JP2014054363A - 被検体情報取得装置およびその制御方法 - Google Patents

被検体情報取得装置およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電素子を追加することなく、スイッチングノイズの各信号への影響を抑え、低コストで高画質な診断画像を得られる生体信号受信装置を提供する。
【解決手段】光を照射された被検体から伝播する光音響波を受信する光音響受信手段と、被検体に送信された超音波が反射した超音波エコーを受信する超音波受信手段と、スイッチング素子を持つ電源手段と、スイッチング素子のスイッチング周波数を制御する制御手段と、光音響波に基づく信号である光音響信号および超音波エコーに基づく信号である超音波エコー信号から、スイッチングに由来する周波数成分を低減する低減手段を有し、制御手段は、光音響波を受信する期間と超音波エコーを受信する期間でスイッチング周波数を異ならせる被検体情報取得装置を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検体情報取得装置およびその制御方法に関する。
従来、パルス光を被検体に照射し、被検体内部から発生する光音響波を探触子で受信して被検体内部の形態や機能を画像化する生体信号受信装置が、医療分野で多く研究されている。中でも、被検体内部からの光音響波と超音波エコーの両方を取得し、リアルタイムで画像を表示することができる生体信号受信装置が提案されている。このような装置では、光音響波および超音波エコーを探触子でそれぞれ光音響信号、超音波エコー信号と呼ばれる電気信号に変換し、受信回路において信号処理および画像形成処理を行い、診断画像データを生成する。
このような生体信号受信装置には、被検体内部の機能を示す新生血管の凝集状態を観測するため、数MHz程度の周波数の光音響信号を受信できることが求められる。一方、被検体内部の形態をより詳しく観測するため、光音響信号よりも高い周波数帯域の超音波エコー信号を受信できることも求められる。したがって、光音響信号と超音波エコー信号では目標とする周波数帯域が離れている場合がある。
被検体深部から発生する光音響波や超音波エコーは微弱であるため、これを変換して得られた光音響信号および超音波エコー信号は、装置の電気ノイズの影響を受けやすい。高画質な診断画像を得るためには、電気ノイズの信号への影響を低減させる必要がある。
一方、生体信号受信装置内の電源としては、スイッチング電源と呼ばれる電源が一般的に用いられている。スイッチング電源は内部にFETやトランジスタなどのスイッチング素子を備えており、これを所定の周波数およびデューティ比で発振させ、装置内部の電気回路で必要な電圧を生成するものである。この発振の周波数をスイッチング周波数と呼ぶ。
しかし、スイッチングの際には、特定の周波数にピークをもつ電気ノイズが発生する。この電気ノイズをスイッチングノイズと呼ぶ。スイッチングノイズの周波数には基本波成分と高調波成分がある。基本波成分は、スイッチング素子の発振周波数と同じ周波数であり、高調波成分は基本波の整数倍の周波数成分である。
このような、スイッチングノイズによる信号への影響を低減させるための技術が提案されている。特許文献1は、CW(連続波)ドプラの超音波送信周波数と、スイッチング周波数をずらすものである。特許文献2は、光音響信号を受信中はスイッチング電源の動作を停止させるものである。
特開2008−11925号公報 特開2011−67518号公報
光音響信号と超音波エコー信号では目標とする周波数が離れており、それぞれがある程度広い帯域幅をもつ場合がある。このような異なる帯域幅をもつ複数の信号を受信する場
合に、従来の特許文献1の方法ではスイッチング周波数をずらすことが難しく、診断画像の画質が悪化するおそれがある。特許文献2の方法では蓄電素子を追加する必要があり、装置の高コスト化につながるおそれがある。これらの課題について以下に説明する。
特許文献1の方法では、基本波成分と高調波成分が光音響信号と超音波エコー信号のいずれの周波数帯域にも重ならないようなスイッチング周波数を設定することが難しい。例えば、光音響信号の周波数帯域を避けたスイッチング周波数を設定すると、スイッチングノイズの高調波成分が超音波エコー信号の周波数帯域に重なってしまい、周波数フィルタで除去できず診断画像にアーチファクトが現れることがある。
一方、特許文献2の方法では、スイッチング電源を停止する間、蓄電素子を用いて負荷に電流を供給する必要がある。光音響信号と超音波エコー信号の両方を取得するには、蓄電素子から電流を供給する時間が長くなり、必要な蓄電素子の個数やサイズが大きくなる。その結果、電源回路や受信回路基板が大型化し、装置の高コスト化につながるおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓄電素子を追加することなく、スイッチングノイズの各信号への影響を抑え、低コストで高画質な診断画像を得られる生体信号受信装置を提供することである。
本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
光を照射された被検体から伝播する光音響波を受信する光音響受信手段と、
被検体に送信された超音波が反射した超音波エコーを受信する超音波受信手段と、
スイッチング素子を持つ電源手段と、
前記スイッチング素子のスイッチング周波数を制御する制御手段と、
前記光音響波に基づく信号である光音響信号、および、前記超音波エコーに基づく信号である超音波エコー信号から、スイッチングに由来する周波数成分を低減する低減手段と、を有し、
前記制御手段は、前記光音響波を受信する期間と前記超音波エコーを受信する期間でスイッチング周波数を異ならせる
