JP2014059950A - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】潤滑液と、複数の固定砥粒が研削面に配備された定盤とを用いてガラス基板の主表面を研削する研削工程において、研削により研削面の表面に溜まったスラッジの凝集物の排出を促進させるため、上記ガラス基板の研削加工面に供給される潤滑液中にアルミニウムイオンを含む添加剤を含有させる。
【選択図】なし
Description
この研削(ラッピング)工程の終了後は、高精度な平面を得るための鏡面研磨加工を行っている。
すなわち、固定砥粒を用いた研削方法の場合、加工時間の経過とともに、研削レートが低下することが認められた。図1は、加工時間の経過に伴う研削レートの変化を示したものであり、通常ガラス(従来磁気ディスク用ガラス基板に通常使用されているアルミノシリケートガラス)を用いた場合、加工時間の経過とともに研削レートが低下しており、特に耐熱性ガラス(概ねTgが600℃以上)を用いた場合、研削レートが大幅に低下してしまう。これでは、表面品質の向上と加工コストの低減の両立を図ることができない。
従来の遊離砥粒を用いた研削加工の場合、砥粒が遊離のために、研削加工の進行に伴って発生する研削屑が砥粒に付着しても、転回を繰り返し定盤及びガラスとの摩擦により、砥粒表面に研削屑が堆積することなく排出される。一方、固定砥粒を用いた研削加工では、砥粒が固定されているために、研削屑が付着すると砥粒が転回しないので砥粒表面に研削屑が堆積固化し、研削屑による固定砥粒の目詰まりが生じ、加工阻害による研削レートの低下が起こる。この場合、加工面に供給される潤滑液(クーラントともいう)の作用で、砥粒表面に一旦堆積した研削屑を洗い出す(取り除く)ことは困難である。固定砥粒による研削加工は、遊離砥粒を用いた研削加工と比べて、研削量が小さく、高精細の加工を行えるので、加工に伴って排出される研削屑等は微細な粒径のものが多く含まれているため、砥粒表面に付着し易いという要因もある。
ガラス主成分のシリカとアルミナはケイ素とアルミニウムが酸素を介し結合した構造であるが、シリカとアルミナの比率を変えることで耐熱性などの特性をコントロールすることが可能である。例えばケイ素が多い(アルミニウムが相対的に少ない)ハイシリカは、結晶構造が均一のため、熱等に強く安定であり耐熱性を備えている。本発明者の検討によると、このようなアルミニウムの含有量の少ない耐熱性ガラスから加工に伴って排出される研削屑は、研削加工のように砥石とガラス基板表面との接触部が局所的に高温・高圧の環境下となりうる環境下において凝集し易く、砥粒表面への堆積固化を促進させる。そのため、通常ガラスと比べてアルミニウム含有量の少ない又はアルミニウムを含まない耐熱性ガラスでは、研削屑による固定砥粒の目詰まりがより生じ易く、加工阻害による研削レートの大幅な低下が起こる。換言すれば、ガラスの研削加工において加工レートの大幅な低下が起こる原因は、ガラスに含まれるアルミナの含有量が少ないためと考えられる。
(構成1)
潤滑液と、ダイヤモンド粒子を含む固定砥粒が研削面に配備された定盤とを用いてガラス基板の主表面を研削する研削工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板の研削加工面に供給される前記潤滑液中に、Al3+を含有させることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
前記潤滑液中に、Al2O3を添加することを特徴とする構成1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
前記潤滑液中のAl3+の含有量は、0.05g/L〜1.0g/Lの範囲内であることを特徴とする構成1又は2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
前記ガラス基板は、モル%表示にて、
SiO2を50〜75%、
Al2O3を0〜5%、
BaOを0〜2%、
Li2Oを0〜3%、
ZnOを0〜5%、
Na2OおよびK2Oを合計で3〜15%、
MgO、CaO、SrOおよびBaOを合計で14〜35%、
ZrO2、TiO2、La2O3、Y2O3、Yb2O3、Ta2O5、Nb2O5およびHfO2を合計で2〜9%、含み、
モル比[(MgO+CaO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)]が0.85〜1の範囲であり、且つモル比[Al2O3/(MgO+CaO)]が0〜0.30の範囲であるガラスからなることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
構成1乃至4のいずれかに記載の製造方法によって得られた磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法である。
潤滑液と、複数の固定砥粒が研削面に配備された定盤とを用いてガラス基板の主表面を研削する研削工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、研削により研削面の表面に溜まったスラッジの凝集物の排出を促進させるための添加剤を、前記ガラス基板の研削加工面に供給される前記潤滑液中に含有させることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
前記ガラス基板は、SiO2を主成分とし、Al2O3を0〜15重量%含むガラスからなることを特徴とする構成6に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
