JP2014062217A - ローソク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】点火が容易なローソク、特に結婚披露宴やイベント等で多数のローソクを一時に点火する際にローソクへの点火時間を大幅に短縮できるローソク及びその製造方法を提供する。
【解決手段】燃焼剤と、ワックスで被覆された燃焼芯を有するローソクであって、該燃焼芯の先端に点火部を設け、かつ該点火部に被覆されたワックスが除去されて、残存ワックスが燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gに調整することでローソクへの点火時間を大幅に短縮することができる。
【選択図】図3
【解決手段】燃焼剤と、ワックスで被覆された燃焼芯を有するローソクであって、該燃焼芯の先端に点火部を設け、かつ該点火部に被覆されたワックスが除去されて、残存ワックスが燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gに調整することでローソクへの点火時間を大幅に短縮することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、点火が容易なローソク、例えば結婚披露宴やイベント等で多数のローソクを並べて同時に点火する際に点火時間を大幅に短縮できるローソク及びその製造方法に関するものである。
ローソクは、燃焼芯に点火した後に燃焼剤への燃焼の移行を良好にするため、燃焼芯は糸芯と糸芯に含浸・被覆(以下被覆と総称する)するワックスで構成されている。燃焼芯を有するローソクは、例えば予め糸芯を溶融ワックス液中に浸漬して被覆させた後、燃焼剤に埋設させるか、又はワックスで被覆されていない糸芯を燃焼剤に埋設させた後、燃焼剤から突出した糸芯を溶融ワックス液に浸漬して燃焼芯としている。
また、一般に「ウォーマーキャンドル」と呼ばれる[図2]に示す小型ローソクは、その使用数量及び用途より安価でなければならず大量生産することで需要に応えている。そのため、その生産は全自動の生産設備で生産している場合が多く、例えば、成形装置で燃焼芯を挿入する挿入孔(図示せず)が中央に設けられた燃焼剤(ローソク本体1)を成形した後、燃焼芯挿入装置でローソク本体1の挿入孔に燃焼芯2を挿入している。その際、燃焼芯2はローソク本体1の挿入孔に確実に挿入させるために、通常のローソク用燃焼芯よりも多めのワックスを被覆して「こし」を持たせている。
ワックスで被覆された燃焼芯に点火するには、まずマッチ等の燃焼炎を燃焼芯の先端に近づけて、燃焼芯が被覆されたワックスを加熱・溶融させ、次いで溶融したワックスを加熱・気化させて可燃性ガスを発生させ、該可燃性ガスの着火により燃焼芯が点火するため、燃焼芯の点火に通常3〜5秒間を要することは避けられない。比較的多くのワックスが被覆された燃焼芯を有する「ウォーマーキャンドル」などの小型キャンドルは、被覆されたワックスを溶融し、気化させるのに一層の時間を要するため点火時間がさらに長くなるという問題があった。
さらに、「ウォーマーキャンドル」では、燃焼芯が燃焼剤に設けられた挿入孔に容易に挿入できるように比較的多くのワックスが被覆されているため一層点火時間が長くなる。
さらに、「ウォーマーキャンドル」では、燃焼芯が燃焼剤に設けられた挿入孔に容易に挿入できるように比較的多くのワックスが被覆されているため一層点火時間が長くなる。
ローソクの点火時間を短くするために、例えば、燃焼芯の先端部に着火剤等を付与させることが提案されているが、着火剤付与工程が追加されるため、コストアップが避けられず、着火剤の取扱いにも注意を要するという問題があった。
また、大きい芯をローソク本体から先端を突出させてローソク本体に埋設し、大きい芯の先端中心に設けた孔に小さい芯を差し込んで大きい芯の補助着火芯としたローソクが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、風が吹く場所で使用する場合、例え、小さな芯(補助着火芯)に点火できたとしても種火が小さく、しかも、着火後の種火は燃焼が不安定であるため、小さな種火が大きい芯にスムースに移行して着火させることは困難である。
また、大きい芯をローソク本体から先端を突出させてローソク本体に埋設し、大きい芯の先端中心に設けた孔に小さい芯を差し込んで大きい芯の補助着火芯としたローソクが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、風が吹く場所で使用する場合、例え、小さな芯(補助着火芯)に点火できたとしても種火が小さく、しかも、着火後の種火は燃焼が不安定であるため、小さな種火が大きい芯にスムースに移行して着火させることは困難である。
