JP2014060209A - 薄膜太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池モジュールおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 太陽電池モジュールにおける封止材の接着強度を高める。
【解決手段】 本発明のある実施形態の薄膜太陽電池モジュールである薄膜太陽電池モジュール1000は、表面保護材132、第1封止材シート122、薄膜太陽電池100、第2封止材シート124および表面保護材134を備えている。薄膜太陽電池の可撓性基板8の前面8A側に第1封止材シートを配置し、第1封止材シート122を通してレーザーL1を前面8A側から照射することにより、前面において基板の材質が露出している部分(基板露出部)または基板において発電領域110をなす膜と第1封止材シート122とを熱融着させた前面レーザー融着部200が形成される。前面レーザー融着部は、基板の前面における発電領域を除く平面領域である非発電領域の少なくとも一部に形成される。
【選択図】図4

Description

本発明は薄膜太陽電池モジュールおよびその製造方法に関する。さらに詳細には本発明は、耐久性を高めた薄膜太陽電池モジュールおよびその製造方法に関する。
近年、太陽光により発電を行なう太陽電池すなわち太陽電池システムが開発されている。太陽光発電システムのための太陽電池モジュールは、太陽電池の主要な部品であり、通常、封止材および表面保護材により光電変換素子を内部に封止または内包することにより、耐久性を高めるように作製される。太陽電池モジュールに採用する光電変換素子としては、製造時に使用される材料が少ない薄膜系の光電変換素子が注目されている。これらの光電変換素子の構造として一般的なものは、フィルム基板やガラス基板の一方の面において個別化された単位セルが直列接続され集積化されているモノリシック構造と呼ばれるものである。この個別化は、パターニングまたはスクライブを行ない光電変換や電極層などを平面内で区切ることにより行なわれる。その一例として、フィルム基板の両面をつなぐ貫通孔(通電性貫通孔)を経由し電気的な接続をとるSCAF構造(Series Connection through Apertures formed on Film)と呼ぶ光電変換素子も実用化されている(例えば、特許文献1:特開2006−49541号公報)。
図1に、代表的な太陽電池モジュール9000の概略構造を分解斜視図により示す。ここで、光電変換素子900は、表面保護材932および934により保護されている。表面保護材932は光が入射する受光面側に配置され、透光性のあるガラス基板や、耐候性に優れたフッ素系樹脂(例えば、ETFE:テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体)が採用される。また、その逆の背面側の表面保護材934には、表面保護材932と同様の材質のほかにも、鋼板などの非透光性の部材が採用されることもある。
封止材922および924は、表面保護材932および934を光電変換素子900に対しラミネートし封止するために用いられる。封止材922、924、および表面保護材932、934の役割は、例えば、設置環境における外界の水分や酸素、衝撃などから光電変換素子を保護したり、電気的な絶縁性を確保したりすることである。また、例えば背面側の表面保護材934が鋼板である場合には、封止材924には、鋼板の表面塗装の塗料成分が光電変換素子900に到達するのをバリアする作用が求められる。このように、封止材922、924、表面保護材932、934の材質は、様々な要件を充足する必要がある。封止材922、924の材質は、これらの目的を満たすため、例えばEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)やポリオレフィン等とされる。
これらの保護性能を強化するために、光電変換素子からみて受光面側と背面側のいずれかまたは両面に、例えば防湿シートなど、バリアシートまたはバリアフィルムとも呼ばれる追加シートまたは追加フィルム(いずれも図示しない)が配置され封止材により封止されることもある。
特開2006−49541号公報
太陽電池モジュールの長期信頼性を確保するためには、光電変換素子と封止材との間の界面や、封止材と表面保護材との間の界面において十分な接着性を長期間維持する必要がある。接着性が不十分であったり時間とともに劣化したりすると、デラミネーション(剥離)を引き起こしその後の耐久性に悪影響を及ぼしかねないためである。図2に、従来の太陽電池モジュールにおける界面を示している。光電変換素子900が例えばシリコン系の薄膜光電変換素子である場合には、典型的な接着界面は、次の界面A〜Eである。ここでは、図1に明示していないバリアフィルムなどの追加シート942および944を採用する場合を例に説明する。
