JP2014062011A - アルミナ水和物微粒子粉末、アルミナ水和物微粒子分散液およびアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材 - Google Patents

アルミナ水和物微粒子粉末、アルミナ水和物微粒子分散液およびアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材 Download PDF

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Abstract

【課題】基材上に密着性良くアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層を形成することができ、クラックの発生が抑制されるアルミナ(水和物)微粒子の粉末と分散液の提供。
【解決手段】アルミナ水和物微粒子粉末は、擬ベーマイト型結晶構造を有するアルミナ水和物微粒子粉末であって、該アルミナ水和物微粒子の一次粒子の平均長さ(L)が10〜20nmの範囲にあり、平均幅(W)が5〜10nmの範囲にあり、長さと径の比(L)/(W)が1.2〜4の範囲にあり、光散乱法で測定した平均二次粒子径が100〜1,000nmの範囲にある。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミナ水和物微粒子の粉末と該アルミナ水和物微粒子分散液およびアルミナ水和物微粒子層またはアルミナ微粒子層付基材に関する。
さらに詳しくは、所定の平均長さ、平均幅およびアスペクト比を有しているために、分散媒への均一な分散性に優れ、分散液は粘度が低く安定性に優れ、このような分散液を基材上に塗布すると基材上に密着性良くアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層を形成することができ、クラックの発生が抑制された、強度、耐摩耗性等に優れた微粒子層の形成に好適に用いることのできるアルミナ水和物微粒子の粉末と該アルミナ水和物微粒子分散液およびアルミナ水和物微粒子層またはアルミナ微粒子層付基材に関する。
従来、基材の保護のために、あるいは基材上に吸着機能、触媒機能、放熱機能等の機能を有するか付与するために無機酸化物微粒子層を形成することが行われている。
例えば、住環境等では壁、床、柱等に吸湿機能あるいは環境物質の吸着機能、分解機能を有するか付与した無機酸化物微粒子層を形成したり、抗菌性、防黴性あるいは消臭性等を有する無機酸化物微粒子層を形成することが行われている。
このとき、用途によっては無機酸化物微粒子としてアルミナ微粒子が用いられる場合があるが、アルミナ微粒子を用いた場合、基材との密着性が不十分で、容易に剥離したり、クラックが生じる問題があり、用途、用法に制限があった。
本発明者らは、上記問題点に鑑み、従来のアルミナ微粒子のなかでも、擬ベーマイト型結晶構造を有し、一次粒子が所定の平均長さ、平均幅(W)、アスペクト比を有し、二次粒子が所定の平均二次粒子径を有するアルミナ水和物微粒子を用いると基材との密着性が格段に向上することを見出して本発明を完成するに至った。
本発明は、基材上に密着性良くアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層を形成することができ、クラックの発生が抑制され、強度、耐摩耗性等に優れた微粒子層の形成に好適に用いることのできるアルミナ(水和物)微粒子の粉末と該アルミナ(水和物)微粒子分散液およびアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材を提供することを目的としている。
本発明に係るアルミナ水和物微粒子粉末は、擬ベーマイト型結晶構造を有するアルミナ水和物微粒子粉末であって、該アルミナ水和物微粒子の一次粒子の平均長さ(L)が10〜20nmの範囲にあり、平均幅(W)が5〜10nmの範囲にあり、長さと径の比(L)/(W)が1.2〜4の範囲にあり、光散乱法で測定した平均二次粒子径が100〜1,000nmの範囲にあることを特徴としている。
前記アルミナ水和物微粒子の結晶子径が5〜10nmの範囲にあることが好ましい。
本発明に係るアルミナ水和物微粒子分散液は、前記アルミナ水和物微粒子が水および/または有機溶媒に分散し、アルミナ水和物微粒子の濃度(C)が固形分として0.5〜25重量%の範囲にあることを特徴としている。
前記アルミナ水和物微粒子分散液は、さらに、安定化剤を含み、該安定化剤の濃度(C)が0.06〜6重量%の範囲にあり、前記アルミナ水和物微粒子の濃度(C)との濃度比(C)/(C)が0.01〜0.5の範囲にあることが好ましい。
前記アルミナ水和物微粒子分散液は、さらに、無機酸化物粒子を含み、該無機酸化物粒子の濃度が固形分として5〜40重量%の範囲にあってもよい。
前記分散液の固形分濃度を8重量%に調整したときのpHが3〜7の範囲にあり、粘度が1000cp以下であることが好ましい。
前記安定化剤が有機カルボン酸であることが好ましい。
本発明に係るアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材は、基材と、基材上形成されたアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層とからなり、該微粒子層が前記アルミナ水和物微粒子分散液を塗布して形成されたことを特徴としている。
前記アルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層の厚みが50nm〜5mmの範囲にあることが好ましい。
前記基材上のアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層の剥離性が、超音波照射法で測定した場合に、5%以下であることが好ましい。
本発明によれば、基材上に密着性良くアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層を形成することができ、クラックの発生が抑制され、強度、耐摩耗性等に優れた微粒子層の形成に好適に用いることのできるアルミナ水和物微粒子の粉末と該アルミナ水和物微粒子分散液およびアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材を提供することができる。
[アルミナ水和物微粒子粉末]
まず、本発明に係るアルミナ水和物微粒子粉末について説明する。
本発明に係るアルミナ水和物微粒子粉末は、擬ベーマイト型結晶構造を有するアルミナ水和物微粒子粉末であって、該アルミナ水和物微粒子の一次粒子の平均長さ(L)が10〜20nmの範囲にあり、平均幅(W)が5〜10nmの範囲にあり、長さと径の比(L)/(W)が1.2〜4の範囲にあり、光散乱法で測定した平均二次粒子径が100〜1,000nmの範囲にあることを特徴としている。
アルミナ水和物微粒子
アルミナ水和物微粒子粉末を構成するアルミナ水和物微粒子は擬ベーマイト型結晶構造を有している。
擬ベーマイトアルミナ水和物微粒子(Al・nHO、n=0.5〜2.5)は結晶性アルミナ水和物微粒子の一種で、通常、繊維状の一次粒子が束になった繊維状の二次粒子を形成した微粒子である。
アルミナ水和物微粒子が擬ベーマイト型の結晶構造を有する場合には、アルミナ水和物微粒子の比表面積が大きいため、該微粒子が水酸基(−OH基)を多く有し、水への分散性、安定性および保水性に優れ、アルミナ水和物微粒子分散液を用いて得られるアルミナ水和物微粒子層は基材への密着性、微粒子層の強度が向上する傾向にある。
このようなアルミナ水和物微粒子の一次粒子の平均長さ(L)は10〜20nm、さらには12〜18nmの範囲にあることが好ましい。
一次粒子の平均長さ(L)が10nm未満の場合は、アルミナ水和物微粒子粉末の分散媒への分散性が不十分となり、分散液は安定性に欠け、アルミナ水和物微粒子分散液を用いて得られるアルミナ水和物微粒子層は基材への密着性、微粒子層の強度が不十分となる場合があり、また、微粒子層が基材から容易に剥離する場合がある。
一次粒子の平均長さ(L)が20nmを越えると、アルミナ水和物微粒子粉末の分散媒への分散性、アルミナ水和物微粒子分散液の安定性には優れているが、基材への密着性が不十分となり、微粒子層が基材から容易に剥離する場合がある。
アルミナ水和物微粒子の一次粒子の平均幅(W)は5〜10nm、さらには6〜9nmの範囲にあることが好ましい。
