JP2014058658A - 発泡剤組成物ペレットおよびその製造方法 - Google Patents
発泡剤組成物ペレットおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014058658A JP2014058658A JP2013158385A JP2013158385A JP2014058658A JP 2014058658 A JP2014058658 A JP 2014058658A JP 2013158385 A JP2013158385 A JP 2013158385A JP 2013158385 A JP2013158385 A JP 2013158385A JP 2014058658 A JP2014058658 A JP 2014058658A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- foaming agent
- agent composition
- pellet
- mass
- molding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】シリカ粒子(A)30〜80質量%、発泡剤(B)3〜30質量%およびバインダー成分(C)10〜50質量%を含有し、(A)と(B)と(C)の合計が100質量%であることを特徴とする発泡剤組成物ペレット。
【選択図】なし
Description
特許文献1には、ポリエチレン樹脂とポリエチレンワックスと発泡剤を混練したマスターバッチが開示されている。特許文献2には、特定性状を有するエチレン・α−オレフィン共重合体と発泡剤からなるマスターバッチが開示されている。特許文献3には、発泡剤の凝集を抑制するため、帯電防止剤の存在下分散を行う、マスターバッチの作成方法が記載されている。
本発明は、前記の問題を解決し、機械的特性や表面外観に優れ、発泡成形性が安定した発泡成形体を作成できる発泡剤組成物ペレットを提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)シリカ粒子(A)30〜80質量%、発泡剤(B)3〜30質量%およびバインダー成分(C)10〜50質量%を含有し、(A)と(B)と(C)の合計が100質量%であることを特徴とする発泡剤組成物ペレット。
(2)JIS K7365で測定される嵩比重が0.5〜1.0であることを特徴とする(1)記載の発泡剤組成物ペレット。
(3)原料のシリカ粒子(A)は、JIS K5101で測定される吸油量が200ml/100g以下であることを特徴とする(1)記載の発泡剤組成物ペレット。
(4)原料のシリカ粒子(A)は、JIS K6220で測定される嵩比重が0.2以上であることを特徴とする(1)記載の発泡剤組成物ペレット。
(5)バインダー成分(C)が、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸ビスアミドから選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)記載の発泡剤組成物ペレット。
(6)さらにシリカ以外の粒子(D)を含有することを特徴とする(1)記載の発泡剤組成物ペレット。
(7)上記(1)〜(5)記載の発泡剤組成物ペレットを製造するための方法であって、シリカ粒子(A)、発泡剤(B)およびバインダー成分(C)を一括混合し、バインダー成分(C)の融点以上の温度でペレット状に圧縮成形することを特徴とする発泡剤組成物ペレットの製造方法。
(8)上記(6)記載の発泡剤組成物ペレットを製造するための方法であって、シリカ粒子(A)、発泡剤(B)、バインダー成分(C)およびシリカ以外の粒子(D)を一括混合し、バインダー成分(C)の融点以上の温度でペレット状に圧縮成形することを特徴とする発泡剤組成物ペレットの製造方法。
(9)上記(1)〜(6)記載の発泡剤組成物ペレットと熱可塑性樹脂ペレットとを混合してなる成形用樹脂ペレット。
(10)上記(9)記載の成形用樹脂ペレットを成形してなる発泡成形体。
本発明で用いるシリカ粒子(A)は、SiO2で表される二酸化ケイ素を主成分とするものである。シリカ粒子の製造方法により大別して、乾式法シリカと湿式法シリカの2つに分けられるが、本発明では、いずれの方法で製造されたものも用いることができる。
乾式法シリカは一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的にはテトラクロロシランを水素および酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、テトラクロロシランの代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独またはテトラクロロシランと混合した状態で使用することができる。
一方、湿式法シリカは、さらに製造方法によって、沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカの二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件化で反応させて製造される。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、珪酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる。
