JP2014057907A - 減酸素装置および冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】減酸素室内の酸素濃度を減少させることに加えて、減酸素室内の酸素濃度を検出できる減酸素装置を提供する。
【解決手段】実施形態の減酸素装置は、酸素濃度を減少させる減酸素室と、前記減酸素室に隣接する水電解室と、減酸素セルと、酸素センサセルとを含む。前記減酸素セルは、前記減酸素室と前記水電解室との境界に設けられた第1の電解質膜、前記減酸素室内に設けられた陰極、前記水電解室内に設けられた陽極、および前記陰極と前記陽極との間に電圧を印加する電源を含む。前記酸素センサセルは、前記減酸素室と前記水電解室との境界に設けられた第2の電解質膜、前記減酸素室内に設けられた低酸素側電極、前記水電解室内に設けられた高酸素側電極、および前記高酸素側電極と前記低酸素側電極との間に生じる電位差を検出する検出器を含む。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態の減酸素装置は、酸素濃度を減少させる減酸素室と、前記減酸素室に隣接する水電解室と、減酸素セルと、酸素センサセルとを含む。前記減酸素セルは、前記減酸素室と前記水電解室との境界に設けられた第1の電解質膜、前記減酸素室内に設けられた陰極、前記水電解室内に設けられた陽極、および前記陰極と前記陽極との間に電圧を印加する電源を含む。前記酸素センサセルは、前記減酸素室と前記水電解室との境界に設けられた第2の電解質膜、前記減酸素室内に設けられた低酸素側電極、前記水電解室内に設けられた高酸素側電極、および前記高酸素側電極と前記低酸素側電極との間に生じる電位差を検出する検出器を含む。
【選択図】図1
Description
本発明の実施態様は、減酸素装置およびそれを搭載した冷蔵庫に関する。
従来、冷蔵庫内の酸素濃度を低減するのに利用される減酸素装置が知られている。減酸素装置は、減酸素室(たとえば冷蔵庫の冷蔵室)内の酸素濃度を低下させて、青果物をはじめとする食品の長期保存性を高めるような目的で用いられる。この減酸素装置は、電解質と、前記電解質を挟む陰極および陽極とを有する。そして、陰極と陽極との間に電圧を印加し、陰極で酸素を還元することによって陰極が接している雰囲気、すなわち減酸素室内の雰囲気の酸素濃度を減少させる。
減酸素室内の酸素濃度を減少させることに加えて、減酸素室内の酸素濃度を検出できれば、たとえば減酸素装置の電圧印加および電圧休止の制御が可能になる。しかし、従来は、減酸素室内の酸素濃度を検出できる装置は知られていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、減酸素室内の酸素濃度を減少させることに加えて、減酸素室内の酸素濃度を検出できる減酸素装置を提供することである。
実施形態の減酸素装置は、酸素濃度を減少させる減酸素室と、前記減酸素室に隣接する水電解室と、減酸素セルと、酸素センサセルとを含む。前記減酸素セルは、前記減酸素室と前記水電解室との境界に設けられた第1の電解質膜、前記第1の電解質膜に接して前記減酸素室内に設けられた陰極、前記第1の電解質膜に接して前記水電解室内に設けられた陽極、および前記陰極と前記陽極との間に電圧を印加する電源を含む。前記酸素センサセルは、前記減酸素室と前記水電解室との境界に設けられた第2の電解質膜、前記第2の電解質膜に接して前記減酸素室内に設けられた低酸素側電極、前記第2の電解質膜に接して前記水電解室内に設けられた高酸素側電極、および前記高酸素側電極と前記低酸素側電極との間に生じる電位差を検出する検出器を含む。
以下、図面を参照して実施形態の減酸素装置を説明する。
図1は実施形態に係る減酸素装置の構成図である。ここでは減酸素装置を冷蔵庫に搭載することを想定している。
