JP2014057955A - 高圧酸浸出工程におけるオートクレーブへの原料スラリーと硫酸の添加方法及びオートクレーブ - Google Patents

高圧酸浸出工程におけるオートクレーブへの原料スラリーと硫酸の添加方法及びオートクレーブ Download PDF

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Abstract

【課題】高圧酸浸出工程において、原料スラリーと硫酸の混合を促進し、排出後のフリー硫酸濃度の管理値を低減させる。
【解決手段】加熱、加圧された原料スラリー及び硫酸を、隔壁10A他で複数に区画されたオートクレーブ内の各区画室20A他に備えられた撹拌機30A他で撹拌して浸出を進行させ、上流側から下流側の区画室にスラリーを移送し、浸出させる高圧酸浸出工程オートクレーブ100において、上流端区画室20Aに備えられた撹拌機30Aの撹拌翼31Aの周囲に、交互に配された原料スラリー吐出口41A,42Aを有するスラリー供給管41,42と、硫酸吐出口51A,52Aを有する硫酸供給管51,52を交互に配し、上記撹拌翼31Aの最上部より高く、内容物液面Lより低い位置に位置させた上記原料スラリー吐出口41,42及び硫酸吐出口51A,52Aから、ニッケル酸化鉱石の原料スラリーと硫酸が上記上流端の区画室に添加される。
【選択図】図1

Description

本発明は、原料スラリーをオートクレーブ(高圧反応容器)により高温高圧下において浸出し、浸出後のスラリーをフラッシュベッセル(降温降圧容器)で常温常圧まで降温降圧する高圧酸浸出工程におけるオートクレーブへの原料スラリーと硫酸の添加方法及びオートクレーブに関する。
近年、高温高圧下において有効な耐食性を有する材料が開発されたことにより、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法として、硫酸を用いた高温加圧酸浸出法(HPAL:High Pressure Acid Leach)が注目されている。この方法は、従来の一般的なニッケル酸化鉱の製錬方法である乾式製錬法と異なり、還元及び乾燥工程等の乾式工程を含まず、一貫した湿式工程からなるので、エネルギー的及びコスト的に有利であるという利点を有している。すなわち、上記高圧酸浸出法では、浸出工程において、加圧浸出反応器内の浸出液の酸化還元電位及び温度を制御することにより、主要不純物である鉄をヘマタイト(Fe)の形で浸出残渣に固定することにより、鉄に対し選択的にニッケル及びコバルトを浸出することができるので、非常に大きなメリットがある。
例えば、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法として、オートクレーブを利用した高圧酸浸出法が採用されている。
ニッケル・コバルト混合硫化物を得るための高圧酸浸出法では、例えば、図19に示すように、前処理工程(1)と、高圧酸浸出工程(2)と、固液分離工程(3)と、中和工程(4)と、脱亜鉛工程(5)と、硫化工程(6)と、無害化工程(7)とを含む(例えば、特許文献1を参照)。
前処理工程(1)では、粉砕設備及び篩別設備を用いて、ニッケル酸化鉱石を解砕分級して、2mm以下の鉱石を含む所定のスラリー濃度の原料スラリーが調製される。原料スラリーは、次の高圧酸浸出工程(2)に供給される。
高圧酸浸出工程(2)では、前処理工程(1)で得られた原料スラリーがプレヒーター(昇温昇圧設備)で段階的に昇温及び昇圧された後、オートクレーブに供給され、オートクレーブにおいて、同様に昇温及び昇圧された硫酸を原料スラリーに添加し、220〜280℃で撹拌して有価金属を高温加圧酸浸出し、得られる浸出スラリーをフラッシュベッセルで常温常圧まで降温降圧する。
固液分離工程(3)では、浸出工程(2)で得られた有価金属の浸出スラリーを固液分離して、有価金属としてニッケル及びコバルトを含む浸出液(粗硫酸ニッケル水溶液)と浸出残渣とを得る。
中和工程(4)では、固液分離工程(3)で得られた浸出液を中和する。
脱亜鉛工程(5)では、中和工程(4)で中和した浸出液に硫化水素ガスを添加して亜鉛を硫化亜鉛として沈殿除去する。
硫化工程(6)では、脱亜鉛工程(5)で得られた脱亜鉛終液に硫化水素ガスを添加してニッケル・コバルト複合硫化物とニッケル貧液を得る。
無害化工程(7)では、固液分離工程(3)で発生した浸出残渣と、硫化工程(6)で発生したニッケル貧液とを無害化する。
ここで、高圧酸浸出工程(2)におけるオートクレーブでは、原料スラリー及び硫酸を、加熱、加圧された原料スラリー及び硫酸を、隔壁で複数に区画されたオートクレーブ内の第一区画室に供給し、第一区画室に備えられた撹拌機によって撹拌しながら浸出を進行させ、オーバーフローなどにより第二区画室以降にスラリーを移送し、順次、同様の方法でさらに浸出を進行させる。
ところで、上記原料スラリー及び硫酸をオートクレーブに供給する際には、耐圧性と耐食性を有した高価な配管が必要であり、また、操作用のバルブも多数備えており、コスト低減の観点から、また、良好な操作性を確保するため、最短で単純な配置が一般的に採用されている。
