JP2014058649A - 透明難燃性樹脂組成物ならびにそれを用いた透明難燃光ファイバリボンおよび透明難燃光ファイバケーブル - Google Patents

透明難燃性樹脂組成物ならびにそれを用いた透明難燃光ファイバリボンおよび透明難燃光ファイバケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】透明難燃光ファイバリボンおよび透明難燃光ファイバケーブル、難燃性樹脂組成物の提供。
【解決手段】紫外線硬化型樹脂、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された平均粒子径が0.01〜1μmの金属水酸化物、下記式(1)で示される環状ホスファゼン化合物を含有し、紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、金属水酸化物を5〜60質量部、ホスファゼンを10〜50質量部含有する難燃性樹脂組成物。

(式(1)中、nは3〜15の整数を示し、Aは炭素数6〜20の芳香環を有する、アルコキシ基またはアリールオキシ基を示す。)
【選択図】なし

Description

この発明は、透明難燃性樹脂組成物ならびにそれを用いた透明難燃光ファイバリボンおよび透明難燃光ファイバケーブルに関する。
近年、高度情報通信の発達に伴い、通信系幹線に光ファイバ網が張り巡らされ、光伝送による高速大容量通信が普及してきている。このような通信系幹線には、光伝送損失の低減化などの種々の理由によりシングルモードの石英系光ファイバが用いられ、数十ギガビットクラスの高速データ伝送が可能とされている。しかし、この通信系幹線の石英系光ファイバからオフィスまたは各家庭内にあるデータ通信装置に接続する際に、同じ石英系光ファイバを用いて接続する場合には、可撓性に乏しく取扱い性に難点があると共に、石英系光ファイバのコアの直径が数μm程度と非常に細径であるため、分岐、接続に多大なコストがかかるという問題があり、オフィスまたは各家庭内のデータ通信装置への接続の普及に対する障害の一つになっている。
このような通信系幹線の石英系光ファイバからオフィスまたは各家庭内にあるデータ通信装置への分岐、接続を容易にするために、コアが、石英系光ファイバに比べて大口径で分岐、接続性に優れると共に、可撓性に富み、取扱い性にも優れるプラスチック光ファイバを用いることが提案されている。
現在ではFTTH(ファイバー・ツー・ザ・ホーム)プロジェクトが進められており、各家庭、事業所周辺で使用されるユーザー系ケーブルの需要は飛躍的に増加することが予想され、環境負荷の小さいリボン構造やケーブル構造が要求される。
プラスチック光ファイバリボンやプラスチック光ファイバケーブルにおいては、いったん火災が発生すると、ケーブル線路に沿って燃え広がり、縦横に火災が拡大するため、UL 1581(Underwriters Laboratories)(UL VW−1)試験に合格する難燃性が求められている。プラスチック光ファイバリボンは通常複数本のプラスチック光ファイバを一括被覆して束ねたものであるが、この一括被覆を構成する樹脂として使用される、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂の難燃性が充分ではなかった。
たとえば、特許文献1には、石英またはガラス系の光ファイバを用いた光ファイバリボンに関する発明が記載されており、紫外線硬化性樹脂をコーンカロリーメータで測定した時の発熱量が800KW/m2以下の難燃性樹脂を使用することにより、光ファイバリボンの難燃性を向上したと記載されている。しかしながら、発熱量が800KW/m2以下の難燃性樹脂をどのようにして実現するかが明確でなかった。また、プラスチック光ファイバを用いた場合の光ファイバリボンの難燃性向上は達成されてはいない。
なお、複数本の、石英またはガラス系のプラスチック光ファイバを一括被覆して光ファイバリボンとする場合も、一括被覆には樹脂材料が使用されるため、UL VW−1試験に合格する難燃性が求められる。
また、意匠性の観点から、光ファイバリボンに透明性が求められる場合がある。光ファイバリボンに難燃性を付与する場合、上記した一括被覆に難燃剤を配合する必要がある。上述した高い難燃性を達成するためには、複数種類の異なる難燃剤を一括被覆に配合する必要があるが、複数種類の異なる難燃剤の配合は、光を散乱させる傾向があるため、一般に、光ファイバリボンの透明性が低下する。このため、高い難燃性と透明性を両立する光ファイバリボンはこれまでなかった。
特開2005−326567号公報
したがって、本発明は、高い難燃性と透明性を達成する透明難燃光ファイバリボンおよび透明難燃光ファイバケーブル、ならびに、該透明難燃光ファイバリボンの一括被覆の製造時に使用する難燃性樹脂組成物の提供を目的とする。
本発明は、紫外線硬化型樹脂、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された平均粒子径が0.01〜1μmの金属水酸化物、および、下記式(1)で示される環状ホスファゼン化合物を含有し、前記紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、前記金属水酸化物を5〜60質量部、前記環状ホスファゼン化合物を10〜50質量部含有する難燃性樹脂組成物を提供する。

(式(1)中、nは3〜15の整数を示し、Aは、芳香環を有する、炭素数6〜20のアルコキシ基、または、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す。)