アルミナ水和物微粒子の一次粒子の平均幅(W)が5nm未満の場合は、アルミナ水和物微粒子分散液の濃度が低い場合であっても安定性が低下して粘度が高くなり、基材への密着性が不十分となり、アルミナ水和物微粒子層の強度が低下するとともに容易に剥離する場合がある。
アルミナ水和物微粒子の一次粒子の平均幅(W)が10nmを越えると、アルミナ水和物微粒子分散液の安定性には優れているが、基材への密着性が不十分となり、アルミナ水和物微粒子層の強度が低下するとともに容易に剥離する場合がある。
さらに、前記平均長さ(L)、平均幅(W)に加えて長さと幅の比(L)/(W)は1.2〜4、さらには1.5〜3の範囲にあることが好ましい。
(L)/(W)が前記範囲にあると、アルミナ水和物微粒子分散液の安定性に優れ、特にアルミナ水和物微粒子分散液の濃度が高い場合であっても比較的粘度が低く、塗布法、浸漬法のいずれの方法でも塗工性に優れ、基材との密着性に優れ、剥離が抑制され、加えて強度に優れたアルミナ水和物微粒子層を形成することができる。
前記一次粒子の大きさは、アルミナ水和物微粒子の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、100個の粒子について幅および長さを測定し、各々の平均値として求めることができる。
つぎに、アルミナ水和物微粒子の二次粒子の平均二次粒子径は100〜1,000nm、さらには200〜800nmの範囲にあることが好ましい。
平均二次粒子径が100nm未満の場合は、アルミナ水和物微粒子分散液の安定性が低く、経時的に粘度が高くなり、塗工性が低下し、得られるアルミナ水和物微粒子層の基材への密着性、剥離性が問題になる場合がある。
平均二次粒子径が1,000nmを越えると、基材との密着性が低下し、剥離が顕著になるとともにアルミナ水和物微粒子層の強度が不十分となる。
本発明では、二次粒子径は光散乱法(日機装(株)製:マイクロトラック UPA)で測定する。
さらに、本発明に用いるアルミナ水和物微粒子の結晶子径は、概ね前記一次粒子の平均幅(W)と同程度であり、5〜10nm、さらには6〜9nmの範囲にあることが好ましい。
アルミナ水和物微粒子の結晶子径が5nm未満の場合は、アルミナ水和物微粒子分散液の濃度が低い場合であっても安定性が低下して粘度が高くなり、基材への密着性が不十分となり、アルミナ水和物微粒子層が容易に剥離する場合があり、結晶子径が10nmを越えると、アルミナ水和物微粒子分散液の安定性には優れているが、基材への密着性が不十分となり、アルミナ水和物微粒子層が容易に剥離する場合がある。
このような、アルミナ水和物微粒子の結晶子径は、アルミナ水和物微粒子粉末のX線回折パターンをX線回折装置(理学電機製、RINT−1400)で測定し、2θ=14.5°のピークに相当するベーマイト水和物のピーク半値幅からデバイ・シェラーの式を用いて算出した。
前記アルミナ水和物微粒子は、用途によって異なるが、機能性成分を含んでいてもよい。
機能性成分としては、後述する無機酸化物粒子に担持等して用いることのある触媒性能、抗菌性能等の機能を有する金属成分、無機酸化物粒子と異なる金属酸化物成分が挙げられる。
金属成分としては、例えば、Fe、Ru、Co、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Wo、Mo等の金属、金属化合物、これらの複合金属等が挙げられる。金属酸化物成分としてはこれらの酸化物が挙げられる。
このときの機能性成分の含有量は、用途、用法等によっても異なるが、通常、機能性成分含有アルミナ中に固形分として0.1〜10重量%、さらには、0.2〜8重量%の範囲にあることが好ましい。
機能性成分をあらかじめ担持したアルミナ水和物微粒子を用いてアルミナ水和物微粒子層またはアルミナ微粒子層を形成してもよく、アルミナ水和物微粒子を用いてアルミナ水和物微粒子層たはアルミナ微粒子層を形成した後、機能性成分を担持することもできる。
アルミナ水和物微粒子の調製法
本発明に用いるアルミナ水和物微粒子の製造方法としては、前記したアルミナ水和物微粒子が得られれば特に制限はないが、以下の方法が例示される。
アルミナ水和物微粒子の製法の一例としては、アルカリ性アルミニウム塩水溶液と酸性物質とを反応させたのち、アンモニア源を添加する方法が挙げられる。
以下、より具体的に説明する。
工程(I)
この工程ではアンモニウムイオンを含み、pHが9〜12の範囲にあるアルミナ水和物微粒子の分散液を製造する。
まず、アルカリ性アルミニウム塩水溶液と酸性物質とを反応させたのち、アンモニア源を添加する方法が挙げられる。
具体的には、例えば、アルミン酸ナトリウム水溶液と、硫酸アルミニウムなどの酸性物質を反応させてアルミナ水和物のゲルを生成し、ついで該ゲルをアンモニア水で洗浄したのち、必要に応じて水で懸濁する方法を用いることが好ましい。
このとき、アルミン酸ナトリウム水溶液と、硫酸アルミニウムなどの酸性物質のそれぞれの使用量は濃度によっても異なるが、アルミン酸ナトリウムの量を基準に、酸性物質が等モル倍〜1.2モル倍となるような範囲で反応させればよい。
さらに、前記アルミニウム塩水溶液と酸性物質を反応させる際に、ポリアクリル酸、ヒドロキシプロピルセルロース、およびシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、グルコン酸、フマル酸、フタル酸、クエン酸などの多価カルボン酸およびその塩の存在下で反応を行うことがより好ましい。
アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを含むアルミナ水和物微粒子を用いると、基材との密着性、アルミナ水和物微粒子層の強度が向上するので好ましい。
前記アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの量は特に制限されるものではないが、アルミナ水和物微粒子の分散液に含まれるアルミニウムとアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの重量比はNH/Al換算基準で0.0005〜0.2の範囲となるように、前記アンモニア源の添加、あるいはアンモニア水による洗浄を行うことがより好ましい。
前記重量比が前記範囲を外れると基材との密着性が不十分となったり、アルミナ水和物微粒子層の強度が低下する場合があるので好ましくない。
前記アルミナ水和物微粒子の分散液のpHは9〜12、より好ましくは9〜11の範囲にあることが好ましい。前記pHが9未満の場合には該分散液に含まれるアルミナゲルが小さくなり、その後の工程でフィルターが詰まり洗浄が困難となる場合があるので好ましくない。前記pHが12を超えるとアルミナ水和物微粒子の結晶構造がバイヤライト型となる場合があり、該アルミナ水和物微粒子を用いて得られるアルミナ水和物微粒子層の密着性、強度が低下する場合があるので好ましくない。
前記pHはアンモニアの添加量やあるいはアルカリ性アルミニウム塩水溶液と酸性物質との反応量などにより調整すればよい。
工程(II)
この工程では、前記工程(I)により得られた混合分散液に無機酸および/または有機酸を加えて、pH3〜6の範囲に調整し、50〜200℃の温度にて加熱することによりアルミナ水和物微粒子分散液を調製する。
前記無機酸としては硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、フッ化水素酸などが挙げられる。
前記有機酸としてはギ酸、酢酸、ブタン酸、プロピオン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、9-ヘキサデセン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、グリコール酸、クエン酸、りんご酸、乳酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、しゅう酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、フタル酸などが挙げられる。
この時のpHは3〜6、より好ましくは3.5〜5.5の範囲にあることが好ましい。
前記pHが3未満の場合にはアルミナ水和物微粒子分散液に含まれるアルミナ水和物微粒子の少なくとも一部が溶解し、これを用いて得られるアルミナ水和物微粒子層にクラックが発生する場合があり、前記pHが6を超えるとアルミナ水和物微粒子の2次粒子径が大きくなり、分散性や安定性が低下し、アルミナ水和物微粒子層の強度が低下するので好ましくない。
