JP2014062063A - スピロピペリジン誘導体 - Google Patents

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Yasunao Inoue
泰尚 井上
Yasuko Konishi
康子 小西
Masaki Kondo
勝紀 近藤
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Abstract

【課題】統合失調症、アルツハイマー病等の中枢疾患の治療に有用な化合物の提供。
【解決手段】式(I):
Figure 2014062063

[式中、RはC1−3アルキル基を表し、Xは酸素原子、NH等を表し、
mおよびnは、互いに独立して1、2または3を表し、RはC1−6アルキル基、C3−7シクロアルキル基等を表し、R、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子等を表し、Rは水素原子、C1−3アルキル基等を表す]
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ムスカリン受容体作動性を有する新規なスピロピペリジン誘導体およびそれらを有効成分とする医薬組成物に関する。
神経伝達物質アセチルコリン受容体はニコチン受容体およびムスカリン受容体の2タイプのコリン作動性受容体が知られている。ムスカリン受容体は細胞膜結合Gタンパク質共役受容体(GPCR)であり、現在5個のサブタイプ(M1−M5)が知られている。これらM1−M5ムスカリン受容体は中枢および末梢組織に興奮性および抑制性制御を及ぼし、心拍、覚醒、認知、および運動制御などを含む多くの生理的機能に関与する。
ムスカリン受容体作動薬は鎮痛作用、記憶改善作用、抗精神病作用など種々の薬理作用を有しており、それらの治療薬として使用できる可能性がある(Journal of Medicinal Chemistry、43巻、4333-4353頁(2000年))。しかしながら、カルバコールやピロカルピンのような従来のムスカリン受容体作動薬はムスカリン受容体サブタイプに対する選択性が低く、その結果副作用が多く見られたため臨床への応用は限られている。
近年、ムスカリン受容体の分子クローニングおよびノックアウトマウスを使用する特定のサブタイプの生理学的役割の同定によって選択的ムスカリン受容体リガンドが新しい治療薬となりうる可能性が提示され、効果の増強および副作用の減少に必要な選択性プロファイルが研究されてきた。例えば、ザノメリン(xanomeline)はヒト統合失調症の陽性症状、陰性症状、認知障害のすべてに優れた臨床効果を示すことが報告されているが、M1およびM4ノックアウトマウスを用いた研究により、ザノメリンの抗精神病作用は主としてムスカリンM1およびM4受容体作動性を介していることが明らかにされている(European Journal of Pharmacology、603巻、147-149頁(2009年))。
以上の理由から、特に中枢疾患治療剤としてムスカリンM1とM4受容体とに選択的に作動する薬剤の創出が、効果の増強および副作用の低減の観点から期待されている。
特許文献1にはN型カルシウムチャネルの遮断に応答する障害を治療、予防または寛解する化合物、特に疼痛の治療に有用である化合物として下記式で示される化合物が開示されている。しかしながら当該化合物はZがアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基等であり、メチレンリンカーを介した含窒素飽和環基である本発明化合物と構造的に相違する。また、上記化合物は、縮合環部分においても、ピロロ[2,3−b]ピリジン環である本発明化合物と構造的に相違する。
Figure 2014062063
特許文献2には、昆虫、ダニ、線虫、軟体動物などの植物に害を与える害虫を抑制、駆除する化合物として、下記式で示される化合物が開示されている。しかしながら当該文献には、Rが、メチレンリンカーを介した含窒素飽和環基である化合物や、縮合環部分がピロロ[2,3−b]ピリジン環である化合物は、具体的には何ら開示されていない。
Figure 2014062063
特許文献3、4には、ムスカリンM1、M4受容体に基づいて、アルツハイマー病などの治療に有用である下記式で示される化合物が開示されている。しかしながら当該化合物は、縮合環部分において、ピロロ[2,3−b]ピリジン環である本発明化合物と構造的に相違する。
Figure 2014062063
特許文献5には、ムスカリンM1、M4受容体に基づいて、アルツハイマー病などの治療に有用である下記式で示される化合物が開示されている。しかしながら当該化合物は、縮合環部分において、ピロロ[2,3−b]ピリジン環である本発明化合物と構造的に相違する。
Figure 2014062063
特許文献6には、GPCR受容体(G-protein coupled receptor)に基づいて、アテローム性動脈硬化などの治療に有用である下記式で示される化合物が開示されている。しかしながら当該文献には、−E−Rが、メチレンリンカーを介した含窒素飽和環基である化合物や、縮合環部分がピロロ[2,3−b]ピリジン環である化合物は、具体的には何ら開示されていない。
Figure 2014062063
特開2009−507800号公報 国際公開2005/061500号パンフレット 国際公開2006/023852号パンフレット 国際公開2007/076070号パンフレット 国際公開2007/100670号パンフレット 国際公開2005/063745号パンフレット
本発明は、強いムスカリンM1およびM4受容体作動性を有し、M1、M4受容体を介する統合失調症、アルツハイマー病等の中枢疾患に効果を発揮するスピロピペリジン誘導体を提供する。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ピロロ[2,3−b]ピリジン環とピペリジン環のスピロ環を骨格とし、ピペリジン環の1位にメチレンリンカーを介した含窒素飽和環基が結合することを構造上の特徴とする下記一般式(I)で表される化合物が、強いムスカリンM1、M4受容体作動性を発揮する一方でムスカリンM2、M3受容体作動性を低減させ、統合失調症、アルツハイマー病等の中枢疾患の治療に有用であることを見いだし、本発明を完成した。即ち、本発明は以下のとおりである。
[1]下記式(I):
Figure 2014062063
[式中、
はC1−3アルキル基を表し、
Xは酸素原子、NHまたは硫黄原子を表し、
mおよびnは、互いに独立して1、2または3を表し、
はC1−6アルキル基、C3−7シクロアルキル基、置換されていてもよいカルバモイル基、C1−6アルキル−カルボニル基またはC3−7シクロアルキル−カルボニル基を表し、
、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基を表し、
は水素原子、C1−3アルキル基、ハロゲン原子または水酸基を表す。]
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩(以下、これらを化合物(I)ともいう。);
[2]mおよびnが、ともに2である、上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[3]RがC1−6アルキル基、C1−4アルキル−カルボニル基またはモノもしくはジC1−4アルキル−カルバモイル基である、上記[1]または[2]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[4]RがN,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−メチルカルバモイル基またはN−メチル−N−プロピルカルバモイル基である、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[5]Xが酸素原子である、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[6]Rがメチル基またはエチル基である、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[7]R、RおよびRが互いに独立して、水素原子、フッ素原子またはメチル基である、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[8]Rが水素原子、フッ素原子または水酸基である、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[9]メチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[(1’−メチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[(1’−エチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[(1’−プロピル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[(1’−(プロパン−2−イル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[(1’−ブチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−{[1’−(N,N−ジエチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[[1’,2’−ジヒドロ−1’−(1−ピロリジニルカルボニル)スピロ[ピペリジン−4,3’−[3H]ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[(1’−プロパノイル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[(1’−アセチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[(1’−ブタノイル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[(1’−シクロペンチルカルボニル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[(1’−ペンタノイル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[(1’−(2−メチルプロパノイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−[(1’−シクロプロピルカルボニル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−{[1’−(N−エチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−{[1’−(N−プロピルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−{[1’−(N−ブチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−{[1’−(N−フェニルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−{[1’−(N−ベンジルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−{[1’−(N−エチル−N−メチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−{[1’−(N−メチル−N−プロピルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}−4−フルオロピペリジン−1−カルボキシラート;
エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−5’−フルオロ−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;および
エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6’−メチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
からなる群から選択される上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩;[10]上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分とする医薬;
[11]中枢疾患の予防薬および/または治療薬である、上記[10]に記載の医薬;
[12]中枢疾患がアルツハイマー病および統合失調症である、上記[11]に記載の医薬;
[13]上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩および薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
本発明化合物は、強いムスカリンM1、M4受容体作動性を発揮する一方でムスカリンM2、M3受容体作動性が低減する、即ち、ムスカリンM1、M4を強く作動するので、統合失調症、アルツハイマー病等の中枢疾患の治療に非常に有用である。
本明細書における用語を以下に説明する。
受容体サブタイプを特定する接頭辞がない用語“ムスカリン受容体”は、5種の受容体サブタイプM1−M5の1種以上を意味する。
ムスカリン受容体に結合してムスカリン活性を増強する化合物は作動薬またはアゴニストと称される。ムスカリン受容体の活性を減少させる化合物は拮抗薬またはアンタゴニストと称される。
アゴニストはムスカリン受容体と相互作用して該受容体が内因性リガンド結合に応答して細胞内シグナルを伝達する能力を増加させる。アンタゴニストはムスカリン受容体と相互作用し、該受容体上の結合部位(複数可)を内因性リガンド(複数可)または基質(複数可)と競合して、該受容体が内因性リガンド結合に応答して細胞内シグナルを伝達する能力を低下させる。
本明細書中における各用語の定義は以下のとおりである。
なお、本明細書中において、例えば「C1−6」とは、炭素数が1〜6のことであり、「C1−4」とは、炭素数が1〜4であり、「C」とは、炭素数が6であることを意味する。他の数字の場合も同様である。
「C1−6アルキル基」とは、炭素数が1〜6の直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。好ましいC1−6アルキル基としては、C1−4アルキル基が挙げられ、特に好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基である。
「C1−3アルキル基」とは、炭素数が1〜3の直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基が挙げられる。好ましいC1−3アルキル基としては、直鎖状のC1−3アルキル基が挙げられ、特に好ましくは、メチル基、エチル基である。
「C3−7シクロアルキル基」とは、炭素数が3〜7の環状の飽和脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロペンチル基が挙げられる。好ましいC3−7シクロアルキル基としては、C3−5シクロアルキル基が挙げられる。
「C6−10アリール基」とは、炭素数が6〜10の芳香族炭化水素環基を意味し、例えば、フェニル基、1−ナフチル基および2−ナフチル基が挙げられ、特に好ましくは、フェニル基である。
「C7−14アラルキル基」とは、1個以上の前記C6−10アリール基で置換された前記C1−4アルキル基を意味し、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−ナフチルメチル、1−(1−ナフチル)エチル、2−(1−ナフチル)エチル、2−ナフチルメチル、1−(2−ナフチル)エチル、2−(2−ナフチル)エチルなどが挙げられる。好ましいC7−14アラルキル基としては、C7−12アラルキル基が挙げられ、特に好ましくは、ベンジル基である。
「置換されていてもよいカルバモイル基」とは、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基またはアラルキルカルバモイル基を意味する。
「アルキルカルバモイル基」とは、窒素原子が1個または同一もしくは異なる2個の前記C1−6アルキル基で置換されたカルバモイル基(モノもしくはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基)を意味し、窒素原子上の2個のC1−6アルキル基が互いに結合して、隣接する窒素原子とともに3〜7員の飽和脂肪族複素環(例えば、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン)を形成していてもよい。例えば、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−メチルカルバモイル基、N−メチル−N−プロピルカルバモイル基、ピロリジニルカルボニル基などが挙げられる。好ましいアルキルカルバモイル基としては、窒素原子が1個または同一もしくは異なる2個の前記C1−4アルキル基で置換されたカルバモイル基(モノもしくはジ−C1−4アルキル−カルバモイル基)が挙げられ、より好ましくは、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−メチルカルバモイル基、N−メチル−N−プロピルカルバモイル基であり、特に好ましくは、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−メチルカルバモイル基、N−メチル−N−プロピルカルバモイル基である。
「アリールカルバモイル基」とは、窒素原子が1個または同一もしくは異なる2個の前記C6−10アリール基で置換されたカルバモイル基(モノもしくはジ−C6−10アリール−カルバモイル基)を意味する。具体的には、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジフェニルカルバモイル基、N−(1−ナフチル)カルバモイル基などが挙げられる。好ましいアリールカルバモイル基としては、窒素原子が1個または2個のフェニル基で置換されたカルバモイル基(モノもしくはジ−フェニルカルバモイル基)が挙げられ、特に好ましくは、N−フェニルカルバモイル基である。
「アラルキルカルバモイル基」とは、窒素原子が1個または同一もしくは異なる2個の前記C7−14アラルキルで置換されたカルバモイル基(モノもしくはジ−C7−14アラルキル−カルバモイル基)を意味する。具体的にはN−ベンジルカルバモイル基、N,N−ジベンジルカルバモイル基、N−(1−フェニルエチル)カルバモイル基、N−(2−フェニルエチル)カルバモイル基、N−(1−ナフチルメチル)カルバモイル基などが挙げられる。好ましいアラルキルカルバモイル基としては、窒素原子が1個または2個のベンジル基で置換されたカルバモイル基(モノもしくはジ−ベンジルカルバモイル基)が挙げられ、特に好ましくは、N−ベンジルカルバモイル基である。
「C1−6アルキル−カルボニル基」とは、前記C1−6アルキル基で置換されたカルボニル基を意味し、例えば、メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基(プロパノイル基)、n−プロピルカルボニル基(ブタノイル基)、イソプロピルカルボニル基(2−メチルプロパノイル基)、n−ブチルカルボニル基(ペンタノイル基)、sec−ブチルカルボニル基(2−メチルブタノイル基)などが挙げられる。好ましいC1−6アルキル−カルボニル基としては、C1−4アルキル−カルボニル基が挙げられ、特に好ましくは、メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基(プロパノイル基)、n−プロピルカルボニル基(ブタノイル基)である。
「C3−7シクロアルキル−カルボニル基」とは、前記C3−7シクロアルキル基で置換されたカルボニル基を意味し、例えば、シクロプロピルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基およびシクロヘプチルカルボニル基が挙げられる。好ましいC3−7シクロアルキル−カルボニル基としては、C3−5シクロアルキル−カルボニル基が挙げられる。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子であり、特に好ましくはフッ素原子である。
前記一般式(I)で表される本発明の化合物において、好適な置換基は以下のとおりである。
は、好ましくは、直鎖状のC1−3アルキル基であり、より好ましくは、メチル基またはエチル基である。
Xは、好ましくは、酸素原子である。
mおよびnはともに2であることが好ましい。
は、好ましくは、C1−4アルキル基、モノもしくはジ−C1−4アルキル−カルバモイル基、モノもしくはジ−C6−10アリール−カルバモイル基、モノもしくはジ−C7−14アラルキル−カルバモイル基、C1−4アルキル−カルボニル基またはC3−7シクロアルキル−カルボニル基であり、
より好ましくは、C1−4アルキル基、モノもしくはジ−C1−4アルキル−カルバモイル基、モノもしくはジ−C7−14アラルキル−カルバモイル基またはC1−4アルキル−カルボニル基であり、
さらに好ましくは、C1−4アルキル基、モノもしくはジ−C1−4アルキル−カルバモイル基またはC1−4アルキル−カルボニル基であり、
さらにより好ましくは、モノもしくはジ−C1−4アルキル−カルバモイル基(特にジ−C1−4アルキル−カルバモイル基)であり、
特に好ましくは、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−メチルカルバモイル基またはN−メチル−N−プロピルカルバモイル基であり、
最も好ましくは、N,N−ジメチルカルバモイル基である。
、RおよびRは、好ましくは、互いに独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子またはメチル基であり、より好ましくは、互いに独立して水素原子、フッ素原子またはメチル基であり、特に好ましくはR、RおよびRがともに水素原子である。
は、好ましくは、水素原子、フッ素原子、メチル基または水酸基であり、より好ましくは、水素原子、フッ素原子または水酸基であり、さらに好ましくは、水素原子またはフッ素原子であり、特に好ましくは、水素原子である。
一般式(I)で表される本発明の化合物のうち、好適な化合物としては、以下のような化合物またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。
1つの好適な態様として、
が直鎖状のC1−3アルキル基であり、
Xが酸素原子であり、
mおよびnがともに2であり、
がC1−4アルキル基、モノもしくはジ−C1−4アルキル−カルバモイル基またはC1−4アルキル−カルボニル基であり、
、RおよびRが、互いに独立して水素原子、フッ素原子またはメチル基であり、かつ
が水素原子、フッ素原子または水酸基である化合物。
別の好適な態様として、
が直鎖状のC1−3アルキル基であり、
Xが酸素原子であり、
mおよびnがともに2であり、
がモノもしくはジ−C1−4アルキル−カルバモイル基であり、
、RおよびRが、互いに独立して水素原子、フッ素原子またはメチル基であり、かつ
