JP2014055458A - 塔状構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】必要な強度を十分に確保しながら形成の手間や時間を可及的に削減することができる共に、塔体ユニット同士の連結を容易且つ安定的に行うことができる塔体構造物を提供する。
【解決手段】塔状構造物1を構成する各塔体ユニット5,6を、台形状且つ平板状に形成された鋼材製の複数の平板部材7,9をその両側端において相互に連結して筒状に組むことにより、外面の水平方向の断面形状が正多角形状で、且つ上側の塔体ユニット5の下端側と下側の塔体ユニット6の上端部とがそれぞれ同形同大の形状となるようにそれぞれ形成すると共に、これらの各塔体ユニット5,6を、上側の塔体ユニット5の平板部材7と、上側の塔体ユニット5の平板部材7の下端部に当接する、下側の塔体ユニット6の平板部材9とを、平板状のスプライスプレート14を用いて摩擦接合することにより相互に連結した構成とする。
【選択図】図7
【解決手段】塔状構造物1を構成する各塔体ユニット5,6を、台形状且つ平板状に形成された鋼材製の複数の平板部材7,9をその両側端において相互に連結して筒状に組むことにより、外面の水平方向の断面形状が正多角形状で、且つ上側の塔体ユニット5の下端側と下側の塔体ユニット6の上端部とがそれぞれ同形同大の形状となるようにそれぞれ形成すると共に、これらの各塔体ユニット5,6を、上側の塔体ユニット5の平板部材7と、上側の塔体ユニット5の平板部材7の下端部に当接する、下側の塔体ユニット6の平板部材9とを、平板状のスプライスプレート14を用いて摩擦接合することにより相互に連結した構成とする。
【選択図】図7
Description
本発明は、例えば風力発電機が頂部に設置される塔状構造物に関するものである。
例えば風力発電機が頂部に設置される塔状構造物は、水平方向の断面が略円形に形成された、上方にいくに従って先細る円筒形状となっているのが一般的であり、陸上あるいは洋上等の設置場所によるが、基部(根元)の直径は4〜5m、頂部の直径は3m程度、高さは60〜80m、さらに、近年においては大型化が進み、直径が9〜10m、高さが100m以上の構造も検討されている。
設置に際しては、運搬上の制約、例えば車両による道路輸送に伴う長さの制約や、設置工事上の制約、例えば設置クレーンの吊上げ重量や長さの制約があることから、通常は塔状構造物の塔体を2分割して現地に搬入し、その分割した塔体ユニット同士の連結を現地において行うのが通常である。
設置に際しては、運搬上の制約、例えば車両による道路輸送に伴う長さの制約や、設置工事上の制約、例えば設置クレーンの吊上げ重量や長さの制約があることから、通常は塔状構造物の塔体を2分割して現地に搬入し、その分割した塔体ユニット同士の連結を現地において行うのが通常である。
図9に示すように、上述のような円筒状の塔状構造物21やその塔体ユニットは、湾曲した複数の鋼板22を円筒状に組んで溶接することにより形成されることが多い。
上記鋼板22は、通常、板厚30〜60mm程度の厚板を長さ方向(圧板の板面の長さ方向)に長い所定のサイズに切断した後、ベンディング装置でベンド加工を行い、これにより、各鋼板22に対して塔状構造物の断面形状の曲率に適合するまでそれぞれ曲げ加工を施す。そして、曲げ加工された複数の鋼板22を長手方向に向けて相互に溶接することにより、上方にいくに従って先細る短尺の円筒部材23を複数形成すると共に、これらの短尺の円筒部材23を上下方向に複数積み上げて、上下に隣接する円筒部材同士の接触部分を周方向に溶接することにより塔状構造物21の塔体ユニットを形成する。
上記鋼板22は、通常、板厚30〜60mm程度の厚板を長さ方向(圧板の板面の長さ方向)に長い所定のサイズに切断した後、ベンディング装置でベンド加工を行い、これにより、各鋼板22に対して塔状構造物の断面形状の曲率に適合するまでそれぞれ曲げ加工を施す。そして、曲げ加工された複数の鋼板22を長手方向に向けて相互に溶接することにより、上方にいくに従って先細る短尺の円筒部材23を複数形成すると共に、これらの短尺の円筒部材23を上下方向に複数積み上げて、上下に隣接する円筒部材同士の接触部分を周方向に溶接することにより塔状構造物21の塔体ユニットを形成する。
しかしながら、このような水平方向の断面が略円形状の塔状構造物やその塔体ユニットは、その形成に際して、鋼板を1枚毎にベンディング装置に通してベンド加工を施す必要があるため、多大な労力と時間が必要である。
しかも、ベンド加工を施すベンディング装置は、曲げ加工を行うことができる鋼板の高さ(この場合、板面の短手方向の長さ)や長さ(板面の長手方向の長さ)に制限があるのが通常であり、あまり大きな鋼板を加工できないことから、圧鋼板の幅や長さを事前に所定の大きさに切断した上でベンディング装置に通す必要がある。そうすると、切断や各鋼板の溶接にもさらに大きな手間がかかるという問題があった。
特に、塔状構造物が大型化した場合には、ベンド加工や切断、溶接にかかる手間と時間が一層大きくなり、製造コストも著しく増加する傾向にある。
しかも、ベンド加工を施すベンディング装置は、曲げ加工を行うことができる鋼板の高さ(この場合、板面の短手方向の長さ)や長さ(板面の長手方向の長さ)に制限があるのが通常であり、あまり大きな鋼板を加工できないことから、圧鋼板の幅や長さを事前に所定の大きさに切断した上でベンディング装置に通す必要がある。そうすると、切断や各鋼板の溶接にもさらに大きな手間がかかるという問題があった。
特に、塔状構造物が大型化した場合には、ベンド加工や切断、溶接にかかる手間と時間が一層大きくなり、製造コストも著しく増加する傾向にある。
そのため、例えば特許文献1に示すように、水平方向の断面が略円形状ではなく、多角形状にしたものが存在しており、具体的に特許文献1には、矩形状平面を有する部材と三角形状平面を有する部材を組み合わせて、上方にいくに従って次第に先細る塔状構造物が記載されている。そして、隣接する矩形状平面を有する部材の間に三角形状平面を有する部材を組み込むことにより、基部側よりも頂部側の断面の大きさが徐々に小さくなる一方、頂部の断面形状の多角形が基部側の断面形状の多角形よりも角数が少なくなった構成となっている。
この特許文献1のものは、基部側は角数が多くて円形に近い多角形状の断面であるものの、頂部は基部側よりも角数の少ない多角形状の断面となる。しかしながら、このように角数を小さくすることは塔状構造物の断面性能を低下させる一因になる。しかも、塔状構造物の基部と頂部以外の形状は、正多面体ではないことから対称性が悪く、あらゆる方向から風を受ける風力発電施設に用いる塔状構造物としては不向きである。
