JP2014060152A - 膜/電極アセンブリーを含む燃料電池の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、燃料電池の製造方法に関する。
【解決手段】 その中央部に開口を有する補強材(131)を、プロトン交換膜(100)及び前記膜の1つの面に対して配置された電極(111)に固定するように取り付けて、固定する補強材の内部縁部が、電極の周縁部とともに、プロトン交換膜の突出部を覆う工程、ガス拡散層内において、湿式プロセスによってフィリグリーを形成する方法によって、ガス拡散層(21)の周縁部に凹部を形成する工程、並びにガス拡散層を、凹部が補強材の内部縁部と垂直になるように配置する工程を含んでいる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プロトン交換膜燃料電池、及び特に燃料電池の製造法に係る。
燃料電池は、多様な用途を有し、将来の大量生産される自動車用の電力供給システムとして考えられている。燃料電池は、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する電気化学的装置である。燃料電池用の燃料として、水素(H)又は分子状水素が使用される。水素ガスは、電池の電極において酸化及びイオン化され、空気からの酸素(O)又は分子状酸素は、他の電極において還元される。化学反応により、陽極では、水が生成され、一方、酸素は還元され、プロトンと反応する。燃料電池の重要な利点は、電気が発生される場における大気汚染化合物の廃棄物をなくすことである。
プロトン交換膜(PEM)燃料電池は、特に、小型であるという興味深い特性を有する。各セルは、プロトンのみを通過させことができ、電子を通過させない電解質膜を有する。膜は、第1の表面上に陰極及び第2の表面上に陽極を有し、膜/電極アセンブリー(MEAとして知られている)を形成している。
陰極では、水素(H2)がイオン化され、膜を通過するプロトンを生成する。この反応によって生成された電子は、流動プレートに移動し、ついで、電池外部の電気回路を通り、電流を発生する。
燃料電池は、互いに重ねられたいくつかの流動プレート(例えば、金属製)を備えていることがある。膜は、2つの流動プレートの間に配置されている。流動プレートは、反応体及び生成物を膜に、及び膜から案内するチャネル及び孔を備えていることがある。プレートは、導電性であり、陰極において発生する電子のためのコレクターを形成している。
ガス拡散層が、電極と流動プレートと間に設けられ、流動プレートと接触している。
燃料電池を組み立てる方法、特にMEAを作製する方法は、燃料電池の動作特性、及びその有効寿命にとって、極めて重要である。
膜/電極アセンブリーを作製する公知の方法は、MEAの性能と、その有効寿命との間に最適な妥協を得るので、現在、好まれている。この方法は、電解触媒インクの層を平滑かつ疎水性の支持体(インク中に存在する溶媒に対して非感受性である)上にプリントする予備工程を含んでいる。プリント支持体は、非常に小さい表面エネルギー、及び非常に小さい粗さを有している。電解触媒インクの乾燥によって電極を形成した後、電極を、ホットプレスによって膜と結合させる。電極のプリント支持体に対する接着力は小さいため、このホットプレスを、低い温度、及び低い圧力下で行うことできる。これにより、ホットプレスにおける膜の劣化が低減される。さらに、平滑な支持体上でのプリントによって形成された電極は、均一な厚さ、及び組成を有しており、ホットプレスの間における膜の劣化が抑制される。さらに、乾燥後に電極が膜と結合するため、膜は、インクの溶媒と接触することがなく、劣化を受けることはない。
米国特許出願公開第2008/0105354号は、燃料電池上で膜/電極を組み立てるためのこの種の方法を開示している。形成される膜/電極アセンブリーは、補強材又はサブガスケットを含んでいる。各補強材は、電極を包囲している。補強材は、ポリマーフィルム製であり、ガス及び冷却液体入口において、膜/電極アセンブリーを補強している。補強材は、膜/電極アセンブリーの取り扱いを容易なものとし、その劣化を防止する。また補強材は、温度及び湿度による膜の寸法変動を小とする。実際、補強材は、膜/電極アセンブリーの劣化の原因であるガス透過の現象を制限するために、電極の周縁部に重ねられる。
