JP2013037192A - 光ファイバテープ心線および光ファイバケーブル - Google Patents

光ファイバテープ心線および光ファイバケーブル Download PDF

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Masanobu Nakamura
正伸 中村
Nobuhiro Arakoya
悦宏 新子谷
Masami Nishiguchi
雅己 西口
Koichi Mizuno
晃一 水野
Takeshi Saito
豪 斎藤
Kenji Yokomizo
健二 横溝
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Abstract

【課題】難燃性を有し、断面積が小さく、かつPMD特性に優れた光ファイバテープ心線およびこれを用いた光ファイバケーブルを提供すること。
【解決手段】光ファイバの外周に被覆を形成した光ファイバ心線を平行に並べて、テープ被覆によって一括被覆して形成した光ファイバテープ心線であって、前記テープ被覆は、難燃性を有する内層と、前記内層の外周に形成された非難燃性の紫外線硬化樹脂からなる外層とを備える。好ましくは、前記内層が紫外線硬化樹脂からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバテープ心線およびこれを用いた光ファイバケーブルに関するものである。
近年、増大する情報通信量に伴い、様々な場所で光ファイバケーブルが情報通信に使用されるようになった。特に最近では一般家庭付近の配線に光ファイバを使用するFTTH(Fiber To The Home)化が進んでいる。また、大量の画像情報を伝送する必要がある映像機器に使用される伝送用配線には、光ファイバレベルの伝送量が求められることが多くなってきている。そのため光ファイバコードが機器内や屋内に設置される場合が多く、そのため、光ファイバコードにも火災時の延焼防止のために難燃性を持つことが求められている。
代表的な配線等に使用される光ファイバコードの構造は、光ファイバの外周に被覆を形成した光ファイバ心線、また複数の光ファイバ心線を並べて一括被覆した光ファイバテープ心線の構造を有する。機器内または屋内配線用の光ファイバコードに難燃性を付加させる場合は、光ファイバテープ心線の場合、最外部の一括被覆(テープ被覆)に難燃性の高い成分を配合する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
高速伝送のニーズは機器内配線で高いので、こうした機器内配線を高密度で実現することが望まれている。そのため、配線材である光ファイバテープ心線の断面積はできるだけ小さいことが望まれている。
複数の光ファイバ心線を並べてその上下を接着剤層を有する難燃性熱可塑性フィルムで挟んでテープ状に整形し、光ファイバテープ心線とする構造が提案されている(特許文献2参照)。このような構造では、光ファイバテープ心線の難燃性は上下の難燃性フィルムの厚さに依存する傾向があり、断面積を小さくするためにフィルムを薄くすると難燃性が低下することが懸念される。さらにテープ被覆が一括被覆構造ではないため、狭隘な機器間で配線を取り回す際にテープが比較的容易に解体してしまい、光ファイバ心線がばらばらになることが懸念される。また、光ファイバテープ心線をコネクタを介して接続する際、接着剤層が光ファイバの接続端面を含む周辺を汚損することにより、ハンドリング性の低下や接続損失の増加といった問題が発生することも懸念される。
また、構内配線や機器内配線でも大容量のデータ伝送が求められるようになってきている。そのため、データ伝送に利用する光ファイバの分散特性を管理する必要性が高まってきている。光ファイバの断面は理想的には真円であるが、真円からのずれや偏芯などのあらゆる非対称性が光ファイバの断面には事実上内在している。この光ファイバ内部の非円度は製造設備や製造条件に起因するため、光ファイバの一断面に留まらず長手方向に連続する傾向がある。このような非円度を有する光ファイバ内を光が伝播すると、その伝播モードにおいて直交する偏波モードXと偏波モードYとの伝播速度に差が生じるため光の分散が生じる。これが偏波モード分散(Polarization Mode Dispersion:PMD)である。
ここで、複数本の光ファイバ心線を平面状に並べ、その周囲をテープ被覆による一括被覆することにより得られる光ファイバテープ心線は、厚さ方向と幅方向とで形状が非対称である。そのため、その製造工程において形成されるテープ被覆からの応力については、個々の光ファイバが受ける応力の大きさは、その配置された位置によって異なる。その結果、光ファイバテープ心線の内側に配置された光ファイバ心線と端側に配置された光ファイバ心線とでは、掛かる応力の大きさ及び方向が異なる。この光ファイバテープ心線断面における非対称性は、光ファイバテープ心線の長手方向に持続し、かつ個々の光ファイバ心線で受ける応力が異なる。そのため、これらの応力に起因する偏波モード分散の光ファイバ心線間での差が大きくなる。その結果、光ファイバテープ心線およびこれらの光ファイバテープ心線を集合して形成した光ファイバケーブルでは、偏波モード分散が悪くなる傾向にある。
