JP2014063684A - セラミックメタルハライドランプ及びその製造方法 - Google Patents

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Takashi Toyomori
崇 豊森
Yoshiaki Kuroda
能章 黒田
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Abstract

【課題】放電容器の封入ガス圧を増加させても、放電容器の両端のシール部においてシール不良又はシール不足が起きることがないセラミックメタルハライドランプの製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックメタルハライドランプの製造方法において、ガラスフリットを加熱することによって前記ガラスフリットを溶融させて前記細管部と前記電流導入体の間の隙間に侵入させる加熱ステップと、前記溶融したガラスフリットが前記細管部と前記電流導入体の間の隙間に侵入したら前記放電容器内の圧力よりも前記チャンバ内の圧力のほうが高くなるように前記チャンバ内の圧力を増加させる加圧ステップと、を有し、前記加圧ステップにおいて、前記チャンバ内の圧力を増加させるために前記チャンバ内に前記放電容器の封入ガスを導入する。
【選択図】 図5B

Description

本発明は、セラミックメタルハライドランプに関し、特に、放電容器の両端をシールする技術に関する。
近年、石英ガラス製の放電容器を用いるメタルハライドランプの代わりに、セラミック製の放電容器を用いるセラミックメタルハライドランプが広く普及している。セラミックメタルハライドランプでは、放電容器が透光性アルミナ等のセラミックによって形成されているため、封入物質との反応に起因した放電容器の劣化が少なくなり、ランプ寿命を改善することができる。
セラミックメタルハライドランプの放電容器は、回転楕円体形状の発光部とその両側の細管部からなる。細管部の端部に形成されたシール部によって、放電容器の内部は密閉され、アルゴン等の不活性ガスが封止される。シール部は、細管部の端部に、電極、電流供給体、及び、リード線を有する電流導入体をそれぞれ挿入し、ガラスフリットを溶融させることにより形成する。
放電容器の両端にシール部を形成する場合に、先ず、第1の細管部にシール部を形成し、次に第2の細管部にシール部を形成する。ここで、第2の細管部にシール部を形成する際に、加熱に起因して放電容器の内部と外部の間に圧力差が生成されるため、放電容器の外部の圧力を調整する必要がある。これは「押圧嵌挿」と称され、特許文献1に記載されているように、特別な指先感覚が必要とされる。
実用新案登録2598983号 特開2004-179007号公報 特開2003-100254号公報 特開2008-034239号公報 特開2009-193878号公報
一般的な高圧放電ランプでは、放電容器の封入ガス圧は100〜500torr(0.13〜0.66atm)程度である。しかしながら、放電容器の封入ガス圧を増加させたいとの要求がある場合がある。例えば、無水銀ランプでは水銀を使用しないため、点灯に必要なランプ電圧を得るために封入ガス圧を高めたいとの要求がある。
そこで本願の発明者は、放電容器の封入ガス圧を増加させる実験を行った。封入ガス圧が700torr(0.92atm)程度となると、従来のシール部の形成方法では、シール不良又はシール不足が起きることが判明した。
本発明の目的は、放電容器の封入ガス圧を増加させても、放電容器の両端のシール部においてシール不良又はシール不足が起きることがないセラミックメタルハライドランプの製造方法を提供することにある。
本発明によると、発光部と細管部を有する放電容器に電流導入体を封止するセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
電流導入体を放電容器の細管部に挿入し、前記細管部の端面にガラスフリットを配置して、該放電容器をチャンバ内に支持するするステップと、
前記ガラスフリットを加熱することによって前記ガラスフリットを溶融させて前記細管部と前記電流導入体の間の隙間に侵入させる加熱ステップと、
前記溶融したガラスフリットが前記細管部と前記電流導入体の間の隙間に侵入し、前記溶融したガラスフリットによって該隙間が塞がれたら前記放電容器内の圧力よりも前記チャンバ内の圧力のほうが高くなるように前記チャンバ内の圧力を増加させる加圧ステップと、
を有し、
前記加圧ステップにおいて、前記チャンバ内の圧力を増加させるために前記チャンバ内に前記放電容器の封入ガスを導入することを特徴とする。
本実施形態によると、セラミックメタルハライドランプの製造方法において、
