プラズマアッシング処理、エッチング処理(湿式/乾式)、転造など公知の手段を用いればよい。生産コスト、他の製造工程との兼ね合い、設計自由度などを考慮すると、サンドブラストによる処理が好ましい。
基材1の平面視形状(主面の法線に平行な方向から見た形状)は、被加工物である半導体ウエハなどの板状部材をレーザーダイシングシート10の粘着剤層3側の面の中心を含む領域に貼付したときに、その周囲に、運搬などの際に用いるリングフレームに貼付される領域が十分に確保され、かつ、これらの半導体ウエハに貼付された領域とリングフレームに貼付された領域との間に、適切な領域が確保され、エキスパンド工程においてリングフレームを引き落とす際の支点となる治具を取りつけ、その治具と半導体ウエハを個片化して得られた複数のチップ体との間に伸長後も平面視である程度(数mmから数cm)の間隙が設定されるような形状であれば、特に限定されない。通常は、基材1の平面視形状はリングフレームの内周が作る形状に対応して円に近い形状とされる。
v)変形例等
基材1の背面1Aは、上記のとおり、レーザー入射領域1cを含む第1の領域1aと第2の領域1bとを備えていればよく、これらの領域以外の領域を含んでいてもよいし、含んでいなくともよい。すなわち、基材背面1Aは、第1の領域aと第2の領域1bとから構成されていてもよいし、さらに別の領域(本明細書において「第3の領域」と総称する。)を備えていてもよい。第1の領域1aの特徴および第2の領域1bの特徴から導き出される第3の領域の特徴は、その表面の粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上0.3μm未満であることとなる。上記のようにサンドブラスト処理によって第2の領域を形成する場合には、マスキングなどの手法を用いても、結果的に第1の領域と第2の領域との間に第3の領域に相当する表面粗さを有する領域が形成される場合もある。
基材背面1Aにおける第1の領域と第2の領域との配置関係は、前述のように、第1の領域1a内に設定されるレーザー入射領域1cよりも平面視でレーザーダイシングシート1の外周側に第2の領域1bが設けられる以外は、特に限定されない。図2に示されるように、第2の領域が平面視で完全な環状であってその平面視で内周側に第1の領域が配置されていてもよいが、他の構成であってもよい。例えば、DR積層体100が巻取体100Aの形態で保管される場合には、繰り出しの際にレーザーダイシングシート10の基材背面1Aにおける長尺方向繰り出し先端側の端部に相当する位置にのみ第2の領域が形成されていてもよい。巻取体100Aの場合には、繰り出しの際に、レーザーダイシングシート10が適切に剥離するか否かは、レーザーダイシングシート10の長尺方向繰り出し先端側端部における、粘着剤層3側の面と最外周の剥離シート11aの剥離面との密着性(以下、「外側密着性」という。)と、基材背面1Aと一層内周側の剥離シート11bの裏面との密着性(以下、「内側密着性」という。)との大小関係に依存するところが大きいため、基材背面1Aの長尺方向繰り出し先端側端部を粗面化するだけで、外側密着性が相対的に低下するようにすることができる。
DR積層体からレーザーダイシングシート10を取り出すために剥離シート11を引き出す際の方向が必ずしも一定でない場合には、全面が平滑面(つまり第1の領域1aに相当する面)である基材背面1Aに対して、小円状の第2領域1bをそれらの中心を結ぶ線が円を描くように複数形成することが一例として挙げられる。サンドブラスト処理で第2の領域1bを形成する場合には、基材1の背面Aから所定の距離の位置にノズルを配置して、所定の時間サンドブラスト処理をして、ノズルの位置を背面Aの面内方向に移動させてまた所定の時間サンドブラスト処理をする、といった作業によって、上記のような構成の基材背面1Aを構成することができる。
(2)粘着剤層
粘着剤層3は、上記のいずれの具体例に係る基材1,2についても、基材背面1A,2Aと反対側の面に積層されるも出あって、従来より公知の種々の粘着剤により形成され得る。このような粘着剤としては、何ら限定されるものではないが、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル等の粘着剤が用いられる。また、エネルギー線重合型や加熱発泡型、水膨潤型の粘着剤も用いることができる。エネルギー線(紫外線、電子線等)重合型粘着剤としては、特に紫外線重合型粘着剤を用いることが好ましい。
以下、エネルギー線重合型粘着剤について、アクリル系粘着剤を例として具体的に説明する。