界面Aは、受光面における光電変換素子900の導電性酸化物(典型的にはIn系またはZn系の透明導電膜)と封止材922との界面である。また、界面Bは、光電変換素子900の背面側における封止材924との界面である。界面Bをなす封止材924以外の部材は、光電変換素子900の背面側表面が基板である場合にはその基板であり、基板に金属膜が形成されている場合には、その金属膜である。ここで、封止材922、924は上述したように、EVA等の材質のフィルムである。追加封止材926Aおよび926Bは、追加シート942および944と表面保護材932および表面保護材934との間に配置される封止材のフィルムである。界面Cは、追加封止材926Aと表面保護材932との間や追加封止材926Bと表面保護材934との間の境界である。なお、受光面側と背面側とにおける表面保護材932、934が互いに異なる場合もある。その場合、背面側の追加封止材926Bと表面保護材934との界面(ここでは、界面C´と記す)と界面Cとは材質の組合せが異なる。界面Dは、その追加シート942と封止材922または追加封止材926Aとの界面である。受光面側および背面側のバリアフィルムを区別する場合には、背面側の追加シート944と封止材924または追加封止材926Bの界面を界面D´と呼ぶ。界面Eは、封止材922と封止材924との界面や、封止材922と追加封止材926A、封止材924と追加封止材926Bの界面である。なお、追加シート942および944が採用されない構成では、界面DおよびD´は、それぞれ、追加封止材926Aと封止材922、追加封止材926Bと封止材924の界面である界面CおよびC´と同一となり、界面Eは封止材922と封止材924の界面のみとなる。
直列接続によりモノリシック構造に集積化されている光電変換素子900を一般的な手法により封止または内包する処理をした太陽電池モジュール9000の場合、実使用環境への長時間の暴露において耐久性に問題が生じかねないという課題がある。具体的には、界面Aにおいて剥離が生じたり、水分の浸入により電極膜が剥離したり、酸化による劣化が発生したりすることがある。これらの耐久性の低下に影響する可能性のある原因は、例えば、最も接着性が高い界面Eが光電変換素子900の周辺部にしか存在せず、高い信頼性が維持できないためである。また、太陽電池モジュール9000の構造の場合に通常の用途において耐久性に問題が生じるとはいえなくても、太陽電池モジュールの使用可能な環境をさらに広汎なものとするためなどの理由から、可能な限り耐久性を高めたいという要請もある。
本発明は上記問題点の少なくともいずれかを解決するためになされたものである。本発明は、耐久性を高めるべく封止材との接着性を高め、デラミネーションを効果的に防止する薄膜太陽電池モジュールおよびその製造方法を提供することにより、太陽光発電システムの信頼性を向上させることに貢献するものである。
本願の発明者は、レーザーによる熱融着を利用することにより、封止材を接着する接着力を高めうることを実験的に発見した。そしてその実験事実を、上記課題の解決のために利用することを着想し、本発明を創出するに至った。
すなわち、本発明のある態様においては、可撓性基板の前面の上に発電領域をなす膜が形成されている薄膜太陽電池を内包する薄膜太陽電池モジュールであって、前記可撓性基板からみて前記前面の側に配置された第1封止材シートと、該可撓性基板の該前面における前記発電領域を除く平面領域である非発電領域の少なくとも一部に対し前記第1封止材シートを透過してレーザーを照射することにより、前記可撓性基板の前記前面の表面または該前面の上に形成されている膜の表面と前記第1封止材シートとが位置選択的に熱融着されている前面レーザー融着部とを備える薄膜太陽電池モジュールが提供される。
また、本発明は薄膜太陽電池モジュールの製造方法としても実施することができる。すなわち、本発明のある態様においては、可撓性基板の前面の上に発電領域をなす膜が形成されている薄膜太陽電池を内包する薄膜太陽電池モジュールの製造方法であって、前記可撓性基板からみて前記前面の側に第1封止材シートを配置する工程と、該可撓性基板の該前面における前記発電領域を除く平面領域である非発電領域の少なくとも一部に対し前記第1封止材シートを透過させてレーザーを照射することにより、前記可撓性基板の前記前面の表面または該前面の上に形成されている膜の表面と前記第1封止材シートとを位置選択的に熱融着する前面レーザー照射工程とを含む薄膜太陽電池モジュールの製造方法が提供される。
ここで、本発明の各態様において「レーザー」は、可視波長のものには限定されず、紫外または赤外における電磁波も含む。また、「位置選択的に熱融着されている」との表現における「位置」は、膜状となっている可撓性基板または太陽電池モジュールのいずれかに沿った面における位置である。さらに、上記表現における前面レーザー融着部が「位置選択的」に熱融着されているとの表現は、上記面において他の位置と区別してレーザーにより熱溶着されている部分として前面レーザー融着部が存在することのみを意味している。したがって、上記表現は、前面レーザー融着部以外において、レーザーによるかよらないかを問わずに熱溶着されている部分の不存在を意味するものではない。
そして、何らかの膜または層が何らかの面の上に形成されている(formed on or over a surface)状態やその形成処理は、当該膜または層が、その面に接して形成される状態や処理と、他の層を介して当該面の側に形成される状態や処理との双方を含んでいる。
本発明のいずれかの態様においては、封止材との接着性を高めた薄膜太陽電池モジュールを製造することが可能となる。