なお、光ファイバテープ心線のPMD特性は、テープ被覆の断面形状及び寸法を組み合わせて調整することによって改善できることが開示されている(特許文献3、4参照)。特許文献4によれば、テープ被覆の厚さは20μm以下が好ましいとされている。
特開2004−157215号公報 特許第4217908号公報 国際公開第2007/114486号 国際公開第2009/025041号
上述したように、大容量のデータ伝送のための機器内での高密度実装に適する光ファイバテープ心線として、難燃性を有し、断面積が小さく、かつPMD特性に優れたものが強く求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、難燃性を有し、断面積が小さく、かつPMD特性に優れた光ファイバテープ心線およびこれを用いた光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光ファイバテープ心線は、光ファイバの外周に被覆を形成した光ファイバ心線を平行に並べて、テープ被覆によって一括被覆して形成した光ファイバテープ心線であって、前記テープ被覆は、難燃性を有する内層と、前記内層の外周に形成された非難燃性の紫外線硬化樹脂からなる外層とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバテープ心線は、上記の発明において、前記内層が紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバテープ心線は、上記の発明において、前記内層が実質的にハロゲンを含まないことを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバテープ心線は、上記の発明において、前記内層の酸素指数が23以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバテープ心線は、上記の発明において、前記内層は、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィンオキシド類、難燃性窒素含有へテロ環状エチレン性不飽和化合物、リン含有アクリレート、メタクリレート官能性オリゴマー及びこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの難燃性物質、及び、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属酸化物及びこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの難燃性物質を含有することを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバテープ心線は、上記の発明において、前記内層は、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィンオキシド類、難燃性窒素含有へテロ環状エチレン性不飽和化合物、リン含有アクリレート、メタクリレート官能性オリゴマー及びこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの難燃性物質、又は、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属酸化物及びこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの難燃性物質を含有することを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバテープ心線は、上記の発明において、PMD値が0.2ps/km1/2以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバテープ心線は、上記の発明において、厚さをT2とすると、T2<0.32mmであることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバケーブルは、上記の発明のいずれか一つに記載の光ファイバテープ心線を備えることを特徴とする。
本発明によれば、難燃性を有し、断面積が小さく、かつPMD特性に優れた光ファイバテープ心線を実現できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る光ファイバテープ心線の模式的な断面図である。 図2は、実施例1〜4、比較例1〜6の光ファイバテープ心線の構成およびその特性を示す図である。 図3は、実施の形態2に係る光ファイバケーブルの模式的な断面図である。