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、ローソクを点火する際、ローソク本体より突出している燃焼芯全体を点火炎で炙るのではなく、燃焼芯の先端の点火部を炙ることで点火しているため、燃焼芯への点火しやすさの基準を、点火部の糸芯に含まれるワックス含量で調整できることに着目し、更に検討した結果、該点火部の糸芯に含まれるワックス含量を特定の範囲に調整することで燃焼芯の点火部への点火時間が調整できることを見出した。
したがって、本発明の第1の目的は、ローソクに点火する際の点火のしやすさを、点火部の糸芯に被覆されたワックス含量を調整することで点火しやすいローソクを提供することである。
本発明の第2の目的は、各ローソク間での点火時間のバラツキが少ないローソクを提供することである。
本発明の第3の目的は、上記ローソクの製造方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、各ローソク間での点火時間のバラツキが少ないローソクを提供することである。
本発明の第3の目的は、上記ローソクの製造方法を提供することである。
すなわち、本発明は、
(1)燃焼剤と、ワックスで被覆された燃焼芯を有するローソクであって、該燃焼芯の先端に点火部を設け、かつ該点火部に被覆されたワックスが除去されて、残存ワックスが燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gに調整されてなることを特徴とするローソクである。
(2)該糸芯が1g当たり油分を0.03〜0.30g含有することを特徴とする上記(1)記載のローソクである。
(3)該点火部の長さが、燃焼芯の先端から少なくとも3mmである上記(1)〜(2)記載のローソクである。
(4)該点火部の糸芯がほぐされていることを特徴とする上記(1)〜(3)記載のローソクである。
(5)燃焼剤と、ワックスで被覆された燃焼芯を有するローソクの製造方法であって、該燃焼芯をローソク成形型の中央に配置した後、溶融ワックスをローソク成形型内に注入して冷却固化し、しかる後、成形されたローソクを成形型から取り出し、その後、該燃焼芯の先端の点火部に被覆されたワックスを除去して、残存ワックスを燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gに調整することを特徴とするローソクの製造方法である。
(6)燃焼剤と、ワックスで被覆された燃焼芯を有するローソクの製造方法であって、中央に燃焼芯の挿入孔を有する燃焼剤の挿入孔に燃焼芯を挿入固定する前あるいは後に、該燃焼芯の先端の点火部に被覆されたワックスを除去して、残存ワックスを燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gに調整することを特徴とするローソクの製造方法である。
(1)燃焼剤と、ワックスで被覆された燃焼芯を有するローソクであって、該燃焼芯の先端に点火部を設け、かつ該点火部に被覆されたワックスが除去されて、残存ワックスが燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gに調整されてなることを特徴とするローソクである。
(2)該糸芯が1g当たり油分を0.03〜0.30g含有することを特徴とする上記(1)記載のローソクである。
(3)該点火部の長さが、燃焼芯の先端から少なくとも3mmである上記(1)〜(2)記載のローソクである。
(4)該点火部の糸芯がほぐされていることを特徴とする上記(1)〜(3)記載のローソクである。
(5)燃焼剤と、ワックスで被覆された燃焼芯を有するローソクの製造方法であって、該燃焼芯をローソク成形型の中央に配置した後、溶融ワックスをローソク成形型内に注入して冷却固化し、しかる後、成形されたローソクを成形型から取り出し、その後、該燃焼芯の先端の点火部に被覆されたワックスを除去して、残存ワックスを燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gに調整することを特徴とするローソクの製造方法である。
(6)燃焼剤と、ワックスで被覆された燃焼芯を有するローソクの製造方法であって、中央に燃焼芯の挿入孔を有する燃焼剤の挿入孔に燃焼芯を挿入固定する前あるいは後に、該燃焼芯の先端の点火部に被覆されたワックスを除去して、残存ワックスを燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gに調整することを特徴とするローソクの製造方法である。