図1に示すように、減酸素装置1は、酸素濃度を減少させる減酸素室(たとえば冷蔵庫の冷蔵室)2と、これに隣接する水電解室3とを有し、両者は隔壁4によって隔てられている。減酸素室2と水電解室3との間の隔壁4に減酸素セル10と酸素センサセル20とが設けられる。減酸素装置1の前面にはドア5が設けられている。水電解室3の下部には水供給口6、水電解室3の上部にはガス排出口7がそれぞれ設けられている。ガス排出口7には逆止弁8が設けられている。水電解室3は水タンクとなっており、たとえば水供給口6に挿入した布などに水を浸み込ませることによって水電解室3内に水を供給する。
減酸素セル10は、減酸素室2と水電解室3との境界に設けられたプロトン導電性高分子からなる第1の電解質膜11と、第1の電解質膜11に接して減酸素室2内に設けられた陰極12と、第1の電解質膜11に接して水電解室3内に設けられた陽極13とを有する。陰極12と陽極13との間には電源14が接続されている。なお、図1では、水電解室3内で陽極13全体を浸漬する水9が存在するように図示しているが、必ずしもその必要はなく、後述するように水電解室3内の相対湿度を約100%にする量の水が存在していればよい。
酸素センサセル20は、減酸素室2と水電解室3との境界に設けられたプロトン導電性高分子からなる第2の電解質膜21と、第2の電解質膜21に接して減酸素室2内に設けられた低酸素側電極22と、第2の電解質膜21に接して水電解室3内に設けられた高酸素側電極23とを有する。低酸素側電極22と高酸素側電極23との間には電圧計24が接続されている。
電圧計24と電源14との間には制御器31が接続されている。制御器31は、電圧計24によって検出される電位差に応じて電源14のオン/オフをフィードバック制御する。たとえば、電源14をオンした後、電位差がしきい値を超えれば(酸素濃度差が大きくなれば)電源14をオフし、再び電位差がしきい値以下になれば(酸素濃度差が小さくなれば)電源14をオンする、というようなフィードバック制御を行う。
次に、減酸素セル10の動作を説明する。陽極13では式(1)の反応に従って水が電気分解される。
2H2O→O2+4H++4e− (1)
このとき発生したプロトン(H+)は第1の電解質膜11を通って陰極12に達し、電子(e−)は外部回路を通って陰極12に達する。発生した酸素ガスは、水電解室3内の水9中を通り、ガス排出口7から逆止弁8を通って外部へ排出される。
このとき発生したプロトン(H+)は第1の電解質膜11を通って陰極12に達し、電子(e−)は外部回路を通って陰極12に達する。発生した酸素ガスは、水電解室3内の水9中を通り、ガス排出口7から逆止弁8を通って外部へ排出される。
陰極12では式(2)の反応に従って酸素が還元されて水が生成する。
O2+4H++4e−→2H2O (2)
こうして減酸素室2内の酸素が消費されて減少する。
こうして減酸素室2内の酸素が消費されて減少する。
また、酸素センサセル20は、プロトン導電性高分子からなる第2の電解質膜21を挟む低酸素側電極22および高酸素側電極23の両極に接する雰囲気中の酸素の濃度差に応じて電位差を生じる濃淡電池として機能する。この電位差を電圧計24で検出する。
上記のように、減酸素室2内に配置された減酸素セル10の陰極12では酸素が還元されて減酸素室2内の酸素濃度が減少する。この減酸素室2内の酸素濃度を測定するために、酸素センサセル20の低酸素側電極22も減酸素室2内に配置する。減酸素室2内に配置された減酸素セル10の陰極12および酸素センサセル20の低酸素側電極22は減酸素室2内の空気に接しており、上記のように減酸素室2内の空気中の酸素濃度は減少する。このため、陰極12および低酸素側電極22が接する雰囲気は、酸素濃度が21体積%以下である。
上記のように、水電解室3内に配置された減酸素セル10の陽極13では酸素が発生し、発生した酸素は外部からの空気の混入なしに酸素センサセル20の高酸素側電極23に到達する。水電解室3内の減酸素セル10の陽極13で発生した酸素に外部の空気を混入させないようにするために、水電解室3のガス排出口7に逆止弁8を設けるというような工夫がなされている。このため、水電解室3内に配置された酸素センサセル20の高酸素側電極23が接する雰囲気は、酸素濃度が約100%、相対湿度RHが約100%である。
