JP2014058658A - 発泡剤組成物ペレットおよびその製造方法 - Google Patents

発泡剤組成物ペレットおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的特性や表面外観に優れ、発泡成形性が安定した発泡成形体を作成できる発泡剤組成物ペレットを提供する。
【解決手段】シリカ粒子(A)30〜80質量%、発泡剤(B)3〜30質量%およびバインダー成分(C)10〜50質量%を含有し、(A)と(B)と(C)の合計が100質量%であることを特徴とする発泡剤組成物ペレット。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂の発泡成形に用いる発泡剤組成物ペレットに関する。
熱可塑性樹脂は、金属と比較して比重が低く、また成形加工性などの特性が優れており、従来から自動車部品、電子・電気部品などに広く利用されている。熱可塑性樹脂のこれらの特性を活かし、さらに軽量化を図る成形技術として、熱可塑性樹脂に発泡剤を混合し成形する発泡成形技術が知られている。この発泡成形における発泡剤として、熱分解型化学発泡剤や熱膨張性マイクロカプセルが用いられている。しかし、通常これらの発泡剤は粉末であり、熱可塑性樹脂ペレットと混合しても分離しやすいものであるため、発泡成形は安定性に欠き、得られる発泡成形体の表面は、発泡斑が生じやすい傾向がある。
通常、射出成形においては、射出成形機への混合樹脂投入後、スクリュの回転とともにシリンダ内で混合樹脂が計量され、スクリュ供給部から圧縮部に、混合樹脂が移送され、かつシリンダ加熱によって、混合樹脂が溶融される。このとき、前記圧縮部での混合樹脂の溶融、および混合樹脂に含有される発泡剤の分解が起き、ノズルから金型内に溶融樹脂を射出することにより、溶融樹脂が発泡することが理想的である。ところが、熱可塑性樹脂ペレットに対し、直接発泡剤が混合されていると、射出成形機への混合樹脂投入後、スクリュ圧縮部に至る前の、供給部あるいはホッパー口付近で少なからず発泡剤が分解することがあり、本来の発泡剤の効果を発揮させることが難しかった。したがって、発泡成形を行うに際し、発泡剤には、射出成形機のホッパー口、供給部で発泡剤の分解が起きないよう、熱的な影響を受けにくくし、熱可塑性樹脂ペレットとの混合が容易で、しかも発泡性を損ねないような工夫を行う必要性がある。
このような背景のもと、発泡剤の分解温度または膨張温度を下回る温度で加工できる樹脂(キャリア樹脂)を用いて、これと発泡剤とをあらかじめ溶融混合して、発泡剤をマスターバッチ化することが試みられている。マスターバッチは、熱可塑性樹脂ペレットと均一に混合ができ、簡便に発泡成形ができるため、広く普及してきた。
特許文献1には、ポリエチレン樹脂とポリエチレンワックスと発泡剤を混練したマスターバッチが開示されている。特許文献2には、特定性状を有するエチレン・α−オレフィン共重合体と発泡剤からなるマスターバッチが開示されている。特許文献3には、発泡剤の凝集を抑制するため、帯電防止剤の存在下分散を行う、マスターバッチの作成方法が記載されている。
特開2009−144122号公報 特開平2−113035号公報 特開2006−274212号公報
特許文献1、2のマスターバッチで用いられているキャリア樹脂は、発泡剤の分解温度または膨張温度を下回る温度で加工できるので、発泡剤の分解を抑制することができる。しかしながら、発泡成形体を構成する熱可塑性樹脂と、キャリア樹脂とが、異種の樹脂であって、特に相溶性が不足する場合に、得られる発泡成形体は、機械的特性が低下する問題があった。また特許文献3のマスターバッチを使用して得られた発泡成形体は、発泡セルの均一性に劣り、表面外観が不十分であり、発泡倍率も不安定であり、厚み変動の少ない発泡体を安定して成形することができなかった。
本発明は、前記の問題を解決し、機械的特性や表面外観に優れ、発泡成形性が安定した発泡成形体を作成できる発泡剤組成物ペレットを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)シリカ粒子(A)30〜80質量%、発泡剤(B)3〜30質量%およびバインダー成分(C)10〜50質量%を含有し、(A)と(B)と(C)の合計が100質量%であることを特徴とする発泡剤組成物ペレット。
(2)JIS K7365で測定される嵩比重が0.5〜1.0であることを特徴とする(1)記載の発泡剤組成物ペレット。
(3)原料のシリカ粒子(A)は、JIS K5101で測定される吸油量が200ml/100g以下であることを特徴とする(1)記載の発泡剤組成物ペレット。
(4)原料のシリカ粒子(A)は、JIS K6220で測定される嵩比重が0.2以上であることを特徴とする(1)記載の発泡剤組成物ペレット。
(5)バインダー成分(C)が、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸ビスアミドから選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)記載の発泡剤組成物ペレット。
(6)さらにシリカ以外の粒子(D)を含有することを特徴とする(1)記載の発泡剤組成物ペレット。
(7)上記(1)〜(5)記載の発泡剤組成物ペレットを製造するための方法であって、シリカ粒子(A)、発泡剤(B)およびバインダー成分(C)を一括混合し、バインダー成分(C)の融点以上の温度でペレット状に圧縮成形することを特徴とする発泡剤組成物ペレットの製造方法。