以下に、図面を参照して本発明に係る光ファイバテープ心線および光ファイバケーブルの実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光ファイバテープ心線の模式的な断面図である。図1に示すように、この光ファイバテープ心線10は、光ファイバ3の外周に被覆6を形成した4本の光ファイバ心線を平面状に平行に並べて、テープ被覆9によって一括被覆して形成したものである。
尚、Dは光ファイバ3の外周に被覆6を形成した光ファイバの外径、T1は内層7までの光ファイバテープ心線断面厚さ、T2は外層8までの光ファイバテープ心線断面厚さである。
光ファイバ3は、石英系ガラスからなる光ファイバであり、コア部1と、コア部1の外周に形成されたクラッド部2とを備えている。光ファイバ3の外径は125μmである。
被覆6は、たとえば紫外線(UV)硬化樹脂からなる被覆であり、柔らかい一次被覆層4と、一次被覆層4の外周に形成され、一次被覆層4よりも硬い二次被覆層5と、二次被覆層5の表面にUV硬化型着色材を塗布し、これを硬化することによって形成した着色層とを備えている。被覆6を構成するUV硬化樹脂は非難燃性の樹脂である。被覆6を構成するUV硬化樹脂としては、たとえばウレタンアクリレート系UV硬化樹脂を用いることができる。また、被覆6の外径Dは250μmである。
テープ被覆9は、難燃性を有する内層7と、内層7の外周に形成された非難燃性のUV硬化樹脂からなる外層8とを備えている。
難燃性を有する内層7は、たとえば、非架橋タイプの樹脂であるたとえば(メタ)アクリル酸エステル重合体、または、架橋タイプの樹脂であるたとえばウレタンアクリレート系UV硬化樹脂に、難燃性物質を含有させたものである。光ファイバテープ心線10の断面における内層7の部分までの厚さはT1である。
なお、内層7に含有させる難燃性物質としては、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィンオキシド類、難燃性窒素含有へテロ環状エチレン性不飽和化合物、リン含有アクリレート及びメタクリレート官能性オリゴマー及びこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの難燃性物質、及び/又は、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属酸化物及びこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの難燃性物質を用いることができる。
外層8を構成するUV硬化樹脂としては、たとえばウレタンアクリレート系UV硬化樹脂を用いることができる。光ファイバテープ心線10の断面における外層8の部分までの厚さ(すなわち光ファイバテープ心線10の厚さ)は即ちT2である。
ここで、たとえば特許文献1では、テープ被覆全体が熱可塑性樹脂で構成されている。熱可塑性樹脂を使用する場合は、一旦樹脂を高温で溶融し、押し出し工程によって並列に配置した光ファイバ心線に一括被覆を行う。そして被覆した後に室温に冷却する工程を行う。しかしながら、熱可塑性樹脂はその冷却の際に体積収縮を起こし、光ファイバ心線に対して応力を加えるので、PMD特性が悪化するおそれがある。また、熱可塑性樹脂を用いて押し出し工程によってテープ被覆を行う場合、被覆する光ファイバ心線の重なり合いや並列の状況をコントロールしながら断面を薄くすることが難しく、比較的大きな断面形状となる場合が多い。
これに対して、本実施の形態1に係る光ファイバテープ心線10は、テープ被覆9が、難燃性を有する内層7と、非難燃性のUV硬化樹脂からなる外層8とを備える構成を有する。これによって、光ファイバテープ心線10は、内層7によって十分な難燃性を確保している。それとともに、粘度が低い樹脂を紫外線照射によって架橋して硬化させるUV硬化樹脂で外層8を構成することによって、成型する際に層厚を薄く形成することができ、かつ光ファイバ心線に掛かる応力を低減できる。その結果、光ファイバテープ心線10は、十分な難燃性を有し、かつ断面積が小さく、かつ優れたPMD特性を有するものとなる。
なお、内層7の部分までの厚さT1は、難燃性物質の含有量を勘案して、必要な難燃性を確保する程度に厚く形成すればよい。また、光ファイバテープ心線10の厚さT2は、所望の断面積を実現し、かつ光ファイバ心線を保護するために必要な程度に厚く形成すればよい。
内層7についてさらに具体的に説明する。内層7が実質的にハロゲンを含まないものであれば、当該光ファイバテープ心線10の廃棄時等において有害ガスを発生せず、環境負荷が軽減されるので好ましい。ここで、内層7がハロゲンを含まないとは、内層7に含有させる難燃性物質がハロゲンを含まないことを含む。有用であることが見出されたハロゲンを含まない難燃性物質は、たとえば、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィンオキシド化合物、難燃性窒素含有へテロ環状エチレン性不飽和化合物及びリン含有難燃性アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルオリゴマーである。内層7は、これらのうちの1種以上の難燃性物質を含むことができる。