また、風力発電施設における塔状構造物の設計では、風力発電に伴う風荷重の影響や回転に伴う振動等の固有周期を避けることが肝要であるため、一定の剛性を確保する必要があるが、断面の多角形状の角数の変化や断面形状の変化がある場合、さらには断面が正多面体状でない部分を有している場合には、これらの剛性設計の観点から欠点となる可能性が高い。
しかも、特許文献1のものは、プレキャストコンクリートによって形成することができるが、この場合は、強度確保のために鋼材製に比べてかなり重くなる可能性があり、これにより上述した現地への搬入や設置に関する問題を更に大きくし、また現地での接合作業の手間を増加させる等の欠点が考えられる。特に、洋上における風力発電施設においては、このような欠点を有する特許文献1の技術を適用することはきわめて困難である。
また、風力発電施設における塔状構造物の設計では、風力発電に伴う風荷重の影響や回転に伴う振動等の固有周期を避けることが肝要であるため、一定の剛性を確保する必要があるが、断面の多角形状の角数の変化や断面形状の変化がある場合、さらには断面が正多面体状でない部分を有している場合には、これらの剛性設計の観点から欠点となる可能性が高い。
しかも、特許文献1のものは、プレキャストコンクリートによって形成することができるが、この場合は、強度確保のために鋼材製に比べてかなり重くなる可能性があり、これにより上述した現地への搬入や設置に関する問題を更に大きくし、また現地での接合作業の手間を増加させる等の欠点が考えられる。特に、洋上における風力発電施設においては、このような欠点を有する特許文献1の技術を適用することはきわめて困難である。
一方で、上記塔状構造物の設置に際しては、上述のように、塔状構造物を分割した複数の塔体ユニットを現地に搬入し、現地においてこれらの塔体ユニット同士を連結するが、この塔体ユニット同士の接続は次のような構成が用いられている。
即ち、上側の塔体ユニットの下端部及び下側の塔体ユニットの上端部に、各塔体ユニットの内側方向に突出するフランジを備えた平面視円環状のリングを溶接によりそれぞれ取付け、上側の塔体ユニットのフランジと下側の塔体ユニットのフランジとをボルト接合することが行われている。
しかしながら、このようなフランジ付きのリングを用いた接合の場合、このリングの製造が鍛造によって行われるのが一般的で、製作難易度が高い上に非常に高価であるという問題があった。しかも、塔状構造物が大きくなればなるほど、このリングの製造は難しくなり、また製造コストも著しく大きくなる可能性が大きい。
即ち、上側の塔体ユニットの下端部及び下側の塔体ユニットの上端部に、各塔体ユニットの内側方向に突出するフランジを備えた平面視円環状のリングを溶接によりそれぞれ取付け、上側の塔体ユニットのフランジと下側の塔体ユニットのフランジとをボルト接合することが行われている。
しかしながら、このようなフランジ付きのリングを用いた接合の場合、このリングの製造が鍛造によって行われるのが一般的で、製作難易度が高い上に非常に高価であるという問題があった。しかも、塔状構造物が大きくなればなるほど、このリングの製造は難しくなり、また製造コストも著しく大きくなる可能性が大きい。
この問題を解消するため、例えば特許文献2には、塔体ユニット同士の連結を、上記フランジ付きのリングを用いた接合に代えて、スプライスプレートを用いた摩擦接合を行う技術が記載されている。この摩擦接合は、スプライスプレートを連結する塔体ユニットの連結箇所の表裏面にそれぞれあてがい、高力ボルトによって締め付けてスプライスプレートと塔体ユニットの表面とを圧着させることにより、これらスプライスプレートと塔体ユニットの表面との間の摩擦力によって相対的な位置が不動となるように塔体ユニットを接合するものである。
上記摩擦接合を有効に機能させるためには、スプライスプレートの板面と塔体ユニットの表面とが隙間なく密着する必要があるが、円筒形の塔体ユニットの表面は湾曲しているため、スプライスプレートはこの塔体ユニットの表面の湾曲に適合するように曲げ加工を行う必要がある。
しかしながら、スプライスプレートに曲げ加工を施すのにも多大な手間と時間を要す上、スプライスプレートの曲率を塔体ユニットの表面の曲率に適合させるように曲げ加工を行うのは非常に難しく、仮にスプライスプレートと塔体ユニットの表面との間にギャップが生じてしまうと、接合の効果が著しく低下し、非常に危険であるという問題がある。
上記摩擦接合を有効に機能させるためには、スプライスプレートの板面と塔体ユニットの表面とが隙間なく密着する必要があるが、円筒形の塔体ユニットの表面は湾曲しているため、スプライスプレートはこの塔体ユニットの表面の湾曲に適合するように曲げ加工を行う必要がある。
しかしながら、スプライスプレートに曲げ加工を施すのにも多大な手間と時間を要す上、スプライスプレートの曲率を塔体ユニットの表面の曲率に適合させるように曲げ加工を行うのは非常に難しく、仮にスプライスプレートと塔体ユニットの表面との間にギャップが生じてしまうと、接合の効果が著しく低下し、非常に危険であるという問題がある。
如上に鑑み、本発明の技術的課題は、必要な強度を十分に確保しながら形成の手間や時間を可及的に低減することができる共に、塔体ユニット同士の連結を容易且つ安定的に行うことができる塔体構造物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の塔体構造物は、基部側から頂部側にいくに従って水平断面の大きさが次第に縮小する先細り形状を有し、予め定めた高さに分割された複数の塔体ユニットを高さ方向に組み上げた構成の塔状構造物において、上記塔状構造物は、塔状構造体全体として、いずれの高さにおいても水平方向の断面形状が同じ角数の正多角形状となる筒状に形成されていて、上記各塔体ユニットは、横幅よりも高さ方向に長く且つ下端側が上端側より長い台形状且つ平板状に形成された、鋼材製の複数の平板部材を備え、これらの平板部材をその両側端において相互に連結して筒状に組むことにより、外面の水平方向の断面形状が上記正多角形状で、且つ上端側が隣接する上側の塔体ユニットの下端側と、下端側が隣接する下側の塔体ユニットの上端部とそれぞれ同形同大の形状となるように形成されていると共に、これらの各塔体ユニットは、上側に位置する塔体ユニットの平板部材と、該上側に位置する塔体ユニットの平板部材の下端部に当接する、下側に位置する塔体ユニットの平板部材とを、平板状のスプライスプレートを用いて摩擦接合することにより相互に連結されていることを特徴とするものである。
