JP2014076958A - スルホンアミド誘導体 - Google Patents

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孝明 住吉
Atsushi Suwa
篤志 諏訪
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義治 宇留野
健太郎 ▲高▼井
Kentaro Takai
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Abstract

【課題】統合失調症、ジスキネジア等の中枢疾患の治療に有用な化合物の提供。
【解決手段】式(I):
Figure 2014076958

[式中、Rは置換されていてもよいC1−3アルキル基等であり、R、RおよびRは互いに独立して水素原子、置換されていてもよいC1−3アルキル基、ハロゲン原子等であり、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基等であり、Rは置換されていてもよいC1−3アルキル基等である。]
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ムスカリンM4受容体を選択的に作動する新規なスルホンアミド誘導体およびそれらを有効成分とする医薬組成物に関する。
神経伝達物質アセチルコリン受容体はニコチン受容体およびムスカリン受容体の2タイプのコリン作動性受容体が知られている。ムスカリン受容体は細胞膜結合Gタンパク質共役受容体(GPCR)であり、現在5個のサブタイプ(M1−M5)が知られている。これらM1−M5ムスカリン受容体は中枢および末梢組織に興奮性および抑制性制御を及ぼし、心拍、覚醒、認知、および運動制御などを含む多くの生理的機能に関与する。
ムスカリン受容体作動薬は鎮痛作用、記憶改善作用、抗精神病作用など種々の薬理作用を有しており、それらの治療薬として使用できる可能性がある(非特許文献1)。しかしながら、カルバコールやピロカルピンのような従来のムスカリン受容体作動薬はムスカリン受容体サブタイプに対する選択性が低く、その結果副作用が多く見られたため臨床への応用は限られている。
近年、ムスカリン受容体の分子クローニングおよびノックアウトマウスを使用する特定のサブタイプの生理学的役割の同定によって選択的ムスカリン受容体リガンドが新しい治療薬となりうる可能性が提示され、効果の増強および副作用の減少に必要な選択性プロファイルが研究されてきた。例えば、ザノメリン(xanomeline)はヒト統合失調症の陽性症状、陰性症状、認知障害のすべてに優れた臨床効果を示すことが報告されているが、M1およびM4ノックアウトマウスを用いた研究により、ザノメリンの抗精神病作用は主としてM4受容体作動性を介していることが明らかにされている(非特許文献2)。
また、パーキンソン病治療において、標準治療薬であるL−DOPAは長期使用によりジスキネジアと呼ばれる不随意運動を誘発する。同様に、抗精神病薬の長期使用によって遅発性ジスキネジアと呼ばれる非可逆的な不随意運動を発症する。これらは現在治療法が存在しておらず、自然治癒も望めないことから、ジスキネジアの治療薬の開発が望まれている。
非特許文献3には、L−DOPA誘発ジスキネジアがドパミンD1受容体のノックアウトマウスで消失したことが記載されている。また、非特許文献4にはM4受容体とD1受容体とが線条体直接路において拮抗関係にあることが報告されている。しかし、両文献ともM4受容体アゴニストに関する記載はなく、M4受容体作動薬がL−DOPA誘発ジスキネジアや遅発性ジスキネジアの治療効果を有することは記載も示唆もなされていない。
特許文献1にはN型カルシウムチャネルの遮断に応答する障害を治療、予防または寛解する化合物、特に疼痛の治療に有用である化合物として下記式で示される化合物が開示されている。しかしながら当該化合物はZがアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基等であり、メチレンリンカーを介した含窒素飽和環基である本発明化合物と構造的に相違する。また、上記化合物は、縮合環部分においても、ピロロ[2,3−b]ピリジン環である本発明化合物と構造的に相違する。
Figure 2014076958

特許文献2には、昆虫、ダニ、線虫、軟体動物などの植物に害を与える害虫を抑制、駆除する化合物として、下記式で示される化合物が開示されている。しかしながら当該文献には、Rが、メチレンリンカーを介した含窒素飽和環基である化合物や、縮合環部分がピロロ[2,3−b]ピリジン環である化合物は、具体的には何ら開示されていない。
Figure 2014076958
特許文献3、4には、ムスカリンM1、M4受容体に基づいて、アルツハイマー病などの治療に有用である下記式で示される化合物が開示されている。しかしながら当該化合物は、縮合環部分において、ピロロ[2,3−b]ピリジン環である本発明化合物と構造的に相違する。また、M4受容体のみに選択的に作動する化合物については記載も示唆もなされていない。
Figure 2014076958
特許文献5には、ムスカリンM1、M4受容体に基づいて、アルツハイマー病などの治療に有用である下記式で示される化合物が開示されている。しかしながら当該化合物は、縮合環部分において、ピロロ[2,3−b]ピリジン環である本発明化合物と構造的に相違する。また、M4受容体のみに選択的に作動する化合物については記載も示唆もなされていない。
Figure 2014076958
特許文献6には、GPCR受容体(G-protein coupled receptor)に基づいて、アテローム性動脈硬化などの治療に有用である下記式で示される化合物が開示されている。しかしながら当該文献には、−E−Rが、メチレンリンカーを介した含窒素飽和環基である化合物や、縮合環部分がピロロ[2,3−b]ピリジン環である化合物は、具体的には何ら開示されていない。
Figure 2014076958
特許文献7には、ムスカリンM1、M4受容体に基づいて、統合失調症、アルツハイマー病などの治療に有用である下記式で示される化合物が開示されている。しかしながら当該化合物は、ピリジンと縮合する複素環が6員環であり、5員環のピロリジン環とピリジン環が縮合する本発明化合物と構造的に相違する。また、スルホンアミド構造を有する化合物は開示されておらず、M4受容体に選択的に作動する化合物については記載も示唆もなされていない。
Figure 2014076958
特開2009−507800号公報 国際公開2005/061500号パンフレット 国際公開2006/023852号パンフレット 国際公開2007/076070号パンフレット 国際公開2007/100670号パンフレット 国際公開2005/063745号パンフレット 特開2012−67045号公報
Journal of Medicinal Chemistry、43巻、4333-4353頁(2000年) European Journal of Pharmacology、603巻、147-149頁(2009年) FEBS Journal 275巻、1392-1399頁(2008年) Current Opinion in Neurobiology、21巻、322-327頁(2011年)
本発明は、選択的にムスカリンM4受容体を作動して、統合失調症、アルツハイマー病に伴う精神病様症状、ジスキネジア、L−DOPA誘発ジスキネジア、遅発性ジスキネジア、双極性障害、不眠症、不安、うつ等の中枢疾患に効果を発揮するスルホンアミド誘導体を提供する。また、M4受容体作動薬を用いて、L−DOPA誘発ジスキネジアおよび遅発性ジスキネジアを治療する方法を提供する。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ピロロ[2,3−b]ピリジン環とピペリジン環のスピロ環を骨格とし、ピロリジン窒素原子がスルホニル基と結合することを構造上の特徴とする下記一般式(I)で表される化合物が、強いムスカリンM4受容体作動性を発揮する一方でムスカリンM1、M2、M3およびM5受容体作動性を低減させることから、統合失調症等の中枢疾患の治療に有用であることを見いだした。また、M4受容体がドパミンD1受容体と拮抗関係にあることに着目し、M4受容体選択的アゴニストである、一般式(I)で表される化合物がジスキネジアの治療効果を有することを明らかにして本発明を完成した。即ち、本発明は以下のとおりである。
[1] 下記式(I):
Figure 2014076958
[式中、
は置換されていても良いC1−3アルキル基、置換されていても良いC3−7脂肪族炭素環基、置換されていても良いC6−14アリール基、置換されていても良いアミノ基、置換されていても良い3〜7員の複素環基または置換されていても良い5〜10員のヘテロアリール基を表し、
XおよびYは同一または異なって酸素原子または硫黄原子を表し、
、R、およびRは互いに独立して水素原子、置換されていても良いC1−3アルキル基、置換されていても良いC2−4アルケニル基、置換されていても良いC2−4アルキニル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、ハロゲン原子、または置換されていても良いC1−3アルコキシ基を表し、
は水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基または水酸基を表し、
は置換されていてもよいC1−3アルキル基を表す。]で表される化合物(以下、この化合物を「化合物(I)」または「式(I)の化合物」と称することもある。)またはその薬学的に許容される塩。(以下、これらを総称して「本発明の化合物」と称することもある。);