前記ガラスフリットを加熱するための加熱装置の設定温度が前記ガラスフリットの溶融温度に達した時から5秒経過後に、前記加圧ステップにおいて、前記チャンバ内の圧力を増加させてよい。
本実施形態によると、セラミックメタルハライドランプの製造方法において、
前記加圧ステップにおいて、前記チャンバ内の圧力を増加させる前の前記チャンバ内の圧力をP1とし、前記チャンバ内の圧力を増加させた後の前記チャンバ内の圧力をP2とするとき、該2つの圧力比P2/P1は、1.05〜1.60であってよい。
本実施形態によると、セラミックメタルハライドランプの製造方法において、
前記放電容器の細管部に形成されるシール部の長さL1は、前記放電容器の細管部に挿入された前記導電性サーメット棒の挿入長さLsに等しいか又はそれより大きくてよい。
本実施形態によるセラミックメタルハライドランプは、上述のセラミックメタルハライドランプの製造方法によって製造されてよい。
本発明によれば、放電容器の封入ガス圧を増加させても、放電容器の両端のシール部においてシール不良又はシール不足が起きることがないセラミックメタルハライドランプの製造方法を提供することができる。
図1Aは、本実施形態に係るセラミックメタルハライドランプの構成を説明する図である。 図1Bは、本実施形態に係るセラミックメタルハライドランプの放電容器の構成を説明する図である。 図2Aは、本実施形態に係るセラミックメタルハライドランプの放電容器の細管部に電流導入体を挿入する方法を説明する説明図である。 図2Bは、本実施形態に係るセラミックメタルハライドランプの放電容器の細管部に電流導入体が挿入された状態を説明する説明図である。 図3は、本実施形態に係るセラミックメタルハライドランプの放電容器の細管部をシールするためのシール装置の概略を説明する図である。 図4は、シール装置の水冷ジャケットに保持されたセラミックメタルハライドランプの放電容器の細管部を示す図である。 図5Aは、セラミックメタルハライドランプの放電容器の細管部を加熱するヒータの温度曲線を示す図である。 図5Bは、セラミックメタルハライドランプの放電容器の細管部を加熱するときのチャンバの圧力曲線を示す図である。
以下、本発明に係るセラミックメタルハライドランプの実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同一の要素に対しては同一の参照符号を付して、重複した説明を省略する。
図1Aを参照して本実施形態に係るセラミックメタルハライドランプの一例を説明する。セラミックメタルハライドランプ1は、透光性外管111と、端部の口金112と、透光性外管111の内部のほぼ中央に配置された放電容器13を有する。透光性外管111の内部は圧力10Pa以下の高真空に保持される。セラミックメタルハライドランプ1は、図示のように口金112を上にして垂直に装着される。
放電容器13の周囲に透光性スリーブ108が設けられ、その外側に、金属製のフレーム109が設けられている。放電容器13の上側には、始動器110が設けられている。フレーム109の上端には、ゲッタ113が装着されている。
フレーム109は、下端のマウント支持板114と上端のステム115の導入線と接続しており、それによって、位置固定される。フレーム109は位置固定用の部材であると同時に電気的接続用の部材を兼ねており、図示しない外部給電システムからの電力をステム115の導入線を介して放電容器13に供給する。
図1Bを参照して放電容器13の構造を説明する。放電容器13は中央の発光部13Cとその両端の細管部13A、13Bを有する。細管部13A、13Bには、電流導入体20a、20bがそれぞれ装着されている。電流導入体20a、20bは、タングステン電極23、電流供給体22、及び、リード線21を有する。タングステン電極23は放電容器13の発光部13Cに配置されている。電流供給体22は、耐ハロゲン性中間材22aと導電性サーメット棒22bからなる。
リード線21は導電性サーメット棒22bの先端に接続されている。リード線21と導電性サーメット棒22bの接続部は補強材31によって囲まれている。リード線21は細管部13A、13Bの両端より突出している。
導電性サーメット棒22bは、放電容器13の細管部13A、13B内に保持され、一部は放電容器13の細管部13A、13Bより突出している。
耐ハロゲン性中間材22aは、モリブデン棒とその周囲のモリブデンコイルによって形成される。導電性サーメット棒22bはアルミナとモリブデンを混合焼結することによって形成される。補強材31はアルミナ製のリング部材によって構成される。タングステン電極23、耐ハロゲン性中間材22a及び導電性サーメット棒22bは突き合わせ溶接によって接続される。
