JP2014062689A - 第二種吸収式ヒートポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収熱の吸収効率が良く、設計自由度の高い吸収器を構成することができる第二種吸収式ヒートポンプを提供する。
【解決手段】冷媒液Rを加熱し、冷媒蒸気Rgを発生させる蒸発器2と、吸収溶液Sが前記蒸発器2で発生した冷媒蒸気Rgを吸収する際の吸収熱で被加熱媒体Tを加熱する吸収器3と、前記吸収器3にて冷媒蒸気Rgを吸収することにより溶質濃度が低くなった吸収希溶液を導入し、加熱することで冷媒蒸気Rgを発生し、同時に溶質濃度が高い吸収溶液Sを生成する再生器4と、前記再生器4にて発生した冷媒蒸気Rgを冷却し、冷媒液Rを生成する凝縮器5とを備えて構成される第二種吸収式ヒートポンプ1であって、吸収器3の前段に、溶質濃度が高くなった吸収溶液Sと冷媒蒸気Rgとを予備混合する予備混合部30が設けられたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸収溶液と冷媒蒸気とを予備混合する予備混合部を備えた第二種吸収式ヒートポンプに関するものである。
一般に、第二種吸収式ヒートポンプは、蒸発器において、加熱媒体によって冷媒液を加熱して冷媒蒸気を発生させ、この発生した冷媒蒸気を、吸収器において、溶質濃度が高い吸収溶液に吸収させ、この際発生する吸収熱で被加熱媒体を加熱するように構成されている。再生器においては、吸収器での冷媒蒸気吸収によって溶質濃度が低くなった吸収溶液を加熱媒体によって加熱することで、冷媒蒸気を発生させるとともに、溶質濃度が高くなった吸収溶液を生成するように構成されている。凝縮器においては、再生器で発生した冷媒蒸気を冷却媒体によって冷却することで、凝縮液化させ、冷媒液を生成するように構成されている。
従来より、このような第二種吸収式ヒートポンプにおいて、吸収器は、被加熱媒体が通過する被加熱管の上方から吸収溶液スプレーによって吸収溶液を散布し、その環境下に冷媒蒸気を導入して冷媒蒸気を吸収溶液に吸収させることで吸収熱を発生させるように構成されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−207883号公報
しかしながら、上記従来の第二種吸収式ヒートポンプにおいては、被加熱管に吸収溶液を散布させ、そこに冷媒蒸気を導入して吸収溶液に吸収させることで吸収熱を発生させるため、被加熱管の表面に吸収溶液を万遍なく散布し、当該吸収溶液によって被加熱管の表面を十分に濡らさなければ、吸収熱を十分に吸収することができないこととなる。
また、吸収溶液は、被加熱管の表面を伝ってすぐに落下してしまうので、最上段から下に数段の範囲の被加熱管は、吸収熱が十分に発生する前に、吸収溶液が下段に落下してしまうこととなり、吸収熱を十分に吸収できないこととなる。
さらに、吸収溶液は、被加熱管の表面を伝って直下に落下するため、落下位置に次の被加熱管を配置して効率よく吸収熱を吸収しなければならない。したがって、被加熱管を鉛直方向に多段に配置しなければならず、吸収器の設計の自由度が低下するといった不都合を生じることとなる。また、被加熱管の表面を伝って直下に落下した吸収溶液を、次の被加熱管の表面に効率よく広げて被加熱管の表面を十分に濡らさなければならないので、被加熱管は、底部に、のこぎり歯状の誘導板を設けて吸収溶液を分散滴下させたり、外周面にコイルを旋回したりして吸収溶液を直下の被加熱管の表面に分散滴下させるための工夫をしなければならなかった。
本発明は、係る実情に鑑みてなされたものであって、吸収熱の吸収効率が良く、設計自由度の高い吸収器を構成することができる第二種吸収式ヒートポンプを提供することを目的としている。