シリカ粒子(A)と発泡剤(B)とバインダー成分(C)の合計100質量%に対して、シリカ粒子(A)の含有量が30質量%未満であると、得られる発泡剤組成物ペレットの耐ブロッキング性が低下することがあり、また、発泡性能が低下するため、成形性が不安定となり、発泡倍率を高めることができなかったり、得られる発泡成形体にアバタ状の凹凸が生じ表面外観が劣ることがある。またコアバック式発泡成形の場合では、十分なスキン層を形成しながら発泡させることが困難となり、得られる発泡成形体の衝撃強度が低下する。
一方、シリカ粒子(A)の含有量が80質量%を超えると、発泡剤組成物ペレットを製造することが困難となり、製造できたとしても、発泡剤組成物ペレットは壊れやすく、さらに嵩比重も高いため、熱可塑性樹脂ペレットとを混合した成形用樹脂ペレット中で偏析しやすく、成形安定性に欠けるものとなる。また得られる発泡成形体は、表面にスワールマークが現れ、表面外観が劣ることがある。
シリカ粒子以外の粒子(D)を含有する場合は、シリカ粒子(A)とシリカ粒子以外の粒子(D)との質量比((A)/(D))が、50/50〜95/5であることが好ましく、60/40〜90/10であることがより好ましく、70/30〜85/15であることがさらに好ましい。
シリカ粒子(A)に加えて、シリカ粒子以外の粒子(D)を含有することで、シリカ粒子(A)による耐ブロッキング性、発泡性能の向上の効果に加え、得られる発泡成形体は、発泡セルサイズが微細で均一になり、発泡成形体としての品質を向上させることができる。特にシリカ粒子以外の粒子(D)としてタルクを用いた場合は、発泡セルサイズがより微細で均一になる傾向があり、炭酸カルシウムを用いた場合は、発泡セルサイズの均一化とともに耐衝撃性が向上する傾向がある。
また、発泡剤(B)は、その粒度分布において、粒子径4μm以下の微粒子を実質的に含むことが好ましく、粒子径2μm以下の微粒子を実質的に含むことがより好ましい。
ポリオレフィンワックスがエチレン系共重合体である場合、エチレンと共重合する単量体の割合は、例えば、1〜40質量%、好ましくは5〜30質量%程度である。ポリオレフィンワックスの中でも、ポリエチレンワックスが特に好ましい。
X−R−(O−CH2−CH2)m−O−R−X (i)
X−R−〔O−CH2−CH(CH3)〕n−O−R−X (ii)
一般式(i)、(ii)中、XはNH2、COOHまたは水素原子を示し、Rは炭素数1〜100の直鎖状または分岐状のアルキレン基を示し、mは4〜1200の整数を示し、nは1〜200の整数を示す。このように、ポリアルキレングリコールの末端変性物は、ポリアルキレングリコールの末端が、アルキル基またはアミノ基もしくはカルボキシル基を末端に有するアルキル基で変性されたものである。
(RO)nPO(OH)3−n (iii)
一般式(iii)中、Rは炭素数1〜25のアルキル基を示し、nは1または2を示し、Rが2個である場合、それらは同じでも異なっていてもよい。Rとしては、エチル基、ブチル基、オクチル基、エチルヘキシル基が好ましい。
(RO)3P (iv)
一般式(iv)中、Rは炭素数1〜25のアルキル基、フェニル基、フェニル基の一部が炭化水素基で置換された芳香族基、または水素原子を示す。3個のRは同じでも異なっていてもよいが、3個のRがすべて水素原子であることはない。Rは、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基などの脂肪族基、フェニル基、ビフェニル基などの芳香族基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ノニル基などの置換基を有する芳香族基などが好ましい。
R1−COO−R2 (v)
一般式(v)中、R1およびR2は炭素数8〜40のアルキル基を示す。また、R1およびR2としては、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基などの脂肪族基が好ましく、高級脂肪酸と高級脂肪族1価アルコールとのエステル化合物がさらに好ましい。前記高級脂肪酸としては、例えばミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸、アラキジン酸、モンタン酸などが挙げられ、前記高級脂肪族1価アルコールとしては、例えばミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルデシルアルコールなどが挙げられる。
高級脂肪酸エステルとしては、例えばミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸ヘキシルデシルなどが挙げられる。
CH3(CH2)nCOOX (vi)
一般式(vi)中、Xは周期律表第I〜III族の金属原子を示し、nは9〜30の整数を示す。高級脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸アルミニウムなどが挙げられる。
R1−CONH−(CH2)n−NHCO−R2 (vii)
一般式(vii)中、R1およびR2は炭素数19〜23のアルキル基を示す。