本発明の燃焼剤と糸芯をワックスで被覆した燃焼芯からなるローソクは、該燃焼芯の先端に設けられた点火部に被覆されたワックスを除去して点火部の残存ワックス量を調整することで、格段に点火時間を短縮させることができる。さらに、燃焼芯を構成する糸芯に油分を含ませることで、点火部に被覆されたワックスを容易に、かつ所定量のワックスを確実に除去することができるためローソクの点火時間のバラツキを少なくすることができる。また、ローソクが点火しやすくなることで、例えばお年寄りが毎日のおつとめでローソクにマッチで点火する際に軸木の火種が手元にきて、やけどを負ったり、火種落下が原因とする火災などの危険性を防止することができる。さらに、多数のローソクに点火する際に要する時間の短縮は、例えば披露宴会場やレストランでは、短時間に確実にローソクに点火できるため演出がスムースに進行するなどの利点を生じる。特に屋外イベントでの何百、何千のローソクを点火してゆく場合の点火開始と点火終了の時間の短縮は演出上、作業効率上、大きな利点を生み出す。
本発明のローソクのうち、[図3]に示す小型キャンドルは、燃焼剤からなるローソク本体1と糸芯にワックスが被覆された燃焼芯2及び燃焼芯の先端に設けられた点火部3で構成されている。燃焼芯2を構成する糸芯は、溶融した燃焼剤を容易に吸い上げる毛細管現象を有するものであり、木綿、麻糸等の天然植物性繊維、レーヨン等の再生繊維が好ましく使用される。上記繊維を公知の手段で編み込み、組み込み等の手法で糸芯を製造する。さらに糸芯を溶融したワックスに浸漬することで毛細管現象により糸芯にワックスが含浸・被覆され、この浸漬作業を繰り返すことで燃焼芯のワックス被覆量を増やし、目的に沿ったローソク用の燃焼芯とすることができる。
本発明では、[図4]に示すように糸芯にワックスが被覆された燃焼芯2の先端の点火部3に被覆されたワックスが公知の方法、例えば熱で融かす方法、機械的にこそぎ取る方法等で除去される。点火部3に被覆されたワックスを除去した後の、残存ワックスは燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gである。0.17g未満では点火時間が短縮されるものの、燃焼芯の剛性が乏しくローソク用の燃焼芯に使用することができない。また、1.32gを超えると燃焼芯の剛性は良好であるものの、点火時間が長くなるという問題を生じる。燃焼芯を構成する糸芯1g当たりの残存ワックス量は通常0.30〜0.70gが好ましい。
しかし、燃焼芯2の点火部3に被覆されたワックスを機械的に削り取る方法は残存ワックスが燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gの範囲にあったとしても、残存ワックスがバラバラであれば、各ローソクの点火時間にバラツキが生じる恐れがある。特に多数のローソクを同時に点火する場合には点火時間のバラツキを少なくすることが好ましい。
しかし、燃焼芯2の点火部3に被覆されたワックスを機械的に削り取る方法は残存ワックスが燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gの範囲にあったとしても、残存ワックスがバラバラであれば、各ローソクの点火時間にバラツキが生じる恐れがある。特に多数のローソクを同時に点火する場合には点火時間のバラツキを少なくすることが好ましい。
残存ワックスのバラツキを少なくするために、燃焼芯2を構成する糸芯に予め所定量の油分を含ませることが好ましい。燃焼芯2を構成する糸芯に油分を含ませる目的は、糸芯への毛細管現象によるワックスの浸透を制御することにより、糸芯に被覆されたワックスの除去が容易となり、それによって糸芯への毛細管現象によるワックスの浸透を制御することである。そのために燃焼芯を構成する糸芯1g当たり油分を0.03〜0.30g含ませることが好ましい。0.03gより少なければ、そのワックス浸透の制御効果は乏しく、0.30gより多くなれば糸芯へのワックスの浸透が不十分で糸芯ワックスの一体性が乏しくなりローソク燃焼芯としては相応しくなくなる。通常油分を0.09〜0.22g含ませることが好ましい。残存ワックス量のバラツキが少なくなると、個々のローソクの点火しやすさが保障され、品質上のバラツキも抑えることができる。