[2]XおよびYがともに酸素原子である上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[3]Rが水素原子、フッ素原子、またはメチル基である上記[1]または[2]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[4]Rが置換されていても良いC1−3アルキル基である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[5]R、R、およびRが互いに独立して水素原子、メチル基、エチル基、エチニル基、シアノ基、フッ素原子またはメトキシ基である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[6]Rが水素原子またはメチル基である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[7]エチル 4−メチル−4−{[1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレート、
メチル 4−{[1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレート、
エチル 4−{[1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレート、
メチル 4−メチル−4−{[1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレートおよび
メチル 4−メチル−4−{[5’−フルオロ−1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレート
からなる群から選択される上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬;
[9]中枢疾患の治療薬である、上記[8]に記載の医薬;
[10]中枢疾患がアルツハイマー病、躁病、不眠症、双極性障害、統合失調症、ジスキネジア、遅発性ジスキネジアおよびL−DOPA誘発ジスキネジアである、上記[9]に記載の医薬;
[11]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物;
[12]M4受容体作動薬でジスキネジア、遅発性ジスキネジア、L−DOPA誘発ジスキネジアを治療する方法;
[13]M4受容体作動薬が請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩である上記[12]に記載の方法。
本発明の化合物は、強いムスカリンM4受容体作動性を発揮する一方でムスカリンM1、M2、M3およびM5受容体作動性が低減する、即ち、ムスカリンM4に対して高い選択性を有することから、統合失調症、ジスキネジア等の中枢疾患の治療に非常に有用である。
実施例4の化合物のin vitro作動性試験結果である。
本明細書における用語を以下に説明する。
受容体サブタイプを特定する接頭辞がない用語“ムスカリン受容体”は、5種の受容体サブタイプM1−M5の1種以上を意味する。
ムスカリン受容体に結合してムスカリン活性を増強する化合物は作動薬またはアゴニストと称される。ムスカリン受容体の活性を減少させる化合物は拮抗薬またはアンタゴニストと称される。アゴニストはムスカリン受容体と相互作用して該受容体が内因性リガンド結合に応答して細胞内シグナルを伝達する能力を増加させる。アンタゴニストはムスカリン受容体と相互作用し、該受容体上の結合部位(複数可)を内因性リガンド(複数可)または基質(複数可)と競合して、該受容体が内因性リガンド結合に応答して細胞内シグナルを伝達する能力を低下させる。
「選択的」という用語は、特定の受容体タイプ、サブタイプ、クラスまたはサブクラスから所望の応答を引き出すのに十分な量の化合物が、他の受容体タイプの活性にはそれより実質的に小さい効果しかもたらさないかまたは何の効果をもたらさないという化合物の性質と定義される。
本明細書中における各用語の定義は以下のとおりである。
なお、本明細書中において、例えば「C1−3」とは、炭素数が1〜3のことであり、「C1−6」とは、炭素数が1〜6であり、「C」とは、炭素数が6であることを意味する。他の数字の場合も同様である。
「C1−3アルキル基」とは、炭素数が1〜3の直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基が挙げられる。好ましいC1−3アルキル基としては、直鎖状のC1−3アルキル基が挙げられ、特に好ましくは、メチル基、エチル基である。
「置換されていても良いC1−3アルキル基」とは、任意の置換可能な位置でフッ素原子、塩素原子、メトキシ基、水酸基に置換されていても良い前記C1−3アルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2−メトキシエチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2−メトキシエチル基である。
「C1−3アルコキシ基」とは、C1−3アルキル基が結合した−O−を意味する。当該「C1−3アルコキシ基」の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基およびイソプロポキシ基が挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基が挙げられる。
「C3−7脂肪族炭素環基」とは、炭素数が3〜7の飽和炭素環を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブタニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが挙げられる。
「C6−14アリール基」とは、炭素数が6〜14の芳香族炭素環を意味する。当該「C6−14アリール基」は、少なくとも1つのC3−7脂肪族炭素環、3〜7員の複素環または5〜10員のヘテロアレーンと縮合していても良い。当該「C6−14アリール基」の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントイル基、アントリル基、フレオレニル基、テトラヒドロナフチル基、インデニル基およびインダニル基が挙げられ、好ましくはフェニル基およびナフチル基が挙げられる。
「アミノ基」とは、特に断りのない限り1級のアミノ基(−NH)を意味する。
「置換されていても良いアミノ基」とは、置換されていても良いC1−3アルキル基、アセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ホルミル基、t−ブトキシカルボニル基、メタンスルホニル基からなる群より選択される置換基で1または2個置換された2級または3級アミノ基を意味する。当該「置換されていても良いアミノ基」の具体例としては、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アセチルアミノ基、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、ホルミルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、メタンスルホニルアミノ基などが挙げられ、好ましくはメチルアミノ基、ジメチルアミノ基およびアセチルアミノ基が挙げられる。
「3〜7員の複素環基」とは、環構成原子として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む3〜7員の飽和または不飽和の脂肪族環基を意味し、当該「3〜7員の複素環基」は、芳香族π電子系が生じない限り、任意の位置に1個以上の不飽和結合を有していてもよく、また、C3−7脂肪族炭素環、3〜7員の複素環と縮合していてもよい。さらに、環構成メンバーとして、1個以上のカルボニルまたはチオカルボニルを含んでいてもよく、例えば、ラクタム、ラクトン、環式イミド、環式チオイミド、環式カルバメートなどの環状基も当該複素環基に含まれる。当該「3〜7員の複素環基」上の結合位置は、ヘテロ原子上でも炭素原子上でもよい。
当該「3〜7員の複素環基」の具体例としては、例えば、テトラヒドロチオピラニル基、4H−ピラニル基、テトラヒドロピラニル基、ピペリジル基、1−エトキシカルボニルピペリジル基、1,3−ジオキシニル基、1,3−ジオキサニル基、1,4−ジオキシニル基、1,4−ジオキサニル基、1,4−オキサチアニル基、テトラヒドロ−1,4−チアジニル基、2H−1,2−オキサジニル基、マレイミド基、スクシンイミド基、ジオキソピペラジニル基、ヒダントイン基、ジヒドロウラシル基、モルホリノ基、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジニル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロフラニル基、ジヒドロフラニル基、オキセタニル基、ピロリニル基、ピロリジニル基、ピロリドニル基、ピロリジオニル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、1,3−ジオキソリル基、1,3−ジオキソラニル基、1,3−ジチオリル基、1,3−ジチオラニル基、イソオキサゾリニル基、イソオキサゾリジニル基、オキサゾリニル基、オキサゾリジニル基、チアゾリニル基、チアゾリジニル基および1,3−オキサチオラニル基が挙げられる。