高級脂肪酸ビスアミドとしては、例えばメチレンビスステアリルアミド、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミドなどが挙げられる。
R1−NR2R3 (viii)
一般式(viii)中、R1は炭素数8〜40のアルキル基を示し、R2およびR3は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。R1としてはオクチル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基などの脂肪族基が好ましい。
高級脂肪族アミンとしては、例えばオクチルアミン、ノニルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、1−テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミンなどが挙げられる。
具体的には、あらかじめ各種原材料を50〜150℃で加熱混合、混錬した後、圧縮造粒機でペレット形状に製造することができる。圧縮造粒する場合の設定温度は、バインダー成分(C)の融点以下温度でもよいが、融点以上の温度とすることにより、加工が安定し、崩壊しにくい発泡成形用マスターバッチが得られ、得られた発泡成形用マスターバッチは、その後の発泡成形においても成形安定性を有するため好ましい。
発泡剤組成物ペレットを製造するための装置として、バンバリーミキサー、ロッキングミキサー(愛知電機社製)、ハイスピードミキサー(深江パウテック社製)、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)、万能攪拌機(ダルトン社製)、ナウタミキサー(ホソカワミクロン社製)、CFグラニュレーター(フロイント産業社製)、バーチカル・グラニュレーター(パウレック社製)、フロージェットグラニュレーター(大川原製作所社製)、ロールプレスDP型(セイシン企業社製)、RCP型ローラコンパクタ(栗本鐵工所社製)、ブリケッタBGS−IV・II(新東工業社製)、ディスク・ペレッター(不二パウダル社製)、二軸押出造粒機(不二パウダル社製)等を用いることができる。
適用される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、GPポリスチレン、アクリル樹脂などの汎用樹脂や、ポリアセタール、脂肪族ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルなどのエンジニアリングプラスチックや、半芳香族ポリアミド、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファイド、シンジオタクチックポリスチレン、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォンなどのスーパーエンジニアリングプラスチックや、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどの生分解性樹脂などが挙げられる。
本発明の発泡剤組成物ペレットは、これらエンジニアリングプラスチック等、高温加工樹脂に使用することが効果的であり、特に、発泡成形体としたときの強度や耐熱性が優れ、自動車部品や電気機器等の分野において利用価値の高い、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドへの使用が好適である。
強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカ、ワラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、層状ケイ酸塩などが挙げられる。
帯電防止剤としては、ポリエチレングリコール、脂肪酸アルカノールアミドなどの非イオン性界面活性剤や、カチオン系界面活性剤、イオン性液体などが挙げられる。
また、成形用樹脂ペレットは、発泡セルが存在するコア部を発泡セルが存在しないスキン部で包括した形態の発泡体に成形することもでき、強度、表面の平滑性、外観性の優れた発泡成形体とすることができる。このような発泡体は、例えば、成形用樹脂ペレットを溶融して金型キャビティに射出し、溶融樹脂が流動末端付近に到達した時点で0.2〜1.0sの間、20〜100MPaの保圧をかけ、次いで金型キャビティに隣接した金型コア部を10〜100mm/sの速度で、中型キャビティの厚みが拡張する方向へ後退させる、射出コアバック式の射出成形方法で得ることができる。
実施例および比較例で用いた原料および試験方法を下記に示す。なお、嵩比重の測定に関して、本発明においては、原料シリカ粒子は、単一素材である比較的粒径のそろった微粒子であるため、その嵩比重は、JIS K6220に従って測定し、また発泡成形用マスターバッチは、粒状であるため、その嵩比重は、JIS K7365に従って測定した。
(1)シリカ粒子(A)
a1:水澤化学工業社製「シルホナイトM−1」、吸油量80ml/100g、嵩比重0.5、平均粒子径5μm
a2:水澤化学工業社製「ミズカシルP−50」、吸油量170ml/100g、嵩比重0.32、平均粒子径10μm
a3:水澤化学工業社製「ミズカシルP−527」、吸油量130ml/100g、嵩比重0.19、平均粒子径2μm
a4:水澤化学工業社製「ミズカシルP−78D」、吸油量240ml/100g、嵩比重0.24、平均粒子径12μm