従来の太陽電池モジュールの構造を示す分解斜視図である。 従来の太陽電池モジュールにおいて剥離が生じうる位置または界面を示す説明図である。 本発明のある実施形態において提供される薄膜太陽電池モジュールの構成を示す一部破断した平面図である。 本発明のある実施形態において提供される薄膜太陽電池モジュールの構成の一部を示す概略断面図である。 本発明のある実施形態において提供される薄膜太陽電池モジュールの構成を示す一部破断した平面図である。 本発明のある実施形態において提供される薄膜太陽電池モジュールの構成の一部を示す概略断面図である。 本発明のある実施形態において利用される一例のレーザー照射装置の構成を示す構成図である。 本発明のある実施例の結果を適用する最終的な薄膜太陽電池モジュールの構造を示す一部破断した平面図である。 本発明のある実施例の結果を適用する最終的な薄膜太陽電池モジュールの構造を示す概略断面図である。 本発明のある実施例において作製したサンプルの構成を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る薄膜太陽電池モジュールおよびその製造方法の実施形態を図面を参照して説明する。当該説明に際し特に言及がない限り、全図にわたり共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。また、図中、実施形態の要素のそれぞれは、必ずしも互いの縮尺比を保って示してはいない。
[1 実施形態]
本実施形態においては、薄膜太陽電池モジュールおよびその製造方法の実施形態を説明する。また、本実施形態は、可撓性基板の両面に膜が形成されている薄膜太陽電池を含む薄膜太陽電池モジュールに基づいて説明する。
[1−1 レーザーによる融着部]
図3および図4は、本実施形態において提供される薄膜太陽電池モジュール1000の構成を示す一部破断した平面図およびその一部の概略断面図である。本実施形態の一例の薄膜太陽電池モジュールである薄膜太陽電池モジュール1000は、表面保護材132、第1封止材シート122、薄膜太陽電池100、第2封止材シート124および表面保護材134を備えている。各部材の材質を例示すれば、表面保護材132および134はフッ素系保護フィルム、第1封止材シート122および第2封止材シート124はEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)のフィルム、薄膜太陽電池100における可撓性基板8(以下「基板8」という)はポリイミドフィルムである。つまり、薄膜太陽電池モジュール1000の太陽電池モジュールの内部には、基板8を利用して形成された薄膜太陽電池100が、表面保護材132、第1封止材シート122、第2封止材シート124、および表面保護材134の熱ラミネートにより封止または内包されている。
第1封止材シート122と薄膜太陽電池100の基板8とは、レーザーL1により互いに熱融着されている。つまり、封止材のフィルムまたはシートである第1封止材シート122を、基板8からみて前面8A側に配置しておき、その第1封止材シート122を通してレーザーL1を前面8A側の空間から基板8の前面8A側に向けて照射する。こうして形成される熱溶着に寄与する部分を前面レーザー融着部200という。つまり、前面レーザー融着部200は、基板8の前面8Aにおける発電領域110を除く平面領域である非発電領域の一部に形成される。レーザーL1が照射され前面レーザー融着部200となる位置は、前面8Aにおいて基板8の材質が露出している部分(基板露出部)や、基板8において発電領域110をなすための膜が形成されている部分、そしてこれら両者をまたがる部分である。したがって、第1封止材シート122は、レーザーL1が照射される時点において、基板8の前面8A側の前面レーザー融着部200となる位置に接するように配置されている。
図3および図4においては、基板露出部にレーザーL1が照射される様子を示している。特に図4には、その際のレーザーL1の方向および照射位置の典型的なものと、レーザーL1の熱溶着により形成される前面レーザー融着部200の典型的な範囲とを示している。なお、図示する前面レーザー融着部200は、レーザーによる熱溶着により温度が上昇する等の影響を受ける可能性の高い範囲を模式的に第1封止材シート122と基板8の三次元領域として示すものである。
より詳細には、第1封止材シート122を透過してレーザーL1が照射されると、例えばレーザーL1が照射された基板8の領域の温度がレーザーL1の光エネルギーを受けて上昇する。この昇温は、基板8の面においてはレーザーL1のスポットの範囲に、また、厚み方向には、主として前面8A側の表面近傍の基板8内部において局所的に生じる。このため、基板8の前面8A側の表面において、基板8自体およびそれに接する第1封止材シート122のいずれかまたは双方は、レーザーL1の照射により瞬時に軟化または融解し、レーザーL1が走査されて移動すると熱の放散により冷却される。この昇温および冷却の結果、レーザーL1が照射された範囲のみ位置選択的に、基板8の前面8Aの表面と第1封止材シート122とを互いに熱融着させることができる。
なお、基板8の前面8A側の表面に膜が形成されている場合には、その膜を通じ伝わった熱で第1封止材シート122が瞬時に融解しその膜に対して融着して固化する。また、前面レーザー融着部200において、レーザーL1により融解し固化するのが基板8であるか、第1封止材シート122であるか、またはそれらの両方であるかは、特に問わない。このため、前面レーザー融着部200として図示した領域は特に厚み方向は例示のものに過ぎない。実際のレーザーL1の照射条件によっては、前面レーザー融着部200例えば平面的にはスポットの連なりであったり、前面レーザー融着部200となり熱溶着のために温度が上昇する範囲が第1封止材シート122と基板8の前面8Aの界面のごく近傍に限定されていたりすることもある。また、前面レーザー融着部200においては、第1封止材シート122と基板8との接着力が向上する。しかし、それ以外の特性において、前面レーザー融着部200の部分は検知可能な材質変化を生じさせることもあれば、生じさせないこともある。