「5〜10員のヘテロアリール基」とは、環構成原子として酸素原子、硫黄原子および窒素原子からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む5〜10員の芳香族環基を意味する。当該「5〜10員のヘテロアリール基」の具体例としては、例えば、フリル基、ベンゾフラニル基、チエニル基、ベンゾチオフェニル基、ピロリル基、ピリジル基、インドリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、テトラゾリル基、フラザニル基、1,2,3−オキサジアゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、プリニル基、ピラジニル基、プテリジニル基、フェノキサゾリル基、ベンゾピラゾリル基、キノリジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基およびキノキサリニル基が挙げられる。当該「5〜10員のヘテロアリール基」の中でも、5員および6員のヘテロアリール基が好ましい。当該「5〜10員のヘテロアリール基」は、少なくとも1つのC6−14アレーンまたは3〜7員の複素環と縮合していてもよい。
「C3−7脂肪族炭素環」とは、上記「C3−7脂肪族炭素環基」に対応する環を意味し、具体的にはシクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられ、好ましくはシクロプロピル、シクロペンチルが挙げられる。
「3〜7員の複素環」とは、上記「3〜7員の複素環基」に対応する環を意味し、環構成原子として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む3〜7員の飽和または不飽和の脂肪族環を意味する。当該「3〜7員の複素環」の具体例としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンが挙げられる。
「C6−14アレーン」とは、上記「C6−14アリール基」に対応する環を意味し、具体的には、例えばベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなどが挙げられ、好ましくはベンゼン、ナフタレンが挙げられる。
「5〜10員のヘテロアレーン」とは、上記「5〜10員のヘテロアリール基」に対応する環を意味し、具体的には、例えばフラン、チオフェン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾールなどが挙げられ、好ましくはフラン、ピロール、ピリジン、オキサゾールが挙げられる。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子である。
「C2−4アルケニル基」とは、1個以上の二重結合を有する炭素数が2〜4個の直鎖状または分枝鎖状の不飽和の脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、エテニル基、プロペニル基、クロチル基、ブテニル基、ならびにそれらの構造異性体や幾何異性体が挙げられる。二重結合の位置は炭素鎖上のどの位置であってもよい。中でも、C2−3アルケニル基が好ましい。
「C2−4アルキニル基」とは、1個以上の三重結合を有する炭素数が2〜4個の直鎖状または分枝鎖状の不飽和の脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ならびにそれらの構造異性体が挙げられる。三重結合の位置は炭素鎖上のどの位置であってもよい。中でも、C2−3アルキニル基が好ましい。
置換されていても良いC1−3アルコキシ基、置換されていても良いC3−7脂肪族炭素環基、置換されていても良いC6−14アリール基、置換されていても良い3〜7員の複素環基、置換されていても良い5〜10員のヘテロアリール基、置換されていても良いC2−4アルケニル基、置換されていても良いC2−4アルキニル基の置換基としては、下記の置換基群(α)の群から選択される置換基が挙げられ、これら置換基はそれぞれ置換可能な任意の位置に1個または2個以上置換することができる。
置換基(α):
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、メタンスルホニルアミノ基、アセチル基、プロピオニル基、メトキシカルボニル基、ベンゾイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基、3〜7員の複素環基。
「塩」という用語は、アミンなどの塩基性官能基を、適当な酸、たとえば無機酸(例:ハロゲン原子化水素酸、典型的には塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、もしくはヨウ化水素酸、または硫酸、硝酸、リン酸など)や、有機酸(例:酢酸、プロピオン酸、ヒドロ酢酸(hydroacetic acid)、2−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、(Z)−2−ブテン二酸、(E)−ブテン二酸、2−ヒドロキシブタン二酸、2,3−ジヒドロキシブタン二酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、および当業者に知られている他の酸)で処理することによって得ることができる、薬学的に許容できる酸付加塩を意味する。
本発明の化合物には、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の水和物およびエタノール溶媒和物等の溶媒和物も含まれる。
結晶として得られる式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩には、結晶多形が存在する場合があり、その結晶多形も本発明に包含される。
さらに式(I)の化合物は、その置換基の態様によって、光学異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体等の立体異性体が存在する場合があるが、本発明の式(I)で表される化合物はこれら全ての立体異性体及びそれらの混合物をも包含する。また、化合物を構成する原子を同位体に変換した化合物(例えば、水素を重水素化した化合物や12Cを14Cに変換した化合物)も本発明に包含される。
本発明の化合物を更に具体的に開示するため、式(I)において用いられる各記号につき、その好適な具体例を挙げて詳細に説明する。
は置換されていても良いC1−3アルキル基、置換されていても良いC3−7脂肪族炭素環基、置換されていても良いC6−14アリール基、置換されていても良いアミノ基、置換されていても良い3〜7員の複素環基または置換されていても良い5〜10員のヘテロアリール基であり、好ましくは置換されていても良いC1−3アルキル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基であり、もっとも好ましくはメチル基である。
XおよびYは同一または異なって酸素原子または硫黄原子であり、好ましくはXおよびYがともに酸素原子である。
、R、およびRは互いに独立して水素原子、置換されていても良いC1−3アルキル基、置換されていても良いC2−4アルケニル基、置換されていても良いC2−4アルキニル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、ハロゲン原子、または置換されていても良いC1−3アルコキシ基であり、好ましくは互いに独立して水素原子、メチル基、エチル基、エチニル基、シアノ基、フッ素原子またはメトキシ基であり、さらに好ましくは互いに独立して水素原子またはフッ素原子である。もっとも好ましくは、Rが水素原子またはフッ素原子であり、R、およびRがともに水素原子である。
は水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基または水酸基であり、好ましくは水素原子、フッ素原子またはメチル基であり、さらに好ましくは水素原子またはメチル基である。
は置換されていてもよいC1−3アルキル基であり、好ましくはメチル基またはエチル基である。
本発明の化合物において、好ましい化合物としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
がメチル基であり、
XおよびYがともに酸素原子であり、
が水素原子またはフッ素原子であり、
およびRがともに水素原子であり、
が水素原子またはメチル基であり、
がメチル基またはエチル基である、
化合物またはその薬学的に許容される塩。
ムスカリンM4受容体サブタイプに関係する疾患としては、アルツハイマー病に伴う精神病様症状、ジスキネジア、パーキンソン病、遅発性ジスキネジア、L−DOPA誘発ジスキネジア、双極性障害、錯乱、注意欠陥、疼痛、睡眠障害、統合失調症等の中枢系精神疾患が挙げられ、好ましくは、アルツハイマー病に伴う精神病様症状、ジスキネジア、遅発性ジスキネジア、L−DOPA誘発ジスキネジア、双極性障害、睡眠障害、統合失調症等が挙げられる。本発明の化合物はこれらの疾患に対し有効である。
本発明に記載の医薬とは、中枢疾患の予防および/または治療に有効な医薬である。また、本発明に記載の治療薬とは、中枢疾患の予防および/または治療に有効である。中枢疾患としてはムスカリンM4受容体サブタイプに関係する疾患が挙げられ、具体的には上記の疾患が挙げられる。
本発明の化合物はムスカリンM4受容体に対して高い選択性および作動性を持っている。また、本発明の化合物はM1、M2、M3およびM5受容体サブタイプと比較して、M4受容体サブタイプに選択的に高い作動性を有している。
本発明の一側面として、本発明の化合物はM4選択的作動薬として作用する抗精神病活性を持つ抗精神病剤である。
本発明化合物の製造方法
次に本発明の化合物の製造法について以下に説明する。一般式(I)で示される本発明の化合物はたとえば以下の製法により製造することができる。
反応式1
Figure 2014076958
[式中、Zはハロゲン原子を表し、その他の各記号は前述したものと同義である。]
反応式1において、工程1は、カルボキシル基をヒドロキシメチルへと変換して化合物(III)を得る工程である。本工程は、還元剤存在下、溶媒中で反応させることで実施できる。還元剤としては、ボランテトラヒドロフランコンプレックス、リチウムアルミニウムヒドリド、または水素化ホウ素ナトリウムと硫酸の組合せなどが挙げられる。溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。本工程はは通常0℃から120℃において0.5〜24時間行われる。