が水素原子またはフッ素原子である化合物。
さらに別の好適な態様として、
がメチル基またはエチル基であり、
Xが酸素原子であり、
mおよびnがともに2であり、
がジ−C1−4アルキル−カルバモイル基であり、
、RおよびRがともに水素原子であり、かつ
が水素原子である化合物。
また別の好適な化合物として、以下の化合物またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。
1)メチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
2)エチル 4−[(1’−メチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
3)エチル 4−[(1’−エチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
4)エチル 4−[(1’−プロピル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
5)エチル 4−[(1’−(プロパン−2−イル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
6)エチル 4−[(1’−ブチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
7)エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
8)エチル 4−{[1’−(N,N−ジエチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
9)エチル 4−[[1’,2’−ジヒドロ−1’−(1−ピロリジニルカルボニル)スピロ[ピペリジン−4,3’−[3H]ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
10)エチル 4−[(1’−プロパノイル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
11)エチル 4−[(1’−アセチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
12)エチル 4−[(1’−ブタノイル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
13)エチル 4−[(1’−シクロペンチルカルボニル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
14)エチル 4−[(1’−ペンタノイル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
15)エチル 4−[(1’−(2−メチルプロパノイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
16)エチル 4−[(1’−シクロプロピルカルボニル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
17)エチル 4−{[1’−(N−エチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
18)エチル 4−{[1’−(N−プロピルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
19)エチル 4−{[1’−(N−ブチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
20)エチル 4−{[1’−(N−フェニルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
21)エチル 4−{[1’−(N−ベンジルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
22)エチル 4−{[1’−(N−エチル−N−メチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
23)エチル 4−{[1’−(N−メチル−N−プロピルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
24)エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート;
25)エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}−4−フルオロピペリジン−1−カルボキシラート;
26)エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−5’−フルオロ−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;または
27)エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6’−メチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート。
「塩」という用語は、アミンなどの塩基性官能基を、適当な酸、たとえば無機酸(例:ハロゲン原子化水素酸、典型的には塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、もしくはヨウ化水素酸、または硫酸、硝酸、リン酸など)や、有機酸(例:酢酸、プロピオン酸、ヒドロ酢酸(hydroacetic acid)、2−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、(Z)−2−ブテン二酸、(E)−ブテン二酸、2−ヒドロキシブタン二酸、2,3−ジヒドロキシブタン二酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、および当業者に知られている他の酸)で処理することによって得ることができる、薬学的に許容できる酸付加塩を意味する。
ムスカリンM1受容体サブタイプに関係する疾患としては、認知障害、アルツハイマー病、健忘、錯乱、記憶喪失、注意欠陥、視覚欠陥、うつ、疼痛、睡眠障害、精神病等の中枢系精神疾患や眼内圧上昇などが挙げられ、本発明化合物はこれらの疾患に対し有効である。
ムスカリンM4受容体サブタイプに関係する疾患としては、錯乱、注意欠陥、疼痛、睡眠障害、統合失調症等の中枢系精神疾患が挙げられ、本発明化合物はこれらの疾患に対し有効である。
本発明の一側面として、本発明の化合物はM1受容体およびM4受容体に作用する抗精神病活性を持つ抗精神病剤である。
本発明化合物の製造方法
次に本発明の化合物の製造法について以下に説明する。一般式(I)で示される本発明の化合物はたとえば以下の製法により製造することができる。
反応式1
Figure 2014062063
[式中の各記号は前述したものと同義である。]
反応式1において、工程1は、化合物(II)を化合物1と反応させて化合物(III)を得る工程である。本工程は、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、ジメチルスルホキシドなどの溶媒中において両原料化合物を混合攪拌することにより実施できる。本工程は0〜100℃において通常0.5〜24時間行われる。
工程2は、工程1で製造される化合物(III)を環化して化合物(IV)を得る工程である。本工程はトリ−tert−ブトキシリチウムアルミニウムヒドリドなどの還元剤の存在下、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサンなどの溶媒中において反応させることにより実施できる。本工程は0℃〜120℃において通常0.5〜24時間行われる。
工程3は、工程2で製造される化合物(IV)のベンジル基を除去して化合物(V)を得る工程である。本工程は水素雰囲気下でパラジウム−炭素などの接触還元触媒の存在下もしくは必要に応じて酢酸などの触媒を添加し、メタノールなどの溶媒中において混合攪拌するか、あるいはギ酸アンモニウムおよびパラジウム−炭素などの接触還元触媒の存在下、メタノールやエタノールなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は0〜100℃において通常0.5〜24時間行われる。
工程4は、工程3で製造される化合物(V)を化合物2と反応させて化合物(VI)を得る工程である。本工程は化合物2と、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムもしくはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下必要に応じて酢酸およびチタニウムテトライソプロポキシドなどの触媒を添加し、ジクロロメタンのなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は0℃〜120℃において通常0.5〜24時間行われる。
工程5は、工程4で製造される化合物(VI)をRに対応する試薬と反応させて化合物(I)を得る工程である。本工程はトリエチルアミンまたは炭酸カリウムなどの塩基の存在下、上記試薬(例えば、ハロゲン化C1−6アルキル、ハロゲン化C3−7シクロアルキル、ハロゲン化C1−6アルキル−カルボニル、ハロゲン化C3−7シクロアルキル−カルボニル、ハロゲン化C1−6アルキル−カルバモイル、ハロゲン化C6−10アリール−カルバモイル、ハロゲン化C7−14アラルキル−カルバモイル、C1−6アルキル−イソシアネート、C6−10アリール−イソシアネート、C7−14アラルキル−イソシアネートなど)を加え、ジクロロメタン、テトラヒドロフランもしくはジメチルホルムアミドなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。もしくはジホスゲンの存在下、ジC1−6アルキルアミンを加え、ジクロロメタンなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は0℃〜120℃において通常0.5〜24時間行われる。
化合物2は下記スキームに従って合成することができる。
反応式2
Figure 2014062063
[式中の各記号は前述したものと同義である。]
反応式2において、工程6は、化合物(VII)を化合物3と反応させて化合物(VIII)を得る工程である。本工程は、化合物(VII)をトリエチルアミンなどの塩基存在下、化合物3を加え、ジクロロメタン、テトラヒドロフランなどの溶媒中で混合攪拌することで実施できる。本工程は0℃〜120℃において通常0.5〜24時間行われる。
工程7は、工程6で製造される化合物(VIII)を酸化して化合物2を得る工程である。本工程は、化合物(VIII)のジクロロメタン−ジメチルスルホキシドの混合溶媒中N−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミド、ジクロロ酢酸を加え混合攪拌することで実施できる。本工程は0℃〜120℃において通常0.5〜24時間行われる。
化合物(I)は、反応式1の化合物(IV)から、以下に示す方法によっても製造することができる。
反応式3
Figure 2014062063
[式中の各記号は前述したものと同義である。]
反応式3において、工程8は、反応式1で製造される化合物(IV)をRに対応する試薬と反応させて化合物(X)を得る工程である。本工程は工程5と同様の方法により実施できる。
工程9は工程8で製造される化合物(X)のベンジル基を除去して化合物(XI)を得る工程である。本工程は工程3と同様の方法により実施できる。