特に、内層7の難燃性は、アンチモン、ホウ素、スズ、モリブデン、リン、アルミニウム、マグネシウム、及び亜鉛等の元素を含有させることにより付与することができる。ただし、これらの元素は例示であり、本発明を限定するものではない。これらの元素は、内層7を構成する樹脂に、酸化物、水酸化物、及び炭酸塩として、また、当該酸化物、水酸化物及び炭酸塩の水和物として、含有させることができる。これらの元素の酸化物、水酸化物、及び炭酸塩、また、それらの各種の水和物は、好ましくは、小粒径の顔料分散体として、内層7に含有される。適当な難燃性金属酸化物の例には、アルミナ三水和物としても知られている三水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが含まれる。これらの金属酸化物は、典型的には、分散された顔料として加えられる。酸化アンチモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、及び酸化アンチモン類の水和物、酸化モリブデン類、炭酸カルシウム、酸化スズ、スズ酸亜鉛、水酸化スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、及びメタホウ酸バリウムのような他の金属酸化物も難燃性物質として適している。
さらに、内層7に含有させる元素として、リンは、可溶性で難燃性の有機誘導体として構成樹脂に加えることができるので好ましい。適当な難燃性有機リン化合物の例は、トリアリールリン酸エステル及びトリキシリルリン酸エステル、環状ジホスホン酸エステルなどのようなアリールリン酸エステルが含まれる。イソプロピル化トリフェニルリン酸エステルのようなアルキル化トリフェニルリン酸エステルは、特に好ましい。本発明で使用するのに適する他のリン酸エステル及びホスホン酸エステルの例には、アルキルリン酸エステル、アリールリン酸エステル、アルキルアリールリン酸エステル、アルキル化ポリフェニルリン酸エステルのようなアルキル化ポリアリールリン酸エステル、アルキルホスホン酸エステル、アリールホスホン酸エステル、アルキルアリールホスホン酸エステル、及び、アルキル化ポリフェニルホスホン酸エステルのようなアルキル化ポリアリールホスホン酸エステルが含まれる。本発明で使用するのに適する難燃性窒素含有複素環式エチレン性不飽和オリゴマーには、五官能性アクリル酸メラミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのアクリル酸又はメタクリル酸エステル、イソシアヌル酸トリアリル、シアヌル酸トリアリル、及び、トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジンが含まれる。
(実施例、比較例)
本発明の実施例1〜3、比較例1〜7として光ファイバテープ心線を製造した。そして、光ファイバテープ心線の製造線速、テープ心線断面厚さ(図1における厚さT2)、難燃性、およびPMD特性等を評価した。図2は、実施例1〜4、比較例1〜6の光ファイバテープ心線の構成およびその特性を示す図である。
図2に示すように、実施例1〜3、および比較例1、6、7は、テープ被覆が内層と外層との2層で構成されている。内層としては、非架橋タイプの(メタ)アクリル酸エステル重合体または架橋タイプのウレタンアクリレート系UV硬化樹脂を用いた。そして、実施例1〜3、および比較例1、7では、これらの樹脂に、難燃性物質として、リン系難燃剤であるビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)及び/又は金属水酸化物である水酸化マグネシウムを配合した。また、実施例1〜3、比較例6及び7では、外層として非難燃性のウレタンアクリレート系UV硬化樹脂を用いた。比較例7では、外層に、難燃性物質として金属水酸化物である水酸化アルミニウムを配合した。また、比較例1では、外層として熱可塑性樹脂であるポリエステルエラストマーを用いた。
一方、比較例2〜5は、テープ被覆が1層で構成されており、図2ではこれを外層と記載する。比較例2、3では、テープ被覆としてウレタンアクリレート系UV硬化樹脂を用いた。また、比較例4、5では、テープ被覆としてポリエステルエラストマーを用いた。そして、これらの樹脂に、難燃性物質として、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート及び/又は水酸化アルミニウムを配合した。
また、外層がポリエステルエラストマーで構成される場合には押し出し被覆として形成し、外層がウレタンアクリレート系UV硬化樹脂で構成される場合はUV硬化により形成した。また、テープ被覆の形成の際には図2に示す製造線速にて光ファイバ心線を走行させ、当該テープ被覆の形成を行った。