本発明においては、上記平板部材は、横幅よりも高さ方向に長く且つ下端側が上端側より長い台形状且つ平板状に形成された鋼板を、高さ方向に複数連結することにより構成されていて、各平板部材の鋼板は、隣接する他の平板部材における鋼板の連結位置とは高さが異なる位置で相互に連結されているものとすることができる。
本発明によれば、上記塔状構造物は、いずれの高さにおいても外面の水平方向の断面形状が同じ角数の正多角形状となる構成とし、各塔体ユニットを、横幅よりも高さ方向に長く且つ下端側が上端側より長い台形状且つ平板状に形成された、鋼材製の複数の平板部材を、その長手の両側端において相互に連結して筒状に組むことにより形成したため、従来のような円筒状の塔状構造物のように、各鋼板をベンディング装置によるベンド加工が可能なサイズにカットした上でそれぞれに曲げ加工を施す必要がない。これにより、形成の手間と時間とを大幅に削減することができ、製造コストも抑えることができる。また、ベンディング装置を使用することなく形成可能であるため、材料の大きさに係る制約を受けることなく、これにより、大きな材料を用いて溶接等の形成の手間を可及的に減らすことが可能となる。
しかも、各塔体ユニットは、外面の水平方向の断面形状が正多角形状であり、また平板状の平板部材により形成されているため、平板状のスプライスプレートを用いて摩擦接合することができるため、湾曲したスプライスプレートを使用する場合に比べて、容易に摩擦接合することができる。塔体ユニットの平板部材の表面とスプライスプレートとはいずれも平板状であるため、相互に隙間なく密着することができ、この結果、確実且つ安定的に塔体ユニット同士を連結することが可能となる。
また、塔状構造物は、いずれの高さにおいても外面の水平方向の断面形状が同じ角数の正多角形状となる構成であるため、正多角形でない場合や角数が変化する場合に比べて塔状構造物全体として必要な断面性能を確保し易く、多様な方向から外力が作用しても十分に耐えうる強度を安定的に得ることができる。
さらに、たとえ塔状構造物が高くなって大型化した場合には、外面の水平方向の断面形状の角数を増やすことにより、該断面形状をより円形に近付けることができるため、必要な断面性能を容易に確保しやすいという利点がある。
さらに、たとえ塔状構造物が高くなって大型化した場合には、外面の水平方向の断面形状の角数を増やすことにより、該断面形状をより円形に近付けることができるため、必要な断面性能を容易に確保しやすいという利点がある。
図1〜図8は、本発明に係る塔状構造物の一実施の形態を示すもので、この実施の形態の塔状構造物1は、風力発電施設において使用される場合を示していて、図1のように、頂部2に、3枚の羽根3aを有する風力発電機3が設置されている。
具体的に、上記塔状構造物1は、図2に示すように、基部4(根元)側から頂部2側にいくに従って水平方向の断面の大きさが次第に縮小する先細り形状を有していて、予め定めた高さに分割された上側及び下側の2つの塔体ユニット5,6を高さ方向に組み上げた構成となっている。
また、この塔状構造物1は、塔状構造体全体として、いずれの高さにおいても外面の水平方向の断面形状が同じ角数の正多角形状となっており、この実施の形態の場合は、外面及び内面共に正八角形状となる筒状に形成されている。
具体的に、上記塔状構造物1は、図2に示すように、基部4(根元)側から頂部2側にいくに従って水平方向の断面の大きさが次第に縮小する先細り形状を有していて、予め定めた高さに分割された上側及び下側の2つの塔体ユニット5,6を高さ方向に組み上げた構成となっている。
また、この塔状構造物1は、塔状構造体全体として、いずれの高さにおいても外面の水平方向の断面形状が同じ角数の正多角形状となっており、この実施の形態の場合は、外面及び内面共に正八角形状となる筒状に形成されている。
図3及び図4に示すように、上記上側の塔体ユニット5は、その上端側、即ち塔状構造物の頂部2にあたる部分に上記風力発電機3が設置されるもので、この実施の形態においては、横幅よりも高さ方向に長く且つ下端側が上端側より長い台形状且つ平板状に形成された、8枚の鋼材製の平板部材7により形成されている。
そして、これらの平板部材7をその両側端において、溶接により相互に連結して筒状に組むことにより、上方側にいくに従って次第に先細る、外面及び内面の水平方向の断面形状がいずれの高さにおいても正八角形状である角筒状に形成された構成となっている。したがって、この上側の塔体ユニット5は、外面及び内面の各頂点部分がそれぞれ溶接線となっていると共に、上方にいくに従って、水平方向の断面である正八角形の大きさが次第に小さくっていくこととなる。
そして、これらの平板部材7をその両側端において、溶接により相互に連結して筒状に組むことにより、上方側にいくに従って次第に先細る、外面及び内面の水平方向の断面形状がいずれの高さにおいても正八角形状である角筒状に形成された構成となっている。したがって、この上側の塔体ユニット5は、外面及び内面の各頂点部分がそれぞれ溶接線となっていると共に、上方にいくに従って、水平方向の断面である正八角形の大きさが次第に小さくっていくこととなる。
また、上記各平板部材7は、いずれも相互に同形同大に形成された平坦状のもので、全長にわたってすべて同じ板厚で、湾曲することなく長手方向にまっすぐに延びたものとなっている。さらに各平板部材7の両側端には、隣接する他の平板部材7との連結の際に溶接を行い易くするために図示しない開先が設けられている。
なお、各平板部材7の厚さとしては、30〜60mm程度とすることができるが、塔状構造物1の高さや要求される強度に応じて適当な厚さのものを選択することが可能である。さらに、各平板部材7の上端側及び下端側の各幅についても、塔状構造部材1の高さ及び先細り具合により適宜設定される。
なお、各平板部材7の厚さとしては、30〜60mm程度とすることができるが、塔状構造物1の高さや要求される強度に応じて適当な厚さのものを選択することが可能である。さらに、各平板部材7の上端側及び下端側の各幅についても、塔状構造部材1の高さ及び先細り具合により適宜設定される。
