まず、本発明が適用された実施例としてのスロットマシンを図1に基づいて説明する。図1は、本発明が適用された実施例のスロットマシンを示す正面図である。本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1a(図4参照)と、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1b(図4参照)と、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、特に図示はしないが、それぞれ「赤7(図中黒7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示すようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33R(図2参照)と、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55(図2参照)と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図2参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図2参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの裏面側には、図4に示すように、所定のキー操作によりRAM異常エラー及び異常入賞エラーを除くエラー状態及び後述の打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24(図2参照)、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述するメダルホッパー134のホッパータンク134a側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(図2参照)、後述するシャッタ部材180の開放を禁止する禁止状態または許可状態のいずれか一方に選択的に切り替えるためのシャッタソレノイド138(図2参照)、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク134a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31a〜c(図7参照)を有する投入メダルセレクタ131が設けられている。
投入メダルセレクタ131では、投入されたメダルの真偽(形状、大きさ、厚み等)が判別されるようになっており、真正なメダルはその通過が投入メダルセンサ31a〜cにて検出された後、投入メダルセレクタ131の本体側面に形成された流出口142(図7参照)から流出されるとともに、偽メダルはその通過が投入メダルセンサ31a〜cにて検出される前に、投入メダルセレクタ131の本体下部に形成された返却部137(図8、図9参照)から下方に向けて流出されるようになっている。また、図5に示すように、投入メダルセレクタ131の流出口142から流出したメダルは、投入メダルセレクタ131の側方に設けられるメダルシュート160によりホッパータンク134aに誘導され、返却部137から流出したメダルは、投入メダルセレクタ131の下方に設けられたメダル返却通路132を介してメダル払出口9から下皿に返却されるようになっている。
また、投入メダルセレクタ31には、後述する投入口センサ170(図2参照)、シャッタセンサ166(図2参照)が設けられており、メダルシュート160には、後述するシュートセンサ166(図2参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図4に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33Rからなるリールユニット60、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク134aと、該ホッパータンク134aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34(図2参照)及びホッパーモータ34の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ35(図2参照)を備えるメダルホッパー134、ホッパータンク134aからオーバーフローしたメダルが貯留されるオーバーフロータンク135、電源ボックス136が設けられている。
電源ボックス136の前面には、打止条件の成立時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、自動精算条件の成立時にクレジットの精算を行う自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ29、通常時においてはRAM異常エラー及び異常入賞エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図2は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図2に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブル及びコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34、払出センサ35、打止スイッチ36、設定キースイッチ37、自動精算スイッチ29、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31a〜c、投入口センサ170、シャッタセンサ183、シュートセンサ166、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ35、打止スイッチ36、設定キースイッチ37、自動精算スイッチ29、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、シャッタソレノイド138、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、後述するROM506に記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、例えば図3に示すようなメイン制御部41の制御用外部クロック端子EXCを介してクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、例えば図3に示すようなメイン制御部41の乱数用外部クロック端子ERCを介して乱数回路509に供給される。一例として、乱数用クロック生成回路43により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路42により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数以下となるようにすれば良い。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30、シャッタソレノイド138に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPU505の動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
図3は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図3に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインタフェース501と、クロック回路502と、固有情報記憶回路503と、リセット/割込コントローラ504と、CPU505と、ROM506と、RAM507と、CTC(カウンタ/タイマサーキット)508と、乱数回路509と、PIP(パラレルインプットポート)510と、シリアル通信回路511と、アドレスデコード回路512とを備えて構成される。
