JP2015087608A - タッチパネル付き液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 静止画表示であってタッチパネルへの接触が非検出である場合に、消費電力を充分に低減させて画像信号の画像信号線への入力を実質的に所定期間停止させること。【解決手段】 タッチパネル付き液晶表示装置は、出力バッファ回路8bは、画像信号を増幅する増幅器21と画像信号を画像信号線4に直接入力させる迂回回路22と、を備え、画像信号線駆動回路8は、液晶表示パネル1の表示が静止画表示であってタッチパネル11への接触が非検出である場合に、画像信号の所定の電位をnフレーム(nは自然数)期間保持する第1の動作30と、静止画表示の平均輝度レベルが所定値以上の場合は第1の動作30の直後に画像信号線4に極性反転させた画像信号を迂回回路22を通して入力し、静止画表示の平均輝度レベルが所定値未満の場合は第1の動作30の直後に画像信号線4に極性反転させた画像信号を増幅器21を通して入力する第2の動作31と、を繰り返す。【選択図】 図1
Description
本発明は、タッチパネルを備えた液晶表示装置であって、特に液晶表示パネルの表示が静止画像であってタッチパネルへの接触が非検出である場合に特定の駆動を行うタッチパネル付き液晶表示装置に関する。
従来、液晶表示装置(Liquid Crystal Display :LCD)は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)素子を含む画素電極部が多数形成されたTFTアレイ側基板と、カラーフィルタ及びブラックマトリクスが形成されたカラーフィルタ側基板とを互いに対向させて、それらの基板を所定の間隔でもって貼り合わせ、それらの基板間に液晶を充填、封入させることによって作製される。また、一般的に、カラーフィルタ側基板は、TFT素子及び画素電極に対向する側の主面(第1の主面)の全面に、画素電極との間で液晶に印加する垂直電界を形成するための基準電極(共通電極)が形成されている。カラーフィルタ側基板の第1の主面と反対側の第2の主面には、それぞれの画素に対応する赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが形成されており、それぞれの画素を通過する光が相互に干渉することを防ぐブラックマトリクスがカラーフィルタの外周を囲むように形成されている。
また、液晶表示装置等の表示装置に付属して用いられるタッチパネルは、例えば投影型静電容量方式のものである場合、以下のような構成である。特定方向(例えば、x方向)に線状に形成されたITO(Indium Tin Oxide ;酸化インジウムスズ)透明電極等から成る下側電極線と、その上の透明絶縁体層と、その上の前記特定方向と直交する方向(例えば、y方向)に線状に形成されたITO透明電極等から成る上側電極線と、その上の透明被覆層と、を有する構成である。これにより、人の指先等の静電的な導電体が静電容量検出領域に近づいたときの上側電極線及び下側電極線との静電結合による静電容量の変化を捉えることができる。そして、静電容量の変化が生じた上側電極線及び下側電極線を、外部の制御IC(Integrated Circuit)、制御LSI(Large Scale Integrated Circuit)等によって特定することにより、静電容量検出領域における静電容量が変化した位置を、2次元的に、即ち平面内において、特定することができる。
従来のタッチパネル付き液晶表示装置の1例として、ソース配線にデータ電圧を印加するソースドライバは、タッチパネルへの接触が検知されず、かつ、入力画像信号による画像が静止画像である場合に、所定期間に亘ってソース配線をハイインピーダンス状態にし、タッチパネルへの接触が検知されたら、ソース配線のハイインピーダンス状態を解除するタッチパネル付き液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このタッチパネル付き液晶表示装置は、ソースドライバは出力バッファ回路を有し、その出力バッファ回路は、複数の駆動能力のうちいずれかの駆動能力でソース配線を駆動し、所定期間に亘って複数の駆動能力のうちの最低の駆動能力でソース配線を駆動する状態に出力バッファ回路を設定することができる。この構成により、表示される画像の状態等に応じて、消費電力の低減を図ることができる。