工程10は、工程9で製造される化合物(XI)を化合物4と反応させて化合物(XII)を得る工程である。本工程は工程4と同様の方法により実施できる。
工程11は、工程10で製造される化合物(XII)のBoc基を除去して化合物(XIII)を得る工程である。本工程は塩酸またはトルフルオロ酢酸などの酸の存在下、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は0℃〜120℃において通常0.5〜24時間行われる。
工程12は、工程11で製造される化合物(XIII)を化合物3と反応させて化合物(I)を得る工程である。本工程は工程6と同様の方法により実施できる。
化合物(I)は、反応式3の化合物(XI)から、以下に示す方法によっても製造することができる。
反応式4
Figure 2014062063
[式中の各記号は前述したものと同義である。]
反応式4において、工程13は、反応式3で製造される化合物(XI)を化合物5と反応させて化合物(XIV)を得る工程である。本工程は化合物(XI)と化合物5をジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下、エタノールなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は0℃〜120℃において通常0.5〜24時間行われる。
工程14は、工程13で製造される化合物(XIV)の水酸基をR(R=ハロゲン原子)に変換して化合物(I)を得る工程である。本工程は化合物(XIV)にジメチルアミノスルファートリフルオリドなどのハロゲン化剤を加え、ジクロロメタンなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は0℃〜120℃において通常0.5〜24時間行われる。
化合物5は以下の方法によって製造できる。
反応式5
Figure 2014062063
[式中の各記号は前述したものと同義である。]
反応式5において、工程15は、化合物6のカルボニルをエポキシに変換して化合物5を得る工程である。本工程は、化合物5をヨウ化トリメチルスルホニウム、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、ジメチルスルホキシドなどの溶媒中混合攪拌することにより実施できる。本工程は0℃〜120℃において通常0.5〜24時間行われる。
上記で示す製造方法で得られた化合物(I)は、抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶、再沈殿のような常法に従って単離・精製される。抽出溶媒としては、ジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン等が用いられる。カラムクロマトグラフィーによる精製は、酸性、塩基性もしくは各種化学処理をしたシリカゲルまたはアルミナ等を用いて、展開溶媒には、例えばヘキサン/酢酸エチル、ヘキサン/クロロホルム、酢酸エチル/メタノール、クロロホルム/メタノール、アセトニトリル/水、メタノール/水等を使用することが出来る。
本発明の化合物は、例えば、統合失調症、アルツハイマー病、神経変性疾患、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、フリードライヒ運動失調症、ジル・ド・ラ・トゥーレット症候群、ダウン症候群、ピック病、痴呆、臨床的抑うつ、加齢性認知機能低下、注意欠陥障害、乳児突然死症候群、および緑内障などの中枢疾患の予防および/または治療薬として有用である。
本発明の化合物の投与経路としては、経口投与、非経口投与または直腸内投与のいずれでもよく、その一日投与量は、化合物の種類、投与方法、患者の症状・年齢等により異なるが、例えば、経口投与の場合は、通常、ヒトまたは哺乳動物1kg体重あたり約0.01〜100mg、更に好ましくは、約0.1〜10mgを1〜数回に分けて投与することができる。静注などの非経口投与の場合は、通常、例えば、ヒトまたは哺乳動物1kg体重あたり約1μg〜10mg、更に好ましくは約10μg〜1mgを投与することができる。ここでいう非経口投与には、静脈内、筋肉内、皮下、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、腟内および腹腔内などへの投与を含む。非経口投与の場合や他の抗癌剤と併用される場合は、一般にこれらの投与量より少ない値になる。実際に投与される化合物の量は医師の判断によって随時変更が可能である。
前記医薬製剤の投与期間および間隔は、種々の状況に応じて変更されるものであり、医師の判断により随時判断されるものであるが、分割投与、連日投与、間歇投与、短期大量投与、反復投与などの方法がある。例えば、経口投与の場合は、1日1ないし数回(特に1日2ないし3回)に分割して投与することが望ましい。また、徐放性の製剤として投与することや長時間かけて点滴静注することも可能である。
本発明の化合物は、上記のごとき医薬用途に使用する場合、通常、製剤用担体と混合して調製された製剤の形で投与される。製剤用担体としては、製剤分野において常用され、かつ本発明の化合物と反応しない無毒性の物質が用いられる。具体的には、クエン酸、グルタミン酸、グリシン、乳糖、イノシトール、ブドウ糖、マンニトール、デキストラン、ソルビトール、シクロデキストリン、デンプン、部分アルファー化マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トラガント、ベントナイト、ビーガム、カルボキシビニルポリマー、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ロウ、プロピレングルコール、エタノール、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩酸、水等が挙げられる。
剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、注射剤、坐剤、点眼剤、軟膏剤、塗布剤、貼付剤、吸入剤等が挙げられる。これらの製剤は常法にしたがって調製することができる。液体製剤にあっては、用時、水または他の適当な媒体に溶解または懸濁する形であってもよい。また、錠剤および顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。非経口製剤、例えば、注射剤を製造する際には、水性溶剤(例:蒸留水、生理食塩水、リンゲル液等)、等張化剤(例:ブドウ糖、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウム等)、安定化剤(例:ヒト血清アルブミン等)、防腐剤(例:ベンジルアルコール、クロロブタノール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノール等)、緩衝剤(例:リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液等)、無痛化剤(例:塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン等)を適宜配合することができる。更に、これらの製剤は治療上価値のある他の成分を含有していてもよい。
本発明の医薬製剤は常法に従って製造することができ、製剤中の本発明の化合物の含有割合は通常0.1〜100%(w/w)である。具体例を以下に示す。
(1)錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤:本発明の化合物に、例えば賦形剤、崩壊剤、結合剤または滑沢剤などを添加して圧縮成型し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性を目的とするコーティングを行うことにより製造することができる。
(2)注射剤:本発明の化合物を、例えば分散剤、保存剤、等張化剤などと共に水性注射剤として、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油等の植物油、プロピレングリコール等に溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤として成型することにより製造することができる。
(3)座剤:本発明の化合物を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の組成物とすることにより製造される。このような組成物に用いる油性基剤としては、例えば、高級脂肪酸のグリセリド(例えば、カカオ脂、ウイテプゾル類など)、中級脂肪酸(例えば、ミグリオール類など)、あるいは植物油(例えば、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが挙げられる。水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
これらの製剤における本発明の化合物の配合割合は、製剤の種類により異なるが、通常0.01〜50%配合される。
以下に参考例、実施例および試験例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。化合物の同定は元素分析、水素核磁気共鳴吸収スペクトル(H−NMR)、LC−MS、融点、旋光度等を用いて行った。
水素核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)は、BurkerもしくはJEOL製FT-NMR測定装置を用いて測定した。テトラメチルシランを標準物質としてケミカルシフト値をδ値(ppm)にて記載した。1H-NMRに用いられる略号としては、sは一重線、dは二重線、ddは二重の二重線、tは三重線、m多重線、brは幅広いを意味する。高速液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS)は、Finniganもしくは島津製のLC-MS測定装置を用いて測定した。質量分析は、大気圧化学イオン化法(APLI)もしくはエレクトロスプレーイオン化法(ESI)で行った。
以下において、本明細書の記載を簡略化するために次に示すような略号を使用することもある。
Me: メチル
Et: エチル
nPr:n−プロピル
iPr:イソプロピル
nBu: n−ブチル
Ph:フェニル
Bn:ベンジル
cPen:シクロペンチル
cPr:シクロプロピル
Boc: tert-ブトキシカルボニル
特に断らない限り、原料化合物、反応試薬および溶媒は市販のものを使用した。
参考例1:1−ベンジル−4−(2−クロロピリジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル
Figure 2014062063
2−(2−クロロピリジン−3−イル)アセトニトリル(10.5g,68.9mmol)のジメチルスルホキシド(105mL)溶液に、窒素雰囲気下、室温で60%水素化ナトリウム(5.5g,138mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。攪拌後、反応液に室温でN,N−ビス(2−クロロエチル)ベンゼンメタンアミン(16.0g,68.9mmol)を滴下し、80℃で2時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、残渣をアミノシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=7:3〜1:1)で精製し、目的物(13.0g、61%)を得た。
1H-NMR (CDCl3, δ): 8.41 (dd, 1H), 7.75 (dd, 1H), 7.25-7.34 (m, 6H), 3.62 (s, 2H), 3.05 (d, 2H), 2.61 (dt, 2H), 2.51 (dd, 2H), 2.10 (dt, 2H).