本発明の難燃性樹脂組成物において、前記金属水酸化物が、水酸化アルミニウム、ベーマイト、および、水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物において、前記紫外線硬化型樹脂が、アクリル樹脂であることが好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物において、前記紫外線硬化型樹脂が、反応性可塑剤として、芳香環を有するアクリレートまたはメタクリレートを含有することが好ましい。
また、本発明は、本発明の難燃性樹脂組成物を用いて作製される透明難燃フィルムを提供する。
また、本発明は、複数本の光ファイバ心線を平行に配置し、前記複数本の光ファイバ心線の外周に一括被覆を備えたプラスチック光ファイバリボンであって、前記一括被覆が、本発明の難燃性樹脂組成物からなる、透明難燃光ファイバリボンを提供する。
本発明の透明難燃光ファイバリボンにおいて、前記ファイバ心線を構成する光ファイバが、C−H結合を実質的に有しない非晶質透明フッ素樹脂を材料とすることが好ましい。
本発明の透明難燃光ファイバリボンにおいて、前記ファイバ心線を構成する光ファイバの周囲が補強層で被覆され、さらに該補強層の周囲が、少なくとも1層以上の紫外線硬化型樹脂で被覆されていてもよい。
また、本発明は、光ファイバリボンの外周を、透明難燃性樹脂で被覆した光ファイバケーブルであって、前記光ファイバリボンが、本発明の透明難燃光ファイバリボンである、透明難燃光ファイバケーブルを提供する。
本発明によれば、透明性の指標として、ヘイズ率が15以下であり、高い難燃性を有する透明難燃光ファイバリボンおよび透明難燃光ファイバケーブルを提供できる。
図1は、本発明の透明難燃光ファイバリボンを示した断面図である。 図2は、本発明の透明難燃光ファイバケーブルを示した断面図である。
以下、図面を参照して本発明について説明する。
図1は本発明の透明難燃光ファイバリボンを示した断面図である。図1に示す光ファイバリボン21は、複数本の光ファイバ心線11を平行に配置し、該複数本の光ファイバ心線11の外周に一括被覆4を施したものである。図1に示す光ファイバ心線11は、光ファイバ1の周囲を補強層2で被覆し、該補強層2の周囲を紫外線硬化型樹脂3で被覆したものである。ただし、本発明における光ファイバ心線11は、光ファイバ1の周囲を補強層2で被覆したものであればよく、該補強層2の周囲を紫外線硬化型樹脂3で被覆していないものであってもよい。
本発明の透明難燃光ファイバリボンの個々の構成要素について、以下に説明する。
光ファイバ1としては、屈折率分布型(GI型)光ファイバ、段階屈折率型(SI型)光ファイバ、シングルモード光ファイバ、マルチコア光ファイバなどがあり、本発明における光ファイバ1としては、これらいずれであってもよい。
GI型光ファイバとは、断面方向における屈折率に分布を持たせた光ファイバである。すなわち、GI型光ファイバは、断面方向の中心部で屈折率が高く、徐々に屈折率が低くなる屈折率分布によって構成されるので、GI型光ファイバ内を長手方向に進行する光は、屈折率の影響を受けて、GI型光ファイバの中心部近傍に集中する。これによって、高速大容量の伝送能力を実現している。
GI型光ファイバは、SI型光ファイバに比較してモード分散が小さく、数ギガビット以上のクラスの高速データ伝送用に特に適している。
本発明における光ファイバ1としては、石英系光ファイバ、ガラス系光ファイバ、および、プラスチック光ファイバ(POF)のいずれも選択できる。ただし、難燃性の向上という観点からは、POFを使用した場合に、その効果がより発揮される。
POFの材料としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂やポリカーボネート樹脂などがあり、本発明において、光ファイバ1としてPOFを使用する場合、このような材料を使用した光ファイバを使用できる。しかしこれら材料からなるPOFには、分子内にC−H結合を有する樹脂を材料とすることより、C−H結合の伸縮運動による高調波吸収が、赤外線または可視光線領域のような特定波長領域に生じ、その波長領域での伝送損失が大きなものであった。加えてこれらの樹脂は、吸湿性が大きいために、温度条件等の環境条件によっては、伝送損失が大きく変化してしまうという問題がある。その結果、光伝送で使われる波長領域において、特に数ギガビットクラスの高速伝送をも可能にする赤外波長領域を使用することが不可能であった。
このような従来のPOFを、通信系幹線の石英系光ファイバからオフィスまたは各家庭内のデータ通信装置に分岐、接続する際に用いる場合、例えば、最近、オフィスまたは各家庭に普及の著しいインターネットへの接続に用いる場合、インターネットにおける音声、静止画像に加えて動画像等のような大容量データの高速伝送の要求に十分に応じることが困難という問題を有している。
本発明における光ファイバ1として、POFを使用する場合、C−H結合を実質的に有しない非晶質透明フッ素樹脂を材料とするPOFが好ましい。このPOFは赤外線や可視光線領域における吸収がなく、通信用POFとして特に優れた特性を有する。
非晶質透明フッ素樹脂としては主鎖に環構造を有するフッ素ポリマーからなるフッ素樹脂、特に主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するフッ素ポリマーからなるフッ素樹脂、が好ましい。このような非晶質フッ素樹脂を材料とするPOFとしては、例えば特開平8−5848号公報や特開平11−167030記載のGI型のPOFおよび特開平4−1704号公報記載のSI型のPOFなどがある。