このように、高酸素側電極23の雰囲気を相対湿度RH約100%とすると、第2の電解質膜21の含水量を一定にすることができる。こうした条件で酸素センサセル20を動作させると、発生する電位差が安定し、酸素濃度を安定に測定することができる。
ここで、減酸素室2の酸素濃度をモニタリングする方法として、酸素センサセル20を用いることなく、減酸素セル10への印加電流量から反応酸素量を逆算し、さらに酸素濃度を計算することが考えられる。しかし、この方法では、減酸素室2(たとえば冷蔵室)に収納する食品などの量が変動して減酸素室2の空間容積が変動した場合に、反応酸素量は求められたとしても酸素濃度を正確に測定することはできない。
また、日本化学会誌、1990、(9)、p.908〜912には、上述した酸素センサセル20と同様な構造を有する酸素センサが記載されている。この酸素センサは、プロトン導電性高分子膜を1対の貴金属電極で挟んだ構造を有する。一方の電極は酸素濃度を検出すべき被検ガスに接触させ、他方の電極は参照ガスとして酸素濃度が既知である空気に接触させる。この酸素センサは、被検ガスと参照ガスとの酸素濃度差に応じた両極間の電位差を検出することによって酸素濃度を測定しようとするものである。
ところが、参照ガスとして用いる空気の湿度は環境によって大きく異なり、湿度によってプロトン導電性高分子膜の含水量が変化する。プロトン導電性高分子膜の含水量が変化すると、両極間の電位差がドリフトすることがわかっており、安定なセンシングの観点から問題である。すなわち、このような酸素センサを冷蔵庫に搭載し、参照ガスとして冷蔵庫内の空気を用いた場合にも、食品の含水量やポンプの運転制御によって冷蔵庫内の湿度が大きく変動するという問題が生じる。
以下、実施形態の減酸素装置に用いられる材料について説明する。
[電解質]
電解質としては、ナフィオン(デュポン社、登録商標)やアシプレックス(旭化成社、登録商標)に代表されるプロトン伝導性高分子膜が用いられる。
電解質としては、ナフィオン(デュポン社、登録商標)やアシプレックス(旭化成社、登録商標)に代表されるプロトン伝導性高分子膜が用いられる。
[減酸素セルの陰極触媒]
減酸素セルの陰極触媒としてはPt/CやPt−blackなどの白金系触媒(PtCo、PtFe、PtNi、PtPd、PtIr、PtRu、PtSnなども含む)がより好ましいが、窒素置換炭素触媒、酸化物触媒などを用いることもできる。触媒層は、スパッタリングによって形成してもよいし、触媒粉末を水、アルコールなどに分散させた縣濁液をガス拡散層や電解質膜に直接塗布することによって形成してもよい。
減酸素セルの陰極触媒としてはPt/CやPt−blackなどの白金系触媒(PtCo、PtFe、PtNi、PtPd、PtIr、PtRu、PtSnなども含む)がより好ましいが、窒素置換炭素触媒、酸化物触媒などを用いることもできる。触媒層は、スパッタリングによって形成してもよいし、触媒粉末を水、アルコールなどに分散させた縣濁液をガス拡散層や電解質膜に直接塗布することによって形成してもよい。
[減酸素セルの陽極触媒]
減酸素セルの陽極触媒としては白金、鉛酸化物、イリジウム複合酸化物、ルテニウム複合酸化物などが用いられる。これらの触媒層の形成方法としては、熱分解法、ゾルゲル法、錯体重合法、スパッタ法などが挙げられる。
減酸素セルの陽極触媒としては白金、鉛酸化物、イリジウム複合酸化物、ルテニウム複合酸化物などが用いられる。これらの触媒層の形成方法としては、熱分解法、ゾルゲル法、錯体重合法、スパッタ法などが挙げられる。
また、酸化物の複合金属としては、Ti,Nb,V,Cr,Mn,Co,Zn,Zr,Mo,Ta,W,Tl,RuとIrのうち少なくともいずれか一種の金属が挙げられる。これらの触媒の電極支持元素としては、Ta、Tiなどのバルブメタルが挙げられる。
[酸素センサの陰極触媒および陽極触媒]