参考例2:1−ベンジル−1’,2’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2.3−b]ピリジン]
Figure 2014062063
1mol/Lリチウムトリtert−ブトキシアルミニウムヒドリドテトラヒドロフラン溶液(72mL,72mmmol)中に参考例1で得た化合物(4.5g,14.4mmol)を加え、加熱還流した。同温で20時間攪拌後、反応液を室温まで冷却し、室温で反応液に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(100mL)をゆっくりと加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後ヘキサン−酢酸エチル(7:3,100mL)より再結晶して、目的物(3.3g,81%)を得た。
1H-NMR (CDCl3, δ): 7.84 (dd, 1H), 7.22-7.36 (m, 6H), 6.54 (dd, 1H), 4.46 (br s,1H), 3.55 (s, 2H), 3.45 (s, 2H), 2.84 (m, 2H), 2.13 (dt, 2H), 1.90 (dt, 2H), 1.72-1.76 (m, 2H).
参考例3:1’,2’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2.3−b]ピリジン]
Figure 2014062063
参考例2で得た化合物(3.0g,10.7mmol)のメタノール溶液(90mL)に、ギ酸アンモニウム(3.4g,53.7mmol)および10%パラジウム−炭素(0.6g)を加え、加熱還流した。同温で3時間攪拌後、反応液をセライトろ過し、ろ液を濃縮した。減圧乾燥し、粗目的物(2.0g)を得た。本化合物はこれ以上精製することなく、次の反応に用いた。
参考例4:エチル 4−(1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イルメチル)ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例3で得た化合物(2.0g,10.7mmol)のジクロロメタン溶液(40mL)に、エチル4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレート(1.9g,10.2mmol)および酢酸(0.92mL,16mmol)を加え、室温で15分攪拌した。次いでナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(3.4g,16mmol)を同温で加え、15時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、残渣をアミノシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜1:9)で精製し、ヘキサン−エーテル(2:1,50mL)より再結晶して、目的物(2.0g,55%)を得た。
1H-NMR (CDCl3, δ): 7.85 (dd, 1H), 7.23 (dd, 1H), 6.54 (dd, 1H), 4.44 (s, 1H), 4.10-4.15 (m, 4H), 3.44 (s, 2H), 2.72-2.81 (m, 4H), 2.20 (d, 2H), 2.06 (dt, 2H), 1.88 (m, 2H), 1.72-1.78 (m, 5H), 1.26 (t, 3H), 1.11 (m, 2H).
参考例5:1−ベンジル−N,N−ジメチルスピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1’(2H)−カルボアミド
Figure 2014062063
参考例2で得た化合物(3.5g,12.5mmol)のトルエン(70mL)溶液に、窒素雰囲気下、室温でN,N−ジメチルカルバモイルクロリド(3.4g,31.3mmol)、続いてトリエチルアミン(3.8g,37.5mmol)を加え、90℃で41時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、残渣をアミノシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=7:3〜1:1)で精製し、目的物(3.67g、84%)を得た。
MS (ESI, positive) m/z 351 [(M+H)+]
1H-NMR (400Mz, CDCl3, δ): 8.05 (m, 1H), 7.26-7.34 (m, 6H), 6.75 (m, 1H), 3.78 (s, 2H), 3.56 (s, 2H), 3.03 (s, 6H), 2.87 (m, 2H), 2.18 (m, 2H), 1.93 (m, 2H), 1.73 (m, 2H).
参考例6:N,N−ジメチルスピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1’(2H)−カルボアミド
Figure 2014062063
参考例5で得た化合物(3.67g,10.5mmol)のメタノール溶液(110mL)に、ギ酸アンモニウム(3.3g,52.5mmol)および10%パラジウム−炭素(0.73g)を加え、加熱還流した。同温で1時間攪拌後、反応液をセライトろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をアミノシリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:0〜95:5)で精製し、目的物(2.53g、93%)を得た。
MS (ESI, positive) m/z 261 [(M+H)+]
1H-NMR (400Mz, CDCl3, δ): 8.06 (dd, 1H), 7.37 (dd, 1H), 6.77 (dd, 1H), 3.84 (s,2H), 3.08 (m, 2H), 3.04 (s, 6H), 2.81 (ddd, 2H), 1.69-1.84 (m, 5H).
参考例7:tert−ブチル 4−((1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 2014062063
参考例6で得た化合物(0.92g,3.52mmol)のジクロロメタン溶液(18.4mL)に、tert−ブチル4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレート(0.75g,3.52mmol)および酢酸(0.3mL,5.28mmol)を加え、室温で15分攪拌した。次いでナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.11g,5.28mmol)を同温で加え、4時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、残渣をアミノシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=7:3〜1:1)で精製し、目的物(1.42g,88%)を得た。
MS (ESI, positive) m/z 458 [(M+H)+]
1H-NMR (400Mz, CDCl3, δ): 8.06 (dd, 1H), 7.36 (dd, 1H), 6.76 (dd, 1H), 4.10 (s,2H), 3.78 (s, 2H), 3.04 (s, 6H), 2.81 (m, 2H), 2.70 (m, 2H), 2.21 (d, 2H), 2.11(ddd, 2H), 1.90 (ddd, 2H), 1.62-1.76 (m, 5H), 1.46 (s, 9H), 1.09 (m, 2H).
参考例8:N,N−ジメチル−1−(ピペリジン−4−イルメチル)スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1’(2’H)−カルボアミド
Figure 2014062063
参考例7で得た化合物(1.4g,3.06mmol)に、10%塩化水素−メタノール溶液(14mL)および4mol/L塩化水素−ジオキサン溶液(14mL)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化ナトリウムで塩析してクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して、目的物(1.09g,100%)を得た。
MS (ESI, positive) m/z 358 [(M+H)+]
1H-NMR (400Mz, CDCl3, δ): 8.06 (dd, 1H), 7.36 (dd, 1H), 6.76 (dd, 1H), 3.78 (s,2H), 3.14 (m, 2H), 3.04 (s, 6H), 2.81 (m, 2H), 2.63 (ddd, 2H), 2.07-2.22 (m, 5H), 1.63-1.94 (m, 7H), 1.16 (m, 2H).
参考例9:エチル 4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 2014062063
ピペリジン−4−イルメタノール(20g,1.0当量)をジクロロメタン(500mL)に溶かし氷冷したのちに、トリエチルアミン(17.6g,1.0当量)、クロロ炭酸エチル(19.8g,1.05当量)を加え、室温で30分攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を0.1mol/L塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物(5g,1当量)を、ジメチルスルホキシド:ジクロロメタン=1:4の溶液(50mL)に溶かし、N−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(20.4g,4当量)、ジクロロ酢酸を加え、室温で10分攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄したのちに減圧濃縮し、残渣をアミノシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=7:3〜1:1)で精製し、目的物(2.6g,52%)を得た。
1H-NMR (400Mz, CDCl3, δ): 9.67(s, 1H), 4.14(m, 4H), 3.02(m, 2H), 2.44(m, 1H), 1.90(m, 2H), 1.63(m, 3H), 1.26(t, 3H).
参考例10:エチル 1−オキサ−6アザスピロ[2.5]オクタン−6−カルボキシレート
Figure 2014062063
ジメチルスルホキシド(20mL)に、水素化ナトリウム(232mg,1.0当量)を加え、30分攪拌した。反応溶液に、ヨウ化トリメチルスルホニウム(1.28g,1.0当量)を加え、2時間攪拌した。ジメチルスルホキシド(5mL)に溶かしたエトキシカルボニルピペリドン(1g,1.0当量)を加え、55℃で2時間攪拌した。反応溶液を氷例し、氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。この化合物は精製せず実施例24の化合物を得る反応に用いた。
実施例1:メチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例8で得られた化合物(100mg,0.28mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、室温でトリエチルアミン(43μl,0.308mmol)およびクロロギ酸メチル(24μl,0.308mmol)を加え、15時間撹拌した。反応溶液をそのままアミノシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜3:7)で精製し、目的物(117mg,100%)を得た。
MS (ESI, positive) m/z 416 [(M+H)+]
1H-NMR (400Mz, CDCl3, δ): 8.06 (dd, 1H), 7.37 (dd, 1H), 6.76 (dd, 1H), 4.13 (brs, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.04 (s, 6H), 2.78 (m, 4H), 2.21 (d, 2H), 2.11 (m, 2H), 1.90 (ddd, 2H), 1.66-1.79 (m, 3H), 1.11 (m, 2H).