例えば、従来のオートクレーブ内の第一区画室の構造をその横断面、縦断面、側断面として図20の(A)、(B)、(C)に模式的に示すように、オートクレーブ200の第一区画室210には、撹拌機230の撹拌翼231が中央に設置され、図20の(A)の横断面で見たときにオートクレーブ本体の最も両サイドに近い位置に原料スラリー添加用配管241、242と硫酸添加用配管251、252が配設されている。
このように、オートクレーブ本体の最も両サイドに近い位置を添加位置とすることにより、その位置に至るまでの配管を短くすることができ、それぞれの配管が交差する、或いは重なることが無いので、作業員が認識容易であり、良好な操作性を確保することができる。
しかしながら、多数の区画を有しているとはいえ、オートクレーブ内での浸出率は100%というわけではなく、少しでも効果的な操業を行なうために、原料スラリー中に含まれる有価金属に見合う量に比べて過剰な硫酸をオートクレーブ内に装入している。この過剰分の硫酸量は、操業上の所定の浸出率(通常90〜95%)に維持するために、フリー硫酸(前記の浸出液中に残留する未反応の硫酸)の量で管理しており、通常、この値は50〜55g/L程度である。
また、固液分離工程(3)で得られる浸出液は、次の中和工程(4)で中和されるため、フリー硫酸は浸出に寄与することなく中和されてしまうので、勿体ない。また、中和のための中和剤のコストも必要となるため、フリー硫酸量は少しでも減少させたいという問題点があるが、現状は、所定の浸出率を維持するために上記のフリー硫酸量にせざるを得ない状況である。
例えば、オートクレーブ内で第一区画室において、下流側区画室の何れに入っている反応性スラリーの容量よりも50乃至200%大きい容量の反応性スラリーを維持するなどの工夫で外部加熱または冷却をせずに最適温度条件を維持する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、常圧浸出の段階と加圧浸出の段階を含む、連続する2以上の浸出段階の複合的な実施により、硫酸を再生し、添加硫酸量の相当量を削減する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、上記特許文献2の開示技術は硫化物原料を対象としており、また、特許文献3の開示技術は常圧浸出の工程を必要とするため、上記の問題点には適用することができない。
特開2005−350766号公報 特公平07−084623号公報 特表2009−515044号公報
本発明の目的は、上述の如き従来の問題点に鑑み、高圧酸浸出工程において、原料スラリーと硫酸の混合を促進し、排出後のフリー硫酸濃度の管理値を低減させることが可能なオートクレーブへの原料スラリーと硫酸の添加方法及びオートクレーブを提供することにある。
本発明の他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
本発明者らは、上記目的を達成するために、ニッケル酸化鉱の高圧酸浸出に使用されるオートクレーブにおいて、配管のコストや操作性のみにこだわることなく、ニッケル酸化鉱の高圧酸浸出に使用されるオートクレーブ内での原料スラリーと硫酸の混合状態を検討することで、特定の、有効な添加位置を見出し、本発明を完成した。
すなわち、原料スラリーと硫酸を添加する位置を規定することにより、オートクレーブ終液の管理値であるフリー硫酸量を低減しても、従前と同様の浸出率を維持できるようにした。
本発明は、加熱、加圧された原料スラリー及び硫酸を、隔壁で複数に区画されたオートクレーブ内の各区画室に備えられた撹拌機によって撹拌することにより浸出を進行させ、上流側の区画室から下流側の区画室にスラリーを移送し、順次、浸出を進行させる高圧酸浸出工程におけるオートクレーブへの原料スラリーと硫酸の添加方法であって、上記オートクレーブの上流端の区画室に備えられた撹拌機の撹拌翼の周囲に交互に配された原料スラリー吐出口を有する原料スラリー供給管と、硫酸吐出口を有する硫酸供給管を介して、上記撹拌翼の最上部より高く、内容物液面より低い位置に位置させた上記原料スラリー吐出口及び硫酸吐出口から、ニッケル酸化鉱石を解砕分級して調製された2mm以下の鉱石を含む所定のスラリー濃度の原料スラリーと硫酸を上記上流端の区画室に添加し、添加された上記原料スラリーと硫酸を220〜280℃で撹拌して有価金属を高温加圧酸浸出することを特徴とする。
また、本発明は、加熱、加圧された原料スラリー及び硫酸を、隔壁で複数に区画されたオートクレーブ内の各区画室に備えられた撹拌機によって撹拌することにより浸出を進行させ、上流側の区画室から下流側の区画室にスラリーを移送し、順次、浸出を進行させる高圧酸浸出工程におけるオートクレーブであって、上流端の区画室に備えられた撹拌機の撹拌翼の周囲に、原料スラリー吐出口を有する原料スラリー供給管と、硫酸吐出口を有する硫酸供給管を交互に配し、上記撹拌翼の最上部より高く、内容物液面より低い位置に上記原料スラリー吐出口及び硫酸吐出口を位置させてなり、上記原料スラリー供給管と硫酸供給管を介して、上記上流端の区画室に備えられた撹拌機の撹拌翼の最上部より高く、内容物液面より低い位置に、上記撹拌翼の周囲に交互に位置させた上記原料スラリー吐出口及び硫酸吐出口から、ニッケル酸化鉱石を解砕分級して調製された2mm以下の鉱石を含む所定のスラリー濃度の原料スラリーと硫酸が上記上流端の区画室に添加され、添加された上記原料スラリーと硫酸を220〜280℃で撹拌して有価金属を高温加圧酸浸出することを特徴とする。