(8)上記(6)記載の発泡剤組成物ペレットを製造するための方法であって、シリカ粒子(A)、発泡剤(B)、バインダー成分(C)およびシリカ以外の粒子(D)を一括混合し、バインダー成分(C)の融点以上の温度でペレット状に圧縮成形することを特徴とする発泡剤組成物ペレットの製造方法。
(9)上記(1)〜(6)記載の発泡剤組成物ペレットと熱可塑性樹脂ペレットとを混合してなる成形用樹脂ペレット。
(10)上記(9)記載の成形用樹脂ペレットを成形してなる発泡成形体。
本発明によれば、機械的特性や表面外観に優れ、発泡成形性が安定した発泡成形体を作成できる発泡剤組成物ペレットが得られる。該発泡剤組成物ペレットは、キャリア樹脂を使用しないため、成形用樹脂の種類を選ぶことなく、あらゆる熱可塑性樹脂の発泡成形に使用することができる。
図1は実施例1Bで得られた発泡成形体の断面のSEM画像である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるシリカ粒子(A)は、SiOで表される二酸化ケイ素を主成分とするものである。シリカ粒子の製造方法により大別して、乾式法シリカと湿式法シリカの2つに分けられるが、本発明では、いずれの方法で製造されたものも用いることができる。
乾式法シリカは一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的にはテトラクロロシランを水素および酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、テトラクロロシランの代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独またはテトラクロロシランと混合した状態で使用することができる。
一方、湿式法シリカは、さらに製造方法によって、沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカの二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件化で反応させて製造される。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、珪酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる。
本発明で用いるシリカ粒子(A)は、発泡剤組成物ペレットの原料の段階において、JIS K5101で測定される吸油量が200ml/100g以下であることが好ましく、150ml/100gであることがより好ましく、100ml/100gであることがさらに好ましい。シリカ粒子(A)の吸油量が200ml/100gを超えると、発泡剤組成物ペレットにおいて、バインダー成分(C)の多くがシリカ粒子(A)に吸収されるため、バインダー成分(C)の含有量を多くしなければならず、バインダー成分(C)の含有量が多くなることで、発泡剤組成物ペレットの取り扱い性が低下したり、得られる発泡成形体の外観が損なわれることがある。
また、シリカ粒子(A)は、発泡剤組成物ペレットの原料の段階において、JIS K6220で測定される嵩比重が0.2以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましく、0.4以上であることがさらに好ましい。シリカ粒子(A)の嵩比重が0.2未満であると、シリカ粒子は、嵩が高すぎるため、発泡剤組成物ペレットを製造するときに、加工性の問題が生じることがある。また得られる発泡剤組成物ペレットは、固さが不十分になることがあり、熱可塑性樹脂ペレットと混合して成形用樹脂ペレットを調製するときに、壊れやすく、発泡成形体の成形安定性が劣ることがある。
シリカ粒子(A)の平均粒子径は特に限定されるものではないが、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることがさらに好ましい。平均粒子径が0.1μm未満であると、シリカ粒子は分散性が劣るため、得られる発泡成形体は衝撃強度が低下することがあり、平均粒子径が20μmを超えると、得られる発泡成形体は表面外観が劣ることがある。
シリカ粒子(A)は、必要に応じて、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、オルガノシロキサン等の反応性化合物によって、表面処理がなされてもよい。特にシランカップリング剤は、シリカ粒子(A)の表面処理に好適に用いることができ、シランカップリング剤の具体例として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
発泡成形においては、高発泡倍率の発泡成形体を得るために、発泡セルの生成と成長に代表される発泡性能を高めることが重要である。しかし、発泡性能が高まるにつれ、スワールマークの発生が顕著になり、表面外観に優れた発泡成形体を得ることが難しくなる。特に、後述するコアバック式の発泡成形において、表面外観に関わる発泡成形体の表層(スキン層、無発泡層である)の形成と、発泡倍率に関わる成形品内部(コア部、発泡層である)の発泡の形成とを、好適な形態で両立することが求められる。本発明の発泡剤組成物ペレットは、シリカ粒子(A)を含有するため、適切な発泡性能を付与することができ、またこの発泡性能と表面外観とをバランスよく安定して両立することができる。なお、スワールマークとは、溶融樹脂の流動末端にて、気泡が粗大化して破泡した、渦巻き状の模様である。