しかしながら、上記従来の構成のタッチパネル付き液晶表示装置は、タッチパネルへの接触が検知されず、かつ、入力画像信号による画像が静止画像である場合に、所定期間に亘ってソース配線をハイインピーダンス状態にするために、その所定期間に亘って複数の駆動能力のうちの最低の駆動能力でソース配線を駆動する状態に出力バッファ回路を設定しているが、出力バッファ回路の駆動能力を制御するための制御手段が別途必要である。また、液晶表示パネルの輝度等の表示内容及び画像信号の極性反転に応じて出力バッファ回路の駆動能力を考慮することがなされていなかった。
従って、本発明は、上記の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、液晶表示装置の表示が静止画表示であってタッチパネルへの接触が非検出である場合に、消費電力を充分に低減させて画像信号の画像信号線への入力を実質的に所定期間停止させることである。また、画像信号の画像信号線への入力を実質的に所定期間停止させた後に、画像信号を極性反転させるか、または同極性の画像信号を入力するかを、画像信号の平均輝度(Average Picture Level :APL)に応じて制御することである。
本発明のタッチパネル付き液晶表示装置は、複数のゲート信号線と複数の画像信号線とが交互に交差するように配設されて成る液晶表示パネルと、複数の前記ゲート信号線にゲート信号を入力するゲート信号線駆動回路と、前期画像信号のAPLを判定する回路と複数の前記画像信号線に画像信号を出力バッファ回路を通して入力する画像信号線駆動回路と、前記液晶表示パネルに備えられたタッチパネルと、を有しており、前記出力バッファ回路は、前記画像信号を増幅する増幅器と前記画像信号を前記画像信号線に直接入力させる迂回回路と、を備えており、前記画像信号線駆動回路は、前記液晶表示パネルの表示が静止画表示であって前記タッチパネルへの接触が非検出である場合に、前記画像信号の所定の電位をnフレーム(nは自然数)期間保持する第1の動作と、前記静止画表示の平均輝度レベルが所定値以上の場合は前記第1の動作の直後に前記画像信号線に極性反転させた前記画像信号を前記迂回回路を通して入力し、前記静止画表示の平均輝度レベルが所定値未満の場合は前記第1の動作の直後に前記画像信号線に極性反転させた前記画像信号を前記増幅器を通して入力する第2の動作と、を繰り返す構成である。
本発明のタッチパネル付き液晶表示装置は、好ましくは、前記第1の動作は、前記画像信号の所定の電位を2フレーム期間乃至10フレーム期間保持する。
本発明のタッチパネル付き液晶表示装置は、好ましくは、前記第2の動作は、前記画像信号線に極性反転させた前記画像信号を前記迂回回路を通して入力する場合、前記第1の動作及び前記第2の動作の繰り返し回数が2乃至3である。
本発明の複数のゲート信号線と複数の画像信号線とが交互に交差するように配設されて成る液晶表示パネルと、複数のゲート信号線にゲート信号を入力するゲート信号線駆動回路と、複数の画像信号線に画像信号を出力バッファ回路を通して入力する画像信号線駆動回路と、液晶表示パネルに備えられたタッチパネルと、を有しており、出力バッファ回路は、画像信号を増幅する増幅器と画像信号を画像信号線に直接入力させる迂回回路を備えており、画像信号線駆動回路は、液晶表示パネルの表示が静止画表示であってタッチパネルへの接触が非検出である場合に、画像信号の所定の電位をnフレーム(nは自然数)期間保持する第1の動作と、静止画表示の平均輝度レベルが所定値以上の場合は第1の動作の直後に画像信号線に極性反転させた画像信号を迂回回路を通して入力し、静止画表示の平均輝度レベルが所定値未満の場合は第1の動作の直後に画像信号線に極性反転させた画像信号を増幅器を通して入力する第2の動作と、を繰り返すことから、液晶表示パネルの輝度及び画像信号の極性反転に応じて出力バッファ回路の駆動能力を精度良く制御できる。その結果、更なる低消費電力化が実現する。即ち、第1の動作によって画像信号の入力を実質的にnフレーム期間停止させることができる。そして、静止画の平均輝度レベルが所定値以上の場合は第1の動作の直後に画像信号線に極性反転させた画像信号を迂回回路を通して入力し、静止画の平均輝度レベルが所定値未満の場合は第1の動作の直後に画像信号線に極性反転させた画像信号を増幅器を通して入力する第2の動作を有していることから、液晶表示パネルの輝度及び画像信号の極性反転に応じて出力バッファ回路の駆動能力を精度良く制御できる。また、液晶分子に直流電圧成分が長時間印加されることによって、液晶分子が画素電極表面で正負の電荷の偏り(微量不純物の固定化)を起こして寿命が短くなることを抑えることができる。