本発明において、上記原料スラリー吐出口及び硫酸吐出口は、その平面位置において、上記撹拌翼の端部が形成する円の任意の直径Dを高さとする正三角形の底辺の長さ方向であって上記撹拌翼の回転方向の下流側に上記底辺の中点が位置するよう0Dから0.5Dの距離だけ移動させた上記正三角形の底辺の両端の頂点位置をそれぞれ中心にして0.25Dの距離の範囲内に原料スラリー吐出口が位置され、上記底辺の中点位置と上記正三角形の残りの頂点位置をそれぞれ中心にして上記直径の0.25Dの距離の範囲内に硫酸吐出口が位置されて、上記原料スラリー吐出口及び硫酸吐出口から上記上流端の区画室に原料スラリーと硫酸を添加するものとすることができる。
上記正三角形の底辺の長さ方向は、例えば、オートクレーブの側壁と平行であるものとすることができる。
本発明に依れば、高圧酸浸出工程において、原料スラリーと硫酸の混合を促進し、排出後のフリー硫酸濃度の管理値を低減させることが可能なオートクレーブへの原料スラリーと硫酸の添加方法及びオートクレーブを提供することができる。
本発明を適用したオートクレーブの要部構成例を示す図であり、(A)はオートクレーブを水平に切断して内部構造を模式的に示す平面図、(B)はオートクレーブを垂直に切断して内部構造を模式的に示す側面図、(C)はオートクレーブを垂直に切断して内部構造を模式的に示す正面図である。 上記オートクレーブにおける原料スラリー吐出口及び硫酸吐出口の位置の決定手順を模式的に示す図である。 改善前の従来オートクレーブについての撹拌シミュレーション結果を示す模式図(参考図としてカラー図面を提出する。)である。 本発明を適用したオートクレーブについての撹拌シミュレーション結果を示す模式図(参考図としてカラー図面を提出する。)である。 スラリー供給管の配置のシミュレーションモデルを示す図であり、(A)は2本のスラリー供給管を側壁に沿って配置したモデルAの平面図、(B)は2本のスラリー供給管を側壁に直交する方向に沿って配置したモデルBの平面図である。 上記オートクレーブにおける撹拌翼の回転力のみによって作られる流れについて、流れを可視化した流線で示すシミュレーションを行った結果を示す図(参考図としてカラー図面を提出する。)であり、(A)は上流端の区画室内における流れを斜め上方から見た状態を示し、(B)は真上から見た状態を示している。 スラリー供給管を設けたオートクレーブにおける流れについて、流れを可視化した流線で示すシミュレーションを行った結果を示す模式図(参考図としてカラー図面を提出する。)であり、(A)は上流端の区画室内における流れを斜め上方から見た状態を示し、(B)は真上から見た状態を示している。 上記モデルAについて、上流端の区画室内におけるスラリーの流れを可視化した流線で示すシミュレーションを行った結果を示す模式図(参考図としてカラー図面を提出する。)であり、(A)は隔壁側のスラリー供給管からスラリーを流した状態を示し、(B)が半球側のスラリー供給管からスラリーを流した状態を示している。 上記モデルBについて、上流端の区画室内におけるスラリーの流れを可視化した流線で示すシミュレーションを行った結果を示す模式図(参考図としてカラー図面を提出する。)である。 上記モデルA,Bにおけるスラリーの滞留時間分布曲線を示す図であり、(A)は上記モデルAにおけるスラリーの滞留時間分布曲線を算出した結果を示し、(B)は上記モデルBにおけるスラリーの滞留時間分布曲線を算出した結果を示している。 上記モデルA,Bにおける硫酸の滞留時間分布曲線を示す図であり、(A)は上記モデルAにおける硫酸の滞留時間分布曲線を算出した結果を示し、(B)は上記モデルBにおける硫酸の滞留時間分布曲線を算出した結果を示している。 上記モデルA,Bについて、上流端の区画室内における流れを可視化した流線で示すシミュレーションを行い、隔壁付近におけるスラリーの滞留時間を比較した結果を示す図(参考図としてカラー図面を提出する。)であり、(A)は上記モデルAの隔壁付近におけるスラリーの滞留時間を示し、(B)は上記モデルBの隔壁付近におけるスラリーの滞留時間を示している。 硫酸供給管が設置されている断面での流れをシミュレーションした結果として得られたベクトル図である。 上記モデルA,Bについて、隔壁付近の流線に硫酸濃度で着色して比較するシミュレーションを行った結果を示す図(参考図としてカラー図面を提出する。)であり、(A)は上記モデルAにおける隔壁付近の硫酸濃度を示し、(B)は上記モデルBにおける隔壁付近の硫酸濃度を示している。 