発泡剤組成物ペレット中のシリカ粒子(A)の含有量は、30〜80質量%であることが必要であり、35〜75質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。
シリカ粒子(A)と発泡剤(B)とバインダー成分(C)の合計100質量%に対して、シリカ粒子(A)の含有量が30質量%未満であると、得られる発泡剤組成物ペレットの耐ブロッキング性が低下することがあり、また、発泡性能が低下するため、成形性が不安定となり、発泡倍率を高めることができなかったり、得られる発泡成形体にアバタ状の凹凸が生じ表面外観が劣ることがある。またコアバック式発泡成形の場合では、十分なスキン層を形成しながら発泡させることが困難となり、得られる発泡成形体の衝撃強度が低下する。
一方、シリカ粒子(A)の含有量が80質量%を超えると、発泡剤組成物ペレットを製造することが困難となり、製造できたとしても、発泡剤組成物ペレットは壊れやすく、さらに嵩比重も高いため、熱可塑性樹脂ペレットとを混合した成形用樹脂ペレット中で偏析しやすく、成形安定性に欠けるものとなる。また得られる発泡成形体は、表面にスワールマークが現れ、表面外観が劣ることがある。
本発明の発泡剤組成物ペレットは、シリカ粒子(A)に加えて、さらにシリカ粒子以外の粒子(D)を含有してもよい。シリカ粒子以外の粒子(D)としては、タルク、炭酸カルシウムが好ましいものとして挙げられる。
シリカ粒子以外の粒子(D)を含有する場合は、シリカ粒子(A)とシリカ粒子以外の粒子(D)との質量比((A)/(D))が、50/50〜95/5であることが好ましく、60/40〜90/10であることがより好ましく、70/30〜85/15であることがさらに好ましい。
シリカ粒子(A)に加えて、シリカ粒子以外の粒子(D)を含有することで、シリカ粒子(A)による耐ブロッキング性、発泡性能の向上の効果に加え、得られる発泡成形体は、発泡セルサイズが微細で均一になり、発泡成形体としての品質を向上させることができる。特にシリカ粒子以外の粒子(D)としてタルクを用いた場合は、発泡セルサイズがより微細で均一になる傾向があり、炭酸カルシウムを用いた場合は、発泡セルサイズの均一化とともに耐衝撃性が向上する傾向がある。
本発明において、発泡剤(B)として、公知の無機発泡剤、有機発泡剤を用いることができる。発泡剤(B)の具体例として、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ジニトロソテレフタルアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム、4、4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、またそれらの混合物などが挙げられ、なかでも、アゾジカルボンアミド、4、4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、重炭酸ナトリウムが好ましいものとして挙げられる。
発泡剤(B)の平均粒子径は、特に限定されないが、1〜40μmであることが好ましく、2〜30μmであることがより好ましい。
また、発泡剤(B)は、その粒度分布において、粒子径4μm以下の微粒子を実質的に含むことが好ましく、粒子径2μm以下の微粒子を実質的に含むことがより好ましい。
発泡剤組成物ペレット中の発泡剤(B)の含有量は、3〜30質量%であることが必要であり、5〜25質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。発泡剤(B)の含有量が3質量%未満であると、この発泡剤組成物ペレットと熱可塑性樹脂ペレットとを混合してなる成形用樹脂ペレットにおいて、発泡剤組成物ペレットの添加量を多くするため、得られる発泡成形体の衝撃強度が低下することがある。一方、発泡剤(B)の含有量が30質量%を超えると、所定の発泡性能を得るためには、成形用樹脂ペレットにおける発泡剤組成物ペレットの添加量を少なくする必要があり、これによって成形安定性が劣ることがある。また、得られる発泡成形体は、スワールマーク、アバタ状凹凸が多く見られ、表面外観が劣ることがある。
本発明で用いるバインダー成分(C)として、水、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、流動パラフィン、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、ポリアルキレングリコールの末端変性物、リン酸エステル、亜リン酸エステル類、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪族アミンからなる群より選ばれる1種以上の化合物が挙げられ、特に、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸ビスアミドが好適なものとして挙げられる。
流動パラフィンとは、比較的軽質の潤滑油留分たとえばスピンドル油成分を高度に精製した炭化水素油をいう。常温で液体であり、パラフィン系炭化水素とアルキルナフテン炭化水素の混合物である。ミネラルオイルと呼ばれることもある。