工程2は、水酸基をクロロ基に変換して化合物(IV)を得る工程である。本工程は、塩化チオニル等の存在下、ジクロロメタンやトルエンなどの溶媒中において反応させることにより実施できる。本工程は通常0〜100℃において0.5〜24時間行われる。
工程3は、工程2で製造される化合物(IV)の塩素原子をシアノ基へ変換して化合物(V)を得る工程である。本工程は、シアン化カリウムやシアン化ナトリウムの存在下、エタノールや水などの溶媒中において反応させることにより実施できる。本工程は通常0〜120℃において0.5〜24時間行われる。
工程4は、工程3で製造される化合物(V)を化合物1と反応させて化合物(VI)を得る工程である。本工程は、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、ジメチルスルホキシドなどの溶媒中において両原料化合物を混合攪拌することにより実施できる。本工程は通常0〜100℃において0.5〜24時間行われる。
工程5は、工程4で製造される化合物(VI)を環化して化合物(VII)を得る工程である。本工程はトリ−tert−ブトキシリチウムアルミニウムヒドリドなどの還元剤の存在下、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサンなどの溶媒中において反応させることにより実施できる。本工程は通常0℃〜120℃において0.5〜24時間行われる。
工程6は、工程5で製造される化合物(VII)の窒素原子を−SOに対応する試薬と反応させて化合物(VIII)を得る工程である。本工程はトリエチルアミンまたは炭酸カリウムなどの塩基の存在下、上記試薬(例えば、置換されていても良いC1−3アルキルスルホニルクロリドなど)を加え、ジクロロメタン、テトラヒドロフランもしくはジメチルホルムアミドなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は通常0℃〜120℃において0.5〜24時間行われる。
工程7は、工程6で製造される化合物(VIII)のベンジル基を除去して化合物(IX)を得る工程である。本工程は水素雰囲気下でパラジウム−炭素などの接触還元触媒の存在下もしくは必要に応じて酢酸などの触媒を添加し、メタノールなどの溶媒中において混合攪拌するか、あるいはギ酸アンモニウム、およびパラジウム−炭素などの接触還元触媒の存在下、メタノールやエタノールなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は通常0〜100℃において0.5〜24時間行われる。
工程8は、工程7で製造される化合物(IX)を化合物2と反応させて化合物(X)を得る工程である。本工程は化合物2と、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムもしくはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下必要に応じて酢酸やチタニウムテトライソプロポキシドなどの触媒を添加し、ジクロロメタンのなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は通常0℃〜120℃において0.5〜24時間行われる。
工程9と工程10は、工程8で製造される化合物(X)のBoc基を除去し、−C(=X)−Y−Rに対応する試薬と反応させて化合物(I)を得る工程である。Boc基の除去は塩酸やトリフルオロ酢酸などの酸の存在下、ジクロロメタン、テトラヒドロフランもしくはジエチルエーテルなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本反応は通常0℃〜120℃において0.5〜24時間行われる。−C(=X)−Y−Rの導入はトリエチルアミンまたは炭酸カリウムなどの塩基の存在下、置換されていても良いC1−3アルキルオキシカルボニルクロリドなどを加え、ジクロロメタン、テトラヒドロフランもしくはジメチルホルムアミドなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。もしくはジホスゲンの存在下、置換されていても良いC1−3アルキルアルコールを加え、ジクロロメタンなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は通常0℃〜120℃において0.5〜24時間行われる。
化合物(I)は、以下に示す方法によっても製造することができる。
反応式2
Figure 2014076958
[式中の各記号は前述したものと同義である。]
反応式2において、工程11は化合物(XII)を化合物3と反応させて化合物(I)を得る工程である。本工程は、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムもしくはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下必要に応じて酢酸やチタニウムテトライソプロポキシドなどの触媒を添加し、ジクロロメタンのなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は通常0℃〜120℃において0.5〜24時間行われる。
化合物2は、以下に示す方法によって製造することができる。
反応式3
Figure 2014076958
[式中の各記号は前述したものと同義である。]
反応式3において、工程12は、化合物(XIII)のピペリジン環4位をRに対応する試薬と反応させて化合物(XIV)を得る工程である。本工程はリチウムジイソプロピルアミドやn−ブチルリチウムなどの塩基の存在下、上記試薬(例えば、ヨウ化メチルなど)を加え、ジクロロメタンなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は通常−78℃〜120℃において0.5〜24時間行われる。
工程13は、工程12で製造される化合物(XIV)を還元して化合物(XV)を得る工程である。本工程はリチウムアルミニウムヒドリドなどの還元剤の存在下、テトラヒドロフランなどの溶媒中において反応させることにより実施できる。本工程は通常0℃〜120℃において0.5〜24時間行われる。
工程14は、工程13で製造される化合物(XV)を酸化して化合物2を得る工程である。本工程はジメチルスルホキシドとオキサリルクロリドの存在下、化合物(XV)を加えた後、トリエチルアミンなどの塩基を加え、ジクロロメタンなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は通常−78℃〜120℃において0.5〜24時間行われる。
化合物3は、以下に示す方法によって製造することができる。
反応式4
Figure 2014076958
[式中の各記号は前述したものと同義である。]
反応式4において、工程15は、化合物(XVI)のピペリジン環4位をRに対応する試薬と反応させて化合物(XVII)を得る工程である。本工程はリチウムジイソプロピルアミドやn−ブチルリチウムなどの塩基の存在下、上記試薬(例えば、ヨウ化メチルなど)を加え、ジクロロメタンなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は通常−78℃〜120℃において0.5〜24時間行われる。
工程16は、工程15で製造される化合物(XVII)を還元して化合物(XXVIII)を得る工程である。本工程はリチウムアルミニウムヒドリドなどの還元剤の存在下、テトラヒドロフランなどの溶媒中において反応させることにより実施できる。本工程は通常0℃〜120℃において0.5〜24時間行われる。
工程17は、工程16で製造される化合物(XVIII)の水酸基を酸化して化合物3を得る工程である。本工程はジメチルスルホキシドとオキサリルクロリドの存在下、トリエチルアミンなどの塩基を加え、ジクロロメタンなどの溶媒中において混合攪拌することにより実施できる。本工程は通常−78℃〜120℃において0.5〜24時間行われる。
上記で示す製造方法で得られた化合物(I)は、抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶、再沈殿のような常法に従って単離・精製される。抽出溶媒としては、ジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン等が用いられる。カラムクロマトグラフィーによる精製は、酸性、塩基性もしくは各種化学処理をしたシリカゲルまたはアルミナ等を用いて、展開溶媒には、例えばヘキサン/酢酸エチル、ヘキサン/クロロホルム、酢酸エチル/メタノール、クロロホルム/メタノール、アセトニトリル/水、メタノール/水等を使用することが出来る。
本発明の化合物は、後述のようにムスカリンM4受容体に作動して、優れた抗精神病作用を発現する。本発明の化合物は、例えば、統合失調症、ジスキネジア、遅発性ジスキネジア、L−DOPA誘発ジスキネジア、アルツハイマー病に伴う精神病様症状、神経変性疾患、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、フリードライヒ運動失調症、ジル・ド・ラ・トゥーレット症候群、ダウン症候群、ピック病、痴呆、臨床的抑うつ、加齢性認知機能低下、注意欠陥障害、乳児突然死症候群、不眠症を含む睡眠障害、双極性障害などの中枢疾患の予防および/または治療薬として有用である。また、本発明に記載の医薬は、上記の中枢疾患の予防および/または治療に有用である。