前記加熱は50〜200℃、より好ましくは50〜100℃で加熱することにより行うことが好ましい。
前記温度が50℃未満の場合には解膠が不均一となり、大きなアルミナ水和物微粒子の二次粒子が残存し、アルミナ水和物微粒子層の基材との密着性、強度が低下し、クラックが発生する場合がある。
また、前記加熱温度が200℃を超えるとアルミナ水和物微粒子の一次粒子の平均長さ(L)、平均幅(W)およびアスペクト比が前記した範囲を外れることになり、得られるアルミナ水和物微粒子層の基材との密着性が不十分となり、容易に剥離する場合があり、加えてアルミナ水和物微粒子層の強度が不十分となる場合がある。
前記加熱の時間は1〜10時間の範囲にあることが好ましい。前記加熱の時間が1時間未満の場合には、解膠が不十分となる場合があり、アルミナ水和物微粒子の二次粒子径が増大して得られるアルミナ水和物微粒子層の基材との密着性、強度が低下する場合があるので好ましくない。
また、前記加熱の時間が10時間を越えると、アルミナ水和物微粒子は充分解膠されるのでそれ以上解膠する効果が少なく、生産性が低下する場合があるので好ましくない。
前記無機酸および有機酸としては工程(II)に記載したものと同様のものを使用することができる。
また、最も好ましい形態としては、本工程にてギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸より選ばれた1種以上の有機酸を用いることが好ましい。
このような有機酸を用いて解膠したアルミナ水和物微粒子を用いると、アルミナ水和物微粒子層の細孔を閉塞することが少なく、このためアルミナ水和物微粒子層の機能(吸着機能、触媒機能等)が向上するのでより好ましい。
最も好ましい形態としては、前記工程(II)で無機酸、好ましくは硝酸を使用したのちに、本工程(III)にて有機酸、好ましくは乳酸を使用すると、保水性、分散性、安定性等に優れたアルミナ水和物微粒子を含む分散液を得ることができる。
アルミナ水和物微粒子分散液の濃度は固形分して0.5〜25重量%、より好ましく1〜15重量%であることが好ましい。
本発明に係るアルミナ水和物微粒子粉末は、前記工程(I)〜(III)のいずれかの工程で得られ、前記した一次粒子の平均長さ(L)、平均幅(W)、長さと径の比(L)/(W)および平均二次粒子径を有するアルミナ水和物微粒子分散液を、噴霧乾燥等の方法で乾燥することによって製造することができる。
[アルミナ水和物微粒子分散液]
本発明に係るアルミナ水和物微粒子分散液は前記アルミナ水和物微粒子が水および/または有機溶媒に分散している。
分散媒
分散媒としては、通常、水を用いるが、用途、用法によっては有機溶媒を用いることもでき、水と混合して用いることもできる。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプルピル、酢酸プルピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールモノアセテート等のエステル類、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプルピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プルピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類を含む親水性溶媒、酢酸プルピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールものアセタートなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;トルエン等極性溶媒が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
アルミナ水和物微粒子分散液の濃度(C)は固形分として0.5〜25重量%、さらには1〜15重量%の範囲にあることが好ましい。
アルミナ水和物微粒子分散液の濃度(C)が固形分として0.5重量%未満の場合は、分散液の安定性には優れるものの、この分散液を用いて、後述するアルミナ水和物微粒子層を形成すると、膜厚が薄くなり、膜の強度が不十分となる場合があり、また、所定の膜厚にするには繰り返し塗工を行う必要が生じて、経済的ではない。
アルミナ水和物微粒子分散液の濃度(C)が固形分として25重量%を超えるとアルミナ水和物微粒子分散液の安定性が不十分となる。また、このような分散液を用いて、後述するアルミナ水和物微粒子層を形成すると、基材との密着性が不十分となり、容易に剥離する場合があり、強度も不十分となる場合がある。
安定化剤
アルミナ水和物微粒子分散液には安定化剤が含まれていることが好ましい。
安定化剤としては、有機酸が用いられ、なかでもカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸が好適に用いられ、このようなカルボン酸としては、蟻酸、酢酸、蓚酸、アクリル酸、グルコン酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、α−乳酸、β−乳酸、γ−ヒドロキシ吉草酸、グリセリン酸、酒石酸、クエン酸、トロパ酸、ベンジル酸等が挙げられる。
アルミナ(水和物)微粒子分散液中の安定化剤の濃度(C)は0.06〜6重量%、さらには1〜5重量%の範囲にあることが好ましい。
アルミナ水和物微粒子分散液中の安定化剤の濃度(C)が前記範囲にない場合は、アルミナ水和物微粒子の濃度によっても異なるが、アルミナ水和物微粒子分散液の安定性が不充分となり、後述する、基材上にアルミナ水和物微粒子層を形成する場合に塗工性が低下したり、基材への密着性が不充分となる場合がある。
つぎに、アルミナ水和物微粒子分散液中の安定化剤の濃度(C)と前記アルミナ水和物微粒子の濃度(C)との濃度比(C)/(C)が0.01〜0.5、さらには0.01〜0.20の範囲にあることが好ましい。
前記濃度比(C)/(C)が0.01未満の場合はアルミナ水和物微粒子が高分散しないためか、アルミナ水和物微粒子分散液の粘度が大きく上昇することはないが、アルミナ水和物微粒子層を形成した場合、基材との密着性が不十分となり、また結合力が不十分となるためかアルミナ水和物微粒子層の強度が不十分となる場合がある。
前記濃度比(C)/(C)が0.5を越えると、アルミナ水和物微粒子分散液の粘度が上昇し、安定性が不充分となる。また、アルミナ水和物微粒子層を形成する場合に塗工性が低下したり、基材への密着性が低下し、形成されるアルミナ水和物微粒子層が容易に剥離する場合がある。
なお、前記安定化剤の濃度には、前記したアルミナ水和物微粒子分散液の調製時に工程(III)で解膠剤として使用した酸と同一であってもこれを含まない。
無機酸化物粒子
前記アルミナ水和物微粒子分散液には、後述するアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材の微粒子層にアルミナ水和物またはアルミナ以外の機能を付与するために無機酸化物粒子を含んでいてもよい。
無機酸化物粒子としては、吸着剤、触媒あるいは触媒担体等として用いられる従来公知の無機酸化物粒子を用いることができる。
例えば、SiO2、A1、TiO2、WO3、MoO3等の酸化物、SiO2−A1、SiO2−ZrO、SiO2−TiO2、WO3−TiO2、SiO2−TiO2などの二元系複合酸化物、さらには、WO3−SiO2−TiO2、MoO3−SiO2−TiO2などの三元系複合酸化物などが挙げられる。
また、無機酸化物粒子は結晶性の無機酸化物も好適に用いることができる。
結晶性無機酸化物粒子としては、前記無機酸化物で結晶性を有するものに加え、結晶性アルミノシリケート(いわゆるゼオライト)、結晶性シリコアルミノフォスフェート、結晶性アルミノフォスフェート等が挙げられる。
結晶性アルミノシリケートとしては、フォージャサイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ZSM−5ゼオライト等が挙げられる。
無機酸化物粒子の平均粒子径は、アルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層を形成した際には密着性良く、剥離することなく微粒子層を形成できれば特に制限はないが、無定型の無機酸化物粒子の場合は0.05〜100μm、さらには0.1〜80μmの範囲にあることが好ましい。