ことを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
スイッチング素子を持つ電源手段を有する被検体情報取得装置の制御方法であって、
光を照射された被検体から伝播する光音響波に基づく信号である光音響信号、および、被検体に送信された超音波が反射した超音波エコーに基づく信号である超音波エコー信号から、スイッチングに由来する周波数成分を低減する低減ステップ、を有し、
前記光音響波を受信する期間と前記超音波を受信する期間とでスイッチング周波数を異ならせる
ことを特徴とする被検体情報取得装置の制御方法である。
本発明によれば蓄電素子を追加することなく、スイッチングノイズの光音響信号および超音波エコー信号への影響を抑え、低コストで高画質な診断画像を得ることができる。
実施例1におけるブロック構成図。 実施例1における電源回路と周波数制御回路の内部構成図。 実施例1における信号処理回路の内部構成図。 実施例1における動作フローチャート。 実施例1における信号とノイズ、フィルタの周波数スペクトルの模式図。 実施例1におけるタイミングチャート。 実施例4における電源回路と周波数制御回路の内部構成図。 実施例2における電源回路と周波数制御回路の内部構成図。 実施例2におけるスルーレート制御回路の内部構成図。 実施例2における信号とノイズ、フィルタの周波数スペクトルの模式図。 実施例3における電源回路と周波数制御回路の内部構成図。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状及びそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明の被検体情報取得装置は、被検体に超音波を送信し、被検体内部で反射し伝播した反射波(エコー波)を受信して、被検体情報を画像データとして取得する超音波エコー技術を利用した超音波装置を含む。また、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生し伝播した音響波を受信して、被検体情報を画像データとして取得する光音響装置を含む。
前者の超音波装置として取得される被検体情報とは、被検体内部の組織の音響インピーダンスの違いを反映した情報である。後者の光音響装置として取得される被検体情報とは、光照射によって生じた音響波の発生源分布、被検体内の初期音圧分布、あるいは初期音圧分布から導かれる光エネルギー吸収密度分布や吸収係数分布、組織を構成する物質の濃度分布を示す。物質の濃度分布とは、例えば、酸素飽和度分布や酸化・還元ヘモグロビン濃度分布などである。
本発明でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、超音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。光音響効果により発生した音響波のことを、光音響波または光超音波と呼ぶ。音響検出器(例えば探触子)は、被検体内で発生又は反射した音響波を受信する。
被検体が生体の場合、これらの超音波や光音響波を生体信号と呼ぶ。以下の説明においては被検体情報取得装置の例として、かかる生体信号を受信し、それらに基づく被検体内の特性情報を生成する生体信号受信装置について説明する。ただし実際の被検体は生体に限られない。
<実施例1>
被検体内部の機能と形態を表わす診断画像を得るために、生体信号受信装置としては光音響信号として1MHzから3MHz,超音波エコー信号として4MHzから10MHz程度の周波数帯域の信号を取得する必要がある。本発明は、周波数が低い光音響信号を受信する時はスイッチング周波数を高くし、周波数が高い超音波エコー信号を受信する時はスイッチング周波数を低くなるように制御し、各信号からスイッチングノイズを各々の周波数フィルタで効率よく除去するものである。
図1は、本発明の生体信号受信装置の実施例1を示すブロック構成図である。図1において符号101は生体信号受信装置である。符号102は生体信号受信装置の被検体であり、被検者の体の一部である。符号103はパルス光を発生させるための光源であり、YAGレーザ、チタンサファイアレーザなどで構成される。符号104は探触子であり、内部に超音波を送受信するための超音波振動子および光音響波を受信するための光音響振動
子を備えている。超音波振動子は本発明の超音波受信手段に、光音響振動子は本発明の光音響受信手段に相当する。
なお光音響振動子は1MHzから3MHzの範囲で高い感度を持ち、超音波振動子は6MHzから10MHzの周波数で高い感度を持つように、感度特性を調整されたものである。振動子の感度が高い範囲とは例えば、検出された電気信号の強度が最大となる周波数を中心として、検出信号の強度が半分以上となる周波数の範囲を取ることができる。あるいは、ある周波数の超音波の音圧に対して、所定以上の強度の信号を検出できる周波数の範囲を取っても良い。感度特性を調整する際には、振動子の方向性に応じた感度を考慮することが好ましい。
符号105は探触子104を機械的に移動させ、被検体の領域全体を走査するためのスキャン機構である。2次元X−Yステージおよびステージを駆動させるためのステッピングモータから構成される。符号106および符号107は被検体102を固定するための板状部材である。板状部材に挟むことにより被検体を圧迫固定している。
符号108は生体信号受信装置の各要素を制御するためのCPUである。符号109はCPU108からの指示に基づき、探触子104の超音波振動子の駆動信号を発生させる送信回路である。この駆動信号を超音波送信信号と呼ぶ。送信回路109は送信ビームフォーミング用のFPGA,高電圧パルサなどで構成される。符号110は探触子104の光音響振動子および超音波振動子にて変換された光音響信号および超音波エコー信号を増幅し、デジタル化する受信回路であり、プリアンプ、A/D変換器などから構成される。