酸素センサの触媒としては白金や金が用いられる。触媒層は、スパッタリングによって形成してもよいし、触媒粉末を水、アルコールなどに分散させた縣濁液をガス拡散層や電解質膜に直接塗布することによって形成してもよい。
酸素センサの触媒としては白金や金が用いられる。触媒層は、スパッタリングによって形成してもよいし、触媒粉末を水、アルコールなどに分散させた縣濁液をガス拡散層や電解質膜に直接塗布することによって形成してもよい。
以下、実施例について説明する。
実施例1
図2は、本実施例において簡易測定のために用いた酸素センサの構成図である。この酸素センサの筐体51には、検知ガス空間52と参照ガス空間53とが設けられ、両者は隔壁54によって隔てられている。検知ガス空間52には、検知ガス導入管55と検知ガス排出管56が接続されている。参照ガス空間53には、参照ガス導入管57と参照ガス排出管58が接続されている。検知ガス導入管55および参照ガス導入管57の前段には、それぞれ加湿器(図示せず)が設けられている。
実施例1
図2は、本実施例において簡易測定のために用いた酸素センサの構成図である。この酸素センサの筐体51には、検知ガス空間52と参照ガス空間53とが設けられ、両者は隔壁54によって隔てられている。検知ガス空間52には、検知ガス導入管55と検知ガス排出管56が接続されている。参照ガス空間53には、参照ガス導入管57と参照ガス排出管58が接続されている。検知ガス導入管55および参照ガス導入管57の前段には、それぞれ加湿器(図示せず)が設けられている。
酸素センサセル60は、検知ガス空間52と参照ガス空間53との境界に設けられた高分子電解質膜61と、高分子電解質膜61に接して検知ガス空間52内に設けられた低酸素側電極62と、高分子電解質膜61に接して参照ガス空間53内に設けられた高酸素側電極63とを有する。低酸素側電極62はガス拡散層(GDL)64によって支持され、高酸素側電極63はガス拡散層(GDL)65によって支持されている。低酸素側電極62と高酸素側電極63との間には電圧計66が接続されている。
以下のようにして、低酸素側電極および高酸素側電極を作製した。Pt/C(田中貴金属工業株式会社製)705mgに、水5mLと5質量%ナフィオン(登録商標)溶液3mLとを混合し、30分超音波分散して懸濁液を調製した。この懸濁液を、撥水処理(20質量%)されたカーボンペーパー(CETEK製GDL25BC、厚み0.32mm、面積235cm2)上にスプレーして乾燥させた。このカーボンペーパーから3cm×4cmのサイズの小片を切り出し、低酸素側電極および高酸素側電極として用いた。
以下のようにして、酸素センサセルとして機能する膜電極接合体(MEA)を作製した。高分子電解質であるナフィオン(登録商標)112(厚み50μm)の両面を、上のようにして得た低酸素側電極および高酸素側電極で挟み、125℃、3分、0.36MPaの条件でホットプレスしてMEAを作製した。得られたMEAを、図2に示す酸素センサセル60として組み込んで酸素センサを作製した。
この酸素センサを用いて、参照ガス空間および検知ガス空間に、酸素ガス濃度および相対湿度を種々変化させたガスを供給し、電圧計66で両極間の電位差を測定することにより、両空間の酸素濃度差を検出した。
まず、それぞれ加湿器を経由し、参照ガスとして相対湿度100%の純酸素(酸素濃度100%)を供給し、検知ガスとして相対湿度100%、酸素濃度21%以下の空気を供給した。検知ガス導入管55および参照ガス導入管57でのガス流量を120SCCMとした。これらの条件で、電圧計66によって両極間の電位差を測定した。
図3に、本実施例における、検知ガスの酸素濃度と、両極間の電位差との関係を示す。図3に示すように、検知ガスの酸素濃度に応じて両極間の電位差が変化することがわかる。したがって、図3のような関係を検量線として用いることができる。
比較例として、検知ガスとして相対湿度55%(固定)の空気(酸素濃度21%)を供給し、参照ガスとして相対湿度0〜100%の空気(酸素濃度21%)を供給し、電圧計66によって両極間の電位差を測定した。