b1:アゾジカルボンアミド 永和化成工業社製「ビニホールAC#3」
b2:4、4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド) 永和化成工業社製「ネオセルボンN♯5000」
b3:重炭酸ナトリウム、永和化成工業社製「セルボンSC−K」
c1:パラフィンワックス 日本精蝋社製「LUVAX1266」、融点69℃
c2:ポリエチレンワックス 三井化学社製「ハイワックス2020E」、融点100℃
c3:モンタン酸エステルワックス クラリアント社製「LICOWAX−E」、軟化点80℃
c4:エチレンビスステアリルアミド 日本化成社製「スリパックス−E」、融点140℃
d1:タルク 日本タルク社製「ミクロエースK−1」、平均粒径7μm
d2:重質炭酸カルシウム 白石工業社製「ホワイトンP−10」、平均粒径2μm
PA1:ユニチカ社製ポリアミド6樹脂「A1030GFL20」、ガラス繊維含有量20質量%
PA2:ユニチカ社製ポリアミド6樹脂「M1030DG」、層状ケイ酸塩含有量4質量%、ガラス繊維含有量6質量%
PBT:ポリプラスチックス社製ポリブチレンテレフタレート樹脂「#3200」、ガラス繊維含有量20質量%
PPS:東レ社製ポリフェニレンサルファイド樹脂「A503−X05」、ガラス繊維含有量30質量%
(1)発泡剤組成物ペレットの嵩比重
JIS K7365に従って測定を行なった。
発泡剤組成物ペレットを20メッシュの篩にかけて、篩い落とされないものを採取した。採取された発泡剤組成物ペレットの50gを100mlのガラス容器に入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製、PC1290型)にて10分間シェーキングを行った。シェーキングされた発泡剤組成物ペレットを20メッシュの篩にかけ、篩い落とされた粉末を採取し、その質量を測定した。そして、シェーキング前の発泡剤組成物ペレットの質量50gに対する、篩い落とされた粉末質量の割合から、次式により崩壊率を算出した。
崩壊率(%)=篩い落とされた粉末質量(g)/50(g)×100
熱可塑性樹脂ペレットと混合して成形用樹脂ペレットを製造するときに、発泡剤組成物ペレットが壊れやすくならないために、またその嵩比重が小さくならないために、崩壊率は、実用的には2%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。
容積300mlのガラス容器に、発泡剤組成物ペレット100gを入れ、温度100℃に設定したオーブン内に静置した。1時間経過後、オーブンからガラス容器を取り出し、室温まで十分に冷却した後、発泡剤組成物ペレット同士のブロッキングの有無を観察した。
射出コアバック方式で、発泡前厚み2mmが、発泡後厚み4mmとなるように発泡させた、φ100mmの円盤状の発泡成形体を成形した。グラフィックインパクトテスター(東洋精機製作所社製)を用い、得られた成形体の破壊時の衝撃吸収エネルギーを測定し、その値を衝撃強度とした。衝撃強度が1.0J以上であるものが実用的に優れている。
上記(4)の方法で成形した発泡成形体の表面外観を目視観察した。
(5−1)スワールマークの有無
目視観察により、発泡体表面にスワールマークが認められないものを○、認められたものを×と評価した。スワールマークが認められないものの中で、特に発泡成形体表面の光沢に優れたものを◎と評価した。○と◎を合格とした。
目視観察により、発泡成形体表面にアバタ状凸凹が認められないものを○、アバタ状凸凹が認められたものを×と評価した。○を合格とした。
上記(4)の方法で成形した発泡成形体の10枚について厚みを測定し、発泡による膨張が均一であり変動しないかを、厚みの標準偏差により評価した。標準偏差は0.20以下が好ましく、0.025以下であることがさらに好ましい。
上記(4)の方法で成形した発泡成形体を、厚さ方向に冷凍割断し、その割断面のSEM画像で発泡セルを観察した。目視により直径が大きいとみられる発泡セル50個について、発泡セルの直径を測定した。なお、楕円形に観察される発泡セルの場合は、長径と短径の平均を直径とした。測定された50個の発泡セルの中で、直径が大きい上位5個の発泡セルについて、それらの直径を平均した値を発泡セルサイズとした。
なお、発泡セルサイズは、小さいほど好ましい。
シリカ粒子(a1)60質量部、発泡剤(b1)10質量部およびバインダー成分(c1)30質量部をロッキングミキサー(愛知電機製、RM−10−2)により、均一に混合した。この混合物を、ディスク・ペレッター(不二パウダル社製)を用い、圧縮温度100℃にて加温圧縮を行い、直径3mm、長さ2.5mmの発泡剤組成物ペレット(M−1)を得た。得られた発泡剤組成物ペレット(M−1)の嵩比重、崩壊率、耐ブロッキング性の評価結果を表1に示す。
熱可塑性樹脂ペレットとしてのポリアミド6樹脂(PA1)97質量部と、実施例1で作成した発泡剤組成物ペレット(M−1)3質量部をドライブレンドして成形用樹脂ペレットを得た。
得られた成形用樹脂ペレットを、シャットオフノズルを搭載した射出成形機(FANUC社製S−2000i)に投入し、シリンダー温度270℃、金型温度60℃の条件で射出成形した。このとき、0.2sで試験片の流動末端まで充填し、次いで75MPaで0.2秒間の保圧工程を経て、その直後に60mm/sで射出成形機のダイプレートを設定発泡倍率2倍になるように後退させた。得られた発泡成形体について行った各特性の評価結果を表1に示す。