一方、図5及び図6に示すように、上記下側の塔体ユニット6は、下端側である基部4が、陸上あるいは洋上等の各種設置場所に設けられたコンクリート製等の基礎8上に固定されると共に、上端側に上記上側の塔体ユニット5が載置されるものである。この実施の形態においては、上記上側の塔体ユニット5と同様に、横幅よりも高さ方向に長く且つ下端側が上端側より長い台形状且つ平板状に形成された、8枚の鋼材製の平板部材9により形成されている。
そして、これらの平板部材9をその両側端において、溶接により相互に連結して筒状に組むことにより、上方側にいくに従って次第に先細る、外面及び内面の水平方向の断面形状がいずれの高さにおいても正八角形状である角筒状に形成された構成となっており、これにより、外面及び内面の各頂点部分がそれぞれ溶接線となっていると共に、上方にいくに従って、水平方向の断面である正八角形の大きさが次第に小さくなる態様となっている。
なお、この実施の形態においては、上記下側の塔体ユニット6は、上側の塔体ユニット5とほぼ同じ高さに設定されている。
そして、これらの平板部材9をその両側端において、溶接により相互に連結して筒状に組むことにより、上方側にいくに従って次第に先細る、外面及び内面の水平方向の断面形状がいずれの高さにおいても正八角形状である角筒状に形成された構成となっており、これにより、外面及び内面の各頂点部分がそれぞれ溶接線となっていると共に、上方にいくに従って、水平方向の断面である正八角形の大きさが次第に小さくなる態様となっている。
なお、この実施の形態においては、上記下側の塔体ユニット6は、上側の塔体ユニット5とほぼ同じ高さに設定されている。
さらに、この下側の塔体ユニット6は、その上端面が、該上端側に隣接する塔体ユニットである上記上側の塔体ユニット5の下端面と、相互に同大同形となる形状となっている。これにより、上側の塔体ユニット5を下側の塔体ユニット6上に載置した場合には、上側の塔体ユニット5の各平板部材7の下端面と、下側の塔体ユニット6の各平板部材9の上端面とが対向した状態で当接するようになっている。
また、この下側の塔体ユニット6は、高さ方向に対して、上記上側の塔体ユニット5と同じ勾配で先細る形状となっていて、上側の塔体ユニット5を下側の塔体ユニット6上に載置した場合には、塔状構造物1の外面及び内面が、全体として湾曲することなく直線的に先細る態様となっている。
また、この下側の塔体ユニット6は、高さ方向に対して、上記上側の塔体ユニット5と同じ勾配で先細る形状となっていて、上側の塔体ユニット5を下側の塔体ユニット6上に載置した場合には、塔状構造物1の外面及び内面が、全体として湾曲することなく直線的に先細る態様となっている。
上記下側の塔体ユニット6を形成する各平板部材9は、上記上側の塔体ユニット5の平板部材7と同様、いずれも相互に同形同大に形成された平坦状のもので、全長にわたってすべて同じ板厚で、湾曲することなく長手方向にまっすぐに延びたものとなっており、各平板部材9の両側端には、隣接する平板部材との連結の際に溶接を行い易くするために図示しない開先が設けられている。
各平板部材9の厚さについては、上側の塔体ユニット5の平板部材7と同様の大きさであり、塔状構造物1の高さや要求される強度に応じて適当な厚さのものを選択できることも同様である。
また、各平板部材9の上端側及び下端側の幅は、塔状構造部材1の高さ及び先細り具合により適宜設定されるが、上述のように、下側の塔体ユニット6の上端面は、上側の塔体ユニット5の下端面と同形同大の形状となるため、各平板部材9の上端面の幅は上側の塔体ユニット5の平板部材7の下端部と同じ大きさとなる。
各平板部材9の厚さについては、上側の塔体ユニット5の平板部材7と同様の大きさであり、塔状構造物1の高さや要求される強度に応じて適当な厚さのものを選択できることも同様である。
また、各平板部材9の上端側及び下端側の幅は、塔状構造部材1の高さ及び先細り具合により適宜設定されるが、上述のように、下側の塔体ユニット6の上端面は、上側の塔体ユニット5の下端面と同形同大の形状となるため、各平板部材9の上端面の幅は上側の塔体ユニット5の平板部材7の下端部と同じ大きさとなる。
ここで、上記上側の塔体ユニット5及び下側の塔体ユニット6の各平板部材7,9は、図4及び図6に示すように、いずれも、横幅よりも高さ方向に長く且つ下端側が上端側より長い台形状且つ平板状に形成された鋼板10,11を、高さ方向に複数連結することにより構成されていて、これにより、各平板部材7,9は塔体ユニット5,6の形成に必要な高さに形成されたものとなっている。
上記各平板部材7,9を構成する鋼板10,11は、いずれも同じ板厚で、且つ上端側が上方側に隣接する鋼板の下端側と同じ大きさに、下端側が下方側に隣接する鋼板の上端側と同じ大きさとなっていて、隣接する鋼板10,11の対向する端部同士を溶接して連結することにより全体として1枚の平板部材7,9を形成している。
図4及び図6に示すもの場合、上側の塔体ユニット5及び下側の塔体ユニット6の各平板部材7,9は、3枚あるいは4枚の鋼板10,11を高さ方向に溶接した構成となっている。
図4及び図6に示すもの場合、上側の塔体ユニット5及び下側の塔体ユニット6の各平板部材7,9は、3枚あるいは4枚の鋼板10,11を高さ方向に溶接した構成となっている。
そして、各平板部材7,9を構成する鋼板10,11は、隣接する他の平板部材7,9における鋼板10,11の連結位置とは高さが異なる位置で溶接されて、相互に連結されている。
このように、各平板部材7,9を構成する鋼板10,11を、隣接する他の平板部材7,9における鋼板10,11の連結位置とは高さが異なる位置で相互に連結しているのは、他の平板部材における鋼板の連結位置と揃って水平方向の溶接線が同じ高さで一連となってしまうことによる、各塔体ユニット5,6、延いては塔状構造体1全体の強度を低下するのを可及的に抑えるためである。
基本的に、塔状構造物あるいは塔体ユニットの溶接線は、鋼材部分に比べて強度が落ちる危険性があるため、隣接する平板部材の連結位置が同じ高さになり、且つこれらの隣接する平板部材の各溶接線が周方向に一連に連なってしまうと、その溶接線の部分は他の部分に比べて強度が低下する。
そのため、この実施の形態においては、各平板部材7,9を構成する鋼板10,11を、隣接する他の平板部材7,9における鋼板10,11の連結位置とは高さが異なる位置で相互に連結するようにして、塔体ユニットの水平方向の溶接線12,13が異なる高さとなるようにすることにより、塔状構造物1あるいは各塔体ユニット5,6の強度の低下を抑止している。
