JP2014054357A - 手術用吸収シート - Google Patents

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Abstract

【課題】患部から剥離しやすい手術用吸収シートを提供する。
【解決手段】手術用吸収シート1は、吸収シート本体2と、この吸収シート本体2の端部から引き出されるように取り付けられた紐状の紐部材3とを具備する。吸収シート本体2は、一方の面に位置し吸液性を有する吸収性部材4と、他方の面に位置し吸収性部材4と一体に配設された非固着性部材5とを有する。また、この非固着性部材5は、表面が平滑なフィルム状である。そして、このように非固着性部材5が表面が平滑なフィルム状であるため、吸収シート本体2は、患部に長時間接触させても固着しにくく、患部から剥離しやすい。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば脳外科手術などの外科手術の際に用いる手術用吸収シートに関するものである。
例えば、脳神経外科手術などの外科手術の際には、患者の血液や体液などの吸収、患部の保護および乾燥防止などのため、紐部材と吸収シート本体とを備えた専用の紐付きの手術用吸収シートを使用する。この手術用吸収シートは、吸収シート本体が脳表などの患部に接するように使用される。
ここで、吸収シート本体は、一般的に吸収性不織布にて形成されているため、吸収して浸透した血液や生理食塩水によって患部に密着してしまい、吸収シート本体を患部から剥離させる際の抵抗となり、剥離性が低下して手術用吸収シートを容易に回収できなくなる可能性が考えられた。
このような剥離性を向上させるために、吸収性部材と、この吸収性部材に取り付けられた回収糸と、撥水性を有し吸収性部材の少なくとも一部を覆う網目状の覆い部材とを具備した構成の手術用吸収シートが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この手術用吸収シートでは、網目状の覆い部材によって吸収性部材と患部との間に間隔ができるため、患部との接触面積を小さくでき、剥離性を向上できる。
特開2005−305044号公報
ここで、手術によっては、手術用吸収シートを患部に接触させた状態からすぐに剥離せず、長時間接触したまま手術を進行する場合がある。
この場合には、特許文献1の構成であっても、覆い部材の網目に入り込んだ血液や、その周辺の血液が時間の経過とともに固まってしまい、患部から剥離しにくくなってしまう問題が考えられる。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、患部から剥離しやすい手術用吸収シートを提供することを目的とする。
請求項1に記載された手術用吸収シートは、吸収シート本体と、この吸収シート本体の端部から引き出されるように取り付けられた紐状の紐部材とを具備した手術用吸収シートであって、前記吸収シート本体は、一方の面に位置し吸液性を有する吸収性部材と、他方の面に位置し前記吸収性部材と一体に配設された非固着性部材とを有し、この非固着性部材は、表面が平滑なフィルム状であるものである。
請求項2に記載された手術用吸収シートは、請求項1記載の手術用吸収シートにおいて、非固着性部材は、複数の開孔部を有し、これら開孔部の直径は、0.1mm以上0.5mm以下であり、前記複数の開孔部間の距離は、1.0mm以上2.0mm以下であり、手術の際に使用される吸引管の直径より前記開孔部間の距離が短いものである。
請求項3に記載された手術用吸収シートは、請求項2記載の手術用吸収シートにおいて、非固着性部材は、所定の開口パターンによって複数の開孔部が形成され、前記開口パターンにおける開孔部間の距離が吸引管の直径より長い場合には、前記開口パターンを複数回使用して開孔部が形成されたものである。
請求項4に記載された手術用吸収シートは、請求項1ないし3いずれか記載の手術用吸収シートにおいて、吸収シート本体は、吸収性部材とは異なる色で、前記吸収性部材側から視認可能なX線造影部材を有し、前記X線造影部材は、前記吸収シート本体における前記紐部材が引き出された端部の近傍にて前記紐部材と交差するように前記吸収性部材に溶着されているものである。