上記課題を解決するための本発明に係る第二種吸収式ヒートホンプは、冷媒液を加熱し、冷媒蒸気を発生させる蒸発器と、吸収溶液が前記蒸発器で発生した冷媒蒸気を吸収する際の吸収熱で被加熱媒体を加熱する吸収器と、前記吸収器にて冷媒蒸気を吸収することにより溶質濃度が低くなった吸収希溶液を導入し、加熱することで冷媒蒸気を発生し、同時に溶質濃度が高い吸収溶液を生成する再生器と、前記再生器にて発生した冷媒蒸気を冷却し、冷媒液を生成する凝縮器とを備えて構成される第二種吸収式ヒートポンプであって、吸収器の前段に、溶質濃度が高くなった吸収溶液と冷媒蒸気とを予備混合する予備混合部が設けられたものである。
第二種吸収式ヒートポンプの予備混合部には、溶質濃度が高くなった吸収溶液と冷媒蒸気とを混合してミスト化するミスト化手段が備えられていてもよい。
第二種吸収式ヒートポンプの吸収器は、被加熱冷媒の流れ方向に対して所定の間隔で複数の拡幅部が形成された被加熱管を複数本備えた熱交換器を内蔵してなり、前記熱交換器は、同段で隣接する被加熱管においては、拡幅部同士が隣接するとともに、非拡幅部同士が隣接するように配置され、上段または下段で隣接する被加熱管においては、前記拡幅部同士が隣接する位置の直上または直下に非拡幅部が位置し、前記非拡幅部同士が隣接する位置の直上または直下に拡幅部が位置するように配置されたものであってもよい。
第二種吸収式ヒートポンプの吸収器内に、一つまたは複数の前記熱交換器を接続して配置してなり、そのうち、一つの熱交換器の少なくとも一部分が、吸収器内の出口側液だまり部に浸漬する位置に配置されたものであってもよい。
第二種吸収式ヒートポンプの吸収器内には、被加熱管を通過する混合ミストの流れ方向が水平よりも下向きとなるように、熱交換器が接続されてなるものであってもよい。
本発明によると、溶質濃度が高くなった吸収溶液と冷媒蒸気とを予備混合することで、吸収器における被加熱管の吸収熱の吸収を促進することができる。
また、予備混合してミスト化を図ることにより、得られる混合ミストが被加熱管の表面に付着し易くなるので、被加熱管の濡れ性の向上を図ることができる。また、吸収溶液の落下位置に沿って被加熱管を鉛直方向に配置しなくても良く、設計自由度の高い吸収器を構成することができる。
本発明に係る第二種吸収式ヒートポンプの全体構成の概略を示す冷媒回路図である。 本発明に係る第二種吸収式ヒートポンプにおける吸収器の構成の概略を示す断面図である。 本発明に係る第二種吸収式ヒートポンプにおける吸収器内に設けられる熱交換器の全体構成の概略を示す斜視図である。 (a)は図3に係る熱交換器を構成する被加熱管の配置の一部を示す平面図、(b)は同断面図、(c)は(a)のI-I線断面図である。 (a)は図3に係る熱交換器を構成する被加熱管の他の配置例の一部を示す平面図、(b)は同断面図、(c)は(a)のII-II線断面図である。 (a)ないし(d)は本発明に係る第二種吸収式ヒートポンプの吸収器内における熱交換器の配置例を示す断面図である。 本発明に係る第二種吸収式ヒートポンプにおける予備混合部および吸収器の他の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る第二種吸収式ヒートポンプ1の全体構成の概略を示す冷媒回路図を示し、図2は同第二種吸収式ヒートポンプ1における吸収器3を示している。
本発明に係る第二種吸収式ヒートポンプ1は、蒸発器2と、吸収器3と、再生器4と、凝縮器5とを具備し、吸収器3の前段に、溶質濃度が高くなった吸収溶液Sと冷媒蒸気Rgとを予備混合する予備混合部30が設けられている。