本発明で使用される油分となるオイルは特に限定されないが、使用されるオイルの揮発性が高ければ経時的に燃焼芯に含まれる油分含量が低下してゆくので、揮発性が低い方が都合よく、不揮発性のオイルが好ましく使用される。例えば、使用されるオイルの一例として、オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪族一塩基酸エステル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジーn−ヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジー2−エチルヘキシル、アジピン酸ジアルキル610、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブチルジグリコール、アゼライン酸ジー2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジー2−エチルヘキシルなどの脂肪族二塩基酸エステル、トリエチレングリコールジー2−エチルブチラート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのオキシ酸エステル、大豆油、綿実油、ナタネ油、ヒマシ油、オリーブ油、ベニバナ油、鯨油などの油脂、イソステアリン酸などの飽和高級脂肪酸、イソステアリルアルコールなどの飽和高級アルコール、n−パラフィン、流動パラフィン、水素添加ポリブテンなどの飽和炭化水素などが挙げられ、単独または複数種類を混合して使用することができる。複数種類を混合すると揮発性を任意に調整できる。
また、上記オイル中に所望の着色剤を含有させると燃焼芯を所望の色付けが可能となったり、オイル中に香料を含有させることで、燃焼芯に香り付けが、さらに香り付けされた燃焼芯を使用したローソクは、燃焼に伴い香りを発せられる。
油分となるオイルを糸芯に公知の方法、例えば糸芯をオイルに含浸させ余分な油分を除去したり、油分を噴霧して所定量を含有させてもよい。また、糸芯を製造する工程で公知の方法、例えば糸芯の一部或いは全部に予め所定量の油分を含ませた糸を使用しても良いし、糸芯の製造工程の中で、糸芯を構成する一部或いは全部の糸に油分を含ませる手法をとってもよい。
点火部3の長さは、短か過ぎると点火当初、炎がゴマ粒ほどでしかなく、少々の風で容易に消える恐れがあるため少なくとも3mmの長さが好ましい。また、点火部3が長過ぎると点火当初の炎が大き過ぎたり、燃焼芯が倒れ込んだりするなどの支障を生じやすくなるため、点火部3の長さは3〜5mm程度が好ましい。
さらに[図4]に示すように、燃焼芯2の先端部のワックスが除去された点火部3の糸芯をほぐす(4はほぐされた糸芯)ことで一層点火しやすくすることができる。糸芯をほぐす手段は特に限定されないが、引っかき、芯切断の際にささくれ状に切断しても良いし、さらにまた、歯車に挟むことでワックスの除去とほぐしを同時に行ってもよい。
さらに[図4]に示すように、燃焼芯2の先端部のワックスが除去された点火部3の糸芯をほぐす(4はほぐされた糸芯)ことで一層点火しやすくすることができる。糸芯をほぐす手段は特に限定されないが、引っかき、芯切断の際にささくれ状に切断しても良いし、さらにまた、歯車に挟むことでワックスの除去とほぐしを同時に行ってもよい。
本発明のローソクは、予め燃焼芯先端の点火部に被覆されたワックスを除去した燃焼芯をローソクの成形に用いても良いし、ローソク本体の挿入孔に燃焼芯を挿入し、その後燃焼芯先端の点火部のワックスを除去しても良い。さらに、[図5]に示すようにローソク本体1に燃焼芯2を埋設させた後、ローソクから突出する燃焼芯2の先端点火部3のワックスを除去してもよい。
また、ローソクの燃焼芯の含浸被覆に用いるワックス及びローソクの燃焼剤に用いられるワックスとは、従来公知のワックスであり限定されるものではなく、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルやパームオイル硬化油などの各種硬化油、ポリエチレンワックスなどの合成ワックスなどが用いられ、目的用途に応じ、配合ワックスとして使用できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。
比較例1:
直径36mm、高さ20mm、重量17gの中央部に直径2.2mmの挿入孔を有する市販135パラフィンワックスを燃焼剤とするローソク本体を使用した。また、市販の135パラフィンワックスにマイクロクリスタリンワックスを30%配合し80℃に溶融させた糸芯浸漬用ワックス中に木綿糸芯を冷却しながら3回くぐらせ直径2mmのワックス被覆処理した燃焼芯とした。
次ぎに、30mmに切断した燃焼芯を上記ローソク本体に挿入装着させ、ローソク本体より突出している燃焼芯の先端部5mmをスチール製のつめ状具で被覆ワックスをこそぎ落とし点火部とした。
さらに、上記のローソクを内径38mm、深長24mmのポリカーボネイト製容器に入れ、さらに開口部径53mm、深長55mmのガラス容器に収容させた。そしてローソクを収容させたガラス容器同士を密着させ横並びに一直線状に12個配置した。これを比較例1とした。
比較例1:
