JP2014056795A - 光源ユニットの製造方法、光源装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源装置1において、放電灯500と、主反射鏡112とが固着材116によって固定されている。音響共鳴によって一対の電極610、710の電極間電圧の変化に生じる複数の波形ピークのうち、駆動周波数のより周波数が低く最も近接した波形ピークを第1ピーク、駆動周波数より周波数が高く最も近接した波形ピークを第2ピークとし、第1ピークにおいて振動の大きさが最大値の半分となる周波数であって高い側の周波数を第1周波数、第2ピークにおいて振動の大きさが最大値の半分となる周波数であって低い側の周波数を第2周波数としたとき、駆動周波数が第1周波数から第2周波数までの範囲に入るように第1封止部51と主反射鏡112とを固定する。
【選択図】図1
Description
なお、第1範囲の上限周波数は、第1ピークにおいて振動の大きさが最大値の半分となる周波数であって高い側の周波数を第1周波数であり、第2範囲の下限周波数は、第2ピークにおいて振動の大きさが最大値の半分となる周波数であって低い側の第2周波数である。
前記第1ピークの半値幅を含めた周波数範囲を第1範囲とし、前記駆動周波数から高周波側に周波数を変化させた際に、最も前記駆動周波数に近い振動ピークを第2ピークとし、前記第2ピークの半値幅を含めた周波数範囲を第2範囲とし、前記駆動周波数が前記第1範囲よりも高周波数であり、かつ、前記駆動周波数が前記第2範囲よりも低周波数であるように、前記放電灯と前記反射鏡とが所定の固定条件で固定されていることを特徴とする。
この発明の一態様によれば、電極間電流の変化に着目して、第1範囲よりも高周波数であり、かつ、駆動周波数が第2範囲よりも低周波数であるように、固定条件を決定して固定するから、音響共鳴の影響を受けにくく、電極の損傷を低減し、信頼性の高い光源装置を提供することができる。
図1は、光源装置の構造の一例を示す図である。この図に示されるように、光源装置1は、放電灯500を有する光源ユニット110と、放電灯500を駆動する駆動装置200とを有する。放電灯500は、駆動装置200から電力の供給を受けて放電して、光を放射する。
光源ユニット110は、放電灯500と、凹状の反射面を有する主反射鏡112と、出射光をほぼ平行光にする平行化レンズ114とを含む。主反射鏡の凹部の中心には貫通穴113が設けられている。主反射鏡112と放電灯500とは、固着材116により固定されている。また、主反射鏡112は、放電灯500側の面(内面)が反射面となっており、この反射面は、図示の構成では、回転楕円面をなしている。
放電灯本体510には、一対の電極610、710と、一対の導電性を有する接続部材620、720と、一対の電極端子630、730とが設けられている。電極610、710は、空洞部512に取り付けられている。詳細には、各電極610、710の先端部は、放電灯本体510の空洞部512において、互いに所定距離離間し、互いに対向するように取り付けられている。このうち、電極(第1電極)610と電極端子630とは、接続部材620により互い電気的に接続されている。同様に、電極(第2電極)710と電極端子730とは、接続部材720により互いに電気的に接続されている。電極端子630、730は、それぞれ駆動装置200の出力端子に接続されている。第1封止部51は、電極端子630、接続部材620及び電極610を封止し、第2封止部52は、電極端子730、接続部材720及び電極710を封止する。
なお、本実施形態において、放電灯500は、副反射鏡520を備えているが、放電灯500は副反射鏡520を備えていない構成であっても良い。
図2に示されるように、電極610は、芯棒612と、コイル部614と、本体部616とを有している。この電極610は、放電灯本体510内への封入前の段階において、芯棒612に電極材の線材を巻き付けてコイル部614を形成し、形成されたコイル部614を加熱・溶融することにより形成される。これにより、電極610の先端側には、熱容量が大きい本体部616が形成される。電極710についても、芯棒712と、コイル部714と、本体部716とを有しており、電極610と同様に形成される。
なお、各電極610、710の構成材料としては、例えば、タングステン等の高融点金属材料等が挙げられる。
また、供給部30は、定電流源31とブリッジ接続されたスイッチSw1〜Sw4とを備える。定電流源31は、その正極出力端(+)から負極出力端(−)に戻ってくる電流値が制御部33から指定された値で一定となるように制御するものである。