実施例2:エチル 4−[(1’−メチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物(70mg)のジメチルホルムアミド(1mL)溶液に水素化ナトリウム(11mg,1.5当量)を加え、20分撹拌した。反応溶液にヨウ化メチル(17μL,1.5当量)を加え、終夜撹拌した。反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製後、標記化合物(11mg)を得た。
MS (ESI, positive) m/z 373 [(M+H)+]
1H-NMR(CDCl3, δ): 7.86(d, 1H), 7.09(d, 1H), 6.38(m, 1H), 4.34(m, 1H), 4.08(m, 4H), 3.63(s, 2H), 2.88(s, 3H), 2.78-2.65(m, 4H), 2.14(d, 2H), 2.03(m, 2H), 1.83-1.67 (m, 9H), 1.12(t, 3H), 1.03(m, 2H)
実施例3:エチル 4−[(1’−エチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、ヨウ化メチルに代えてヨウ化エチルを用いたこと以外は実施例2と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 387[(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 7.87(m, 1H), 7.15(m, 1H), 6.44(m, 1H), 4.14(m, 4H), 3.47(m, 2H), 2.78 (m, 4H), 2.21(m, 2H), 2.081(m, 2H), 1.87-1.61(m, 18H), 1.28(m, 3H), 1.20-1.10(m, 9H)
実施例4:エチル 4−[(1’−プロピル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、ヨウ化メチルに代えてヨウ化プロピルを用いたこと以外は実施例2と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 401[(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 7.80(d, 1H), 7.07(d, 1H), 6.33(m, 1H), 4.03(m, 4H), 3.25(s, 3H), 2.78-2.60 (m, 4H), 2.12(d, 2H), 2.01(m, 2H), 1.85-1.51(m, 13H), 1.19(m, 6H), 1.03(m, 2H), 0.88(m, 4H)
実施例5:エチル 4−[(1’−(プロパン−2−イル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、ヨウ化メチルに代えてヨウ化イソプロピルを用いたこと以外は実施例2と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 401[(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 7.87(d, 1H), 7.11(d, 1H), 6.40(m, 1H), 4.43(m, 1H), 4.14(m, 4H), 3.28(s, 2H), 2.76-2.60 (m, 4H), 2.21(d, 2H), 2.07(m, 2H), 1.86-1.64(m, 8H),1.28-1.13(m, 12H)
実施例6:エチル 4−[(1’−ブチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、ヨウ化メチルに代えてヨウ化ブチルを用いたこと以外は実施例2と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 415[(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 7.85(d, 1H), 7.12(d, 1H), 6.41(m, 1H), 4.16(m, 7H), 3.35(m, 4H), 2.78-2.60 (m, 7H), 2.21(m, 2H), 2.10-1.59 (m, 2H), 1.85-1.51(m, 19H), 1.26(m, 2H), 1.23(m, 6H), 0.98(m, 4H), 0.89(m, 5H)
実施例7:エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物(50mg)をジクロロメタン(500μL)に溶かし、氷冷した。ジホスゲンを滴下し、室温で3時間撹拌した。再度氷冷し、ジメチルアミンのTHF溶液を加えて終夜撹拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製後、標記化合物(44mg)を得た。
MS (ESI, positive) m/z 430 [(M+H)+]
1H-NMR(CDCl3, δ): 7.99(d, 1H), 7.30(d, 1H), 6.68(m, 1H), 4.07(m, 4H), 3.71(s, 2H), 2.97(s, 6H), 2.68(m, 4H), 2.14(s, 2H), 2.07(t, 2H), 1.83(m, 2H), 1.71-1.59(m 9H), 1.19(t, 3H), 1.03(m, 2H)
実施例8:エチル 4−{[1’−(N,N−ジエチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、ジメチルアミンに代えてジエチルアミンを用いたこと以外は実施例7と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 458 [(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 8.03(d, 1H), 7.34(d, 1H), 6.74(m, 1H), 4.16(m, 4H), 3.77(s, 2H), 3.47(m, 4H), 2.75(m, 4H), 2.19(d, 2H), 2.11(t, 2H), 1.87(m, 2H), 1.78-1.61(m, 10H), 1.26(m, 13H)
実施例9:エチル 4−[[1’,2’−ジヒドロ−1’−(1−ピロリジニルカルボニル)スピロ[ピペリジン−4,3’−[3H]ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、ジメチルアミンに代えてピロリジンを用いたこと以外は実施例7と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 456 [(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 8.05(m、1H), 7.38(m, 1H), 6.78(m, 1H), 4.16(m, 4H), 3.82(s,2H), 3.61(m, 4H), 2.76(m, 3H), 1.91-1.61(m, 14H), 1.28(t, 3H), 1.16(m, 2H)
実施例10:エチル 4−[(1’−プロパノイル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物(100mg)をジクロロメタン(1mL)に溶かし、氷冷した。トリエチルアミン、プロピオン酸クロリドを滴下し、室温で5時間撹拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製後、標記化合物(137mg)を得た。
MS (ESI, positive) m/z 415 [(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 8.12(d, 1H), 7.44(d, 1H), 6.89(m, 1H), 4.13(m, 4H), 3.90(s, 2H), 3.13(m, 2H), 2.79-2.72(m, 4H), 2.18(m, 2H), 2.08(m, 2H), 1.87(m, 2H), 1.73(m, 2H), 1.62(m, 5H), 1.23(m, 6H), 1.10(m, 2H)
実施例11:エチル 4−[(1’−アセチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、プロピオン酸クロリドに代えてアセチルクロリドを用いたこと以外は実施例10と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 401 [(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 8.15(d, 1H), 7.74(d, 1H), 7.04(m, 1H), 4.04(m, 4H), 3.82(s, 2H), 2.88-2.85(m, 4H), 2.51(s, 3H), 2.25(d, 2H), 2.12(m, 2H), 1.87-1.59(m, 7H), 1.19(t, 3H), 0.99(m, 2H)
実施例12:エチル 4−[(1’−ブタノイル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、プロピオン酸クロリドに代えてブタン酸クロリドを用いたこと以外は実施例10と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 429 [(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 8.15(d, 1H), 7.47(d, 1H), 6.91(m, 1H), 4.34(m, 1H), 4.16(m, 5H), 3.92(s, 2H), 3.12(m, 2H), 2.84-2.75(m, 4H), 2.20(m, 2H), 2.13-1.61(m, 15H),1.28(t, 4H), 1.13-0.88(m, 6H)
実施例13:エチル 4−[(1’−シクロペンチルカルボニル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、プロピオン酸クロリドに代えてシクロペンチルカルボニルクロリドを用いたこと以外は実施例10と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 455 [(M+H)+]
1H-NMR(CDCl3, δ): 8.14(d, 1H), 7.45(d, 1H), 6.90(m, 1H), 4.34(m, 1H), 4.16(m, 4H), 3.92(s, 2H), 3.47(m, 4H), 2.83-2.75(m, 4H), 2.20(d, 2H), 2.12-1.57(m, 28H), 1.28(t, 3H), 1.12(m, 2H)
実施例14:エチル 4−[(1’−ペンタノイル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、プロピオン酸クロリドに代えてペンタン酸クロリドを用いたこと以外は実施例10と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 443 [(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 8.15(m, 1H), 7.45(d, 1H), 6.91(m, 1H), 4.16(m, 4H), 3.92(s, 2H), 3.13(m, 2H), 2.84-2.75(m, 4H), 2.20(d, 2H), 2.12 (m, 2H), 1.92-1.41(m, 15H), 1.47(m, 2H), 1.26(t, 3H), 1.12(m, 2H), 0.96(t, 3H)
実施例15:エチル 4−[(1’−(2−メチルプロパノイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、プロピオン酸クロリドに代えて2−メチルプロピオン酸クロリドを用いたこと以外は実施例10と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 429 [(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 8.12(m, 1H), 7.43d, 1H), 6.88(m, 1H), 4.27-4.12(m, 5H), 3.88(s, 2H), 2.81-2.72(m, 4H), 2.19(d, 2H), 2.10 (m, 3H), 1.90(m, 2H), 1.74-1.57(m, 6H), 1.19(m, 10H), 0.85(m, 2H)