図3に示すメイン制御部41が備える外部バスインタフェース501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。例えば、外部バスインタフェース501は、メイン制御部41に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであれば良い。この実施の形態において、外部バスインタフェース501には、内部リソースアクセス制御回路501Aが含まれている。
内部リソースアクセス制御回路501Aは、外部バスインタフェース501を介した外部装置からメイン制御部41の内部データに対するアクセスを制御して、例えばROM506に記憶されたゲーム制御用プログラムや固定データといった、内部データの不適切な外部読出を制限するための回路である。ここで、外部バスインタフェース501には、例えばインサーキットエミュレータ(ICE)といった回路解析装置が、外部装置として接続されることがある。
メイン制御部41が備えるクロック回路502は、例えば制御用外部クロック端子EXCに入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。本実施例では、制御用外部クロック端子EXCに制御用クロック生成回路42が生成した制御用クロックCCLKが入力される。クロック回路502により生成された内部システムクロックSCLKは、例えばCPU505といった、メイン制御部41において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックSCLKは、乱数回路509にも供給され、乱数用クロック生成回路43から供給される乱数用クロックRCLKの周波数を監視するために用いられる。さらに、内部システムクロックSCLKは、クロック回路502に接続されたシステムクロック出力端子CLKOから、メイン制御部41の外部へと出力されても良い。
メイン制御部41が備える固有情報記憶回路503は、例えばメイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。一例として、固有情報記憶回路503は、ROMコード、チップ個別ナンバー、IDナンバーといった3種類の固有情報を記憶する。
メイン制御部41が備えるリセット/割込コントローラ504は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ504が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子XSRSTに一定の期間にわたりローレベル信号(システムリセット信号)が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、外部ユーザリセット端子XURSTに一定の期間にわたりローレベルの信号(ユーザリセット信号)が入力されたとき、または内蔵ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。尚、本実施例では前述のように内蔵ウォッチドッグタイマを使用せずにリセット回路49に搭載されたウォッチドッグタイマ(WDT)を用いているため、外部ユーザリセット端子XURSTにユーザリセット信号が入力されるか、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生することでユーザリセットが発生することとなる。
リセット/割込コントローラ504が制御する割込には、ノンマスカブル割込NMIとマスカブル割込INTが含まれている。ノンマスカブル割込NMIは、CPU505の割込禁止状態でも無条件に受け付けられる割込であり、外部ノンマスカブル割込端子XNMI(入力ポートP4と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生する割込である。マスカブル割込INTは、CPU505の設定命令により、割込要求の受け付けを許可/禁止できる割込であり、優先順位設定による多重割込の実行が可能である。マスカブル割込INTの要因としては、外部マスカブル割込端子XINT(入力ポートP3と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたこと、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、シリアル通信回路511にてデータ送信による割込要因が発生したこと、乱数回路509にて乱数値となる数値データの取り込みによる割込要因が発生したことなど、複数種類の割込要因が予め定められていれば良い。
メイン制御部41が備えるCPU505は、ROM506から読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。このときには、CPU505がROM506から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU505がRAM507に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU505がRAM507に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU505が外部バスインタフェース501やPIP510などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU505が外部バスインタフェース501やシリアル通信回路511などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
このように、メイン制御部41では、CPU505がROM506に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(又はCPU505)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU505がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムや固定データ等が記憶されている。また、ROM506には、セキュリティチェックプログラム506Aが記憶されている。CPU505は、スロットマシン1の電源投入やシステムリセットの発生に応じてメイン制御部41がセキュリティモードに移行したときに、ROM506に記憶されたセキュリティチェックプログラム506Aを読み出し、ROM506の記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。尚、セキュリティチェックプログラム506Aは、ROM506とは異なる内蔵メモリに記憶されても良い。また、セキュリティチェックプログラム506Aは、例えば外部バスインタフェース501を介してメイン制御部41に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであっても良い。
メイン制御部41が備えるRAM507は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM507の少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の少なくとも一部の内容が保存される。尚、本実施例では、RAM507の全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の全ての内容が保存される。
メイン制御部41が備えるCTC508は、例えば8ビットのプログラマブルタイマを3チャネル(PTC0−PTC2)内蔵して構成され、リアルタイム割込の発生や時間計測を可能とするタイマ回路を含んでいる。各プログラマブルタイマPTC0−PTC2は、内部システムクロックSCLKに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(例えばハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであれば良い。また、CTC508は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(PCC0−PCC3)内蔵しても良い。各プログラマブルカウンタPCC0−PCC3は、内部システムクロックSCLKの信号変化、或いは、プログラマブルカウンタPCC0−PCC3のいずれかにおけるタイムアウトの発生などに応じて、カウント値が更新されるものであれば良い。CTC508は、セキュリティ時間を延長する際の延長時間(可変設定時間)をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタや、乱数回路509にて生成される乱数のスタート値をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタなどを、含んでも良い。或いは、これらのフリーランカウンタは、例えばRAM507のバックアップ領域といった、CTC508とは異なるメイン制御部41の内部回路に含まれても良い。