本発明のタッチパネル付き液晶表示装置は、好ましくは、第1の動作は、画像信号の所定の電位を2フレーム期間乃至10フレーム期間保持することから、液晶の電圧(画素電圧)が充分に保持されるため、視認者は液晶表示パネルの静止画を充分に視認することができる。また、液晶表示装置の消費電力を充分に低減化することができる。
本発明のタッチパネル付き液晶表示装置は、好ましくは、第2の動作は、画像信号線に極性反転させた画像信号を迂回回路を通して入力する場合、第1の動作及び第2の動作の繰り返し回数が2乃至3であることから、液晶分子に直流電圧成分が長時間印加されることを抑えることができる。また、第2の動作は、画像信号線に極性反転させた画像信号を増幅器を通して入力する場合は、第1の動作及び第2の動作の繰り返し回数は制約がなく、この場合にも液晶分子に直流電圧成分が長時間印加されることを抑えることができる。
以下、本発明のタッチパネル付き液晶表示装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明のタッチパネル付き液晶表示装置の一実施の形態における構成部材のうち、本発明の構成を説明するために必要な主要部材を示している。従って、本発明に係るタッチパネル付き液晶表示装置は、各図に示されていない、配線導体、回路基板、制御IC、制御LSI等の任意の構成部材を備え得る。
図1は、本発明のタッチパネル付き液晶表示装置について実施の形態の一例のブロック回路図である。図1のタッチパネル付き液晶表示装置は、液晶表示パネル1にマトリクス状に多数の画素電極部が形成されている。この画素電極部は、横方向(行方向)に形成された複数のゲート信号線3と、縦方向(列方向)に形成された複数の画像(ソース)信号線4とが交差する部位に設けられている。そして、画素電極部はTFT素子5と画素電極2を含んでいる。TFT素子5のドレイン電極6は画素電極2に接続されている。
また、画素電極部が形成されているガラス基板等の基板を、多数のTFT素子5がアレイ状に形成されていることからアレイ基板と呼び、そのアレイ基板と対向するガラス基板等の基板を対向基板またはカラーフィルタ基板と呼んでいる。それらのアレイ基板と対向基板との間に液晶が扶持されている。一般的に、対向基板の液晶側の主面に、液晶に垂直電界を印加するための共通電極(コモン電極、基準電極ともいう)が設けられており、共通電極は共通電位 (コモン電位)に設定される。尚、液晶は電気的な容量を有する素子でもあることから、図1には一端が画素電極2に接続され、他端の電位がコモン電位になるキャパシタ7が示されている。また、本発明の液晶表示装置は、対向基板の液晶側の主面に液晶に垂直電界を印加するための共通電極を設けずに、アレイ基板の画素電極部に画素電極との間で水平電界を形成する共通電極を設けたインプレーンスイッチング(In-Plane Switching :IPS)方式の液晶表示装置であってもよい。
ゲート信号線駆動回路(ゲートドライバ)11は、タイミング制御回路10が出力するタイミング制御信号に基づいて線順次にゲート信号線3を駆動する。ゲートオン電圧VGHが印加されたゲート信号線3に接続されている画素電極部の画素電極2には、画像信号線駆動回路(ソースドライバ)8から画像信号線4上を伝送されてきた画像信号電圧(画像データ信号電圧)VDが印加される。
タッチパネル11は、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式 (超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等の各種方式のものを採用できる。そのうち、表面型静電容量方式は、10インチ型以上のタッチパネルに好適に使用される。表面型静電容量方式のタッチパネルにおける静電容量検出部は、例えば、透明被覆層、透明導電膜、ガラス基板の3層から成り、透明導電膜はガラス基板の4つの偶部に設けられた電極に接続される。透明導電膜によってガラス基板上の透明被覆層の表面に均一な電界が形成される。人の指等の静電的な導電体が静電容量検出部の表面に触れると、駆動回路からの微弱な電流が4つの隅部の電極、透明導電膜、透明被覆層及び指等を経由して、大地等の周辺環境と駆動回路との間で等価回路的に閉回路を形成する。駆動回路によって、4つの隅部の電極における電流の比率を算出することにより、指等の位置を判別できる。表面型静電容量方式のタッチパネルは、構成が簡易なため低コストに製作でき、大型のタッチパネルに好適に用いられる。