請求項5に記載された手術用吸収シートは、請求項4記載の手術用吸収シートにおいて、X線造影部材は、熱源を有さないプレス部と、熱源を有するプレス受け部とを備えた溶着装置にて、X線造影糸が吸収性部材に溶着されることにより形成され、前記X線造影糸が前記吸収性部材より前記プレス部側に配置された状態で溶着されたものである。
請求項1に記載された発明によれば、表面が平滑なフィルム状の非固着性部材を有するため、患部に長時間接触させても患部から剥離しやすい。
請求項2に記載された発明によれば、手術の際に使用される吸引管の直径より非固着性部材における開孔部間の距離が短いため、手術中に吸引管によって液体を確実に吸引できる。
請求項3に記載された発明によれば、同一の開孔パターンを使用しても、非固着性部材における開孔部管の距離を吸引管の直径より短くできる。
請求項4に記載された発明によれば、吸収シート本体は、吸収性部材とは異なる色のX線造影部材が吸収性部材側に配設されているため、吸収性部材側と非固着性部材側とを確認しやすい。
請求項5に記載された発明によれば、X線造影糸が吸収性部材よりプレス部側に配置された状態でプレス溶着されたため、X線造影部材が薄くなりすぎず、溶着によるX線造影効果の低下を防止できる。
(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る手術用吸収シートの吸収性部材側を示す平面図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る手術用吸収シートの非固着性部材側を示す平面図である。 同上手術用吸収シートの吸収シート本体を示す側面図である。 同上手術用吸収シートにおいて、吸収性部材にX線造影糸を溶着する際の配置を示す構成図である。 同上手術用吸収シートにおいて、従来のX線造影部材の配設状態を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る手術用吸収シートの非固着性部材の構成を示す平面図である。
以下、本発明の第1の実施の形態の構成について図面を参照しながら説明する。
図1において、1は手術用吸収シートであり、この手術用吸収シート1は、例えば、脳神経外科手術などの外科手術の際に、脳表などの患部の血液や体液を吸収したり、生理食塩水をしみこませて患部周辺の乾燥を防止したり、患部を保護したりすることを目的として使用される。
手術用吸収シート1は、長手方向および幅方向を有する略矩形状の吸収シート本体2を備え、この吸収シート本体2には、長手方向の一端から引き出されるように紐状の紐部材3が取り付けられている。
紐部材3は、用途に応じて素材を適宜選択可能であるが、脳外科手術などでの使用を考慮すると、例えば、ポリエステルにカーボンブラックを混合して糸状にしたものなどのような合成樹脂製の繊維や綿糸などで形成された柔軟なものが好ましい。
また、紐部材3の長さは、用途に応じて適宜設計可能であるが、脳外科手術などでの使用を考慮すると、25cm程度が好ましい。
吸収シート本体2は、一方の面である表面側に吸収性部材4が配設され、この吸収性部材4とは反対側、すなわち他方の面である裏面側に、非固着性部材5が吸収性部材4と一体に配設されている。
吸収性部材4は、長手方向および幅方向を有する略矩形状で、吸液性を有し患部の血液などの体液や生理食塩水などの液体を吸収可能なシート体である。
また、吸収性部材4は、例えば、綿、レーヨンおよびパルプなどを用いた不織布で形成されることが好ましく、秤量は、10g/m以上100g/m以下が好ましい。より具体的には、吸収性部材4として、例えば、秤量60g/mのコットンスパンレース不織布であるユニチカ株式会社製の商品名コットエース(登録商標)などが使用可能である。
さらに、吸収性部材4は、用途に応じて大きさや厚みを適宜設計可能であるが、脳外科手術などでの使用を考慮すると、長手方向の長さが10mm以上80mm以下で、幅方向の長さが5mm以上30mm以下で、厚さが0.1mm以上1.0mm以下程度が好ましい。
非固着性部材5は、表面が平滑で血液などの液体を吸収せず、アンカ効果などにより患部と固着しにくいフィルム状のシート体である。
また、非固着性部材5は、長手方向および幅方向を有し吸収性部材4と同様の略矩形状であり、暑さが10μm以上50μm以下程度が好ましい。