アクリル系粘着剤は、粘着剤組成物から形成される粘着剤層に十分な粘着性および凝集性を付与するためにアクリル系重合体(A)を含有し、またエネルギー線重合性化合物(B)を含有する。エネルギー線重合性化合物(B)は、またエネルギー線重合性基を含み、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合し、粘着剤組成物の粘着力を低下させる機能を有する。また、上記成分(A)および(B)の性質を兼ね備えるものとして、これらに代えて主鎖または側鎖に、エネルギー線重合性基が結合されてなるエネルギー線重合型重合体(以下、成分(AB)と記載する場合がある)を用いてもよい。このようなエネルギー線重合型粘着性重合体(AB)は、粘着性・造膜性付与機能とエネルギー線重合性とを兼ね備える性質を有する。
アクリル系重合体(A)としては、従来公知のアクリル系重合体を用いることができる。アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、10万〜200万であることが好ましく、30万〜150万であることがより好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn、Mnは数平均分子量)は1.0〜10であることが好ましく、1.0〜3.0であることがより好ましい。また、アクリル系重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−70〜30℃、さらに好ましくは−60〜20℃の範囲にある。
上記アクリル系重合体(A)を形成するためのモノマーとなる(メタ)アクリル酸エステルの具体例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート;シクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イミドアクリレート等の環状骨格を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このほか、上記アクリル系重合体(A)を形成するためのモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリロニトリルなども例示される。また、上記アクリル系重合体(A)は、酢酸ビニル、スチレン、ビニルアセテートなどが共重合されていてもよい。
エネルギー線重合性化合物(B)は、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合する化合物である。このエネルギー線重合性化合物の例としては、エネルギー線重合性基を有する低分子量化合物(単官能、多官能のモノマーおよびオリゴマー)が挙げられ、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジシクロペンタジエンジメトキシジアクリレート、イソボルニルアクリレートなどの環状脂肪族骨格含有アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレート、イタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物が用いられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有し、通常は、分子量が100〜30000、好ましくは300〜10000程度である。
一般的には成分(A)100重量部に対して、成分(B)は10〜400重量部、好ましくは30〜350重量部程度の割合で用いられる。
上記成分(A)および(B)の性質を兼ね備えるエネルギー線重合型粘着性重合体(AB)は、主鎖または側鎖に、エネルギー線重合性基が結合されてなる。
エネルギー線重合型重合体(AB)の主骨格は特に限定はされず、上述のアクリル系重合体(A)と同じものとすることができる。
エネルギー線重合型重合体(AB)の主鎖または側鎖に結合するエネルギー線重合性基は、たとえばエネルギー線重合性の炭素−炭素二重結合を含む基であり、具体的には(メタ)アクリロイル基等を例示することができる。エネルギー線重合性基は、アルキレン基、アルキレンオキシ基、ポリアルキレンオキシ基を介してエネルギー線重合型粘着性重合体に結合していてもよい。
エネルギー線重合型重合体(AB)の重量平均分子量(Mw)は、10万〜200万であることが好ましく、30万〜150万であることがより好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn、Mnは数平均分子量)は1.0〜10であることが好ましく、1.0〜3.0であることがより好ましい。また、エネルギー線重合型重合体(AB)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−70〜30℃、より好ましくは−60〜20℃の範囲にある。