メイン制御部41が備える乱数回路509は、例えば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、遊技制御基板40の側において、後述する内部抽選用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられても良い。CPU505は、乱数回路509から抽出した数値データに基づき、乱数回路509とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工或いは更新することで、内部抽選用の乱数値を示す数値データをカウントするようにしても良い。以下では、内部抽選用の乱数値を示す数値データが、ハードウェアとなる乱数回路509からCPU505により抽出された数値データをソフトウェアにより加工しないものとする。尚、乱数回路509は、メイン制御部41に内蔵されるものであっても良いし、メイン制御部41とは異なる乱数回路チップとして、メイン制御部41に外付けされるものであっても良い。
内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施例では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるPIP510は、例えば6ビット幅の入力専用ポートであり、専用端子となる入力ポートP0〜入力ポートP2と、機能兼用端子となる入力ポートP3〜入力ポートP5とを含んでいる。入力ポートP3は、CPU505等に接続される外部マスカブル割込端子XINTと兼用される。入力ポートP4は、CPU505等に接続される外部ノンマスカブル割込端子XNMIと兼用される。入力ポートP5は、シリアル通信回路511が使用する第1チャネル受信端子RXAと兼用される。入力ポートP3〜入力ポートP5の使用設定は、プログラム管理エリアに記憶される機能設定KFCSにより指示される。
図3に示すメイン制御部41が備えるアドレスデコード回路512は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、或いは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU505からのアクセスが可能となる。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラム506Aの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM506には、CPU505が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM506には、CPU505が遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAM507には、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。RAM507としては、例えばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU505には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU505がROM506から命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU505における1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、シリアル通信回路511を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、RAM507の記憶領域のうち設定変更時に初期化する領域がクリアされるとともに、設定値表示器24に読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM507に格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM507のスタックに退避し、RAM507にいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM507に格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM507の該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかに関わらず、その起動時においてRAM507の全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM507に記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM507に格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM507のデータが正常であると判定した場合に、RAM507の格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM507に格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
次に、投入メダルセレクタ131の構造を、主に図4〜図7に基づいて説明する。図4は、前面扉1b開放した状態を示す斜視図であり、図5は、投入メダルセレクタ131が前面扉1bの裏面に取り付けられた状態を示す側面図であり、図6は、投入メダルセレクタ131を示す斜視図であり、図7は、投入メダルセレクタ131及びメダルシュート160を示す正面図である。尚、以下の説明において、前面扉1bの裏面側から投入メダルセレクタ131を見た状態を、投入メダルセレクタ131の正面側として説明する。つまり、図7の手前側を投入メダルセレクタ131の正面側として説明する。
投入メダルセレクタ131は、図6及び図7に示すように直方体形状に構成されており、その本体部内には、正面視略L字状のメダル流下通路133が形成されている(図7中斜線領域)。本体部の上面には、メダル流下通路133の上流側に連通するとともに、上方に配置される投入メダルガイド部材140に形成された投入口140a(図5中拡大図参照)から落下されたメダルが流入される流入口141が形成され、また、本体部の側面には、メダル流下通路133の下流側に連通するとともに、メダルを流出させるための流出口142が形成されている。
詳しくは、図7に示すように、メダル流下通路133は、本体内部に略L字状に凹設される凹溝(図示略)と、該本体部の正面側に、軸部材143を中心に揺動自在に設けられるとともに、バネ144により本体部方向に付勢される揺動板145との間に形成されており、揺動板145は、前面扉1bに設けられるメダル詰まり解除ボタン146(図1参照)により押圧されることでメダル流下通路133を開放するようになっており、これによりメダル流下通路133内に詰まったメダルを本体部下方に排出することができるようになっている。すなわち、揺動板145及び前記凹溝が形成された本体部にて、メダル流下通路133の側面を形成する流下側壁が形成されている。
また、流入口141は、横長長方形状をなし、本体部上面に左右方向に向けて形成され(図6参照)、流出口142は、縦長長方形状をなし、本体部側面に上下方向に向けて形成されている(図示略)。つまり、メダル流下通路133の前後の流下側壁は、流入口141から流出口142まで鉛直方向を向いており、図7に示すように、メダル投入部4を構成する投入メダルガイド部材140の投入口140aから起立姿勢で投入され、流入口141から流入したメダルが、その起立姿勢を維持したまま通路内を流下して流出口142から右側方に流出されるように構成されている。