投影型静電容量方式は、指等による接触部の多点検出が可能である。例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルにおける静電容量検出部は、透明絶縁体層、その下の透明電極層を有し、制御IC、制御LSI等の駆動回路を搭載したガラス基板等の基板を含んで成る。透明電極層は、所定の方向に伸びるように形成された、ITO等から成るモザイク状の第1の検出電極パターンを有する第1の層と、その第1の層の下方に所定の方向と直交する方向に伸びるように形成された、ITO等から成るモザイク状の第2の検出電極パターンを有する第2の層と、を含む。人の指等の静電的な導電体が静電容量検出部の表面に触れると、その付近の第1及び第2の検出電極パターンにおける1pF程度の静電容量の変化を検出することによって、接触部の位置を2次元的に高精度に検出できる。第1及び第2の検出電極パターンに接続される電極端子の数が多いために、製造コストが高くなる。また、ITO等から成る第1及び第2の検出電極パターンは、長くなると電気的な抵抗が高くなるため、金属配線に接続することによって抵抗を小さくし、大型化に対応できる。この投影型静電容量方式のタッチパネルは、接触部の位置検出を行う制御IC、制御LSI等によって多点検出が可能であり、実用性が高いので、タブレット型携帯端末等に好適に用いることができる。
また、投影型静電容量方式のタッチパネルは、第1及び第2の検出電極パターンにおける静電容量の変化を検出するので、人の指等の静電的な導電体が静電容量検出部の表面に直接触れずに近接した場合であっても、近接部の位置を2次元的に高精度に検出できる。
このタッチパネルは、例えば液晶表示パネル1の視認者側に設置されるが、液晶表示装置の内部に設けることもできる。タッチパネル11は、制御部に接触部の位置を特定する座標特定信号を出力する。制御部12は、基本画像信号が入力され、その基本画像信号をタイミング制御回路10に出力する。基本画像信号は、画像データ信号、水平同期信号、垂直同期信号等を含んでいる。また、制御部12は、画像動き検出部13と接触検出部14とを含む。
画像動き検出部13は、基本画像信号を用いて、それに基づく画像が静止画像と動画像のいずれであるのかを判定する。画像動き検出部13は、動画像である場合、タイミング制御回路10に出力される画像動き検出信号を、例えばハイ(H)レベルにする。この画像動き検出部13は、例えば、少なくとも1フレーム分の画像データを記憶可能な記憶装置を有し、最新の画像データと記憶装置に記憶されている直前のフレームの画像データとを比較して、画像動き検出を行うことができる。また、最新の画像データと記憶装置に記憶されている直前のフレームの画像データとを比較して、それらの画像データが好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上変化していなければ、静止画像であるとの判定を行うこともできる。
接触検出部14は、座標特定信号に基づいて、タッチパネル11への接触の有無を判定する。接触検出部14が接触があったと判定した場合、タイミング制御回路10に出力される接触信号の状態を、例えばハイ(H)レベルにする。尚、制御部12は、液晶表示装置に内蔵されていてもよいが、液晶表示装置の外部に設けられていてもよい。接触検出部14による接触の有無の判定は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルの場合、人の指等の静電的な導電体が静電容量検出部の表面に触れて、その接触部の第1及び第2の検出電極パターンにおける静電容量の変化を検出し、接触部の位置を2次元的に検出したときの検出信号を用いることによって、行うことができる。
図2(a)は、画像信号線駆動回路8、ゲート信号線駆動回路9及びタイミング制御回路10の内部構成と、それらに入出力される信号の状態を示すブロック回路図である。タイミング制御回路10は、タイミング発生器10aとラッチ回路10bを有する。ラッチ回路10bは、接触信号と画像動き検出信号との論理和否定(NOR)に相当する信号Aを垂直同期信号(Vsync)がオン状態になったときにラッチし、ラッチ信号を出力イネーブル信号OEとして出力する。(b)は、画像信号が液晶に中間調(階調)電圧(点線の電圧波形)として印加されることを示すタイミングチャートであり、液晶に垂直電界を印加するTN(Twisted Nematic)液晶の場合を示している。黒表示の場合、液晶に印加する電位(基準電圧Vcomとの電位差)は最大となる。また、液晶の交流駆動が必要であることから、画像信号を正極性、負極性に交互に反転駆動させることを示している。