前面レーザー融着部200は、図3に示したように、発電領域110を囲む線をなすように形成すると好適である。これは、薄膜太陽電池モジュール1000の端部からの湿気や酸素の侵入を可能な限り抑止することが、薄膜太陽電池モジュール1000の長期動作信頼性を確保することに有効なためである。発電領域110を囲む位置には、前面8Aに基板8が露出している基板露出部が存在する。ここで、基板露出部は、例えば薄膜太陽電池100の製造工程により成膜されなかったり、成膜後にパターニングの処理により膜が除去されたりする領域である。この基板露出部においては、基板8と第1封止材シート122とが直接接しているため、前面レーザー融着部200による熱融着が良好に行える利点もある。なお、発電領域110を囲む位置とは、発電領域110の周縁より外側を通る発電領域110にとっての周辺のうち、発電領域110を一方に見ながら辿れる線状の位置をいう。ここで、発電領域110を囲む前面レーザー融着部200は一筆書きであることは要さない。また、発電領域110を囲む前面レーザー融着部200の内部にさらに別のレーザー熱融着部が形成されることも許容される。さらには、発電領域110を囲む前面レーザー融着部200は、完全に閉じたループをなす閉曲線とする必要もない。例えば電気的配線のためにレーザーL1を照射しない部分が一部に存在していたとしても、発電領域110を囲む前面レーザー融着部200の目的を果たすことができるためである。
[1−2 両面のレーザー融着部]
本実施形態には、薄膜太陽電池モジュール1000に類似する別例である薄膜太陽電池モジュール1000aも含まれている。図5および図6は、本実施形態において提供される薄膜太陽電池モジュール1000aの両面の構造を示す平面図およびその一部の概略断面図である。なお、薄膜太陽電池モジュール1000と同一の部材については説明を省略する。
薄膜太陽電池モジュール1000aは、薄膜太陽電池モジュール1000(図3、4)の薄膜太陽電池100に代え薄膜太陽電池100aを第1封止材シート122、第2封止材シート124、表面保護材132、および表面保護材134により内包するものである。薄膜太陽電池100aには、可撓性基板8a(以下、「基板8a」と呼ぶ)の前面8aAに発電領域110aが形成されており、背面8aBに背面電極112が形成されている。背面電極112は電気的接続のための膜である。つまり薄膜太陽電池100aは、前面8aAおよび背面8aBの両面に形成された膜により、例えば直列接続された薄膜太陽電池とされる。本実施形態の一例の薄膜太陽電池100aの基板8aには、その両面に配置されている膜同士の相互の電気的接続を確立するために、第1貫通孔102、第2貫通孔104等の貫通孔が形成されている。第1貫通孔102では、薄膜太陽電池100aの裏面電極(図示しない)と背面電極112とが、また第2貫通孔104では、薄膜太陽電池100aの透明電極(図示しない)と背面電極112とが、それぞれその内部で接触して互いに電気的に接続される。このため、第1貫通孔102、第2貫通孔104が存在する場合、図2における界面Aのみならず界面B(背面側の界面)においても、水分や酸素の侵入を防止することが望ましい。この目的で、薄膜太陽電池モジュール1000aにおいては、薄膜太陽電池100aの前面8aA側に前面レーザー融着部200を形成するのに加え、薄膜太陽電池100aの背面8aB側に背面レーザー融着部300を形成する。
薄膜太陽電池モジュール1000aの前面レーザー融着部200は、薄膜太陽電池モジュール1000に関連して説明した前面レーザー融着部200と同様のレーザーによる熱融着部である。これに対し背面レーザー融着部300は、レーザーL2により、第2封止材シート124と基板8aの背面8aBとを位置的選択的に熱融着した部分である。
なお、背面レーザー融着部300も、基板8aの背面8aBと第2封止材シート124とが直接接触する位置に形成することが好適である。背面8aBに、例えば背面電極112の膜や他の膜が形成されている位置を含め背面レーザー融着部300を形成できることも前面レーザー融着部200と同様である。
ここで、薄膜太陽電池モジュール1000aにおける背面レーザー融着部300は、背面8aBの側に形成されることに応じた好適な配置とすることができる。具体的には、背面レーザー融着部300を、第1貫通孔102、第2貫通孔104のいずれかの貫通孔のうちの少なくとも一つを囲む線をなすように形成すると好適である。特に、第1貫通孔102および第2貫通孔104の貫通孔のうちのすべてを、一つ以上の背面レーザー融着部300により囲むとさらに好適である。その理由は、第1貫通孔102や第2貫通孔104が背面8aB側から前面8aA側への経路となるためである。場合によっては、第1封止材シート122、第2封止材シート124により封止してもそれらの内側面には発電領域110aをなす層が露出している場合もある。つまり、第1貫通孔102、第2貫通孔104は、前面8aA側に配置された発電領域110aに到達する湿気や酸素の経路となる可能性もある。したがって、薄膜太陽電池モジュール1000aの端部から第1貫通孔102、第2貫通孔104に到達する経路の途中に背面レーザー融着部300を配置することにより、薄膜太陽電池モジュール1000aの全体としての耐久性を高めることができるのである。
[1−3 レーザー照射と材質]