放電容器13の内部には、発光物質と、水銀および不活性ガスが封入されている。不活性ガスは例えば希ガスであるが本実施例ではキセノンである。セラミックメタルハライドランプを点灯させると、放電容器13内における放電により、発光物質が加熱され、その一部が蒸発して放電により励起され、発光する。発光物質の残りの部分は、放電容器13の底部の最冷部に液相状態でプールされる。液相の発光物質の一部は蒸発し、放電容器13の内部を対流により循環し、底部の最冷部に戻る。ランプの点灯中はこのようなサイクルが繰り返される。
放電容器13の外部空間は真空雰囲気である。そのため、放電容器13の内部における放電により発生した熱の一部は、赤外線などの形で放電容器13から外方に放射されるが、該熱の残りは、熱伝導により細管部13A、13Bの端部まで移動し、細管部の表面から放射熱として発散する。
図2A及び図2Bを参照して説明する。図2Aに示すように、放電容器13の細管部13Aに電流導入体20aを挿入する。電流導入体20aは、タングステン電極23、耐ハロゲン性中間材22a、導電性サーメット棒22b、及び、リード線21を有する。細管部13Aから突出した電流導入体20aに、ガラスフリット32及び補強部材31を装着する。即ち、リード線21がガラスフリット32及び補強部材31に挿通するように、ガラスフリット32及び補強部材31を装着する。こうして放電容器13の細管部13Aに電流導入体20aが装着される。ガラスフリット32及び補強部材31は図示の例ではリング状に形成されているが、他の形状に形成されてもよい。
ガラスフリット32の製造方法は既知である。先ず、ディスプロシア・アルミナ・シリカ・酸化モリブデン粉末を適当量調整して溶融し、粉砕して適当なバインダーを加えてリング状に成形する。この成形体を、空気中で加熱して脱バインダーし、更に、真空中で脱ガス処理を行うことによりガラスフリット32が得られる。ガラスフリット32は約1500℃で軟化、即ち、溶融する。
図2Bに示すように、タングステン電極23は、放電容器13の発光部13Cに配置される。導電性サーメット棒22bの一部と耐ハロゲン性中間材22aは放電容器13の細管部13Aに配置され、導電性サーメット棒22bの一部とリード線21は細管部13Aより突出する。放電容器13の両端の細管部13A、13Bに電流導入体20aが装着されると、それをシール装置に装着する。シール装置は以下に図3を参照して説明する。
図3を参照して、セラミックメタルハライドランプの放電容器のシール装置の概略を説明する。シール装置は、チャンバ41と、その底部に設けられた水冷ジャケット45を有し、両者によって単一の密閉容器が形成される。チャンバ41内には、ガラスフリットを加熱する加熱装置として、ヒータ43が設けられている。シール装置は更に、チャンバ41の内部空間に接続された真空ポンプ47とガスボンベ49を有する。ガスボンベ49には放電容器に封入するためのガスが充填されている。
水冷ジャケット45は、図示のように、放電容器13を、その中心軸線が垂直になるように、シール部を形成すべき細管部が上側になるように、保持する。上側の細管部はヒータ43によって囲まれている。放電容器13の発光部13Cの外周面は、水冷ジャケット45に略密着しているが、それによって、チャンバ41の内部空間と水冷ジャケット45の内部空間が分断されることはなく、両者は同一圧力を有する。
下側に配置された第2の細管部13Bは既に密閉されており、上側の第1の細管部13Aを密閉するものとする。第2の細管部13Bを密閉する場合には、第1の細管部13Aは未だ密閉されていない。この場合には、第2の細管部13Bをヒータ43によって加熱しても、放電容器13の内部空間、特に、発光部13Cの内部空間と放電容器13の外部空間の間に圧力差が生じる問題はない。しかしながら、第1の細管部13Aを密閉する場合には、第2の細管部13Bは既に密閉されている。この場合には、細管部13Aをヒータ43によって加熱すると、放電容器13の内部空間、即ち、発光部13Cの内部空間と放電容器13の外部空間の間に圧力差が生じる。
上側の第1の細管部13Aの一部はヒータ43によって囲まれているが、放電容器13の発光部13C及び下側の第2の細管部13Bは水冷ジャケット45内に配置されている。従って、細管部13Aの一部がヒータ43によって加熱される間、放電容器13の発光部13C及び下側の細管部13Bは、水冷ジャケット45によって冷却される。
真空ポンプ47によって、チャンバ41内を真空排気する。放電容器13の内部空間も真空排気される。次に、ガスボンベ49からの封入ガスを、チャンバ41内に充填する。放電容器13の内部空間も封入ガスによって満たされる。チャンバ41内の圧力は、放電容器13の封入ガスの設定圧Psに等しくなる。放電容器13内の圧力も、放電容器13の封入ガスの設定圧Psに等しくなる。次に、ヒータ43によって上側の細管部13Aを加熱し、シール部を形成する。これについては、次に図4を参照して説明する。