光ファイバはコア−クラッドから構成されるが、一般的には、補強、機械特性を改善するために、クラッドの周囲に補強層が施された光ファイバ心線として使用される。本発明においても、光ファイバ1の周囲、より具体的には、光ファイバ1のクラッドの周囲を補強層2で被覆した光ファイバ心線11を用いる。
本発明で用いられる光ファイバ心線11は、光ファイバ1としてC−H結合を実質的に有しない非晶質透明フッ素樹脂を材料とするGI型のPOFを使用し、該GI型のPOFの周囲を、補強層2として熱溶融樹脂で被覆したものが好ましい。
本発明の光ファイバ心線11では、該補強層2の周囲に、外力緩和のためのプライマリコート、外力耐性のためのセカンダリコート、色識別のためのカラーコートなどを形成するために、少なくとも1層以上の紫外線硬化型樹脂3でさらに被覆したものがより好ましい。
本発明の透明難燃光ファイバリボン21では、平行に配置した複数本の光ファイバ心線11の外周に施す一括被覆4が、以下に示す本発明の難燃性樹脂組成物を用いて作製されている。
本発明の難燃性樹脂組成物は、紫外線硬化型樹脂、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された平均粒子径が0.01〜1μmの金属水酸化物、および、下記式(1)で示される環状ホスファゼン化合物を含有し、該紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、該金属水酸化物を5〜60質量部、該環状ホスファゼン化合物を10〜50質量部含有する。

式(1)中、nは3〜15の整数を示し、Aは、芳香環を有する、炭素数6〜20のアルコキシ基、または、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す。
本発明の難燃性樹脂組成物において、紫外線硬化型樹脂は、樹脂組成物のマトリクス樹脂である。本発明の難燃性樹脂組成物に用いる紫外線硬化型樹脂としては、アクリル樹脂が、透明性、高速塗工性の理由から好ましい。
なお、本発明の難燃性樹脂組成物に用いる紫外線硬化型樹脂は、少なくともアクリルオリゴマーとアクリルモノマーと紫外線反応型開始剤からなる液状組成物からなることが好ましい。ここで、アクリルオリゴマー、アクリルモノマーは、目標とする樹脂組成物の物性、または樹脂組成物の硬化物の物性、具体的には、樹脂組成物を用いて作製される一括被覆4や透明難燃フィルムの物性を考慮して、架橋密度や、親水基/疎水基のバランスを選択し組み合わせて使用される。また、紫外線反応開始剤は、樹脂組成物を用いて作製される一括被覆4や透明難燃フィルムの表面と深さ方向の硬化性を同時に対応できるように、種類と添加量と、分散度を考慮し使用される。
本発明の難燃性樹脂組成物において、金属水酸化物、および、上記式(1)で示されるホスファゼンは、樹脂組成物を用いて作製される一括被覆4や、透明難燃フィルムの難燃剤である。金属水酸化物は、熱分解し水分を放出した際の吸熱作用が主体の難燃剤である。また、環状ホスファゼン化合物のようなリン化合物は、樹脂から脱水を行いチャーと呼ばれる酸素遮断作用と断熱作用を有する層の形成が主体の難燃剤である。
本発明の難燃性樹脂組成物は、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された平均粒子径が0.01〜1μmの金属水酸化物、および、上記式(1)で示される環状ホスファゼン化合物を含有することで、該樹脂組成物を用いて作製される、一括被覆4や透明難燃フィルムがが、透明性および難燃性に優れたものとなる。
樹脂組成物に配合する難燃剤のうち、金属水酸化物は粒子として配合するため、平均粒子径が小さいものを使用するほうが、該樹脂組成物を用いて作製される、一括被覆4や透明難燃フィルムの透明性が向上するので好ましい。このため、金属水酸化物の平均粒子径は1μm以下とする。ただし、金属水酸化物の平均粒子径が小さすぎると、樹脂組成物の粘度が上昇して、ハンドリング性が悪化するので、金属水酸化物の平均粒子径の下限を0.01μmとする。
ただし、平均粒子径が小さい金属水酸化物を使用しても、樹脂組成物中で凝集すると、その優位性が失われて、該樹脂組成物を用いて作製される、一括被覆4や透明難燃フィルムの透明性が低下する。このため、本発明では、ビニル系シランカップリング剤、すなわち、ビニル基を有するシランカップリング剤で表面修飾された金属水酸化物を使用する。金属水酸化物をシランカップリング剤で表面修飾すると、樹脂組成物中での分散性が向上するが、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾することで、樹脂組成物中での分散性が顕著に向上する。この点については、後述する実施例において、金属水酸化物をアミノ系シランカップリング剤で表面修飾した比較例と、の比較からも明らかである。
この理由について、本願出願人は以下のように推定している。難燃剤として樹脂組成物に配合する、式(1)で示される環状ホスファゼン化合物は、リンに結合する側鎖(A)が、芳香環を有する、炭素数6〜20のアルコキシ基、または、炭素数6〜20のアリールオキシ基であり、いずれも芳香環を有する。この芳香環と、金属水酸化物を表面修飾したシランカップリング剤のビニル基と、の相互作用によって、金属水酸化物の分散性が顕著に向上すると推測する。
なお、ビニル系シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシランなどを使用できる。