実施例16:エチル 4−[(1’−シクロプロピルカルボニル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、プロピオン酸クロリドに代えてシクロプロピルカルボニルクロリドを用いたこと以外は実施例10と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 427 [(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 8.14(m, 1H), 7.48(d, 1H), 6.93(m, 1H), 4.16(m, 5H), 3.93(s, 2H), 3.81(m, 1H), 2.84-2.72(m, 4H), 2.22(d, 2H), 2.12 (m, 3H), 1.92(m, 2H), 1.78-1.57(m, 11H), 1.28(m, 5H), 1.17(m, 4H), 0.97(m, 2H)
実施例17:エチル 4−{[1’−(N−エチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物(60mg)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶かし、氷冷した。トリエチルアミン、イソシアン酸エチルを滴下し加熱還流した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製後、標記化合物(40mg)を得た。
MS (ESI, positive) m/z 430 [(M+H)+]
1H-NMR(CDCl3, δ): 9.05(t, 1H), 8.00(m, 1H), 7.41(d, 1H), 6.82(m, 1H), 4.16(m, 4H), 3.92(s, 2H), 3.45(s, 2H), 2.83-2.75(m, 4H), 2.22(d, 2H), 2.10 (m, 3H), 1.74-1.67(m, 10H), 1.28-1.14(m, 9H)
実施例18:エチル 4−{[1’−(N−プロピルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、イソシアン酸エチルに代えてイソシアン酸プロピルを用いたこと以外は実施例17と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 444 [(M+H)+]
1H-NMR (DMSO-d6 δ): 9.11(m, 1H), 8.00(m, 1H), 7.27(d, 1H), 6.80(m, 1H), 4.14(m,5H), 3.92(s, 2H), 3.36(m, 2H), 2.80(m, 4H), 2.20-2.10(m, 4H), 1.88-1.60 (m, 5H), 1.28(m, 4H), 1.12(m, 2H), 0.99(m, 4H)
実施例19:エチル 4−{[1’−(N−ブチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、イソシアン酸エチルに代えてイソシアン酸ブチルを用いたこと以外は実施例17と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 456 [(M+H)+]
1H-NMR (DMSO-d6 δ): 8.98(m, 1H), 8.04(m, 1H), 7.69(d, 1H), 6.90(m, 1H), 4.04(m,5H), 3.77(s, 2H), 3.29-2.22 (m, 8H), 2.96(m, 2H), 2.79 (m, 4H), 2.50(m, 4H), 2.17(m, 2H), 2.01(m, 2H), 1.81-1.17(m, 20H), 0.98-0.84(m, 8H)
実施例20:エチル 4−{[1’−(N−フェニルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、イソシアン酸エチルに代えてイソシアン酸フェニルを用いたこと以外は実施例17と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 478 [(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 11.45(s, 1H), 8.10(m, 1H), 7.63(m, 2H), 7.47(d, 1H), 7.35(m,2H), 6.88(m, 1H), 6.87(m, 1H), 4.16-4.10(m, 7H), 2.86-2.72(m, 4H), 2.23(d, 2H),2.12 (m, 3H), 1.95-1.68(m, 10H), 1.26(t, 3H), 1.12(m, 2H)
実施例21:エチル 4−{[1’−(N−ベンジルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例4で得られた化合物を、イソシアン酸エチルに代えてイソシアン酸ベンジルを用いたこと以外は実施例17と同様に反応処理し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 492 [(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 9.55(m, 1H), 7.97(d, 1H), 7.42-7.27(m, 6H), 6.81(m, 1H), 4.63(d, 2H), 4.16(m, 4H), 3.96(s, 2H), 2.84-2.75(m, 4H), 2.22(d, 2H), 2.12(t, 2H),1.88(m, 2H), 1.78-1.65(m, 15H), 1.26(t, 3H), 1.12(m, 2H)
実施例22:エチル 4−{[1’−(N−エチル−N−メチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
実施例17で得られた化合物を用い、実施例2と同様の方法を用いてメチル化することにより、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 458 [(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 8.04(m, 1H), 7.36(m, 1H), 6.76(d, 1H), 4.14(m, 5H), 3.77(s, 2H), 3.40(m, 2H), 3.01(s, 3H), 2.82(m, 4H), 2.21 (m, 2H), 2.20-2.09(m, 4H), 1.90(m, 2H), 1.72-1.65(m, 11H), 1.28(m, 5H) , 1.12(m, 2H), 0.99(m, 3H)
実施例23:エチル 4−{[1’−(N−メチル−N−プロピルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
実施例18で得られた化合物を用い、実施例2と同様の方法を用いてメチル化することにより、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 444 [(M+H)+]
1H-NMR (CDCl3, δ): 8.04(m, 1H), 7.37(m, 1H), 6.77(d, 1H), 4.16(m, 4H), 3.78(s, 2H), 3.47(m, 2H), 3.01(s, 3H), 2.78(m, 4H), 2.22-2.12 (m, 4H), 1.90-1.72 (m, 16H), 1.28-1.10(m, 8H)
実施例24:エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
参考例6で得られた化合物(50mg)と、参考例10で得られた化合物(37mg)をエタノール(1mL)に溶かし、ジイソプロピルエチルアミン(25μL)を滴下し加熱還流した。反応溶液を減圧濃縮した後、得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製後、標記化合物(70mg)を得た。
MS (ESI, positive) m/z 446 [(M+H)+]
1H-NMR(CDCl3, δ): 8.08(m, 1H), 7.38(m, 1H), 6.78(m, 1H), 4.17(m, 2H), 3.93(br, 2H), 3.79(s, 2H), 3.25(t, 2H), 3.04(s, 6H), 2.87(m, 2H), 2.57(t, 2H), 2.37(s, 2H), 1.91(m, 2H), 1.69-1.57(m, 5H), 1.48-1.26(m, 4H), 1.28(t, 3H)
実施例25:エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}−4−フルオロピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
実施例24で得られた化合物(67mg,1当量)をジクロロメタンに溶解させ、氷冷下ジエチルアミノスルファートリフルオリド(48mg,2当量)を加え、1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を、HPLC(水−アセトニトリル:30:70〜0:100)で精製し、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 448 [(M+H)+]
1H-NMR(CDCl3, δ): 8.06(m, 1H), 7.38(m, 1H), 6.78(m, 1H), 4.17(dd, 2H), 3.98(br,2H), 3.78(s, 2H), 3.15(t, 2H), 3.04(s, 6H), 2.86(m, 2H), 2.34(t, 2H), 1.91(m, 4H), 1.70-1.51(m, 8H), 1.29(t, 3H)
実施例26:エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−5’−フルオロ−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
原料として2−(2−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イル)アセトニトリルを用い、参考例1〜4および実施例2と同様の反応を行い、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 448 [(M+H)+]
1H-NMR(CDCl3, δ): 7.89(m, 1H), 7.15(m, 1H), 4.16(m, 4H), 3.81(s, 2H), 3.02(s, 6H), 2.78(m, 4H), 2.21-2.14(m, 4H), 1.89(t, 2H), 1.75(m, 6H), 1.28(t, 3H), 1.12(m, 2H)
実施例27:エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6’−メチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014062063
原料として2−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)アセトニトリルを用い、参考例1〜4および実施例2と同様の反応を行い、標記化合物を得た。
MS (ESI, positive) m/z 444[(M+H)+]
1H-NMR(CDCl3, δ): 7.24(m, 1H), 6.62(d, 1H), 4.15(m, 4H), 3.76(s, 2H), 3.04(s, 6H), 2.77(m, 4H), 2.41(s, 2H), 2.21(m, 2H), 2.11(m, 2H), 1.87(m, 2H), 1.78-1.65(m, 9H), 1.28(t, 3H), 1.12(m, 2H)
化合物(I)がラセミ体である場合は、光学活性カラムを用いるクロマトグラフィー、光学活性な酸並びに合成キラル分割剤などによる光学分割方法、優先晶出法、ジアステレオマー法等の常法に従って、それぞれのエナンチオマーへと分離・精製することができる。