このように、各平板部材7,9を構成する鋼板10,11を、隣接する他の平板部材7,9における鋼板10,11の連結位置とは高さが異なる位置で相互に連結しているのは、他の平板部材における鋼板の連結位置と揃って水平方向の溶接線が同じ高さで一連となってしまうことによる、各塔体ユニット5,6、延いては塔状構造体1全体の強度を低下するのを可及的に抑えるためである。
基本的に、塔状構造物あるいは塔体ユニットの溶接線は、鋼材部分に比べて強度が落ちる危険性があるため、隣接する平板部材の連結位置が同じ高さになり、且つこれらの隣接する平板部材の各溶接線が周方向に一連に連なってしまうと、その溶接線の部分は他の部分に比べて強度が低下する。
そのため、この実施の形態においては、各平板部材7,9を構成する鋼板10,11を、隣接する他の平板部材7,9における鋼板10,11の連結位置とは高さが異なる位置で相互に連結するようにして、塔体ユニットの水平方向の溶接線12,13が異なる高さとなるようにすることにより、塔状構造物1あるいは各塔体ユニット5,6の強度の低下を抑止している。
ところで、塔状構造物1、さらに具体的には上側の塔体ユニット5及び下側の塔体ユニット6をいずれの高さにおいても外面の水平方向の断面形状が同じ角数の正多角形状とし、これらの各塔体ユニット5,6を平板状の平板部材7,9で形成しているのは、第1の理由としては、従来のような円筒状の塔状構造物のように、形成に際して曲げ加工を不要にして塔体するためである。
既に述べたように、円筒状の塔状構造物の場合は、塔体ユニットを構成する各鋼板をベンド加工するベンディング装置によっていちいち曲げ加工を施す必要があるが、このような加工は非常に手間と時間がかかるという問題があった。
そこで、本発明においては、形成に際してこのような曲げ加工を不必要となるようにして、手間や時間をかけることなく、比較的容易に塔体ユニットを形成することができるよう、塔状構造物1、各塔体ユニット5,6をいずれの高さにおいても外面の水平方向の断面形状が同じ角数の正多角形状として、各塔体ユニット5,6を平板状の平板部材7,9で形成できる構成としている。
既に述べたように、円筒状の塔状構造物の場合は、塔体ユニットを構成する各鋼板をベンド加工するベンディング装置によっていちいち曲げ加工を施す必要があるが、このような加工は非常に手間と時間がかかるという問題があった。
そこで、本発明においては、形成に際してこのような曲げ加工を不必要となるようにして、手間や時間をかけることなく、比較的容易に塔体ユニットを形成することができるよう、塔状構造物1、各塔体ユニット5,6をいずれの高さにおいても外面の水平方向の断面形状が同じ角数の正多角形状として、各塔体ユニット5,6を平板状の平板部材7,9で形成できる構成としている。
第2の理由としては、上記ベンディング装置を用いないことによって、該ベンディング装置に起因する材料の大きさの制約を回避し、各平板部材7,9(この実施の形態の場合、より厳密には、これらの平板部材7,9を形成する鋼板10,11)に可及的に大きな材料を使用することができるようにすると共に、各平板部材7,9を形成時における鋼板10,11の溶接を含む、各塔体ユニット5,6の形成時における各平板部材7,9の溶接に伴う溶接線の数や全長を低減するためである。
この点について詳しく説明すると、通常、塔状構造体を形成する鋼材は厚板であるが、この厚板(スラブプレート)の製造時の長手方向の長さは一般的に10〜20m程度、短手方向の長さは4m程度ある。一方、従来のような円筒状の塔状構造物の形成において、ベンド加工を行うベンディング装置で曲げ加工できる幅(つまり塔状構造物の高さ方向の長さ)は3m程度、長手方向の長さ(塔状構造物の周方向の長さ)は5〜6m程度が一般的である。そのため、厚板をこのようなベンディング装置に通せる大きさにカットした上でベンド加工を施して、高さ方向の長さが3m程度、周方向の長さが5〜6m程度の湾曲した鋼板とし、これらの鋼板を順次連結しながら円筒状の塔体ユニットを形成するようにしていた。
しかしながら、この場合は各鋼板の大きさが比較的小さく、必要な枚数も非常に多くなるため、塔体ユニットを形成するにあたっては、他の鋼板と連結する際の溶接線の数や全長が非常に多くなる上、塔状構造物が大型化して高さや直径が大きくなるほど溶接線の数や全長は大きくなることから、形成のための手間や時間が一層増加し、製造コストも増大するという問題がある。
この点について詳しく説明すると、通常、塔状構造体を形成する鋼材は厚板であるが、この厚板(スラブプレート)の製造時の長手方向の長さは一般的に10〜20m程度、短手方向の長さは4m程度ある。一方、従来のような円筒状の塔状構造物の形成において、ベンド加工を行うベンディング装置で曲げ加工できる幅(つまり塔状構造物の高さ方向の長さ)は3m程度、長手方向の長さ(塔状構造物の周方向の長さ)は5〜6m程度が一般的である。そのため、厚板をこのようなベンディング装置に通せる大きさにカットした上でベンド加工を施して、高さ方向の長さが3m程度、周方向の長さが5〜6m程度の湾曲した鋼板とし、これらの鋼板を順次連結しながら円筒状の塔体ユニットを形成するようにしていた。
しかしながら、この場合は各鋼板の大きさが比較的小さく、必要な枚数も非常に多くなるため、塔体ユニットを形成するにあたっては、他の鋼板と連結する際の溶接線の数や全長が非常に多くなる上、塔状構造物が大型化して高さや直径が大きくなるほど溶接線の数や全長は大きくなることから、形成のための手間や時間が一層増加し、製造コストも増大するという問題がある。
これに対して、塔体ユニットを構成する鋼板(本発明の平板部材7,9、さらにこの実施の形態の場合は各平板部材7,9を構成する鋼板10,11)の曲げ加工が不要であれば、ベンディング装置の加工能力に基づく大きさの制約を受けることがないため、厚板本来の大きさ、特に長手方向の長さを鋼板の大きさに最大限に生かすことができる。例えば、厚板本来の長手方向の長さが10mである場合、鋼板1枚の長手方向の長さは、最大10mとすることができることとなる。
これにより、円筒状の塔状構造物の場合よりも大きな材料を使用することができることから、結果として必要な鋼板の枚数や溶接箇所が減るため、塔体ユニットの形成の際には溶接線の数や全長をより低減することができ、結果として製造コストも抑えることが可能となる。
これにより、円筒状の塔状構造物の場合よりも大きな材料を使用することができることから、結果として必要な鋼板の枚数や溶接箇所が減るため、塔体ユニットの形成の際には溶接線の数や全長をより低減することができ、結果として製造コストも抑えることが可能となる。