長尺の硫酸供給管を備えるモデルCと短尺の硫酸供給管を備えるモデルDにおける硫酸の流れを撹拌翼の回転数が60.5rpmの場合についてシミュレーションした結果を示す図(参考図としてカラー図面を提出する。)であり、(A)はモデルCにおける硫酸の流れを示し、(B)はモデルDにおける硫酸の流れを示している。 短尺の硫酸供給管よりも若干長くした硫酸供給管を備えるモデルEにおける硫酸の流れを示す撹拌翼の回転数が60.5rpmの場合についてシミュレーションした結果を示す図(参考図としてカラー図面を提出する。)である。 硫酸供給管の長さによるバッフル・撹拌翼の温度コンターを示す図(参考図としてカラー図面を提出する。)であり、(A)はモデルCにおける撹拌翼の回転数が42.4rpmの場合のバッフル及び撹拌翼の温度コンターを示し、(B)はモデルDにおける撹拌翼31Aの回転数が42.4rpmの場合のバッフル及び撹拌翼の温度コンターを示している。 短尺の硫酸供給管よりも若干長くした硫酸供給管を備えるモデルEにおける撹拌翼の回転数が60.5rpmの場合のバッフル及び撹拌翼の温度コンターを示す図(参考図としてカラー図面を提出する。)である。 ニッケル酸化鉱石の高圧酸浸出法によるニッケル及びコバルトの浸出手順を示す工程図である。 一般的なオートクレーブの概略構造を示す図であり、(A)は、オートクレーブを水平に切断して内部構造を模式的に示す平面図、(B)は、オートクレーブを垂直に切断して内部構造を模式的に示す側面図、(C)は、オートクレーブを垂直に切断して内部構造を模式的に示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<オートクレーブの構成>
本発明は、例えば図1の(A)、(B)、(C)に示すような構造のオートクレーブ100により実施される。
図1は、オートクレーブ100の要部構成を示す図であり、(A)は、オートクレーブ100を水平に切断して内部構造を模式的に示す平面図、(B)は、オートクレーブ100を垂直に切断して内部構造を模式的に示す側面図、(C)は、オートクレーブ100を垂直に切断して内部構造を模式的に示す正面図である。
このオートクレーブ100は、加熱、加圧された原料スラリー及び硫酸を撹拌して有価金属を高温加圧酸浸出する高圧酸浸出工程におけるオートクレーブであって、オートクレーブ内に隔壁10A,10B・・・で区画された複数の区画室20A,20B・・・を備え、各区画室20A,20B・・・に撹拌機30A,30B・・・が設置されている。そして、このオートクレーブ100では、上記隔壁10A,10B・・・で複数に区画された各区画室20A,20B・・・に備えられた撹拌機30A,30B・・・によって撹拌することにより浸出を進行させ、上流側の区画室から下流側の区画室にスラリーを移送し、順次、浸出を進行させる。
ここで、上流端の区画室20Aは、半球と円筒を結合した形状を有し、中間に区画室20Bは円筒形状となっている。
このオートクレーブ100には、上流端の区画室20Aに備えられた撹拌機30Aの撹拌翼31Aの周囲に、それぞれ原料スラリー吐出口41A,42Aを有する2本の原料スラリー供給管41,42と、それぞれ硫酸吐出口51A,52Aを有する2本の硫酸供給管51,52が交互に配設されている。そして、上記原料スラリー吐出口41A,42A及び硫酸吐出口51A,52Aは、上記撹拌翼31Aの最上部より高く、内容物液面Lより低い位置にある。
なお、各配管はオートクレーブ100の上方から、内部に挿入されており、図示しない(任意の位置に)蒸気配管を(温度を維持するため)有している。また、このオートクレーブ100において、上流端の区画室20Aに備えられた撹拌機30Aの撹拌翼31Aは時計回りに回転し、下降流を形成する。
ここで、このオートクレーブ100では、上記原料スラリー吐出口41A,42A及び硫酸吐出口51A,52Aの位置を、例えば図2の(A)、(B)、(C)、(D)に示
すように決定している。
すなわち、上記原料スラリー吐出口41A,42A及び硫酸吐出口51A,52Aの高さ位置での平面位置において、図2の(A)に示すように上記撹拌翼31Aの端部が形成する円の任意の直径Dを高さとする正三角形Tを、図2の(B)に示すように、その底辺の長さ方向であって上記撹拌翼31Aの回転方向の下流側に上記底辺の中点が位置するよう0〜0.5Dの距離だけ移動させた上記正三角形Tの各頂点位置P1,P2,P3及び上記底辺の中点位置P4を決定する。上記原料スラリー吐出口41A,42Aは、図2の(C)に示すように、上記底辺の両端の頂点位置P1,P2をそれぞれ中心にして0.25Dの距離の範囲S1,S2内に位置させる。そして、上記硫酸吐出口51A,52Aは、図2の(D)に示すように、上記正三角形Tの残りの頂点位置P3と上記底辺の中点位置P4をそれぞれ中心にして0.25Dの距離の範囲S3,S4内に位置させている。
また、上記原料スラリー吐出口41A,42A及び硫酸吐出口51A,52Aは、上記撹拌翼31Aの最上部より高く、内容物液面Lより低い位置に位置させている。