符号111は振動子の送受信切り替え用のスイッチ回路であり、アナログスイッチアレイで構成される。超音波送信信号を送信するときは探触子104と送信回路109を接続し、超音波エコー信号および光音響信号を受信するときは探触子104と受信回路110を接続するようにアナログスイッチを切り替える。符号112は受信回路110でデジタル化された信号に対し、フィルタ処理および、受信ビームフォーミングを行う信号処理回路であり、FPGAで構成される。このフィルタ処理においては特定の周波数帯域の信号を通過させ、それ以外の周波数帯域の信号を除去するノイズ除去処理を行う。信号処理後のデータはメモリ114に格納される。
符号113は信号処理後のデータから画像再構成を行い、3次元の診断画像データを生成する画像生成回路である。3次元画像データはメモリ114へ保存される。メモリ114はCPUからの指示にしたがい、信号処理後のデータおよび診断画像データを保持する。メモリ114はまた、探触子のスキャン範囲や測定回数など生体信号受信装置の使用者が設定した情報も保持する。
符号115は生体信号受信装置の各種回路に電力を供給するための電源回路であり、スイッチング電源からなる。電源回路115は交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCコンバータ回路、および、直流電圧をさらにさまざまな電圧に変換するDC−DCコンバータ回路などから構成される。符号116はCPU108からの指示に基づき、電源回路のAC−DCコンバータ回路およびDC−DCコンバータ回路のスイッチング素子を制御する周波数制御回路である。スイッチング素子としてはFET、トランジスタなどが用いられる。本実施例では周波数制御回路は一定の周期のクロック信号を電源回路115に対して出力し、電源回路ではクロック信号に同期してスイッチング素子をオンオフする。電源回路は本発明の電源手段に相当する。
符号117はCPU108からの指示に基づきスキャン機構105のモータを駆動するためのモータ駆動回路であり、モータドライバ回路、パルスシーケンス生成回路などから
構成される。使用者が指定した走査範囲を一定の速度で探触子104が動くようにステッピングモータの制御パルスを生成する。符号118はCPU108からの指示に基づき、光源103を駆動するための回路であり、フラッシュランプ制御回路、Q−スイッチ制御回路などから構成される。一定周期でフラッシュランプを点灯させ、レーザ媒質に励起エネルギーを蓄積した後にQスイッチをONにするとジャイアントパルスと呼ばれる高いエネルギーを持つパルス光が出力される。レーザを複数回照射する場合の周期は数10ミリ秒から数100ミリ秒である。このパルス光は光ファイバを経由して被検体102へ導かれ、被検体102より光音響波を発生させる。
符号119は画像生成回路で生成した診断画像や生体信号受信装置制御用のメニューを表示するためのディスプレイである。また、符号120は使用者が生体信号受信装置に指示を入力するためのユーザインタフェースであり、キーボード、マウスなどから構成される。
図2に電源回路115および周波数制御回路116の内部構造を示す。本実施例では電源回路としてDC−DCコンバータ回路に適用した場合を用いて説明する。
符号201は電源回路の一次側に入力される直流電圧源である。符号202は入力された電源からノイズを除去するためのコンデンサである。符号203は電源の1次側と2次側の通電をオンオフするためのスイッチング素子を構成する、FET(電界効果トランジスタ)である。符号204は、FET203がオフのときに2次側に電流を供給させるためのFETである。FET203がオンのときにFET204はオフになり、直流電圧源201から2次側へ電流が供給される。
符号205はコイルであり、符号206はコンデンサである。コイル205とコンデンサ206は、FET203がオンのときに1次側からのエネルギーを蓄える働きをする。そしてFET203がオフのときにそのエネルギーを2次側へ供給し、スイッチングによる電圧変動を低減させる。符号207および符号208は2次側の出力電圧を分圧するための抵抗である。符号210は基準電圧発生回路である。また符号209は比較回路である。抵抗207および抵抗208で分圧された出力電圧を、基準電圧発生回路210で発生させた電圧と比較し、出力電圧が2次側で求められている電圧以上か否かを示す信号を生成する。
符号211は周波数制御回路116で生成されたスイッチングクロック信号である。このスイッチングクロック信号の周期をTとする。符号212はPWMコントローラであり、比較回路209の出力信号とスイッチングクロック信号211から、周期Tで振動するFET203およびFET204の駆動用のPWM信号を生成する。パルス幅変調に用いるPWM信号は周期がTであり、入力電圧と出力電圧の比から決まるデューティ比を持つ信号である。比較回路209からの信号に基づき、出力電圧が2次側で求められている以上の値であればFET203をオンし、出力電圧が2次側で求められている電圧以下であればオフするようにフィードバック制御を行い、出力電圧を一定に保つようにする。
符号213はクロック発生器であり、周波数制御回路116の内部クロックを生成する回路で構成される。内部クロックはスイッチングクロックよりも十分に早いクロック信号である。内部クロックの周期をTiとする。符号214はカウンタであり、クロック信号の変化の数を数え、カウント数設定レジスタ215で指定したカウント数に達すると出力をトグルさせる。符号215はCPU108によって設定されるカウント数設定レジスタであり、カウンタで用いられるカウント数を格納する。カウント数設定レジスタ215の値をNとするとスイッチングクロックの周期はTi*Nとなる。これにより、カウント数設定レジスタ215で指定した値に応じた周期のスイッチングクロック信号211が生成