そこで、本発明においては、各塔体ユニット5,6を平板状の平板部材7,9で形成することにより、さらにこの実施の形態においてはこれらの平板部材7,9を平板状の鋼板10,11で形成することにより曲げ加工を行う必要がないようにしている。そして、従来のようなベンディング装置の加工能力に起因する材料の大きさの制約を受けずに、材料本来の大きさを生かした大きな材料を使用できるようにして、各塔体ユニット5,6の形成時における溶接線の数や全長を低減可能としている。
例えば、従来技術の円筒状の塔状構造物に係る鋼板の短手方向(塔状構造物の高さ方向)の長さを3m、長手方向(塔状構造物の周方向)の長さを5mとした場合と、本発明に係る上記鋼板10,11の短手方向(塔状構造物の横幅方向)の長さを5m、長手方向(塔状構造物の高さ方向)の長さを10mとした場合とを比較すると、1平行メートル当たりの周長は本発明の方が約6割程度まで短くなる。溶接線の全長の低減率は、この周長の割合にほぼ相関するため、この例の場合は溶接個所や全長を約6割程度まで削減できることとなる。したがって、溶接の手間や時間を大幅に低減でき、製造コストの大幅な抑制を図ることができる。
例えば、従来技術の円筒状の塔状構造物に係る鋼板の短手方向(塔状構造物の高さ方向)の長さを3m、長手方向(塔状構造物の周方向)の長さを5mとした場合と、本発明に係る上記鋼板10,11の短手方向(塔状構造物の横幅方向)の長さを5m、長手方向(塔状構造物の高さ方向)の長さを10mとした場合とを比較すると、1平行メートル当たりの周長は本発明の方が約6割程度まで短くなる。溶接線の全長の低減率は、この周長の割合にほぼ相関するため、この例の場合は溶接個所や全長を約6割程度まで削減できることとなる。したがって、溶接の手間や時間を大幅に低減でき、製造コストの大幅な抑制を図ることができる。
一方、上記上側の塔体ユニット5と下側の塔体ユニット6とは、平板状のスプライスプレート14を用いた摩擦接合により相互に連結されている。
さらに具体的には、これらの上側の塔体ユニット5と下側の塔体ユニット6とは、相互の連結部分である、上側の塔体ユニット5の各平板部材7の下端側と、該上側の塔体ユニット5の各平板部材7に当接している下側の塔体ユニット6の各平板部材9の上端側とが、一対のスプライスプレート14,14によってそれぞれ摩擦接合されている。
さらに具体的には、これらの上側の塔体ユニット5と下側の塔体ユニット6とは、相互の連結部分である、上側の塔体ユニット5の各平板部材7の下端側と、該上側の塔体ユニット5の各平板部材7に当接している下側の塔体ユニット6の各平板部材9の上端側とが、一対のスプライスプレート14,14によってそれぞれ摩擦接合されている。
上記一対のスプライスプレート14,14は、略矩形状の板面を有する全体として平坦な板体状に形成されていて、板面の表面が上記平板部材の表面に面接触するようになっていると共に、板面を厚さ方向に貫通して締付用の高力ボルト15の螺杆部分が挿入される、該高力ボルト用の複数の挿入孔14aが穿設されている。
なお、上記スプライスプレート14は、摩擦接合を有効に行うのに必要な板面の大きさや板厚を備えている。また、この摩擦接合に使用される高力ボルトの数や締付力については、予め定められた所定の接合強度が確実に得られるようにそれぞれ設定されている。
なお、上記スプライスプレート14は、摩擦接合を有効に行うのに必要な板面の大きさや板厚を備えている。また、この摩擦接合に使用される高力ボルトの数や締付力については、予め定められた所定の接合強度が確実に得られるようにそれぞれ設定されている。
上記摩擦接合においては、一対のスプライスプレート14,14は、上側の塔体ユニット5と下側の塔体ユニット6との連結部分の外面側及び内面側に、上側の塔体ユニット5の平板部材7と下側の塔体ユニット6の平板部材9とを跨ぐようにそれぞれ面接触により当接している。そして、これらの外面側及び内面側のスプライスプレート14,14と各平板部材7,9とを貫通する高力ボルト15及びこれに螺合するナット16により締め付けられて、外面側及び内面側のスプライスプレート14,14を各平板部材7,9に圧接された状態となっている。
これにより、高力ボルト15の締め付け力が、スプライスプレート14,14の表面とこれに当接する平板部材7,9の表面との間の摩擦力へと変化されて、上側の塔体ユニット5の平板部材7と下側の塔体ユニット6の平板部材9とがスプライスプレート14,14を介して強固に接合されている。この結果、上側の塔体ユニット5と下側の塔体ユニット6とが一体的に相互連結されることとなる。
これにより、高力ボルト15の締め付け力が、スプライスプレート14,14の表面とこれに当接する平板部材7,9の表面との間の摩擦力へと変化されて、上側の塔体ユニット5の平板部材7と下側の塔体ユニット6の平板部材9とがスプライスプレート14,14を介して強固に接合されている。この結果、上側の塔体ユニット5と下側の塔体ユニット6とが一体的に相互連結されることとなる。
ここで、上記上側の塔体ユニット5と下側の塔体ユニット6とを、スプライスプレート14を用いた摩擦接合により連結するのは、これらの塔体ユニット5,6を構成する平板部材が平板状であることを利用して、比較的容易に高い接合強度で摩擦接合を行うことができ、必要な接合強度を安定的に確保することができるからである。
既に述べたように、従来、円筒状の塔状構造物における塔体ユニットの連結は、内向きに突出するフランジを有するリングを各塔体ユニットにそれぞれ取付け、これらのフランジをボルトで連結することにより行われていたが、リングが鍛造品で製作難易度が高く、また非常に高価であった。そのため、各塔体ユニット表面の曲率に合わせて曲げ加工を施したスプライスプレートを用いて摩擦接合を行うことにより、これらの塔体ユニット同士の連結を比較的容易に行うことが考えられる。しかしながら、スプライスプレートを塔体ユニット表面の曲率に適合するように曲げ加工を行うのは困難であり、また曲率が適合せずに塔体ユニット表面とスプライスプレートの表面との間にギャップが生じてしまうと、接合強度が著しく低下して非常に危険である。