エネルギー線重合型重合体(AB)は、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を含有するアクリル系重合体と、該官能基と反応する置換基およびエネルギー線重合性炭素−炭素二重結合を1分子毎に1〜5個を有する重合性基含有化合物とを反応させて得られる。かかるアクリル系重合体は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体と、前述した成分(A)を構成するモノマーとから共重合体することで得られる。また、該重合性基含有化合物としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸等が挙げられる。かかる製法により得られたエネルギー線重合型重合体(AB)においては、上述のエネルギー線重合型重合体(AB)の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn、ガラス転移温度(Tg)は、重合性基含有化合物と反応させる前のアクリル系重合体のものを指す。
エネルギー線重合性化合物(B)またはエネルギー線重合型重合体(AB)には、光重合開始剤を併用することが好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物、パーオキサイド化合物等の光開始剤、アミンやキノン等の光増感剤などが挙げられ、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどが例示できる。光重合開始剤の併用により、エネルギー線として紫外線を用いる場合に、光重合開始剤を配合することにより照射時間、照射量を少なくすることができる。この光重合開始剤の配合量は特に限定されないが、エネルギー線重合性化合物(B)およびエネルギー線重合型粘着性重合体(AB)の合計100質量部(固形分、以下同じ)に対して、0.5質量部以上10質量部以下とすることが好ましい。
さらに、粘着剤組成物には、各種物性を改良するため、必要に応じ、その他の成分(架橋剤等)が含まれていてもよい。架橋剤としては、有機多価イソシアナート化合物、有機多価エポキシ化合物、有機多価イミン化合物等があげられる。この架橋剤の配合量は特に限定されないが、アクリル系重合体(A)およびエネルギー線重合型重合体(AB)の合計100質量部に対して、0.2質量部以上10質量部以下とすることが好ましい。
上記のようなアクリル系重合体(A)およびエネルギー線重合性化合物(B)を含むアクリル系粘着剤または、エネルギー線重合型粘着性重合体(AB)を含むアクリル系粘着剤は、エネルギー線照射により重合する。エネルギー線としては、電離放射線、すなわち、X線、紫外線、電子線などが挙げられる。これらのうちでも、比較的照射設備の導入の容易な紫外線が好ましい。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、取り扱いのしやすさから波長200〜380nm程度の紫外線を含む近紫外線を用いればよい。紫外線量としては、エネルギー線重合性化合物(B)の種類や粘着剤層3の厚さに応じて適宜選択すればよく、通常50〜500mJ/cm程度であり、100〜450mJ/cmが好ましく、200〜400mJ/cmがより好ましい。また、紫外線照度は、通常50〜500mW/cm程度であり、100〜450mW/cmが好ましく、200〜400mW/cmがより好ましい。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UV−LEDなどが用いられる。
電離放射線として電子線を用いる場合には、その加速電圧については、エネルギー線重合性化合物(B)の種類や粘着剤層3の厚さに応じて適宜選定すればよく、通常加速電圧10〜1000kV程度であることが好ましい。また、照射線量は、エネルギー線重合性化合物(B)が適切に重合する範囲に設定すればよく、通常10〜1000kradの範囲で選定される。電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
粘着剤層3の厚さは、好ましくは1μm以上15μm以下、さらに好ましくは2μm以上10μm以下、特に好ましくは3μm以上8μmの範囲である。粘着剤層3が過度に厚い場合には、基材1の材質や厚さを制御しても、使用時に基材1と粘着剤層3との積層体を透過して板状部材に到達するレーザー光の強度や位相の均一性を所望の範囲とすることが困難となることもある。また、本発明に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体をステルスダイシング法に用いる場合には、粘着剤層3が厚いとエキスパンド時の基材の変形が半導体ウエハに伝播しがたくなり、半導体ウエハの分割に不具合を生じる懸念がある。粘着剤層3が過度に薄い場合には、粘着剤層3が使用時に板状部材を適切に固定できなくなることもある。
(3)剥離シート