される。
本実施例ではCPU108は光音響信号取得中と超音波信号取得中で異なる値をカウント数設定レジスタ215に設定する。なお、周波数制御回路116とCPU108と別のブロックで記載したが、両方を1つのマイコン上に実装することも可能である。
図3に信号処理回路112の内部のブロック図を示す。
符号301は受信回路110から信号処理回路112に入力されているデータの種類をCPU108が指定するためのデータ種類設定レジスタである。データ種類設定レジスタの値が1のときは光音響信号、0の時は超音波エコー信号であることを示す。符号302は切替回路であり、データ種類設定レジスタの値に応じて入力信号を後段の回路に振り分ける回路である。データ種類設定レジスタ301の値が1の時は入力信号を光音響信号用フィルタ303へ伝送する。一方、データ種類設定レジスタ301の値が0の時は入力信号を超音波信号用フィルタ304へ伝送する。
光音響信号用フィルタ303は入力信号から一部の帯域のみを通過させるバンドパスフィルタであり、デジタルフィルタで構成される。デジタルフィルタの係数は光音響信号の目標帯域である1MHzから3MHzの間の信号成分を通過させ、それ以外の信号成分を除去するように予め設定されているものとする。超音波信号用フィルタ304は光音響信号用フィルタ303と同様のデジタルフィルタであるが、フィルタ係数は超音波エコー信号の目標帯域である6MHzから10MHzの間の信号成分を通過させ、それ以外の信号成分を除去するように予め設定されているものとする。特定の信号成分を低減し除去するこれらのフィルタは本発明の低減手段に相当する。
符号305は光音響信号処理回路であり、例えば繰り返し取得した複数のデータの位置を補正し、加算平均を行う。符号306は超音波信号処理回路であり、整相加算、検波、対数圧縮などの処理を行う。符号307は選択回路であり、データ種類設定レジスタ301の値が1の時は光音響信号処理回路305からのデータを選択し、出力する。一方データ種類設定レジスタ301の値が0の時は超音波信号処理回路306からのデータを選択し、出力する。
CPU108での処理フローを図4に示す。また、光音響信号受信時の信号とノイズおよびフィルタの周波数スペクトルの模式図を図5(a)に示す。同様に超音波エコー信号受信時の信号とノイズおよびフィルタの周波数スペクトルの模式図を図5(b)に示す。図5(a)および図5(b)において横軸は周波数、縦軸は信号強度を示している。また、光音響信号および超音波エコー信号取得のタイミングチャートを図6に示す。
図4のステップS401においてCPU108はモータ駆動回路117へ駆動信号を送り、スキャン機構105のモータを回転させ、探触子104を被検体102の測定位置まで移動させ、測定範囲の走査を開始させる。
続いてステップS402においてCPU108は周波数制御回路116のカウント数設定レジスタに値を設定し、スイッチングクロック周波数が光音響信号の周波数帯域に重ならないようにする(図6の時刻t601)。本実施例では光音響信号の周波数帯域が1MHzから3MHzなので、スイッチングクロック周波数が4MHzとなるように設定する。周波数制御回路116の周波数をFi[MHz]とするとカウント数設定レジスタ215の値NはN=Fi/4で求められる。すると、図5(a)に示すように、電源回路115からのスイッチングノイズ501のピークは、4MHzの基本波とその整数倍の8MHzの位置に現れる。
続いてステップS403において信号処理回路112のデータ種類設定レジスタに1を書き込み、受信信号が光音響信号であると設定する(時刻t602)。これにより、受信信号に信号処理回路内の光音響信号用フィルタ303が適用されるようになる。光音響信号用フィルタ303の通過帯域は図5(a)の符号502のように設定され、IMHzから3MHz以外の成分を除去する。
続いてステップS404においてCPU108は光源駆動回路118へ駆動信号を送り、光源103からレーザ光のパルスを被検体102へ照射させる(時刻t603)。
被検体に照射されたレーザ光のエネルギーは被検体内部の光吸収係数の大きな部位で吸収され、光音響波を発生させる。光吸収係数の大きな部位としては、例えば癌の周囲に形成される新生血管があげられる。また、CPU108は光照射に先だってスイッチ回路111を受信に設定し、探触子104からの光音響信号が受信回路110へ入力されるようにしておく。
続いてステップS405においてCPU108は受信回路110へ指示を行い、探触子104で変換された光音響信号の受信およびデジタル化を行い、信号処理回路112へデジタル化された光音響信号データを送信させる(時刻t604から時刻t605)。この光音響信号データは、図5(a)に示すように、被検体102からの光音響波に起因する周波数成分503と電源回路115からのスイッチングノイズの周波数成分501が重ねあわされた周波数スペクトルをもつ。
続いてステップS406においてCPU108は信号処理回路112へ指示を行い、光音響信号データから光音響信号用フィルタ303の通過帯域502以外の周波数成分を除去する。これによりスイッチングノイズの周波数成分501が除去され、被検体102からの光音響波に起因する周波数成分503のみが光音響信号処理回路305へ入力される。このようにスイッチングノイズの周波数成分501と光音響波に起因する周波数成分503がずれているため、フィルタにより容易に除去することができ、光音響信号データのS/N比を向上させることができる。