ここで、金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、および、水酸化カルシウムからなる群から選択される1種以上を使用できる。これらの中でも、吸熱作用が大きい点から、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、水酸化アルミニウムがさらに好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物において、金属水酸化物の平均粒子径は、0.01〜1μmであることが好ましく、0.03〜0.8μmであることがより好ましく、0.05〜0.6μmであることがさらに好ましい。
なお、金属水酸化物の平均粒子径は、適切な溶媒に分散させた分散液の状態でレーザー回折・散乱方式粒子径測定装置(マイクロトラックBlueRaytrac、日機装株式会社)を使用し求めることができる。
本発明において、金属水酸化物の平均粒子径が上記範囲であることに加えて、金属水酸化物の粒子分布が狭いことが好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物において、金属水酸化物の含有量は、紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、5〜60質量部である。金属水酸化物の含有量が5質量部未満だと、難燃性の効果が発揮できず、樹脂組成物を用いて作製される一括被覆4や透明難燃フィルムの難燃性が低下する。一方、金属水酸化物の含有量が60質量部超だと、樹脂組成物を用いて作製される一括被覆4や透明難燃フィルムの透明性が低下するうえ、熱分解が急激に起こるために、樹脂組成物を用いて作製される一括被覆4や透明難燃フィルムの一部が火の粉となって飛び散り、UL VW−1試験が不合格となる場合がある。
本発明の難燃性樹脂組成物において、金属水酸化物の含有量は、紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、5〜60質量部であることが好ましく、10〜60質量部であることがより好ましい。
次に、上記式(1)で示される環状ホスファゼン化合物について記載する。
上述したように、上記式(1)で示される環状ホスファゼン化合物は、樹脂組成物を用いて作製される一括被覆4や、透明難燃フィルムの難燃剤である。この環状ホスファゼン化合物は、式(1)中のnが、3から15の整数であるが、3から8の整数が好ましく、3または4が特に好ましい。すなわち、式(1)で示される環状ホスファゼン化合物として、特に好ましいものは、nが3のシクロトリホスファゼン(3量体)の誘導体、および、nが4のシクロテトラホスファゼン(4量体)の誘導体である。
本発明の難燃性樹脂組成物は、nやAが異なる二種以上の環状ホスファゼン化合物を含有してもよい。
また、式(1)中、Aは、芳香環を有する炭素数6〜20のアルコキシ基、または、炭素数6〜20のアリールオキシ基である。
芳香環を有する炭素数6〜20を有するアルコキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基および2−フェニルエトキシ基等を挙げることができる。
炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、エチルメチルフェノキシ基、ジエチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、イソプロピルメチルフェノキシ基、イソプロピルエチルフェノキシ基、ジイソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ペンチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、エテニルフェノキシ基、1−プロペニルフェノキシ基、イソプロペニルフェノキシ基、1−ブテニルフェノキシ基、sec−ブテニルフェノキシ基、1−ペンテニルフェノキシ基、1−ヘキセニルフェノキシ基、フェニルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基およびフェナントリルオキシ基等を挙げることができる。このうち、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ジエチルフェノキシ基、1−プロペニルフェノキシ基、フェニルフェノキシ基およびナフチルオキシ基が好ましく、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基およびナフチルオキシ基が特に好ましい。
また、式(1)中のAの一部に、紫外線硬化型樹脂と反応する、下記式(2)で示される、アクリオイルオキシアルキレンオキシ基、および/またはメタクリロイルオキシアルキレンオキシ基が含まれていてもよい。

式(2)中、mは0〜10の整数であり、0〜6の整数であることが好ましく、2〜4の整数であることが特に好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物において、式(1)で示される環状ホスファゼン化合物の含有量は、紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、10〜50質量部である。環状ホスファゼン化合物の含有量が10質量部未満だと、難燃性の効果が発揮できず、樹脂組成物を用いて作製される一括被覆4や透明難燃フィルムの難燃性が低下する。また、樹脂組成物中での金属水酸化物の分散性が低下し、金属水酸化物が凝集する。この結果、樹脂組成物を用いて作製される、一括被覆4や透明難燃フィルムの透明性が低下する。