さらに、非固着性部材5は、脳外科手術にて脳表に使用される使用状況などを考慮し、安全性や柔軟性に基づいて、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリウレタンなどの樹脂にて適宜形成されることが好ましい。なお、非固着性部材5は、表面が平滑であることが重要であるため、表面処理は施されていない。
ここで、図1および図2に示すように、吸収シート本体2における紐部材3が引き出された端部、すなわち長手方向の一端部の近傍には、吸収性部材4とは異なる色で吸収性部材4側から視認可能な、X線造影効果を有するX線造影部材6が配設されている。
このX線造影部材6は、紐部材3と交差し、かつ、吸収シート本体2の長手方向の一端部に沿うように配設されている。
また、X線造影部材6は、X線造影効果や色彩や吸収性部材4との融着作用などを考慮して、X線造影剤である硫酸バリウムと、ポリスチレンと、カーボンブラックとから構成されたX線造影糸7が、吸収性部材4に溶着されることにより形成されている。なお、X線造影部材6を構成する材料やその材料の配合は、X線造影効果や色彩や融着作用などに応じて適宜決定すればよい。
吸収性部材4において、X線造影部材6の厚みが薄くなると、X線造影部材6の幅方向の長さLが広くなり単位面積あたりの硫酸バリウムの量が少なくなるため、X線造影効果が低下してしまう。
したがって、X線造影糸7を吸収性部材4に溶着する際には、X線造影糸7に必要以上に熱を伝わらないようにして、溶着後のX線造影部材6の厚みをある程度確保することが好ましい。
そこで、図3に示すように、吸収性部材4とX線造影糸7とは、熱源を有さないプレス部8、および、熱源を有するプレス受け部9を備えた溶着装置を用い、X線造影糸7が吸収性部材4よりプレス部8側に配置された状態にて熱溶着される。
このように吸収性部材4とX線造影糸7とが溶着されることにより、熱源を有するプレス受け部9とX線造影糸7との間に吸収性部材4が配置されるため、熱源からX線造影糸7への熱が伝わりにくくなり、吸収シート本体2におけるX線造影部材6の幅方向の長さLが必要以上に大きくなることを防止できる。
また、このようにX線造影部材6が配設された手術用吸収シート1では、紐部材3がX線造影部材6より吸収シート本体2における長手方向の他端部側からX線造影部材6を跨ぐように取り付けられている。すなわち、図1(a)および図1(b)に示すように、紐部材3は、吸収シート本体2における長手方向の他端部側の1箇所にて一方の面側から他方の面側へ挿通されて、X線造影部材6を跨いでループ状になるように、吸収シート本体2に取り付けられている。
次に、上記第1の実施の形態の作用および効果を説明する。
脳外科手術などの手術にて、患部の血液などの液体を吸収したい場合には、吸収シート本体2の吸収性部材4側を患部に接触させる。また、患部を乾燥させたくない場合には、吸収シート本体2の非固着性部材5側を患部に接触させる。
このように手術などにおける所定の処理の後、紐部材3を引っ張って吸収シート本体2を患部から剥離し、手術用吸収シート1を回収する。
そして、手術用吸収シート1によれば、表面が平滑な非固着性部材5を有するため、患部に長時間接触させることによる血液などの液体による接着力が非固着性部材5に作用しにくく、吸収シート本体2を患部に長時間接触させても患部から剥離しやすい。
すなわち、例えば上記特許文献1などの従来の手術用吸収シートでは、吸収して網目内や繊維内に入り込んだ血液などの液体が時間の経過とともに固まり、アンカ効果などによって剥離性が低下するが、手術用吸収シート1は、非固着性部材5の表面が平滑であることにより、この非固着性部材5には血液などの体液が入り込まずアンカ効果による接着力が作用しにくいため、従来の手術用吸収シートに比べて、吸収シート本体2を患部から剥離しやすい。
また、手術用吸収シート1は、吸収シート本体2における非固着性部材5とは反対側の一方の面に吸液性を有する吸収性部材4を有するため、この吸収性部材4により血液などの液体を吸収できる。
さらに、吸収シート本体2は、吸収性部材4とは異なる色のX線造影部材6が吸収性部材4側に配設されているため、X線造影部材6が目印となって吸収性部材4側と非固着性部材5側とを確認しやすく、目的に応じて適切に使用しやすい。
また、X線造影部材6は、吸収シート本体2における紐部材3が引き出された端部である長手方向の一端部の近傍に、この長手方向の一端部に沿って設けられているため、吸収性部材4の長手方向の他端部からX線造影部材6までの長さを長く確保でき、液体を吸収可能な箇所を大きく確保できる。