次に、上述した薄膜太陽電池モジュール1000および1000aに示した熱溶着のために適するレーザーの種類や材質の選択を詳述する。最も端的には、前面8A(8aA)側の前面レーザー融着部200を形成する目的では、第1封止材シート122よりも基板8(8a)が熱溶着のためのレーザーL1を強く吸収する、という関係となるよう構成すると有利である。同様に、背面8aB側の背面レーザー融着部300を形成する目的では、第2封止材シート124よりも基板8aが熱溶着のためのレーザーL2を強く吸収する、という関係となるよう構成すると有利である。
上記性質は、より具体的には、基板8(8a)の材質をレーザーの光を熱に効率良く変換できる材料とすることにより、実現される。典型的なレーザー光である波長532nmのNd:YAGレーザーの第2高調波を例に説明する。この波長は、光電変換のための太陽光などの波長範囲に含まれており、必然的に、第1封止材シート122は532nmの波長の光に高い透過性を有する材質が選択される。また、第2封止材シート124についても、背面レーザー融着部300を形成する場合には532nmの波長の光に高い透過性を有する材質が選択され、最も典型的には、第1封止材シート122と同種の材質とされる。そしてこれらの条件を前提とする場合、基板8(8a)の材質は、532nmの波長の光に対する吸収が、第1封止材シート122よりも高い材質とされる。例えば、基板8(8a)の厚み方向について532nmの波長の光に対する吸収率が10%以上となるような材質は、基板8(8a)の材質として好適なものである。通常、基板8(8a)として採用するポリイミドフィルムも、厚みが50μm程度であれば吸収率が10%を超える。したがって、基板8(8a)の好適な材質の典型例はポリイミドである。また、別の例として、高い透過率の材質に、レーザーの波長に対する吸収性を示す材質を、塗布、混粘、浸透等の手法によって複合化させた構成の基板によって、吸収率が10%以上とすることによっても、好適な基板8(8a)を作製することが可能である。なお、基板8(8a)の厚み方向についての吸収率は、真空(または空気)を1(100%)とし、基板8(8a)の厚み方向におけるレーザーのエネルギーの減分を比率として、
吸収率=(1−(全光線透過率+全反射率))×100(%)
に従って、全光線透過率および全反射率の測定値から算出される量である。吸収されないレーザー光のエネルギーは、基板8(8a)を、直進してまたは散乱されながら、透過するかまたは反射する光となって、吸収つまり熱溶着に寄与しない。
これらの有利な構成では、レーザーL1、L2を、第1封止材シート122や第2封止材シート124を透過し基板8(8a)に照射すること、および、前面8A(8aA)または背面8aBの近傍の基板8(8a)内部で熱を生成すること、の二つを容易に両立させることが可能となる。なお、基板8(8a)や第1封止材シート122、第2封止材シート124の材質を何らかの理由により変更しにくい場合には、レーザーの波長を上述した条件を満たすように選択することにより上記有利な構成を実現することができる。実際、これらの材質は、一般には変更しにくい製造条件の一つである。各部材の材質は、薄膜太陽電池100(100a)を作製したり、薄膜太陽電池モジュール1000(1000a)を作製したりする他の工程を適切に実施するために種々の技術的要件を満たすように決定されるためである。この一般的な制約があったとしても、レーザーの波長を変更すれば上記条件を満たすことは困難ではない。ちなみに、特に第1封止材シート122は、薄膜太陽電池100(100a)を太陽電池として良好に動作させるため、一般に、光の透過率の高い材質とされる。また、第2封止材シート124にはこのような制約はないものの、第1封止材シート122との間に形成される界面E(図2)における接着性が良好となる材料が選択される。また基板8(8a)は、薄膜太陽電池100(100a)を作製する熱プロセスに耐える材質が選択され、その光の透過率に特段限定がない。したがって、これらの材質の一般的な組合せの条件を変更しなくとも、第1封止材シート122や第2封止材シート124を通過し、基板8(8a)に吸収されやすいレーザーは容易に選択できる。
また、レーザーL1およびL2の照射条件は、実際に前面レーザー融着部200や背面レーザー融着部300と同等とみなせるサンプルを作製し評価を行なうことにより決定する。ここでは一例として、前面レーザー融着部200や背面レーザー融着部300を形成するために、基板8(8a)の前面8A(8aA)または背面8aBの基板露出部と第1封止材シート122または第2封止材シート124とが直接接する部分に照射することとし、そのたためのレーザーL1およびL2の照射条件を決定する事例を説明する。このためには、基板8(8a)の前面8A(8aA)側の表面と第1封止材シート122(前面レーザー融着部200の場合)との間や、基板8aの背面8aB表面と第2封止材シート124(背面レーザー融着部300の場合)との間の接着強度を適当な方法により測定する。そして、レーザーL1およびL2の照射条件をその接着強度を高めるように変更する。本願発明者の得ている知見では、一般に、熱溶着を行ない比較的短い時間のみを経た時点での接着強度の大小は、長期使用時の耐久性の良否とこの順の正の相関を示す関係にある。接着強度は長期使用時の時間とともに低下するが、材質が類似しているサンプル間での接着条件の変更程度の場合、初期の接着力の順序がそのまま維持されることが殆どである。したがって、熱溶着後に接着強度を計測してレーザーL1およびL2の照射条件を決定することにより、長期使用時の耐久性を高めるためのレーザーL1およびL2の実用上の照射条件を決定することができる。