本発明の化合物の投与経路としては、経口投与、非経口投与または直腸内投与のいずれでもよく、その一日投与量は、化合物の種類、投与方法、患者の症状・年齢等により異なるが、例えば、経口投与の場合は、通常、ヒトまたは哺乳動物1kg体重あたり約0.01〜100mg、更に好ましくは、約0.1〜10mgを1〜数回に分けて投与することができる。静注などの非経口投与の場合は、通常、例えば、ヒトまたは哺乳動物1kg体重あたり約1μg〜10mg、更に好ましくは約10μg〜1mgを投与することができる。ここでいう非経口投与には、静脈内、筋肉内、皮下、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、腟内および腹腔内などへの投与を含む。非経口投与の場合や他の抗癌剤と併用される場合は、一般にこれらの投与量より少ない値になる。実際に投与される化合物の量は医師の判断によって随時変更が可能である。
前記医薬製剤の投与期間および間隔は、種々の状況に応じて変更されるものであり、医師の判断により随時判断されるものであるが、分割投与、連日投与、間歇投与、短期大量投与、反復投与などの方法がある。例えば、経口投与の場合は、1日1ないし数回(特に1日2ないし3回)に分割して投与することが望ましい。また、徐放性の製剤として投与することや長時間かけて点滴静注することも可能である。
本発明の化合物は、上記のごとき医薬用途に使用する場合、通常、製剤用担体と混合して調製された製剤の形で投与される。製剤用担体としては、製剤分野において常用され、かつ本発明の化合物と反応しない無毒性の物質が用いられる。具体的には、クエン酸、グルタミン酸、グリシン、乳糖、イノシトール、ブドウ糖、マンニトール、デキストラン、ソルビトール、シクロデキストリン、デンプン、部分アルファー化デンプン、合成ケイ酸アルミニウム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トラガント、ベントナイト、ビーガム、カルボキシビニルポリマー、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ロウ、プロピレングルコール、エタノール、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩酸、水等が挙げられる。
剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、注射剤、坐剤、点眼剤、軟膏剤、塗布剤、貼付剤、吸入剤等が挙げられる。これらの製剤は常法にしたがって調製することができる。液体製剤にあっては、用時、水または他の適当な媒体に溶解または懸濁する形であってもよい。また、錠剤および顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。非経口製剤、例えば、注射剤を製造する際には、水性溶剤(例:蒸留水、生理食塩水、リンゲル液等)、等張化剤(例:ブドウ糖、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウム等)、安定化剤(例:ヒト血清アルブミン等)、防腐剤(例:ベンジルアルコール、クロロブタノール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノール等)、緩衝剤(例:リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液等)、無痛化剤(例:塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン等)を適宜配合することができる。更に、これらの製剤は治療上価値のある他の成分を含有していてもよい。
本発明の医薬製剤は常法に従って製造することができ、製剤中の本発明の化合物の含有割合は通常0.1〜100%(w/w)である。具体例を以下に示す。
(1)錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤:本発明の化合物に、例えば賦形剤、崩壊剤、結合剤または滑沢剤などを添加して圧縮成型し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性を目的とするコーティングを行うことにより製造することができる。例えば錠剤の場合、実施例1の化合物20mg、乳糖100mg、結晶セルロースおよびステアリン酸マグネシウム1mgを混合し、得られた混合物を打錠することにより製造できる。
(2)注射剤:本発明の化合物を、例えば分散剤、保存剤、等張化剤などと共に水性注射剤として、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油等の植物油、プロピレングリコール等に溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤として成型することにより製造することができる。
(3)座剤:本発明の化合物を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の組成物とすることにより製造される。このような組成物に用いる油性基剤としては、例えば、高級脂肪酸のグリセリド(例えば、カカオ脂、ウイテプゾル類など)、中級脂肪酸(例えば、ミグリオール類など)、あるいは植物油(例えば、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが挙げられる。水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩は、その作用の増強を目的として、例えば、リスペリドン、ハロペリドン、オランザピンのような統合失調症治療薬と組み合わせて用いることができる。また、抗うつ薬、抗不安薬、ドーパミン受容体作動薬、パーキンソン病治療薬、抗癲癇薬、抗痙攣薬、鎮痛薬、ホルモン製剤、偏頭痛治療薬、アドレナリンβ受容体拮抗薬、認知症治療薬、気分障害治療薬などの薬剤とも組み合わせて用いることができる。また、その副作用抑制を目的として、制吐剤、睡眠導入剤、抗痙攣薬などの薬剤と組み合わせて用いることができる。本発明化合物及び併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、本発明化合物と併用薬剤の合剤としても良い。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜1000重量部用いればよい。
以下に参考例、実施例および試験例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。化合物の同定はプロトン核磁気共鳴吸収スペクトル(H−NMR)、LC−MS等を用いて行った。なお、参考例および実施例におけるアミノシリカゲルクロマトグラフィーは、山善株式会社製のアミノシリカゲルカラムを用いた。LC−MSは下表1に示す種々の条件を用いて測定を行った。リテンションタイム(R.T.)はLC−MS測定におけるマススペクトルピークが現れた時間を表す。
Figure 2014076958
以下において、本明細書の記載を簡略化するために次に示すような略号を使用することもある。置換基として用いられる略語としては、Meはメチル、Etはエチル、Bnはベンジル、Bocはtert−ブトキシカルボニルを意味する。また、H−NMRに用いられる略語としては、sは一重線、dは二重線、ddは二重の二重線、tは三重線、dtは二重の三重線、qは四重線、mは多重線、brは幅広いを意味し、Jは結合定数を意味する。
特に断らない限り、原料化合物、反応試薬および溶媒は市販のものを使用した。
参考例1
2−クロロ−3−(ヒドロキシメチル)ピリジン
Figure 2014076958
2−クロロ−3−ニコチン酸(5.0g,31.74mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(3.60g,95.22mmol)をテトラヒドロフラン(300mL)に溶解し、氷冷下濃硫酸(2.54ml,47.61mmol)をゆっくり加えた。徐々に昇温し、室温下で終夜撹拌した。4mol/L 水酸化ナトリウム水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた固体をヘキサンで洗浄し、乾燥することで表題化合物(3.03g,67%)を得た。
参考例2
2−クロロ−3−(クロロメチル)ピリジン
Figure 2014076958
参考例1の化合物(25g,174mmol)をジクロロメタンに溶かし、トルエンを加え、氷冷下、チオニルクロリド(22.5g,189mmol)を滴下し、室温に昇温して16時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を徐々に加え、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後にろ過した。ろ液を減圧濃縮し、表題の化合物(27.4g,97%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.38-8.37 (m, 1H), 7.87-7.85 (m, 1H), 7.31-7.28 (m, 1H), 4.70 (s, 2H).
参考例3
(2−クロロピリジン−3−イル)アセトニトリル
Figure 2014076958
シアン化ナトリウム(5.3g,81mmol)のエタノール(11mL)/水(22mL)の溶液に、参考例2で得た化合物(13.0g,81mmol)のエタノール(22mL)溶液を滴下し、加熱還流下で90分間攪拌した。攪拌後、反応液を氷冷し氷水(250mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過した。濾液を減圧濃縮して、表題の化合物(12.2g,98%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.41-8.42 (m, 1H), 7.88-7.93 (m, 1H), 7.32-7.38 (m, 1H), 3.88 (m, 2H).