メダル流下通路133の下方には、本体部の前面側に設けられる流路切替ソレノイド30(図2参照)の励磁に連係して、メダル流下通路133を流下するメダルがメダル流下通路133の下流側に設けられる投入メダルセンサ31a〜c(図7参照)に検出される直前にてメダル流下通路133から下方に向けて強制的に落下させる流路切替板147が揺動自在に設けられている。また、揺動板145には、メダル流下通路133内を流下するメダルの逆流を防止するための逆流防止部材148がバネを介してメダル流下通路133方向に付勢された状態で回動自在に設けられている。この逆流防止部材148を設けることで、メダル流下通路133内における投入メダルセンサ31a〜cの近傍でメダルを逆流させること等によりメダルを検出させるといった不正が行われることを防止している。
流路切替板147は、流路切替ソレノイド30が励磁されていない状態、すなわちメダルの受付が許可されていない状態において、図8(a)(b)に示すように、その上端面がメダルセレクタ本体に設けられた凹部内に収容された状態とされ、メダル流下通路133の下方側が開放した状態となるため、流入口141から流入してメダル流下通路133を流下するメダルは返却部136より投入メダルセレクタ131の下方に落下してメダル払出口9より排出される。また、流路切替板147は、流路切替ソレノイド30が励磁された状態、すなわちメダルを受付が許可された状態において、図9(a)(b)に示すように、流路切替板147の上部が図中左方向(矢印方向)に揺動することで、流路切替板147の上端面が突出してメダル流下通路133の底面を構成する状態となるため、流入口141から流入してメダル流下通路133を流下するメダルは流路切替板147の上端面に沿って流下し、流出口142から流出される。
メダル流下通路133の流入口141の近傍には、図7〜図9に示すように、流入口141からメダル流下通路133内に流入したメダルを検出する投入口センサ170が設けられている。投入口センサ170は、投光部と受光部の間をメダルが通過することにより受光部が投光部からの光の遮断を検知することでメダルの通過を検出するフォトセンサが用いられている。
尚、本実施例では、投入口センサ170として、投光部と受光部の間をメダルが通過することにより受光部が投光部からの光の遮断を検知することでメダルの通過を検出するフォトセンサを用いているが、投光部と受光部を通路の一端側に配置し、受光部がメダルに反射した投光部の光を検知することでメダルの通過を検出する反射型センサを用いても良い。また、後述するシュートセンサ166のようにメダルの通過に連動して動作する可動片の動作を検知することでメダルの通過を検出する物理センサを用いても良い。
また、メダル流下通路133の流入口141の近傍における投入光センサ170の下流側には、図7〜図10に示すように、メダル流下通路133を閉鎖するシャッタ部材180が設けられている。シャッタ部材180は、シャッタソレノイド136が励磁された状態においては、図10(b)に示すように、軸181を軸心に揺動することでメダル流下通路133内に出没自在とされているとともに、付勢部材182によってシャッタ部材180がメダル流下通路133内に突出するように付勢されている。
一方、シャッタソレノイド136が励磁されていない状態においては、図10(a)に示すように、シャッタソレノイド136に連動する固定片184がシャッタ部材180側に移動し、固定片184にシャッタ部材180の係止片185が係止した状態となることにより、シャッタ部材180の退避方向への移動が規制されるようになっている。
投入口センサ170にてメダルの通過が検出されていない状況では、メダルの受付が許可されていない状態であるか、メダルの受付が許可されている状態であるか、に関わらず、図10(a)に示すように、シャッタソレノイド136がoffの状態であり、この状態では、シャッタ部材180の退避方向への移動が規制されており、シャッタ部材180よりも下流側へのメダルの流下が規制されるようになっている。
また、メダルの受付が許可されている状態では、投入口センサ170がメダルの通過を検出した場合、すなわち投入口センサ170のoffからonへの変化を検出した場合に、シャッタソレノイド136をonの状態に切り替え、その時点からメダルがシャッタ部材180を通過するのに十分な開放時間(本実施例では、約1秒間)経過すると再びシャッタソレノイド136をoffの状態に切り替える。尚、投入口センサ170のoffからonへの変化を検出し、シャッタソレノイド136がonの状態に切り替わった時点から開放時間が経過する前に、再び投入口センサ177のoffからonへの変化を検出した場合には、その時点から開放時間が経過するまでシャッタソレノイド136のonの状態を継続し、投入口センサ177のoffからonへの変化を最後に検出してから開放時間が経過するまでにさらに投入口センサ177のoffからonへの変化が検出しない場合にシャッタソレノイド136をoffの状態に切り替える。
シャッタソレノイド136がonに切り替わった状態では、図10(b)に示すように、固定片184が退避することで、付勢部材182によってシャッタ部材180がメダル流下通路133内に突出するように付勢されているが、メダル流下通路133内に出没自在となり、この状態で、図10(c)に示すように、メダルが流下すると、付勢部材182の付勢に抗してシャッタ部材180が押圧されてシャッタ部材180を退避させることによりメダルが通過可能となる。
また、図10(c)に示すように、シャッタ部材180がメダルの通過により押圧された際に、シャッタ部材180の一部がシャッタセンサ183の投光部と受光部の間に位置するようになっており、シャッタセンサ183の受光部が投光部からの光の遮断を検知するか否かにより、シャッタ部材180が開放状態にあるか閉鎖状態にあるかを検出できるようになっている。
また、メダルの受付が許可されていない状態では、投入口センサ170がメダルの通過を検出した場合であっても、シャッタソレノイド136はoffの状態を維持し、この状態では、図10(e)に示すように、固定片184にシャッタ部材180の係止片185が係止され、シャッタ部材180の退避方向への移動が規制されるので、このような状態において流入口141からメダルが流入しても、シャッタ部材180よりも下流側へのメダルの流下が規制されるようになっている。
また、投入口センサ170によりメダルの通過が検出され、シャッタ部材180をメダルが通過可能な場合であっても、シャッタ部材180にメダル等が詰まり、シャッタ部材180が退避したまま開放時間が経過してシャッタソレノイド136をoffの状態に切り替わった場合には、図10(d)に示すように、固定片184が係止片185を押圧した状態となることで、シャッタ部材180の突出方向への移動が規制される。この状態では、投入口センサ170によりメダルの通過が検出されていないにも関わらず、シャッタ部材180の開放状態がシャッタセンサ183により検出されることとなる。
メダル流下通路133の流路切替板147よりも下流側には、メダル流下通路133を流下するメダルの通過を検出する投入メダルセンサ31a〜c(以下投入メダルセンサ31aをセンサ1、投入メダルセンサ31bをセンサ2、投入メダルセンサ31cをセンサ3とも呼ぶ)が設けられており、これらのうちセンサ1、センサ3は、メダル流下通路133の上部に沿った位置、すなわちメダル流下通路133を流下する円盤状のメダルの上端部の通過を、各々上流側と下流側にて検出可能な位置に配置され、センサ2は、メダル流下通路133の下部位置、すなわちメダル流下通路133を流下する円盤状のメダルの下端部の通過を検出可能な位置に配置されている。更に、センサ2は、センサ1及びセンサ3の間、すなわちメダル流下通路133を正常に流下するメダルがセンサ1、センサ2、センサ3の順番で検出される位置に配置されている。センサ1〜3として、投光部と受光部を備え、投光部と受光部の間をメダルが通過した際の投光部からの光の遮断を受光部が検知することでメダルの通過を検出するフォトセンサが用いられている。