なお、レーザーL1、L2の照射条件は十分に制御性が高い。これは、レーザーL1、L2の影響が及ぶ範囲が光学的な条件で局所的なものとできること、パワーの変更が容易であること、高い再現性が得られることなどのレーザーの性質のためである。このことは、レーザーL1、L2の照射条件を他の条件とはほぼ無関係に決定できること、つまり、照射条件を決定する際のレーザーL1、L2が及ぼす影響については、接着強度を高めること以外に考慮する必要がほぼ無いことを意味している。この性質は、レーザーにより熱融着部を形成する本実施形態の手法が、必要な位置に必要な程度の接着性を得るために有効な手段となりうる技術的理由でもある。
[1−4 レーザー照射装置]
次に、レーザーL1またはL2を照射するための装置について説明する。図7は、本実施形態において利用される一例のレーザー照射装置5000の構成を示す構成図である。レーザー照射装置5000はロール式のレーザー照射装置である。レーザー照射装置5000による加工の際には、少なくとも薄膜太陽電池100と第1封止材シート122とを含むような積層体が、さらに長尺の形態にされている被加工物となって、巻出しロール510の形態によりレーザー照射装置5000にロードされる。巻出しロール510から展開された被加工物は、吸着ステージ540の図7紙面における下面に対して負圧により紙面の上方に向かって吸着され固定される。この状態にて、薄膜太陽電池100の図7紙面における下側に第1封止材シート122が配置される向きになるように、巻出しロール510における被加工物の向きを決定しておく。そして、XYステージにより走査により移動されるレーザー照射ヘッド530からは、レーザー発振器550からのレーザーを位置的選択的に照射する。レーザーが照射された後の加工済の被加工物は、再び巻取りロール520の形態に巻取られる。
なお、前面レーザー融着部200および背面レーザー融着部300のためのレーザー照射のタイミングは、薄膜太陽電池モジュール1000a(図5および図6)と同様のモジュールにするためには、まず第1封止材シート122および第2封止材シート124を、必要な膜が形成されている基板8aからみて、それぞれ前面8aAおよび背面8aBの側に配置する。その後に例えばラミネート処理または仮ラミネート処理をする。その状態で、レーザー照射装置5000によりレーザーL1およびL2を照射する。第1封止材シート122および第2封止材シート124のさらに外側には、レーザーL1およびL2を照射する時点において表面保護材132および134を配置していても、していなくてもよい。したがって、レーザー照射を施し前面レーザー融着部200および背面レーザー融着部300を形成するタイミングは、前面レーザー融着部200および背面レーザー融着部300においてレーザーにより熱融着されることとなるシートを基板8aからみて前面8aAおよび背面8aBそれぞれの側に配置した後の任意のタイミングである。
[2 実施例]
次に、上述した本発明の実施形態のための実験例を実施例として説明する。本実施例は剥離試験による剥離強度が、レーザーによる熱溶着のサンプルにて実際に高まることを確認した事例である。この剥離強度は、実使用環境における長期使用時の耐久性の指標であり、接着強度を剥離というある種の破壊に抵抗する際の強度として示す指標である。
図8および図9は、本実施例の結果を適用する最終的な薄膜太陽電池モジュールの構造を示す平面図および概略断面図である。本実施例は、図3および図4に示した薄膜太陽電池モジュール1000とほぼ同様の構成の薄膜太陽電池モジュールを作製する場合を想定しており、わずかな相違点は、第1封止材シート122に加え、追加封止材シート126を配置することである。なお、追加封止材シート126は第1封止材シート122と良好な接着性を示すシートであり、第1封止材シート122と同様にEVAやポリオレフィン等のフィルムが採用される。つまり、図8に示すように、レーザーは、発電領域を囲む平面位置の一部に前面レーザー融着部200を形成するように照射する。その照射部分は、基板8の前面8Aにおける発電領域を除く平面領域である非発電領域の一部として、例えば基板8の平面領域の周縁部において、熱融着のためのレーザーとは別のパターニングのためのレーザーにより、当該周縁部に形成されていた膜を事前に剥離しておいた部分(「スクライブライン」という)に合わせるものである。したがって、基板8と、基板8の前面8Aに接する第1封止材シート122とが互いに直接接しながら熱溶着に関係している点は、図4の場合と同様である。
なお、第1封止材シート122と追加封止材シート126との2枚のシートにより前面8A側の封止材の層を構成する理由は、薄膜太陽電池モジュールを製造する際の実施上の工程を反映したものである。具体的には、薄膜太陽電池モジュール1000(図4)や薄膜太陽電池モジュール1000a(図6)では薄膜太陽電池100や薄膜太陽電池100aがカールしやすくなる場合がある。そういった不具合を抑制するために、第1封止材シート122を一旦薄膜太陽電池100に対して仮ラミネートしておいて、その後に追加封止材シート126とともに必要な封止材厚となるように製造する手順を採用することがある。この手順では、基板8の前面8A側(図4)において耐候性を高める役割が、第1封止材シート122と追加封止材シート126とを組み合わせて果たされる。また、レーザーL1を照射するタイミングは、上記仮ラミネート後の任意のタイミングである。
図10は、本実施例において作製したサンプルの構成を示す概略断面図である。本実施例のサンプルにおいてもこれまでの説明に用いた符号をそのまま付している。本実施例のサンプルは、基板8からみて前面8Aの側に第1封止材シート122を配置し、次に、上記仮ラミネートの条件を模擬するために基板8の前面8Aに第1封止材シート122を簡易熱圧着しておき、その状態でレーザーL1による熱融着を施して前面レーザー融着部200に相当する融着部(同様の符号200により示す)を形成したものである。
さらに詳細には、まず、基板8として厚み50μmのポリイミドフィルム、第1封止材シート122として厚み150μmのポリオレフィンフィルムを用いた。これらの二枚のフィルムには図示しない真空ラミネート装置により150℃、30分間加圧の条件にて熱圧着することにより、仮ラミネートを模擬する簡易熱圧着を施した。その後、図7に示したものと同様のレーザー照射装置5000の吸着ステージ540に対して、第1封止材シート122をレーザー照射部に向け、基板8を吸着ステージ540に接触させる向きにして固定した。なお、本来はレーザー照射装置5000では仮ラミネートの太陽電池モジュールを巻きだしロールより送り出し、所定の位置で吸着ステージ540により貼り付け固定する。しかし、本実施例においては、長尺のロールではなく剥離強度を測定するためのサンプルを利用したため、吸着ステージ540に対してサンプルのみを固定した。
さらに詳細な条件としては、レーザー発振器はオムロンレーザーフロント社製Nd−YAGレーザー(波長532nm)とし、パルス幅60ns、照射パワー4.0W、周波数4kHz、ビーム径200μm、加工速度300mm/secの条件によりレーザー照射ヘッド530から照射した。照射領域は、簡易熱圧着したサンプルのうち幅80mm、長さ150mmの矩形の範囲の内部全領域に走査してレーザーL1の照射を行った。このような矩形の範囲にレーザーL1を照射したのは、実際の薄膜太陽電池モジュールにおいてこのような矩形形状の照射を行なうからではなく、剥離強度を測定する測定上の都合によるものである。以下このサンプルを実施例サンプルと呼ぶ。なお、比較のため、同様のサイズにカットしレーザー照射以外を熱履歴や材質の製造ロットも含めて同一の条件で処理したレーザーL1を照射しないサンプル(比較例サンプル)も作製した
これらの実施例サンプルおよび比較例サンプルの双方を対象に、180度ピール強度測定を行ったところ、180度ピール強度測定の最大値が、比較例サンプルでは、5.9N/cmであったのに対し、実施例サンプルのレーザー照射部では7.7N/cmであった。
以上の実施例により、レーザー照射によりポリイミドフィルムとポリオレフィンフィルム界面の密着性が向上したことを確認した。
[3 変形例]
上記実施形態における図4に関連する説明においては、基板8の背面8B側には背面レーザー融着部300を形成していない。このため、背面8B側には保護部材として第2封止材シート124の外側に不透明な部材、例えば鋼板を配置することができる。その場合であっても、前面8A側の面が前面レーザー融着部200により接着強度が高められていることにより、薄膜太陽電池モジュール1000全体の耐久性を向上させることが可能となる。
また、図3、図5(a)に図示した前面レーザー融着部200や図5(b)に図示した背面レーザー融着部300は例示のものに過ぎず、他の平面位置を位置選択的に熱融着するものとすることができる。レーザーによるパターニングは、第1封止材シート122または第2封止材シート124と基板8の露出面またはその面に形成された膜との間の接着力を高めるように作用すること、および、レーザーによる位置選択的な熱融着が高い制御性で実施できるためである。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。上述の実施形態および実施例は、発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。また、実施形態に明示していない組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明の光電変換素子は、太陽光などの光により発電を行なう任意の装置に利用可能である。
1000、1000a 薄膜太陽電池モジュール
100、100a 薄膜太陽電池
8、8a 可撓性基板
8A、8aA 前面
8B、8aB 背面
132、134 表面保護材
102 第1貫通孔
104 第2貫通孔
110、110a 発電領域
112 背面電極
122 第1封止材シート
124 第2封止材シート
126 追加封止材シート
200 前面レーザー融着部
300 背面レーザー融着部
5000 レーザー照射装置
510 巻出しロール
520 巻き取りロール
530 レーザー照射ヘッド
540 吸着ステージ
550 レーザー発振器
L1、L2 レーザー

Claims (18)

  1. 可撓性基板の前面の上に発電領域をなす膜が形成されている薄膜太陽電池を内包する薄膜太陽電池モジュールであって、
    前記可撓性基板からみて前記前面の側に配置された第1封止材シートと、
    該可撓性基板の該前面における前記発電領域を除く平面領域である非発電領域の少なくとも一部に対し前記第1封止材シートを透過してレーザーを照射することにより、前記可撓性基板の前記前面の表面に対して、または該前面の上に形成されている膜の表面に対して、前記第1封止材シートが位置選択的に熱融着されている前面レーザー融着部と
    を備える
    薄膜太陽電池モジュール。
  2. 前記前面レーザー融着部は、前記第1封止材シートが前記可撓性基板の前記前面の表面に接している位置に形成されている
    請求項1に記載の薄膜太陽電池モジュール。
  3. 前記前面レーザー融着部が前記発電領域を囲む線をなすように形成されている
    請求項1に記載の薄膜太陽電池モジュール。