本実施形態に係るDR積層体100は、レーザーダイシングシート10の粘着剤層3の基材1に対向する側と反対側の面(使用時に板状部材が貼付される面)に、その使用時まで粘着剤層を保護するために剥離シート11が積層されている。
上記の目的を果たすことができる限り、剥離シート11を構成する材料は任意であり、プラスチックフィルムからなる支持フィルムに剥離剤を塗布したものが例示される。プラスチックフィルムの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、およびポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンフィルムが挙げられる。これらのうちでも、伸縮性が小さく、寸法安定性、平滑性に優れるポリエステルフィルムが好ましい。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系などを用いることができるが、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。上記の剥離シート11の支持フィルムをなすプラスチックフィルムが単独で剥離シートとして機能してもよい。支持フィルムがポリエステルフィルムである場合には、通常そのままでは粘着剤に対する離型性を有しないため、剥離剤を塗布して剥離面とすることが好ましい。すなわち、この支持フィルムの面から剥離面が構成されていてもよい。あるいは、上記の剥離シート11のプラスチックフィルムからなる支持フィルムに代えて、グラシン紙、コート紙、上質紙などの紙基材または紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙を用いてもよい。剥離シート11の厚さについては特に制限はないが、通常20μm以上250μm以下程度である。
剥離シート11の形状も特に限定されないが、剥離シート11からレーザーダイシングシート10を剥離することが容易となるように、通常、剥離シート11の剥離面には、レーザーダイシングシート10の粘着剤層3側の面が貼付されていない領域が設けられている。
剥離シート11の具体的形状の一例として、長尺形状が挙げられる。この場合におけるDR積層体100の形態の具体例は、複数のレーザーダイシングシート10が、剥離シート11の長尺方向に互いに離間して、剥離シート11の剥離面に貼付されてなる形態である。このとき、DR積層体100は長尺体のままで保管してもよいが、図3に示すように、DR積層体100の長尺方向の一方の端部を芯材Cに固定して巻き取り、巻取体100Aの形態で保管してもよい。図3は、そのような巻取体100Aの形態にあるDR積層体100が繰り出されている状態を概念的に示す斜視図である。
剥離シート11の具体的形状の別の一例として、長尺ではない形状が挙げられる。この場合におけるDR積層体100の形態の具体例は、剥離シート11に1枚のレーザーダイシングシート10が貼付されてなる形態である。このとき、DR積層体100は、その複数枚が、DR積層体100の厚さ方向に積層されたスタック体100Bの形態で保管してもよい。そのようなスタック体100Bの形態にあるDR積層体100を概念的に示す断面図を図5に示す。
2.レーザーダイシングシート
本発明の一実施形態に係るレーザーダイシングシート10は、上記の本実施形態に係るDR積層体100から、剥離シート11を剥離させることによって得られる。
本実施形態に係るレーザーダイシングシート10の基材1は、基材背面1Aにレーザー照射領域1cを含む第1の領域1aと、レーザー照射領域1cの平面視でレーザーダイシングシート10の外周側に第2の領域1bとを備える。この第1の領域1aがレーザー透過機能を果たし、第2の領域1bが密着性低減機能を果たす。したがって、本実施形態に係るレーザーダイシングシート10はレーザー光を使用するダイシング工程におけるダイシングシートとして好適に用いることができる上に、このレーザーダイシングシート10と剥離シート11とからなるDR積層体100においてDR積層体供給不良が生じにくい。
3.DR積層体の製造方法
本実施形態に係るDR積層体100の製造方法は特に限定されない。公知の塗布方法、貼付方法、切断方法(ハーフカットを含む。)、剥離方法、粗面化処理などを適宜組み合わせて製造すればよい。以下に、図1に示されるような構造を有するDR積層体の製造方法の一例を示す。