この方法においては、補強材は、ポリマーフィルムの中央部に開口を設けることによって作製される。補強材は、1つの面に感圧性接着剤を有している。膜/電極アセンブリーは再び覆われ、補強材の孔は、電極と直交するようにされる。補強材は、この電極の周縁部を覆う。ついで、プレス処理を行い、接着剤によって、補強材を、膜及び電極の端部と固着させる。さらに、補強材に対して、切抜き細工を行って、ガス及び液体の入口を形成する。
ついで、ガス拡散層を、電極の覆われていない部分と接触するように配置する。ガス拡散層と、その電極との間の接触を良好なものとするために、ホットプレス処理を行う。膜へ直接作用するせん断力を制限するために、各ガス拡散層の周縁部は、各補強材の少なくとも一部を覆う。局所的には、電極、補強材及びガス拡散層の重ね合わせが、過剰な厚さを誘導する。ホットプレス処理工程の間に、この領域は、特に膜において、より大きい局所圧力(潜在的に劣化の原因である)を受け、そのため、燃料電池の有効寿命の減少を生ずる。ホットプレス処理の間の圧力の不均一は、補強材、ガス拡散層及び電極の間における隙間の発生の原因となり、燃料電池の性能を劣化させる。
燃料電池をデザインする際、電力の増大は、積み重ねる電気化学セルの数を増大させること、又は膜/電極アセンブリー及び双極プレートの表面を増大させることによって達成される。このようなデザインは、同じ割合で、ガス拡散層の容積及びコストとともに、燃料電池の重量及び寸法を増大させる。多くの用途では、燃料電池の寸法及び重量は、きびしく制限される。
本発明は、これらの欠点の1つ又はそれ以上を解決することを目的とし、特許請求の範囲に記載のような燃料電池の製造法に係るものである。
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して行う実施例の以下の記載から、より明白になると思う。しかし、本発明は、これらに限定されるものではない。
燃料電池の一実施例の略縦断面図である。 ガス拡散層を除いた膜/電極アセンブリーの周縁部の縦断面図である。 燃料電池と一体化されるガス拡散層の周縁部の縦断面図である。 本発明による燃料電池の製造法の一実施例における1つの工程を示す図である。 本発明による燃料電池の製造法の一実施例における1つの工程を示す図である。 本発明による燃料電池の製造法の一実施例の1つの工程を示す縦断面図である。 本発明による燃料電池の製造法の一実施例の1つの工程を示す縦断面図である。 本発明による燃料電池の製造法の一実施例の1つの工程を示す縦断面図である。 本発明による燃料電池の製造法の一実施例の1つの工程を示す縦断面図である。 本発明による燃料電池の製造法の一実施例の1つの工程を示す図である。 燃料電池の一実施例を、その膜/電極アセンブリーに焦点を当てて示す拡大縦断面図である。 いくつかの電気化学セルの間の境界面の拡大縦断面図である 燃料電池の他の製造法の間におけるガス拡散層の拡大縦断面図である。 図13に示す方法の工程の平面図である。
図1は、本発明による方法の一実施例によって作製された膜/電極アセンブリーを含む燃料電池の一例の概略断面図である。燃料電池1は、プロトン交換膜型又は高分子電解質型である。図示してはいないが、燃料電池1は、いくつかの重ねられた電気化学セルを備えている。燃料電池1は、各セルの入口に空気からの水素(H)を供給する燃料源を備えている。また燃料電池1は、各セルの入口に、酸化剤として使用される酸素を含有する空気を供給する空気源を有している。各セルは、排気チャネルを備えている。各セルは、それ自体公知の冷却回路を備えていることもある。
各セルは、膜/電極アセンブリー(MEA)を含んでいる。膜/電極アセンブリーの各々は、例えば、ポリマー膜100によって形成された電解質の層を含んでいる。
膜/電極アセンブリーは、膜100のいずれかの側に配置された陽極111及び陰極112も含んでいる。陽極111及び陰極112は、好適な手段(例えば、ホットプレス処理)によって、この膜100に固定されている。
電解質層は、プロトンの伝導を許容するが、同時に、セル内に存在するガスに対しては不透過性である半透過性膜100を形成している。膜100は、陰極112及び陽極111の間の電子の通過も防止する。