本実施形態では、ガラスフリットを加熱する加熱装置としてヒータ43を用いるが、ヒータ43には、様々な形式が可能であり、例えば、電気式ヒータ、レーザービーム照射式ヒータ等がある。本実施形態にて用いる水冷ジャケットは冷却媒体として水を用いる。しかしながら、水冷ジャケットの代わりに、冷却媒体として空気を用いる空冷式ジャケットを用いてもよい。更に、冷却媒体として水、空気以外の媒体を用いてもよい。
図4はシール装置の水冷ジャケット45に保持された放電容器13の上側の細管部13Aを示す。上述のように、放電容器13は、その中心軸線が垂直になるように、水冷ジャケット45によって保持される。上側の細管部13Aには、耐ハロゲン性中間材22aと導電性サーメット棒22bが挿入されている。導電性サーメット棒22bの一部は細管部13A内に配置され、残りの部分は細管部13Aより突出している。突出した導電性サーメット棒22bとリード線21の接続部は、補強部材31によって囲まれている。細管部13Aと補強部材31の間にガラスフリット32が配置されている。尚、導電性サーメット棒22bに、電極導入体を細管部13Aの位置決めするためのストッパーを設けてもよい。ストッパーは、例えば、導電性サーメット棒22bの表面の所定の位置にニオブ金属ロッドを溶接することにより形成してよい。
導電性サーメット棒22bの外径は、耐ハロゲン性中間材22aの外径より僅かに小さい。従って、細管部13Aと導電性サーメット棒22bの間の隙間は、細管部13Aと耐ハロゲン性中間材22aの間の隙間より僅かに大きい。
導電性サーメット棒22bの周囲に配置されたヒータ43を作動させると、ガラスフリット32が溶融する。溶融したガラスフリットは、重力と毛管現象によって、細管部13Aと導電性サーメット棒22bの間の隙間に侵入する。
ヒータ43が導電性サーメット棒22bに対応する位置に設けられているため、溶融したガラスフリットは、細管部13Aと耐ハロゲン性中間材22aの間の隙間に僅かの距離だけ侵入した位置まで入り込む。こうして、細管部13Aと導電性サーメット棒22b及び耐ハロゲン性中間材22aの間の隙間に侵入した溶融ガラスフリットによってシール部が形成される。
放電容器13の細管部13Aはシール部(封止部)と非シール部(非封止部)からなる。細管部13Aの全長をL、シール部の長さ、即ち、シール長をL1、非シール部の長さをL2とする。L=L1+L2である。導電性サーメット棒22bのうち、細管部13A内に挿入された部分の寸法をLsとする。
シール部の長さL1が短いと、シール不足又はシール不良となる。本実施形態では、シール部の長さL1は、この導電性サーメット棒22bの挿入長さLsに等しいか又はそれより大きい。即ち、L1≧Lsである。シール部のうち、耐ハロゲン性中間材22aの部分に形成された部分の長さをLmとする。L1=Ls+Lmである。
例えば、細管部13Aの外径を3mm、導電性サーメット棒22bの挿入長さをLs=5mmとする。この場合には、シール長L1は5mmに等しいか又はそれより大きくする。即ち、L1=5.0〜6.5mmである。耐ハロゲン性中間材22aの部分に形成されたシール部の寸法は、Lm=0〜1.5mmである。
耐ハロゲン性中間材22aの部分に形成されたシール部の寸法Lmが長すぎると、耐ハロゲン性中間材22aと細管部13Aの熱膨張率の差により、細管部13Aにクラックが発生する可能性がある。そこで、この寸法Lmは精々1.5mm程度である。
本願の発明者は、従来のシール方法により、放電容器のシール部を形成する実験を行った。実験には、図3に示したシール装置を用いた。放電容器の封入ガス圧を変化させて、放電容器のシール部を形成し、シールの状態を観察した。その結果、放電容器の封入ガス圧が100〜500torr(0.13〜0.66atm)程度の場合には、良好なシールが形成されたが、放電容器の封入ガス圧が700torr(0.92atm)以上になると、シール不足又はシール不良が生じることが判明した。
放電容器の封入ガス圧が100〜500torr(0.13〜0.66atm)程度の場合には、細管部13Aの上端部をヒータ43により加熱しても、放電容器13内の圧力Ptはチャンバ41内の圧力Pcと同一のまま維持される。Pt=Pcである。しかしながら、放電容器の封入ガス圧が700torr(0.92atm)になると、細管部13Aの上端部をヒータ43により加熱すると、放電容器13内の圧力はチャンバ41内の圧力より大きくなることが判明した。Pt>Pcとなる。これは、細管部13Aの上端部をヒータ43により加熱すると、放電容器13内のガスの温度も上昇し、ガスの体積が膨張するためであると考えられる。この圧力差に起因して、溶融したガラスフリットは、重力と毛管現象だけでは細管部と導電性サーメット棒22bの間の隙間に侵入しない。そのため、細管部13Aのシール部のシール不良又はシール不足が生じる。