剥離シート11の剥離面上に、粘着剤層3を形成するための粘着剤組成物を塗布し、得られた塗膜を乾燥して、粘着剤層3を得る。塗布方法は任意であり、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、スリットコーター、ナイフコーターなどが例示される。乾燥方法も任意であり、例えば80〜120℃程度で数分間加熱することによって行ってもよいし、大気中に放置する風乾でもよい。一方、少なくとも一方の面について、表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm未満の基材1を与える樹脂系フィルムを用意する。この樹脂系フィルムの表面粗さが上記のように調整された面と反対側の面を、前述の粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層3の剥離シート11に対向する側と反対側の面に貼付して、剥離シート11、粘着剤層3、および基材1を与える樹脂系フィルムがこの順に積層されたDR積層体100の原反を得る。
このDR積層体100の原反の基材1側の面、すなわち前述の表面粗さが調整された面に、サンドブラスト装置を用いて、第2の領域1bの形状対応した領域にサンドブラスト処理を行う。図2に示されるように第2の領域1bの形状が円環上である場合には、これに対応して円環状の領域にサンドブラスト処理を行えばよい(後述するように、円環状の領域の外側に位置する不要部分は除去されるため、同時にサンドブラスト処理がされてもよい。)。また、円環状の領域の内側の部分がサンドブラスト処理されないようにするために、その部分に粘着フィルムを剥離可能に貼付しておくなどしてマスキングを行ってもよい。続いて、切断線により基材1の外形が形成されるように、ブラスト処理後の第1の積層体に対して、基材1側から、基材1および粘着剤層3を切断するハーフカット処理を行う。最後に、切断線の外側に位置する不要部分を除去することにより、剥離シート11の剥離面上に外径が等しい基材1と粘着剤層3とからなるレーザーダイシングシート10が積層されてなるDR積層体100が得られる。なお、基材1の背面1Aの外周側端部近傍に第2の領域1bが位置することが好ましいため、サンドブラスト処理により形成される粗面化された領域の外径は、円環状の第2の領域1bの外径よりもやや大きめにして、サンドブラスト処理に引き続いて行われるハーフカット処理を行うことにより形成される基材1の背面1Aの外周側端部が確実に粗面となるようにすることが好ましい。
4.チップ体の製造方法
以下、本実施形態に係るDR積層体100から剥離シート11を剥離して得られるレーザーダイシングシート10を用いて、チップ体を製造する方法の一例を説明する。
まず、レーザーダイシングシート10の粘着剤層3における第1のシート1に対向する側と反対側の面の所定の領域に、板状部材を貼付する。この所定の領域とは、前述のように、平面視でレーザー照射領域1cと重なる部分である。板状部材としては、半導体ウエハ、ガラス基板、セラミック基板、FPC等の有機材料基板、精密部品等の金属系材料からなる部材などが例示される。また、板状部材が半導体ウエハなどであって回路がすでに形成されている場合には、回路が形成された面が粘着剤層3に対向するように貼付されてもよいし、回路が形成されていない裏面が粘着剤層3に対向するように貼付されてもよい。なお、リングフレームを用いる場合には、この板状部材の貼付に合わせて、レーザーダイシングシート10の粘着剤層3にリングフレームを貼付すればよい。図6は、このようにして、レーザーダイシングシート10の粘着剤層3に板状部材71およびリングフレーム72が貼付された状態を概念的に示す断面図である。
次に、レーザーダイシングシート10の基材背面1Aのレーザー照射領域1cから基材1および粘着剤層3を透過して板状部材71へと至るように、レーザー光を照射する。この際、板状部材71の内部にてレーザーが集光されるように照射することが、基材1や粘着剤層3に与えるダメージが少ないため、好ましい。レーザー光源は、波長および位相が揃った光を発生させる装置であり、レーザー光の種類としては、パルスレーザー光を発生するNd−YAGレーザー、Nd−YVOレーザー、Nd−YLFレーザー、チタンサファイアレーザーなど多光子吸収を起こすものを挙げることができる。レーザー光の波長は、800〜1100nmが好ましく、1064nmがさらに好ましい。
板状部材61内部に照射されたレーザー光によって、板状部材71の切断予定ラインに沿ってその内部に改質部が形成され、ダイシングラインとなる。ひとつの切断予定ラインをレーザー光が走査する回数は1回であっても複数回であってもよい。好ましくは、レーザー光の照射位置と、回路間の切断予定ラインの位置をモニターし、レーザー光の位置合わせを行いながら、レーザー光の照射を行う。このときの位置合わせのために別途レーザー光を照射してもよい。
こうしてレーザー照射が終了したら、レーザー照射後の板状部材が貼付しているレーザーダイシングシート10をエキスパンド装置などを用いてシートの主面内方向外向きに伸長させる。このレーザーダイシングシート10の伸長に合わせて板状部材に引張力が加えられ、この引張力によって板状部材内の改質部が脆性破壊する。その結果、板状部材71はダイシングラインに沿って切断されて個片化し、その分割されてなる個片のそれぞれとしてチップ体が得られる。