尚、本実施例では、投入メダルセンサ31a〜cとして、投光部と受光部の間をメダルが通過することにより受光部が投光部からの光の遮断を検知することでメダルの通過を検出するフォトセンサを用いているが、投光部と受光部を通路の一端側に配置し、受光部がメダルに反射した投光部の光を検知することでメダルの通過を検出する反射型センサを用いても良い。また、後述するシュートセンサ166のようにメダルの通過に連動して動作する可動片の動作を検知することでメダルの通過を検出する物理センサを用いても良い。さらには、投入メダルセンサ31a〜cのうち一部に光学センサを用い、残りに物理センサを用いても良い。
また、本実施例のように3つの投入メダルセンサ31a〜cに対して光学センサと物理センサの双方を用いる場合には、最も上流側の投入メダルセンサ31a及び最も下流側の投入メダルセンサ31cに対して光学センサを適用し、その間に位置する投入メダルセンサ31bに対して物理センサを適用することが好ましく、このような構成とすることで、正常なメダルの通過を判定させる場合に、上流側の光学センサと物理センサ、下流側の光学センサと物理センサをそれぞれ同時に検出させる必要があることから、不正器具などによる再現が困難となり、このような不正を効果的に防止できる。
メイン制御部41は、投入メダルセンサ31a〜cにてメダルの通過が正常に通過することで、スロットマシンへのメダルの投入を判定し、賭数の設定またはクレジットへの加算処理を行う。すなわちこれら投入メダルセンサ31a〜cは、賭数の設定またはクレジットへの加算処理が行われることとなるメダルの通過を検出するセンサである。
投入メダルセレクタ131が前面扉1bに取り付けられるメダルセレクタ取付部材150における右側の側板の外面には、メダルシュート160が固着されている。メダルシュート160は、金属板を屈曲形成することにより構成され、流出口142から流出したメダルを筐体1a内に配置されたホッパータンク134a内に誘導する。
メダルシュート160には、図7に示すように、その底板161に流出口142から流出したメダルが転動するとともに、該流出口142からメダルの誘導方向、つまり、ホッパータンク134a側に向けて漸次下方に傾斜する転動路面161aが形成されており、この転動路面161aには、転動路面161aから上方に向けて出没自在な可動片163が設けられている。可動片163は、図11(a)〜(c)に示すように、軸部164を軸心に揺動することで転動路面161aに出没自在とされているとともに、付勢部材165によって転動路面161aに突出するように付勢されている。そして、図11(b)に示すように、転動路面161aをメダルが流下する際に、付勢部材165の付勢に抗して可動片163が押圧されて退避した状態となり、メダルが通過すると再び図11(c)に示すように、突出した状態に戻るようになっている。また、図11(b)に示すように、可動片163がメダルの通過により押圧された際に、可動片163の一部がシュートセンサ166の投光部と受光部の間に位置するようになっており、シュートセンサ166の受光部が投光部からの光の遮断を検知することで、流出口142から流出したメダルがメダルシュート160を通過した旨を検出できるようになっている。
尚、本実施例では、シュートセンサ166として、メダルの通過に連動して動作する可動片163の動作を検知することでメダルの通過を検出する物理センサを用いているが、フォトセンサや反射型センサ等の光学センサを用いても良い。
次に、メイン制御部41がメダルの投入に関連した異常を検出するための投入エラー検出処理の制御内容を図12に示すフローチャートに基づいて説明する。投入エラー検出処理は、メイン制御部41が、約0.56ms毎に実行するタイマ割込処理(メイン)において、タイマ割込処理(メイン)を4回実行する毎に1回実行する処理、すなわち約2.24ms毎に実行される処理である。
投入エラー検出処理では、まず、投入メダルセンサ31a〜cの全てがoffの状態からいずれかがonに変化したか否かを判定し(S1)、投入メダルセンサ31a〜cの全てがoffの状態からいずれかがonに変化したと判定されなかった場合にはS5のステップに進む。
S1のステップにおいて投入メダルセンサ31a〜cの全てがoffの状態からいずれかがonに変化したと判定した場合には、投入メダルセンサ31a〜cが連続して検出されている時間を計数するためにRAM507に割り当てられた投入検出時間カウンタの値を0に更新し(S2)、シャッタ部材180をメダルが通過済みであるか否かを判定する(S3)。シャッタ部材180をメダルが通過済みであるか否かは、RAM507にシャッタ部材180をメダルが通過済みである旨を示すシャッタ通過フラグが設定されているか否かによって判断される。
S3のステップにおいてシャッタ部材180をメダルが通過済みであると判定した場合にはS5のステップに進み、シャッタ部材180をメダルが通過済みでないと判定した場合には、シャッタ部材180の通過に関連したエラーを示す投入エラー5をRAM507に設定し(S4)、S5のステップに進む。
S5のステップでは、投入メダルセンサ31a〜cのいずれかがonであるか否かを判定し、投入メダルセンサ31a〜cのいずれもonでない場合にはS13のステップに進み、投入メダルセンサ31a〜cのいずれかがonであると判定した場合には、投入検出時間カウンタの値を1加算する(S6)。
そして、投入検出時間カウンタの値が投入メダルセンサ31a〜c付近のメダル詰まりが判定される第1規定値であるか否かを判定する(S7)。本実施例では、第1規定値として45が設定されており、投入メダルセンサ31a〜cの連続検出時間が約100ms(45×2.24ms)以上となったか否かが判定される。
S7のステップにおいて投入検出時間カウンタの値が投入メダルセンサ31a〜c付近のメダル詰まりが判定される第1規定値未満であればS9のステップに進み、投入検出時間カウンタの値が投入メダルセンサ31a〜c付近のメダル詰まりが判定される第1規定値である場合には、投入メダルセンサ31a〜c付近のメダル詰まりエラーを示す投入エラー1をRAM507に設定し(S8)、S9のステップに進む。
S9のステップでは、投入メダルセンサ31a〜cの検出状態の遷移が正常か否かを判定する。
メダル流下通路133を正常に流下するメダルは、図13(a)〜(f)に示すように、図中右側に向かって流下するため、センサ1、センサ2、センサ3の順番でその通過が検出される。詳しくは、まず、メダル流下通路133の上流側上端のセンサ1によりメダルの上端が検出され、次いで、メダル流下通路133の下端のセンサ2によりメダルの下端が検出され、次いで、メダル流下通路133の下流側上端のセンサ3によりメダルの上端が検出される。
このため、メダル流下通路133を正常に流下するメダルのセンサ1〜3による検出状態の遷移、すなわちセンサ1〜3による検出状態の変化の履歴は、常に図14に示すタイミングチャートのようになる。
具体的には、センサ1のみ検出される状態a−b(センサ1:on、センサ2:off、センサ3:off)、センサ1、センサ2の双方が検出される状態b−c(センサ1:on、センサ2:on、センサ3:off)、センサ1〜3の全てが検出される状態c−d(センサ1:on、センサ2:on、センサ3:on)、センサ2、センサ3の双方が検出される状態d−e(センサ1:off、センサ2:on、センサ3:on)、センサ3のみ検出される状態e−f(センサ1:off、センサ2:off、センサ3:on)の順番でセンサ1〜3の検出状態が変化する。
このようにメダル流下通路133を正常に流下するメダルのセンサ1〜3による検出状態の遷移が常に同一パターンの状態遷移となるため、センサ1〜3による検出状態の遷移が異なった状態遷移となった場合にメダルの投入に関連した不正がなされている可能性がある。
S9のステップにおいて投入メダルセンサ31a〜cの検出状態の遷移が正常であると判定した場合にはS11のステップに進み、投入メダルセンサ31a〜cの検出状態の遷移が正常でないと判定した場合には、投入メダルセンサ31a〜cによる検出エラーを示す投入エラー2をRAM507に設定し(S10)、S11のステップに進む。