そして、このオートクレーブ100では、上流端の区画室20Aに備えられた撹拌機31の撹拌翼31Aの周囲に交互に配されたそれぞれ原料スラリー吐出口41A,42Aを有する2本の原料スラリー供給管41,42と、それぞれ硫酸吐出口51A,52Aを有する2本の硫酸供給管51,52を介して、上記上流端の区画室20Aに原料スラリーと硫酸が添加される。
このような構成のオートクレーブ100について、撹拌シミュレーションを行った。その結果、改善前の従来オートクレーブでは、図3に示すようにスラリー高濃度部分a1,a2と硫酸高濃度部分b1,b2は広範囲に亘って存在しており、拡散不良の状態であったのに対して、本発明を適用したオートクレーブ100では、そのシミュレーション結果を図4(参考図としてカラー図面を提出する。)に示すように、スラリー高濃度部分a1,a2と硫酸高濃度部分b1,b2は少なく、効果的に拡散していることが分かる。
<原料スラリー供給管、硫酸供給管の設置位置の検討>
ここで、上述したオートクレーブ100における原料スラリー吐出口41A,42Aを有する原料スラリー供給管41,42と、硫酸吐出口51A,52Aを有する硫酸供給管51,52の設置位置は、安定したオートクレーブ操業を行うために、
(1) 良好な混合性を維持する。
(2) 反応槽での浸出反応のために一定の滞留時間を確保する。
(3) 酸により設備ダメージを回避する。
という3つの条件を満たすように、次のようなシミュレーションに基づいて決定される。
以下具体的に説明する。
(原料スラリー供給管の設置位置について)
上述の如き構造のオートクレーブ100において、浸出反応が十分に進むためには、半球と円筒を結合した形状の上流端の区画室20Aで、良好な混合性を維持し、且つ、一定の滞留時間が必要となる。また、硫酸や蒸気に比べスラリーは流量が多いので、オートクレーブ100内の流れの傾向を決定するのは、撹拌翼31Aの回転力によるスラリーの流れが持つ運動エネルギーである。
そこで、先ず、良好な混合性を維持するために、図5の(A)に示すように側壁に沿ってスラリー供給管41,42を2本配置したモデルAと、図5の(B)に示すように側壁に直交する方向に沿ってスラリー供給管43,44を2本配置したモデルBについて、シミュレーションによりオートクレーブ100における上流端の区画室20A内の流れを解析した。
先ず、図6の(A)、(B)(参考図としてカラー図面を提出する。)に、スラリー供給管をすべて無くして、撹拌翼の回転力のみによって作られる流れについて、区画室20Aにおける流れを可視化した流線で示すシミュレーションの結果を示す。この図6に示されるように、縦回転の軸流F1,F2が2つできており、下降流が形成する面Sは撹拌翼31Aの回転軸より、若干半球寄りに位置している。
このようなモデルにスラリー供給管を追加して、区画室20Aにおける流れを可視化した流線で示すシミュレーションを行った。その結果、図7の(A)、(B)(参考図としてカラー図面を提出する。)に示す。図7に示されるように、パイプが持つバッフル的な効果により、下降流が形成する面Sは撹拌翼31Aの回転軸を含む面の付近に移動することが分かる。
したがって、このことから、半球側と隔壁側にできる大きな2つの軸流F1,F2を安定させる必要がある。
なお、上記図6の(A)、(B)及び図7の(A)、(B)は、それぞれ上流端の区画室内20Aにおける流れを斜め上方から見た状態(A)と真上から見た状態(B)を示している。また、スラリーの流れは、スラリー供給管が配置される位置でその傾向は概ね決まっている。
次に、上述の図5の(A)に示したモデルAについて、区画室20Aにおけるスラリーの流れを可視化した流線で示すシミュレーションを行った。その結果を、図8の(A)、(B)(参考図としてカラー図面を提出する。)に示す。
図8の(A)に示されるように、モデルAの場合、隔壁10A側のスラリー供給管41からスラリーを流すと、撹拌翼31Aとバッフルの間をすり抜けて、半球部のバッフル62付近に向かう大きな流れが発生する。また、図8の(B)に示されるように、半球側のスラリー供給管42は、半球部分内での回転流を作る。このスラリー供給管42から流したスラリーは、半球部で滞留しているようにも見え、その周囲には、上述の図6の(A)、(B)に示したように強い軸流F2が存在しているので、スラリー供給管42の位置調整により安定したスラリーの流れを得ることができる。
これに対して、上述の図5の(B)に示したモデルBについて、区画室20Aにおける流れを可視化した流線で示すシミュレーションを行った結果を図9(参考図としてカラー図面を提出する。)に示す。図9に示されるように、上記スラリー供給管41,42が設けられた側壁と反対側に介されたスラリー供給管44は、隔壁10A側に向かうスラリーの流れを作る。このスラリー供給管44から流したスラリーは、隔壁10Aに接近し、直接ぶつかるような流れとなるので、スラリーのショートパスにつながる。したがって、モデルBのようにスラリー供給管44を配置することは好ましくない。