さらに、燃料電池1は、陽極111及び陰極112のそれぞれの周縁部に配置される補強材、又はサブガスケット131及び132を含んでいる。補強材131及び132は、膜/電極アセンブリーにおける劣化の原因となるガス透過の現象を制限するために、膜100の突出部とともに、電極の周縁部上に重ねられる。補強材131及び132は、代表的には、ポリマーフィルムによって形成され、膜/電極アセンブリーを、ガス入口及び冷却液体入口おいて補強する。補強材131及び132は、膜/電極アセンブリーの取り扱いを容易なものとして、その劣化を防止している。また補強材131及び132は、温度及び湿度を関数として、膜100における寸法の変化を制限している。
各セルは、それぞれ、陽極111及び陰極112に面するように配置された流れ案内プレート101及び102を有している。各セルは、陽極111と案内プレート101との間に配置されたガス拡散層21を有する。各電池は、さらに、陰極112と案内プレート101との間に配置されたガス拡散層22を有する。近接するセルのための2つの案内プレートは、それ自体公知の様式で、1つの双極プレートを形成することができる。案内プレートは、フローチャネルを限定するレリーフ状の表面を有する金属シートによって形成される。
フローチャネル103及び104は、図12に示すように、z方向に分配され、x方向に伸長している。重ねられた電気化学セルは、圧縮され(それ自体公知である)、電気化学セルの周縁部を防水性とし、ガス拡散層を、それらの各電極及び案内プレートに押し付ける。
燃料電池1の作動の間、それ自体公知の様式で、空気は、MEAと案内プレート101との間を流れ、水素(H)は、MEAと案内プレート102との間を流れる。陰極112において、水素(H2)は、イオン化されてプロトンを生成する(プロトンはMEAを通過する)。この反応によって生成された電子は、案内プレート101で集められる。ついで、生成された電子は、燃料電池1に接続された電気負荷に印加され、電流を形成する。陽極111では、酸素が還元され、プロトンと反応して水を形成する。陰極及び陽極における反応は、下記のように制御される:
→ 2H + 2e (陰極において)
4H + 4e + O → 2HO (陽極において)
作動中には、燃料電池のセルは、通常、陰極と陽極との間で1V程度のDC電圧を発生する。
図2は、図1の燃料電池の膜/電極アセンブリーの周縁部の縦断面図である。見易くするため、この図では、ガス拡散層は示していない。
次に、補強材131について詳述する。補強材132は、実質的に同一の構造を有している。補強材131は、陽極111の周縁部を覆う内部縁部134を有する。内部縁部134による陽極111の周縁部の被覆は、好ましくは、500〜3000μmの幅にわたって延びている。内部縁部134は、陽極111に固定するように接合されている。補強材131は、陽極111の周縁部を越えて伸長し、膜100上で突出部を形成している。補強材131は、膜100に固定するように取り付けられている。補強材131を陽極111及び膜100に固定するように取り付けることは、好適な手段、例えば、ホットプレス処理によって、又は補強材131上への陽極111の印刷処理によって行われる。補強材131は、その中央部に開口133を有している。従って、開口133は、陽極111の中央部を被覆していない。
補強材131、132及び電極111、112は、一般に、均一の厚さを有する。そのため、補強材の内部縁部と電極の周縁部との間のオーバーラップは、局所的に、わずかに過剰な厚さとなる。この過剰な厚さは、電極の厚さと明らかに対応できる。電極111及び112は、一般に、5〜25μmの範囲の厚さを有する。補強材131及び132は、一般に、25〜75μmの範囲の厚さを有する。
図3は、本発明による燃料電池1の陰極側又は陽極側で使用されるガス拡散層の一実施例の周縁部の拡大断面図である。
図示のガス拡散層21は、2つの面214及び215を有する。面214は、案内プレート101と接触するためのものである。面215は、補強材131の開口133を介して、電極(この場合、陽極111)と接触するためのものである。ガス拡散層21は、その周縁部に凹部211を含み、この凹部211は、面215に形成されている。このようにして、面215の中央部は、陽極111と接触するため、補強材131の開口133を通るバルジ(凹部211に対して)が形成される。