図4は、ラッチ回路10bの動作例を示すタイミングチャートである。図4に示すように、例えば、接触信号および/または画像動き信号がオン状態(Hレベル)であるとき、即ちタッチパネルへの接触がある状態および/または動画像表示の状態であるときに、垂直同期信号(Vsync)が立ちあがると、出力イネーブル信号OEはオン状態(ハイ(H)レベル)となる。この例では、出力イネーブル信号OEはハイアクティブであり、画像信号線駆動回路8及びゲート信号線駆動回路9に供給される。
一方、接触信号及び画像動き信号がオフ状態(Lレベル)であるとき、即ちタッチパネルへの接触がない状態であって静止画表示の状態であるときに、垂直同期信号(Vsync)が立ちさがると、出力イネーブル信号OEはオフ状態(ロー(L)レベル)となる。図4においては、非接触及び静止画表示である場合に、出力イネーブル信号OEはオフ状態(ロー(L)レベル)となる。その後、第1の動作30及び第2の動作31が繰り返される。但し、第2の動作31の期間中はOEはオン状態となり、画像信号が画像信号線駆動回路から出力される。図4は、第1の動作を7フレーム期間実行する場合を示しており、(a)は第1の動作30の直後に画像信号線4に極性反転しない画像信号を入力する場合を示している。第2の動作31において、静止画表示における画像信号は迂回回路22を通る。(b)は、第2の動作31で極性反転を行う場合を示しており、第1の動作30の直後にAPLレベルの所定値により、迂回回路22を通すか、バッファ回路8bの増幅器21を通すかを決める。例えば、APLが60%以上の場合迂回回路を通し、60%未満の場合はバッファ回路を通す。本発明においては(b)の動作を実行するが、(b)の動作と(a)の動作を組み合わせることもできる。その場合、(a)の動作を14フレーム〜21フレーム程度、即ち第1の動作30及び第2の動作31を2回乃至3回繰り返すことが好ましい。それに続けて(b)の動作を実行し、また(a)の動作を実行する。例えば、(a)の動作と(b)の動作を交互に実行してもよい。その場合、画像信号を極性反転させない(a)の動作が含まれることにより、さらなる消費電力の低減化がなされる。
なお、APLレベルの所定値が60%であるとは、例えば、入力信号である赤(R)、緑(G)、青(B)の一画面中のデータ量の平均値が60%であるとする。全白画面では赤、緑、青のデータは上位ビットから下位ビットまで“1”であるので100%、全黒画面では赤、緑、緑、青のデータは上位ビットから下位ビットまで“0”であるので、0%となる。即ち、各画素のデータ入力が6ビットである場合、赤、緑、青の値は0から63の値をとる。一画面は各画素の集合体であるので、APLを算出することは、一画面における赤、緑、青の平均値を計数することになる。具体的にはラインメモリを具備しており、1水平ライン(ゲート信号線)の平均値を求めてラインメモリに記憶させるとともに、次の水平ラインの計数を行い、前の水平ラインの値との平均をとる。このように、ラインメモリが3水平ライン分必要になる。TN液晶でノーマリホワイトの場合、白表示では液晶には電圧をかけず、黒表示では電圧をかける駆動となる。
タイミング発生器10aは、画像信号、データシフト用のクロック信号CLK、1水平走査級(1Hライン)の選択期間の開始を示す信号である水平スタートパルスSTH、及び1行(1H)の画像データ信号のラッチを指定するラッチ信号LP、極性反転制御信号POLを、画像信号線駆動回路8に出力する。また、タイミング発生器10aは、1フレームの開始を示す信号であるゲートスタートパルスSTV、及びシフトクロック信号CLKVを、ゲート信号線駆動回路9に出力する。
このタイミング発生器10aは、液晶表示パネル1の表示が静止画表示であってタッチパネルへの接触が非検出である場合に、出力イネーブル信号OEがオン状態からオフ状態に変化する。その後に開始されるnフレーム(nは自然数)にわたって、画像信号線4に画像信号を実質的に入力しない。即ち、画像信号線駆動回路8の出力とゲート信号線駆動回路9の出力は実質的にハイインピーダンス状態となる。その結果、液晶にはOEがオフとなる直前の電位が保持される。