無定型無機酸化物粒子の平均粒子径が0.05μm未満の場合はアルミナ水和物微粒子分散液の安定性が不十分となり、微粒子層が容易に剥離する場合がある。
無定型無機酸化物粒子の平均粒子径が100μmを越えると、密着性が低下し、容易に剥離する場合がある。また、アルミナ水和物微粒子分散液を静置した場合、容易に粒子が沈降し、均一で、密着性に優れた微粒子層を形成することが困難である。
また、無機酸化物粒子が結晶性無機酸化物粒子の場合は、平均粒子径が0.2〜10μm、さらには0.5〜7μmの範囲にあることが好ましい。
結晶性無機酸化物粒子の平均粒子径が0.2μm未満の場合は、結晶性無機酸化物粒子を含むアルミナ水和物微粒子層またはアルミナ微粒子層を形成した場合にクラックが発生する場合がある。
結晶性無機酸化物粒子の平均粒子径が10μmを超えると、密着性良くアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層を形成できない場合があり、微粒子層の強度、耐摩耗性等が不充分となる場合がある。
本発明での無機酸化物粒子の平均粒子径は、無機酸化物粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影し、任意の100個の粒子について粒子径を測定し、その平均値として求める。
無機酸化物粒子には、触媒性能、抗菌性能等の機能を有する金属成分を担持して用いることもできる。
金属成分としては、例えば、Fe、Ru、Co、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Wo、Mo等の金属、金属化合物、これらの複合金属等が挙げられる。
このような金属成分の含有量は、反応の種類、用法等によっても異なるが、通常、金属含有無機酸化物粒子中に金属として0.1〜20重量%、さらには、0.2〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
金属成分は、無機酸化物粒子に予め含浸法、混練法、イオン交換法等の従来公知の方法で金属成分を担持して用いるが、アルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層形成した後、金属成分を担持することもできる。
つぎに、アルミナ水和物微粒子分散液が、前記無機酸化物粒子を含む場合、分散液の濃度は固形分として6〜45重量%、さらには10〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
アルミナ水和物微粒子分散液の濃度が固形分として6重量%未満の場合は、微粒子層の厚みを厚くするために高頻度で塗布と乾燥を繰り返す必要があり、生産性が低下するとともに、微粒子層の基材との密着性、強度が不十分となる場合がある。
アルミナ水和物微粒子分散液の濃度が固形分として45重量%を越えると、粘度が高すぎて成型法以外の塗布法、浸漬法等によるアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層の形成が困難となる場合がある。
アルミナ水和物微粒子分散液中の無機酸化物粒子の濃度は固形分として5〜40重量%、さらには10〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
アルミナ水和物微粒子分散液中の無機酸化物粒子の濃度が固形分として5重量%未満の場合は、アルミナ水和物微粒子の濃度が高い場合に得られるアルミナ水和物微粒子層中の無機酸化物粒子の含有量が少なくなり無機酸化物粒子を配合する効果が不十分となる場合がある。
アルミナ水和物微粒子分散液中の無機酸化物粒子の濃度が固形分として40重量%を越えると、アルミナ水和物微粒子が少なくなり、得られる微粒子層の基材との密着性が不十分となり、容易に剥離する場合があり、強度も不十分となる場合がある。
本発明のアルミナ水和物微粒子分散液は、固形分濃度を8重量%に調整した場合のpHが3〜7、さらには3.5〜5の範囲にあることが好ましい。
アルミナ水和物微粒子分散液の固形分濃度を8重量%に調整したときのpHが3未満になることはなく、仮になった場合はアルミナ水和物微粒子が少なくとも一部が溶解し、得られる微粒子層の強度が不十分となる場合がある。
アルミナ水和物微粒子分散液の固形分濃度を8重量%に調整したときのpHが7を越えると、アルミナ水和物微粒子分散液の粘度が上昇して塗工性が低下したり、基材への密着性が不充分となる場合がある。
また、アルミナ水和物微粒子分散液は、6〜45重量%の範囲にある分散液の固形分濃度を8重量%に濃縮あるいは希釈して調整したときの粘度が1000cp以下、さらには500cp以下であることが好ましい。
粘度が1000cpを越えると、粘度が高すぎて塗布法、浸漬法により均一に塗布できない場合がある。
上記アルミナ水和物微粒子分散液の粘度は、粘度計(東機産業株式会社製:TVB-10)を用いて測定する。
[アルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材]
つぎに、本発明に係るアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材について説明する。
本発明に係るアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材は、基材と、基材上形成されたアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層とからなり、該微粒子層が前記したアルミナ水和物微粒子分散液を塗布して形成されたことを特徴としている。
基材
基材としては、特に制限はなく、用途、用法によって適宜選択することができる。
例えば、木材、金属、プラスチック、ステンレス、硝子等のセラミックス等を用いることができる。
アルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材の製造方法
本発明に係る微粒子層付基材の製造方法は、前記したアルミナ水和物微粒子分散液を基材に塗布し、乾燥し、必要に応じて加熱処理する。すなわち、通常の押出し成型法以外の方法を意味し、例えば、バーコーター法、ディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、グラビアコート法、スリットコート法等の塗布方法が挙げられる。
塗布方法は、アルミナ水和物微粒子分散液の粘度、基材の種類、微粒子層の厚み、用途、用法等によって適宜選択することができる。
塗布した後、ついで、乾燥するが、乾燥方法は、基材に密着性良く微粒子層を形成でき、水等の分散媒を実質的に除去できれば特に制限は無く、従来公知の方法、条件を採用することができる。通常、乾燥温度範囲は80〜120℃程度であり、乾燥時間は温度によっても異なるが0.5〜10時間程度である。
ついで、加熱処理するが、加熱処理方法は、アルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層の機能が充分に発揮でき、基材の材質(耐熱性等)、微粒子層と基材との密着性、硬度等を考慮して適宜設定することが好ましい。
通常、加熱処理は120℃以上、さらには300〜800℃程度で行われる。
ここで、加熱処理温度が概ね300℃以下の場合、微粒子層はアルミナ水和物微粒子の層であり、これを超えると実質的に水あるいは水酸基が無くなりアルミナ微粒子層となる。
得られる微粒子層中のアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子の含有量は固形分として3重量%以上、さらには10〜100重量%の範囲にあることが好ましい。
微粒子層中のアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子の含有量が前記範囲にない場合は、無機酸化物粒子の粒子径、含有量等によっても異なるが、微粒子層と基材との密着性、微粒子層の強度が不十分となる場合がある。
前記加熱処理後、金属成分を用いた場合は、必要に応じて還元処理することもできる。
また、アルミナ水和物微粒子分散液が金属成分を含まない場合、すなわち、アルミナ水和物微粒子も無機酸化物粒子も金属成分を含まず、用途によって金属成分を必要とする場合は、加熱処理後、従来公知の方法で前記した金属成分を担持することができる。
アルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層の厚みは用途、用法によっても異なるが、50nm〜5mm、さらには100nm〜1mmの範囲にあることが好ましい。
微粒子層の厚みが50nm未満の場合は微粒子層の硬度、耐擦傷性等が不十分となるほか抗菌材、消臭剤、防黴剤、吸着剤、触媒、放熱材等としての性能が不足する場合がある。
微粒子層の厚みが5mmを超えても微粒子層の強度、耐摩耗性、基材との密着性等が不充分となる場合があり、またクラックを生じる場合がある。
得られるアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材は、基材上の微粒子層の剥離性が、超音波照射法で測定した場合に、5%以下であることが好ましい。剥離性が5%以下であると、実質的に機能が損なわれることはなく、抗菌材、消臭剤、防黴剤、吸着剤、触媒、放熱材等として好適に用いることができる。
以下、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
アルミナ水和物微粒子(1)粉末の調製
アルミン酸ソーダ水溶液(Alとしての濃度3重量%)12.7kgを撹拌しながら、これに濃度26重量%のグルコン酸ソーダ水溶液500gを添加し、硫酸アルミニウム水溶液(Alとしての濃度1.5重量%)28kgを5分間かけて添加してアルミナヒドロゲルを調製した。このアルミナヒドロゲルの温度は60℃で、pHは9.5であった。その後、撹拌を停止し、60℃で90分間熟成を行った。次いで、フィルターにて、生成したアルミナヒドロゲルを濾過し、濃度1.5重量%のアンモニア水によって洗浄した。得られたアルミナヒドロゲル中のアルカリおよび硫酸根の残存量は、NaOとして0.022重量%、SOとして0.062重量%(いずれも乾燥したアルミナヒドロゲル粉末基準)であった。洗浄したアルミナヒドロゲルに水を加えてAlとして8.0重量%に調整し、これに濃度15重量%のアンモニア水を加えてpHを11.2に調整し、90℃で10時間熟成を行って、アルミナ水和物微粒子分散液を調製した。(工程1)
ついでこの分散液を95℃に加熱し、濃度100重量%の酢酸160gを添加してpH4.5に調整し、分散液の温度を95℃に維持しながら5時間攪拌熟成を行い、アルミナ水和物微粒子分散液を作成した。(工程2)
ついで、このアルミナ水和物微粒子分散液を35℃に冷却し、純水を加えて固形分(Al)としての濃度4.0重量%のアルミナ水和物微粒子(1)分散液を調製した。
次に、噴霧乾燥器により、噴霧乾燥域に供給する熱風の温度が250℃、乾燥域からの排出ガスの温度が100±10℃の範囲に調整しながら、固形分(Al)としての濃度4.0重量%のアルミナ水和物微粒子(1)分散液を供給して噴霧乾燥し、アルミナ水和物微粒子(1)粉末を得た。
得られたアルミナ水和物微粒子(1)粉末のTEM写真を測定し、一次粒子の平均長さ(L)、平均幅(W)および平均二次粒子径を測定し、アスペクト比と合わせて結果を表に示す。
また、X線回折により結晶形および結晶子径を測定し、結果を表に示す。
アルミナ水和物微粒子(1)分散液の調製
アルミナ水和物微粒子(1)粉末(Al含有量74重量%)92.4g、イオン交換水207gを混合して、固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(1)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(1)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(1)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ水和物微粒子層付基材(1)の調製
固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(1)分散液にガラス基材(100mm×100mm)を浸漬し、速度80mm/分で引き上げた後、120℃で4時間乾燥し、この操作を2回繰り返してアルミナ水和物微粒子層付基材(1)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(1)について、厚みを測定し、また、以下の方法で剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(1)の調製
アルミナ水和物微粒子層付基材(1)を、空気中、600℃で2時間加熱処理を行い、アルミナ微粒子層付基材(1)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(1)についても同様に厚みを測定し、また、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
剥離性の測定
アルミナ水和物微粒子(1)分散液に浸漬する前のガラス基材を200℃で2時間乾燥し、デシケータ中で冷却し、基材(1)の重量(W0)を測定した。
別途、アルミナ水和物微粒子層付基材(1)を200℃で2時間乾燥し、デシケータ中で冷却し、アルミナ水和物微粒子層付基材(1)の重量(W1)を測定した。乾燥したアルミナ水和物微粒子層付基材(1)を水に浸漬し、28KHzの超音波照射処理を10分間実施した。超音波処理後、200℃で2時間乾燥し、デシケータ中で冷却した後の重量(W2)を測定し、以下の式に従って剥離率を求め、結果を表に示す。
剥離率(%)=(W−W)×100/(W−W
鉛筆硬度
JIS−K−5400に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。
[実施例2]
アルミナ水和物微粒子(2)分散液の調製
実施例1と同様にして調製したアルミナ水和物微粒子(1)粉末(Al含有量74重量%)10g、イオン交換水226gを混合して、これに無機酸化物粒子(1)としてゼオライト(日揮触媒化成(株)製:NaY、SiO/Alモル比=5、平均粒子径=1.2μm)60gを混合し、充分に撹拌して固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(2)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(2)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(2)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ水和物微粒子層付基材(2)の調製
固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(2)分散液にガラス基材(100mm×100mm)を浸漬し、速度80mm/分で引き上げた後、120℃で4時間乾燥し、この操作を2回繰り返してアルミナ水和物微粒子層付基材(2)を調製した。
得られたアルミナ水和物微粒子層付基材(2)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(2)の調製
アルミナ水和物微粒子層付基材(2)を、空気中、600℃で2時間加熱処理を行い、アルミナ微粒子層付基材(2)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(2)について、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[実施例3]
アルミナ水和物微粒子層付基材(3)の調製
実施例2において、固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(2)分散液にPET基材(100mm×100mm)を浸漬し、速度80mm/分で引き上げた後、120℃で4時間乾燥し、この操作を2回繰り返してアルミナ水和物微粒子層付基材(3)を調製した。
得られたアルミナ水和物微粒子層付基材(3)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[実施例4]
アルミナ水和物微粒子(4)分散液の調製