また、樹脂の難燃性を示す指標として酸素指数を用いた。酸素指数は、JIS K 7201−2に規定される方法にて試験した。なお、酸素指数とは、樹脂が有炎燃焼を維持するのに必要な、23℃±2℃の酸素と窒素との混合ガスにおける最小酸素濃度(容量%)を示すものである。なお、酸素指数が23以上であれば、好ましい難燃性を有すると考えられる。
また、光ファイバテープ心線の難燃性の評価は、アメリカ保険業者安全試験所(UL)による規格であるUL1581VW−1の垂直難燃テストにより行った。このテストは、以下のように行うものである。まず、評価試料の光ファイバテープ心線を垂直に試験箱にセットする。つぎに、テープ心線に取り付けられた表示旗より25cm下部にバーナーの炎が当たるようにセットする。その際、バーナーと試料は20°の角度で点火できるようにセットする。点火時間は15s(秒)、休止時間は15sとし、これを5回繰り返す。以下の3項目を合格基準とする。i)残炎による燃焼が60sを超えないこと。ii)表示旗が25%燃えないこと。iii)落下物によって外科用綿が燃焼しないこと。
また、PMD特性については、以下の方法で測定した。まず、長さを1kmとした測定対象の光ファイバテープ心線を直径30cmのコイル状に束ね、光ファイバテープ心線に含まれる4本の光ファイバ心線のそれぞれについて公知のジョーンズマトリックス法によってPMD値を測定した。そして、測定した4本の光ファイバ心線のPMD値の平均値を、その光ファイバテープ心線のPMD値とした。なお、波長多重通信における通信容量の大容量化に資する光ファイバテープ心線としては、PMD値は0.2ps/km1/2以下であることが好ましく、0.1ps/km1/2以下であることがさらに好ましい。
図2に示すように、実施例1〜3の光ファイバテープ心線は、UL1581VW−1規格に合格する良好な難燃性を有し、外層までの断面厚さが0.3mm以下と薄く、PMD値も0.2ps/km1/2以下またはさらに0.1ps/km1/2以下と好ましいものであった。また、実施例1〜3は製造線速も速く、製造性が高いものとなった。
尚、実施例1、2では内層に難燃性を有するUV硬化樹脂を使用した。これにより、この光ファイバテープ心線をコネクタと接続する時に内層が剥離してファイバ端面を汚損する事を防止することができる。
一方、実施例3では内層に非架橋の難燃性(メタ)アクリル酸エステル重合体を使用した。これによって、硬化の際に架橋反応を必要としないため、架橋に必要なエネルギーを節約することができる。例えば、実施例1、2との対比では、内層に対してはUVランプが必要無くなる。さらに、UV硬化を阻害する金属酸化物等の難燃剤を配合することができるので、この難燃剤をさらに増量することで、実施例、1、2と比較して、より確実に難燃性を向上させることが可能となる。
比較例1、4、および5では、外層を押し出し被覆として形成しているため、断面厚さを0.3mm以下にすることができず、製造線速も遅かった。また、テープ心線の幅についても実施例1〜4と比較して大きく、その影響でPMD値が0.2ps/km1/2よりも大きくなったと考えられる。
比較例2では、テープ被覆は、難燃性を有するUV硬化樹脂の1層であるが、難燃剤として添加している金属水和物の紫外線に対する遮蔽効果の影響で、UV硬化樹脂の硬化速度が低下し、製造線速が著しく低下した。また、金属水和物の添加の影響で樹脂粘度が比較的高くなるため、断面厚さおよび断面積が比較的大きかった。そのため、断面積が大きい影響でPMD値が0.2ps/km1/2よりも大きくなったと考えられる。
比較例3は、テープ被覆が、酸素指数が23より小さい非難燃性の樹脂で構成されるため、難燃性試験で不合格となった。比較例6は、テープ被覆が2層構造であるが、内層・外層ともに酸素指数が23より小さい非難燃性の樹脂で構成されるため、難燃性試験で不合格となった。
比較例7は、内層に非架橋の難燃性(メタ)アクリル酸エステル重合体を使用し、外層に難燃性を有するUV硬化樹脂を使用した。そのため、比較例2と同様、難燃剤として外層に添加している金属水和物の紫外線に対する遮蔽効果の影響で、UV硬化樹脂の硬化速度が低下し、製造線速が著しく低下した。また、金属水和物の添加の影響で樹脂粘度が比較的高くなるため、断面厚さおよび断面積が比較的大きかった。そのため、断面積が大きい影響でPMD値が0.2ps/km1/2よりも大きくなったと考えられる。
また、今回の被覆の材料系では、光ファイバテープ心線の厚さT2に関して、T2<0.32mmで、PMD値が0.2ps/km1/2よりも小さくなり、T2<0.3mmで0.1ps/km1/2以下となった。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2に係る光ファイバケーブルについて説明する。図3は、本実施の形態3に係る光ファイバケーブルの模式的な断面図である。図3に示すように、光ファイバケーブル100は、中心に位置する抗張力体21と、抗張力体21の外周に形成され、外周表面に断面が直方体形状の5つの収容溝23が形成された外層22とを備えるスペーサ20と、各収容溝23に4本ずつ収容した光ファイバテープ心線10と、スペーサ20の外周に形成した押巻30と、押巻30の外周に形成したプラスチックシース40とを備える。