パラフィンワックスとは、直鎖の飽和炭化水素を主成分とする常温で固体であり、主成分としてn−パラフィンを含有し、少量のi−パラフィン、ナフテンを含有する、炭素数20〜48のワックスである。これらは一般に市販されているものを使用できる。
ポリオレフィンワックスとは、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの重合体または共重合体からなり、常温で固体であり、80〜120℃で、低粘度の液体となるものをいう。例えば、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックス等が挙げられる。通常、ポリオレフィンワックスは、エチレンを主成分として構成されている場合が多い。ポリオレフィンワックスは、ポリエチレン、エチレンと、他のオレフィン、例えば、プロピレン、ブチレン、4−メチルペンテン−1などとの共重合体であってもよく、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステルなどとの共重合により一部変性されていてもよく、スチレンがグラフトされていてもよい。また、ポリオレフィンワックスは、エチレン−α−オレフィン共重合系エラストマーやスチレン系エラストマーであってもよく、スチレン系エラストマーの具体例として、例えばスチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合エラストマー(SEBS)などが挙げられる。
ポリオレフィンワックスがエチレン系共重合体である場合、エチレンと共重合する単量体の割合は、例えば、1〜40質量%、好ましくは5〜30質量%程度である。ポリオレフィンワックスの中でも、ポリエチレンワックスが特に好ましい。
ポリアルキレングリコールの末端変性物は、下記一般式(i)や(ii)で示されるポリエチレングリコールの末端変性物やポリプロピレングリコールの末端変性物である。
X−R−(O−CH−CH−O−R−X (i)
X−R−〔O−CH−CH(CH)〕−O−R−X (ii)
一般式(i)、(ii)中、XはNH、COOHまたは水素原子を示し、Rは炭素数1〜100の直鎖状または分岐状のアルキレン基を示し、mは4〜1200の整数を示し、nは1〜200の整数を示す。このように、ポリアルキレングリコールの末端変性物は、ポリアルキレングリコールの末端が、アルキル基またはアミノ基もしくはカルボキシル基を末端に有するアルキル基で変性されたものである。
リン酸エステルは、下記一般式(iii)で示されるものである。
(RO)PO(OH)3−n (iii)
一般式(iii)中、Rは炭素数1〜25のアルキル基を示し、nは1または2を示し、Rが2個である場合、それらは同じでも異なっていてもよい。Rとしては、エチル基、ブチル基、オクチル基、エチルヘキシル基が好ましい。
亜リン酸エステルは、下記一般式(iv)で示されるものである。
(RO)P (iv)
一般式(iv)中、Rは炭素数1〜25のアルキル基、フェニル基、フェニル基の一部が炭化水素基で置換された芳香族基、または水素原子を示す。3個のRは同じでも異なっていてもよいが、3個のRがすべて水素原子であることはない。Rは、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基などの脂肪族基、フェニル基、ビフェニル基などの芳香族基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ノニル基などの置換基を有する芳香族基などが好ましい。
前記リン酸エステル、亜リン酸のエステルとしては、例えばジ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイトなどの脂肪族リン酸もしくは亜リン酸エステルや、トリフェニルホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイトなどの芳香族亜リン酸エステルなどが挙げられる。
高級脂肪酸エステルは、下記一般式(v)で示されるものである。
−COO−R (v)
一般式(v)中、RおよびRは炭素数8〜40のアルキル基を示す。また、RおよびRとしては、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基などの脂肪族基が好ましく、高級脂肪酸と高級脂肪族1価アルコールとのエステル化合物がさらに好ましい。前記高級脂肪酸としては、例えばミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸、アラキジン酸、モンタン酸などが挙げられ、前記高級脂肪族1価アルコールとしては、例えばミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルデシルアルコールなどが挙げられる。
高級脂肪酸エステルとしては、例えばミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸ヘキシルデシルなどが挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えばステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、モンタン酸などが挙げられる。
高級脂肪酸金属塩は、下記一般式(vi)で示されるものである。