実施例1と同様にして調製したアルミナ水和物微粒子(1)粉末(Al含有量74重量%)81.1g、イオン交換水298.9gを混合して、これに無機酸化物粒子(1)を 20gを混合し、充分に撹拌して固形分濃度20重量%のアルミナ水和物微粒子(4)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(4)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(4)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(4)の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(4)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(4)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(4)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[実施例5]
アルミナ水和物微粒子(5)分散液の調製
実施例1と同様にして調製したアルミナ水和物微粒子(1)粉末(Al含有量74重量%)5.4g、イオン交換水274.6gを混合して、これに無機酸化物粒子(1)120gを混合し、充分に撹拌して固形分濃度31重量%のアルミナ水和物微粒子(5)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(5)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(5)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(5)の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(5)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(5)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(5)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[実施例6]
アルミナ水和物微粒子(6)分散液の調製
実施例1と同様にして調製したアルミナ水和物微粒子(1)粉末(Al含有量74重量%)10g、イオン交換水226gを混合して、これに無機酸化物粒子(2)としてゼオライト(日揮触媒化成(株)製:NaY、SiO/Alモル比=5、平均粒子径=2.5μm)60gを混合し、充分に撹拌して固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(6)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(6)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(6)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(6)の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(6)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(7)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(6)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[実施例7]
アルミナ水和物微粒子(7)分散液の調製
実施例1と同様にして調製したアルミナ水和物微粒子(1)粉末(Al含有量74重量%)10g、イオン交換水226gを混合して、これに無機酸化物粒子(3)としてゼオライト(日揮触媒化成(株)製:ZSM−5型、SiO/Alモル比=30、平均粒子径2μm)60gを混合し、充分に撹拌して固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(7)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(7)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(7)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(7)の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(7)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(7)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(7)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[実施例8]
アルミナ水和物微粒子(8)粉末の調製
実施例2の工程1において、90℃で2時間熟成を行った以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(8)粉末を調製した。
得られたアルミナ水和物微粒子(8)粉末について、一次粒子の平均長さ(L)、平均幅(W)および平均二次粒子径を測定し、アスペクト比と合わせて結果を表に示す。また、結晶形および結晶子径を測定し、結果を表に示す。
アルミナ水和物微粒子(8)分散液の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(8)粉末(Al含有量74重量%)10g、を用いた以外は同様にして固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(8)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(8)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(8)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(8)の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(8)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(8)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(8)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[実施例9]
アルミナ水和物微粒子(9)粉末の調製
実施例2の工程1において、90℃で20時間熟成を行った以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(9)粉末を得た。
得られたアルミナ水和物微粒子(9)粉末について、一次粒子の平均長さ(L)、平均幅(W)および平均二次粒子径を測定し、アスペクト比と合わせて結果を表に示す。また、結晶形および結晶子径を測定し、結果を表に示す。
アルミナ水和物微粒子(9)分散液の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(9)粉末(Al含有量74重量%)10g、を用いた以外は同様にして固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(9)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(9)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(9)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(9)の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(9)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(9)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(9)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[実施例10]