さらに、X線造影部材6は、紐部材3と交差するように設けられているため、紐部材3を吸収シート本体2から取れにくくできる。
また、吸収性部材4にX線造影糸7を溶着することによりX線造影部材6が形成されるため、吸収性部材4の表面上からX線造影部材6が突出しにくい。
さらに、X線造影糸7が吸収性部材4よりプレス部8側に配置された状態で溶着されたことにより、熱源を有するプレス受け部9からX線造影糸7への熱の伝達を抑制できるため、溶着後にX線造影部材6が薄くなりすぎない。したがって、溶着によって、吸収シート本体2においてX線造影部材6の幅方向の長さLが必要以上に大きくなることを防止でき、X線造影効果の低下を防止できる。
また、X線造影部材6を溶着で形成することにより、図4に示す従来の構成のように、紐部材3とX線造影部材6とを縫い合わせる必要がなくなるため、紐部材3を、吸収シート本体2における1箇所にて一方の面側から他方の面側へ挿通させて、X線造影部材6を跨いでループ状になるように、吸収シート本体2に取り付けることができる。
このように、紐部材3がX線造影部材6を跨いでループ状になるように吸収シート本体2に取り付けたため、縫い合わせる手間が省けるとともに、縫い合わせることにより吸収性部材4が硬くなることを防止できる。
また、紐部材3がX線造影部材6より吸収シート本体2における長手方向の他端部側からX線造影部材6を跨いで取り付けられているため、手術中の回収の際などに紐部材3を引っ張っても、紐部材3が、X線造影部材6に引っ掛かって吸収シート本体2から外れにくい。
なお、上記第1実施の形態では、吸収シート本体2が略矩形状の構成としたが、このような構成には限定されず、吸収シート本体2の形状や大きさは適宜設計できる。
また、吸収シート本体2は、X線造影部材6が配設された構成としたが、このような構成には限定されず、X線造影部材6を配設しない構成にしてもよい。
また、X線造影部材6を配設する構成の場合は、X線造影部材6が吸収性部材4に配設され、吸収シート本体2の吸収性部材4側から視認可能な構成には限定されない。すなわち、例えば、X線造影部材6を吸収性部材4と非固着性部材5との間に配設し、吸収シート本体2の非固着性部材5側から視認可能な構成にしてもよい。
さらに、X線造影部材6が溶着により配設された構成には限定されず、例えば図4に示す従来の構成のように、吸収性部材4において紐部材3をX線造影部材6で縫い付けるように配設した構成などにしてもよい。
また、X線造影部材6を溶着により形成する場合には、X線造影糸7が吸収性部材4よりプレス部8側に配置された状態で溶着された構成には限定されず、溶着装置の構成や、溶着装置におけるX線造影部材6と吸収性部材4との配置は適宜設定できる。
次に、第2の実施の形態を図5を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施の形態は、図5に示すように、上記第1の実施の形態の非固着性部材5において、複数の楕円状の開孔部11が設けられたものである。
ここで、脳外科手術では、手術用吸収シート1を患部に接触させた状態で吸引管を吸収シート本体2に当接させて、手術用吸収シート1を介して血液などの液体を吸引処理する場合がある。
そして、開孔部11が形成された非固着性部材5側を患部に接触させた状態で手術用吸収シート1を使用している場合には、吸収性部材4に吸引管を当接させるため、非固着性部材5の開孔部11の大きさや配置に関係なく血液などの液体を吸引できる。
一方、吸収性部材4側を患部に接触させた状態で手術用吸収シート1を使用している場合には、非固着性部材5に吸引管を当接させて血液などの液体を吸引することになるが、非固着性部材5における開孔部11間に吸引管を当接させると、吸引管の先端が非固着性部材5に閉塞されて血液などの液体を吸引できなくなる場合がある。
そこで、非固着性部材5は、手術の際に使用される吸引管の直径D1より、非固着性部材5における開孔部11と、この開孔部11の最も近くに位置する他の開孔部11との距離である開孔部11間の距離X,Yが短くなるように、開孔部11を形成することが好ましい。
なお、開孔部11間の距離Xは、非固着性部材5の幅方向における開孔部11間の距離で、開孔部11間の距離Yは、非固着性部材5の長手方向における開孔部11間の距離である。