凹部211は、補強材131の内部縁部134と直交するようになっている。このように、内部縁部134との間で重ね合わされるが、この重ね合わせによって局所的に形成される厚さは、制限される。この目的を達成するため、凹部211は、0.8Epr〜1.1Eprの範囲の深さPrを有するのが好ましい(ここで、Eprは、その内部縁部134における補強材の厚さである)。深さPrは、好ましくは25〜75μmの範囲である。ガス拡散層21は、好ましくは、その中央部において、200〜400μmの範囲の厚さEpを有する。凹部211の厚さは、好ましくは、500〜3000μmの範囲である。凹部211のサイジングは、好ましくは、内部縁部134が表面215の中央部まで広がらないように、又は形成されるバルジが開口133内に収容されるように行われる。
凹部211と面215の中央部との間の接続部は、直線状又は円弧状の面取り部とすることができる。
ホットプレス処理工程における局所的な過剰圧力(あれば)を制限するため、ガス拡散層21は、部分212が部分213と一直線となるようにされた表面214を有する。部分212は、凹部211と垂直である面214の部分に相当する。部分213は、面214の中央部に相当する。このように、面214のレベルは、ホットプレス処理工程の間又はプレート101及び102の結合の間、明らかに均一である。好ましくは、面214は、実質的に平らである。ガス拡散層21は、その表面の全体にわたって実質的に均一の組成を有するのが好ましい。
図4〜図10は、本発明の方法の一実施例における燃料電池1製作の各工程を示す。図4〜10を参照して述べる方法は、陽極111側、及び/又は陰極112側で実施される。
図4は、支持体130の平面図である。支持体130は、平らである。支持体130には、事前にカットされた輪郭135が形成されている。この事前にカットされた輪郭135は、支持体130を、周縁部と中央部との間で分画している。
図5は、液相の電解触媒インク(乾燥後は、電極を形成する)を塗布した後の支持体の平面図である。電極110は、何らかの好適な手段によって硬化される。形成された電極110は、事前にカットされた輪郭135を越えて伸びる。このようにして、重ね合わせが、周縁部の内部縁部と電極110の周縁部との間で行われる。
電解触媒物質は、触媒反応を得るのに適した触媒特性を有する。電解触媒物質は、金属原子を含む粒子又はナノ粒子の形態をとることができる。触媒物質は、特に金属酸化物を含むことができる。電解触媒物質は、白金、金、銀、コバルト、ルテニウムのような金属である。
図6は、図4及び図5に示す工程に従って得られた支持体(例えば、補強材132)、及び陰極112とともに、支持体(例えば、補強材131)及び陽極111を使用することによって形成された燃料電池1のセルの断面図である。作製法のこの工程では、初めに、支持体/補強材131及び陽極111を、膜110の一方の面に固着させ、次に、支持体/補強材132及び陰極112を、膜100の他の面に固定するように取り付けることによって、膜/電極アセンブリーが得られる。
ホットプレス処理工程の間における電極110の膜100への接着を良好なものとするため、膜100及び電極110は、同一のポリマー物質を含んでいるのが好ましい。このポリマー物質は、ホットプレス処理温度よりも低いガラス転移温度を有するのが好ましい。このポリマー物質を形成するために使用される重合可能な物質としては、商品名Nafion DE2020として市販されているイオノマーがある。
ホットプレス処理による接着のため、ホットプレス処理温度は、100〜130℃であり、好ましくは110〜125℃である。
図7は、それぞれ、補強材131及び132の中央部を取り出し(輪郭135に沿う切り出し)、これによって、開口133を形成した後の燃料電池1のセルの断面図である。開口133は、それぞれ、陽極111の中央部及び陰極112の中央部を覆っていない。このように、補強材は、電解触媒インクの塗布によって作製された支持体から形成される。
この取り出し工程の終了時、補強材131及び132を、例えば、ガス又は冷却液体の流れの通路を作製するため、それらの周辺での貫通穴を切り出す操作に供することができる。
図8は、ガス拡散層21及び22を配置した後の燃料電池1のセルの断面図である。ガス拡散層21は、開口133を通って陽極111の覆われていない部分