参考例4
1−ベンジル−4−(2−クロロピリジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル
Figure 2014076958
参考例3で得た化合物(10.0g,65.8mmol)のジメチルスルホキシド(200mL)溶液に、窒素雰囲気下、水酸化カリウム (11.1g,
197mmol) 、N−ベンジル−ビス(2−クロロエチル)アミン(15.3g,65.8mmol)を加え、50度で 2.5時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液をゆっくり加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、固化した残渣を少量のイソプロピルアルコールとヘキサンで濾取・洗浄し目的物を得た。さらに母液の残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、濾取したものと合わせて表題の化合物(13.7g,67%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.41 (dd, 1H), 7.75 (dd, 1H), 7.25-7.34 (m, 6H), 3.62 (s, 2H), 3.05 (d, 2H), 2.61 (dt, 2H), 2.51 (dd, 2H), 2.10 (dt, 2H).
参考例5
1−ベンジル−1’,2’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2.3−b]ピリジン]
Figure 2014076958
リチウムトリtert−ブトキシアルミニウムヒドリドの1mol/L テトラヒドロフラン溶液(76mL,76mmol)中に参考例4で得た化合物(4.8g,15.0mmol)を加え、20時間加熱還流した。反応液を0度まで冷却し、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物の飽和水溶液を徐々に加え、室温に昇温し30分攪拌した。反応液をセライトろ過しクロロホルムで洗い出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮後、ヘキサン−酢酸エチル (7:3, 100mL)より再結晶して、表題の化合物(3.3g,84%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 7.84 (dd, 1H), 7.22-7.36 (m, 6H), 6.54 (dd, 1H), 4.46 (br s, 1H), 3.55 (s, 2H), 3.45 (s, 2H), 2.84 (m, 2H), 2.13 (dt, 2H), 1.90 (dt, 2H), 1.72-1.76 (m, 2H).
参考例6
1−ベンジル−1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]
Figure 2014076958
参考例5で得た化合物(558mg,2.0mmol)のジクロロメタン溶液(20mL)に、ジイソプロピルエチルアミン(387mg,3.0mmol)およびメタンスルホニルクロリド(275mg,2.4mmol)を加え、25度で17時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物(556mg、78%)を得た。
LC-MS: R.T. 1.48 min, m/z 358 (M+1).
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.17-8.19 (m, 1H), 7.44-7.46 (m, 1H), 7.32-7.36 (m, 5H), 6.90-6.94 (m, 1H), 3.90 (s, 2H), 3.55 (s, 2H), 3.43 (s, 3H), 2.86-2.91 (m, 2H), 2.13 (dt, J = 2.5 Hz, J = 12.5 Hz, 2H), 1.93 (dt, J = 3.9 Hz, J = 12.7 Hz, 2H), 1.70-1.76 (m, 2H).
参考例7
1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]
Figure 2014076958
参考例6で得た化合物(556mg,1.5mmol)のメタノール溶液(15mL)に、ギ酸アンモニウム(0.47g, 7.5mmol)および10%パラジウム−炭素(0.1g)を加え、12時間加熱還流した。反応液をセライトろ過し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した後、溶媒を減圧下留去し、表題の化合物(329mg、79%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.19-8.20 (m, 1H), 7.45-7.47 (m, 1H), 6.92-6.95 (m, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.35 (s, 3H), 3.09 (dt, J = 12.4 Hz, J = 3.2 Hz, 2H), 2.77 (dt, J = 2.7 Hz, J = 12.2 Hz, 2H), 1.82 (dt, J = 4.2 Hz, J = 11.9 Hz, 2H), 1.70-1.76 (m, 2H).
参考例8
1−tert−ブチル 4−エチル 4−メチルピペリジン−1,4−ジカルボキシレート
Figure 2014076958
ジイソプロピルアミン(1.1g)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液を窒素雰囲気下、−78度中で攪拌しているところに、n−ブチルリチウムの2.5mol/L ヘキサン溶液(4.5mL)を滴下した。反応溶液を−78度中で30分間攪拌した後、1−tert−ブチル 4−エチルピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(2.57g)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を滴下した後、−78度で30分間攪拌した。その後、反応溶液にヨウ化メチル(1.56g)を滴下した後、反応温度を25度に昇温し、3時間攪拌した。反応混合物に水を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題の化合物を得た(2.14g、79%)。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 4.16 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.67-3.86 (m, 2H), 2.91-3.05 (m, 2H), 2.02-2.10 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.31-1.39 (m, 2H), 1.26 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
参考例9
tert−ブチル 4−(ヒドロキシメチル)4−メチルピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 2014076958
リチウムアルミニウムヒドリド(210mg)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を窒素雰囲気下、0度中で攪拌しているところに、参考例8の化合物(1.0g)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を滴下した。滴下後、反応温度を25度に昇温し、90分間攪拌した。反応溶液を0度に冷却後、水(0.165mL)をゆっくりと加えた後、4mol/L 水酸化ナトリウム水溶液(0.165mL)、水(0.5mL)の順で加え、クエンチした。反応液をセライトろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題の化合物を得た(0.8g、94%)。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 3.63-3.75 (m, 2H), 3.37-3.42 (m, 2H), 3.10-3.17 (m, 2H), 1.41-1.50 (m, 2H), 1.27-1.33 (m, 2H), 0.99 (s, 3H).
参考例10
tert−ブチル 4−ホルミル−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 2014076958
ジメチルスルホキシド(0.63g)のジクロロメタン(12mL)溶液を窒素雰囲気下、−78度で攪拌しているところに、オキサリルクロリド(0.5g)を滴下した。同温で30分間攪拌した後、反応液に参考例9で得た化合物(0.8g)のジクロロメタン(5mL)溶液を滴下した。−78度でさらに2時間攪拌した後、トリエチルアミン(3mL)を滴下し、添加後反応温度を25度に昇温した。1時間攪拌した後、反応混合物に水を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題の化合物を得た(0.69g、88%)。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 9.47 (s, 1H), 3.60-3.71 (m, 2H) 3.08-3.15 (m, 2H), 1.88-1.94 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.35-1.45 (m, 2H), 1.08 (s, 3H).
参考例11
tert−ブチル 4−メチル−4−{[1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 2014076958
参考例7で得た化合物(200mg,0.75mmol)と参考例10で得た化合物(227mg,1.0mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)に、チタニウムテトライソプロポキシド(284mg,1.0mmol)を加え、窒素雰囲気下、25度で5分間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(159mg,1.0mmol)を加え、加熱還流下で19時間攪拌した。反応溶液を25度にした後、反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物(360mg,100%)を得た。
LC-MS: R.T. 4.73 min, m/z 479 (M+1).
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.18-8.19 (m, 1H), 7.45-7.47 (m, 1H), 6.91-6.95 (m, 1H), 3.89 (s, 2H), 3.65-3.74 (m, 2H), 3.34 (s, 3H), 3.05-3.13 (m, 2H), 2.73-2.78 (m, 2H), 2.37 (dt, J = 2.2 Hz, J = 11.9 Hz, 2H), 2.17 (s, 2H), 1.87-1.94 (m, 2H), 1.64-1.70 (m, 2H), 1.47 (s, 9H), 1.43-1.49 (m, 2H), 1.22-1.29 (m, 2H), 0.96 (s, 3H).