CH(CHCOOX (vi)
一般式(vi)中、Xは周期律表第I〜III族の金属原子を示し、nは9〜30の整数を示す。高級脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸アルミニウムなどが挙げられる。
高級脂肪酸ビスアミドは、下記一般式(vii)で示されるものである。
−CONH−(CH−NHCO−R (vii)
一般式(vii)中、RおよびRは炭素数19〜23のアルキル基を示す。
高級脂肪酸ビスアミドとしては、例えばメチレンビスステアリルアミド、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミドなどが挙げられる。
高級脂肪族アミンは、下記一般式(viii)で示されるものである。
−NR (viii)
一般式(viii)中、Rは炭素数8〜40のアルキル基を示し、RおよびRは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。Rとしてはオクチル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基などの脂肪族基が好ましい。
高級脂肪族アミンとしては、例えばオクチルアミン、ノニルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、1−テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミンなどが挙げられる。
発泡剤組成物ペレット中のバインダー成分(C)の含有量は、10〜50質量%であることが必要であり、12〜45質量%であることが好ましく、15〜40質量%であることがより好ましい。バインダー成分(C)の含有量が10質量%未満であると、発泡剤組成物ペレットの固さが不十分となりやすいため、熱可塑性樹脂ペレットと混合した時に壊れやすく、また発泡剤組成物ペレットの嵩比重が小さくなり、成形安定性が劣ることがある。一方、バインダー成分(C)の含有量が50質量%を超えると、不要なガス発生にともない発泡成形体の外観が劣ることがある。また、加工時の発熱により、発泡剤組成物ペレットがブロッキングすることがある。
本発明の発泡剤組成物ペレットは、JIS K7365で測定される嵩比重が0.5〜1.0であることが好ましく、0.55〜0.9であることがより好ましく、0.6〜0.8であることがさらに好ましい。嵩比重が0.5未満である場合や、1.0を超える場合は、発泡剤組成物ペレットは、混合する熱可塑性樹脂ペレットとの嵩比重差が大きくなり、得られる成形用樹脂ペレットは、発泡剤組成物ペレットが偏析し、成形安定性が劣ることがある。
本発明の発泡剤組成物ペレットは、公知の造粒方法で製造することができ、その製造方法は、特に限定されない。例えば、各種原材料をバッチ式の混練機で混練した後、造粒機で造粒する方法や、押出機とペレタイザーによりペレット形状に製造する方法が挙げられる。
具体的には、あらかじめ各種原材料を50〜150℃で加熱混合、混錬した後、圧縮造粒機でペレット形状に製造することができる。圧縮造粒する場合の設定温度は、バインダー成分(C)の融点以下温度でもよいが、融点以上の温度とすることにより、加工が安定し、崩壊しにくい発泡成形用マスターバッチが得られ、得られた発泡成形用マスターバッチは、その後の発泡成形においても成形安定性を有するため好ましい。
発泡剤組成物ペレットを製造するための装置として、バンバリーミキサー、ロッキングミキサー(愛知電機社製)、ハイスピードミキサー(深江パウテック社製)、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)、万能攪拌機(ダルトン社製)、ナウタミキサー(ホソカワミクロン社製)、CFグラニュレーター(フロイント産業社製)、バーチカル・グラニュレーター(パウレック社製)、フロージェットグラニュレーター(大川原製作所社製)、ロールプレスDP型(セイシン企業社製)、RCP型ローラコンパクタ(栗本鐵工所社製)、ブリケッタBGS−IV・II(新東工業社製)、ディスク・ペレッター(不二パウダル社製)、二軸押出造粒機(不二パウダル社製)等を用いることができる。
従来の発泡剤組成物ペレットは、低融点の樹脂、例えば、ポリエチレン、ABS樹脂、ポリスチレンなどをキャリア樹脂とし、これに発泡剤を溶融混錬したものであり、エンジニアリングプラスチックなどの融点が高く、高温加工が必要な樹脂への使用には適さないものであった。本発明の発泡剤組成物ペレットは、キャリア樹脂を含有するものでないため、各種熱可塑性樹脂ペレットに配合しても、その樹脂の特性を損なうことなく、発泡成形体を得ることが可能となる。
適用される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、GPポリスチレン、アクリル樹脂などの汎用樹脂や、ポリアセタール、脂肪族ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルなどのエンジニアリングプラスチックや、半芳香族ポリアミド、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファイド、シンジオタクチックポリスチレン、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォンなどのスーパーエンジニアリングプラスチックや、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどの生分解性樹脂などが挙げられる。