また、非固着性部材5は、開孔部11の大きさ、および、開孔部11間の距離X,Yに基づく開孔率が高過ぎると、破れ易くなるとともに、各開孔部11から吸収性部材4の繊維が露出しやすくなり非固着性が低下してしまう。
そこで、非固着性部材5の非固着性を考慮すると、開孔部11は、開孔部11の直径d1,d2が0.1mm以上0.5mm以下で、開孔部11間の距離X,Yが1.0mm以上2.0mm以下が好ましい。
なお、この実施の形態では、開孔部11が楕円形に成形されているため、直径d1は、非固着性部材5の幅方向における開孔部11の直径、すなわち楕円の短軸の長さである短径で、直径d2は、非固着性部材5の長手方向における開孔部11の直径、すなわち楕円の長軸の長さである長径である。
また、非固着性部材5の開孔率は、0.36%(例えば、開孔部11の直径が0.1mmで、開孔部11間の距離が2.0mm。)以上、17.4%(例えば、開孔部11の直径が0.5mmで、開孔部11間の距離が1.0mm。)以下の範囲が好ましい。
ここで、脳外科手術用などの吸引管は、直径Dが0.4〜3.0mm程度のものがあり、その中でも1.0〜2.0mmのものを使用するのが一般的である。したがって、非固着性部材5の開孔部11間の距離X,Yが1.0mmより短ければ、吸引管を非固着性部材5のどの位置に当接させても、いずれかの開孔部11の少なくとも一部と吸引管とが重なるため、その開孔部11を介して吸引管にて血液などの液体を吸引できる。
また、非固着性部材5における開孔部11間の距離X,Yを短くするために、開孔部11を大きくすると、開孔率が高くなりすぎる可能性があるので、開孔部11間の距離X,Yは、1.0mmより短い構成には限定されず、使用する吸引管に応じて決定することが好ましい。
非固着性部材5は、所定の開孔パターンによって開孔部11が形成されることが想定される。
このような開孔パターンは、吸引管の直径D1,D2に応じて複数あることが好ましいが、この場合、吸引管の種類や数に応じて複数の開孔パターンを用意する必要があり煩雑になってしまう。
そこで、開孔後の開孔部11の直径が0.1mm以上0.5mm以下で、開孔部11間の距離が1.0mm以上2.0mm以下の範囲となるような1つの開孔パターンを構成し、吸引管の直径D1,D2に応じて、この開孔パターンを使用した孔開け工程の数を変更することにより、同一の開孔パターンによって、非固着性部材5における開孔部11間の距離X,Yが吸引管の直径D1,D2より短くなるように複数の開孔部11を形成できる。
具体的には、開孔パターンにおける開孔部11間の距離、すなわち開孔パターンにより形成される開孔部11間の距離が吸引管の直径D1より短い場合には、この開孔パターンを1回使用して非固着性部材5を開孔し開孔部11を形成する。
また、直径D1より短い直径D2の吸引管を用い、開孔パターンにおける開孔部11間の距離が吸引管の直径D2より長い場合には、この開孔パターンを複数回使用して開孔部11を形成する。
なお、同一の開孔パターンを複数回使用して開孔部11を形成する場合には、開孔パターンによる孔開け工程の数は設定されず、非固着性部材5における開孔部11間の距離X,Yが吸引管の直径D1,D2より短くなればよい。
また、同一の開孔パターンを複数回使用して開孔部11を形成する場合には、非固着性部材5に対する開孔パターンの位置を制御せず、ランダムに設定してもよい。非固着性部材5に対する開孔パターンの位置をランダムに設定する場合には、孔開け工程の数が2回であると、開孔部11の位置が重なることも想定されるため、少なくとも3回孔開け工程を実施することが好ましい。
一方、複数回の孔開け工程により開孔部11の数が多くなり開孔率が高くなると、上述のように非固着性が低下する可能性があるため、理論上の開孔率が17.4%を超えない回数に設定することが好ましい。すなわち、例えば、開孔パターンにおける開孔部11の直径が0.3mmで、開孔部11間の距離が1.6mmの場合には、1回の孔開け工程による開孔率が3.91%であり、17.4%/3.91%=4.5なので、17.4%を越えないように、最大4回の孔開け工程により開孔部11を形成することが好ましい。
以下、実施例および比較例について説明する。
まず、所定の開孔パターンに対する吸引管の吸引性能を確認した。