蒸発器2は、加熱媒体によって冷媒液Rを加熱して冷媒蒸気Rgを発生するように構成されている。蒸発器2と凝縮器5との間は、冷媒供給経路11で接続されている。この冷媒供給経路11は、凝縮器5から蒸発器2に向かって順に、凝縮器抽気タンク110、冷媒ポンプ11p、膨張弁11vを経由するようにこれら凝縮器抽気タンク110、冷媒ポンプ11p、膨張弁11vが接続されている。蒸発器2と吸収器3との間は、冷媒蒸気供給経路12で接続されている。この冷媒蒸気供給経路12は、蒸発器2から吸収器3に向かって順に、レシーバ6、予備混合部30を経由するように、これらレシーバ6、予備混合部30が接続されている。
これにより、凝縮器5から冷媒供給経路11を経て蒸発器2に供給された冷媒液Rは、この蒸発器2で加熱され、冷媒蒸気Rgとなった後、冷媒蒸気供給経路12からレシーバ6および予備混合部30を経て吸収器3へと供給される。
予備混合部30は、冷媒蒸気供給経路12から供給される冷媒蒸気Rgと、吸収溶液供給経路13から供給される吸収溶液Sとを、当該予備混合部30で混合してから吸収器3に供給するように構成されている。吸収溶液供給経路13は、予備混合部30と再生器4の底部との間に接続されている。この吸収溶液供給経路13は、再生器4から予備混合部30に向かって順に、溶液ポンプ13p、溶液熱交換器7、膨張弁13v、エゼクタ13e、吸収器抽気タンク130が接続されている。
この予備混合部30は、チーズ継手によって構成されており、このチーズ継手の隣り合う接続口30a,30bに冷媒蒸気供給経路12と吸収溶液供給経路13とが接続され、これら接続された冷媒蒸気供給経路12と吸収溶液供給経路13とから、冷媒蒸気Rgと吸収溶液Sとを供給して合流させ、この合流によって混合される混合ミストSmを接続口30aと対向する残る接続口30cから吸収器3内に供給するように構成されている。この際、吸収溶液Sは、冷媒蒸気Rgと合流した際に微細化され、ミスト状の混合ミストSmとなって十分に混合される。また、十分に混合されるため、このミスト状の混合ミストSmは、吸収溶液Sが冷媒蒸気Rgを効率良く吸収して吸収熱を発生することとなる。なお、混合ミストSmのミストの状態は、冷媒蒸気供給経路12から供給される冷媒蒸気Rgと、吸収溶液供給経路13から供給される吸収溶液Sとの互いの供給量のバランスを取って調整される。また、本実施の形態では、予備混合部30は、チーズ継手によって冷媒蒸気Rgと吸収溶液Sとを単に合流させるだけで、混合と、混合ミストSmのミスト化とを図っているが、この予備混合部30としては、冷媒蒸気Rgが通過するベンチュリ部に吸収溶液Sを供給してミスト化するように構成された、いわゆるキャブレター構造のものであってもよいし、吸収溶液Sの表面を回転体(図示省略)などの回転によって微細化して飛沫させ、これを冷媒蒸気Rgと混合してミスト化する構成のものであってもよいし、超音波加湿器と同じように超音波で吸収溶液Sをミスト化し、これを冷媒蒸気Rgと混合して供給するように構成したものであってもよい。
吸収器3は、予備混合部30から供給されるミスト化した混合ミストSmの吸収熱によって、当該吸収器3内に設けた熱交換器31を流れる被加熱媒体Tを加熱して熱出力を得ることができるように構成されている。吸収器3の上部は、予備混合部30と接続されている。吸収器3の底部と再生器4の上部との間は、膨張弁14vを介して吸収希溶液回収経路14によって接続されている。吸収溶液供給経路13と吸収希溶液回収経路14とは、溶液熱交換器7によって互いに熱交換するように構成されている。吸収器3は、吸収器3内の液だまり3aよりも高い側壁面の位置に、エゼクタ13eに接続される抽気経路15が設けられている。