既に述べたように、従来、円筒状の塔状構造物における塔体ユニットの連結は、内向きに突出するフランジを有するリングを各塔体ユニットにそれぞれ取付け、これらのフランジをボルトで連結することにより行われていたが、リングが鍛造品で製作難易度が高く、また非常に高価であった。そのため、各塔体ユニット表面の曲率に合わせて曲げ加工を施したスプライスプレートを用いて摩擦接合を行うことにより、これらの塔体ユニット同士の連結を比較的容易に行うことが考えられる。しかしながら、スプライスプレートを塔体ユニット表面の曲率に適合するように曲げ加工を行うのは困難であり、また曲率が適合せずに塔体ユニット表面とスプライスプレートの表面との間にギャップが生じてしまうと、接合強度が著しく低下して非常に危険である。
これに対して、本発明の場合は、各塔体ユニットが平板状の平板部材により構成されているため、平板状のスプライスプレートを用いて、その板面を塔体ユニットの表面とギャップなく面接触させることが可能となり、比較的容易に、且つ安定的に高い接合強度による摩擦接合を行うことができる。
そのため、本発明においては、比較的容易に連結を行うことができ、且つ必要な接合強度を安定的に確保することができるというスプライスプレートの利点を生かし、塔体ユニット5,6同士の連結を、平板状のスプライスプレート14を用いた摩擦接合により行うようにしている。
そのため、本発明においては、比較的容易に連結を行うことができ、且つ必要な接合強度を安定的に確保することができるというスプライスプレートの利点を生かし、塔体ユニット5,6同士の連結を、平板状のスプライスプレート14を用いた摩擦接合により行うようにしている。
上記構成を有する塔状構造物1は、上側の塔体ユニット5と下側の塔体ユニット6とを別々に形成して、設置場所となる現場にそれぞれ搬入すると共に、下側の塔体ユニット6を基礎8に載置、固定した後、該下側の塔体ユニット6上に上側の塔体ユニット5を載置して、これらの上側及び下側の塔体ユニット5,6を平板状のスプライスプレート14を用いた摩擦接合により相互に連結する。
このとき、上記塔状構造物1を構成する各塔体ユニット5,6は、横幅よりも高さ方向に長く且つ下端側が上端側より長い台形状且つ平板状に形成された、鋼材製の複数の平板部材7,9を、その長手の両側端において相互に連結して、外面の水平方向の断面形状が正多角形状である筒状に組むことにより形成されている。そのため、従来の円筒状の塔状構造物のように、塔体ユニットを構成する各鋼板をベンディング装置によるベンド加工が可能なサイズにカットした上でそれぞれに曲げ加工を施す必要がなく、これにより形成の手間と時間とを大幅に削減することができる。
また、上記平板部材7,9は、ベンディング装置を使用することなく形成可能であるため、材料の大きさに係る制約を受けることなく、これにより、大きな材料を用いて溶接等の形成の手間を可及的に減らすことが可能となる。
このとき、上記塔状構造物1を構成する各塔体ユニット5,6は、横幅よりも高さ方向に長く且つ下端側が上端側より長い台形状且つ平板状に形成された、鋼材製の複数の平板部材7,9を、その長手の両側端において相互に連結して、外面の水平方向の断面形状が正多角形状である筒状に組むことにより形成されている。そのため、従来の円筒状の塔状構造物のように、塔体ユニットを構成する各鋼板をベンディング装置によるベンド加工が可能なサイズにカットした上でそれぞれに曲げ加工を施す必要がなく、これにより形成の手間と時間とを大幅に削減することができる。
また、上記平板部材7,9は、ベンディング装置を使用することなく形成可能であるため、材料の大きさに係る制約を受けることなく、これにより、大きな材料を用いて溶接等の形成の手間を可及的に減らすことが可能となる。
さらに、各塔体ユニット5,6を、平板状の平板部材7.9により形成して、外面の水平方向の断面形状を正多角形状としていることから、平板状のスプライスプレート14を用いて摩擦接合することができる。
これにより、湾曲したスプライスプレートを使用する場合に比べて、きわめて容易に摩擦接合することができる。しかも、塔体ユニット5,6の平板部材7,9の表面とスプライスプレート14とはいずれも平板状で、相互に隙間なく密着させることができるため、必要な高い接合強度を安定的に確保することでき、したがって、塔体ユニット5,6同士を確実に連結することが可能となる。
これにより、湾曲したスプライスプレートを使用する場合に比べて、きわめて容易に摩擦接合することができる。しかも、塔体ユニット5,6の平板部材7,9の表面とスプライスプレート14とはいずれも平板状で、相互に隙間なく密着させることができるため、必要な高い接合強度を安定的に確保することでき、したがって、塔体ユニット5,6同士を確実に連結することが可能となる。
また、各塔体ユニット5,6、延いては塔状構造物1は、いずれの高さにおいても外面の水平方向の断面形状が同じ角数の正多角形状となる構成であるため、塔状構造物1全体として必要な断面性能を確保し易く、多様な方向から外力が作用しても十分に耐えうる強度を安定的に得ることができる。特に、あらゆる方向から風を受ける可能性がある風力発電施設においては好適である。
上記実施の形態においては、塔状構造物1及び各塔体ユニット5,6は、外面の水平方向の断面形状が正八角形状となる筒状しているが、塔状構造物及び塔体ユニットの外面の水平方向の断面形状は正多角形であればどのような形状でもよい。ただし、四角形状以上の、できるだけ円形に近い正多角形状であることが望ましく、さらには2N角形状(ただしN≧2)であることが好ましい。
さらに、塔状構造物が高くなって大型化した場合には、使用する平板部材の数を増やすことにより、外面の水平方向の断面形状の角数を増やすことが好ましく、これにより、該断面形状をより円形に近付けることができるため、必要な断面性能を容易に確保しやすくなるという利点がある。
さらに、塔状構造物が高くなって大型化した場合には、使用する平板部材の数を増やすことにより、外面の水平方向の断面形状の角数を増やすことが好ましく、これにより、該断面形状をより円形に近付けることができるため、必要な断面性能を容易に確保しやすくなるという利点がある。
上記実施の形態においては、塔状構造物1は、上側及び下側の2つの塔体ユニット5,6に分割されていて、これらの2つの塔体ユニット5,6を連結して形成した構成となっているが、塔体構造物は3つ以上の塔体ユニットに分割する構成であってもよく、要求される塔状構造物の高さや、運搬上あるいは設置工事上の制約に応じて任意に決定することができる。なお、何れの場合であっても、各塔体ユニットの連結に際しては、スプライスプレートによる摩擦接合を行うことが肝要である。
また、上記実施の形態においては、各塔体ユニット5,6の平板部材7,9を、3〜4枚の鋼板を高さ方向に連結することにより構成しているが、平板部材を構成する鋼板の枚数については、鋼板を形成する厚板のサイズや、平板部材の高さ方向の長さ等、種々の条件に応じて任意に決定することができる。