図3は、迂回回路22を備えた出力バッファ回路8bを示し、迂回回路22を通して画像信号を画像信号線4に入力する場合、迂回回路22に備えられたスイッチSWAを出力イネーブル信号OEによって閉状態となるように制御する。また、増幅器21を通して画像信号を画像信号線4に入力する場合、増幅器21の出力線に備えられたスイッチSWBを出力イネーブル信号OEと極性反転制御信号POL.Cont2のオア回路によって閉状態となるように制御する。図3の(b)に示すように、PL.Cont1がオン(1)、信号Bがオフ(0)、信号Cがオン(1)のときは、スイッチSWAがオン、スイッチSWBはオフとなる。PL.Cont1がオフ(0)、信号Bがオン(1)、信号Cがオフ(0)のときは、スイッチSWAがオフ、スイッチSWBがオンとなる。POL.Cont2は、図3(c)に示すように、静止画表示の平均輝度APLが60%未満の場合はハイ(H:アクティブ(1))となり、信号Bがオン(1)、信号Cがオフ(0)、POLがアクティブとなる。また、APLが60%以上の場合、POL.Cont2はロー(L:非アクティブ(0))、信号Bがオフ(0)、信号Cがオン(1)、POLが非アクティブとなる。図2(b)に示すように、TN液晶の場合、白表示(中間調表示)の場合は画像信号の電位変化は小さく、画像信号の駆動能力はさほど必要ない。一方、黒表示の場合、画像信号の電位変化が大きく、画像信号の駆動能力が必要である。従って、白表示の場合は迂回回路22を通して画像信号を画像信号線に入力し、黒表示の場合はバッファ回路8bの増幅器21を通して画像信号を画像信号線に入力することによって、さらなる低消費電力化を実現させている。即ち1垂直期間中にバッファ回路8bを通すことは、さほど大きな消費電力アップとはならないからである。
本発明の液晶表示装置は、液晶表示パネル1の表示が静止画表示であってタッチパネル11への接触が非検出である場合に、画像信号の所定の電位をnフレーム(nは自然数)期間保持する第1の動作30を実行するが、この第1の動作30は、2フレーム乃至10フレーム期間実行することが好ましい。これにより、液晶の電圧(画素電圧)が充分に保持されるため、視認者は液晶表示パネル1の静止画を充分に視認することができる。また、液晶表示装置の消費電力を充分に低減化することができる。より好ましくは、第1の動作30は6フレーム乃至8フレーム、さらに好ましくは、第1の動作30は7フレーム実行することがよい。また、画像信号の所定の電位は、第1の動作30に入る直前の画像信号線4における最終値(画像信号の最後の電位)であるが、それに限定されない。例えば、画像信号線4における最低値と最高値の間で任意に設定することもでき、中間値(最高値の30%〜70%程度)であってもよい。
また、液晶表示パネル1の表示が静止画表示であってタッチパネル11への接触が非検出である場合に、第1の動作30の直後に、静止画表示における画像信号のAPLが60%以上の時に画像信号線4に極性反転させた画像信号を迂回回路22を通して入力し、静止画表示における画像信号のAPLが60%未満の時に画像信号線4に極性反転させた画像信号を増幅器21を通して入力する第2の動作31を実行する。そして、第1及び第2の動作30,31を繰り返す。第2の動作31を実行することにより、上述したように更なる低消費電力化が達成されることになる。
このとき、第1の動作30において画像信号の所定の電位を保持するので、第1の動作30開始直前の画像信号と同極性の画像信号を入力することになり、低消費電力化が得られる。
一方、第1の動作30の直後に、画像信号線4に極性反転させた画像信号を出カバッファ回路20の増幅器21を通して入力する場合、第1の動作30開始直前の画像信号と逆極性の大きな画像信号を入力することになり、液晶分子が画素電極2表面で正負の電荷の偏り(微量不純物の固定化)を起こして寿命が短くなることを効果的に抑えることができる。
また、第2の動作31は、画像信号線4に極性反転させた画像信号を増幅器21を通して入力する場合、定期的に極性反転が実行されることにより、液晶分子に直流電圧成分が長時間印加されることを防ぐことができる。
出力バッファ回路8bは画像信号線駆動回路8に含まれており、画像信号線駆動回路8は画像信号生成部8aを有する。画像信号生成部8aは、基本画像信号に基づいて各画像信号線上を伝送される画像信号を生成する。また、画像信号線駆動回路8は、D/A変換器を有しており、そのD/A変換器によってデジタル信号である画像信号をアナログ信号として出力バッファ回路8bに出力する。出力バッファ回路8bは、D/A変換器の出力を電流増幅して各画像信号線4に入力する。