吸収性部材4として、秤量が60g/mのユニチカ株式会社製のコットエース(登録商標)を用い、非固着性部材5として微細開孔ポリウレタンフィルムを用いた。
なお、この非固着性部材5は、所定の開孔パターンにて開孔部11が形成されている。具体的にこの開孔パターンは、非固着性部材5における幅方向の開孔部11間の距離Xが1.5mmで、非固着性部材5における長手方向の開孔部11間の距離Yが1.3mmである。また、非固着性部材5における幅方向の開孔部11の直径d1が0.2mmで、非固着性部材5における長手方向の直径d2が0.3mmである。
このような吸収性部材4および非固着性部材5を用いて構成された吸収シート本体10mm×10mmを1検体とし、1検体に生理食塩水を0.2ml吸収させた。
また、アスピレータ(東京理科器械製、型番:ASPIRATOR A−3S)にマイクロ吸引管(フジタ医科器械製)を装着し、マイクロ吸引管に形成されている側孔を親指で全て塞ぎ、アスピレータの使用方法に沿って圧を抜き、マイクロ吸引管を非固着性部材5に当接し、非固着性部材5に対するマイクロ吸引管の角度を50〜80°にして吸引した。
このような方法にて、50検体で吸引試験を行い、生理食塩水が吸収されなかった検体数を測定して、吸引性能を確認した。
実施例1は、同一の開孔パターンをランダムに3回使用して非固着性部材5に開孔部11を形成したものに対して、直径D2が1.0mmのマイクロ吸引管で吸引した。すなわち、この実施例1では、開孔パターンにおける開孔部11間の距離>マイクロ吸引管の直径D2であったため同一の開孔パターンで3回孔開け工程を実施したもので、3回の孔開け工程により、非固着性部材5におけるほとんど全ての箇所で、開孔部11間の距離X,Y<吸引管の直径D2となっていた。
実施例2は、開孔パターンを1回使用して非固着性部材5に開孔部11を形成したものに対して、直径D1が2.0mmのマイクロ吸引管で吸引した。すなわち、この実施例2では、開孔パターンにおける開孔部11間の距離<吸引管の直径D1であったので、1回の孔開け工程のみで非固着性部材5における開孔部11間の距離X,Y<吸引管の直径D1となっていた。
比較例1は、開孔パターンを1回使用して非固着性部材5に開孔部11を形成したものに対して、直径D2が1.0mmのマイクロ吸引管で吸引した。すなわち、この比較例1では、非固着性部材5の開孔部11間の距離X,Y>吸引管の直径D2となっていた。
比較例2は、同一の開孔パターンをランダムに2回使用して非固着性部材5に開孔部11を形成したものに対して、直径D2が1.0mmのマイクロ吸引管で吸引したものである。すなわち、この比較例2では、開孔パターンにおける開孔部11間の距離>吸引管の直径D2であったため、同一の開孔パターンで2回孔開け工程を実施し、部分的に非固着性部材5の開孔部11間の距離X,Y>吸引管の直径D2となっていた。
これら実施例1、実施例2、比較例1および比較例2の吸引試験の結果を表1に示す。
Figure 2014054357
実施例1は、非固着性部材5におけるほとんど全ての箇所で、開孔部11間の距離X,Y<吸引管の直径D2であったので2検体のみ生理食塩水を吸引できなかったが、その他全ての検体では生理食塩水を吸引できた。この程度であれば、仮に吸引できなかったとしても、手術の際に吸引管の位置を若干ずらすだけで、吸引可能である。
実施例2は、非固着性部材5における開孔部11間の距離X,Y<吸引管の直径D1であったため、全ての検体で生理食塩水を吸引できた。
比較例1は、非固着性部材5における開孔部11間の距離X,Y>吸引管の直径D2であったので、開孔部11と重なるように非固着性部材5に吸引管を当接させた場合には、生理食塩水を吸引できたが、非固着性部材5の開孔部11間に吸引管を当接させた場合には、生理食塩水を吸引できなかった。そのため、50検体中27検体で吸引不能だった。
比較例2は、部分的に非固着性部材5の開孔部11間の距離X,Y>吸引管の直径D2となっていたため、比較例1よりも吸引不能数が少なかったものの、50検体中15検体で吸引不能だった。
次に、溶着の際の溶着装置に対する吸収性部材4およびX線造影糸7の配置の違いによる、溶着後のX線造影部材6の幅方向の長さLを測定した。
吸収性部材4として、秤量が60g/mのユニチカ株式会社製のコットエース(登録商標)を用い、非固着性部材5として微細開孔ポリウレタンフィルムを用いて、長手方向の長さが140mmで幅方向の長さが30mmの吸収シート本体2を形成した。