S11のステップでは、メダルの受付が許可された状態であるか否かを判定し、メダルの受付が許可された状態であればS13のステップに進み、メダルの受付が許可された状態でなければメダルの受付が許可されていない状態でメダルの投入が検出された旨を示す投入エラー3を設定し(S12)、S13のステップに進む。
S13のステップでは、シュートセンサ166がoffからonに変化したか否かを判定し、シュートセンサ166がoffからonに変化していない場合にはS15のステップに進み、シュートセンサ166がoffからonに変化した場合、すなわちメダルシュート160をメダルが通過した場合には、シュートセンサ166がoffからonに変化しないまま投入口センサ170にて検出されたメダル数を計数するためにRAM507に割り当てられた投入口通過カウンタの値を0に更新し(S14)、S15のステップに進む。
S15のステップでは、投入口センサ170がoffからonに変化したか否かを判定し、投入口センサ170がoffからonに変化していない場合にはS19のステップに進み、投入口センサ170がoffからonに変化したと判定した場合には、投入口通過カウンタの値を1加算し(S16)、投入口通過カウンタの値が第2規定値であるか否かを判定する(S17)。本実施例では、第2規定値として7が設定されている。これは、図15に示すように、メダル流下通路133からメダルシュート160にかけてメダルを敷き詰めた場合に、投入口センサ170または可動片163(シュートセンサ166)のいずれかで必ずメダルの通過が検出されることとなるメダル数が7であり、第2規定値として7を適用することにより、投入口センサ170にて7枚のメダルの通過が検出されているにも関わらず、シュートセンサ166にてメダルの通過が検出されていない場合、投入口センサ170にて検出されたメダルがメダルシュート160に流出していないことを検知することが可能となる。
S17のステップにおいて投入口通過カウンタの値が第2の規定値ではない場合にはS19のステップに進み、投入口通過カウンタの値が第2の規定値である場合、すなわち投入口センサ170にて検出されたメダルがメダルシュート160に流出していない場合には、投入されたメダルが貯留されていない旨を示す投入エラー4をRAM507に設定しS19のステップに進む。
S19のステップでは、シャッタセンサ183がoffからonに変化したか否かを判定し、シャッタセンサ183がoffからonに変化していない場合にはS22のステップに進み、シャッタセンサ183がoffからonに変化したと判定した場合には、シャッタ部材180をメダルが通過済みである旨を示すシャッタ通過フラグをRAM507に設定し(S20)、シャッタセンサ183のonが継続して検出されている時間、すなわちシャッタ部材180が継続して開放状態となっている時間を計時するためにRAM507に割り当てられたシャッタ検出時間カウンタの値を0に更新し(S21)、S22のステップに進む。
S22のステップでは、シャッタセンサ183がonであるか否かを判定し、シャッタセンサ183がonでなければS27のステップに進み、シャッタセンサ183がonであると判定した場合には、シャッタ検出時間カウンタの値を1加算し(S23)、シャッタ検出時間カウンタの値が第3規定値であるか否かを判定する(S24)。本実施例では、第3規定値として第1規定値よりも大きい447が設定されており、シャッタセンサ183の検出時間が約1001ms(447×2.24ms)以上となったか否かが判定される。
S24のステップにおいてシャッタ検出時間カウンタの値が第3規定値でない場合には、メダルの受付が許可された状態であるか否かを判定し(S25)、メダルの受付が許可された状態であればS27のステップに進む。
S24のステップにおいてシャッタ検出時間カウンタの値が第3規定値であると判定した場合、またはS25のステップにおいてメダルの受付が許可されていない状態であると判定した場合には、シャッタ部材180の通過に関連したエラーを示す投入エラー5をRAM507に設定し(S26)、S27のステップに進む。
S27のステップでは、シャッタセンサ183がonからoffに変化したか否かを判定し、シャッタセンサ183がonからoffに変化していない場合にはS29のステップに進み、シャッタセンサ183がonからoffに変化したと判定した場合には、シャッタセンサ183がonからoffに変化した後、シャッタ通過フラグをクリアするまでの時間を計数するためにRAM507に割り当てられた投入検出待ちカウンタの値を0に更新し(S28)、S29のステップに進む。
S29のステップでは、シャッタセンサ183がoffであるか否かを判定し、シャッタセンサ183がoffであると判定した場合には、さらにシャッタ通過フラグが設定されているか否かを判定する。
S29のステップにおいてシャッタセンサ183がonの場合、またはS30のステップにおいてシャッタ通過フラグが設定されていない場合には投入エラー検出処理を終了する。
S30のステップにおいてシャッタ通過フラグが設定されていると判定した場合には、投入検出待ちカウンタの値を1加算し(S31)、投入検出待ちカウンタの値が第4規定値であるか否かを判定する(S32)。本実施例では、第4規定値として447が設定されており、シャッタセンサ183がonからoffに変化した後、約1001ms(447×2.24ms)の時間が経過したか否かが判定される。この時間は、メダルがシャッタ部材180を通過した後、投入メダルセンサ31a〜cを通過するまでに十分な時間である。
S32のステップにおいて投入検出待ちカウンタの値が第4規定値でなければ投入エラー検出処理を終了し、投入検出待ちカウンタの値が第4規定値であると判定した場合にはシャッタ通過フラグをクリアし(S33)、投入エラー検出処理を終了する。
このように投入エラー検出処理では、メダルの投入に関連する異常が検知されるようになっており、メダルの投入に関連する異常が検知されると検知された異常の種類に応じた投入エラー1〜5のいずれかがRAM507に設定されることとなる。そして、投入エラー検出処理においてRAM507に投入エラー1〜5が設定されると、当該投入エラー検出処理を実行したタイマ割込処理(メイン)の終了後、基本処理に復帰した際に、リセット操作が検出されるまでゲームの進行が不能化されるエラー状態に制御されるようになっている。この際、投入エラー1〜5に対応するエラーコードがそれぞれ遊技補助表示器12に表示されるようになっており、エラー状態を解除する前に投入エラーの原因を特定できるようになっている。
尚、メダルの受付が許可されていない状態からメダルの受付が許可された状態に切り替わった場合、投入エラー1〜5が設定されたことに伴うエラー状態に制御され、当該エラー状態が解除された場合には、RAM507における投入検出時間カウンタの値、投入口通過カウンタの値、シャッタ検出時間カウンタの値、投入検出待ちカウンタの値が全て0に更新されるとともに、シャッタ通過フラグはクリアされるようになっている。
このように本実施例のスロットマシンでは、投入メダルセンサ31a〜cにて正常にメダルの通過が検出されることで賭数の設定やクレジットの加算処理に用いられるメダルの投入を判定するようになっている。
また、投入メダルセンサ31a〜cの全てがoffの状態からいずれかがonとなった後、投入メダルセンサ31a〜cのいずれかがonのまま継続している時間、すなわち投入メダルセンサ31a〜cのいずれかが連続して検出されている状態が、これら投入メダルセンサ31a〜cをメダルが通過するのに要する時間よりも長く設定された判定時間(本実施例では、約100ms)に到達した場合には、メダル流下通路133の投入メダルセンサ31a〜c付近にメダルが詰まっている可能性があり、このような場合には、投入エラー1が設定され、エラー状態に制御されるようになっている。
また、正常なメダルが投入された場合に、投入メダルセンサ31a〜cによる検出状態の遷移が常に同一パターンとなるが、投入メダルセンサ31a〜cによる検出状態が正常なパターンと異なる場合には、投入メダルセンサ31a〜cに擬似的にメダルを検出させる不正や、投入メダルセンサ31a〜cに検出されたメダルを引き戻す不正がされている可能性があり、このような場合には、投入エラー2が設定され、エラー状態に制御されるようになっている。