レーザーダイシングシート10の伸長方法は、個片化すべき板状部材61の種類、板状部材61の内部に形成された改質部の構造・組成などに応じて適宜設定すればよいが、通常、5〜600mm/分の速度で5〜50mm程度伸長される場合が多い。得られたレーザーダイシングシート10上のチップ体は、ピックアップ工程の実施によって個別に取り出されてもよいし、その前に破砕粉等を除去するための洗浄工程などが実施されてもよい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)粘着剤層を形成するための塗工用組成物の調製
アクリル系共重合体(2−エチルヘキシルアクリレート/酢酸ビニル/アクリル酸/メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=23.5/70/1/5/0.5(質量比)、Mw=60万、Mw/Mn=6.0、Tg=3℃)100重量部に対し、エネルギー線重合性化合物として、ポリプロピレングリコール(Mw=700)、イソホロンジイソシアネートおよび2−ヒドロキシプロピルアクリレートの共重合体からなる2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(Mw=4000)80重量部、光重合開始剤(BASF社製「イルガキュア184」)3重量部およびイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製「コロネートL」)2重量部を配合(すべて固形分換算による配合比)し、粘着剤層を形成するための塗工用組成物とした。
(2)基材を与える樹脂系フィルムの用意
次の特性を有する厚さ80μmであって長尺のポリ塩化ビニルフィルムを、基材を与える樹脂系フィルムとして用意した。
表面の算術平均粗さRa:0.03μm
波長1064nmにおける直線透過率:92%
波長1064nmにおける位相差:32nm
ヤング率:280MPa
(3)DR積層体の原反の作製
ポリエチレンテレフタレートフィルムを支持フィルムとし、厚さ38μmであって長尺の剥離シート(リンテック社製「SP−PET3811」)の剥離面上に、上記の調製した粘着剤層を形成するための塗工用組成物を、乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布した。得られた塗膜を100℃で1分間乾燥して、剥離シートと粘着剤層との積層体を得た。この積層体の粘着剤層側の面に、基材を与える樹脂系フィルムの一方の面(上記の、表面の算術平均粗さRaを有する面とは逆の面)を貼付し、DR積層体の原反を得た。
(4)第2の領域の作製
上記のDR積層体の原反における基材を与える樹脂系フィルム側の面に対して、直径210mmである円状の領域に、再剥離性の粘着フィルムを貼付して、マスキングを行った上でサンドブラスト装置(不二製作所社製 PNEUMA BLASTER SFK−2)を用いて、サンドブラスト処理を施した。次いで、再剥離性の粘着フィルムを剥離除去し、表面粗さが算術平均粗さRaで0.7μmとなる粗面化された領域(外径280mm、内径210mmである円環状、その中心は原反の幅方向の中心に一致)を、第2の領域として得た。この第2の領域内の表面粗さは、サンドブラスト処理を行う前と等しく、算術表面高さRaで0.03μmであった。このサンドブラスト処理を、原反の長尺方向に300mmおきに繰り返し、都合100個の円環状の粗面化された領域を形成した。
(5)DR積層体の作製
上記のサンドブラスト処理後のDR積層体の原反に対して、基材側の面から、基材を与える樹脂系フィルムおよび粘着剤層が切断されるハーフカットを行い、平面視で直径270mmの円形をなす切断線(閉曲線)を100本作製した。これらの切断線が形作る円の中心は、それぞれ、先にサンドブラスト処理により形作った円環状の第2の領域の中心と一致させた。そして、これらの直径270mmの円形をなす切断線の外側にある、樹脂系フィルムおよび粘着剤層を除去した。
こうして、長尺の剥離シートの剥離面上に次の形状および配置を有するレーザーダイシングシートの100枚が長尺方向に並んで配置されてなるDR積層体を得た。
レーザーダイシングシートの平面視形状:直径270mmの円形
第1の領域の平面視形状:直径210mmの円形
第2の領域の平面視形状:第1の領域を内包する外径270mm、内径210mmの円環
最近位に配置される2のレーザーダイシングシート同士の長尺方向の間隔:30mm
このDR積層体を長尺方向に巻き取って、巻取体の形態とした。
〔実施例2から4および比較例2〕
実施例1におけるサンドブラスト処理範囲の内径を表1に示される内径に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、DR積層体の巻取体を得た。
〔比較例1〕