また、X線造影糸7として、硫酸バリウム約50%、ポリスチレン約50%およびカーボンブラック少量で構成された直径0.85mmのものを用いた。
また、熱源を有さないプレス部8と熱源を有するプレス受け部9とを備えた溶着装置として、インパルスシーラ(富士インパルス株式会社製、型式OPL−450−5)を用いた。
この溶着試験では、吸収シート本体2の長手方向がインパルスシーラに沿うように、プレス部8とプレス受け部9との間に吸収シート本体2を配設し、この吸収シート本体2の長手方向より長い任意の長さのX線造影糸7を、延伸しない程度にややテンションをかけるように吸収シート本体2の長手方向に沿って直線状に配置した。
そして、インパルスシーラによって210℃で4秒間の熱溶着した後、X線造影部材6の幅方向の長さLを測定した。なお、このような方法にて6検体で溶着試験を行った。
実施例は、図3に示すように、吸収性部材4がプレス部8と対向し、非固着性部材5がプレス受け部9と対向するように吸収シート本体2を配設し、X線造影糸7が吸収性部材4よりプレス部8側に位置するように、吸収性部材4とプレス部8との間にX線造影糸7を配置して、熱溶着した。
比較例は、非固着性部材5がプレス部8と対向し、吸収性部材4がプレス受け部9と対向するように吸収シート本体2を配設し、X線造影糸7が吸収性部材4よりプレス受け部9側に位置するように、吸収性部材4とプレス受け部9との間にX線造影糸7を配置して、熱溶着した。
これら実施例および比較例における熱溶着後のX線造影部材6の幅方向の長さLをそれぞれ表2に示す。
Figure 2014054357
表2に示すように、実施例におけるX線造影部材6の幅方向の長さLの平均は、2.45mmであったのに対し、比較例におけるX線造影部材6の幅方向の長さLの平均は、3.00mmであった。
したがって、溶着後のX線造影部材6の幅方向の長さLは、実施例の方が比較例より短かった。言い換えると、実施例の方がX線造影部材6に厚みがあることになる。
1 手術用吸収シート
2 吸収シート本体
3 紐部材
4 吸収性部材
5 非固着性部材
6 X線造影部材
7 X線造影糸
8 プレス部
9 プレス受け部
11 開孔部

Claims (5)

  1. 吸収シート本体と、この吸収シート本体の端部から引き出されるように取り付けられた紐状の紐部材とを具備した手術用吸収シートであって、
    前記吸収シート本体は、一方の面に位置し吸液性を有する吸収性部材と、他方の面に位置し前記吸収性部材と一体に配設された非固着性部材とを有し、
    この非固着性部材は、表面が平滑なフィルム状である
    ことを特徴とする手術用吸収シート。
  2. 非固着性部材は、複数の開孔部を有し、
    これら開孔部の直径は、0.1mm以上0.5mm以下であり、
    前記複数の開孔部間の距離は、1.0mm以上2.0mm以下であり、
    手術の際に使用される吸引管の直径より前記開孔部間の距離が短い
    ことを特徴とする請求項1記載の手術用吸収シート。
  3. 非固着性部材は、所定の開口パターンによって複数の開孔部が形成され、
    前記開口パターンにおける開孔部間の距離が吸引管の直径より長い場合には、前記開口パターンを複数回使用して開孔部が形成された
    ことを特徴とする請求項2記載の手術用吸収シート。
  4. 吸収シート本体は、吸収性部材とは異なる色で、前記吸収性部材側から視認可能なX線造影部材を有し、
    前記X線造影部材は、前記吸収シート本体における前記紐部材が引き出された端部の近傍にて前記紐部材と交差するように前記吸収性部材に溶着されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の手術用吸収シート。
  5. X線造影部材は、熱源を有さないプレス部と、熱源を有するプレス受け部とを備えた溶着装置にて、X線造影糸が吸収性部材に溶着されることにより形成され、
    前記X線造影糸が前記吸収性部材より前記プレス部側に配置された状態で溶着された
    ことを特徴とする請求項4記載の手術用吸収シート。
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