また、メダルの受付が許可された状態のみ、流路切替ソレノイド30がonとなってメダル流下通路133における投入メダルセンサ31a〜cが配置された位置をメダルが通過することとなり、メダルの受付が許可されていない状態で投入メダルセンサ31a〜cがメダルの通過を検出した場合には、流路の切替に不具合があるか、投入メダルセンサ31a〜cに検出されたメダルを引き戻す不正がされている可能性があり、このような場合には、投入エラー3が設定され、エラー状態に制御されるようになっている。
また、メダル流下通路133の流入口141付近には、流入口141からメダル流下通路に流入したメダルの通過を検出する投入口センサ170が設けられるとともに、メダル流下通路133の流出口142から流出したメダルをホッパータンク134aに案内するメダルシュート160には、メダルシュート160におけるメダルの通過を検出するシュートセンサ166が設けられており、図16に示すように、メダルが投入されて投入口センサ170にその通過が検出された回数が、シュートセンサ166にてメダルの通過が検出されることなく、投入口センサ170の位置からシュートセンサ166にてメダルの通過を検出する可動片163までの流路上にメダルを敷き詰めた場合に、その間に敷き詰められるメダル数以上のメダル数(本実施例では7枚)となった場合、すなわち投入メダルセンサ31a〜cの上流側でメダルの通過が検出されたにも関わらず、投入メダルセンサ31a〜cの下流側でメダルの通過が検出されていない場合には、投入メダルセンサ31a〜cに擬似的にメダルを検出させる不正や、投入メダルセンサ31a〜cに検出されたメダルを引き戻す不正がされている可能性があり、このような場合には、投入エラー4が設定され、エラー状態に制御されるようになっている。
また、シュートセンサ166は、可動片163が退避した状態を検出することでメダルの通過を検出することとなるが、メダルの通過後も可動片163が退避した状態から戻らず、シュートセンサ166がメダルの通過を検出した状態が継続してしまうことがあり、このような場合には、その後メダルシュート160をメダルが通過したか否かを検知できなくなってしまうこととなる。このため、図17に示すように、メダルが投入されて投入口センサ170にその通過が検出された回数が、シュートセンサ166がonのまま変化することなく、投入口センサ170の位置からシュートセンサ166にてメダルの通過を検出する可動片163までの流路上にメダルを敷き詰めた場合に、その間に敷き詰められるメダル数以上のメダル数(本実施例では7枚)となった場合にも、投入エラー4が設定され、エラー状態に制御されるようになっている。
また、投入口センサ170でメダルの通過が検出されたにも関わらず、シュートセンサ166にてメダルの通過が検出されない原因として、途中でメダルが詰まっている可能性が考えられるが、このような状況においてメダル詰まりを示す投入エラー1が判定され、メダルを取り除いてエラー状態を解除した場合、メダルは取り除かれているため、シュートセンサ166にてメダルの通過が検出されることはないが、その後、そのまま投入口センサ170でメダルの通過が検出される毎に計数を行い、その計数値が7枚に到達すると、実際には、メダルシュート160を7枚のメダルが通過することがないにも関わらず投入エラーが判定されてしまうこととなるため、本実施例では、図18に示すように、投入エラーが解除された時点で投入口カウンタの値、すなわち投入口センサ170でメダルの通過が検出された回数がクリアされ、エラー解除後、改めて計数されるようになっており、途中でメダル詰まりが生じた場合であっても、その後、メダル詰まりが解消したことに伴って誤って投入エラーが判定されてしまうことを防止できる。
また、メダル流下通路133の流入口141付近には、メダル流下通路133を閉鎖するシャッタ部材180が設けられており、メダル投入部4から投入されたメダルは、シャッタ部材180を押し開いてメダル流下通路133を流下するようになっている。また、シャッタ部材180が開放状態となった旨がシャッタセンサ183により検出されるようになっている。そして、シャッタセンサ183がシャッタ部材180の開放状態を検出した後、シャッタセンサ183がシャッタ部材180の閉鎖状態を検出してから投入メダルセンサ31a〜cを通過するのに要する時間よりも長く設定された検出待ち時間が経過するまでの期間以外で投入メダルセンサ31a〜cのいずれかでメダルの通過を検出した場合、すなわちメダルがシャッタ部材180を通過していないにも関わらず、投入メダルセンサ31a〜cがメダルの通過を検出した場合には、投入メダルセンサ31a〜cに擬似的にメダルを検出させる不正や、投入メダルセンサ31a〜cに検出されたメダルを引き戻す不正がされている可能性があり、このような場合には、投入エラー5が設定され、エラー状態に制御されるようになっている。
また、メダルが流下するとき以外は、シャッタ部材180は常に閉鎖状態に付勢されており、メダルの通過後にシャッタ部材180が閉鎖状態に戻るのに要する時間よりも長く設定された判定時間が経過してもシャッタセンサ183がシャッタ部材180の開放状態を検出している場合には、メダル流下通路133にメダルが詰まっているか、不正器具などのメダル以外の異物が挿入されている可能性があり、このような場合には、投入エラー5が設定され、エラー状態に制御されるようになっている。
また、シャッタ部材180は、メダルの受付が許可されていない状態や投入口センサ170がメダルの通過を検出していない状態では、閉鎖状態で固定され、シャッタ部材180よりも下流側にメダルが流下しないようになっており、このような状況でシャッタセンサ183がシャッタ部材180の開放状態が検出された場合には、メダル流下通路133にメダルが詰まっているか、不正器具などのメダル以外の異物が挿入されている可能性があり、このような場合には、投入エラー5が設定され、エラー状態に制御されるようになっている。
本実施例では、メダル投入部4から投入されたメダルの真偽を判別する投入メダルセレクタ131内のメダル流下通路133のメダルの通過を検出する投入口センサ170、投入メダルセレクタ131にて真と判定されて流出したメダルをホッパータンク134aに誘導するメダルシュート160のメダルの通過を検出するシュートセンサ166を備えており、メダル流下通路133の投入口センサ170にてメダルの通過が検出されたにも関わらず、メダルシュート160のシュートセンサ166にてメダルの通過を検出しない場合に、メダルが真と判定されて賭数が設定されたりクレジットが加算されたりしたにも関わらず、メダルがホッパータンク134aに貯留されていない可能性、すなわちメダルの投入のみ判定させてメダルを戻したり、メダルを実際に投入していないにも関わらずメダルの投入のみ判定させる不正行為がされている可能性があり、このような場合には、投入エラーと判定され、エラー状態に制御されるようになっている。
この際、メダル流下通路133の投入口センサ170がメダルの通過を検出する位置からメダルシュート160のシュートセンサ166がメダルの通過を検出する位置までメダルが流下するのに要する時間を基準として投入エラーの判定を行う構成とした場合には、流下通路の設置状況や流下通路の劣化、メダルの個体差等による複数の要因によって投入口センサ170がメダルの通過を検出する位置からシュートセンサ166がメダルの通過を検出する位置までのメダルの流下時間にばらつきが生じることとなり、このような流下時間のばらつきを考慮して投入口センサ170がメダルの通過を検出してから投入エラーが判定されるまでの時間を設計上の流下時間よりも長く設定すると不正行為が見逃されてしまう可能性がある一方で、投入口センサ170がメダルの通過を検出してから投入エラーが判定されるまでの時間を設計上の流下時間に近い時間に設定すると投入エラーが頻繁に判定されてしまうという問題が生じることとなる。
このため、本実施例では、メダルが投入されて投入口センサ170にその通過が検出された回数が、シュートセンサ166にてメダルの通過が検出されることなく、メダル流下通路133の投入口センサ170の位置からメダルシュート160のシュートセンサ166にてメダルの通過を検出する可動片163までの流路上にメダルを敷き詰めた場合に、その間に敷き詰められるメダル数以上のメダル数(本実施例では7枚)となった場合に投入エラーと判定するようになっている。すなわち投入口センサ170の位置からシュートセンサ166にてメダルの通過を検出する可動片163までの流路上にメダルを敷き詰めた場合に、その間に敷き詰められるメダル数以上のメダル数が投入口センサ170にて検出されていれば、必ずシュートセンサ166にてその通過が検出されるはずであり、それにも関わらずシュートセンサ166がメダルの通過を検出していないことにより投入エラーを判定するようになっている。