アルミナ水和物微粒子(10)粉末の調製
実施例2の工程2において、濃度100重量%の酢酸80gを添加し、pH4.8に調整した以外は同様にしてアルミナ水和物粒子(10)粉末を得た。
得られたアルミナ水和物微粒子(10)粉末について、結晶子径、一次粒子の平均長さ(L)、平均幅(W)および平均二次粒子径を測定し、アスペクト比と合わせて結果を表に示す。
アルミナ水和物微粒子(10)分散液の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(10)粉末(Al含有量74重量%)10g、を用いた以外は同様にして固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(10)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(10)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(10)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(10)の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(10)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(10)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(10)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[実施例11]
アルミナ水和物微粒子(11)粉末の調製
実施例2の工程2において、濃度100重量%の酢酸320gを添加し、pH4.4に調整した以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(11)粉末を得た。
得られたアルミナ水和物微粒子(11)粉末について、一次粒子の平均長さ(L)、平均幅(W)および平均二次粒子径を測定し、アスペクト比と合わせて結果を表に示す。また、結晶形および結晶子径を測定し、結果を表に示す。
アルミナ水和物微粒子(11)分散液の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(11)粉末(Al含有量74重量%)10g、を用いた以外は同様にして固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(11)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(11)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(11)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(11)の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(11)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(11)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(11)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[実施例12]
アルミナ水和物微粒子(12)粉末の調製
実施例2の工程1において、80℃で20時間熟成した以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(13)粉末を得た。
得られたアルミナ水和物微粒子(12)粉末について、一次粒子の平均長さ(L)、平均幅(W)および平均二次粒子径を測定し、アスペクト比と合わせて結果を表に示す。また、結晶形および結晶子径を測定し、結果を表に示す。
アルミナ水和物微粒子(12)分散液の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(12)粉末(Al含有量74重量%10g、を用いた以外は同様にして固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(12)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(12)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(12)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(12)の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(12)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(12)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(12)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[実施例13]
アルミナ水和物微粒子(13)粉末の調製
実施例2の工程1において、130℃で1時間熟成した以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(13)粉末を得た。
得られたアルミナ水和物微粒子(13)粉末について、一次粒子の平均長さ(L)、平均幅(W)および平均二次粒子径を測定し、アスペクト比と合わせて結果を表に示す。また、結晶形および結晶子径を測定し、結果を表に示す。
アルミナ水和物微粒子(13)分散液の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(13)粉末(Al含有量85重量%)8.6g、を用いた以外は同様にして固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(13)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(13)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(13)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(13)の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(13)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(13)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(13)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[実施例14]
アルミナ微粒子層付基材(14)の調製
実施例2と同様にして調製した固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(2)分散液をガラス基材(100mm×100mm)上にバーコーター法(バー#150)で塗布し、80℃で2時間乾燥した後、600℃で2時間加熱処理してアルミナ微粒子層付基材(14)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(14)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[比較例1]
アルミナ水和物微粒子(R1)粉末の調製
実施例1において、洗浄したアルミナヒドロゲルに水を加えてAlとして8.0重量%に調整し、これに濃度15重量%のアンモニア水を加えてpHを11.2に調整した後、熟成をしなかった以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(R1)の粉末を得た。
得られたアルミナ水和物微粒子(R1)粉末について、一次粒子の平均長さ(L)、平均幅(W)および平均二次粒子径を測定し、アスペクト比と合わせて結果を表に示す。また、結晶形および結晶子径を測定し、結果を表に示す。