本発明の発泡剤組成物ペレットは、これらエンジニアリングプラスチック等、高温加工樹脂に使用することが効果的であり、特に、発泡成形体としたときの強度や耐熱性が優れ、自動車部品や電気機器等の分野において利用価値の高い、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドへの使用が好適である。
熱可塑性樹脂に、その特性を大きく損なわない限りにおいて、強化材、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、着色防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、結晶核剤、離型安定剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカ、ワラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、層状ケイ酸塩などが挙げられる。
帯電防止剤としては、ポリエチレングリコール、脂肪酸アルカノールアミドなどの非イオン性界面活性剤や、カチオン系界面活性剤、イオン性液体などが挙げられる。
本発明の発泡剤組成物ペレットと、上記熱可塑性樹脂のペレットとを混合して、成形用樹脂ペレットを調製する。混合は、ドライブレンド等の手法で、常温でおこなうことが好ましい。
上記成形用樹脂ペレットは、常法により、発泡成形体に成形することができる。
また、成形用樹脂ペレットは、発泡セルが存在するコア部を発泡セルが存在しないスキン部で包括した形態の発泡体に成形することもでき、強度、表面の平滑性、外観性の優れた発泡成形体とすることができる。このような発泡体は、例えば、成形用樹脂ペレットを溶融して金型キャビティに射出し、溶融樹脂が流動末端付近に到達した時点で0.2〜1.0sの間、20〜100MPaの保圧をかけ、次いで金型キャビティに隣接した金型コア部を10〜100mm/sの速度で、中型キャビティの厚みが拡張する方向へ後退させる、射出コアバック式の射出成形方法で得ることができる。
本発明の発泡剤組成物ペレットは、種々の熱可塑性樹脂ペレットに用いた場合においても、発泡成形性におよび表面外観性に優れる発泡成形体を得ることができるため、電気・電子機器分野や、自動車分野、あるいは機械分野などに好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例および比較例で用いた原料および試験方法を下記に示す。なお、嵩比重の測定に関して、本発明においては、原料シリカ粒子は、単一素材である比較的粒径のそろった微粒子であるため、その嵩比重は、JIS K6220に従って測定し、また発泡成形用マスターバッチは、粒状であるため、その嵩比重は、JIS K7365に従って測定した。
1.原料
(1)シリカ粒子(A)
a1:水澤化学工業社製「シルホナイトM−1」、吸油量80ml/100g、嵩比重0.5、平均粒子径5μm
a2:水澤化学工業社製「ミズカシルP−50」、吸油量170ml/100g、嵩比重0.32、平均粒子径10μm
a3:水澤化学工業社製「ミズカシルP−527」、吸油量130ml/100g、嵩比重0.19、平均粒子径2μm
a4:水澤化学工業社製「ミズカシルP−78D」、吸油量240ml/100g、嵩比重0.24、平均粒子径12μm
(2)発泡剤(B)
b1:アゾジカルボンアミド 永和化成工業社製「ビニホールAC#3」
b2:4、4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド) 永和化成工業社製「ネオセルボンN♯5000」
b3:重炭酸ナトリウム、永和化成工業社製「セルボンSC−K」
(3)バインダー成分(C)
c1:パラフィンワックス 日本精蝋社製「LUVAX1266」、融点69℃
c2:ポリエチレンワックス 三井化学社製「ハイワックス2020E」、融点100℃
c3:モンタン酸エステルワックス クラリアント社製「LICOWAX−E」、軟化点80℃
c4:エチレンビスステアリルアミド 日本化成社製「スリパックス−E」、融点140℃
(4)シリカ以外の粒子(D)
d1:タルク 日本タルク社製「ミクロエースK−1」、平均粒径7μm
d2:重質炭酸カルシウム 白石工業社製「ホワイトンP−10」、平均粒径2μm
(5)熱可塑性樹脂
PA1:ユニチカ社製ポリアミド6樹脂「A1030GFL20」、ガラス繊維含有量20質量%
PA2:ユニチカ社製ポリアミド6樹脂「M1030DG」、層状ケイ酸塩含有量4質量%、ガラス繊維含有量6質量%
PBT:ポリプラスチックス社製ポリブチレンテレフタレート樹脂「#3200」、ガラス繊維含有量20質量%
PPS:東レ社製ポリフェニレンサルファイド樹脂「A503−X05」、ガラス繊維含有量30質量%
2.試験方法
(1)発泡剤組成物ペレットの嵩比重
JIS K7365に従って測定を行なった。
(2)発泡剤組成物ペレットの崩壊率