この際、投入口センサ170の位置からシュートセンサ166にてメダルの通過を検出する可動片163までの流路上に敷き詰められるメダル数、すなわち投入エラーを判定する基準となるメダル数は、流下時間のように流下通路の設置状況や流下通路の劣化、メダルの個体差等によってばらつきが生じることがほとんどなく、メダルが真と判定されて賭数が設定されたりクレジットが加算されたりしたにも関わらず、メダルがホッパータンク134aに貯留されていない可能性を正確に検知することができる。
尚、本実施例では、メダル流下通路133内のメダルの通過を検出する検出手段として投入口センサ170、すなわちメダルの投入が判定される位置(本実施例では投入メダルセンサ31a〜cの位置)よりも上流側に配置された検出手段を適用しているが、少なくとも投入メダルセレクタ131のメダル流下通路内のメダルの通過を検出する検出手段であれば良い。
例えば、投入メダルセンサ31a〜cにてメダルの投入が判定された回数(検出状態の遷移が正常と判定された回数)が、シュートセンサ166にてメダルの通過が検出されることなく、投入メダルセンサ31a〜cがメダルの投入を判定する位置からシュートセンサ166にてメダルの通過を検出する可動片163までの流路上にメダルを敷き詰めた場合に、その間に敷き詰められるメダル数以上のメダル数(本実施例では7枚)となった場合に投入エラーと判定する構成としても良く、このような構成においても、メダルが真と判定されて賭数が設定されたりクレジットが加算されたりしたにも関わらず、メダルがホッパータンク134aに貯留されていない可能性を正確に検知することができる。この場合には、投入口センサ170などの投入メダルセンサ31a〜cよりも上流側にメダルの通過を検出する検出手段を設けない構成であっても良い。
また、投入メダルセンサ31a〜cのうちいずれか特定のセンサにてメダルの通過が判定された回数(例えば、投入メダルセンサ31aのoffからonへの変化が検出された回数)が、シュートセンサ166にてメダルの通過が検出されることなく、投入メダルセンサ31a〜cのうち特定のセンサがメダルの通過を判定する位置からシュートセンサ166にてメダルの通過を検出する可動片163までの流路上にメダルを敷き詰めた場合に、その間に敷き詰められるメダル数以上のメダル数(本実施例では7枚)となった場合に投入エラーと判定する構成としても良く、このような構成においても、メダルが真と判定されて賭数が設定されたりクレジットが加算されたりしたにも関わらず、メダルがホッパータンク134aに貯留されていない可能性を正確に検知することができる。この場合にも、投入口センサ170などの投入メダルセンサ31a〜cよりも上流側にメダルの通過を検出する検出手段を設けない構成であっても良い。
また、本実施例では、遊技媒体として円盤状のメダルを用いた例について説明しているが、遊技媒体は流下経路上を流下可能な構成であれば良く、遊技媒体としてパチンコ球などの遊技球を用いても良く、この場合でも、パチンコ球の真偽を判定する判定装置内の検出手段にて遊技球の通過が検出された回数が、判定装置から貯留部(遊技島のタンクなど)へ誘導する誘導通路の検出手段にて遊技球の通過が検出されることなく、判定装置内の検出手段が遊技球の通過を検出する位置から誘導通路の検出手段が遊技球の通過を検出する位置までの流路上に遊技球を敷き詰めた場合に、その間に敷き詰められる遊技球数以上の遊技球数となった場合に投入エラーと判定する構成であれば、上記と同様に、遊技球が真と判定されて遊技に用いられているにも関わらず、遊技球が貯留部に貯留されていない可能性を正確に検知することができる。
また、本実施例では、シュートセンサ166がメダルの通過を検出した際に、投入口センサ170にその通過が検出された回数をクリアするとともに、投入口センサ170にその通過が検出された回数がクリアされずに、投入口センサ170の位置からシュートセンサ166にてメダルの通過を検出する可動片163までの流路上にメダルを敷き詰めた場合に、その間に敷き詰められるメダル数以上のメダル数(本実施例では7枚)となった場合に投入エラーが判定される構成であるが、シュートセンサ166がメダルの通過を検出する毎に、投入口センサ170にメダルの通過が検出された回数を1減算するとともに、投入口センサ170にメダルの通過が検出された回数が、投入口センサ170の位置からシュートセンサ166にてメダルの通過を検出する可動片163までの流路上にメダルを敷き詰めた場合に、その間に敷き詰められるメダル数以上のメダル数(本実施例では7枚)となった場合に投入エラーが判定される構成としても良い。
また、本実施例では、メダルシュート160のメダルの通過を検出する検出手段であるシュートセンサ166が、メダルの通過に連動して動作する可動片163の動作を検知することでメダルの通過を検出する物理センサにて構成されているので、光学センサに比較してメダルの通過を擬似的に検出させることが困難となるため、不正行為に際して下流側のシュートセンサ166を擬似的に検出させることにより投入エラーを判定させないようにすることを防止できる。
また、本実施例では、流入口141付近にメダル流下通路133を閉鎖状態とするシャッタ部材180及びシャッタ部材180の状態を検出するシャッタセンサ183が設けられており、シャッタ部材180の開放状態がメダルの通過に要する時間よりも長く設定された判定時間以上となった場合に投入エラーと判定され、エラー状態に制御されるようになっており、メダル流下通路133内に不正器具などの異物が挿入された場合でも、その旨が検知されるようになっており、不正器具の使用を未然に防止することが可能となる。
尚、本実施例では、投入口センサ170とは別に、シャッタ部材180の状態を検出するシャッタセンサ183をそれぞれ設ける構成であるが、投入口センサ170を設け、シャッタ部材180及びシャッタセンサ183を設けず、投入口センサ170にてメダル流下通路133内に異物が侵入した旨を検知する構成としても良いし、投入口センサ170を設けずにシャッタ部材180及びシャッタセンサ183を設け、シャッタセンサ183にてメダル流下通路133を通過するメダルの検出及びメダル流下通路133内に異物が侵入した旨を検知する構成としても良く、このような構成とすることで、流入口141付近に2つの検出手段を搭載することなく、メダル流下通路133を通過するメダルの検出と、メダル流下通路133内に不正器具が挿入されていることの検知と、を行うことが可能となる。
また、本実施例では、メダルシュート160の上方が開放されている構成であるが、メダルシュート160の上方を開放させずに被覆部材にて被覆する構成、すなわちメダルシュート160のホッパータンク134aへの排出口以外が被覆される構成としても良く、このような構成とすることで、メダルシュート160内へのアクセスが困難となり、投入メダルセレクタ131から流出したメダルをメダルシュート160から取り出し、ホッパータンク134aへ貯留させずに外部へ返却させる不正を防止できるとともに、メダルシュート160のホッパータンク134aへの排出口以外が被覆されることで、メダルシュート160のメダルの通過を検出する際に動作する動作片163へのアクセスも困難となり、動作片163を擬似的に動作させて不正の検知を免れるようにすることも困難となる。すなわちメダルシュート160のホッパータンク134aへの排出口以外が被覆されることで、投入メダルセレクタ131から流出したメダルをメダルシュート160から取り出し、ホッパータンク134aへ貯留させずに外部へ返却させる不正並びに動作片163を擬似的に動作させて不正の検知を免れるようにする行為の双方を防止することができる。
以上、本発明の実施例を説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例ついて説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。