アルミナ水和物微粒子(R1)分散液の調製
実施例1において、アルミナ水和物微粒子(R1)粉末(Al含有量74重量%)92.4g、を用いた以外は同様にして固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(R1)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(R1)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(R1)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(R1)の調製
実施例1において、アルミナ水和物微粒子(R1)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(R1)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(R1)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[比較例2]
アルミナ水和物微粒子(R2)分散液の調製
実施例2において、比較例1と同様にして調製したアルミナ水和物微粒子(R1)粉末(Al含有量74重量%)10g、を用いた以外は同様にして固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(R2)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(R2)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(R2)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(R2)の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(R2)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(R2)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(R2)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[比較例3]
アルミナ水和物微粒子(R2)粉末の調製
実施例1において、洗浄したアルミナヒドロゲルに水を加えてAlとして8.0重量%に調整し、これに濃度15重量%のアンモニア水を加えてpHを11.2に調整した後、150℃で5時間熟成を行った以外は同様にしてしてアルミナ水和物微粒子(R2)の粉末を得た。
得られたアルミナ水和物微粒子(R2)粉末について、一次粒子の平均長さ(L)、平均幅(W)、アスペクト比および平均二次粒子径を測定し、結果を表に示す。また、結晶形および結晶子径を測定し、結果を表に示す。
アルミナ水和物微粒子(R3)分散液の調製
実施例1において、アルミナ水和物微粒子(R3)粉末(Al含有量85重量%)80.4g、を用いた以外は同様にして固形分濃度23.8重量%のアルミナ水和物微粒子(R3)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(R3)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(R3)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(R3)の調製
実施例1において、アルミナ水和物微粒子(R3)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(R3)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(R3)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
[比較例4]
アルミナ水和物微粒子(R4)分散液の調製
実施例2において、比較例3と同様にして調製したアルミナ水和物微粒子(R3)粉末(Al含有量85重量%)8.6g、を用いた以外は同様にして固形分濃度22.8重量%のアルミナ水和物微粒子(R4)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(R4)分散液について、水を加えて希釈し、充分に撹拌して形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(R4)分散液を調製し、粘度およびpHを測定し、結果を表に示す。
アルミナ微粒子層付基材(R4)の調製
実施例2において、アルミナ水和物微粒子(R4)分散液を用いた以外は同様にしてアルミナ微粒子層付基材(R4)を調製した。
得られたアルミナ微粒子層付基材(R4)について、厚み、剥離性および硬度を測定し、結果を表に示す。
Figure 2014062011
Figure 2014062011
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Claims (10)

  1. 擬ベーマイト型結晶構造を有するアルミナ水和物微粒子粉末であって、該アルミナ水和物微粒子の一次粒子の平均長さ(L)が10〜20nmの範囲にあり、平均幅(W)が5〜10nmの範囲にあり、長さと径の比(L)/(W)が1.2〜4の範囲にあり、光散乱法で測定した平均二次粒子径が100〜1,000nmの範囲にあることを特徴とするアルミナ水和物微粒子粉末。
  2. 前記アルミナ水和物微粒子の結晶子径が5〜10nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のアルミナ水和物微粒子粉末。
  3. 請求項1または2に記載のアルミナ水和物微粒子が水および/または有機溶媒に分散し、アルミナ水和物微粒子の濃度(C)が固形分として0.5〜25重量%の範囲にあることを特徴とするアルミナ水和物微粒子分散液。
  4. さらに、安定化剤を含み、該安定化剤の濃度(C)が0.06〜6重量%の範囲にあり、前記アルミナ水和物微粒子の濃度(C)との濃度比(C)/(C)が0.01〜0.5の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載のアルミナ水和物微粒子分散液。
  5. さらに、無機酸化物粒子を含み、該無機酸化物粒子の濃度が固形分として5〜40重量%の範囲にあることを特徴とする請求項3または4に記載のアルミナ水和物微粒子分散液。
  6. 前記分散液の固形分濃度を8重量%に調整したときのpHが3〜7の範囲にあり、粘度が1000cp以下であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のアルミナ水和物微粒子分散液。
  7. 前記安定化剤が有機カルボン酸であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のアルミナ水和物微粒子分散液。
  8. 基材と、基材上に形成されたアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層とからなり、該微粒子層が請求項3〜7のいずれかに記載のアルミナ水和物微粒子分散液を塗布して形成されたことを特徴とするアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材。
  9. 前記アルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層の厚みが50nm〜5mmの範囲にあることを特徴とする請求項8に記載のアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材。
  10. 前記基材上のアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層の剥離性が、超音波照射法で測定した場合に、5%以下であることを特徴とする請求項8または9に記載のアルミナ水和物微粒子またはアルミナ微粒子層付基材。
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