一方、環状ホスファゼン化合物の含有量が50質量部超だと、樹脂組成物を用いて作製される一括被覆4や透明難燃フィルムからのブリードアウトが問題となる。
本発明の難燃性樹脂組成物において、式(1)で示される環状ホスファゼン化合物の含有量は、紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、10〜50質量部であることが好ましく、20〜50質量部であることがより好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物において、紫外線硬化型樹脂は、反応性可塑剤として、芳香環を有するアクリレートを含有することが好ましい。
一括被覆4や透明難燃フィルム樹脂組成物の作製に用いる樹脂組成物には、これらの可塑性を高めるために、樹脂組成物に配合する紫外線硬化型樹脂には、可塑剤が添加される。このような目的で添加する可塑剤としては、樹脂組成物の硬化物からの可塑剤の移行を防止するために、反応性可塑剤が好ましく用いられる。反応性可塑剤としては、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレートなどが通常用いられる。また上記アクリレートの代わりに、メタクリレートを用いてもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物では、上記のアクリレートまたはメタクリレートの中でも、芳香環を有するアクリレートまたはメタクリレートを、反応性可塑剤として含有する紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。
上述したように、本発明の難燃性樹脂組成物では、式(1)で示される環状ホスファゼン化合物の芳香環と、金属水酸化物を表面修飾したシランカップリング剤のビニル基と、の相互作用によって、金属水酸化物の分散性が顕著に向上すると考えられる。芳香環を有するアクリレートまたはメタクリレートを、反応性可塑剤として含有する紫外線硬化型樹脂を用いた場合、アクリレートまたはメタクリレートの芳香環と、金属水酸化物を表面修飾したシランカップリング剤のビニル基と、の相互作用によって、金属水酸化物の分散性がさらに向上する。その結果、該樹脂組成物を用いて作製される、一括被覆4や透明難燃フィルムの透明性がさらに向上する。
なお、芳香環を有するアクリレートまたはメタクリレートとしては、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、または、これらに相当するメタクリレート等を用いることができる。これらの中でも、ベンジルアクリレートまたはベンジルメタクリレートが、樹脂組成物の粘度を過度に増加させることがないため、樹脂組成物のハンドリング性の点から好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物を用いて、透明難燃光ファイバリボン21の一括被覆4を作製する場合、複数本の光ファイバ心線11を平行に配置した後、該光ファイバ心線11の外周で、本発明の難燃性樹脂組成物で被覆した後、紫外線照射により樹脂組成物を硬化させればよい。
図2は本発明の透明難燃光ファイバケーブルを示した断面図である。図2に示す光ファイバケーブル31は、図1に示す光ファイバリボン21の外周を、透明難燃性樹脂5で被覆したものである。ここで、光ファイバリボン21としては、上述した本発明の透明難燃光ファイバリボンを用いる。
図2に示す光ファイバケーブル31の強度を向上させるために、テンションメンバーなど補強材を透明難燃性樹脂5の被覆内に含有させてもよい。
本発明の透明難燃光ファイバリボン21を用いて、透明難燃光ファイバケーブル31を作製する場合、 透明難燃ファイバリボン21の外側に、透明難燃性樹脂5を、クロスヘッドダイを備えた被覆装置などで被覆する。
図2に示す光ファイバケーブル31の断面形状は略楕円形状であるが、光ファイバケーブルの断面形状はこれに限定されず、円形や角が丸みを帯びた長方形であってもよい。これらの中でも、取扱が容易であることから、略楕円形状または円形が好適である。
透明難燃性樹脂5の材料として、具体的にはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、安価で加工しやすいことからポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂が好ましい。これらの樹脂材料のみでは難燃性が不十分な場合、透明難燃性樹脂5には難燃剤が添加される。この目的で添加する難燃剤としては、難燃剤が添加された透明難燃性樹脂5の透明性が失われないリン酸エステルなどが好ましい。
また、本発明の難燃性樹脂組成物を用いて、透明難燃フィルムを作製する場合、本発明の難燃性樹脂組成物を基材上に厚さが均一になるように塗布した後、紫外線照射により樹脂組成物を硬化させればよい。このようにして得られる透明難燃フィルムは、例えば、屋外の屋根や外壁、屋内のパーティションやカーテン等の用途に使用できる。
なお、透明難燃フィルムとして使用する場合、その厚さは500μm以下であることが、透明性に優れることから好ましく、400μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがさらに好ましい。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。以下、例1〜6は実施例、例7〜14は比較例である。
〔例1〕
(難燃性樹脂組成物)