吸収器3内に設けられる熱交換器31は、図2に示すように、混合ミストSmが鉛直方向に連続して通過するように、吸収器3の内部に縦に3段連結され、最下段の熱交換器31aから中段の熱交換器31b、最上段の熱交換器31cの順に被加熱媒体Tが通過するように構成されている。このうち、最下段の熱交換器31aは、吸収器3内の液だまり3aに浸かるようにして設けられ、その上の二つの熱交換器31b、31cは、液だまり3aに浸からずにミスト化した混合ミストSmと接触するように設けられている。
これにより、最上段と中段の熱交換器31b,31cは、ミスト化した混合ミストSmから吸収熱を奪って、当該熱交換器31b,31cを流れる被加熱媒体Tを加熱することとなる。吸収熱を奪われることによって液化し、溶質濃度が低くなった吸収希溶液Sdは、液だまり3aに溜まる。この液だまり3aに設けた最下段の熱交換器31aは、この液だまり3aに溜まった吸収希溶液Sdから未回収熱を奪い、上記熱交換器31b,31cへ流れる前段階で被加熱媒体Tを加熱することとなる。
液だまり3aに溜まった吸収希溶液Sdは、吸収希溶液回収経路14から再生器4へと回収される。この際、回収される吸収希溶液Sdは、再生器4で再生された吸収溶液Sよりも温度が高いので、溶液熱交換器7において、この吸収希溶液Sdが流れる吸収希溶液回収経路14と、再生器4からの吸収溶液Sが流れる吸収溶液供給経路13との間で熱交換し、吸収器3へと供給される吸収溶液Sの温度を高めるように構成されている。
また、この吸収溶液供給経路13に設けたエゼクタ13eを通過する吸収溶液Sによって生じる負圧により、吸収器3内の液だまり3aの表面付近に溜まりやすい不凝縮ガスが、抽気経路15から抽気される。抽気された不凝縮ガスは、吸収溶液Sとともに、吸収器抽気タンク130に溜まることとなる。吸収器抽気タンク130に溜まった不凝縮ガスは、真空ポンプ8によって排気経路80から排気される。
なお、熱交換器31は、吸収器3に汎用されているものであってもよいが、ミスト化して吸収器3内を浮遊する混合ミストSmとの間で熱交換を行うため、図3に示すように、細かいメッシュ状に加工した複数の被加熱管310で構成された熱交換器31を使用することが好ましい。この熱交換器31に使用される被加熱管310は、図4に示すように、被加熱管310の流れ方向Fに対して所定間隔で皿状の拡幅部310aが形成されている。被加熱管310は、当該被加熱管310の拡幅部310a同士が隣接し、非拡幅部310b同士が隣接するように、水平方向に複数列で配置され、垂直方向に複数段重ねられた状態で配置され、熱交換器31として構成される。この際、熱交換器31は、図4に示すように、被加熱管310の拡幅部310aの直上または直下の位置に拡幅部310aが位置し、非拡幅部310bの直上または直下の位置に非拡幅部310bが位置するように被加熱管310が多段に配置されたものであってもよい。また、図5に示すように、被加熱管310の拡幅部310a同士が隣接する位置の直上または直下の位置に、被加熱管310の非拡幅部310bが位置し、非拡幅部310b同士が隣接する位置の直上または直下の位置に、被加熱管310の拡幅部310aが位置するように被加熱管310が多段に配置されたものであってもよい。熱交換器31は、被加熱管310の流れ方向Fに直行する方向が混合ミストSmの通過方向Dとなされ、混合ミストSmは、被加熱管310の拡幅部310aに衝突し、隣接する被加熱管310の非拡幅部310b同士の間隙を通過することとなる。各被加熱管310の両側で、かつ、熱交換器31の一方側の面の対向する位置には、被加熱媒体Tの出入り口311,312が設けられており、被加熱媒体Tは、一方の出入り口311から被加熱管310を通過して他方の出入り口312へと被加熱媒体Tを流すことができるように構成されている。この際、熱交換器31は、被加熱媒体Tが、各被加熱管310を同一方向で流れるように設計されたものであってもよいし、交互に逆方向で流れるように設計されたものであってもよい。