次に、上述の如き構造のオートクレーブ100において、浸出反応が十分に進むため必要な上流端の区画室20Aにおける滞留時間について、次のようにしてシミュレーションした。
すなわち、上述の図5の(A),(B)に示したモデルA,Bについて、一定時間(ここでは1秒)着色した流体を流し、タンク出口に到達した流体の濃度をプロットすることで得られる滞留時間分布曲線を算出した。この算出結果を、図10の(A),(B)及び図11の(A),(B)に示す。
なお、図10の(A)は、モデルAにおけるスラリーの入口から出口までの滞留時間分布を示している。この図10の(A)において、分布曲線AP1は、完全混合モデルが予想するスラリーの滞留時間分布の論理値を示し、分布曲線AB1は、硫酸供給管が短い場合のスラリーの滞留時間分布を示し、分布曲線AG1は、硫酸供給管が長い場合のスラリーの滞留時間分布を示している。また、図10の(B)は、モデルBにおけるスラリーの入口から出口までの滞留時間分布を分布曲線BB1にて示している。なお、分布曲線BP1は、完全混合モデルが予想する滞留時間分布の論理値を示している。
また、図11の(A)は、モデルAにおける硫酸の入口から出口までの滞留時間分布を示している。この図11の(A)において、分布曲線AP2は、完全混合モデルが予想する硫酸の滞留時間分布の論理値を示し、分布曲線AB2は、硫酸供給管が短い場合の硫酸の滞留時間分布を示し、分布曲線AG2は、硫酸供給管が長い場合の硫酸の滞留時間分布を示している。また、図11の(B)は、モデルBにおける硫酸の入口から出口までの滞留時間分布を分布曲線BB2にて示している。なお、分布曲線BP2は、完全混合モデルが予想する滞留時間分布の論理値を示している。
図10の(A),(B)及び図11の(A),(B)に示されるように、分布曲線AP1,BP1,AP2,BP2にて示す完全混合モデルが予想する滞留時間分布の論理値に比べて、モデルBでは、早い時間帯(10〜30秒)に、スラリー、硫酸ともに高い濃度が観測される。これに対して、モデルAでは、早い時間帯に上記論理値よりも高い濃度が観測されることはなかった。
また、モデルA,Bについて、区画室20Aにおける流れを可視化した流線で示すシミュレーションを行い、スラリーの流れの経過時間に応じて流線に着色し、隔壁付近におけるスラリーの滞留時間を比較した。その結果を、図12の(A),(B)(参考図としてカラー図面を提出する。)に示す。
なお、図12の(A)は、モデルAの隔壁10A付近におけるスラリーの滞留時間を示している。また、図12の(B)は、モデルBの隔壁10A付近におけるスラリーの滞留時間を示している。また、図12の(A),(B)において、赤は15秒以下の滞留時間を示し、青は30秒以上の滞留時間を示している。
図12の(A),(B)に示されるように、図12の(B)は、図12の(A)よりも赤い部分が多く、モデルBでは、15秒以下で隔壁10A部分に接近するスラリーが比較的に多いことが分かる。
このシミュレーション結果からしても、直接隔壁付近にスラリーが流れる可能性のあるモデルBにおけるスラリー供給管44の配置は好ましくないことが分かる。
また、図13に、硫酸供給管51が設置されている断面での流れをシミュレーションした結果として得られたベクトル図を示す。
図13のベクトル図に示されるように、開口部付近の領域AR1に小さな渦が交錯しているのに対して、開口部の上部の領域AR2には、隔壁10A方向に向かう安定した流れが見られることが分かる。
(硫酸供給管の設置位置について)
次に、硫酸供給管の設置位置について検討する。この検討にあたっては、硫酸供給管から供給される硫酸による隔壁10Aへのダメージの可能性の観点から、上述のモデルA,Bについて、隔壁10A付近の流線に硫酸濃度で着色して比較するシミュレーションを行った。
そのシミュレーション結果を、図14の(A),(B)(参考図としてカラー図面を提出する。)に示す。なお、図14の(A)は、上記モデルAにおける隔壁10A付近の硫酸濃度を示している。また、図14の(B)は、上記モデルBにおける隔壁10A付近の硫酸濃度を示している。
図14の(A),(B)に示されるように、濃度差は僅かではあるが、このシミュレーションの結果から、硫酸供給管の設置位置に関しては、モデルAがモデルBよりも優位であることが判明した。
そこで、上記オートクレーブ100では、上記原料スラリー吐出口41A,42Aを上記モデルBの配置とし、硫酸吐出口51A,52AをモデルAの配置として、上記区画室20Aに備えられた撹拌機の撹拌翼31Aの周囲に交互に配することにより、原料スラリーと硫酸が、撹拌翼31Aに向かって交互に引き込まれるようにして、出会いの可能性を高め、従来よりも混合が効率的に進むようにしている。
(硫酸供給管の長さについて)
次に、硫酸供給管の長さについて検討する。先ず、長尺の硫酸供給管51L、52Lを備えるモデルCと、短尺の硫酸供給管51S、52Sを備えるモデルDにおける硫酸の流れを、撹拌翼31Aの回転数が60.5rpmの場合についてシミュレーションした。その結果を、図15の(A),(B)(参考図としてカラー図面を提出する。)に示す。