  4. 前記薄膜太陽電池は、前記前面とは逆の前記可撓性基板の背面の上に電気的接続のための膜が形成され、前記可撓性基板を貫通する貫通孔を通じて両面の膜の間の電気的接続が確立されているものであり、
    前記可撓性基板からみて前記背面の側に配置された第2封止材シートと、
    該背面の少なくとも一部に該第2封止材シートを透過してレーザーを照射することにより、前記可撓性基板の前記背面の表面に対して、または該背面の上に形成されている膜の表面に対して、前記第2封止材シートが位置選択的に熱融着されている背面レーザー融着部と
    をさらに備える
    請求項1に記載の薄膜太陽電池モジュール。
  5. 前記背面レーザー融着部は、前記第2封止材シートが前記可撓性基板の前記背面の表面に接している位置に形成されている
    請求項4に記載の薄膜太陽電池モジュール。
  6. 前記背面レーザー融着部は、前記貫通孔を少なくとも一つ囲む線をなすように形成されている
    請求項4に記載の薄膜太陽電池モジュール。
  7. 前記可撓性基板は、照射されたレーザーの波長の光を、前記第1封止材シートまたは前記第2封止材シートよりも強く吸収するものである
    請求項1または請求項4に記載の薄膜太陽電池モジュール。
  8. 前記可撓性基板がポリイミドフィルムであり、
    照射されたレーザーが532nm以下の波長のレーザーである
    請求項1または請求項4に記載の薄膜太陽電池モジュール。
  9. 前記可撓性基板が532nm以下の波長の光に対する吸収率が10%以上であり、
    照射されたレーザーが532nm以下の波長のレーザーである
    請求項1または請求項4に記載の薄膜太陽電池モジュール。
  10. 可撓性基板の前面の上に発電領域をなす膜が形成されている薄膜太陽電池を内包する薄膜太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記可撓性基板からみて前記前面の側に第1封止材シートを配置する工程と、
    該可撓性基板の該前面における前記発電領域を除く平面領域である非発電領域の少なくとも一部に対し前記第1封止材シートを透過させてレーザーを照射することにより、前記可撓性基板の前記前面の表面に対して、または該前面の上に形成されている膜の表面に対して、前記第1封止材シートを位置選択的に熱融着する前面レーザー照射工程と
    を含む
    薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  11. 前記前面レーザー照射工程は、前記第1封止材シートが前記可撓性基板の前記前面の表面に接している位置にレーザーを照射するものである
    請求項10に記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  12. 前記前面レーザー照射工程は、熱融着された前面レーザー融着部が前記発電領域を囲む線をなすようにレーザーを照射するものである
    請求項10に記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  13. 前記薄膜太陽電池が、前記前面とは逆の前記可撓性基板の背面の上に電気的接続のための膜が形成され、前記可撓性基板を貫通する貫通孔を通じて両面の膜の間の電気的接続が確立されているものであり、
    前記可撓性基板からみて前記背面の側に第2封止材シートを配置する工程と、
    該背面の少なくとも一部に該第2封止材シートを透過してレーザーを照射することにより、前記可撓性基板の前記背面の表面に対して、または該背面の上に形成されている膜の表面に対して、前記第2封止材シートを位置選択的に熱融着する背面レーザー照射工程と
    をさらに含む
    請求項10に記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  14. 前記背面レーザー照射工程は、前記第2封止材シートが前記可撓性基板の前記背面の表面に接している位置にレーザーを照射するものである
    請求項13に記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  15. 前記背面レーザー照射工程は、熱融着された背面側熱融着部が前記貫通孔を少なくとも一つ囲む線をなすようにレーザーを照射するものである
    請求項13に記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  16. 照射されるレーザーの波長は、前記第1封止材シートまたは前記第2封止材シートよりも前記可撓性基板が強い吸収を示す波長である
    請求項10または請求項13に記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  17. 前記可撓性基板がポリイミドフィルムであり、
    照射されるレーザーが532nm以下の波長のレーザーである
    請求項10または請求項13に記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  18. 前記可撓性基板が532nm以下の波長の光に対する吸収率が10%以上であり、
    照射されるレーザーが532nm以下の波長のレーザーである
    請求項10または請求項13に記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
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