そこで本願の発明者は、放電容器の封入ガス圧が700torr(0.92atm)になっても、細管部13Aのシール部にシール不良又はシール不足が生じない方法を見出した。本実施形態によると、溶融したガラスフリット32が、細管部13Aと導電性サーメット棒22bの間の隙間に侵入したとき、チャンバ41内の圧力Pcが放電容器13内の圧力Ptより大きくなるように、チャンバ41内の圧力を増加させる。
図5A及び図5Bを参照して、本実施形態によるセラミックメタルハライドランプの製造方法の実施形態を説明する。尚、本実施形態では、図3に示したシール装置を用いて、放電容器のシール部を形成する。図5Aは、ヒータの設定温度曲線を表し、横軸は時間、縦軸はヒータの設定温度である。加熱開始直前のチャンバ41内の温度は常温である。加熱開始から60秒後の時点t1にて、設定温度がT1=1500℃になるように設定温度を上昇させた。時点t1における設定温度はT1=1500℃であるが、ガラスフリット32の温度が1500℃になっているとは限らない。しかしながら、少なくとも加熱開始から65秒後の時点t2では、ガラスフリット32の温度は約1500℃になっている。即ち、ガラスフリット32は軟化し、溶融している。時点t2では、溶融したガラスフリットによって、細管部13Aと導電性サーメット棒22bの間の隙間は塞がれている。設定温度T1=1500℃を30秒維持した。加熱開始から90秒後の時点t4にて、設定温度の降下を開始した。加熱開始から150秒(設定温度降下後60秒)経過したとき、設定温度を1000℃にした。その後、自然冷却させた。
図5Bは、チャンバ41内の圧力曲線を表し、横軸は時間、縦軸はチャンバ41内の圧力である。加熱開始直前のチャンバ41内の圧力は、放電容器13の封入ガスの設定圧Psに等しい。設定温度を上昇させると、チャンバ41内の気体の熱膨張により、チャンバ41内の圧力は上昇する。加熱開始から60秒後の時点t1から65秒後の時点t2まで、チャンバ41内の圧力は変化しない。このときチャンバ41内の圧力をP1とする。図5Bの例では、P1=1.49atmである。
加熱開始から65秒後の時点t2では、溶融したガラスフリットによって、細管部13Aと導電性サーメット棒22bの間の隙間が塞がれている。このとき、放電容器13内の圧力はP1である。時点t2にて、チャンバ41内の圧力増加を開始した。それによって、チャンバ41内と放電容器13内の間に圧力差が生じる。この圧力差によって、溶融したガラスフリットが細管部13Aと導電性サーメット棒22bの間の隙間に押し込まれる。
加熱開始から70秒後の時点t3にてチャンバ41内の圧力は最大となる。このときの圧力をP2とする。図5Bの例では、P2=2.15atmである。時点t3から時点t4まで、圧力P2は維持される。加熱開始から90秒後の時点t4にて、設定温度の降下を開始すると、チャンバ41内の圧力も徐々に下がった。
次に、本願の発明者は、本発明の実施形態によるシール方法により、放電容器のシール部を形成する実験を行った。実験には、図3に示したシール装置を用いた。放電容器の封入ガス圧を900torr(1.18atm)以上の様々な値に変化させて、放電容器のシール部を形成し、シールの状態を観察した。尚、封入ガスはキセノンである。
表1は、本願の発明者が行った放電容器のシール部の形成の実験結果を示す。ここでは、シール長L1が5mmより大きかった実験結果のみを示す。表1の第1列は試験番号、第2列は放電容器の封入ガスの設定圧Ps、第3列は加圧前のチャンバ内の圧力P1、第4列は加圧後のチャンバ内の圧力P2、第5列は加圧後のチャンバ内の圧力P2と加圧前の圧力P1の比P2/P1の比、第6列はシール長L1である。試験番号No.2は、図5A及び図5Bに示した例に対応する。加圧前の圧力P1は図5Bの時点t1〜t2におけるチャンバ内の圧力、圧力P2は図5Bの時点t3におけるチャンバ内の圧力である。
Figure 2014063684
上述のように、シール長L1は少なくとも5mmより長いことが必要であるが、長すぎるのは好ましくない。本実施形態では、L1=5.0〜6.5mmである。表1の結果から、シール長がL1=5.0〜6.5mmとなるのは、チャンバ内の圧力比がP2/P1=1.05〜1.61の場合である。従って、本実施形態では、チャンバ内の圧力比はP2/P1=1.05〜1.60とする。