熱可塑性樹脂ペレットとしてのポリアミド6樹脂(PA2)98質量部と、実施例1で作成した発泡剤組成物ペレット(M−1)2質量部をドライブレンドして成形用樹脂ペレットを得た。得られた成形用樹脂ペレットを使用して、実施例1Aと同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体について行った各特性の評価結果を表1に示す。
また、発泡成形体の断面のSEM画像を図1に示す。図1に示すように、SEM画像の右端が発泡成形体のスキン部に相当する部分であり、スキン部では発泡セルは潰れた形になっており、セルが形成されておらず、一方、スキン部から左側の発泡成形体のコア部では発泡セルが形成されており、発泡セルが存在するコア部を発泡セルが存在しないスキン部で包括した形態の発泡体に成形されていた。
熱可塑性樹脂ペレットとしてのポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)97質量部と、実施例1で作成した発泡剤組成物ペレット(M−1)3質量部をドライブレンドして成形用樹脂ペレットを得た。得られた成形用樹脂ペレットを、シリンダー温度260℃、金型温度80℃の条件で射出成形した。得られた発泡成形体について行った各特性の評価結果を表1に示す。
熱可塑性樹脂ペレットとしてのポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)97質量部と、実施例1で作成した発泡剤組成物ペレット(M−1)3質量部をドライブレンドして成形用樹脂ペレットを得た。得られた成形用樹脂ペレットを、シリンダー温度310℃、金型温度130℃の条件で射出成形した。得られた発泡成形体について行った各特性の評価結果を表1に示す。
表1に示す組成になるようにした以外は、実施例1と同様にして発泡剤組成物ペレット(M−2)〜(M−25)を得た。嵩比重、崩壊率、耐ブロッキング性の評価結果を表1に示す。
得られた発泡剤組成物ペレットと、表1に示す熱可塑性樹脂ペレットとを、表1に示す質量部となるようにドライブレンドして成形用樹脂ペレットを得た。
得られた成形用樹脂ペレットを用いて、実施例2A〜2B、3〜17、比較例1〜8では、実施例1Aと同様にして、実施例2Cでは実施例1Cと同様にして、実施例2Dでは実施例1Dと同様にして、それぞれ発泡成形体を得た。得られた発泡成形体について行った各特性の評価結果を表1〜2に示す。
比較例3では、発泡剤(B)の含有量が多いため、得られた発泡成形体は、厚みの変動が大きく、スワールマーク、アバタ状凹凸が多く見られ表面外観が劣った。比較例4では、発泡剤(B)の含有量が少ないため、発泡成形に際し、成形用樹脂ペレット中に発泡剤組成物ペレットを多く配合する必要性が生じ、得られた発泡成形体は、表面にスワールマークが多く見られ、衝撃強度が劣っていた。
比較例5では、バインダー成分(C)の含有量が少ないため、得られた発泡剤組成物ペレットは崩壊率が高く壊れやすいものであった。また、成形安定性に劣り、得られた発泡成形体は、厚みの変動が大きかった。比較例6では、バインダー成分(C)の含有量が多いため、得られた発泡剤組成物ペレットは、耐ブロッキング性に劣るものであった。また、得られた発泡成形体は、スワールマーク、アバタ状凹凸が多く見られ表面外観が劣った。
比較例7〜8では、シリカ粒子(A)に代えて、タルクを用いたため、所定の含有量であっても、得られた発泡剤組成物ペレットは、それぞれ耐ブロッキング性が劣り、成形安定性に劣った。また、得られた発泡成形体は、スワールマーク、アバタ状凹凸が多く見られ、表面外観が劣った。
Claims (10)
- シリカ粒子(A)30〜80質量%、発泡剤(B)3〜30質量%およびバインダー成分(C)10〜50質量%を含有し、(A)と(B)と(C)の合計が100質量%であることを特徴とする発泡剤組成物ペレット。
- JIS K7365で測定される嵩比重が0.5〜1.0であることを特徴とする請求項1記載の発泡剤組成物ペレット。
- 原料のシリカ粒子(A)は、JIS K5101で測定される吸油量が200ml/100g以下であることを特徴とする請求項1記載の発泡剤組成物ペレット。
- 原料のシリカ粒子(A)は、JIS K6220で測定される嵩比重が0.2以上であることを特徴とする請求項1記載の発泡剤組成物ペレット。
- バインダー成分(C)が、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸ビスアミドから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1記載の発泡剤組成物ペレット。
- さらにシリカ以外の粒子(D)を含有することを特徴とする請求項1記載の発泡剤組成物ペレット。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の発泡剤組成物ペレットを製造するための方法であって、シリカ粒子(A)、発泡剤(B)およびバインダー成分(C)を一括混合し、バインダー成分(C)の融点以上の温度でペレット状に圧縮成形することを特徴とする発泡剤組成物ペレットの製造方法。