再生器4は、吸収希溶液Sdを加熱して冷媒蒸気Rgを発生させるとともに、溶質濃度が高くなった冷媒溶液Sを生成するように構成されている。再生器4の上部と凝縮器5の上部との間は、冷媒蒸気供給経路16によって接続されている。再生器4の上部には、吸収希溶液回収経路14が接続されている。この吸収希溶液回収経路14は、膨張弁14vと再生器4との間の分岐点aから、レシーバ6の底部に接続する冷媒蒸気回収経路17が接続されている。この冷媒蒸気回収経路17にも膨張弁17vが設けられている。この膨張弁17vとレシーバ6との間の冷媒蒸気回収経路17の分岐点bからは、冷媒供給経路11へのバイパス経路18が設けられている。このバイパス経路18には、開閉弁18vが設けられており、通常時は「閉」となっている。
これにより、吸収器3から吸収希溶液回収経路14を経て再生器4に供給された吸収希溶液Sdは、この再生器4で加熱され、冷媒蒸気供給経路16から凝縮器5へと冷媒蒸気Rgが供給される。この冷媒蒸気Rgの供給により、溶質濃度が高くなった吸収溶液Sは、溶液ポンプ13pによって吸収溶液供給経路13から吸収器3へと供給される。
凝縮器5は、再生器4から冷媒蒸気供給経路16を介して供給される冷媒蒸気Rgを冷却して凝縮液化するように構成されている。凝縮器5の上部には、冷媒蒸気供給経路16が接続されている。凝縮器5の底部には、冷媒供給経路11が接続されている。
これにより、再生器4から冷媒蒸気供給経路15を経て凝縮器5に供給された冷媒蒸気Rgは、この凝縮器5で冷却され、冷媒液Rとなった後、冷媒供給経路11から凝縮器抽気タンク110、冷媒ポンプ11p、膨張弁11vを経て蒸発器2へと供給される。凝縮器抽気タンク110に溜まった不凝縮ガスは、真空ポンプ8よって排気経路80から排気される。
このようにして構成される第二種吸収式ヒートポンプ1は、吸収器3の前段の予備混合部30において、冷媒蒸気Rgと吸収溶液Sとを十分に混合してから吸収器3に供給することができるので、吸収熱の吸収効率を向上させることができる。特に、本発明の第二種吸収式ヒートポンプ1は、冷媒蒸気Rgと吸収溶液Sとを十分に混合してから吸収器3に供給することができるため、冷媒蒸気Rgと吸収溶液Sとを吸収器3内で混合する場合と比べても、吸収熱が発生するタイミングが早く、しかも冷媒蒸気Rgと吸収溶液Sとが十分に混合されて効率良く吸収熱を発生することとなり、吸収器3の上段での吸収熱の吸収効率が改善されることとなる。
また、本発明の第二種吸収式ヒートポンプ1は、冷媒蒸気Rgと吸収溶液Sとを混合してミスト化した混合ミストSmとしてから吸収器3に供給することができるので、このミスト化した混合ミストSmによって、被加熱管310の表面をあらゆる方向から濡らすことができる。したがって、被加熱管310を鉛直方向に多段に並べて吸収溶液Sの落下位置に次段の被加熱管310を配置するような考慮をしなくても、被加熱管310の表面の濡れ性を改善して熱交換効率の向上を図ることができる。
また、鉛直方向に被加熱管310を配置するような考慮をしなくても、ミスト化した混合ミストSmが浮遊して被加熱管310の表面をあらゆる方向から濡らすことができるので、吸収器3内における熱交換器31の配置を色々と変更した吸収器3を設計することができることとなる。
例えば、図6(a)は、液だまり3aに設けられる熱交換器31a以外の他の二つの熱交換器31b,31cを横並びに設けて横長の吸収器3を構成した例を示し、図6(b)は同図(a)の熱交換器31b,31cを横倒しにして混合ミストSmを横方向から吹き込むように構成した例を示している。また、図6(c)に示すように積み重ねて斜めに設けたり、図6(d)に示すように熱交換器31a,31b,31cを横並びに斜めに設けたりしたものであってもよい。