スイッチSw1〜Sw4は、それぞれ制御部33によってオン(閉成)状態、オフ(開放)状態が制御されるものであり、このうち、スイッチSw1、Sw4が組をなして同一状態に制御され、同様にスイッチSw2、Sw3が組をなして同一状態に制御される。ただし、スイッチSw1、Sw4の組と、スイッチSw2、Sw3の組とが同時にオン状態とはならずに、互いに排他的にオン状態になるように制御される。
スイッチSw1は、定電流源31の正極出力端(+)と放電灯500の電極端子630との間に電気的に介挿され、スイッチSw2は、電極端子630と定電流源31の負極出力端(−)との間に電気的に介挿されている。スイッチSw3は、定電流源31の正極出力端(+)と放電灯500の電極端子730との間に電気的に介挿され、スイッチSw4は、電極端子730と定電流源31の負極出力端(−)との間に電気的に介挿されている。
電圧計35は、定電流源31の正極出力端(+)と負極出力端(−)と間の電圧を測定して、その測定値を制御部33に供給する。
なお、本説明において、電極610、710の間に流れる電流(または電圧)については、電極610から電極710に向かって流れる場合を正の値(正極性)とし、反対に電極710から電極610に向かって流れる場合を負の値(負極性)とする。ただし、電圧計35で測定される電圧は、電極610、710に流れる電流の方向にかかわらず、電極610、710の間の電圧の絶対値(正値)である。
すなわち、図5に示される高周波駆動によれば、上述したように放電の安定性が得られるほか、電極610、710を含む放電灯500での温度変化が小さいため、黒化を抑制・回復するための化学反応が安定的となり、黒化や、それに伴う失透等を防止することができる。このため、放電灯の寿命の低下が抑制される。
ただし、高周波駆動では、電極610、710の間で発生するアーク放電のために、当該電極610、710が高温になって溶融するので、電極間の距離が徐々に広がってくる。電極間の距離が広がると、光の利用効率が低下するだけでなく、電極間のインピーダンスが変化して、無効電力が増加する結果、効率が低下するなどの問題が発生する。
ただし、低周波電流を放電灯500に供給する駆動方法では、放電灯500での温度変化が大きいため、黒化を抑制するための化学反応が不安定的となり、黒化や失透等が生じて放電量の寿命が低下する、という問題がある。
詳細には、第1に、電極610、710の間の電圧に上限値Vmax及び下限値Vminを予め設定しておく。上述したように、駆動装置200は、電極610、710には定電流を流すので電極間距離が広くなるにつれて、電極610、710の間の電圧が高くなる。このため、電極間電圧は、電極610、710の距離を示すことになる。
第2に、例えば高周波電流を供給しつつ、電極間電圧を測定し、当該測定電圧が上限値Vmaxに達したとき、高周波駆動から低周波駆動に切り替える。なお、低周波駆動に切り替えると、図7に示されるように、電極間電圧が低下して、電極間距離が次第に狭まる。一方で、黒化が発生するのは避けられない。
第3に、測定した電圧が下限値Vminに達したとき、低周波駆動から高周波駆動に切り替える。なお、高周波駆動に切り替えると、同図に示されるように、電極間電圧が徐々に上昇して、電極間距離が徐々に広がる、一方で、低周波駆動で発生した黒化は、上記化学反応によって回復する場合がある。
音響共鳴周波数fcは、放電灯500の形状にもよるが、プロジェクターに用いられる小型のものでは、数十kHz(例えば60kHz)であることが多い。但し、交流電流の周波数がfc/2n(但し、nは自然数)の場合にも音響共鳴が発生する。
ここで、実施例は、図1乃至図3に示した光源装置1であって、図2に示した放電灯500が用いられる。この実施例の駆動条件は以下の通りである。
放電灯本体の構成材料:石英ガラス
放電灯本体内の封入物:アルゴン、水銀、臭素メチル
放電灯本体内の点灯時の気圧:200atm
電極の構成材料:タングステン
電極間距離:1.1mm
定格電力:200W
高周波電流の周波数:4.5kHz(矩形波、Duty比50%)
固着位置:15mmに設定
固着位置:3mm〜15mmの範囲で適宜設定
他の条件は実施例と同じ
実施例及び比較例について、各10本のサンプルについて点灯試験を行い1000時間経過した時点で電極状態を調べた。実施例では電極折れが無かったが、比較例では3本の電極折れが観測された。予め固着位置Qと音響共鳴による電極間電圧の周波数特性を測定して、固着位置Qを定めることにより、電極折れを低減することができた。
次に、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態においては、電極間電圧を測定することによって、固着位置Qを決定した。第2実施形態は、放電灯500の光量を測定することによって固着位置Qを決定する点を除いて第1実施形態と同様である。
ここで、実施例は、図1乃至図3に示した光源装置1であって、図2に示した放電灯500が用いられる。この実施例の駆動条件は以下の通りである。
放電灯本体の構成材料:石英ガラス
放電灯本体内の封入物:アルゴン、水銀、臭素メチル
放電灯本体内の点灯時の気圧:200atm
電極の構成材料:タングステン
電極間距離:1.1mm
定格電力:200W
高周波電流の周波数:4.5kHz(矩形波、Duty比50%)
固着位置:15mmに設定
固着位置:3mm〜15mmの範囲で適宜設定
他の条件は実施例と同じ
実施例及び比較例について、各10本のサンプルについて点灯試験を行い1000時間経過した時点で電極状態を調べた。実施例では電極折れが無かったが、比較例では3本の電極折れが観測された。予め固着位置Qと音響共鳴による電極間電圧の周波数特性を測定して、固着位置Qを定めることにより、電極折れを低減することができた。
本発明は上述した第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。また、各種の変形例を及び実施形態は適宜組み合わせてもよい。(1)上述した第1実施形態及び第2実施形態では、放電灯500と主反射鏡112とを石膏などの固着材116で固定したが、両者が固定できるのであれば、どのような方法で固定してもよい。
(2)光源装置1は高周波駆動と低周波駆動とを組み合わせた組み合わせ駆動を一例として説明したが、1kHz以上の周波数で駆動する高周波駆動のみを用いてもよい。
(3)高周波駆動において複数の駆動周波数faを切り替えてもよい。この場合は、複数の駆動周波数faのいずれにおいても、距離LがLx〜-Lyの範囲内に入ることが好ましい。
次に、上述した光源装置1を適用したプロジェクターについて説明する。
図14は、このプロジェクターの外観構成の一例を示す図である。この図に示されるように、プロジェクター2100は据え置き型であり、その正面に、映像を投射するための投射レンズ2114が設けられ、その天板に、電源の投入/遮断を指示するプッシュオン型のスイッチ38が設けられている。
この図に示されるように、プロジェクター2100は、透過型の液晶ライトバルブ100R、100G、100Bを用いた、いわゆる3板式である。
プロジェクター2100の内部には、上述した光源装置1が設けられ、駆動装置200から放電灯500に交流電流が供給されて、白色光が当該放電灯500から放出されるとともに、主反射鏡などの光学部材によって図において3時方向に射出する。射出された白色光は、内部に配置された3枚のミラー2106及びダイクロイックミラー2108、2109によってR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に分離されて、各原色に対応する液晶ライトバルブ100R、100G及び100Bにそれぞれ入射する。詳細には、ダイクロイックミラー2108は、図において9時方向から入射した白色光のうち、Rの波長域の光を透過し、残りのG、Bの波長域の光を6時方向に反射させる。ダイクロイックミラー2109は、12時方向から入射したG、Bの波長域の光のうち、Bの波長域の光を透過し、それ以外のGの波長域の光を3時方向に反射させる。なお、Bは、RやGと比較すると、光路が長いので、その損失を防ぐために、入射レンズ2122、リレーレンズ2123及び出射レンズ2124からなるリレーレンズ系2121を介して導かれる。
液晶ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、このダイクロイックプリズム2112において、R及びBの光は90度に屈折する一方、Gの光は直進する。したがって、各色の変調光が合成された後、投射レンズ2114によってカラー画像がスクリーン2120に投射されることとなる。これらの光学系は、液晶ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光を投射する投射装置として機能する。
なお、光源装置1を用いた電子機器は、プロジェクターに限定されるものではなく、照明装置や高輝度の光源を必要とする機器に提供することができる。
Claims (10)
- 放電灯からの光を凹状の反射面で反射する反射鏡と前記放電灯とを所定の固定条件で固定して光源ユニットを製造する光源ユニットの製造方法であって、
前記放電灯は、電極に交流電流を供給すると振動し、
前記振動は、前記交流電流の周波数および前記固定条件に応じて振幅が変化し、
前記放電灯を発光させる時に使用する前記交流電流の周波数を駆動周波数としたとき、
前記駆動周波数から低周波側に周波数を変化させた際に、最も前記駆動周波数に近い振動ピークを第1ピークとし、
前記第1ピークの半値幅を含めた周波数範囲を第1範囲とし、
前記駆動周波数から高周波側に周波数を変化させた際に、最も前記駆動周波数に近い振動ピークを第2ピークとし、
前記第2ピークの半値幅を含めた周波数範囲を第2範囲とし、
前記駆動周波数が前記第1範囲よりも高周波数であり、かつ、前記駆動周波数が前記第2範囲よりも低周波数であるように、前記固定条件を決定して固定することを特徴とする光源ユニットの製造方法。 - 請求項1に記載の光源ユニットの製造方法において、
前記固定条件は、前記反射鏡に対する前記放電灯の固定位置によって決定されることを特徴とする光源ユニットの製造方法。 - 請求項1または2に記載の光源ユニットの製造方法において、
前記反射鏡は凹部の中心に貫通穴を備え、
前記放電灯の一部を前記貫通穴の内部に位置させ、前記貫通穴の前記反射面と逆側から前記反射面側に向けて所定の位置まで固着材を充填し、
前記固定条件は、前記固着剤の充填位置によって決定されることを特徴とする光源ユニットの製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の光源ユニットの製造方法において、
前記振動は、前記放電灯に前記交流電流を供給したときの電圧値によって検知される光源ユニットの製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の光源ユニットの製造方法において、
前記振動は、前記放電灯に前記交流電流を供給したときの電流値によって検知されることを特徴とする光源ユニットの製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の光源ユニットの製造方法において、
前記振動は、前記放電灯に前記交流電流を供給したときの前記放電灯から発する光の光量によって検知されることを特徴とする光源ユニットの製造方法。 - 放電灯と、
前記放電灯からの光を凹状の反射面で反射する反射鏡と、を有し、
前記放電灯は、交流電流を供給すると振動し、
前記振動は、前記交流電流の周波数および前記固定条件に応じて振幅が変化し、
前記放電灯を発光させる時に使用する前記交流電流の周波数を駆動周波数としたとき、
前記駆動周波数から低周波側に周波数を変化させた際に、最も前記駆動周波数に近い振動ピークを第1ピークとし、
前記第1ピークの半値幅を含めた周波数範囲を第1範囲とし、
前記駆動周波数から高周波側に周波数を変化させた際に、最も前記駆動周波数に近い振動ピークを第2ピークとし、
前記第2ピークの半値幅を含めた周波数範囲を第2範囲とし、
前記駆動周波数が前記第1範囲よりも高周波数であり、かつ、前記駆動周波数が前記第2範囲よりも低周波数であるように、前記放電灯と前記反射鏡とが所定の固定条件で固定されていることを特徴とする光源装置。 - 請求項7に記載の光源装置において、
前記反射鏡は凹部の中心に貫通穴を備え、
前記放電灯の一部を前記貫通穴の内部に位置させ、前記貫通穴の前記反射面と逆側から前記反射面側に向けて所定の位置まで固着材を充填し、前記固定条件は、前記固着剤の充填位置によって決定されていることを特徴とする光源装置。 - 前記固着材は石膏であることを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
- 請求項7乃至9のうちいずれか1項に記載の前記光源装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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JP2003308989A (ja) * | 2002-04-16 | 2003-10-31 | Mitsubishi Electric Corp | 高圧放電灯点灯装置 |
JP2009043698A (ja) * | 2007-07-17 | 2009-02-26 | Ushio Inc | 光源装置 |
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