- 請求項6記載の発泡剤組成物ペレットを製造するための方法であって、シリカ粒子(A)、発泡剤(B)、バインダー成分(C)およびシリカ以外の粒子(D)を一括混合し、バインダー成分(C)の融点以上の温度でペレット状に圧縮成形することを特徴とする発泡剤組成物ペレットの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の発泡剤組成物ペレットと熱可塑性樹脂ペレットとを混合してなる成形用樹脂ペレット。
- 請求項9記載の成形用樹脂ペレットを成形してなる発泡成形体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013158385A JP6113017B2 (ja) | 2012-08-20 | 2013-07-31 | 発泡剤組成物ペレットおよびその製造方法 |
CN201310361551.6A CN103627018A (zh) | 2012-08-20 | 2013-08-19 | 发泡剂组合物颗粒及其制造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012181649 | 2012-08-20 | ||
JP2012181649 | 2012-08-20 | ||
JP2013158385A JP6113017B2 (ja) | 2012-08-20 | 2013-07-31 | 発泡剤組成物ペレットおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014058658A true JP2014058658A (ja) | 2014-04-03 |
JP6113017B2 JP6113017B2 (ja) | 2017-04-12 |
Family
ID=50615406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013158385A Active JP6113017B2 (ja) | 2012-08-20 | 2013-07-31 | 発泡剤組成物ペレットおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6113017B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016000802A (ja) * | 2014-05-23 | 2016-01-07 | ユニチカ株式会社 | ポリアミド樹脂組成物およびその成形体 |
JP2019002025A (ja) * | 2015-02-20 | 2019-01-10 | 旭化成株式会社 | ポリアミド樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物の製造方法、及び成形品 |
JP2021006622A (ja) * | 2019-06-27 | 2021-01-21 | 睦月電機株式会社 | 発泡成形体およびその製造方法 |
WO2021200970A1 (ja) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | 株式会社カネカ | マスターバッチ、その製造方法、ポリカーボネート系樹脂組成物、射出発泡成形体、及びその製造方法 |
CN115139603A (zh) * | 2022-07-04 | 2022-10-04 | 平湖市华达塑料制品有限公司 | 一种多层生物降解发泡缓冲膜及其制备方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09132661A (ja) * | 1995-11-08 | 1997-05-20 | Hitachi Chem Co Ltd | Cmpパッド用発泡体の製造方法 |
JP2001158823A (ja) * | 1999-12-02 | 2001-06-12 | Asahi Kasei Corp | 複合マスターバッチ |
-
2013
- 2013-07-31 JP JP2013158385A patent/JP6113017B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09132661A (ja) * | 1995-11-08 | 1997-05-20 | Hitachi Chem Co Ltd | Cmpパッド用発泡体の製造方法 |
JP2001158823A (ja) * | 1999-12-02 | 2001-06-12 | Asahi Kasei Corp | 複合マスターバッチ |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016000802A (ja) * | 2014-05-23 | 2016-01-07 | ユニチカ株式会社 | ポリアミド樹脂組成物およびその成形体 |
JP2019002025A (ja) * | 2015-02-20 | 2019-01-10 | 旭化成株式会社 | ポリアミド樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物の製造方法、及び成形品 |
JP2021006622A (ja) * | 2019-06-27 | 2021-01-21 | 睦月電機株式会社 | 発泡成形体およびその製造方法 |