発泡剤組成物ペレットを20メッシュの篩にかけて、篩い落とされないものを採取した。採取された発泡剤組成物ペレットの50gを100mlのガラス容器に入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製、PC1290型)にて10分間シェーキングを行った。シェーキングされた発泡剤組成物ペレットを20メッシュの篩にかけ、篩い落とされた粉末を採取し、その質量を測定した。そして、シェーキング前の発泡剤組成物ペレットの質量50gに対する、篩い落とされた粉末質量の割合から、次式により崩壊率を算出した。
崩壊率(%)=篩い落とされた粉末質量(g)/50(g)×100
熱可塑性樹脂ペレットと混合して成形用樹脂ペレットを製造するときに、発泡剤組成物ペレットが壊れやすくならないために、またその嵩比重が小さくならないために、崩壊率は、実用的には2%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。
(3)発泡剤組成物ペレットの耐ブロッキング性
容積300mlのガラス容器に、発泡剤組成物ペレット100gを入れ、温度100℃に設定したオーブン内に静置した。1時間経過後、オーブンからガラス容器を取り出し、室温まで十分に冷却した後、発泡剤組成物ペレット同士のブロッキングの有無を観察した。
(4)発泡成形体の衝撃強度
射出コアバック方式で、発泡前厚み2mmが、発泡後厚み4mmとなるように発泡させた、φ100mmの円盤状の発泡成形体を成形した。グラフィックインパクトテスター(東洋精機製作所社製)を用い、得られた成形体の破壊時の衝撃吸収エネルギーを測定し、その値を衝撃強度とした。衝撃強度が1.0J以上であるものが実用的に優れている。
(5)発泡成形体の表面外観
上記(4)の方法で成形した発泡成形体の表面外観を目視観察した。
(5−1)スワールマークの有無
目視観察により、発泡体表面にスワールマークが認められないものを○、認められたものを×と評価した。スワールマークが認められないものの中で、特に発泡成形体表面の光沢に優れたものを◎と評価した。○と◎を合格とした。
(5−2)アバタ状凸凹の有無
目視観察により、発泡成形体表面にアバタ状凸凹が認められないものを○、アバタ状凸凹が認められたものを×と評価した。○を合格とした。
(6)発泡成形安定性
上記(4)の方法で成形した発泡成形体の10枚について厚みを測定し、発泡による膨張が均一であり変動しないかを、厚みの標準偏差により評価した。標準偏差は0.20以下が好ましく、0.025以下であることがさらに好ましい。
(7)発泡セルサイズ
上記(4)の方法で成形した発泡成形体を、厚さ方向に冷凍割断し、その割断面のSEM画像で発泡セルを観察した。目視により直径が大きいとみられる発泡セル50個について、発泡セルの直径を測定した。なお、楕円形に観察される発泡セルの場合は、長径と短径の平均を直径とした。測定された50個の発泡セルの中で、直径が大きい上位5個の発泡セルについて、それらの直径を平均した値を発泡セルサイズとした。
なお、発泡セルサイズは、小さいほど好ましい。
実施例1
シリカ粒子(a1)60質量部、発泡剤(b1)10質量部およびバインダー成分(c1)30質量部をロッキングミキサー(愛知電機製、RM−10−2)により、均一に混合した。この混合物を、ディスク・ペレッター(不二パウダル社製)を用い、圧縮温度100℃にて加温圧縮を行い、直径3mm、長さ2.5mmの発泡剤組成物ペレット(M−1)を得た。得られた発泡剤組成物ペレット(M−1)の嵩比重、崩壊率、耐ブロッキング性の評価結果を表1に示す。
実施例1A
熱可塑性樹脂ペレットとしてのポリアミド6樹脂(PA1)97質量部と、実施例1で作成した発泡剤組成物ペレット(M−1)3質量部をドライブレンドして成形用樹脂ペレットを得た。
得られた成形用樹脂ペレットを、シャットオフノズルを搭載した射出成形機(FANUC社製S−2000i)に投入し、シリンダー温度270℃、金型温度60℃の条件で射出成形した。このとき、0.2sで試験片の流動末端まで充填し、次いで75MPaで0.2秒間の保圧工程を経て、その直後に60mm/sで射出成形機のダイプレートを設定発泡倍率2倍になるように後退させた。得られた発泡成形体について行った各特性の評価結果を表1に示す。
実施例1B
熱可塑性樹脂ペレットとしてのポリアミド6樹脂(PA2)98質量部と、実施例1で作成した発泡剤組成物ペレット(M−1)2質量部をドライブレンドして成形用樹脂ペレットを得た。得られた成形用樹脂ペレットを使用して、実施例1Aと同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体について行った各特性の評価結果を表1に示す。
また、発泡成形体の断面のSEM画像を図1に示す。図1に示すように、SEM画像の右端が発泡成形体のスキン部に相当する部分であり、スキン部では発泡セルは潰れた形になっており、セルが形成されておらず、一方、スキン部から左側の発泡成形体のコア部では発泡セルが形成されており、発泡セルが存在するコア部を発泡セルが存在しないスキン部で包括した形態の発泡体に成形されていた。
実施例1C
熱可塑性樹脂ペレットとしてのポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)97質量部と、実施例1で作成した発泡剤組成物ペレット(M−1)3質量部をドライブレンドして成形用樹脂ペレットを得た。得られた成形用樹脂ペレットを、シリンダー温度260℃、金型温度80℃の条件で射出成形した。得られた発泡成形体について行った各特性の評価結果を表1に示す。
実施例1D