参考例12
1−[(4−メチルピペリジン−4−イル)メチル]−1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]
Figure 2014076958
参考例11の化合物(332mg,0.70mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、25度で17時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題の化合物(230mg,87%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.17-8.19 (m, 1H), 7.46-7.48 (m, 1H), 6.91-6.94 (m, 1H), 3.89 (s, 2H), 3.34 (s, 3H), 2.74-2.87 (m, 6H), 2.37 (dt, J = 2.2 Hz, J = 12.2 Hz, 2H), 2.15 (s, 2H), 1.88-1.96 (m, 2H), 1.63-1.70 (m, 2H), 1.47-1.54 (m, 2H), 1.22-1.32 (m, 2H), 0.95 (s, 3H).
実施例1
エチル 4−メチル−4−{[1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 2014076958
参考例12で得た化合物(130mg,0.34mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液にジイソプロピルエチルアミン(88mg,0.68mmol)を加え、25度で10分間攪拌後、クロロギ酸エチル(60mg,0.56mmol)を加えた。同温で90分間攪拌した後、反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、表題の化合物を得た(151mg、78%)。
LC-MS: R.T. 2.01 min, m/z 451 (M+1).
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.18-8.19 (m, 1H), 7.46-7.49 (m, 1H), 6.92-6.95 (m, 1H), 4.13 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.89 (s, 2H), 3.72-3.82 (m, 2H), 3.34 (s, 3H), 3.09-3.16 (m, 2H), 2.72-2.77 (m, 2H), 2.37 (dt, J = 2.0 Hz, J = 11.9 Hz, 2H), 2.17 (s, 2H), 1.87-1.94 (m, 2H), 1.64-1.70 (m, 2H), 1.45-1.55 (m, 2H), 1.21-1.30 (m, 2H), 1.27 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.97 (s, 3H).
参考例7および10の化合物、および対応する原料を用いて、参考例11、参考例12および実施例1と同様の方法に順次従うことで、実施例2−4の化合物を得た。さらに参考例1で2−クロロ−3−(ヒドロキシメチル)5−フルオロピリジンを原料に用いることで、実施例5の化合物を得た。実施例2−5の化合物を表2に示す。
Figure 2014076958
N.D.:データなし(No Data)
比較例化合物の合成
参考例13
エチル 4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 2014076958
ピペリジン−4−イルメタノール(20g,174mmol)をジクロロメタン(500mL)に溶かし氷冷したのちに、トリエチルアミン(17.6g,174mmol)、クロロ炭酸エチル(19.8g,187mmol)を加え、室温で30分攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を0.1mol/L 塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物(5g,27mmol)を、ジメチルスルホキシド:ジクロロメタン=1:4の溶液(50mL)に溶かし、N−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(20.4g,106mmol)、ジクロロ酢酸を加え、室温で10分攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄したのちに減圧濃縮し、残渣をアミノシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=7:3〜1:1)で精製し、目的物(2.6g,52%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 9.67(s, 1H), 4.14(m, 4H), 3.02(m, 2H), 2.44(m, 1H), 1.90(m, 2H), 1.63(m, 3H), 1.26(t, 3H).
参考例14
1−(メチルスルホニル)−1,2−ジヒドロ−1‘H−スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]
Figure 2014076958
参考例4おいて、(2−クロロピリジン−3−イル)アセトニトリルの代わりに2−フルオロベンゼンアセトニトリルを用いて、参考例4〜7と同様の方法に従うことで、表題化合物を得た。
比較例1
エチル 4−{[1−(メチルスルホニル)−1,2−ジヒドロ−1‘H−スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−1‘−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2014076958
参考例14と参考例13の化合物を用いて、参考例11と同様の方法に従うことで表題化合物を得た。
LC-MS: R.T. 6.00 min, m/z 436 (M+1).
1H-NMR (400MHz, d6-DMSO) δ: 7.19-7.32 (m, 3H), 7.03-7.07 (m, 1H), 3.91-4.03 (m, 4H), 3.78 (s, 2H), 3.15 (s, 2H), 2.67-2.88 (m, 4H), 2.17-2.24 (m, 2H), 2.03-2.10 (m, 2H), 1.79-1.89 (m, 2H), 1.60-1.76 (m, 6H), 1.12-1.18 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 0.90-1.01 (m, 2H).
本発明の化合物の医薬品としての有用性は、薬理作用を確認できる薬理試験、体内動態を確認できる薬物動態試験、安全性を確認できる安全性試験などにより証明される。これらの試験は、ムスカリンMおよびM受容体作動性に基づく生理活性およびムスカリン受容体サブタイプ選択性を向上させることによる安全性向上を確認できるものであれば特に限定されないが、例えば以下の試験により証明される。薬理試験としては、in vitroのムスカリン受容体作動性測定試験、抗精神病作用や認知機能障害改善作用、ジスキネジア治療作用を確認するin vivo試験が挙げられ、具体的なin vivo試験としては、例えばアポモルフィン誘発クライミング試験、メタンフェタミン誘発運動量亢進試験、プレパルス抑制試験、マイクロダイアリシス試験、受動的回避試験、Y迷路型試験、SKF−38393誘発反復顎運動試験などが挙げられる。薬物動態試験としては、例えば血中濃度評価試験、脳移行性評価試験、P−糖タンパク基質認識試験、薬物相互作用試験、薬物代謝経路同定試験、ダンシルグルタチオン付加試験などが挙げられる。安全性試験としては、例えばhERG阻害試験、細胞毒性試験、Amesなどのin vitro試験に加えて、血圧や心拍数の測定試験、心電図測定試験、ラット味覚嫌悪条件付け試験、唾液分泌量測定試験、体温測定試験、消化器症状評価試験、共有結合試験、錐体外路症状評価試験、一般症状観察、一般毒性試験などが挙げられる。これらの試験は、一般にマウス、ラット、イヌ、およびサルで行うことができる。また、必要に応じて覚醒または麻酔下で実施することができる。
下記試験例により、本発明の化合物の医薬としての有用性を説明する。
試験例1: ヒト型ムスカリンM −M 受容体のin vitro作動性試験
各受容体に対する作動性は、各受容体安定発現細胞における細胞内カルシウム濃度の変化を、蛍光強度を指標として評価した。ヒトm1受容体発現プラスミド(pcDNA3.1_hM1)あるいはヒトm3受容体発現プラスミド(pcDNA3.1_hM3)をCHO−K1細胞に導入し、限界希釈法にてGeneticin耐性の安定発現株を取得した。ヒトm2受容体発現プラスミド(pcDNA3.1_hM2)、ヒトm4受容体発現プラスミド(pcDNA3.1_hM4)およびヒトm5受容体発現プラスミド(pcDNA3.1_hM5)は、それぞれGα16遺伝子をコードするcDNAとともにCHO−K1細胞に導入し、選択薬剤ZeocinおよびHygroGold耐性の安定発現株を取得した。ヒトm1およびヒトm3受容体安定発現細胞は4×10cells/100μL/wellの割合で、ヒトm2、ヒトm4およびヒトm5受容体安定発現細胞は2×10cells/100μL/wellの割合で96−well plateに播き込み、COインキュベーターにて一晩培養した。各受容体安定発現細胞が100%コンフルエントになればFLIPR Calcium 4 assay kit(Molecular Devices社)を用い、FLIPRTETRA(登録商標)(Molecular Devices社)にて、被検化合物添加により一過性に上昇した蛍光強度(RFU(max−min))を測定した。コントロール薬剤アセチルコリン(3μM)による蛍光強度を100%としたとき、各被検化合物の蛍光強度の相対値を求め、これをアゴニスト活性(%)とした。