続いてステップS407においてCPU108は周波数制御回路116のカウント数設定レジスタに値を設定し、スイッチングクロック周波数を低周波側にして、超音波エコー信号の周波数帯域に重ならないようにする(時刻t606)。本実施例では超音波エコー信号の周波数帯域が6MHzから10MHzなので、スイッチングクロックが500kHzとなるように設定する。すると、図5(b)に示すように、電源回路115からのスイッチングノイズ504は500kHzの基本波とその整数倍の周波数にピークが現れる。そのピークは周波数が高くなるにつれ減少し、6MHz以上では影響は十分小さいものになる。
続いてステップS408において信号処理回路112のデータ種類設定レジスタに0を書き込み、受信信号が超音波エコー信号であると設定する(時刻t607)。これにより、受信信号に信号処理回路内の超音波信号用フィルタ304が適用されるようになる。超音波信号用フィルタ304の通過帯域は図5(b)の505のように設定され、6MHzから10MHz以外の成分を除去することができる。
続いてステップS409においてCPU108はスイッチ回路111を送信に切替え、送信回路109からの高電圧パルス信号が探触子104へ入力されるようにする。そして、送信回路109へ超音波送信信号を送り、送信ビームフォーミングを行った後に探触子104から超音波ビームを被検体102へ照射させる(時刻t608)。被検体に照射さ
れた超音波ビームは被検体内部で反射され、被検体内部の構造を反映した超音波エコーを発生させる。
続いてステップS410においてCPU108はスイッチ回路111を受信に切替え、探触子104からの信号が受信回路110に入力されるようにする。また、CPU108は受信回路110へ指示を行い、探触子104で変換された超音波エコー信号の受信およびデジタル化を行い、信号処理回路112へデジタル化された超音波エコー信号データを送信させる(時刻t609から時刻t610)。
この超音波エコー信号データは、図5(b)に示すように、被検体102からの超音波エコーに起因する周波数成分506と電源回路115からのスイッチングノイズの周波数成分504が重ねあわされた周波数スペクトルをもつ。
続いてステップS411においてCPU108は信号処理回路112へ指示を行い、超音波信号用フィルタ304により超音波エコー信号データからフィルタの通過帯域505以外の周波数成分を除去する。これによりスイッチングノイズの周波数成分504が除去され、被検体102からの超音波エコーに起因する周波数成分506のみが超音波信号処理回路306へ入力される。このようにスイッチングノイズの周波数成分504と超音波エコーに起因する周波数成分506がずれているため、フィルタにより容易に除去することができ、超音波エコー信号データのS/N比を向上させることができる。
続いてステップS412にて超音波エコー信号の受信が完了したか否かの判定を行う。ステップS407からステップS411までの処理は1本の超音波ビームによる超音波エコー信号データを取得する処理である。診断画像を生成するには超音波ビームの方向を変えながらステップS407からステップS411までの処理を多数(例えば数百回)繰り返し、多数の超音波エコー信号データを取得する必要がある。一つの測定位置において全ての方向からの超音波エコー信号データを取得が完了した場合にはステップS413へ進む。完了していない場合にはCPU108は送信回路109の設定により超音波ビームの方向を変更し、ステップS407へ戻る(時刻t611)。
ステップS413において被検体102の測定範囲全体での光音響信号データおよび超音波エコー信号データの取得が完了したか否かを判定する。完了していない場合にはステップS401へ戻り、探触子104を次の測定箇所に移動させ、引き続き光音響信号データおよび超音波エコー信号データの取得を開始する(時刻t612)。測定範囲全体での光音響信号データおよび超音波エコー信号データの取得が完了した場合にはステップS414へ進む。
ステップS414においてCPU108は画像形成回路113に指示を出し、光音響画像データおよび超音波エコー画像データを作成しメモリ114へ保存させる。
ステップS415でCPU108は光音響画像データと超音波エコー画像データをディスプレイ119へ表示させ、処理を終了する。
以上のように本実施例では光音響信号取得時と超音波エコー信号取得時で電源のスイッチング周波数を変更し、各信号の周波数帯域とスイッチングノイズの周波数帯域を分離している。このとき、光音響信号取得の期間と超音波エコー信号取得の期間が時分割で切り替えられることにより、互いの信号の干渉を避けることができる。これにより、光音響信号データおよび超音波エコー信号データのS/N比向上と、生体信号受信装置の発熱低減の効果がある。この効果について、従来のスイッチング周波数を常時固定した場合と比較しながら説明する。
初めに従来のようにスイッチング周波数を常時固定した場合について説明する。スイッチング周波数を光音響信号および超音波エコー信号の周波数帯域より低く、例えば500kHzとするとその高調波成分が被検体からの光音響波に起因する周波数成分に重なり、光音響信号から生成した診断画像の画質悪化のおそれがある。基本波と高調波はスイッチングに由来する、ノイズとなり得る周波数成分である。
一方、スイッチング周波数を光音響信号の周波数帯域と超音波エコー信号の周波数帯域の間、例えば4MHzとするとその2倍高調波成分の周波数は8MHzとなる。そのため被検体からの超音波エコーに起因する周波数成分に重なってしまい、超音波エコー信号から生成した診断画像の画質悪化のおそれがある。また、スイッチング周波数を光音響信号の周波数帯域と超音波エコー信号の周波数帯域より高く、例えば12MHzとすると、スイッチング素子で損失が大きくなり生体信号受信装置の発熱が大きくなる。