図15の(A)に示されるように、硫酸供給管51L、52Lが長いモデルCでは、硫酸は硫酸供給管51L、52Lの出口付近で渦巻き状に停留し、図15の(B)に示されるように、硫酸供給管51S、52Sが短いモデルDでは、隔壁10A方向に滑らかに流れることが判明した。
そして、短尺の硫酸供給管51S、52Sよりも若干長くした硫酸供給管51、52を備えるモデルEにおける硫酸の流れを図16(参考図としてカラー図面を提出する。)に示すように、スラリーの安定した下降流の位置に硫酸供給管51、52の硫酸吐出口51A,52Aを配置することにより、硫酸の流れを改善することができることが判明した。
また、従来より撹拌翼31Aの回転に伴う硫酸の流れの揺らぎによって、バッフルやタンク壁に硫酸の流れが接近するような動きあることが確認されているので、硫酸の流れ揺らぎの影響について検証した。ただし、流れの揺らぎを再現するのに必要な非定常解析には、非常に長い時間を要するので、その近似計算として、定常計算で該当部分の温度上昇を観測した。
通常の運転状態では問題は無かったが、流量条件や運転条件の変動に対する安定性を調査したところ、撹拌翼31Aの回転数が少ないときに、短尺の硫酸供給管51S、52Sを備えるモデルDでバッフル温度が上昇する減少が見られた。
ここで、硫酸供給管51,52の長さによるバッフル・撹拌翼31Aの温度コンターを図17の(A)、(B)及び図18(参考図としてカラー図面を提出する。)に示す。なお、図17の(A)は、長尺の硫酸供給管51L、52Lを備えるモデルCにおける撹拌翼31Aの回転数が42.4rpmの場合のバッフル61〜63及び撹拌翼31Aの温度コンターを示している。また、図17の(B)は、短尺の硫酸供給管51S、52Sを備えるモデルDにおける撹拌翼31Aの回転数が42.4rpmの場合のバッフル61〜63及び撹拌翼31Aの温度コンターを示している。
図17の(A)、(B)に示されるように、上述の硫酸供給管51S、52Sが短いモデルDでは、撹拌翼31Aの回転数が60.5rpmの場合でも、硫酸の一部が上部撹拌翼に直接吸い込まれ、半球部のバッフルに若干の温度上昇が見える。そのため、上部撹拌翼の上面付近に硫酸の供給口が位置するように硫酸供給管51,52を短尺の硫酸供給管51S、52Sよりも若干長くしたモデルEについて、撹拌翼の回転数が60.5rpmでの半球部のバッフル温度を確認した。その結果、図18に示すような結果が得られた。すなわち、図15の(B)に示した硫酸供給管51S,52Sが短いモデルと比較して、半球部のバッフルの温度上昇は少なくなっており、また硫酸が上部撹拌翼に直接吸い込まれないことが判明した。
そこで、上記オートクレーブ100では、上述の如く上流端の区画室20Aに備えられた撹拌機31の撹拌翼31Aの周囲に交互に配されたそれぞれ原料スラリー吐出口41A,42Aを有する2本の原料スラリー供給管41,42と、それぞれ硫酸吐出口51A,52Aを有する2本の硫酸供給管51,52を介して、上記撹拌翼31Aの最上部より高く、内容物液面Lより低い位置に位置させた上記原料スラリー吐出口41A,42A及び硫酸吐出口51A,52Aから上記上流端の区画室20Aに原料スラリーと硫酸を添加するようにしている。
このように、上記原料スラリー吐出口41A,42A及び硫酸吐出口51A,52Aから上記上流端の区画室20Aに原料スラリーと硫酸が添加されるオートクレーブ100においては、特に、ニッケル酸化鉱処理の場合は原料スラリーの固形分、粘度、オートクレーブの温度などの条件が重なって、原料スラリーと硫酸は、撹拌翼31Aに向かって交互に引き込まれ、出会いの可能性が高くなる。そのため、従来よりも混合が効率的に進み、浸出率が向上する。また、高濃度硫酸の壁面への接触を防止して、高濃度硫酸の接触による壁面の損傷を少なくすることができる。
従来、浸出液のフリー硫酸濃度を50〜55g/Lとしなければ、所定の浸出率である90〜95%を維持できなかったのに対し、このような構成のオートクレーブ100では、浸出液のフリー硫酸濃度を45〜50g/Lに管理しても、所定の浸出率を維持することができる。
ここで、上記原料スラリー吐出口41A,42A及び硫酸吐出口51A,52Aの位置は、特にオートクレーブ100との位置関係は限定されず、上流端の区画室20Aに備えられた撹拌機30Aの撹拌翼31Aの中心を基準に回転させれば、任意の位置を選択することができる。
なお、上記原料スラリー吐出口41A,42A及び上記硫酸吐出口51A,52Aは、上記規定した範囲S1,S2,S3,S4を外れて位置すると、交互に引き込まれることは変わらないが、互いの濃厚流が近づきすぎ、または離れすぎることになり、上記の混合の効率が悪化するので好ましくない。
また、このオートクレーブ100では、上記正三角形Tの底辺の方向を当該オートクレーブ100の側壁と平行にしてある。これにより、原料スラリー吐出口41A,42Aがオートクレーブの側壁と平行な位置になるので、配管が比較的短くて済み、さらに、配管敷設の際に交差したり重なったりする程度が最も小さいので操業上も簡易であるため好ましい。