図4に、比較例における、参照ガスの相対湿度と、両極間の電位差との関係を示す。両極が接する雰囲気の酸素濃度が同じであれば、電位差は発生しないと予想していたが、実際には電位差の変化が生じた。これは、参照ガスの相対湿度の変化による高分子電解質膜61の含水量の変化が、電位差に影響を与えたためであると考えられる。特に、参照ガスの相対湿度が低い場合の電位差は、図3の電位差よりも大きくなった。このため、参照ガス(図1に当てはめると水電解室の雰囲気)の相対湿度を一定にすることが望ましいことがわかる。
この点、上述したように、図1の水電解室3内に配置された酸素センサセル20の高酸素側電極23が接する雰囲気は、図3の測定条件と同様に、相対湿度RHが約100%、酸素濃度が約100%というほぼ一定の条件下にあるので、測定される電位差が安定する。
実施例2
本実施例では、図1に示す減酸素装置を作製した。
本実施例では、図1に示す減酸素装置を作製した。
酸素センサセルの低酸素側電極および高酸素側電極、ならびに減酸素セルの陰極は実施例1と同じ方法で作製した。
減酸素セルの陽極は以下のようにして作製した。チタンメッシュ(0.1t×LW0.2×SW0.1)を、あらかじめ10質量%シュウ酸水溶液中、80℃で1時間エッチングしておいた。塩化イリジウム(IrCl3・nH2O)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えた溶液を調製した。この溶液をチタンメッシュに塗布した後、80℃で10分間乾燥し、450℃で10分間焼成した。塗布−乾燥−焼成を5回繰り返して陽極を作製した。
以下のようにして、減酸素セルとして機能する膜電極接合体(MEA)を作製した。高分子電解質であるナフィオン(登録商標)112(厚み50μm)の両面を、上のようにして得た陽極および陰極で挟み、150℃、3分、0.36MPaの条件でホットプレスしてMEAを作製した。得られたMEAを、図1に示す減酸素セル10として組み込んだ。
以下のようにして、酸素センサセルとして機能する膜電極接合体(MEA)を作製した。高分子電解質であるナフィオン(登録商標)112(厚み50μm)の両面を、上のようにして得た低酸素側電極および高酸素側電極で挟み、125℃、3分、0.36MPaの条件でホットプレスしてMEAを作製した。得られたMEAを、図1に示す酸素センサセル20として組み込んだ。
電圧計24で測定される電位差が初期の電圧差よりも0.3mVだけ大きくなったときに、減酸素セル10の電源14をオフするフィードバック制御を行うように制御器31を設定した。
図1の減酸素装置を用い、減酸素セル10に電圧を印加して、酸素センサ20の電圧計24で測定される電位差をモニタリングした。その結果、酸素センサ20の電圧計24で測定される電位差が徐々に大きくなり、減酸素室2内の雰囲気の酸素濃度が低下していることがわかった。測定される電位差が初期の電圧差よりも0.3mVだけ大きくなったときに、減酸素セル10の電源14がオフになった。別途用意した酸素濃度計で減酸素室2内の雰囲気の酸素濃度を測定したところ、5%であった。この結果は、別途作成した検量線と一致した。
比較例として、酸素センサセル20の高酸素側電極23を、水電解室3の外部の雰囲気にさらした状態で減酸素装置1を運転した。この場合、外部の雰囲気の湿度変化によって電圧計24で測定される電位差にドリフトが生じ、高酸素側電極23に接する雰囲気の相対湿度が0%のときに最大で0.5mVのドリフトが生じた。この場合、制御器31を接続していたとすると、雰囲気の相対湿度の変化によって、減酸素セルの運転が停止することになる。
したがって、減酸素セル10を正常に運転させるためには、酸素センサセル20の高酸素側電極23が接する雰囲気の相対湿度RHを約100%という一定条件にすることが有効である。
なお本実施例で示した電圧の絶対値は一例であり、センサに用いる触媒の種類や量、形態によって電圧値は変化する可能性があるため、センサ構成に応じて検量線を作成することが望ましい。