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)に、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化アルミニウム粉末(APYRAL 200VS1,Nabaltec AG)1.0g(20質量部)、および、フェノキシホスファゼン(式(1)中、nが3、Aがフェノキシ基の環状ホスファゼン化合物)(SPB−100L,大塚化学株式会社)1.5g(30質量部)を加えた。均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、下記手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。
難燃性樹脂組成物の作製に使用した、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化アルミニウム粉末の粒度分布を、レーザー回折・散乱方式粒子径測定装置(マイクロトラックBlueRaytrac、日機装株式会社)を用いて測定した。その結果、個数基準の平均粒子径、10%粒子径(D10)、50%粒子径(D50)、および、90%粒子径(D90)は、それぞれ、0.38μm、0.23μm、0.34μm、0.60μmであった。
(透明性評価法)
上記の手順で得られた難燃性樹脂組成物を、ガラス基板(100×100mm)上に、ドクターブレード(横幅50mm、スリット幅100μm)を用いて薄膜化した。これに、窒素雰囲気下で、紫外線(高圧水銀ランプ、強度:37mW/cm2)を30秒間照射し、縦約50mm、横50mm、膜厚約60μmの透明難燃フィルムを得た。ヘイズメータ(ヘイズ−ガード プラス,BYKガードナー社)を用いて透明難燃フィルムのヘイズ率を測定した。その結果、ヘイズ率は14.7%であった。なお、ヘイズ率が15%以下であれば、高い透明性を有している。
(難燃性評価法)
上記の手順で得られた難燃性樹脂組成物を、ガラス基板(200×200mm)上に、ドクターブレード(横幅50mm、スリット幅300μm)を用いて薄膜化した。これに、窒素雰囲気下で、紫外線(高圧水銀ランプ、強度:37mW/cm2)を30秒間照射し、縦140mm、横50mm、膜厚約180μmの透明難燃フィルムを得た。
難燃性評価は、JIS K 7201−2 (プラスチック−酸素指数による燃焼性の試験法、第2部:室温における試験)による酸素指数で評価した。酸素指数は22.8であった。なお、酸素指数が22以上であれば、高い難燃性を有している。
〔例2〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.5gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.5gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)に、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化アルミニウム粉末(APYRAL 200VS1,Nabaltec AG)1.5g(30質量部)、およびフェノキシホスファゼン(SPB−100L,大塚化学株式会社)2.0g(40質量部)を加えた。均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は13.1%であり、酸素指数は23.5であった。
〔例3〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ベンジルアクリレート(BZA)(V#180,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)に、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化アルミニウム粉末(APYRAL 200VS1,Nabaltec AG)2.0g(40質量部)、およびフェノキシホスファゼン(SPB−100L,大塚化学株式会社)1.5g(30質量部)を加えた。均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は11.9%であり、酸素指数は23.7であった。
〔例4〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)に、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾されたベーマイト粉末(ACTILOX 200VS1,Nabaltec AG)1.0g(20質量部)、およびフェノキシホスファゼン(SPB−100L,大塚化学株式会社)1.5g(30質量部)を加えた。均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は14.8%であり、酸素指数は22.1であった。
難燃性樹脂組成物の作製に使用した、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾されたベーマイト粉末の粒度分布を、レーザー回折・散乱方式粒子径測定装置(マイクロトラックBlueRaytrac、日機装株式会社)を用いて測定した。その結果、個数基準の平均粒子径、10%粒子径(D10)、50%粒子径(D50)、および、90%粒子径(D90)は、それぞれ、0.29μm、0.12μm、0.27μm、0.52μmであった。
