以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作手段をなす演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
また、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40における上部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。始動入賞口36、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としてもよい。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(第1大入賞口、下大入賞口)38が配設されている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての下カウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、下カウントスイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの下カウントスイッチ38aに検出されるようになっている。このように下カウントスイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。また、第1特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース40の左上部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(第2大入賞口、上大入賞口)39が配設されている。第2特別変動入賞装置39は、一対の可動部材39c,39cを備え、この一対の可動部材39c,39cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2特別変動入賞装置39の上方には、センターケース40の内側への遊技球の流入を規制する鎧部40aが延出しており、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となって特別遊技状態となった場合には、駆動装置としての大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられて遊技球の流入が可能となり、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。特別遊技状態では、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れか一方が開放されるが、何れを開放するかは特図変動表示ゲームの結果態様(特別結果)により決定される。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54、55、56とを備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1から3を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ2のみを点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ3のみを点灯状態とする。そして、保留数が「4」のときはランプ1から3の全てを点灯状態にする。
特図1保留表示器54は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。ここでは、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55において普図保留表示器56と同様の点灯態様で始動記憶数を表示するようにしている。
第1遊技状態表示部57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示部58は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが(優先して)実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121aからの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38の下カウントスイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の上カウントスイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121a,121bが設けられている。近接I/F121a,121bは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121aと近接I/F121bの二つを設けているのは、近接I/F121aの入力端子数が限られているためである。近接I/F121bは不足する入力端子数に応じて近接I/F121aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしている。なお、近接I/F121aとして必要な入力端子数を備えるものを用い、近接I/F121bを設けないようにしても良い。
近接I/F121a,121bの出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121a,121bの出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a及び上カウントスイッチ39aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121a,121bの出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121a,121bの出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121a,121bは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121a,121bには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路125が設けられており、シュミットトリガ回路125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を生成する第1出力ポート131を備える。遊技制御装置100から払出制御装置200へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、バッファ132が設けられている。このバッファ132は遊技用マイコン111から演出制御装置300へのデータの通信経路に配されており、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するためのものである。遊技制御装置100から演出制御装置300へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121a,121bから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ)等の枠演出装置45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出役物スイッチ44aのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられたスピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放又は大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の可動部材39c,39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが1000ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100ms)よりも長い第2開放時間(例えば1352ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)しても良い。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5及び図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図7に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図5に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)を行う。次に、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS4)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS5)を行う。
その後、電源ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS6)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むするようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定する処理(ステップS6)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS7からS11)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS7)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS8)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS8;Y)は、ステップS7で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS9)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS9;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS8)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS9;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS8;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS10)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS11)。タイマの値が0でない場合(ステップS11;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS7)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS11;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS12)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS13)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施例では、演出制御装置300との通信に使用)を設定し(ステップS14)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から電源装置400内の初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS15)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS15;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかを判定し(ステップS16)、正常であれば(ステップS16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかを判定する(ステップS17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS18)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS19)。チェックサムが一致する場合(ステップS19;Y)は、図6のステップS20へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS15;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS16;NもしくはステップS17;N)、チェックサムが正常でない(ステップS19;N)と判定された場合は、図6のステップS25へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図6のステップS20では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS20)。ここでの初期化すべき領域とは、停電復旧検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS21)。ここで、高確率でない場合(ステップS21;N)は、ステップS22,S23をスキップしてステップS24へ移行する。また、高確率である場合(ステップS21;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS22)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS23)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信し(ステップS24)、ステップS29へ進む。
一方、ステップS15、S16、S17、S19からステップS25へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS25)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS26)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS27)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。