化合物(I)は、構造式中に存在する官能基の種類、原料化合物の選定、反応処理条件により、遊離塩基または酸付加塩の形で得られるが、常法に従って化合物(I)に変換することができる。一方、化合物(I)は、常法に従って各種の酸と処理することにより酸付加塩に導くことができる。
化合物(I)の各エナンチオマーへの分離は、例えば光学活性酸を用い常法に従ってジアステレオマー塩を形成させた後、2種のジアステレオマー塩に分離し、次いでこれを遊離塩基に変換させることにより行われる。光学分割剤として用いられる光学活性酸としては、例えば(+)−または(−)−ショウノウ酸、(1S)−(+)−または(1R)−(−)−ショウノウ−10−スルホン酸、L−(+)−またはD−(−)−酒石酸、(+)−または(−)−マンデル酸、(S)−(−)−または(R)−(+)−リンゴ酸、L−ピログルタミン酸、(S)−(+)−または(R)−(−)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイル、(+)−ジベンゾイル−D−酒石酸または(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸等が挙げられる。
本発明の化合物の医薬としての有用性は、抗精神病作用を確認できる薬理試験、体内動態を確認できる薬物動態試験等により証明される。例えば下記の実験例がある。
実験例1: ヒト型ムスカリンM1〜M5のin vitro作動性試験
各受容体に対する作動性は、各受容体安定発現細胞における細胞内カルシウム濃度の変化を、蛍光強度を指標として評価した。ヒトm1受容体発現プラスミド(pcDNA3.1_hM1)あるいはヒトm3受容体発現プラスミド(pcDNA3.1_hM3)をCHO−K1細胞に導入し、限界希釈法にてGeneticin耐性の安定発現株を取得した。ヒトm2受容体発現プラスミド(pcDNA3.1_hM2)、ヒトm4受容体発現プラスミド(pcDNA3.1_hM4)およびヒトm5受容体発現プラスミド(pcDNA3.1_hM5)は、それぞれGα16遺伝子をコードするcDNAと共にCHO−K1細胞に導入し、選択薬剤ZeocinおよびHygroGold耐性の安定発現株を取得した。ヒトm1およびヒトm3受容体安定発現細胞は4×10cells/100μL/wellの割合で、ヒトm2、ヒトm4およびヒトm5受容体安定発現細胞は2×10cells/100μL/wellの割合で96−well plateに播き込み、COインキュベーターにて一晩培養した。各受容体安定発現細胞が100%コンフルエントになればFLIPR Calcium 4 assay kit(Molecular Devices社)を用い、FLIPRTETRA(登録商標)(Molecular Devices社)にて、被検化合物添加により一過性に上昇した蛍光強度(RFU(max−min))を測定した。コントロール薬剤アセチルコリンによる蛍光強度を100%としたとき、各被検化合物の蛍光強度の相対値を求め、これをアゴニスト活性(%)とした。
この実験方法を用いて、実施例化合物のM1〜M4に対するアゴニスト活性(%)を測定した。結果を表1〜3に示す。
Figure 2014062063
Figure 2014062063
Figure 2014062063
実施例化合物を用いて以下の動物実験を行った。
実験例2: マウス抗アポモルフィン誘発クライミング作用評価
マウスをクライミングケージ(ステンレス製、直径11.8cm×高さ13.5cmの円柱形)に入れ、アポモルフィン(1mg/kg)を皮下投与すると、ケージを登る行動(クライミング)を示すことから、本行動は統合失調症の陽性症状の病態の一部を反映すると考えられている。本モデルに対して本発明化合物を投与した際のアポモルフィンの作用を拮抗する程度によって抗精神病作用を評価することができる。5週齢の雄性ddYマウスを30分間クライミングケージ内で馴化させた後、本発明化合物を皮下、腹腔内または経口投与し、20分後(経口投与の場合は50分後)にアポモルフィンを投与する。アポモルフィン投与後10分後から30分後までの行動を観察し、クライミングの程度をスコア化して評価する。アポモルフィン単独投与群のスコアを基準とし、抑制率(%)を0〜100の数値で表すことによって統計学的に処理することができる。結果を表4に示す。
Figure 2014062063
実験例3: ラット抗メタンフェタミン誘発運動量亢進作用評価
ラットにメタンフェタミン(1mg/kg)を腹腔内投与すると直後から1時間程度運動量が亢進することから、このような行動は統合失調症の陽性症状の病態の一部を反映すると考えられている。本モデルに対して本発明化合物を投与した際の、メタンフェタミンの作用を拮抗する程度によって抗精神病作用を評価することができる。7週齢の雄性Sprague−Dawleyラットに対して、本発明化合物を皮下、腹腔内または経口投与し、30分後(経口投与の場合は60分後)にメタンフェタミンを投与する。同時にラットをテストケージ(無色透明プラスチック製)に移し、10分後から80分間の運動量を測定する。測定にはSuperMex(室町機械株式会社)を用いる。80分間の総運動量はメタンフェタミン単独投与群の運動量を基準とし、抑制率(%)を0〜100の数値で表すことによって統計学的に処理することができる。なお、この実験は経口投与で行った。抑制率を基に本願化合物の効果をED50値で表した結果を表5に示す。
Figure 2014062063
本発明の化合物は、強いムスカリンM1、M4受容体作動性を発揮する一方でムスカリンM2、M3受容体作動性が低減する、即ち、ムスカリンM1、M4に対して強い作動性を有するので、統合失調症、アルツハイマー病の中枢疾患の治療への適用が可能である。

Claims (13)

  1. 下記式(I):
    Figure 2014062063

    [式中、
    はC1−3アルキル基を表し、
    Xは酸素原子、NHまたは硫黄原子を表し、
    mおよびnは、互いに独立して1、2または3を表し、
    はC1−6アルキル基、C3−7シクロアルキル基、置換されていてもよいカルバモイル基、C1−6アルキル−カルボニル基またはC3−7シクロアルキル−カルボニル基を表し、
    、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基を表し、
    は水素原子、C1−3アルキル基、ハロゲン原子または水酸基を表す。]
    で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
  2. mおよびnが、ともに2である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  3. がC1−6アルキル基、C1−4アルキル−カルボニル基またはモノもしくはジC1−4アルキル−カルバモイル基である、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  4. がN,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−メチルカルバモイル基またはN−メチル−N−プロピルカルバモイル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  5. Xが酸素原子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  6. がメチル基またはエチル基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  7. 、RおよびRが互いに独立して、水素原子、フッ素原子またはメチル基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  8. が水素原子、フッ素原子または水酸基である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  9. メチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[(1’−メチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[(1’−エチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[(1’−プロピル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[(1’−(プロパン−2−イル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[(1’−ブチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−{[1’−(N,N−ジエチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[[1’,2’−ジヒドロ−1’−(1−ピロリジニルカルボニル)スピロ[ピペリジン−4,3’−[3H]ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[(1’−プロパノイル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[(1’−アセチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[(1’−ブタノイル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[(1’−シクロペンチルカルボニル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[(1’−ペンタノイル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[(1’−(2−メチルプロパノイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−[(1’−シクロプロピルカルボニル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−{[1’−(N−エチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−{[1’−(N−プロピルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−{[1’−(N−ブチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−{[1’−(N−フェニルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−{[1’−(N−ベンジルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−{[1’−(N−エチル−N−メチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−{[1’−(N−メチル−N−プロピルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}−4−フルオロピペリジン−1−カルボキシラート;
    エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−5’−フルオロ−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート;および
    エチル 4−{[1’−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6’−メチル−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分とする医薬。
  11. 中枢疾患の予防薬および/または治療薬である、請求項10に記載の医薬。
  12. 中枢疾患がアルツハイマー病および統合失調症である、請求項11に記載の医薬。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩および薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
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