実施例1において、サンドブラスト処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行って、基材背面が第1の領域からなるレーザーダイシングシートが100枚剥離シートの剥離面上に積層されてなるDR積層体の巻取体を得た。
〔比較例3〕
実施例1において、サンドブラスト処理を基材全面に施したこと以外は実施例と同様の操作を行って、基材背面が第2の領域からなるレーザーダイシングシートが100枚剥離シートの剥離面上に積層されてなるDR積層体の巻取体を得た。
〔試験例1〕ヤング率の測定
実施例および比較例において使用した基材を与える樹脂系フィルムについて、万能引張試験機(オリエンテック社製テンシロンRTA−T−2M)を用いて、JIS K7161:1994に準拠して、23℃、相対湿度50%の環境下において引張速度200mm/分の条件で、ヤング率を測定した。その結果は前述のとおりである。
〔試験例2〕直線透過率の測定
実施例および比較例において使用した基材を与える樹脂系フィルムについて、紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所製「UV−3101PC」)を用い、波長200〜1200nmの範囲の直線透過率を測定し、1064nmの値を読み取った。その結果は前述のとおりである。
〔試験例3〕位相差の測定
実施例および比較例において使用した基材を与える樹脂系フィルムについて、位相差フィルム検査装置(大塚電子社製「RETS−100」(検出器「MCPD−7700」))を使用して、800〜1100nmの範囲で位相差の測定を行い、波長1064nmの位相差の値を読み取った。その結果は前述のとおりである。
〔試験例4〕算術平均粗さRaの測定
実施例および比較例において使用した、基材を与える樹脂系フィルムにおけるレーザーダイシングシートをとした場合に基材背面となる面、および実施例1から4および比較例2から3において行ったサンドブラスト処理によって形成された基材背面の第2の領域について、接触式表面粗さ計(Mitsutoyo社製「SURFTEST SV−3000」)を用い、JIS B0601−2001に準拠して、算術平均粗さRaを面内で10点測定し、その平均値を算出した。なお、測定条件は次のとおりであった。
(Ra≦1.0の場合)
カットオフ値λc:0.25mm、評価長さLn:1.25mm
(Ra>1.0の場合)
カットオフ値λc:0.8mm、評価長さLn:4mm
〔試験例5〕DR積層体供給性の評価
実施例および比較例のそれぞれに係るDR積層体の巻取体をウエハ貼合装置(リンテック社製「RAD−2500m/12」)にセットし、同装置を用いて、DR積層体における剥離シートからレーザーダイシングシートを剥離するとともに、その剥離したレーザーダイシングシートのそれぞれを、直径200mm、厚さ100μmのシリコンウエハおよび8インチウエハ用リングフレームに貼付した。
その結果、適切に剥離シートから剥離してシリコンウエハへの貼合が行われなかったレーザーダイシングシートが4枚以下であった場合を「良好」とし、その不適切な貼合となったレーザーダイシングシートが5枚以上であった場合を「不良」とした。評価結果を表2に示す。
〔試験例6〕エキスパンド性およびダイシング性の評価
実施例および比較例におけるDR積層体から剥離シートを剥離し、得られたレーザーダイシングシートを試験例5と同じ方法により、試験例5と同じシリコンウエハおよびリングフレームに貼付した。実施例1から4および比較例1から3に係るレーザーダイシングシートに貼付されたシリコンウエハは、平面視で、基材背面の第1の領域内部に全体が位置していた。
レーザー照射装置(DISCO社製「DFL7360」、波長:1064nm)を用いて、シリコンウエハの粘着剤層に対向している面側からレーザーダイシングシート越しに、ウエハ内部で集光するレーザーを、2mm×2mmのチップ体が形成されるように設定された切断予定ラインに沿って走査させながら照射した。この際のレーザー照射領域は、いずれのレーザーダイシングシートにおいても、基材背面の第1の領域に含まれていた。全ての切断予定ラインにレーザーを照射した後、エキスパンド装置(DISCO社製「DDS2010」)を用いて、速度300mm/分でレーザーダイシングシートを引き落とし、レーザーダイシングシートの粘着剤層側の面におけるシリコンウエハが貼付された領域を主面内外向き方向に15mm伸長させた。
その結果、レーザーダイシングシートが問題なく伸長した場合には、エキスパンド性が「良好」であると判定し、シリコンウエハの全ての切断予定ラインにてウエハが分割されてチップ体が形成された場合には、ダイシング性が「良好」であると判定した。これに対し、レーザーダイシングシートがリングフレームから脱落したり、レーザーダイシングシートが裂けてしまったりした場合には、エキスパンド性が「不可」であったと判定した。また、シリコンウエハの分割が不十分であった場合にはダイシング性が「不可」と判定した。評価結果を表2に示す。