〔例5〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)に、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化マグネシウム粉末(V−6F、神島化学工業株式会社)1.0g(20質量部)、およびフェノキシホスファゼン(SPB−100L,大塚化学株式会社)1.5g(30質量部)を加えた。均一になるまでよく撹拌し、均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は14.7%であり、酸素指数は22.2であった。
難燃性樹脂組成物の作製に使用した、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化マグネシウム粉末の粒度分布を、レーザー回折・散乱方式粒子径測定装置(マイクロトラックBlueRaytrac、日機装株式会社)を用いて測定した。その結果、個数基準の平均粒子径、10%粒子径(D10)、50%粒子径(D50)、および、90%粒子径(D90)は、それぞれ、0.71μm、0.39μm、0.61μm、1.19μmであった。
〔例6〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)に、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化アルミニウム粉末(APYRAL 200VS1,Nabaltec AG)0.25g(5質量部)、およびフェノキシホスファゼン(SPB−100L,大塚化学株式会社)2.5g(50質量部)を加えた。均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は5.1%であり、酸素指数は22.4であった。
〔例7〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え、金属水酸化物および環状ホスファゼン化合物は加えずに、均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は0.0%であり、酸素指数は17.4であった。
〔例8〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)に、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾していない水酸化アルミニウム粉末(APYRAL 200SM,Nabaltec AG)1.0g(20質量部)、およびフェノキシホスファゼン(SPB−100L,大塚化学株式会社)1.5g(30質量部)を加えた。均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は82.0%であり、酸素指数は22.9であった。
難燃性樹脂組成物の作製に使用した、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾していない水酸化アルミニウム粉末の粒度分布を、レーザー回折・散乱方式粒子径測定装置(マイクロトラックBlueRaytrac、日機装株式会社)を用いて測定した。その結果、個数基準の平均粒子径、10%粒子径(D10)、50%粒子径(D50)、および、90%粒子径(D90)は、それぞれ、0.38μm、0.13μm、0.17μm、0.80μmであった。
〔例9〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)に、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化アルミニウム粉末(APYRAL 40VS1,Nabaltec AG)1.0g(20質量部)、およびフェノキシホスファゼン(SPB−100L,大塚化学株式会社)1.5g(30質量部)を加えた。均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は53.9%であり、酸素指数は22.8であった。
難燃性樹脂組成物の作製に使用した、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化アルミニウム粉末の粒度分布を、レーザー回折・散乱方式粒子径測定装置(マイクロトラックBlueRaytrac、日機装株式会社)を用いて測定した。その結果、個数基準の平均粒子径、10%粒子径(D10)、50%粒子径(D50)、および、90%粒子径(D90)は、それぞれ、1.06μm、0.76μm、0.99μm、1.39μmであった。
〔例10〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)に、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化アルミニウム粉末(APYRAL 200VS1,Nabaltec AG)0.5g(10質量部)を加え、環状ホスファゼン化合物は加えずに、均一になるまで良く撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は26.5%であり、酸素指数は19.8であった。
〔例11〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)にフェノキシホスファゼン(SPB−100L,大塚化学株式会社)1.5g(30質量部)を加え、金属水酸化物は加えずに、均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は2.3%であり、酸素指数は21.5であった。