前記潤滑液は、アミン、鉱油、灯油、ミネラルスピリット、水溶性油エマルジョン、ポリエチレンイミン、エチレングリコール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロピレングリコール、アミンボレート、ホウ酸、アミンカルボキシレート、パイン油、インドール、チオアミン塩、アミド、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチルトリアジン、カルボン酸、ナトリウム2−メルカプトベンゾチアゾール、イソプロパノールアミン、トリエチレンジアミン四酢酸、プロピレングリコールメチルエーテル、ベンゾトリアゾール、ナトリウム2−ピリジンエチオール−1−オキシド、ヘキシレングリコールの1つ以上を含む水性溶液からなることを特徴とする構成6又は7に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
前記潤滑液中に添加される前記添加剤は、Al2O3、硫酸アンモニウムアルミニウム、臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アルミニウムから選択されることを特徴とする構成6乃至8のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
前記潤滑液中に添加される前記添加剤の含有量は、0.05g/L〜1.0g/Lの範囲内であることを特徴とする構成6乃至9のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
本発明は、上記構成1にあるように、潤滑液と、ダイヤモンド粒子を含む固定砥粒が研削面に配備された定盤とを用いてガラス基板の主表面を研削する研削工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板の研削加工面に供給される前記潤滑液中に、Al3+を含有させることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
この磁気ディスク用ガラス基板の製造は、まず、溶融ガラスからダイレクトプレスにより円盤状のガラス基板(ガラスディスク)を成型する。なお、このようなダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で製造された板ガラスから所定の大きさに切り出してガラス基板(ガラスディスク)を得てもよい。次に、この成型したガラス基板(ガラスディスク)に寸法精度及び形状精度を向上させるための研削(ラッピング)を行う。この研削工程は、通常両面ラッピング装置を用い、ダイヤモンド等の硬質砥粒を用いてガラス基板主表面の研削を行う。こうしてガラス基板主表面を研削することにより、所定の板厚、平坦度に加工するとともに、所定の表面粗さを得る。
なお、Al2O3については通常は水に難溶性であるが、研削加工のような高荷重の条件下では局所的に高温・高圧環境下となるため一部が溶出してAlイオンを供給する。また、Al2O3を潤滑液に添加する場合は、1μm以下の小さい粒径のものを使用することで、ガラス基板の主表面にスクラッチが発生することを防止することができる。
潤滑液中のAl3+イオンを供給しうる物質の含有量が、0.05g/L未満であると、従来の固定砥粒を用いた研削加工における課題となっていた研削レートの低下を改善する効果が十分に得られない。特に耐熱性ガラスの研削加工においては研削レートの低下が大きいため、この研削レートの低下を改善することができない。一方、潤滑液中のAl3+イオンを供給しうる物質の含有量が、1.0g/Lを超えても、研削レートの低下を改善する効果は変わらない。
また、SiO2を56〜75モル%、Al2O3を1〜9モル%、Li2O、Na2OおよびK2Oからなる群から選ばれるアルカリ金属酸化物を合計で6〜15モル%、MgO、CaOおよびSrOからなる群から選ばれるアルカリ土類金属酸化物を合計で10〜30モル%、ZrO2、TiO2、Y2O3、La2O3、Gd2O3、Nb2O5およびTa2O5からなる群から選ばれる酸化物を合計で0%超かつ10モル%以下、含むガラスであってもよい。
本発明において、ガラス組成におけるAl2O3の含有量が15重量%以下であると好ましい。さらには、Al2O3の含有量が5モル%以下であるとなお好ましい。
ガラス基板の鏡面研磨方法としては、酸化セリウムやコロイダルシリカ等の金属酸化物の研磨材を含有するスラリー(研磨液)を供給しながら、ポリウレタン等のポリシャの研磨パッドを用いて行うのが好適である。高い平滑性を有するガラス基板は、たとえば酸化セリウム系研磨材を用いて研磨した後(第1研磨加工)、さらにコロイダルシリカ砥粒を用いた仕上げ研磨(鏡面研磨)(第2研磨加工)によって得ることが可能である。
また、本発明において表面粗さ(例えば、最大粗さRmax、算術平均粗さRa)は、原子間力顕微鏡(AFM)で測定したときに得られる表面形状の表面粗さとすることが実用上好ましい。
本発明によって得られるガラス基板を利用することにより、信頼性の高い磁気ディスクを得ることができる。
(実施例1−1)
以下の(1)粗ラッピング工程(粗研削工程)、(2)形状加工工程、(3)精ラッピング工程(精研削工程)、(4)端面研磨工程、(5)主表面研磨工程(第1研磨工程)、(6)化学強化工程、(7)主表面研磨工程(第2研磨工程)を経て本実施例の磁気ディスク用ガラス基板を製造した。
まず、溶融ガラスから上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスにより直径66mmφ、厚さ1.0mmの円盤状のアルミノシリゲートガラスからなるガラス基板を得た。なお、このようなダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で製造された板ガラスから所定の大きさに切り出してガラス基板を得てもよい。このアルミノシリケートガラスとしては、SiO2:62〜75重量%、ZrO2:5.5〜15重量%、Al2O3:5〜15重量%、Li2O:4〜10重量%、Na2O:4〜12重量%を含有する化学強化用ガラスを使用した。