尚、第1の動作30におけるnフレーム期間が経過する前に、液晶表示パネル1の表示が動画表示に変化するか、またはタッチパネル11への接触が検出された場合、出力イネーブル信号OEがオン状態になり、その直後に開始されるフレームから画像信号線駆動回路8及びゲート信号線駆動回路9は通常の駆動を行う。従って、液晶表示パネル1の表示が静止画表示であってタッチパネル11への接触が非検出であれば、第1及び第2の動作30,31が繰り返えされる。
また、第1及び第2の動作30,31が繰り返えされている最中であっても、液晶表示パネル1の表示が動画表示に変化するか、またはタッチパネル11への接触が検出された場合、出力イネーブル信号OEがオン状態になり、その直後に開始されるフレームから画像信号線駆動回路8及びゲート信号線駆動回路9は通常の駆動を行う。このとき、タッチパネル11への接触が検出されたために通常の駆動に移行する場合、その接触部以降のゲート信号線3から動画駆動に移行することが好ましい。これにより、静止画像から動画像への移行がより素早く、円滑に行われる。特に、好ましくは接触部がフレームの前半半分、即ち最初のゲート信号線3から中央のゲート信号線3までの間にある場合に効果的である。より好ましくは、接触部がフレームの前半30%にある場合に効果的である。
また、第1及び第2の動作30,31への移行は、液晶表示パネル1が電源オンでありながら動画表示休止期間等の静止画表示状態が所定期間継続し、さらにタッチパネル11への接触が所定期間ない状態が継続した場合に、実行してもよい。あるいは、タッチパネル11への接触が所定期間ない状態が継続し、その後液晶表示パネル1が電源オンでありながら動画表示休止期間等の静止画表示状態が所定期間継続した場合に、実行してもよい。
本発明のタッチパネル付き液晶表示装置は、それを構成するTFT素子5を、アモルファスシリコン(a-Si)、低温多結晶シリコン等から成る半導体膜を有するものとすることができる。特には、TFT素子5が、低温多結晶シリコンから成る半導体膜を有するものとすることが好ましい。低温多結晶シリコンは、450℃以下で多結晶化させたシリコンであり、高価な石英基板ではなくガラス基板が使用できる。また、低温多結晶シリコンはキャリア移動度が100〜200cm2/Vs以上であり、アモルファスシリコンの0.5cm2/Vsよりも高い。その結果、電流駆動能力が向上し、TFT素子を小さくして高精細化することができる。
また、低温多結晶シリコンを用いてnチャンネルTFT素子及びpチャンネルTFT素子を形成できるので、CMOS回路を基礎とした駆動回路、SRAM回路、D/A変換器、画像表示部等をガラス基板上に一体的に集積化することができる。従って、音声処理回路、マイクロプロセサを搭載した液晶表示装置を、低温多結晶シリコンを用いて作製することができる。ガラス基板上に液晶表示装置と周辺の駆動回路を一体的に形成できるので、電気的な信頼性が向上する。即ち、液晶表示パネルと駆動回路との電気的接続数を大幅に減らすことができ、振動に強く、軽量化がなされるので、携帯情報端末にとって好適なものとなる。また、電流駆動能力が高いので、高精細な画素、開口率の高い画素を有する液晶表示装置を作製することができる。
低温多結晶シリコンの製造方法を以下に示す。まず、ガラス基板上に、プラズマCVD(chemical Vapor Deposition)法によって、アモルファスシリコン膜を形成する。次に、アモルファスシリコン膜を多結晶化するために、450℃以下のガラス基板の温度でエキシマレーザ光を照射する。エキシマレーザ光のエネルギーでアモルファスシリコン膜は瞬間的に溶融し凝固する。その結果、平均粒径0.3μm程度の多結晶シリコンの膜に変化する。
本発明のタッチパネル付き液晶表示装置における画素電極、共通電極は、透光性を有する場合、酸化インジウムスズ(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化珪素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)、リンやボロンが含まれるシリコン(Si)等の透光性を有する導電性材料を用いて形成することができる。