と接触して配置される。ガス拡散層21の周縁部は、補強材131の内部縁部134を覆う。従って、補強材131の内部縁部134は、ガス拡散層21の凹部211内に収容される。ガス拡散層22は、開口133を通って陰極112の覆われていない部分と接触して配置されている。ガス拡散層22の周縁部は、補強材132の内部縁部134を覆う。従って、補強材132の内部縁部134は、ガス拡散層22の凹部211内に収容される。
ついで、図1に示す燃料電池1のセルを得るため、ガス拡散層21及び22が設けられた膜/電極アセンブリーを、2つの流れ案内金属プレート101及び102の間に入れる。
凹部211は、製紙用パルプにおいてフィリグリーパターンを形成するための公知の方法を使用することによって形成される。例えば、湿式プロセスによって、フィリグリー形の凹部211を含んでなるガス拡散層が得られる。図9は、湿式プロセスによる、凹部211を含んでなるガス拡散層の作製法の1実施例の工程を示す概略図である。
湿式プロセスを使用するこのような方法によれば、水溶液12が、それ自体公知の構造を有する多孔性支持体31に塗布される。この支持体31には、凹部211の形状を限定するアドオン式レリーフ32(しばしば、ガルバノレリーフ又はガルバノと呼ばれる)が乗せられている。凹部を有するガス拡散層を形成するための支持体31及びアドオン式レリーフ32の組み合わせが、図10において平面図で示されている。過剰の水を回収するための装置34が支持体31の下に配置されており、例えば、真空吸引装置を含む。支持体31は、水溶液12中に含まれる水を濾過し、この支持体31上に溶液の成分の残部を保持することができるようになっている。
水溶液は、炭素繊維(ガス拡散層の形成においてそれ自体公知である)及び結合剤物質(例えば、ポリビニルアルコール)を含んでいる。水溶液12は、異なる要素を含む分散液の形でもよい。
水溶液12は、例えば、支持体31に対して相対的に可動性のスプレーノズル33によって塗布される。このような塗付用の水溶液12の調製では、この溶液は、スプレー工程において、0.02%以下(例えば、0.01%)の炭素繊維質量割合を有することができる。結合剤物質は、例えば、形成されるガス拡散層の5〜10%の質量割合を構成することができる。
水溶液12を支持体31に塗布した後、取り扱いが可能ほど、充分に固状の物質が得られるまで、この溶液からの水の大部分を、支持体を通して排出する。固化した要素は、レリーフ32の形状によって限定される凹部211を含んでいる。ついで、固化した要素を、オーブン乾燥、プレス処理、含浸又は黒鉛化のような他の処理に供して、燃料電池に組み込まれるガス分散層21を得る。
固化した要素は、特に固化した要素がプレス処理に供される場合には、形成されたガス拡散層よりも大きい凹部厚さを有する。レリーフ32の厚さは、プロセスにおけるこれらの工程を考慮して決定される。レリーフの幅は、形成される凹部211の幅を限定するために、好ましくは、500〜3000μmの範囲である。
図11は、膜/電極アセンブリーに焦点を当てた燃料電池1の他の具体例の概略図(断面における)である。ガス拡散層21及び22と陽極111及び陰極112との間の接触境界面は、それぞれ、波型である。
この目的のため、陽極111と接触するガス拡散層21の面は波型である。同様に、陰極112とのガス拡散層22の接触面は波型である。膜/電極アセンブリーは、柔軟であるため、ガス拡散層21及び22によって波型となっている。
このように、電気化学セルがわずかに増大した厚さを有すること、及び案内プレート101及び102が同じ面積であることによって、ガス拡散層21,22と電極111,112との間の交換面積は増大する。このような燃料電池1は、ほとんど変わらない容積で、増大された電力を有する。ガス拡散層の容積がほとんど変わることなく、増大された電力が得られる。ガス拡散層(一般に、燃料電池の最も高価な部材である)のコストは、ほとんど変わらない。
図11に示す例では、波型は、x方向に沿って、周期Pを有する。周期Pは、有利には50〜250μm、好ましくは75〜150μmである(例えば、100μm)。周期Pは、膜/電極アセンブリーの厚さを増大させることなく、接触面積の増大が得られるように、充分に小さい。周期Pは、膜/電極アセンブリーの過剰な変形を回避するように、充分に大きい。それによって、電極111,112と膜100との間の固着は変更されない。電極とその各ガス拡散層との間の接触も維持される。
波型は、好ましくは、均一の高さAを有する。この高さは、有利には15〜50μm、好ましくは20〜45μmの範囲である。この高さは、好ましくは、ガス拡散層の厚さの5〜20%、より好ましくは、5〜15%の範囲である。高さAは、波型の頂部と底部との間の深さである。高さAは、ガス拡散層と各電極との間の交換面積を顕著に増大させるように充分に高いものである。高さAは、膜/電極アセンブリーの過剰な変形を回避するように充分に低いものである。周期Pと高さAとの間の比は、好ましくは2〜5の範囲である。ガス拡散層21及び22は、有利には150〜500μm、好ましくは200〜300μmの厚さを有する。
このようなパラメーターにより、ガス拡散層と各電極との間の交換面積を増大できる(10〜25%)。
波型は、好ましくは鋭い縁を持たず、好ましくは曲率半径を有している。それによって、膜/電極アセンブリーは変更されない。さらに、電極とそのガス拡散層との間の均一な接触が維持される。電極とそのガス拡散層との間の接触面は、突出形状を有している。
膜/電極アセンブリーは、その厚さが35〜130μmの範囲である場合に、変更されることなく、容易に成形される。電極111及び112の厚さは、好ましくは5〜15μmの範囲である。膜100の厚さは、好ましくは20〜100μmの範囲である。
図13及び図14は、図9及び図10に示す製造工程の他の具体例を示す。この工程において、波型の接触表面を有するガス拡散層が、湿式プロセスによって得られる。支持体31には、ガス拡散層の中央部における凹部を限定するアドオン式レリーフ35が、追加して乗せられる。レリーフ35は、好適な波型を有するガス拡散層の中央部において、凹部を限定する。
このような湿式プロセス工程によって得られたガス拡散層は、平らな上面を有する。
(1) 燃料電池
(12) 水溶液
(21) ガス拡散層
(22) ガス拡散層
(31) 支持体
(32) レリーフ
(33) スプレーノズル
(34) 過剰の水を回収する装置
(35) レリーフ
(100) 膜
(101) 案内プレート
(102) 案内プレート
(103) フローチャネル
(104) フローチャネル
(110) 電極
(111) 陽極
(112) 陰極
(130) 支持体
(131) 補強材
(132) 補強材
(133) 開口
(134) 内部縁部
(135) 輪郭
(211) 凹部
(212) 部分
(213) 部分
(214) 面
(215) 面

Claims (6)

  1. 燃料電池(1)を製造する方法であって、
    その中央部に開口を有する補強材(131)を、プロトン交換膜、及び前記膜の1つの面に対して配置された電極に固定するように取り付けて、固定した補強材の内部縁部が、電極の周縁部とともに、プロトン交換膜の突出部を覆う工程;
    ガス拡散層内において、湿式プロセスによってフィリグリーを形成する方法により、ガス拡散層の周縁部に凹部を形成する工程と、
    ガス拡散層を、凹部が補強材の内部周縁部と垂直になるように配置する工程
    とを含む燃料電池の製造方法。
  2. フィリグリーを形成する工程は、炭素繊維及び結合剤を含む水溶液の層を塗布することを含み、かつ水溶液の成分を固化して、ガス拡散層を形成することを含む請求項1記載の燃料電池の製造方法。
  3. 形成されるガス拡散層は、深さ25〜75μmを有する凹部を有している請求項2記載の燃料電池の製造方法。
  4. 形成されるガス拡散層は、幅500〜3000μmを有している凹部を含んでいる請求項2又は3記載の燃料電池の製造方法。
  5. 配置されるガス拡散層は、実質的に均一な組成を有する請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
  6. ガス拡散層は、凹部が形成される第1の面及び第2の面を含み、前記凹部と垂直の第2の面の部分は、第2の面の中央部と一直線に整合している請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
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