本実施形態においては、圧力比P2/P1が1.05よりも小さい場合、ガラスフリットを押し込む力が十分ではなくシール不足となる可能性がある。一方、圧力比P2/P1が1.61よりも大きい場合、シール長L1が6.5mmを超え、多量のガラスフリットが耐ハロゲン性中間材22aまで押し込まれ、細管部13Aのクラック発生の原因となる。
本実施形態によると、溶融したガラスフリットによって、細管部13Aと導電性サーメット棒22bの間の隙間は塞がれた時点t2にて、チャンバ41内の圧力を増加させる。この時点t2は、温度がT1=1500℃になってから数秒後、例えば、5秒後である。細管部13Aと導電性サーメット棒22bの間の隙間が塞がれてから、チャンバ内の圧力を増加させるため、チャンバの内部空間と細管部13Aの内部空間の間に圧力差が生じる。この圧力差によって、溶融したガラスフリット32は、細管部13Aと導電性サーメット棒22bの間の隙間に侵入して固化する。こうしてガラスフリットが固化した領域がシール部となる。
以上、本実施形態に係るセラミックメタルハライドランプの放電容器のシール部の形成方法について説明したが、これらは例示であって、本発明の範囲を制限するものではない。当業者が、本実施形態に対して容易になしえる追加・削除・変更・改良等は、本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の記載によって定められる。
1…セラミックメタルハライドランプ、 13…放電容器、 13C…発光部、 13A、13B…細管部、 20a、20b…電流導入体、 21…リード線、 22…電力供給導体、 22a…耐ハロゲン性中間材、 22b…導電性サーメット、 23…タングステン電極、 31…補強材、 32…ガラスフリット、 108…透光性スリーブ、 109…フレーム、 110…始動器、 111…透光性外管、 112…口金、113…ゲッタ、 114…マウント支持板、 115…ステム

Claims (5)

  1. 発光部と細管部を有する放電容器に電流導入体を封止するセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
    電流導入体を放電容器の細管部に挿入し、前記細管部の端面にガラスフリットを配置して、該放電容器をチャンバ内に支持するするステップと、
    前記ガラスフリットを加熱することによって前記ガラスフリットを溶融させて前記細管部と前記電流導入体の間の隙間に侵入させる加熱ステップと、
    前記溶融したガラスフリットが前記細管部と前記電流導入体の間の隙間に侵入し、前記溶融したガラスフリットによって該隙間が塞がれたら前記放電容器内の圧力よりも前記チャンバ内の圧力のほうが高くなるように前記チャンバ内の圧力を増加させる加圧ステップと、
    を有し、
    前記加圧ステップにおいて、前記チャンバ内の圧力を増加させるために前記チャンバ内に前記放電容器の封入ガスを導入することを特徴とするセラミックメタルハライドランプの製造方法。
  2. 請求項1記載のセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
    前記ガラスフリットを加熱するための加熱装置の設定温度が前記ガラスフリットの溶融温度に達した時から5秒経過後に、前記加圧ステップにおいて、前記チャンバ内の圧力を増加させることを特徴とするセラミックメタルハライドランプの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載のセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
    前記加圧ステップにおいて、前記チャンバ内の圧力を増加させる前の前記チャンバ内の圧力をP1とし、前記チャンバ内の圧力を増加させた後の前記チャンバ内の圧力をP2とするとき、該2つの圧力比P2/P1は、1.05〜1.60であることを特徴とするセラミックメタルハライドランプの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
    前記放電容器の細管部に形成されるシール部の長さL1は、前記放電容器の細管部に挿入された前記導電性サーメット棒の挿入長さLsに等しいか又はそれより大きいことを特徴とするセラミックメタルハライドランプの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のセラミックメタルハライドランプの製造方法によって製造されたセラミックメタルハライドランプ。
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