次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を空けると共に、外周端面の研削をして直径を65mmφとした後、外周端面および内周端面に所定の面取り加工を施した。このときのガラス基板端面の表面粗さは、Rmaxで4μm程度であった。なお、一般に、2.5インチ型HDD(ハードディスクドライブ)では、外径が65mmの磁気ディスクを用いる。
この精ラッピング工程は両面ラッピング装置を用い、粒度#1000のダイヤモンド砥粒(砥粒径約2〜10μm)をアクリル樹脂で固定したペレットが貼り付けられた上下定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させて行なった。また、潤滑液としてはクーラント(温度40℃)中にAl2O3(粒径約1μm)を0.06g/Lの含有量で添加したものを使用した。
具体的には、荷重を400kg程度に設定して、上記ラッピング装置のサンギアとインターナルギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を、表面粗さRmaxで2μm程度、Raで0.2μm程度にラッピングした。
上記ラッピング工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、水の各洗浄槽(超音波印加)に順次浸漬して、超音波洗浄を行なった。
次いで、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながらガラス基板の端面(内周、外周)の表面の粗さを、Raで0.3nm程度に研磨した。そして、上記端面研磨を終えたガラス基板の表面を水洗浄した。
次に、上述したラッピング工程で残留した傷や歪みを除去するための第1研磨工程を両面研磨装置を用いて行なった。両面研磨装置においては、研磨パッドが貼り付けられた上下研磨定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させ、このキャリアを太陽歯車(サンギア)と内歯歯車(インターナルギア)とに噛合させ、上記ガラス基板を上下定盤によって挟圧する。その後、研磨パッドとガラス基板の研磨面との間に研磨液を供給して回転させることによって、ガラス基板が定盤上で自転しながら公転して両面を同時に研磨加工するものである。具体的には、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発泡ウレタン)を用い、第1研磨工程を実施した。研磨液としては酸化セリウム(平均粒径1.3μm)を研磨剤として分散したRO水とし、荷重100g/cm2、研磨時間15分とした。上記第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
次に、上記洗浄を終えたガラス基板に化学強化を施した。化学強化は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合した化学強化液を用意し、この化学強化溶液を380℃に加熱し、上記洗浄・乾燥済みのガラス基板を約4時間浸漬して化学強化処理を行なった。
次いで上記の第1研磨工程で使用したものと同じ両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェード)の研磨パッド(アスカーC硬度で72の発泡ポリウレタン)に替えて第2研磨工程を実施した。この第2研磨工程は、上述した第1研磨工程で得られた平坦な表面を維持しつつ、例えばガラス基板主表面の表面粗さをRaで0.2nm程度以下の平滑な鏡面に仕上げるための鏡面研磨加工である。研磨液としてはコロイダルシリカ(平均粒径0.8μm)を分散したRO水とし、荷重100g/cm2、研磨時間5分とした。上記第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
また、上記工程を経て得られたガラス基板の主表面の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定したところ、Rmax=2.13nm、Ra=0.20nmと超平滑な表面を持つガラス基板を得た。また、そのガラス基板の表面を原子間力顕微鏡(AFM)及び電子顕微鏡で分析したところ、鏡面状であり、突起や傷等の表面欠陥は観察されなかった。
また、得られたガラス基板の外径は65mm、内径は20mm、板厚は0.635mmであった。
こうして、本実施例の磁気ディスク用ガラス基板を得た。
上記実施例1−1の精ラッピング工程において、潤滑液としてクーラント(温度40℃)中にAl2O3の含有量を1.0g/Lとしたこと以外は実施例1−1と同様にして精ラッピング工程を実施した。そして、精ラッピング工程以外は実施例1−1と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を得た。
本実施例の精ラッピング工程におけるバッチ進行による研削レートの変化を下記表1に示した。
上記実施例1−1の精ラッピング工程において、潤滑液としてクーラント(温度40℃)中にAl2O3の含有量を0.03g/Lとしたこと以外は実施例1−1と同様にして精ラッピング工程を実施した。そして、精ラッピング工程以外は実施例1−1と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を得た。
本実施例の精ラッピング工程におけるバッチ進行による研削レートの変化を下記表1に示した。
上記実施例1−1の精ラッピング工程において、潤滑液としてクーラント(温度40℃)中にAl2O3の含有量を1.5g/Lとしたこと以外は実施例1−1と同様にして精ラッピング工程を実施した。そして、精ラッピング工程以外は実施例1−1と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を得た。