本実施例では、光音響信号取得時はスイッチング周波数を4MHzと光音響信号の周波数帯域と超音波エコー信号の周波数帯域の間の周波数にした。そして、それ以外の時間はスイッチング周波数を500kHzと光音響信号および超音波エコー信号の周波数帯域より低い周波数にしている。これにより光音響信号取得時と超音波エコー信号取得時の両方で信号帯域のスイッチングノイズの周波数を分離できる。
また、発熱の低減効果について説明する。まず、光音響信号受信にかかる時間について説明する。光源103に安定したレーザ光を発生させるために、光の照射間隔(t603からt612)は一定とする(約100ミリ秒)。光音響信号の取得にかかる時間(t604からt605)は、被検体102の厚みをd、被検体内部102の音速をvとすると、d/vで求められる。d=150mm,v=1500[m/s]とすると約100マイクロ秒になる。すなわち光音響信号の取得を行う時間は全体の0.1%程度の短い時間である。
言い換えると、本実施例において、スイッチング周波数が比較的高くなるのは測定時間全体の0.1%程度である。時間のかかる超音波エコー信号取得時は500kHzと低い周波数になるので、スイッチング損失を抑え、測定時間全体でスイッチング周波数を高めた場合に比べ、生体信号受信装置の発熱を少なくすることができる。
本実施例では、超音波エコー受信用の振動子と光音響波受信用の振動子が別々の場合を用いて説明したが、超音波エコーおよび光音響波受信用の振動子を共有化してもよい。
また、本実施例では超音波エコー信号の受信回路と光音響信号の受信回路が共通である場合を用いて説明したが。それぞれの信号帯域に合わせた別々の受信回路を備えてもよい。
また、本実施例では被検体が板状部材の間に固定され、探触子をスキャン機構で機械的に走査する装置構成を用いて説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、被検体を固定せず探触子を手動で走査するハンドヘルド型の生体信号受信装置においても、本発明を適用することができる。ハンドヘルド型の場合、検査を容易にする観点から装置の小型化が要求される。そこで上述したように、光音響振動子と超音波振動子を同じ素子に兼用させることや受信回路を共通化することが好適である。
また、本実施例では信号処理回路内でデジタルフィルタを用いてスイッチングノイズを除去する例を用いて説明したが、本発明のフィルタはデジタルフィルタに限定されるものではない。例えば、アナログ回路でバンドパスフィルタを構成し、光音響信号受信時と超音波エコー信号受信時で切り替えて使用してもよい。また、フィルタ回路を光音響信号用と超音波エコー信号用に二つ用意し切り替えて使用する例を用いて説明したが、フィルタ
回路を共有し、フィルタ係数を切り替える構成にしてもよい。
<実施例2>
続いて本発明の実施例2を説明する。本実施例が実施例1と異なる点は、光音響信号取得時と超音波エコー信号取得時で、電源回路のスイッチング素子の駆動信号のスルーレートを変更し、スイッチングノイズの高調波成分の影響を低減させることである。本実施例では光音響信号の周波数帯域が1MHzから3MHz,超音波エコー信号の周波数帯域が4MHzから10MHzの場合を考える。ここで、スルーレートとは駆動電圧の変化量を変化にかかった時間で割った値を言う。したがって、スルーレートが大きいほど高速に駆動電圧を変化させていることになる。
ブロック構成図およびフローチャートについては実施例1の図1および図4をそのまま用いて説明する。
図8に電源回路115および周波数制御回路116の内部構造を示す。図8において図2と異なるものはスルーレート制御回路801とスルーレート設定レジスタ802、およびそれらに接続された信号線である。その他の構成要素は図2と同じであるため説明を省略する。
符号801は、PWMコントローラ212からPWM信号803および804を受信し、そこからFET203およびFET204を駆動させる駆動信号806および807を生成して送信する、スルーレート制御回路である。スルーレート制御回路は、スルーレート設定信号805の値に応じて、駆動信号806および807のスルーレートを変更する。本実施例では、スルーレート設定信号805の電圧レベルがハイの時はスルーレートを高くして、ローの時は低くする。スルーレートとは単位時間当たりの電圧の変化量であり、スルーレートを高めるとFET203およびFET204の駆動にかかる時間が少なくなり、高いスイッチング周波数でオンオフすることができる。一方、スルーレートを低くすると、FET203およびFET204の駆動にかかる時間が長くなるが、スイッチングの際に発生する高調波ノイズを抑えることができる。
符号802はCPU108からスルーレート制御回路801の動作を設定するためのレジスタである。スルーレート設定レジスタ802の値が1の時はスルーレート設定信号805の電圧レベルがハイになり、0のときはローになる。CPU108は光音響信号取得時にはスルーレート設定レジスタ802の値を1にし、超音波エコー信号取得時にはスルーレート設定レジスタ802の値を0にする。具体的には図4のステップS402においてスイッチング周波数を高周波に設定するとともに、スルーレート設定レジスタ802の値を1とする。また、図4のステップS407においてスイッチング周波数を低周波に設定するとともに、スルーレート設定レジスタ802の値を0とする。
図9にスルーレート制御回路の内部構成図を示す。符号901はPWM信号803とFET203の駆動信号806を短絡するか開放するかを制御するためのスイッチ素子であり、FETで構成される。符号902は抵抗でありFET901と並列に接続される。符号903はPWM信号804とFET204の駆動信号807を短絡するか開放するかを制御するためのスイッチ素子であり、FETで構成される。符号904は抵抗でありFET903と並列に接続される。