各実施例化合物に対する、ヒト型ムスカリン受容体のin vitro作動性試験の結果を表3に示す(各表中、N.T.とあるのは、試験未実施であることを意味する。)。
Figure 2014076958
実施例4の化合物のin vitro作動性試験結果を、ムスカリン各受容体(M−M)のそれぞれについてシグモイドカーブとして表し、図1に示した。この図より、本化合物M受容体について、低濃度から高選択的に作動していることが明らかである。
試験例2: ラット抗メタンフェタミン誘発運動量亢進作用評価
ラットにおけるメタンフェタミン誘発の運動量亢進は、統合失調症の陽性症状の病態を反映すると考えられている。本モデルに対して本発明化合物を単独で、もしくは抗精神病薬と併用投与した際の、メタンフェタミン誘発運動量亢進に対する抑制の作用を拮抗する程度によって抗精神病作用を評価した。7週齢の雄性Sprague−Dawleyラットに対して、本発明化合物を単独で、もしくは抗精神病薬と併用で皮下、腹腔内または経口投与し、30分後(経口投与の場合は60分後)にメタンフェタミン(1mg/kg)を腹腔内投与した。メタンフェタミン投与直後にラットをテストケージ(無色透明プラスチック製:335×385×173mm)に移し、10分後から80分間の運動量を測定した。測定にはSuperMex(室町機械株式会社)を用いた。80分間の総運動量はメタンフェタミン単独投与群の運動量を基準とし、抑制率(%)を0〜100の数値で表すことによって統計学的に処理した。実施例4の化合物の抑制率を表4に示す。
Figure 2014076958
試験例3: SKF−38393(SKF)誘発反復顎運動試験
選択的D1受容体アゴニストであるSKF急性投与により、遅発性ジスキネジアに類似した反復顎運動(repetitive jaw movement:RJM)が惹起されることが知られている。本試験では、このSKF誘発RJMモデルを用いて本発明化合物の遅発性ジスキネジアに対する改善効果を検討した。実験には8週齢の雄性Wistarラット(体重302〜359g)を用いた。ラットに本発明化合物(30mg/kg)あるいは溶媒(0.5%トラガカント水溶液)を経口投与(5ml/kg)した後、プラスチック製の透明観察ケージ(250×410×190mm)内に放置し、その1時間後にR(+)−SKF−38393塩酸塩(3mg/kg、フナコシ)を腹腔内投与(5ml/kg)した。SKF投与20分後から20分間のRJMのエピソード回数(連続した舌出し行動を1回のエピソードとした)を計測し、平均値±標準誤差として表した。統計処理にはDunnetの多重比較検定法を用いて溶媒対照群および本発明化合物の作用を比較検討した。実施例1の化合物のRJMのエピソード回数を表5に示す。
Figure 2014076958
**;P<0.01、Dunnet’s test (vs溶媒対照群)
試験例4: hERG阻害試験
自動パッチクランプ装置 QPatch HT (Sophion Bioscience A/S)を用いて、ホールセルパッチクランプ法により、hERG(human ether−a−go−go)遺伝子を安定発現させたCHO細胞におけるhERGカリウム電流を記録した。hERG電流は、ボルテージクランプモードで膜電位を−80mVに保持し、20ミリ秒間−50mVにした後5秒間+20mVに脱分極させ、続いて5秒間−50mVに再分極させた時のテール電流の振幅を評価した。刺激は15秒おきに繰り返し行い、実験は室温(22±2℃)で行った。化合物は1細胞あたり4濃度を各濃度5分間累積投与し、各濃度における化合物適応前の電流の大きさと較べて阻害された電流の阻害率を算出し、Hill式により50%阻害濃度を計算した(IC50[μM])。試験溶液は以下のものを用いた:細胞外溶液(mM):2 CaCl、1 MgCl、10 HEPES、4 KCl、145 NaCl、10グルコース、細胞内溶液(mM):5.4 CaCl、1.8 MgCl、10 HEPES、31 KOH、10 EGTA、120 KCl、4 ATP.実施例4の化合物のIC50値は>10μMであった。
試験例5: ラットPK試験
本試験では本発明化合物の薬物動態を評価できる。7週齢のラットに対して、本発明化合物を生理食塩水溶液にて静脈投与またはメチルセルロース水溶液にて経口投与し、それぞれ以下の時間で血液を採取した。
静脈投与:投与後5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間および24時間
経口投与:投与後15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間および24時間
採取した血液を4℃に設定した冷却遠心器を用いて3000rpm×10分間遠心分離することで得た血漿をHPLCにて測定し、得られたタイムカーブをもとに薬物動態パラメータを算出した。実施例4の化合物の生物学的利用率は60.6%であった。
試験例6:ヒト型ムスカリンM −M 受容体のin vitro作動性比較試験
上記試験例1の方法を用いて、比較例1の化合物および特許文献7に開示されている比較例2の化合物における、ムスカリンM−M受容体に対する作動性を測定し、本願の実施例化合物との比較を行った。比較例1の化合物は前述した方法により合成し、比較例2の化合物は特許文献7に記載の方法により合成した。比較例1および2の化合物の構造を表6に示し、ムスカリンM−M受容体に対する作動性の評価結果を表7に示す。
Figure 2014076958
Figure 2014076958
近似した構造である比較例1および2の化合物は、1μMでM作動性を有する。一方我々の発明した化合物は、より高い3μMの濃度においてもM作動性を有しない。よって、ピロロ[2,3−b]ピリジン環とピペリジン環のスピロ環を骨格とし、ピロリジン窒素原子がスルホニル基と結合することが、M受容体選択的な作動に重要である事が示された。
本発明の化合物は、強いムスカリンM4受容体選択性を発揮する一方でムスカリンM1、M2、M3およびM5受容体作動性が低減する、即ち、ムスカリンM4に対して強い作動性を有するので、統合失調症、ジスキネジア等の中枢疾患の治療への適用が可能である。

Claims (10)

  1. 下記式(I):
    Figure 2014076958

    [式中、
    は置換されていても良いC1−3アルキル基、置換されていても良いC3−7脂肪族炭素環基、置換されていても良いC6−14アリール基、置換されていても良いアミノ基、置換されていても良い3〜7員の複素環基または置換されていても良い5〜10員のヘテロアリール基を表し、
    XおよびYは同一または異なって酸素原子または硫黄原子を表し、
    、R、およびRは互いに独立して水素原子、置換されていても良いC1−3アルキル基、置換されていても良いC2−4アルケニル基、置換されていても良いC2−4アルキニル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、ハロゲン原子、または置換されていても良いC1−3アルコキシ基を表し、
    は水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基または水酸基を表し、
    は置換されていてもよいC1−3アルキル基を表す。]
    で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
  2. XおよびYがともに酸素原子である請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  3. が水素原子、フッ素原子、またはメチル基である請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  4. が置換されていても良いC1−3アルキル基である請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  5. 、R、およびRは互いに独立して水素原子、メチル基、エチル基、エチニル基、シアノ基、フッ素原子またはメトキシ基である請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  6. が水素原子またはメチル基である請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  7. エチル 4−メチル−4−{[1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレート、
    メチル 4−{[1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレート、
    エチル 4−{[1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレート、
    メチル 4−メチル−4−{[1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレートおよび
    メチル 4−メチル−4−{[5’−フルオロ−1’−(メチルスルホニル)−1’,2’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−1−イル]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレート
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬。
  9. 中枢疾患の治療薬である、請求項8に記載の医薬。
  10. 中枢疾患がアルツハイマー病、躁病、不眠症、双極性障害、統合失調症、ジスキネジア、遅発性ジスキネジアおよびL−DOPA誘発ジスキネジアである、請求項9に記載の医薬。
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