直径36mm、高さ20mm、重量17gの中央部に直径2.2mmの挿入孔を有する市販135パラフィンワックスを燃焼剤とするローソク本体を使用した。また、市販の135パラフィンワックスにマイクロクリスタリンワックスを30%配合し80℃に溶融させた糸芯浸漬用ワックス中に木綿糸芯を冷却しながら3回くぐらせ直径2mmのワックス被覆処理した燃焼芯とした。
次ぎに、30mmに切断した燃焼芯を上記ローソク本体に挿入装着させ、ローソク本体より突出している燃焼芯の先端部5mmをスチール製のつめ状具で被覆ワックスをこそぎ落とし点火部とした。
さらに、上記のローソクを内径38mm、深長24mmのポリカーボネイト製容器に入れ、さらに開口部径53mm、深長55mmのガラス容器に収容させた。そしてローソクを収容させたガラス容器同士を密着させ横並びに一直線状に12個配置した。これを比較例1とした。
比較例2:
比較例1の木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.02g含む以外は、同様である。
比較例1の木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.02g含む以外は、同様である。
実施例1:
比較例1の木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.03g含む以外は、同様である。
比較例1の木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.03g含む以外は、同様である。
実施例2:
比較例1で木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.09g含む以外は、同様である。
比較例1で木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.09g含む以外は、同様である。
実施例3:
比較例1で木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.17g含む以外は、同様である。
比較例1で木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.17g含む以外は、同様である。
実施例4:
比較例1で木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.22g含む以外は、同様である。
比較例1で木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.22g含む以外は、同様である。
実施例5:
比較例1で木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.30g含む以外は、同様である。
比較例1で木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.30g含む以外は、同様である。
比較例3:
比較例1で木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.35g含む以外は、同様である。
比較例1で木綿糸芯が1g当たりの重量で予め噴霧する手法で、油分としてアジピン酸ジイソノニルを0.35g含む以外は、同様である。
まず、比較例および実施例の燃焼芯の剛性を調べた。評価の基準は、糸芯に十分ワックスが含浸し被覆されれば剛性が大きく良好であり、糸芯中の油分が多ければ、べたついた糸芯表面にワックスが被覆されるだけで被覆ワックスが折れたり、被覆ワックスが糸芯より脱落して剛性が乏しくなる。
さらに、比較例および実施例の点火時間の評価を行った。点火する実験者は意識的に早く、点火用ライターを用い、12個すべてのローソク燃焼芯の点火部に点火し、点火に要した時間を計測し1個当たりの平均の点火時間を算出した。
[表1]に示すように、比較例1は燃焼芯の剛性は良好であるものの、平均の点火時間が3.5秒と長かった。また、比較例2は木綿糸芯1g当たり0.02gの油分を含ませた糸芯を燃焼芯に使用しているものの、点火部の木綿糸芯1g当たりのワックス重量が1.50gと比較的多く、平均の点火時間が3.0秒と長く、時間短縮には十分ではなかった。
実施例1は木綿糸芯1g当たり0.03gの油分を含ませた糸芯を燃焼芯に使用しており、点火部の木綿糸芯1g当たりのワックス重量が1.32gと抑えられているものの燃焼芯の剛性は良好であり、平均の点火時間が2.0秒と短くなり、ほぼ満足の行く点火時間となった。
実施例2、実施例3ないし実施例4は、木綿糸芯1g当たりの油分重量をさらに0.09から0.22gと増すにつれ点火部の木綿糸芯1g当たりのワックス重量が0.70から0.30gに減じており、燃焼芯の剛性を良好に保ちつつ、1個当たりの平均の点火時間が1.2秒、1.1秒さらに0.98秒と格段に短縮された。