スルーレート設定信号805の電圧レベルがハイの場合にはFET901およびFET903がオン状態になり、PWM信号803および804が直接FET203および204に入力される。これにより、高いスルーレートでFET203およびFET204を駆動することができる。一方、スルーレート設定信号805の電圧レベルがローの場合には
FET901およびFET903がオフ状態になり、PWM信号803および804はそれぞれ抵抗902および抵抗904を介してFET203および204に入力される。これにより、低いスルーレートでFET203およびFET204を駆動することができる。
本実施例により、超音波エコー信号受信中にはスルーレートを低くすることにより、FET203およびFET204からの高調波ノイズを少なくすることができる。この効果について図10を用いて説明する。スルーレートの制御を行わない場合の超音波エコー信号受信時の信号とノイズおよびフィルタの周波数スペクトルの模式図を図10(a)に示す。一方、スルーレートの制御を行う場合の超音波エコー信号受信時の信号とノイズおよびフィルタの周波数スペクトルの模式図を図10(b)に示す。図10(a)および図10(b)において横軸は周波数、縦軸は信号強度を示している。
図10(a)において、符号1001はスルーレートの制御を行わない場合のスイッチングノイズであり、図5の符号504と同じものである。ここで符号1002は超音波エコー信号の周波数帯域であり、本実施例では4MHzから10MHzとする。符号1003は信号処理回路112内の超音波エコー信号用フィルタ304の通過帯域である。
超音波エコー信号の周波数を低域まで広げる場合には、符号1001の高調波成分が1002と重なる場合がある。符号1004はスルーレートの制御を行う場合のスイッチングノイズであり、スルーレートを低下させているため高調波成分が1001よりも少なくなる。これにより、符号1004と符号1002の重なる部分を少なくすることができ、超音波エコー信号のS/N比向上が可能になる。
<実施例3>
続いて本発明の実施例3について説明する。本発明の実施例3の実施例1および2と異なる点は電源回路115および周波数制御回路116の内部構成である。実施例1および2においては、光音響信号受信時と超音波エコー信号受信時において電力を供給する電源回路は共通であり、外部からスイッチング周波数やスルーレートを切り替えて使用していた。本実施例では、光音響信号受信用と超音波エコー信号受信用でスイッチング周波数やスルーレートの異なる電源回路を用いる。
図11にて本実施例の電源回路115と周波数制御回路116の内部構成を説明する。符号1101は光音響信号受信用の電源回路である。符号1102は超音波エコー信号受信用の電源回路である。それぞれのブロック図は図2の115で示したものと同様であるが、外部から制御信号1104および1105を用いてスイッチングを停止させることができるものとする。すなわち、制御信号1104の電圧レベルがハイの時は電源回路1101のPWMコントローラはPWM信号を出力するが、制御信号1104の電圧レベルがローの時は、PWMコントローラは常に0を出力するものとする。制御信号1105と電源回路1102についても同様である。
符号1103は切替回路であり、制御信号1106の電圧レベルがハイの時は電源回路1101の出力を外部に伝達し、制御信号1106の電圧レベルがローの時は電源回路1102の出力を外部に伝達するものとする。符号1107はCPU108が現在受信しているデータの種類をCPU108が指定するためのデータ種類設定レジスタである。データ種類設定レジスタの値が1のときは光音響信号、0の時は超音波エコー信号であることを示す。
符号1108は制御回路であり、それぞれの制御信号1104、1105、1106を、データ種類設定レジスタの値に応じて生成する。データ種類設定レジスタの値が1のと
きは、制御信号1104と制御信号1106の電圧レベルをハイとし、制御信号1105の電圧レベルをローにする。データ種類設定レジスタの値が0のときは、制御信号1104と制御信号1106の電圧レベルをローとし、制御信号1105の電圧レベルをハイにする。光音響信号受信時は、光音響用電源回路1101を用い、超音波エコー信号受信時は超音波エコー用電源回路1102を用いることができる。
このように2つの異なる電源回路を用いることにより、それぞれの電源回路1101および1102を光音響信号および超音波エコー信号の周波数帯域に最適化することができる。すなわち、電源回路1101ではより高速なFETや小型のコイルを用い、光音響信号の周波数帯域を避けた、より高い周波数でスイッチングを行うことができる。一方、電源回路1102ではより低速なFETや大型のコイルを用い、超音波エコー信号の周波数帯域を避けた、より低い周波数でかつ、高調波ノイズの少ないスイッチングを行うことができる。
また、それぞれの電源回路1101および1102ではスイッチング周波数を可変にする機構を設ける必要がないので、それぞれの電源回路は安価なPWMコントローラを用いて構成することが可能になる。電源回路が2つ必要になるが、おのおののスイッチング周波数を信号周波数とさらに離すことによりS/N比の向上につながる。
<実施例4>
続いて本発明の実施例4について説明する。本発明の実施例1から3ではDC−DCコンバータ回路に適用した例を示したが、本実施例ではAC−DCコンバータ回路に適用した場合の例を示す。ブロック構成図およびフローチャートは図1および図4と同じである。