本発明のタッチパネル付き液晶表示装置は各種の電子機器に適用できる。その電子機器としては、自動車経路誘導システム(カーナビゲーションシステム)、船舶経路誘導システム、航空機経路誘導システム、スマートフォン端末、携帯電話、タブレット端末、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電子手帳、電子書籍、電子辞書、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム機器の端末装置、テレビジョン、商品表示タグ、価格表示タグ、産業用のプログラマブル表示装置、カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー、ファクシミリ、プリンター、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機、デジタル表示式腕時計などがある。
1 液晶表示パネル
2 画素電極
3 ゲート信号線
4 画像信号
5 TFT素子
6 ドレイン電極
7 キャパシタ
8 画像信号線駆動回路
8a 画像信号生成部
8b 出力バッファ回路
9 ゲート信号線駆動回路
10 タイミング制御回路
10a タイミング発生器
10b ラッチ回路
11 タッチパネル
12 制御部
13 画像動き検出部
14 接触検出部
21 増幅器
22 迂回回路
30 第1の動作
31 第2の動作
2 画素電極
3 ゲート信号線
4 画像信号
5 TFT素子
6 ドレイン電極
7 キャパシタ
8 画像信号線駆動回路
8a 画像信号生成部
8b 出力バッファ回路
9 ゲート信号線駆動回路
10 タイミング制御回路
10a タイミング発生器
10b ラッチ回路
11 タッチパネル
12 制御部
13 画像動き検出部
14 接触検出部
21 増幅器
22 迂回回路
30 第1の動作
31 第2の動作
Claims (3)
- 複数のゲート信号線と複数の画像信号線とが交互に交差するように配設されて成る液晶表示パネルと、複数の前記ゲート信号線にゲート信号を入力するゲート信号線駆動回路と、複数の前記画像信号線に画像信号を出力バッファ回路を通して入力する画像信号線駆動回路と、前記液晶表示パネルに備えられたタッチパネルと、を有しており、前記出力バッファ回路は、前記画像信号を増幅する増幅器と前記画像信号を前記画像信号線に直接入力させる迂回回路と、を備えており、前記画像信号線駆動回路は、前記液晶表示パネルの表示が静止画表示であって前記タッチパネルへの接触が非検出である場合に、前記画像信号の所定の電位をnフレーム(nは自然数)期間保持する第1の動作と、前記静止画表示の平均輝度レベルが所定値以上の場合は前記第1の動作の直後に前記画像信号線に極性反転させた前記画像信号を前記迂回回路を通して入力し、前記静止画表示の平均輝度レベルが所定値未満の場合は前記第1の動作の直後に前記画像信号線に極性反転させた前記画像信号を前記増幅器を通して入力する第2の動作と、を繰り返すタッチパネル付き液晶表示装置。
- 前記第1の動作は、前記画像信号の所定の電位を2フレーム期間乃至10フレーム期間保持する請求項1に記載のタッチパネル付き液晶表示装置。
- 前記第2の動作は、前記画像信号線に極性反転させた前記画像信号を前記迂回回路を通して入力する場合、前記第1の動作及び前記第2の動作の繰り返し回数が2乃至3である請求項1または請求項2に記載のタッチパネル付き液晶表示装置。
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---|---|---|---|
JP2013226994A JP2015087608A (ja) | 2013-10-31 | 2013-10-31 | タッチパネル付き液晶表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2020101709A (ja) * | 2018-12-21 | 2020-07-02 | シナプティクス インコーポレイテッド | 表示ドライバ及びその動作方法 |
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-
2013
- 2013-10-31 JP JP2013226994A patent/JP2015087608A/ja active Pending
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