実施例5は木綿糸芯1g当たりの油分重量を0.30gに増すと点火部の木綿糸芯1g当たりのワックス重量が0.17gに減じており、燃焼芯の剛性がやや乏しくなったものの、平均の点火時間が0.87秒と一層に短縮された。
比較例3は木綿糸芯1g当たりの油分重量を0.35gとさらに増すと点火部の木綿糸芯1g当たりのワックス重量が0.10gに減じており、平均の点火時間が0.84秒とさらに一層に短縮されたものの、もはやローソク燃焼芯としては相応しくない程度に燃焼芯の剛性が乏しくなった。
[表1]に記載された糸芯1g当たりの油分重量とワックス重量からその関係を[図1]のグラフにて示す。
予め糸芯に油分を含ませることで糸芯へのワックスの浸透が制御される結果、糸芯のワックス含量を容易に制御できることを示している。
予め糸芯に油分を含ませることで糸芯へのワックスの浸透が制御される結果、糸芯のワックス含量を容易に制御できることを示している。
実施例6〜実施例10:[表2]に燃焼芯の点火部の糸芯をほぐすことの点火時間に及ぼす効果を示す。実施例6は実施例1の燃焼芯の点火部の糸芯がほぐされている以外は同様であるものであり、実施例7は実施例2の燃焼芯の点火部の糸芯がほぐされている以外は同様であるものであり、実施例8は実施例3の燃焼芯の点火部の糸芯がほぐされている以外は同様であるものであり、実施例9は実施例4の燃焼芯の点火部の糸芯がほぐされている以外は同様であるものであり、実施例10は実施例5の燃焼芯の点火部の糸芯がほぐされている以外は同様であるものである。
さらに、実施例6〜実施例10の点火時間の評価を行った。点火する実験者は意識的に早く、点火用ライターを用い、12個すべてのローソク燃焼芯の点火部に点火し、点火に要した時間を計測し1個当たりの平均の点火時間を算出した。その結果を[表2]に示す。[表2]に示すように燃焼芯の点火部の糸芯がほぐされることによって、さらに点火時間が短縮された。
点火性に優れ、点火時間を大幅に短縮できるローソクを提供することで、例えばお年寄りが毎日のおつとめでローソクにマッチで点火する際に、点火し難いということで軸木の火種が手元にきて、やけどを負ったり、火種落下が原因とする火災などの危険性を防止することができる。また結婚披露宴会場やレストランでの多数のローソクを点火する際、より短時間に点火作業が可能となり点火に要する手間と労苦の軽減がはかれる。さらに、屋外イベントのような何千という多数のローソクの点火作業を効率的に短時間で行なえることより、省力化のみならず、短時間の内に炎の演出表現ができることは見学者により大きな感動と満足感を与えられるなどの演出効果をもたらすとともに、作業時間の短縮、動員人数および人件費の削減などの大きな利点がある。
1 燃焼剤のローソク本体
2 燃焼芯
3 燃焼芯先端の点火部
4 点火部のほぐされた糸芯
2 燃焼芯
3 燃焼芯先端の点火部
4 点火部のほぐされた糸芯
Claims (6)
- 燃焼剤と、ワックスで被覆された燃焼芯を有するローソクであって、該燃焼芯の先端に点火部を設け、かつ該点火部に被覆されたワックスが除去されて、残存ワックスが燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gに調整されてなることを特徴とするローソク。
- 該糸芯が1g当たり油分を0.03〜0.30g含有することを特徴とする請求項1記載のローソク。
- 該点火部の長さが、燃焼芯の先端から少なくとも3mmである請求項1〜2記載のローソク。
- 該点火部の糸芯がほぐされていることを特徴とする請求項1〜3記載のローソク。
- 燃焼剤と、ワックスで被覆された燃焼芯を有するローソクの製造方法であって、該燃焼芯をローソク成形型の中央に配置した後、溶融ワックスをローソク成形型内に注入して冷却固化し、しかる後、成形されたローソクを成形型から取り出し、その後、該燃焼芯の先端の点火部に被覆されたワックスを除去して、残存ワックスを燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gに調整することを特徴とするローソクの製造方法。
- 燃焼剤と、ワックスで被覆された燃焼芯を有するローソクの製造方法であって、中央に燃焼芯の挿入孔を有する燃焼剤の挿入孔に燃焼芯を挿入固定する前あるいは後に、該燃焼芯の先端の点火部に被覆されたワックスを除去して、残存ワックスを燃焼芯を構成する糸芯1g当たり0.17〜1.32gに調整することを特徴とするローソクの製造方法。
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