〔例12〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)に、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化アルミニウム粉末(APYRAL 200VS1,Nabaltec AG)1.0g(20質量部)、および、環状ホスファゼン化合物の代わりにポリリン酸メラミン(PHOSMEL−200,日産化学工業株式会社)1.5g(30質量部)を加えた。均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は100.0%であり、酸素指数は22.3であった。
〔例13〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)に、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化アルミニウム粉末(APYRAL 200VS1,Nabaltec AG)1.0g(20質量部)、およびプロポキシホスファゼン(式(1)中、nが3、Aがプロポキシ基の環状ホスファゼン化合物)(ラビトル FP−366,株式会社)1.5g(30質量部)を加えた。均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は52.2%であり、酸素指数は22.8であった。
〔例14〕
紫外線硬化型樹脂原料(デソライトR3194,JSR株式会社)4.2gをプラスチック容器に量り取り、ラウリルアクリレート(LA,大阪有機化学工業株式会社)0.8gを加え均一になるまでよく撹拌し紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)とした。紫外線硬化型樹脂(100質量部)に、アミノ系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化アルミニウム粉末(APYRAL 200AS1,Nabaltec AG)1.0g(20質量部)、およびフェノキシホスファゼン(SPB−100L,大塚化学株式会社)1.5g(30質量部)を加えた。均一になるまでよく撹拌し、難燃性樹脂組成物を得た。得られた難燃性樹脂組成物について、例1と同様の手順で透明性評価、および、難燃性評価を実施した。ヘイズ率は32.6%であり、酸素指数は23.0であった。
難燃性樹脂組成物の作製に使用した、アミノ系シランカップリング剤で表面修飾された水酸化アルミニウム粉末の粒度分布を、レーザー回折・散乱方式粒子径測定装置(マイクロトラックBlueRaytrac、日機装株式会社)を用いて測定した。その結果、個数基準の平均粒子径、10%粒子径(D10)、50%粒子径(D50)、および、90%粒子径(D90)は、それぞれ、0.46μm、0.25μm、0.41μm、0.73μmであった。
1 プラスチック光ファイバ
2 補強層
3 紫外線硬化型樹脂
4 一括被覆
5 透明難燃性樹脂
11 光ファイバ心線
21 プラスチック光ファイバリボン
31 プラスチック光ファイバケーブル

Claims (9)

  1. 紫外線硬化型樹脂、ビニル系シランカップリング剤で表面修飾された平均粒子径が0.01〜1μmの金属水酸化物、および、下記式(1)で示される環状ホスファゼン化合物を含有し、前記紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、前記金属水酸化物を5〜60質量部、前記環状ホスファゼン化合物を10〜50質量部含有する難燃性樹脂組成物。

    (式(1)中、nは3〜15の整数を示し、Aは、芳香環を有する、炭素数6〜20のアルコキシ基、または、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す。)
  2. 前記金属水酸化物が、水酸化アルミニウム、ベーマイト、および、水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記紫外線硬化型樹脂が、アクリル樹脂である、請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記紫外線硬化型樹脂が、反応性可塑剤として、芳香環を有するアクリレートを含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を用いて作製される透明難燃フィルム。
  6. 複数本の光ファイバ心線を平行に配置し、前記複数本の光ファイバ心線の外周に一括被覆を備えた光ファイバリボンであって、前記一括被覆が、請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物からなる、透明難燃光ファイバリボン。
  7. 前記ファイバ心線を構成する光ファイバが、C−H結合を実質的に有しない非晶質透明フッ素樹脂を材料とする、請求項6に記載の透明難燃光ファイバリボン。
  8. 前記ファイバ心線を構成する光ファイバの周囲が補強層で被覆され、さらに該補強層の周囲が、少なくとも1層以上の紫外線硬化型樹脂で被覆されている、請求項6または7に記載の透明難燃光ファイバリボン。
  9. 光ファイバリボンの外周を、透明難燃性樹脂で被覆した光ファイバケーブルであって、前記光ファイバリボンが、請求項6〜8のいずれかに記載の透明難燃光ファイバリボンである、透明難燃光ファイバケーブル。
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