実施例3
図5は、図1の減酸素装置1を野菜室の領域に搭載した冷蔵庫100の正面図である。この冷蔵庫100の減酸素装置1を動作させると、減酸素セル10への電圧印加に伴って野菜室の雰囲気の酸素濃度が約21%から約5%まで低下し、この時点で減酸素セル10の電源14がオフになったことが確認された。
図5は、図1の減酸素装置1を野菜室の領域に搭載した冷蔵庫100の正面図である。この冷蔵庫100の減酸素装置1を動作させると、減酸素セル10への電圧印加に伴って野菜室の雰囲気の酸素濃度が約21%から約5%まで低下し、この時点で減酸素セル10の電源14がオフになったことが確認された。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…減酸素装置、2…減酸素室、3…水電解室、4…隔壁、5…ドア、6…水供給口、7…ガス排出口、8…逆止弁、9…水、10…減酸素セル、11…第1の電解質膜、12…陰極、13…陽極、14…電源、20…酸素センサセル、21…第2の電解質膜、22…低酸素側電極、23…高酸素側電極、24…電圧計、31…制御器、51…筐体、52…検知ガス空間、53…参照ガス空間、54…隔壁、55…検知ガス導入管、56…検知ガス排出管、57…参照ガス導入管、58…参照ガス排出管、60…酸素センサセル、61…高分子電解質膜、62…低酸素側電極、63…高酸素側電極、64、65…ガス拡散層、66…電圧計、100…冷蔵庫。
Claims (4)
- 酸素濃度を減少させる減酸素室と、
前記減酸素室に隣接する水電解室と、
前記減酸素室と前記水電解室との境界に設けられた第1の電解質膜、前記第1の電解質膜に接して前記減酸素室内に設けられた陰極、前記第1の電解質膜に接して前記水電解室内に設けられた陽極、および前記陰極と前記陽極との間に電圧を印加する電源を含む減酸素セルと、
前記減酸素室と前記水電解室との境界に設けられた第2の電解質膜、前記第2の電解質膜に接して前記減酸素室内に設けられた低酸素側電極、前記第2の電解質膜に接して前記水電解室内に設けられた高酸素側電極、および前記高酸素側電極と前記低酸素側電極との間に生じる電位差を検出する検出器を含む酸素センサセルと
を含むことを特徴とする減酸素装置。 - 前記検出器と前記電源との間に接続された制御器を含むことを特徴とする請求項1に記載の減酸素装置。
- 前記水電解室から外部空間へのガス排出口に設けられた逆止弁を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の減酸素装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の減酸素装置を搭載したことを特徴とする冷蔵庫。
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JP2019002061A (ja) * | 2017-06-20 | 2019-01-10 | 日立アプライアンス株式会社 | 貯蔵庫およびそれを用いた冷蔵庫 |
JP2023511687A (ja) * | 2020-03-24 | 2023-03-22 | 合肥美的電冰箱有限公司 | 脱酸素モジュール、鮮度保持装置および冷蔵庫 |
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2012
- 2012-09-14 JP JP2012202895A patent/JP2014057907A/ja active Pending
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JP2019002061A (ja) * | 2017-06-20 | 2019-01-10 | 日立アプライアンス株式会社 | 貯蔵庫およびそれを用いた冷蔵庫 |
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