本実施例の電源回路および周波数制御回路は図7のようになる。符号701はスイッチング電源の1次側に入力される交流100Vの商用電源である。符号702、703、704,705は交流電圧を整流するためのダイオードブリッジである。符号706は整流された電圧を平滑化するためのコンデンサである。符号707はスイッチング電源の1次側と2次側を絶縁するためのトランスである。符号708はトランス207への通電をオンオフするスイッチング素子であり、FETで構成される。
符号709はダイオードであり、スイッチング素子708がオンのときに、このダイオードを経由して2次側に電流が供給される。符号710はダイオードであり、スイッチング素子708がオフのときにこのダイオードを経由して2次側に電流が供給される。符号711はPWMコントローラであり、比較回路209の出力信号とスイッチングクロック信号211から、周期Tで振動するスイッチング素子708の駆動用のPWM信号を生成する。この際に、比較回路209からの信号をもとに出力電圧が基準以上であればスイッチング素子708のオン時間を短くし、出力電圧が基準以下であればオン時間を長くするようにフィードバック制御を行い、出力電圧を一定に保つようにする。その他の構成要素は図2と同様であるため説明を省略する。
このように本発明の実施例1と同様の周波数制御回路で、スイッチング素子708のスイッチング周波数を光音響信号取得時と超音波エコー信号取得時に変更することにより、AC−DCコンバータ回路に本発明を適用することが可能である。
本実施例には、装置内にあるAC−DCコンバータからのノイズの影響を低減できるという効果がある。すなわち、通常は装置内にDC−DCコンバータとAC−DCコンバータ両方があるので、これに対しプラスアルファのノイズ低減効果がある。
以上各実施例において本発明を被検体情報取得装置の一例である生体信号受信装置に適用した好適な実施の形態を説明したが、本発明は、各実施例に記載の装置を制御する、被検体情報取得装置の制御方法としても捉えることができる。
101:生体信号受信装置,108:CPU,110:受信回路,112:信号処理回路,115:電源回路,116:周波数制御回路,303:光音響信号用フィルタ,304:超音波エコー信号用フィルタ

Claims (10)

  1. 光を照射された被検体から伝播する光音響波を受信する光音響受信手段と、
    被検体に送信された超音波が反射した超音波エコーを受信する超音波受信手段と、
    スイッチング素子を持つ電源手段と、
    前記スイッチング素子のスイッチング周波数を制御する制御手段と、
    前記光音響波に基づく信号である光音響信号、および、前記超音波エコーに基づく信号である超音波エコー信号から、スイッチングに由来する周波数成分を低減する低減手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記光音響波を受信する期間と前記超音波エコーを受信する期間でスイッチング周波数を異ならせる
    ことを特徴とする被検体情報取得装置。
  2. 前記電源手段は、前記被検体情報取得装置が前記被検体内の情報を取得するときに電力を供給するものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 前記光音響受信手段および前記超音波受信手段は、それぞれ異なる周波数で感度特性を持つ振動子からなる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記超音波受信手段は、前記光音響受信手段よりも高い周波数で感度特性を持つ
    ことを特徴とする請求項3に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記超音波受信手段は、6MHzから10MHzの範囲で感度特性を持ち、前記光音響受信手段は、1MHzから3MHzの範囲で感度特性を持つ
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記光音響受信手段および前記超音波受信手段は、共通の振動子からなる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記光音響受信手段および前記超音波受信手段の動作は、時分割で切り替えられる
    ことを特徴とする請求項6に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記制御手段は、光音響信号を受信する場合と超音波エコーを受信する場合で、前記スイッチング素子を駆動する際のスルーレートを変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  9. 前記電源手段は、スイッチング周波数およびスルーレートの異なる電源回路を含み、
    前記制御手段は、光音響信号を受信する場合と超音波エコーを受信する場合で、前記電源回路を切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  10. スイッチング素子を持つ電源手段を有する被検体情報取得装置の制御方法であって、
    光を照射された被検体から伝播する光音響波に基づく信号である光音響信号、および、被検体に送信された超音波が反射した超音波エコーに基づく信号である超音波エコー信号から、スイッチングに由来する周波数成分を低減する低減ステップ、を有し、
    前記光音響波を受信する期間と前記超音波を受信する期間とでスイッチング周波数を異ならせる
    ことを特徴とする被検体情報取得装置の制御方法。
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