(実施例1)
オートクレーブ内の圧力が5.5MPaG、温度が250℃、鉱石中Ni品位が1.0〜1.4%、オートクレーブへのスラリー流入量が300〜700m/時間程度の操業を行った。この際、本発明を適用して、鉱石スラリーおよび硫酸を供給した。
その結果、ニッケルの浸出率は92.5%であった。また、この際、浸出液のフリー硫酸の濃度は、45〜50g/Lで管理して操業することが可能であった。
(比較例1)
本発明を適用せず、図20に示した従来のオートクレーブにおける従来方法で、鉱石スラリー及び硫酸を供給したこと以外は、実施例1と同様に操業した。
その結果、ニッケルの浸出率は92.0%であった。しかしながら、浸出液のフリー硫酸の濃度は、50〜55g/Lで管理しなければ、上記浸出率の維持は不可能だった。
10A,10B・・・ 隔壁、20A,20B・・・ 区画室、30A,30B・・・撹拌機、31A 撹拌翼、41,42 原料スラリー供給管、41A,42A 原料スラリー吐出口、51,52 硫酸供給管、51A,52A 硫酸吐出口、100オートクレーブ

Claims (6)

  1. 加熱、加圧された原料スラリー及び硫酸を、隔壁で複数に区画されたオートクレーブ内の各区画室に備えられた撹拌機によって撹拌することにより浸出を進行させ、上流側の区画室から下流側の区画室にスラリーを移送し、順次、浸出を進行させる高圧酸浸出工程におけるオートクレーブへの原料スラリーと硫酸の添加方法であって、
    上記オートクレーブの上流端の区画室に備えられた撹拌機の撹拌翼の周囲に交互に配された原料スラリー吐出口を有する原料スラリー供給管と、硫酸吐出口を有する硫酸供給管を介して、上記撹拌翼の最上部より高く、内容物液面より低い位置に位置させた上記原料スラリー吐出口及び硫酸吐出口から、ニッケル酸化鉱石を解砕分級して調製された2mm以下の鉱石を含む所定のスラリー濃度の原料スラリーと硫酸を上記上流端の区画室に添加し、添加された上記原料スラリーと硫酸を220〜280℃で撹拌して有価金属を高温加圧酸浸出することを特徴とするオートクレーブへの原料スラリーと硫酸の添加方法。
  2. 上記原料スラリー吐出口及び硫酸吐出口は、その平面位置において、上記撹拌翼の端部が形成する円の任意の直径Dを高さとする正三角形の底辺の長さ方向であって上記撹拌翼の回転方向の下流側に上記底辺の中点が位置するよう0Dから0.5Dの距離だけ移動させた上記正三角形の底辺の両端の頂点位置をそれぞれ中心にして0.25Dの距離の範囲内に原料スラリー吐出口が位置され、上記底辺の中点位置と上記正三角形の残りの頂点位置をそれぞれ中心にして上記直径の0.25Dの距離の範囲内に硫酸吐出口が位置されて、上記原料スラリー吐出口及び硫酸吐出口から上記上流端の区画室に原料スラリーと硫酸を添加することを特徴とする請求項1記載のオートクレーブへの原料スラリーと硫酸の添加方法。
  3. 上記正三角形の底辺の長さ方向は、オートクレーブの側壁と平行であることを特徴とする請求項2記載のオートクレーブへの原料スラリーと硫酸の添加方法。
  4. 加熱、加圧された原料スラリー及び硫酸を、隔壁で複数に区画されたオートクレーブ内の各区画室に備えられた撹拌機によって撹拌することにより浸出を進行させ、上流側の区画室から下流側の区画室にスラリーを移送し、順次、浸出を進行させる高圧酸浸出工程におけるオートクレーブであって、
    上流端の区画室に備えられた撹拌機の撹拌翼の周囲に、原料スラリー吐出口を有する原料スラリー供給管と、硫酸吐出口を有する硫酸供給管を交互に配し、上記撹拌翼の最上部より高く、内容物液面より低い位置に上記原料スラリー吐出口及び硫酸吐出口を位置させてなり、
    上記原料スラリー供給管と硫酸供給管を介して、上記上流端の区画室に備えられた撹拌機の撹拌翼の最上部より高く、内容物液面より低い位置に、上記撹拌翼の周囲に交互に位置させた上記原料スラリー吐出口及び硫酸吐出口から、ニッケル酸化鉱石を解砕分級して調製された2mm以下の鉱石を含む所定のスラリー濃度の原料スラリーと硫酸が上記上流端の区画室に添加され、添加された上記原料スラリーと硫酸を220〜280℃で撹拌して有価金属を高温加圧酸浸出することを特徴とするオートクレーブ。
  5. 上記原料スラリー吐出口及び硫酸吐出口は、その平面位置において、上記撹拌翼の端部が形成する円の任意の直径を高さとする正三角形の底辺の長さ方向であって上記撹拌翼の回転方向の下流側に上記底辺の中点が位置するよう0Dから0.5Dの距離だけ移動させた上記正三角形の底辺の両端の頂点位置をそれぞれ中心にして0.25Dの距離の範囲内に原料スラリー吐出口が位置され、上記底辺の中点位置と上記正三角形の残りの頂点位置をそれぞれ中心にして0.25Dの距離の範囲内に硫酸吐出口が位置されたことを特徴とする請求項4記載のオートクレーブ。
  6. 上記正三角形の底辺の長さ方向は、当該オートクレーブの側壁と平行であることを特徴とする請求項5記載のオートクレーブ。
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