また、これらの構成において、吸収器3は、混合ミストSmの吹き出し口が熱交換器31b,31cの上方から吹き込むことができる位置に設けられていれば、特にその位置は、鉛直方向の上側に設けられている必要はなく、吸収器3の側壁面に設けられていてもよい。
また、上記実施の形態では、熱交換器31は、ユニット化したものを3個接続する場合について例示したが、特に3個に限定されるものではなく、2個または4個以上、または吸収器3の内部全体に1個を設ける場合であってもよい。
また、本実施の形態において、予備混合部30は、吸収器3の外に設けてミスト化した混合ミストSmを吸収器3内に供給するように構成されているが、図7に示すように、冷媒蒸気供給経路12と吸収溶液供給経路13とが吸収器3内に引き込まれ、この吸収器3内に予備混合部30を設けて吸収器3内にミスト化した混合ミストSmを供給するように構成されたものであってもよい。
さらに、本実施の形態において、予備混合部30は、冷媒蒸気Rgと吸収溶液Sとの混合と、ミスト化とを図るように構成されているが、冷媒蒸気Rgと吸収溶液Sとを混合し、ミスト化を図らずに液のまま散布するものであってもよい。この場合であっても、予備混合によって吸収熱を効率良く発生できることにより、被加熱管310からの吸収熱の吸収効率の向上を図ることができる。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
1 第二種吸収式ヒートポンプ
2 蒸発器
3 吸収器
30 予備混合部
31 熱交換器
310 被加熱管
310a 拡幅部
310b 非拡幅部
4 再生器
5 凝縮器
Sd 吸収希溶液
Sm 混合ミスト
S 吸収溶液
T 被加熱媒体
R 冷媒
Rg 冷媒蒸気

Claims (5)

  1. 冷媒液を加熱し、冷媒蒸気を発生させる蒸発器と、
    吸収溶液が前記蒸発器で発生した冷媒蒸気を吸収する際の吸収熱で被加熱媒体を加熱する吸収器と、
    前記吸収器にて冷媒蒸気を吸収することにより溶質濃度が低くなった吸収希溶液を導入し、加熱することで冷媒蒸気を発生し、同時に溶質濃度が高い吸収溶液を生成する再生器と、
    前記再生器にて発生した冷媒蒸気を冷却し、冷媒液を生成する凝縮器とを備えて構成される第二種吸収式ヒートポンプであって、
    吸収器の前段に、溶質濃度が高くなった吸収溶液と冷媒蒸気とを予備混合する予備混合部が設けられたことを特徴とする第二種吸収式ヒートポンプ。
  2. 予備混合部には、溶質濃度が高くなった吸収溶液と冷媒蒸気とを混合してミスト化するミスト化手段が備えられた請求項1記載の第二種吸収式ヒートポンプ。
  3. 吸収器は、被加熱冷媒の流れ方向に対して所定の間隔で複数の拡幅部が形成された被加熱管を複数本備えた熱交換器を内蔵してなり、
    前記熱交換器は、同段で隣接する被加熱管においては、拡幅部同士が隣接するとともに、非拡幅部同士が隣接するように配置され、
    上段または下段で隣接する被加熱管においては、前記拡幅部同士が隣接する位置の直上または直下に非拡幅部が位置し、前記非拡幅部同士が隣接する位置の直上または直下に拡幅部が位置するように配置された請求項2に記載の第二種吸収式ヒートポンプ。
  4. 吸収器内に、一つまたは複数の前記熱交換器を接続して配置してなり、そのうち、一つの熱交換器の少なくとも一部分が、吸収器内の出口側液だまり部に浸漬する位置に配置された請求項3記載の第二種吸収式ヒートポンプ。
  5. 吸収器内には、被加熱管を通過する混合ミストの流れ方向が水平よりも下向きとなるように、熱交換器が接続されてなる請求項4記載の第二種吸収式ヒートポンプ。
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