さらに、上記実施の形態においては、各平板部材7,9あるいは鋼板10,11は、すべて相互に同じ厚さで、且つ一定の厚さのものとなっているが、平板部材あるいは鋼板の厚さについては、相互に同じ厚さでなくてもよく、強度や溶接等に支障のない範囲内で異なる厚さのものを用いてもよい。また、これらの各平板部材あるいは各鋼板の個々の厚さについても、必ずしも一定の厚さである必要はなく、例えば塔状構造物の頂部側にいくに従って板厚を次第に薄くしたり、あるいは位置によって板厚を部分的に変化させたりしたものであってもよい。
さらに、上記実施の形態においては、各平板部材7,9を構成する鋼板10,11を、隣接する他の平板部材7,9における鋼板10,11の連結位置とは高さが異なる位置で相互に連結しているが、必ずしもこのようにする必要はない。仮に、他の平板部材における鋼板の連結位置と揃って溶接線が同じ高さで一連となってしまっても、各塔体ユニット、あるいは塔状構造体全体の強度が十分に確保できるのであれば、鋼板の連結位置を、隣接する他の平板部材における鋼板の連結位置と同じ高さにしてもよい。
さらに、上記実施の形態においては、各平板部材7,9あるいは鋼板10,11は、すべて相互に同じ厚さで、且つ一定の厚さのものとなっているが、平板部材あるいは鋼板の厚さについては、相互に同じ厚さでなくてもよく、強度や溶接等に支障のない範囲内で異なる厚さのものを用いてもよい。また、これらの各平板部材あるいは各鋼板の個々の厚さについても、必ずしも一定の厚さである必要はなく、例えば塔状構造物の頂部側にいくに従って板厚を次第に薄くしたり、あるいは位置によって板厚を部分的に変化させたりしたものであってもよい。
さらに、上記実施の形態においては、各平板部材7,9を構成する鋼板10,11を、隣接する他の平板部材7,9における鋼板10,11の連結位置とは高さが異なる位置で相互に連結しているが、必ずしもこのようにする必要はない。仮に、他の平板部材における鋼板の連結位置と揃って溶接線が同じ高さで一連となってしまっても、各塔体ユニット、あるいは塔状構造体全体の強度が十分に確保できるのであれば、鋼板の連結位置を、隣接する他の平板部材における鋼板の連結位置と同じ高さにしてもよい。
1 塔状構造物
2 頂部
4 基部
5 上側の塔体ユニット
6 下側の塔体ユニット
7,9 平板部材
10,11 鋼板
14 スプライスプレート
2 頂部
4 基部
5 上側の塔体ユニット
6 下側の塔体ユニット
7,9 平板部材
10,11 鋼板
14 スプライスプレート
Claims (2)
- 基部側から頂部側にいくに従って水平断面の大きさが次第に縮小する先細り形状を有し、予め定めた高さに分割された複数の塔体ユニットを高さ方向に組み上げた構成の塔状構造物において、
上記塔状構造物は、塔状構造体全体として、いずれの高さにおいても水平方向の断面形状が同じ角数の正多角形状となる筒状に形成されていて、
上記各塔体ユニットは、横幅よりも高さ方向に長く且つ下端側が上端側より長い台形状且つ平板状に形成された、鋼材製の複数の平板部材を備え、これらの平板部材をその両側端において相互に連結して筒状に組むことにより、外面の水平方向の断面形状が上記正多角形状で、且つ上端側が隣接する上側の塔体ユニットの下端側と、下端側が隣接する下側の塔体ユニットの上端部とそれぞれ同形同大の形状となるように形成されていると共に、
これらの各塔体ユニットは、上側に位置する塔体ユニットの平板部材と、該上側に位置する塔体ユニットの平板部材の下端部に当接する、下側に位置する塔体ユニットの平板部材とを、平板状のスプライスプレートを用いて摩擦接合することにより相互に連結されていることを特徴とすることを特徴とする塔状構造物。 - 上記平板部材は、横幅よりも高さ方向に長く且つ下端側が上端側より長い台形状且つ平板状に形成された鋼板を、高さ方向に複数連結することにより構成されていて、各平板部材の鋼板は、隣接する他の平板部材における鋼板の連結位置とは高さが異なる位置で相互に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の塔状構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012201180A JP2014055458A (ja) | 2012-09-13 | 2012-09-13 | 塔状構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=50613004
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JP2012201180A Pending JP2014055458A (ja) | 2012-09-13 | 2012-09-13 | 塔状構造物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2014055458A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022001474A (ja) * | 2020-06-22 | 2022-01-06 | 東京電力ホールディングス株式会社 | 柱状型浮体、及び柱状型浮体製造方法 |
WO2024128273A1 (ja) * | 2022-12-14 | 2024-06-20 | 日本製鉄株式会社 | 多角形筒型構造、多角形筒型構造の設計方法、および多角形筒型構造を用いた洋上風力発電設備向けの基礎構造物 |
-
2012
- 2012-09-13 JP JP2012201180A patent/JP2014055458A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP7447695B2 (ja) | 2020-06-22 | 2024-03-12 | 東京電力ホールディングス株式会社 | 柱状型浮体、及び柱状型浮体製造方法 |
WO2024128273A1 (ja) * | 2022-12-14 | 2024-06-20 | 日本製鉄株式会社 | 多角形筒型構造、多角形筒型構造の設計方法、および多角形筒型構造を用いた洋上風力発電設備向けの基礎構造物 |
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