Figure 2014063803
表1から明らかなように、本発明の条件を満たす実施例のDR積層体は、プリカット性に優れ、DR積層体供給不良が生じにくかった。また、ダイシング性やエキスパンド性にも優れていた。なお、比較例2のダイシング性の「一部不可」とは、第1の領域の外径が半導体ウエハの外径(200mm)よりも小さいかったため、半導体ウエハの最外周端近傍ではレーザー照射が不十分であり、この部分ではダイシング予定ラインとは異なるラインで半導体ウエハが切断されたことを意味する。
本発明に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体は、ステルスダイシングなど、ダイシングシートを透過させるようにレーザーを照射する作業を含むダイシング工程において使用されるレーザーダイシングシートと剥離シートとの積層体として好適に用いられる。
100…DR積層体
10…レーザーダイシングシート
1…基材
1A…基材1の背面
1a…第1の領域
1c…レーザー照射領域
1b…第2の領域
3…粘着剤層
2…基材
2A…基材2の背面
21…第1の基材
22…第2の基材
221…接着剤層
11…剥離シート
100A…巻取体
11a…最外周の剥離シート
11b…最外周の剥離シートよりも一層内周側の剥離シート
C…芯材
100B…スタック体
71…板状部材
72…リングフレーム

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材の一方の面に積層された粘着剤層とを備えたレーザーダイシングシートであって、
    前記基材の前記粘着剤層に対向する側と反対側の面である背面は、その表面の粗さが算術平均粗さRaで0.1μm未満である第1の領域および0.3μm以上である第2の領域を備え、
    前記第1の領域は使用時にレーザーが照射されるレーザー入射領域を含み、
    前記第2の領域は、前記レーザー入射領域よりも平面視で前記レーザーダイシングシートの外周側に設けられること
    を特徴とするレーザーダイシングシート。
  2. 前記第2の領域の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.5μm以上である、請求項1に記載のレーザーダイシングシート。
  3. 前記第2の領域は平面視で環状であって、前記レーザー入射領域は、環状をなす前記第2の領域の平面視での内周よりも前記第2の領域の面内方向中心側に位置する請求項1または2に記載のレーザーダイシングシート。
  4. 前記基材の背面は、前記第1の領域と前記第2の領域とからなる、請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザーダイシングシート。
  5. 前記基材は、23℃におけるヤング率が30MPa以上600MPa以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のレーザーダイシングシート。
  6. 前記第2の領域は、前記基材の背面に対して粗面化処理が施されたことにより形成されたものである、請求項1から5のいずれかに記載のレーザーダイシングシート。
  7. 前記第1の領域は、前記波長1064nmにおける直線透過率が80%以上であるとともに、波長1064nmにおける位相差が100nm以下である、請求項1から6のいずれかに記載のレーザーダイシングシート。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載されるレーザーダイシングシートと、前記レーザーダイシングシートの前記粘着剤層側の面にその剥離面が対向するように積層された剥離シートとを備え、前記剥離シートの剥離面には、前記レーザーダイシングシートが積層されていない領域を有するレーザーダイシングシート−剥離シート積層体。
  9. 請求項8に記載されるレーザーダイシングシート−剥離シート積層体から前記剥離シートを剥離して前記レーザーダイシングシートの前記粘着剤層側の面を表出させ、
    前記レーザーダイシングシートの前記表出した粘着剤層側の面における平面視で前記第1の領域と重複する領域に板状部材を貼付し、
    前記第1の領域をレーザー入射面として、前記基材および前記粘着剤層を透過して前記板状部材へと至るようにレーザーを照射し、
    前記レーザーを照射した後の前記板状部材が貼付している前記レーザーダイシングシートをその主面内方向に伸長させることにより、前記板状部材を個片化して、チップ体を得ること
    を特徴とするチップ体の製造方法。
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