JP7270887B2 (ja) | 2019-06-27 | 2023-05-11 | 睦月電機株式会社 | 発泡成形体の製造方法 |
WO2021200970A1 (ja) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | 株式会社カネカ | マスターバッチ、その製造方法、ポリカーボネート系樹脂組成物、射出発泡成形体、及びその製造方法 |
CN115139603A (zh) * | 2022-07-04 | 2022-10-04 | 平湖市华达塑料制品有限公司 | 一种多层生物降解发泡缓冲膜及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6113017B2 (ja) | 2017-04-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6113017B2 (ja) | 発泡剤組成物ペレットおよびその製造方法 | |
JP6436900B2 (ja) | 軽量物品、複合材料組成物、及びそれを製造する方法 | |
WO2017075855A1 (zh) | 一种聚丙烯专用高效无卤阻燃剂母粒及其制备方法和应用 | |
JP6084406B2 (ja) | 発泡剤組成物ペレットおよびその製造方法 | |
CN109689767B (zh) | 用于可发泡电缆绝缘材料的成核剂 | |
JP5976098B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子およびポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる型内発泡成形体、並びに、これらの製造方法 | |
JP2011214002A (ja) | マスターバッチペレット及びプロピレン樹脂組成物成形体の製造方法 | |
JP5993859B2 (ja) | 粉状活性炭含有発泡ポリオレフィン | |
JPWO2008047867A1 (ja) | マスターバッチおよびその製造方法 | |
JP6486170B2 (ja) | ポリオレフィンまたはポリエステル用アンチブロッキング剤 | |
US20220389180A1 (en) | Polyolefin-Based Resin Foam, and Molded Product Produced Therefrom | |
JP7082611B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子およびポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体 | |
JPS5880332A (ja) | 発泡用ポリオレフイン系樹脂組成物 | |
JP6609559B2 (ja) | 防汚染性および成形性に優れる導電性ポリプロピレン系樹脂発泡粒子およびポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法およびポリプロピレン系樹脂発泡成形体 | |
JP7162051B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法 | |
JP2009144122A (ja) | 発泡剤マスターバッチ | |
CN108164977A (zh) | 一种tpu预发泡改性料及其制备方法 | |
JP7175776B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法 | |
JP2001048992A (ja) | 成形用マスターバッチ組成物とその製造方法 | |
JP2007131693A (ja) | 発泡性マスターバッチ、この発泡性マスターバッチの製造方法およびこの発泡性マスターバッチを用いた射出発泡成形体の製造方法 | |
JP2020104410A (ja) | 発泡樹脂成形品の製造方法および該方法で使用される結晶核剤マスターバッチおよびその製造方法ならびに発泡樹脂成形品 | |
JPH07330935A (ja) | 結晶性ポリオレフィン発泡体 | |
JP2014065793A (ja) | 発泡剤組成物粒状体およびその製造方法 | |
CN103627018A (zh) | 发泡剂组合物颗粒及其制造方法 | |
JP5034710B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物発泡成形体及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160607 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170120 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170214 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170314 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6113017 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |