JP2014056630A - 回路、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents

回路、電気光学装置、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】電源投入時に誤動作が発生しにくい回路を提供する事。
【解決手段】回路10は、選択回路10Sと、イネイブル回路10Eと、電源線と、選択回路10Sと電源線との間に配置された抵抗素子と、を有する。イネイブル回路10Eはイネイブル線ENB−Lと第二アンド回路S−ANDとを含む。抵抗素子は、電源投入時に第二アンド回路S−ANDの入力部を第一電位V1に規定する様に配置される。電源投入時に、第二アンド回路S−ANDの入力部が第一電位V1に規定されるので、第二アンド回路S−ANDを介して正電源と負電源との間に貫通電流が流れ続ける事態を回避できる。又、第一電位V1を負電源電位VSSとすれば、イネイブル線ENB−Lに選択信号が供給されても、その瞬間に過電流が発生する事はない。こうした原理に基づき、電源電位が安定し、回路が誤動作を起こす事態を回避する事ができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路、電気光学装置、及び電子機器に関する。
表示機能が付いた電子機器では、透過型電気光学装置や反射型電気光学装置が使用されている。これらの電気光学装置に光が照射され、電気光学装置により変調された透過光や反射光が表示画像となったり、或いはスクリーンに投影されて投射画像となったりしている。この様な電子機器に使用される電気光学装置としては液晶装置が知られており、これは液晶の誘電異方性と液晶層における光の旋光性とを利用して画像を形成するものである。
液晶装置の一例は特許文献1に記載されている。特許文献1の図1に記載されている回路ブロック図では、画像表示領域に走査線とデータ線とが配置されている。これらの交点に画素が行列状に配置され、各画素に信号を供給する走査線駆動回路とデータ線駆動回路とが画像表示領域の周辺に形成されている。走査線駆動回路にはクロック信号で制御されるシフトレジスター回路が含まれており、複数の走査線から特定の走査線を選択している。走査線駆動回路の一例は特許文献1の図4に記載されている。特許文献1の図4では、隣り合う2つの転送単位回路UBkからの出力がナンド回路NAND10に入力され、ナンド回路NAND10の出力とY側第3クロック信号YEN1の反転信号とがナンド回路NAND11に入力され、ナンド回路NAND11の出力が走査線に連なる回路構成とされている。
特開2005−166139号公報
しかしながら、特許文献1に記載の液晶装置では、液晶装置の電源投入時に正電源と負電源との間に大きな過電流が発生するという課題があった。正電源と負電源との間に大きな過電流が発生すると、電源電位が揺動するので、液晶装置は誤動作を起こしたり、或いは表示不能になったりする。この課題は電源が小さな電池である携帯型の電子機器で取り分け深刻となっていた。換言すると、従来の回路やこれを用いた電気光学装置では、回路構成が適切でない為に、安定的な画像表示を行い難いという課題があった。
本発明は、前述の課題の少なくとも一部を解決する為になされたものであり、以下の形態又は適用例として実現する事が可能である。
(適用例1) 本適用例に係わる回路は、選択回路と、イネイブル回路と、電源線と、選択回路と電源線との間に配置された抵抗素子と、を有し、選択回路はシフトレジスター回路と第一アンド回路とを含み、イネイブル回路はイネイブル線と第二アンド回路とを含み、シフトレジスター回路はp個(pは3以上の整数)のDラッチを含み、Dラッチはローカル入力部とローカル出力部とを備え、i段目(iは1以上p−1以下の整数)のDラッチのローカル出力部とi+1段目のDラッチのローカル入力部とが電気的に接続され、i段目のDラッチのローカル出力部とi+1段目のDラッチのローカル出力部とがi段目の第一アンド回路の入力部に電気的に接続され、i段目の第一アンド回路の出力部とイネイブル線とがi段目の第二アンド回路の入力部に電気的に接続され、抵抗素子は、電源投入時にi段目の第二アンド回路の入力部を第一電位に規定する事を特徴とする。
この構成によれば、第二アンド回路の入力部が第一電位に規定されるので、第二アンド回路を介して正電源と負電源との間に貫通電流が流れ続ける事態を回避できる。従って、電源投入時に貫通電流に起因する過電流が発生する事態を回避する事ができる。又、第一電位を負電源電位とすれば、第二アンド回路の出力はイネイブル線に供給される電位に係わらず、負電源電位となるので、イネイブル線に選択信号(正電源電位)が供給されても、その瞬間に過電流が発生する事はない。即ち、イネイブル線に選択信号を入れた際に過電流が発生する事態を回避する事ができる。こうした原理に基づき、電源電位が安定し、回路が誤動作を起こしたり、或いは回路を用いた電気光学装置が表示不能になったりする事態を回避する事ができる。換言すると、電気光学装置で安定的な画像表示を行う事ができる。
(適用例2) 上記適用例に係わる回路において、抵抗素子は、Dラッチと電源線との間に配置される事が好ましい。
この構成によれば、電源投入時には第二アンド回路の入力部を第一電位に規定する事ができる。従って、電源投入時やイネイブル線に選択信号を供給した際に、電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。即ち、電気光学装置で安定的な画像表示を行う事ができる。
(適用例3) 上記適用例に係わる回路において、電源線は、第一電位を提供する第一電源線と、第二電位を提供する第二電源線とを含み、抵抗素子は第一抵抗素子を含み、第一抵抗素子の一端はローカル出力部に電気的に接続され、第一抵抗素子の他端は第一電源線に電気的に接続される事が好ましい。
この構成によれば、電源投入時には第二アンド回路の入力部を第一電位に規定する事ができる。従って、電源投入時に、電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。又、第一電位を負電源電位とし第二電位を正電源電位とすれば、イネイブル線に選択信号を供給した際に、電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。即ち、電気光学装置で安定的な画像表示を行う事ができる。
(適用例4) 上記適用例に係わる回路において、電源線は、第一電位を提供する第一電源線と、第二電位を提供する第二電源線とを含み、抵抗素子は第二抵抗素子を含み、Dラッチは、少なくともパスゲートと2k個(kは1以上の整数)のインバーターとメモリコントロラーとを含み、ローカル入力部とローカル出力部との間にパスゲートと2k個のインバーターとが直列に電気的に接続され、パスゲートとローカル出力部との間にメモリコントロラーが2k個のインバーターと並列に電気的に接続され、2k個のインバーターの各々はインバーター入力電極とインバーター出力電極とを備え、パスゲートはパスゲート入力電極とパスゲート出力電極とを備え、メモリコントロラーはメモリコントロラー第一電極とメモリコントロラー第二電極とを備え、n番目(nは1以上2k−1以下の整数)のインバーターのインバーター出力電極とn+1番目のインバーターのインバーター入力電極とが電気的に接続され、パスゲート入力電極がローカル入力部であり、1番目のインバーターのインバーター入力電極とパスゲート出力電極とメモリコントロラー第一電極とが電気的に接続され、2k番目のインバーターのインバーター出力電極とメモリコントロラー第二電極とが電気的に接続され、2k番目のインバーターのインバーター出力電極がローカル出力部であり、第二抵抗素子の一端は1番目のインバーターのインバーター入力電極に電気的に接続され、第二抵抗素子の他端は第一電源線に電気的に接続される事が好ましい。
この構成によれば、電源投入時には第二アンド回路の入力部を第一電位に規定する事ができる。従って、電源投入時に、電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。又、第一電位を負電源電位とし第二電位を正電源電位とすれば、イネイブル線に選択信号を供給した際に、電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。即ち、電気光学装置で安定的な画像表示を行う事ができる。
(適用例5) 上記適用例に係わる回路において、電源線は、第一電位を提供する第一電源線と、第二電位を提供する第二電源線とを含み、抵抗素子は第三抵抗素子を含み、Dラッチは、少なくともパスゲートと2k個(kは1以上の整数)のインバーターとメモリコントロラーとを含み、ローカル入力部とローカル出力部との間にパスゲートと2k個のインバーターとが直列に電気的に接続され、パスゲートとローカル出力部との間にメモリコントロラーが2k個のインバーターと並列に電気的に接続され、2k個のインバーターの各々はインバーター入力電極とインバーター出力電極とを備え、パスゲートはパスゲート入力電極とパスゲート出力電極とを備え、メモリコントロラーはメモリコントロラー第一電極とメモリコントロラー第二電極とを備え、n番目(nは1以上2k−1以下の整数)のインバーターのインバーター出力電極とn+1番目のインバーターのインバーター入力電極とが電気的に接続され、パスゲート入力電極がローカル入力部であり、1番目のインバーターのインバーター入力電極とパスゲート出力電極とメモリコントロラー第一電極とが電気的に接続され、2k番目のインバーターのインバーター出力電極とメモリコントロラー第二電極とが電気的に接続され、2k番目のインバーターのインバーター出力電極がローカル出力部であり、第三抵抗素子の一端は2k番目のインバーターのインバーター入力電極に電気的に接続され、第三抵抗素子の他端は第二電源線に電気的に接続される事が好ましい。
この構成によれば、電源投入時には第二アンド回路の入力部を第一電位に規定する事ができる。従って、電源投入時に、電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。又、第一電位を負電源電位とし第二電位を正電源電位とすれば、イネイブル線に選択信号を供給した際に、電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。即ち、電気光学装置で安定的な画像表示を行う事ができる。
(適用例6) 上記適用例に係わる回路において、抵抗素子は第四抵抗素子を含み、第一アンド回路は第一ナンド回路と第一否定回路とを含み、第一ナンド回路の入力部が第一アンド回路の入力部であり、第一ナンド回路の出力部と第一否定回路の入力部とが電気的に接続され、第一否定回路の出力部が第一アンド回路の出力部であり、第四抵抗素子の一端は第一ナンド回路の出力部に電気的に接続され、第四抵抗素子の他端は第二電源線に電気的に接続される事が好ましい。
この構成によれば、電源投入時には第二アンド回路の入力部を第一電位に規定する事ができる。従って、電源投入時に、電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。又、第一電位を負電源電位とし第二電位を正電源電位とすれば、イネイブル線に選択信号を供給した際に、電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。即ち、電気光学装置で安定的な画像表示を行う事ができる。
(適用例7) 上記適用例に係わる回路において、抵抗素子は第五抵抗素子を含み、第五抵抗素子の一端は第一アンド回路の出力部に電気的に接続され、第五抵抗素子の他端は第一電源線に電気的に接続される事が好ましい。
この構成によれば、電源投入時には第二アンド回路の入力部を第一電位に規定する事ができる。従って、電源投入時に、電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。又、第一電位を負電源電位とし第二電位を正電源電位とすれば、イネイブル線に選択信号を供給した際に、電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。即ち、電気光学装置で安定的な画像表示を行う事ができる。
(適用例8) 上記適用例のいずれか一項に記載の回路を備えた事を特徴とする電気光学装置。
この構成によれば、電源投入時やイネイブル線に選択信号を供給した際に、電気光学装置の電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。従って、過電流に基づく電気光学装置の誤動作や動作不良を回避する事ができる。即ち、電気光学装置で安定的な画像表示を行う事ができる。
(適用例9) 上記適用例に記載の電気光学装置を備えた事を特徴とする電子機器。
この構成によれば、電源投入時やイネイブル線に選択信号を供給した際に、電気光学装置の電源間に過電流が発生する事態を回避する事ができる。従って、過電流に基づく電気光学装置の誤動作や動作不良を回避する事ができる。即ち、電気光学装置を備えた電子機器で安定的な画像表示を行う事ができる。
実施形態1に係わる回路を説明した回路構成図。 実施形態1に係わる回路に電源を投入した際のタイミングチャート図。 第二アンド回路の動作状態を説明する図。 実施形態1に係わる液晶装置の回路ブロック構成を示す模式平面図。 液晶装置の模式断面図。 液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 液晶装置を備えた電子機器の構成を示す斜視図。 実施形態2に係わる回路を説明した回路構成図。 実施形態3に係わる回路を説明した回路構成図。 実施形態4に係わる回路を説明した回路構成図。 実施形態5に係わる回路を説明した回路構成図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
「回路構成」
図1は、実施形態1に係わる回路を説明した回路構成図である。先ず、実施形態1に係わる回路を、図1を参照して説明する。
図1に示す様に、本実施形態に係わる回路10は、選択回路10Sと、イネイブル回路10Eと、不図示の電源線と、抵抗素子(図1では第一抵抗素子R1)と、を有している。選択回路10Sはシフトレジスター回路SRと第一アンド回路群F−ANDGとを含み、イネイブル回路10Eはイネイブル線ENB−Lと第二アンド回路群S−ANDGとを含んでいる。電源線は、第一電位V1を提供する第一電源線と、第二電位V2を提供する第二電源線とを含む。本実施形態では、第一電位V1が負電源電位VSSであり、第二電位V2は負電源電位VSSよりも電位が高い正電源電位VDDである。
シフトレジスター回路SRは直列に配置されたp個(pは3以上の整数)のDラッチを含んでいる。Dラッチとは、記憶素子をクロック信号CLや反転クロック信号CLBにて制御可能とした回路素子であり、各Dラッチはローカル入力部L−inとローカル出力部L−outとを備える。シフトレジスター回路SRで、i段目(iは1以上p−1以下の整数)のDラッチDLiとi+1段目のDラッチDLi+1とからの2つのローカル出力部L−outは、i段目の第一アンド回路F−ANDiの入力部に電気的に接続され、i段目の第一アンド回路F−ANDiの出力部とイネイブル線ENB−Lとがi段目の第二アンド回路S−ANDiの入力部に電気的に接続されている。例えば、1段目のDラッチDL1と2段目のDラッチDL2とからの2つのローカル出力部L−outは、1段目の第一アンド回路F−AND1の入力部に電気的に接続され、1段目の第一アンド回路F−AND1の出力部とイネイブル線ENB−Lとが1段目の第二アンド回路S−AND1の入力部に電気的に接続されている。従って、シフトレジスター回路SRにはp個のローカル出力部が設けられ、第一アンド回路群F−ANDGの出力部はp−1個となる。選択回路10Sはこれらp−1個の第一アンド回路F−ANDの出力部に選択信号又は非選択信号を出力する。シフトレジスター回路SRに導入するデータ(後述する順方向データDtや逆方向データRDt)の信号形状に応じて、選択回路10Sはこれらp−1個の第一アンド回路F−ANDの出力部のゼロ個、又は1個、又は複数個に選択信号を出力する事ができる。イネイブル回路10Eは選択回路10Sが第一アンド回路F−ANDの出力部に出力した選択信号を有効にするか否かを定める。
第一アンド回路群F−ANDGはp−1個の第一アンド回路F−ANDを含み、各第一アンド回路F−ANDは第一ナンド回路F−NANDと第一否定回路F−NOTとを含み、第一ナンド回路F−NANDの入力部が第一アンド回路F−ANDの入力部であり、第一ナンド回路F−NANDの出力部と第一否定回路F−NOTの入力部とが電気的に接続され、第一否定回路F−NOTの出力部が第一アンド回路F−ANDの出力部である。第一アンド回路F−ANDは隣り合う二つのDラッチからの出力の論理積を取る。
第二アンド回路群S−ANDGはp−1個の第二アンド回路S−ANDを含み、各第二アンド回路S−ANDは第二ナンド回路S−NANDと第二否定回路S−NOTとを含み、第二ナンド回路S−NANDの入力部が第二アンド回路S−ANDの入力部であり、第二ナンド回路S−NANDの出力部と第二否定回路S−NOTの入力部とが電気的に接続され、第二否定回路S−NOTの出力部が第二アンド回路S−ANDの出力部である。第二アンド回路S−ANDはイネイブル回路10Eをなし、選択回路10Sから出力された信号をイネイブル回路10Eから出力するか否かを定める。具体的には、i段目の第一アンド回路F−ANDiから高電位Hの信号が出力され、かつイネイブル線ENB−Lに高電位Hの信号が印加された際に、i段目の第二アンド回路S−ANDiは高電位Hの信号を出力する。
シフトレジスター回路SRを構成するp個のDラッチは直列に電気的に接続されており、p個のDラッチの奇数段は第一種Dラッチであり、p個のDラッチの偶数段は第二種Dラッチである。図1では、1段目のDラッチDL1と3段目のDラッチDL3とが第一種Dラッチであり、2段目のDラッチDL2が第二種Dラッチである。第一種Dラッチとは、具体的には、供給されるクロック信号CLが高電位Hで反転クロック信号CLBが低電位Lの期間には、ローカル入力部L−inのデータをそのままローカル出力部L−outに出力し、クロック信号CLが低電位Lで反転クロック信号CLBが高電位Hの期間には、クロック信号CLや反転クロック信号CLBが変わる直前のローカル入力部L−inのデータを保持してローカル出力部L−outに出力する回路素子である。同様に、第二種Dラッチとは、供給されるクロック信号CLが低電位Lで反転クロック信号CLBが高電位Hの期間には、ローカル入力部L−inのデータをそのままローカル出力部L−outに出力し、クロック信号CLが高電位Hで反転クロック信号CLBが低電位Lの期間には、クロック信号CLや反転クロック信号CLBが変わる直前のローカル入力部L−inのデータを保持してローカル出力部L−outに出力する回路素子である。
図1に示すシフトレジスター回路SRはデータを双方向に転送可能な双方向シフトレジスターである。即ち、データのダウンシフトとアップシフトとの両者をシフトレジスター回路SRは実行する事ができる。データのダウンシフトとは、順方向データDtを1段目のDラッチDL1に入力し、1段目のDラッチDL1から2段目のDラッチDL2、3段目のDラッチDL3と順次転送して行き、最後にp段目のDラッチDLpに転送する回路動作である。反対に、データのアップシフトとは、逆方向データRDtをp段目のDラッチDLpに入力し、p段目のDラッチDLpからp−1段目のDラッチDLp−1、p−2段目のDラッチDLp−2と順次転送して行き、最後に1段目のDラッチDL1に転送する回路動作である。
双方向シフトレジスターとする為に、j段目(jは1以上p以下の整数)のDラッチDLjのローカル入力部L−inにはj段目の方向制御トランジスターDTrjが電気的に接続され、j段目(jは1以上p以下の整数)のDラッチDLjのローカル出力部L−outにはj段目の逆方向制御トランジスターRTrjが電気的に接続されている。例えば、1段目のDラッチDL1のローカル入力部L−inには1段目の方向制御トランジスターDTr1が電気的に接続され、1段目のDラッチDL1のローカル出力部L−outには1段目の逆方向制御トランジスターRTr1が電気的に接続されている。更に、q段目(qは2以上p−1以下の整数)のDラッチDLqのローカル出力部L−outは、q+1段目のDラッチDLq+1のローカル入力部L−inに、q+1段目の方向制御トランジスターDTrq+1を介して電気的に接続されていると共に、q−1段目のDラッチDLq−1のローカル入力部L−inに、q段目の逆方向制御トランジスターRTrqを介して電気的に接続されている。例えば、2段目のDラッチDL2のローカル出力部L−outは3段目のDラッチDL3のローカル入力部L−inに、3段目の方向制御トランジスターDTr3を介して電気的に接続されていると共に、1段目のDラッチDL1のローカル入力部L−inに、2段目の逆方向制御トランジスターRTr2を介して電気的に接続されている。又、1段目のDラッチDL1のローカル入力部L−inは、ダウンシフトの際にシフトレジスター回路SRへ入力される順方向データDtの入力部となり、p段目のDラッチDLpのローカル出力部L−outは、ダウンシフトの際のシフトレジスター回路SRからの順方向データDtの最終出力部となる。同様に、p段目のDラッチDLpのローカル入力部L−inは、アップシフトの際にシフトレジスター回路SRへ入力される逆方向データRDtの入力部となり、1段目のDラッチDL1のローカル出力部L−outは、アップシフトの際のシフトレジスター回路SRからの逆方向データRDtの最終出力部となる。ダウンシフトの際には、方向制御トランジスターDTrは導通状態(オン状態)とされ、逆方向制御トランジスターRTrは非導通状態(オフ状態)とされる。同様に、アップシフトの際には、逆方向制御トランジスターRTrが導通状態(オン状態)とされ、方向制御トランジスターDTrは非導通状態(オフ状態)とされる。この様に、方向制御トランジスターDTrと逆方向制御トランジスターRTrとは相補的な動作を行う。本実施形態では、方向制御トランジスターDTrと逆方向制御トランジスターRTrとを、同一導電型トランジスター(図1では、N型トランジスター)で形成し、図2に示す様に、方向制御トランジスターDTrのゲート電極に入力される方向制御信号DIRと、逆方向制御トランジスターRTrのゲート電極に入力される逆方向制御信号DIRBと、は互いに相補的である。即ち、方向制御信号DIRが高電位Hであれば、逆方向制御信号DIRBは低電位Lであり、方向制御信号DIRが低電位Lであれば、逆方向制御信号DIRBは高電位Hである。尚、以下ではダウンシフトを例として回路10を説明するが、アップシフトも同様である。
p個のDラッチの各々は、少なくともパスゲートPGと2k個(kは1以上の整数)のインバーターとメモリコントロラーMCとを含んでおり、各インバーターはインバーター入力電極とインバーター出力電極とを備えている。r番目(rは1以上2k−1以下の整数)のインバーターのインバーター出力電極はr+1番目のインバーターのインバーター入力電極に電気的に接続されている。パスゲートPGとメモリコントロラーMCとはトランジスターからなる。本実施形態ではk=1で、1番目のインバーターIV1と2番目のインバーターIV2とがDラッチに含まれている。パスゲートPGと2k個のインバーターとは、ローカル入力部L−inとローカル出力部L−outとの間で直列に電気的に接続されている。即ち、パスゲートPGのソースドレイン領域の一方がローカル入力部L−inであり、パスゲートPGのソースドレイン領域の他方と1番目のインバーターIV1のインバーター入力電極とが電気的に接続され、1番目のインバーターIV1のインバーター出力電極と2番目のインバーターIV2のインバーター入力電極とが電気的に接続され、2番目のインバーターIV2のインバーター出力電極がローカル出力部L−outである。本実施形態ではk=2であるので、こうした簡単な構成だが、一般には2k個のインバーターはこの様に直列に電気的に接続され、2k番目のインバーター出力電極がローカル出力部L−outとなる。
Dラッチ内で、メモリコントロラーMCのソースドレイン領域の一方と1番目のインバーターIV1のインバーター入力電極とパスゲートPGのソースドレイン領域の他方とが電気的に接続され、メモリコントロラーMCのソースドレイン領域の他方と2k番目のインバーターのインバーター出力電極とが電気的に接続されている。その結果、メモリコントロラーMCのソースドレイン領域の他方がローカル出力部L−outとなり、パスゲートPGとローカル出力部L−outとの間でメモリコントロラーMCが2k個のインバーターと並列に電気的に接続されている事になる。
パスゲートPGの制御電極はゲート電極であり、メモリコントロラーMCの制御電極もゲート電極である。第一種DラッチのパスゲートPGの制御電極と第二種DラッチのメモリコントロラーMCの制御電極とは、不図示のクロック線に電気的に接続され、クロック線に供給されるクロック信号CLにて第一種DラッチのパスゲートPGも第二種DラッチのメモリコントロラーMCも動作が制御される事になる。同様に、第二種DラッチのパスゲートPGの制御電極と第一種DラッチのメモリコントロラーMCの制御電極とは、不図示の反転クロック線に電気的に接続され、反転クロック線に供給される反転クロック信号CLBにて第二種DラッチのパスゲートPGも第一種DラッチのメモリコントロラーMCも動作が制御される事になる。
パスゲートPGは、クロック信号CLや反転クロック信号CLBに応じて、ローカル入力部L−inに入力されたデータを通過又は遮断する。一方、メモリコントロラーMCは、クロック信号CLや反転クロック信号CLBに応じて、2k個のインバーターをバッファー回路又は記憶回路として機能させる。クロック信号CLや反転クロック信号CLBは、図2に示す様に、高電位Hの期間と低電位Lの期間とで一周期をなし、この周期が繰り返される信号である。クロック信号CLと反転クロック信号CLBとは互いに相補的で、位相が180°ずれている。即ち、クロック信号CLが高電位Hの期間に反転クロック信号CLBは低電位Lであり、クロック信号CLが低電位Lの期間に反転クロック信号CLBは高電位Hである。パスゲートPGもメモリコントロラーMCも同一導電型トランジスター(図1では、N型トランジスター)で形成される。
前述の如く、p個のDラッチの奇数段は第一種Dラッチであり、偶数段は第二種Dラッチであるが、第一種Dラッチにおいても、第二種Dラッチにおいても、パスゲートPGがデータを通過させている際に、メモリコントロラーMCは、2k個のインバーターをバッファー回路として機能させており、パスゲートPGがデータを遮断している際に、メモリコントロラーMCは、2k個のインバーターを記憶回路として機能させている。
更に、上述の構成の結果、第一種DラッチのパスゲートPGと第二種DラッチのパスゲートPGとは互いに相補的な動作をし、第一種DラッチのメモリコントロラーMCと第二種DラッチのメモリコントロラーMCとは互いに相補的な動作をする。パスゲートPGが互いに相補的とは、第一種DラッチのパスゲートPGが第一種Dラッチのローカル入力部L−inに入力されたデータを通過させている際に、第二種DラッチのパスゲートPGは第二種Dラッチのローカル入力部L−inに入力されたデータを遮断しており、第一種DラッチのパスゲートPGが第一種Dラッチのローカル入力部L−inに入力されたデータを遮断している際に、第二種DラッチのパスゲートPGは第二種Dラッチのローカル入力部L−inに入力されたデータを通過させている、との意味である。又、メモリコントロラーMCが互いに相補的とは、第一種DラッチのメモリコントロラーMCが第一種Dラッチの2k個のインバーターをバッファー回路として機能させている際に、第二種DラッチのメモリコントロラーMCは第二種Dラッチの2k個のインバーターを記憶回路として機能させており、第一種DラッチのメモリコントロラーMCが第一種Dラッチの2k個のインバーターを記憶回路として機能させている際に、第二種DラッチのメモリコントロラーMCは第二種Dラッチの2k個のインバーターをバッファー回路として機能させている、との意味である。こうした結果、第一種Dラッチと第二種Dラッチとは互いに相補的となる。具体的には、クロック信号CLが高電位Hの際に、第一種Dラッチは、第一種Dラッチのローカル入力部L−inのデータを第一種Dラッチのローカル出力部L−outに転送しており、第二種Dラッチは、第二種Dラッチのローカル入力部L−inに半周期前に入力されたデータを保持して第二種Dラッチのローカル出力部L−outに出力している。同様に、クロック信号CLの低電位Lの際に、第一種Dラッチが、第一種Dラッチのローカル入力部L−inに半周期前に入力されたデータを保持して第一種Dラッチのローカル出力部L−outに出力している期間に、第二種Dラッチは、第二種Dラッチのローカル入力部L−inのデータを第二種Dラッチのローカル出力部L−outに転送している。この様に、相補性のクロック信号CLと反転クロック信号CLBとが、第一種Dラッチと第二種Dラッチとを相補的に機能させるので、シフトレジスター回路SRは正しく動作させられる。
抵抗素子は、電源投入時にi段目の第二アンド回路S−ANDiの入力部を第一電位V1に規定する様に選択回路10Sと電源線との間に配置される。言い換えると、i段目の第一アンド回路F−ANDiの出力部が第一電位V1に規定される様に選択回路10Sと電源線との間に配置される。本実施形態では、抵抗素子(第一抵抗素子R1)は、Dラッチと電源線との間に配置されており、より具体的には、第一抵抗素子R1の一端は各Dラッチのローカル出力部に電気的に接続され、第一抵抗素子R1の他端は第一電源線に電気的に接続されている。この結果、電源を投入した後で、クロック信号CLや反転クロック信号CLBが供給されていないスタンバイ状態(図2のt1からt2迄の期間)では、抵抗素子が設けられた総てのDラッチのローカル出力部は第一電位V1に規定される。本実施形態では、p個のDラッチDLj(jは1以上p以下の整数)の総てに抵抗素子が設けられているので、各DラッチDLjからのローカル出力は総て第一電位V1となり、その結果、総ての第一アンド回路F−ANDの出力も第一電位V1に規定される。こうして、総ての第二アンド回路S−ANDの入力部の一方が第一電位V1に規定されるので、第二アンド回路S−ANDを介して正電源と負電源との間に貫通電流が流れ続ける事態を回避できる。従って、電源投入時に貫通電流に起因する過電流が発生する事態を回避する事ができる。
本実施形態では、第一電位V1は負電源電位VSSである。従って、図1の回路構成の場合、第二アンド回路S−ANDの入力部の一方は負電源電位VSSに規定される。この結果、第二アンド回路S−ANDの出力は、イネイブル線ENB−L(第二アンド回路S−ANDの入力部の他方)に供給される電位に係わらず、負電源電位VSSとなるので、イネイブル線ENB−Lに選択信号(正電源電位VDD)が供給されても、その瞬間に過電流が発生する事はない。即ち、イネイブル線ENB−Lに選択信号を入れた際に過電流が発生する事態を回避する事ができる。これらの原理に関しては、後述する。
尚、端子1と端子2とが電気的に接続されているとは、端子1と端子2とが配線により直に接続されている場合の他に、抵抗素子やスイッチング素子を介して接続されている場合を含む。即ち、端子1での電位と端子2での電位とが多少異なっていても、回路上で同じ意味を持たせる場合、端子1と端子2とは電気的に接続されている事になる。例えば、図1で第一種Dラッチのローカル入力部L−inと1番目のインバーターIV1のインバーター入力電極とは電気的に接続されている。実際にはローカル入力部L−inと1番目のインバーターIV1のインバーター入力電極との間にはパスゲートPGが介在するが、パスゲートPGがオン状態とされた場合に、1番目のインバーターIV1のインバーター入力電極の電位はローカル入力部L−inの電位にほぼ等しくされるとの回路上の意味からして、第一種Dラッチのローカル入力部L−inと1番目のインバーターIV1のインバーター入力電極とは電気的に接続されている、と言える。
「原理」
図2は、実施形態1に係わる回路に電源を投入した際のタイミングチャートを説明する図である。又、図3は第二アンド回路の動作状態を説明する図である。次に、図2乃至図3を参照して、本願の原理と効果とを説明する。
図2は回路10に電源を投入した際のタイミングチャートを説明した図で、横軸は時間を表し、縦軸は各信号の電位を表している。電源が入れられる瞬間をt=t0としている。電源が入れられる以前は(t<t0では)、正電源は高インピーダンス状態の中間電位(高電位Hと低電位Lとの中間で不定な電位)に有るか、或いは低電位Lに有る。低電位Lの一例は接地電位である。回路10には正電源と負電源との間に多くのインバーターが形成されているので、前回、電源が切られてから、今回、電源が投入されるt0迄の時間が極短い場合以外の多くの場合では、t<t0に正電源電位VDDは低電位Lにある。これに応じて、t<t0では、総ての信号は低電位Lとなっている。
時刻t=t0で電源が投入されると(例えば、正電源と電池等が接続されると)、正電源電位VDDは高電位Hへと上昇して行き、時刻t=t1迄に安定する。反転クロック信号CLBや逆方向制御信号DIRBは、正電源電位VDDを用いてインバーターでクロック信号CLや方向制御信号DIRから生成されるので、正電源電位VDDの上昇に応じて、高電位Hへと上昇して行き、時刻t=t1までに安定する。要するに、時刻t=t0から時刻t=t1迄の期間内に、正電源電位VDDや反転クロック信号CLB、逆方向制御信号DIRB等は正しい電位に安定する。
時刻t=t2から回路10は動作を開始する。時刻t=t1から時刻t=t2迄の期間(t1<t<t2)はスタンバイ期間で、この期間内に電子機器や電気光学装置に含まれる多くの電子回路や半導体回路、電子素子等で動作準備が完了する。これら総ての動作準備が完了した後に(即ち時刻t=t2に)、クロック信号CL等が回路10に供給され、回路10はその動作を開始する。イネイブル信号ENBは、クロック信号CLや反転クロック信号CLBが低電位Lから高電位Hへと変化する遷移期間や、高電位Hから低電位Lへと変化する遷移期間に、低電位Lとなり、第二アンド回路S−ANDの出力が互いに干渉しない様にしている。従って、イネイブル信号ENBが最初に高電位Hとなる時刻はt2に僅かに遅れて、t=t3となる。
従来の回路(例えば、特許文献1の図4に記載の回路)で、上述の様に電源投入した場合、正電源と負電源との間に過電流が発生する事が有った。これに対して、本実施形態の回路10では過電流は殆ど発生しない。実際に、本願発明人が調査した多くの回路10では、電源投入時に過電流が発生する不良は、一つも現れなかった。次に、この本願の効果をもたらす原理を、図1乃至図3を用いて説明する。尚、これから説明する原理には二つの可能性が考えられるので、それぞれについて説明する。
従来の回路と本実施形態の回路10との相違点の一つは、抵抗素子(図1では第一抵抗素子R1)の有無である。図3は時刻t=t3直後における第二アンド回路S−ANDを説明しており、(a)は従来の回路で生じ得る状態で、(b)は本実施形態の回路10の状態である。
まず、第一の可能性を説明する。時刻t=t1で正電源電位VDDが高電位Hに安定するが、従来の回路では、シフトレジスター内での電位は定まっていなかった。例えば、1番目のインバーターIV1の入力電極や出力電極の電位は、高電位Hと低電位Lとの中間の不定な電位(不定電位と称する)となり得た。この場合、第一アンド回路F−ANDの出力も不定電位VM1になり得る。この状態で、時刻t=t3を迎えて、イネイブル信号ENBが高電位Hとなると、図3(a)に示す様に、従来の回路では、第二ナンド回路S−NANDの一方の入力端子S−AND−in1(第一アンド回路F−ANDの出力)は、不定電位VM1となり、第二ナンド回路S−NANDの他方の入力端子S−AND−in2(イネイブル信号ENB)は、高電位Hとなる。この結果、第二アンド回路S−ANDでは正電源から負電源へと貫通電流TC1が発生すると共に、第二ナンド回路S−NANDの出力(即ち、第二否定回路S−NOTの入力)が不定電位VM2になり得る。第二否定回路S−NOTの入力が不定電位VM2になると、第二否定回路S−NOTでも正電源から負電源へと貫通電流TC2が発生する。更に、回路10が電気光学装置の走査線駆動回路38(図4参照)等に使用され、走査線16(図6参照)の両端に同一構成の回路10が形成されている場合、走査線16と他端の回路10とを介して、正電源から負電源へと貫通電流TC3が発生する。この様な現象がp個の第二アンド回路S−ANDの多くで発生すると、従来の回路では、貫通電流の総和は非常に大きくなり、過電流となっていたと考えられる。
これに対して、本実施形態の回路10では、図3(b)に示す様に、第二ナンド回路S−NANDの一方の入力端子S−AND−in1(第一アンド回路F−ANDの出力)は、第一電位V1(本実施形態では低電位L)に規定されるので、第二ナンド回路S−NANDの他方の入力端子S−AND−in2(イネイブル信号ENB)が高電位Hとなっても、第二ナンド回路S−NANDに貫通電流が流れ続ける事はない。又、第二否定回路S−NOTの入力も第二電位V2(本実施形態では高電位H)に規定されるので、第二否定回路S−NOTでも貫通電流が発生し続ける事はない。この様に、本実施形態の回路10では、抵抗素子が、電源投入時に(厳密に言うと、時刻t=t2迄に)i段目の第二アンド回路S−ANDiの入力部を第一電位V1に規定する様に選択回路10Sと電源線との間に配置されているので、回路動作開始時に(厳密に言うと、時刻t=t3でイネイブル信号ENBが高電位Hになった直後に)第二アンド回路S−ANDを介して正電源と負電源との間に貫通電流が流れ続ける事態が回避される。従って、電源投入時(厳密に言うと、時刻t=t3でイネイブル信号ENBが高電位Hになった直後に)に貫通電流に起因する過電流が発生する事態を回避する事ができる。
次に、第二の可能性を説明する。図2を用いて説明した様に、前回の回路動作時から今回、回路を動作させ始めるt=t0迄の時間が長いと、電源が入れられる以前は(t<t0では)、正電源を含め、総ての信号は低電位Lとなっている。この場合には、回路10の総てのノードが低電位Lにある。この状態でt=t1を迎えて、正電源電位VDDや反転クロック信号CLB、逆方向制御信号DIRB等が高電位に安定する。この際に、t1からt2迄の期間が長いと、回路内の多くのノードが低電位Lか高電位Hかに定まる。
従来の回路では、時刻t=t2の際に、殆どの第二アンド回路S−ANDの入力部が高電位Hに規定される事があり得た。従来の回路では、スタンバイ期間(t1<t<t2)に第一種Dラッチの2k個のインバーターは記憶回路として機能しており、第一種Dラッチのローカル出力部L−outには高電位Hが出力される事があり得る。この場合、第二種Dラッチの2k個のインバーターはバッファーとして機能して、第二種Dラッチのローカル出力部L−outにも高電位Hが出力される。要するに、殆ど総てのDラッチのローカル出力部L−outが高電位Hとなり得た。その結果、従来の回路では、殆ど総ての第二ナンド回路S−NANDの一方の入力端子S−AND−in1(第一アンド回路F−ANDの出力)が、高電位Hとなる。この状態でt=t3を迎えて、第二ナンド回路S−NANDの他方の入力端子S−AND−in2(イネイブル信号ENB)が、高電位Hになると、これら第二ナンド回路S−NANDは一斉に高電位Hを出力する事になる。従来の回路が電気光学装置の走査線駆動回路等に使用され、走査線容量が大きく、走査線の本数も多いと、この結果、t=t3に過電流が発生する事になる。尚、スタンバイ期間(t1<t<t2)に第一種Dラッチのローカル出力部L−outが高電位Hとなるか低電位Lとなるのかは、1番目のインバーターIV1や2k番目のインバーターのサイズやこれらが接続するノードの容量に応ずる。p個のDラッチの構成は通常、皆等しいので、1番目のインバーターIV1から2k番目のインバーターを含む記憶回路が、スタンバイ期間(t1<t<t2)に高電位を記憶する回路構成とされると、p個総てのDラッチのローカル出力が高電位Hとなる。
これに対して、本実施形態の回路10では、時刻t=t2迄に、選択回路10Sに抵抗素子が付けられた総ての第二アンド回路S−ANDの入力部は低電位Lに規定される。その結果、選択回路10Sに抵抗素子が付けられた総ての第二ナンド回路S−NANDの一方の入力端子S−AND−in1(第一アンド回路F−ANDの出力)は、低電位Lとなる。この状態でt=t3を迎えて、第二ナンド回路S−NANDの他方の入力端子S−AND−in2(イネイブル信号ENB)が、高電位Hになっても、これら第二ナンド回路S−NANDは低電位Lを出力するので、回路10が電気光学装置の走査線駆動回路38等に使用され、走査線容量が大きく、走査線の本数も多くとも、t=t3に過電流が発生する事態は回避される。要するに、時刻t=t2迄に、第二アンド回路S−ANDの出力は、イネイブル線ENB−L(第二アンド回路S−ANDの入力部の他方)に供給される電位に係わらず、負電源電位VSSとなるので、t=t3に、イネイブル線ENB−Lに選択信号(正電源電位VDD)が供給されても、その瞬間に過電流が発生する事はない。この様に本実施形態の回路10では、イネイブル線ENB−Lに選択信号を入れた際に(t=t3に)過電流が発生する事態を回避する事ができる。尚、第一電位V1を正電源電位VDDとし、第二電位V2を正電源電位VDDよりも電位が低い負電源電位VSSとしても良いが、この場合には上述の第一の可能性が機能する事になる。
次に、抵抗素子が上述の機能を果たし、回路10が正常動作する条件を説明する。抵抗素子の抵抗値Rの下限値は選択回路10Sが選択回路10Sとして機能する条件となる。もし、抵抗素子の抵抗値Rが極めて小さいと、各Dラッチのローカル出力は常に第一電位V1となって仕舞い、Dラッチとして機能しなくなる。抵抗素子が接続されているノード(接続ノードと称する)に高電位Hの信号が入った際に、接続ノードが高電位Hになる様に抵抗素子の抵抗の下限値が定められる。これは、接続ノード(図1ではローカル出力部L−out)に出力が接続したインバーター(図1では2番目のインバーターIV2)のトランジスターのオン抵抗と抵抗素子の抵抗値Rとの比にて接続ノードの電位が定まる。この接続ノードの電位が次段の入力となるトランジスター(図1では1番目のインバーターIV1など)の閾値電圧Vthよりも小さくする。即ち、トランジスターのオン抵抗をZとした際に、抵抗値Rは数式1を満たす様にする。
Figure 2014056630
本実施形態では、1番目のインバーターIV1ではトランジスターの幅は5ミクロンであり、オン抵抗は凡そ120kΩ、2番目のインバーターIV2ではトランジスターの幅は10ミクロンであり、オン抵抗は凡そ60kΩである。Vth=1Vとし、VDD−VSS=15Vとすると、幅が5ミクロンのトランジスターの出力部に付ける抵抗素子の抵抗値は1.68メガΩ(1.68×106Ω)以上で、幅が10ミクロンのトランジスターの出力部に付ける抵抗素子の抵抗値は0.84メガΩ(0.84×106Ω)以上となる。従って、抵抗素子の抵抗値Rの下限は1.68メガΩ(1.68×106Ω)となる。
抵抗素子の抵抗値Rの上限値はスタンバイ期間に第二アンド回路S−ANDの入力を規定する条件となる。もし、抵抗素子の抵抗値Rが極めて大きいと、Dラッチの各出力は第一電位V1に規定されなくなり、上述の効果が機能し難くなる。回路10が電気光学装置の走査線駆動回路38等に使用される場合、スタンバイ期間は概ね1フレーム期間となる。スタンバイ期間に接続ノードが第一電位V1近傍の値に確実になる条件が抵抗素子の抵抗値Rの上限値となる。具体的には、抵抗素子の抵抗値Rと接続ノードの容量とから定まる時定数τの5倍(目標電圧の99%)がスタンバイ期間となる様にする。即ち、時定数τがスタンバイ期間の5分の1程度以下の時間となる様に抵抗値Rを定める。この様に、接続ノードの容量をCとした際に、抵抗値Rは数式2を満たす様にする。
Figure 2014056630
本実施形態では、接続ノードの容量Cは大凡20フェムトファラッド(fF)から168フェムトファラッド程度である。一方、スタンバイ期間はフレーム周波数を120Hzとすると、8.333ミリ秒程度である。容量Cとして最大値を用いると、数式2より抵抗値Rは9.95ギガΩ(9.95×109Ω)となる。従って、抵抗素子の抵抗値Rの上限は10ギガΩ(10×109Ω)となる。
本実施形態では、シリコン膜に燐元素が1×1018cm-3から1×1019cm-3程度の濃度範囲で含まれている低濃度ドープト膜を用いて第一抵抗素子R1が形成された。低濃度ドープト膜は、ライトリードープトドレイン(LDD)構造をなす薄膜トランジスター(TFT素子46と称する、図6参照)のLDD領域と同一構成をなし、同じ製造工程で形成される。低濃度ドープト膜のシート抵抗値は117キロΩ(117×103Ω)で、抵抗素子の長さLと幅Wとの比(L/W)を18/1として、抵抗素子の抵抗値Rを2.10メガΩ(2.10×106Ω)とした。
「電気光学装置」
図4は、実施形態1に係わる液晶装置の回路ブロック構成を示す模式平面図である。以下、図4を参照して電気光学装置の回路ブロック構成を説明する。
上述の回路10は電気光学装置等に使用される。電気光学装置の一例は液晶装置100であり、TFT素子46を画素35(図6参照)のスイッチング素子として用いたアクティブマトリックス方式の電気光学装置である。図4に示す様に、液晶装置100は表示領域34と信号線駆動回路36と走査線駆動回路38と外部接続端子37とを少なくとも備えている。
表示領域34内には、画素35がマトリックス状に設けられている。画素35は、交差する走査線16(図6参照)と信号線17(図6参照)とによって特定される領域で、一つの画素35は一本の走査線16からその隣の走査線16まで、且つ、一本の信号線17からその隣の信号線17までの領域である。表示領域34の外側の領域には、信号線駆動回路36及び走査線駆動回路38が形成されている。走査線駆動回路38は表示領域34に隣り合う二辺に沿ってそれぞれ形成されており、上述の回路10が用いられている。
外部接続端子37から信号線駆動回路36には、正電源電位VDDや信号線駆動回路用の負電源電位VSSX等が供給されている。更に、外部接続端子37から走査線駆動回路38には、正電源電位VDDや走査線駆動回路用の負電源電位VSSYやクロック信号CL、反転クロック信号CLB、不図示のその他の入力信号等が供給される。外部接続端子37と走査線駆動回路38との間にはクロック生成回路31が配置されており、これにより外部から供給されたクロック信号CLに基づき、反転クロック信号CLBが生成される。尚、図4では、総ての配線や総ての外部接続端子を描いてある訳ではなく、説明を分かり易くする為に、これらから代表的な配線のみを描いてある。
図5は液晶装置の模式断面図である。以下、液晶装置の断面構造を、図5を参照して説明する。尚、以下の形態において、「○○上に」と記載された場合、○○の上に接する様に配置される場合、又は、○○の上に他の構成物を介して配置される場合、又は、○○の上に一部が接する様に配置され一部が他の構成物を介して配置される場合、を表すものとする。
液晶装置100では、一対の基板を構成する素子基板12と対向基板13とが、平面視で略矩形枠状に配置されたシール材14にて貼り合わされている。液晶装置100は、シール材14に囲まれた領域内に液晶層15が封入された構成になっている。液晶層15としては、例えば、正の誘電率異方性を有する液晶材料が用いられる。液晶装置100は、シール材14の内周近傍に沿って遮光性材料からなる平面視矩形枠状の遮光膜33が対向基板13に形成されており、この遮光膜33の内側の領域が表示領域34となっている。遮光膜33は、例えば、遮光性材料であるアルミニウム(Al)で形成されており、対向基板13側の表示領域34の外周を区画する様に、更に、上記した様に、表示領域34内で走査線16と信号線17に対向して設けられている。
図5に示す様に、素子基板12の液晶層15側には、複数の画素電極42が形成されており、これら画素電極42を覆う様に第1配向膜43が形成されている。画素電極42は、インジウム錫酸化物(ITO)等の透明導電材料からなる導電膜である。一方、対向基板13の液晶層15側には、格子状の遮光膜33が形成され、その上に平面ベタ状の共通電極27が形成されている。そして、共通電極27上には、第2配向膜44が形成されている。共通電極27は、ITO等の透明導電材料からなる導電膜である。
液晶装置100は透過型であって、素子基板12及び対向基板13における光の入射側と出射側とにそれぞれ偏光板(図示せず)等が配置されて用いられる。なお、液晶装置100の構成は、これに限定されず、反射型や半透過型の構成であってもよい。
図6は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。以下、液晶装置の電気的な構成を、図6を参照しながら説明する。
図6に示す様に、液晶装置100は、表示領域34を構成する複数の画素35を有している。各画素35には、それぞれ画素電極42が配置されている。又、画素35には、TFT素子46が形成されている。
TFT素子46は、画素電極42へ通電制御を行うスイッチング素子である。TFT素子46のソース側には、信号線17が電気的に接続されている。各信号線17には、例えば、信号線駆動回路36から画像信号S1、S2、…、Snが供給される様になっている。
又、TFT素子46のゲート側には、走査線16が電気的に接続されている。走査線16には、例えば、走査線駆動回路38から所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmが供給される様になっている。又、TFT素子46のドレイン側には、画素電極42が電気的に接続されている。
走査線16から供給された走査信号G1、G2、…、Gmにより、スイッチング素子であるTFT素子46が一定期間だけオン状態となることで、信号線17から供給された画像信号S1、S2、…、Snが、画素電極42を介して画素35に所定のタイミングで書き込まれる様になっている。
画素35に書き込まれた所定電位の画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極42と共通電極27(図5参照)との間で形成される液晶容量で一定期間保持される。尚、保持された画像信号S1、S2、…、Snの電位が、漏れ電流により、低下する事を抑制すべく、画素電極42と容量線47とで保持容量48が形成されている。
液晶層15に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより、液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶層15に入射した光が変調されて、画像光が生成される。
尚、本実施形態では回路10を走査線駆動回路38に適応したが、回路10は信号線駆動回路36に適応しても良い。更に、電気光学装置としては液晶装置100を用いて説明したが、この他に電気光学装置としては、電気泳動表示装置や有機EL装置なども対象となる。
「電子機器」
次に、本実施形態の電子機器について、図7を参照して説明する。図7(a)乃至(c)は、上記した液晶装置を備えた電子機器の構成を示す斜視図である。
図7(a)に示す様に、液晶装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピューター2000は、液晶装置100と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。
続いて、図7(b)に示す様に、液晶装置100を備えた携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての液晶装置100を備える。スクロールボタン3002を操作する事によって、液晶装置100に表示される画面がスクロールされる。
続いて、図7(c)に示す様に、液晶装置100を備えた情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての液晶装置100を備える。操作ボタン4001を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が液晶装置100に表示される。
尚、液晶装置100が搭載される電子機器としては、図7に示す物の他に、ピコプロジェクター、ヘッドアップディスプレイ、スマートフォン、ヘッドマウントディスプレイ、EVF(Electrical View Finder)、小型プロジェクター、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ディスプレイ、車載機器、オーディオ機器、露光装置や照明機器等、各種電子機器に用いる事ができる。
以上詳述した様に、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。第二アンド回路S−ANDの入力部が第一電位V1に規定されるので、回路動作開始時に(厳密に言うと、時刻t=t3でイネイブル信号ENBが高電位Hになった直後に)第二アンド回路S−ANDを介して正電源と負電源との間に貫通電流が流れ続ける事態が回避される。従って、電源投入時に(厳密に言うと、時刻t=t3でイネイブル信号ENBが高電位Hになった直後に)貫通電流に起因する過電流が発生する事態を回避する事ができる。又、第一電位V1を負電源電位VSSとすれば、電源投入後回路動作が開始する迄に(厳密には時刻t=t2迄に)、第二アンド回路S−ANDの出力は、イネイブル線ENB−L(第二アンド回路S−ANDの入力部の他方)に供給される電位に係わらず、負電源電位VSSとなるので、回路動作開始時に(厳密には時刻t=t3に)、イネイブル線ENB−Lに選択信号(正電源電位VDD)が供給されても、その瞬間に過電流が発生する事はない。即ち、イネイブル線ENB−Lに選択信号を入れた際に(t=t3に)過電流が発生する事態を回避する事ができる。こうした原理に基づき、電源投入時に(厳密にはt=t0からt=t3直後迄の期間に)電源電位は安定しており、液晶装置100等の電気光学装置が電源電位の揺動に基づく誤動作を起こしたり、或いは表示不能になったりする事態を回避する事ができる。換言すると、電気光学装置で安定的な画像表示を行う事ができる。
(実施形態2)
「第二抵抗素子を用いた形態」
図8は、実施形態2に係わる回路を説明した回路構成図である。以下、図8を参照して本実施形態に関わる回路10の構成を説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態(図8)は実施形態1(図1)と比べて、抵抗素子が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。実施形態1(図1)では抵抗素子として第一抵抗素子R1が用いられていた。これに対して、本実施形態では、抵抗素子として第二抵抗素子R2が用いられている。第二抵抗素子R2の一端は1番目のインバーターIV1のインバーター入力電極に電気的に接続され、第二抵抗素子R2の他端は第一電源線に電気的に接続され、第二抵抗素子R2の他端には第一電位V1(本実施形態では負電源電位VSS)が供給されている。それ以外の構成は実施形態1と同様である。こうした構成としても、実施形態1と同じ効果が得られる。
(実施形態3)
「第三抵抗素子を用いた形態」
図9は、実施形態3に係わる回路を説明した回路構成図である。以下、図9を参照して本実施形態に関わる回路10の構成を説明する。尚、実施形態1乃至2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態(図9)は実施形態1乃至2(図1や図8)と比べて、抵抗素子が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1乃至2とほぼ同様である。実施形態1(図1)では抵抗素子として第一抵抗素子R1が用いられ、実施形態2(図8)では抵抗素子として第二抵抗素子R2が用いられていた。これに対して、本実施形態では、抵抗素子として第三抵抗素子R3が用いられている。第三抵抗素子R3の一端は2k番目のインバーター(図9では2番目のインバーターIV2)のインバーター入力電極に電気的に接続され、第三抵抗素子R3の他端は第二電源線に電気的に接続され、第三抵抗素子R3の他端には第二電位V2(本実施形態では正電源電位VDD)が供給されている。それ以外の構成は実施形態1と同様である。尚、第三抵抗素子R3の抵抗値Rの下限値は数式1を満たす様に定められ、抵抗値Rの上限値は数式2を満たす様に定められる。数式1に関して、閾値電圧Vthやオン抵抗Zの対象となるトランジスターは、2番目のインバーターIV2となる。こうした構成としても、実施形態1と同じ効果が得られる。
(実施形態4)
「第四抵抗素子を用いた形態」
図10は、実施形態4に係わる回路を説明した回路構成図である。以下、図10を参照して本実施形態に関わる回路10の構成を説明する。尚、実施形態1乃至3と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態(図10)は実施形態1乃至3(図1や図8、図9)と比べて、抵抗素子が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1乃至3とほぼ同様である。実施形態1(図1)では抵抗素子として第一抵抗素子R1が用いられ、実施形態2(図8)では抵抗素子として第二抵抗素子R2が用いられ、実施形態3(図9)では抵抗素子として第三抵抗素子R3が用いられていた。これに対して、本実施形態では、抵抗素子として第四抵抗素子R4が用いられている。第四抵抗素子R4の一端は第一ナンド回路F−NANDの出力部に電気的に接続され、第四抵抗素子R4の他端は第二電源線に電気的に接続され、第四抵抗素子R4の他端には第二電位V2(本実施形態では正電源電位VDD)が供給されている。それ以外の構成は実施形態1と同様である。尚、第四抵抗素子R4の抵抗値Rの下限値は数式1を満たす様に定められ、抵抗値Rの上限値は数式2を満たす様に定められる。数式1に関して、閾値電圧Vthやオン抵抗Zの対象となるトランジスターは、第一否定回路F−NOTとなる。こうした構成としても、実施形態1と同じ効果が得られる。
(実施形態5)
「第五抵抗素子を用いた形態」
図11は、実施形態5に係わる回路を説明した回路構成図である。以下、図11を参照して本実施形態に関わる回路10の構成を説明する。尚、実施形態1乃至4と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態(図11)は実施形態1乃至4(図1や図8、図9、図10)と比べて、抵抗素子が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1乃至4とほぼ同様である。実施形態1(図1)では抵抗素子として第一抵抗素子R1が用いられ、実施形態2(図8)では抵抗素子として第二抵抗素子R2が用いられ、実施形態3(図9)では抵抗素子として第三抵抗素子R3が用いられ、実施形態4(図10)では抵抗素子として第四抵抗素子R4が用いられていた。これに対して、本実施形態では、抵抗素子として第五抵抗素子R5が用いられている。第五抵抗素子R5の一端は第一アンド回路F−ANDの出力部に電気的に接続され、第五抵抗素子R5の他端は第一電源線に電気的に接続され、第五抵抗素子R5の他端には第一電位V1(本実施形態では負電源電位VSS)が供給されている。それ以外の構成は実施形態1と同様である。尚、第五抵抗素子R5の抵抗値Rの下限値は数式1を満たす様に定められ、抵抗値Rの上限値は数式2を満たす様に定められる。数式1に関して、閾値電圧Vthやオン抵抗Zの対象となるトランジスターは、第二ナンド回路S−NANDとなる。こうした構成としても、実施形態1と同じ効果が得られる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
「抵抗素子の構成が異なる形態」
表1を用いて、本変形例に係わる回路について説明する。尚、実施形態1乃至5と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
Figure 2014056630
本変形例は実施形態1乃至5と比べて、抵抗素子の構成形態が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1乃至5とほぼ同様である。実施形態1乃至5では、抵抗素子はそれぞれ一つであった。これに対して、本変形例では、抵抗素子は複数個用いられている。表1は抵抗素子の可能な形態を示している。例えば、番号1から番号5は実施形態1から実施形態5に相当し、第一抵抗素子R1から第五抵抗素子R5が用いられている。番号6から番号31に示す様に、回路10に抵抗素子を複数個設けても良い。例えば番号6では、抵抗素子は第一抵抗素子R1と第二抵抗素子R2との2つが用いられている。この様に、抵抗素子としては、第一抵抗素子R1から第五抵抗素子R5を任意に組み合わせて配置する事ができる。
CL…クロック信号、CLB…反転クロック信号、DL1…1段目のDラッチ、DL2…2段目のDラッチ、DL3…3段目のDラッチ、Dt…順方向データ、ENB…イネイブル信号、ENB−L…イネイブル線、F−AND…第一アンド回路、F−ANDG…第一アンド回路群、F−NAND…第一ナンド回路、F−NOT…第一否定回路、IV1…1番目のインバーター、IV2…2番目のインバーター、L−in…ローカル入力部、L−out…ローカル出力部、MC…メモリコントロラー、PG…パスゲート、R1…第一抵抗素子、R2…第二抵抗素子、R3…第三抵抗素子、R4…第四抵抗素子、R5…第五抵抗素子、S−AND…第二アンド回路、S−ANDG…第二アンド回路群、S−NAND…第二ナンド回路、S−NOT…第二否定回路、SR…シフトレジスター回路、V1…第一電位、V2…第二電位、10…回路、10E…イネイブル回路、10S…選択回路、12…素子基板、13…対向基板、14…シール材、15…液晶層、16…走査線、17…信号線、27…共通電極、31…クロック生成回路、34…表示領域、35…画素、36…信号線駆動回路、37…外部接続端子、38…走査線駆動回路、42…画素電極、46…TFT素子、100…液晶装置、2000…モバイル型のパーソナルコンピューター、3000…携帯電話機、4000…情報携帯端末。

Claims (9)

  1. 選択回路と、イネイブル回路と、電源線と、前記選択回路と前記電源線との間に配置された抵抗素子と、を有し、
    前記選択回路はシフトレジスター回路と第一アンド回路とを含み、前記イネイブル回路はイネイブル線と第二アンド回路とを含み、
    前記シフトレジスター回路はp個(pは3以上の整数)のDラッチを含み、
    前記Dラッチはローカル入力部とローカル出力部とを備え、i段目(iは1以上p−1以下の整数)のDラッチのローカル出力部とi+1段目のDラッチのローカル入力部とが電気的に接続され、
    前記i段目のDラッチのローカル出力部とi+1段目のDラッチのローカル出力部とがi段目の第一アンド回路の入力部に電気的に接続され、
    前記i段目の第一アンド回路の出力部と前記イネイブル線とがi段目の第二アンド回路の入力部に電気的に接続され、
    前記抵抗素子は、電源投入時に前記i段目の第二アンド回路の入力部を第一電位に規定する事を特徴とする回路。
  2. 前記抵抗素子は、前記Dラッチと前記電源線との間に配置される事を特徴とする請求項1に記載の回路。
  3. 前記電源線は、前記第一電位を提供する第一電源線と、第二電位を提供する第二電源線とを含み、
    前記抵抗素子は第一抵抗素子を含み、
    前記第一抵抗素子の一端は前記ローカル出力部に電気的に接続され、前記第一抵抗素子の他端は前記第一電源線に電気的に接続される事を特徴とする請求項2に記載の回路。
  4. 前記電源線は、前記第一電位を提供する第一電源線と、第二電位を提供する第二電源線とを含み、
    前記抵抗素子は第二抵抗素子を含み、
    前記Dラッチは、少なくともパスゲートと2k個(kは1以上の整数)のインバーターとメモリコントロラーとを含み、前記ローカル入力部と前記ローカル出力部との間に前記パスゲートと前記2k個のインバーターとが直列に電気的に接続され、前記パスゲートと前記ローカル出力部との間に前記メモリコントロラーが前記2k個のインバーターと並列に電気的に接続され、
    前記2k個のインバーターの各々はインバーター入力電極とインバーター出力電極とを備え、
    前記パスゲートはパスゲート入力電極とパスゲート出力電極とを備え、
    前記メモリコントロラーはメモリコントロラー第一電極とメモリコントロラー第二電極とを備え、
    n番目(nは1以上2k−1以下の整数)のインバーターのインバーター出力電極とn+1番目のインバーターのインバーター入力電極とが電気的に接続され、
    前記パスゲート入力電極が前記ローカル入力部であり、
    1番目のインバーターのインバーター入力電極と前記パスゲート出力電極と前記メモリコントロラー第一電極とが電気的に接続され、
    2k番目のインバーターのインバーター出力電極と前記メモリコントロラー第二電極とが電気的に接続され、前記2k番目のインバーターのインバーター出力電極が前記ローカル出力部であり、
    前記第二抵抗素子の一端は前記1番目のインバーターのインバーター入力電極に電気的に接続され、前記第二抵抗素子の他端は前記第一電源線に電気的に接続される事を特徴とする請求項2又は3に記載の回路。
  5. 前記電源線は、前記第一電位を提供する第一電源線と、第二電位を提供する第二電源線とを含み、
    前記抵抗素子は第三抵抗素子を含み、
    前記Dラッチは、少なくともパスゲートと2k個(kは1以上の整数)のインバーターとメモリコントロラーとを含み、前記ローカル入力部と前記ローカル出力部との間に前記パスゲートと前記2k個のインバーターとが直列に電気的に接続され、前記パスゲートと前記ローカル出力部との間に前記メモリコントロラーが前記2k個のインバーターと並列に電気的に接続され、
    前記2k個のインバーターの各々はインバーター入力電極とインバーター出力電極とを備え、
    前記パスゲートはパスゲート入力電極とパスゲート出力電極とを備え、
    前記メモリコントロラーはメモリコントロラー第一電極とメモリコントロラー第二電極とを備え、
    n番目(nは1以上2k−1以下の整数)のインバーターのインバーター出力電極とn+1番目のインバーターのインバーター入力電極とが電気的に接続され、
    前記パスゲート入力電極が前記ローカル入力部であり、
    1番目のインバーターのインバーター入力電極と前記パスゲート出力電極と前記メモリコントロラー第一電極とが電気的に接続され、
    2k番目のインバーターのインバーター出力電極と前記メモリコントロラー第二電極とが電気的に接続され、前記2k番目のインバーターのインバーター出力電極が前記ローカル出力部であり、
    前記第三抵抗素子の一端は前記2k番目のインバーターのインバーター入力電極に電気的に接続され、前記第三抵抗素子の他端は前記第二電源線に電気的に接続される事を特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の回路。
  6. 前記抵抗素子は第四抵抗素子を含み、
    前記第一アンド回路は第一ナンド回路と第一否定回路とを含み、前記第一ナンド回路の入力部が前記第一アンド回路の入力部であり、前記第一ナンド回路の出力部と前記第一否定回路の入力部とが電気的に接続され、前記第一否定回路の出力部が前記第一アンド回路の出力部であり、
    前記第四抵抗素子の一端は前記第一ナンド回路の出力部に電気的に接続され、前記第四抵抗素子の他端は前記第二電源線に電気的に接続される事を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の回路。
  7. 前記抵抗素子は第五抵抗素子を含み、
    前記第五抵抗素子の一端は前記第一アンド回路の出力部に電気的に接続され、前記第五抵抗素子の他端は前記第一電源線に電気的に接続される事を特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の回路。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の回路を備えた事を特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項8に記載の電気光学装置を備えた事を特徴とする電子機器。
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