熱可塑性樹脂ペレットとしてのポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)97質量部と、実施例1で作成した発泡剤組成物ペレット(M−1)3質量部をドライブレンドして成形用樹脂ペレットを得た。得られた成形用樹脂ペレットを、シリンダー温度310℃、金型温度130℃の条件で射出成形した。得られた発泡成形体について行った各特性の評価結果を表1に示す。
実施例2〜17、比較例1〜8
表1に示す組成になるようにした以外は、実施例1と同様にして発泡剤組成物ペレット(M−2)〜(M−25)を得た。嵩比重、崩壊率、耐ブロッキング性の評価結果を表1に示す。
得られた発泡剤組成物ペレットと、表1に示す熱可塑性樹脂ペレットとを、表1に示す質量部となるようにドライブレンドして成形用樹脂ペレットを得た。
得られた成形用樹脂ペレットを用いて、実施例2A〜2B、3〜17、比較例1〜8では、実施例1Aと同様にして、実施例2Cでは実施例1Cと同様にして、実施例2Dでは実施例1Dと同様にして、それぞれ発泡成形体を得た。得られた発泡成形体について行った各特性の評価結果を表1〜2に示す。
実施例1〜17では、本発明で規定する発泡剤組成物ペレットを用いて成形したため、機械的特性や表面外観に優れ、発泡が安定した発泡成形体が得られた。また、実施例11〜17では、発泡剤組成物ペレットにシリカ粒子(A)とともにシリカ以外の粒子(D)を含有させたため、発泡セルのサイズが小さい発泡成形体が得られた。
比較例1では、シリカ粒子(A)の含有量が多いため、得られた発泡剤組成物ペレットは、嵩比重が高く、また崩壊率が高く壊れやすいものであった。また、得られた発泡成形体の表面には、スワールマークが発生した。比較例2では、シリカ粒子(A)の含有量が少ないため、得られた発泡剤組成物ペレットは、耐ブロッキング性に劣るものであった。また、成形安定性に劣り、得られた発泡成形体の厚みの変動が大きくアバタ状凹凸が多く見られた。
比較例3では、発泡剤(B)の含有量が多いため、得られた発泡成形体は、厚みの変動が大きく、スワールマーク、アバタ状凹凸が多く見られ表面外観が劣った。比較例4では、発泡剤(B)の含有量が少ないため、発泡成形に際し、成形用樹脂ペレット中に発泡剤組成物ペレットを多く配合する必要性が生じ、得られた発泡成形体は、表面にスワールマークが多く見られ、衝撃強度が劣っていた。
比較例5では、バインダー成分(C)の含有量が少ないため、得られた発泡剤組成物ペレットは崩壊率が高く壊れやすいものであった。また、成形安定性に劣り、得られた発泡成形体は、厚みの変動が大きかった。比較例6では、バインダー成分(C)の含有量が多いため、得られた発泡剤組成物ペレットは、耐ブロッキング性に劣るものであった。また、得られた発泡成形体は、スワールマーク、アバタ状凹凸が多く見られ表面外観が劣った。
比較例7〜8では、シリカ粒子(A)に代えて、タルクを用いたため、所定の含有量であっても、得られた発泡剤組成物ペレットは、それぞれ耐ブロッキング性が劣り、成形安定性に劣った。また、得られた発泡成形体は、スワールマーク、アバタ状凹凸が多く見られ、表面外観が劣った。

Claims (10)

  1. シリカ粒子(A)30〜80質量%、発泡剤(B)3〜30質量%およびバインダー成分(C)10〜50質量%を含有し、(A)と(B)と(C)の合計が100質量%であることを特徴とする発泡剤組成物ペレット。
  2. JIS K7365で測定される嵩比重が0.5〜1.0であることを特徴とする請求項1記載の発泡剤組成物ペレット。
  3. 原料のシリカ粒子(A)は、JIS K5101で測定される吸油量が200ml/100g以下であることを特徴とする請求項1記載の発泡剤組成物ペレット。
  4. 原料のシリカ粒子(A)は、JIS K6220で測定される嵩比重が0.2以上であることを特徴とする請求項1記載の発泡剤組成物ペレット。
  5. バインダー成分(C)が、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸ビスアミドから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1記載の発泡剤組成物ペレット。
  6. さらにシリカ以外の粒子(D)を含有することを特徴とする請求項1記載の発泡剤組成物ペレット。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の発泡剤組成物ペレットを製造するための方法であって、シリカ粒子(A)、発泡剤(B)およびバインダー成分(C)を一括混合し、バインダー成分(C)の融点以上の温度でペレット状に圧縮成形することを特徴とする発泡剤組成物ペレットの製造方法。
  8. 請求項6記載の発泡剤組成物ペレットを製造するための方法であって、シリカ粒子(A)、発泡剤(B)、バインダー成分(C)およびシリカ以外の粒子(D)を一括混合し、バインダー成分(C)の融点以上の温度でペレット状に圧縮成形することを特徴とする発泡剤組成物ペレットの製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の発泡剤組成物ペレットと熱可塑性樹脂ペレットとを混合してなる成形用樹脂ペレット。
  10. 請求項9記載の成形用樹脂ペレットを成形してなる発泡成形体。

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