本実施例の精ラッピング工程におけるバッチ進行による研削レートの変化を下記表1に示した。
本実施例では、ガラス基板の硝種として、モル%表示にて、SiO2を50〜75%、Al2O3を0〜5%、BaOを0〜2%、Li2Oを0〜3%、ZnOを0〜5%、Na2OおよびK2Oを合計で3〜15%、MgO、CaO、SrOおよびBaOを合計で14〜35%、ZrO2、TiO2、La2O3、Y2O3、Yb2O3、Ta2O5、Nb2O5およびHfO2を合計で2〜9%、含み、モル比[(MgO+CaO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)]が0.85〜1の範囲であり、且つモル比[Al2O3/(MgO+CaO)]が0〜0.30の範囲である耐熱性ガラス(Tg:650℃以上)を使用した。
上記実施例2−1の精ラッピング工程において、潤滑液としてクーラント(温度40℃)中にAl2O3の含有量を1.0g/Lとしたこと以外は実施例2−1と同様にして精ラッピング工程を実施した。そして、精ラッピング工程以外は実施例2−1と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を得た。
本実施例の精ラッピング工程におけるバッチ進行による研削レートの変化を下記表2に示した。
上記実施例2−1の精ラッピング工程において、潤滑液としてクーラント(温度40℃)中にAl2O3の含有量を0.03g/Lとしたこと以外は実施例2−1と同様にして精ラッピング工程を実施した。そして、精ラッピング工程以外は実施例2−1と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を得た。
本実施例の精ラッピング工程におけるバッチ進行による研削レートの変化を下記表2に示した。
上記実施例2−1の精ラッピング工程において、潤滑液としてクーラント(温度40℃)中にAl2O3の含有量を1.5g/Lとしたこと以外は実施例2−1と同様にして精ラッピング工程を実施した。そして、精ラッピング工程以外は実施例2−1と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を得た。
本実施例の精ラッピング工程におけるバッチ進行による研削レートの変化を下記表2に示した。
上記実施例1−1で得られた磁気ディスク用ガラス基板に以下の成膜工程を施して、垂直磁気記録用磁気ディスクを得た。
すなわち、上記ガラス基板上に、Ti系合金薄膜からなる付着層、CoTaZr合金薄膜からなる軟磁性層、Ru薄膜からなる下地層、CoCrPt合金からなる垂直磁気記録層、カーボン保護層、潤滑層を順次成膜した。保護層は、磁気記録層が磁気ヘッドとの接触によって劣化することを防止するためのもので、水素化カーボンからなり、耐磨耗性が得られる。また、潤滑層は、アルコール変性パーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤をディップ法により形成した。
得られた磁気ディスクについて、所定のグライド特性試験を行ったが、特に障害も無く、良好な結果が得られた。
得られた磁気ディスクについて、所定のグライド特性試験を行ったが、特に障害も無く、良好な結果が得られた。
Claims (6)
- 潤滑液と、複数の固定砥粒が研削面に配備された定盤とを用いてガラス基板の主表面を研削する研削工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
研削により研削面の表面に溜まったスラッジの凝集物の排出を促進させるため、アルミニウムイオンを含む添加剤を、前記ガラス基板の研削加工面に供給される前記潤滑液中に含有させることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 前記ガラス基板は、SiO2を主成分とし、Al2O3を含むガラスからなることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 前記潤滑液は、アミン、鉱油、灯油、ミネラルスピリット、水溶性油エマルジョン、ポリエチレンイミン、エチレングリコール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロピレングリコール、アミンボレート、ホウ酸、アミンカルボキシレート、パイン油、インドール、チオアミン塩、アミド、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチルトリアジン、カルボン酸、ナトリウム2−メルカプトベンゾチアゾール、イソプロパノールアミン、トリエチレンジアミン四酢酸、プロピレングリコールメチルエーテル、ベンゾトリアゾール、ナトリウム2−ピリジンエチオール−1−オキシド、ヘキシレングリコールの1つ以上を含む水性溶液からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 前記潤滑液中に添加される前記添加剤は、Al2O3、硫酸アンモニウムアルミニウム、臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アルミニウムから選択されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 前記潤滑液中に添加される前記添加剤の含有量は、0.05g/L〜1.0g/Lの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法によって得られた磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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