抗張力体21は、たとえば、鋼線、鋼撚線、または高張力繊維やガラス繊維を熱硬化性の樹脂で一体化したFRPロッドである。また、外層22は、たとえばポリエチレンからなるものである。また、押巻30は、たとえば不織布テープをスペーサ20の外周に巻いて形成される。また、プラスチックシース40は、たとえば黒色に着色されたポリエチレンからなる。
この光ファイバケーブル100は、難燃性を有し、断面積が小さく、かつPMD特性に優れた実施の形態1に係る光ファイバテープ心線10を用いているため、構内配線や機器内配線において、高密度実装かつ大容量伝送に適した光ファイバケーブルである。
なお、上記実施の形態および実施例の光ファイバテープ心線および光ファイバケーブルは、例示であって、本発明を限定するものではない、したがって、個々の光ファイバおよびこれに被覆を形成した光ファイバ心線の断面形状、材質、寸法、及び光ファイバテープ心線に内包する光ファイバ心線の本数、ならびに、光ファイバテープ心線の断面形状、寸法、さらにテープ被覆の内層、外層の樹脂組成等は、本発明の効果を奏する限り、その組み合わせは自由である。
また、上記実施の形態および実施例では、テープ被覆を内層または外層をUV硬化樹脂で構成しているが、本発明はこれに限らず、放射線硬化型樹脂、例えば電子線硬化型樹脂で構成してもよい。
1 コア部
2 クラッド部
3 光ファイバ
4 一次被覆層
5 二次被覆層
6 被覆
7 内層
8 外層
9 テープ被覆
10 光ファイバテープ心線
20 スペーサ
21 抗張力体
22 外層
23 収容溝
30 押巻
40 プラスチックシース
100 光ファイバケーブル

Claims (9)

  1. 光ファイバの外周に被覆を形成した光ファイバ心線を平行に並べて、テープ被覆によって一括被覆して形成した光ファイバテープ心線であって、
    前記テープ被覆は、難燃性を有する内層と、前記内層の外周に形成された非難燃性の紫外線硬化樹脂からなる外層とを備えることを特徴とする光ファイバテープ心線。
  2. 前記内層が紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバテープ心線。
  3. 前記内層が実質的にハロゲンを含まないことを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバテープ心線。
  4. 前記内層の酸素指数が23以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光ファイバテープ心線。
  5. 前記内層は、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィンオキシド類、難燃性窒素含有へテロ環状エチレン性不飽和化合物、リン含有アクリレート、メタクリレート官能性オリゴマー及びこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの難燃性物質、及び、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属酸化物及びこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの難燃性物質を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光ファイバテープ心線。
  6. 前記内層は、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィンオキシド類、難燃性窒素含有へテロ環状エチレン性不飽和化合物、リン含有アクリレート、メタクリレート官能性オリゴマー及びこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの難燃性物質、又は、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属酸化物及びこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの難燃性物質を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光ファイバテープ心線。
  7. PMD値が0.2ps/km1/2以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の光ファイバテープ心線。
  8. 厚さをT2とすると、T2<0.32mmであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の光ファイバテープ心線。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の光ファイバテープ心線を備えることを特徴とする光ファイバケーブル。
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