なお、ステップS24で送信される停電復旧時のコマンド及びステップS28で送信される電源投入時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS35;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS35;Y)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS36;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS35)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS36;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS41)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図7のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS101)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS102)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS103)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS104)、乱数更新処理1(ステップS105)、乱数更新処理2(ステップS106)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a、上カウントスイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS107)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS108)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS109)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS110)、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS111)、電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する電波不正監視処理(ステップS112)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS113)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS114)を行い、ステップS101で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS115)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS116)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS108)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図8に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた下カウントスイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた上カウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA7)、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
主制御用マイコン(1stCPU)311では、図9に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、CPUの初期化やRAMの初期値設定、乱数の初期化等を行う各種初期化処理を行う(ステップB12)。そして、各種割込みのタイマを起動して(ステップB13)、割込みを許可する(ステップB14)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB15)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB16)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB17)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB17)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB18)を行う。このテストモード処理(ステップB18)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
その後、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB19)を行い、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB20)を行って、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB21)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB22)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB23)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB24)を行い、WDTをクリアする処理(ステップB15)に戻る。
〔1stシーン制御処理〕
図10には、図9に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB19)を示した。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB68)を行う。また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB69)を行う。この変動中処理(ステップB69)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB70)を行う。この図柄停止処理(ステップB70)では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB71)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB72)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB73)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理である大当りエンディング処理(ステップB74)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB75)を行い、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う飾り特図コマンド受信処理(ステップB76)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む事前判定コマンド(図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド)に基づく処理を行う事前判定コマンド受信処理(ステップB77)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づき、対応する値を内部設定するとともに背景コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)312に送信する処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB78)を行って1stシーン制御処理を終了する。
〔変動中処理〕
図11には、図10に示した1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB69)を示した。この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるかを判定する(ステップB81)。そして、演出リクエストフラグがある場合(ステップB81;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリアし(ステップB82)、可動体リクエストセット処理(ステップB83)を行う。
次に、遊技制御装置100からの変動開始コマンド(図柄情報コマンド及び変動パターンコマンド)に基づいて、変動演出パターンの詳細を設定する変動演出パターン設定処理(ステップB84)を行い、役物動作パターン設定処理(ステップB85)を行う。その後、乱数シード初期化処理(ステップB86)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB87)。シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB88)を行い、最初のシーン及びシーン更新タイマをセットする(ステップB89)。そして、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB90)、変動中処理を終了する。この処理により、飾り特図変動表示ゲームの演出内容の一部が設定される。
また、ステップB81で、演出リクエストフラグがないと判定した場合(ステップB81;No)には、シーン更新タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップB91)。シーン更新タイマは、シーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、このシーン更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。
シーン更新タイマの値が0でない場合(ステップB91;No)は、変動中処理を終了する。また、シーン更新タイマの値が0である場合(ステップB91;Yes)は、次のシーンデータを設定し(ステップB92)、変動中処理を終了する。これにより、新たなシーンが開始されるとともにシーン更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図12に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB101)を行い、RAMを0クリアして(ステップB102)、RAMの初期値を設定する(ステップB103)。次に、2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)を初期化するVDP初期化処理(ステップB104)を行い、各種割込みを許可する(ステップB105)。さらに、各種制御処理の初期化処理(ステップB106)を行い、画面描画を許可する(ステップB107)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアし(ステップB108)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB109)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB109)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB109;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップB110)。
その後、受信コマンドチェック処理(ステップB111)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB111)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述する2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次に、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップB112)を行う。この2ndシーン制御処理(ステップB112)では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行い、特図変動表示ゲームの進行に対応する演出画像を表示装置41に表示する処理を行う。
その後、背景の設定を行う背景処理(ステップB113)を行う。背景処理では、遊技状態(確率状態や客待ち状態の有無)や、遊技モード、演出モード、リーチシーン、選択された演出態様等に応じた背景を表示する処理を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理である変動表示処理(ステップB114)を行い、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の設定を行う保留表示処理(ステップB115)を行う。保留表示処理では、始動記憶領域に記憶された事前演出情報に基づき、飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる事前演出(先読み演出)の表示に関する処理も行う。これらの処理によっても飾り特図変動表示ゲームの演出内容の一部が設定される。
さらに、実行した演出及び演出の組み合わせに応じて遊技価値とは異なる遊技ポイントを決定する処理や、決定された遊技ポイントを報知する処理を行うランキング制御処理(ステップB116)を行い、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB117)を行う。そして、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB118)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB108)に戻る。
〔Vブランク割込み処理〕
次に、Vブランク割込み処理について説明する。Vブランク割込み処理は、例えば16ms毎の周期的なVブランク割込み信号が2ndCPUに入力されることで開始される。図13に示すように、Vブランク割込み処理では、まずフレームカウンタの値を+1更新し(ステップB121)、当該フレームカウンタの値が規定値以上であるかを判定する(ステップB122)。ここで、フレームカウンタの値が規定値未満の場合(ステップB122;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、フレームカウンタの値が規定値以上の場合(ステップB122;Yes)は、システム周期待ちフラグが「0」であるかを判定する(ステップB123)。
そして、システム周期待ちフラグが「0」でない場合(ステップB123;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、システム周期待ちフラグが「0」である場合(ステップB123;Yes)は、VDPが描画を完了したかを判定する(ステップB124)。VDPが描画を完了していない場合(ステップB124;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、VDPが描画を完了した場合(ステップB124;Yes)は、表示フレームバッファを切り替え(ステップB125)、切り替えられた表示フレームバッファへの描画開始をVDPに指示する(ステップB126)。
次いで、VDPが描画を開始したことを示すVDP描画中フラグをセットし(ストップB127)、フレームカウンタを0クリアする(ステップB128)。その後、システム周期待ちフラグに「1」をセットし(ステップB129)、Vブランク割込み処理を終了する。
これらの処理により演出が選択されて実行される。演出を選択する過程において遊技制御装置100では、大当り乱数に基づく特図変動表示ゲームの結果と、変動パターン乱数1から3とに基づき変動パターンを決定し、演出制御装置300に情報を送信する。演出制御装置300では、遊技制御装置100から受信した情報に基づき詳細な演出内容を設定する。演出内容には、リーチ演出や識別情報の変動表示を仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動態様の設定、複数の変動表示ゲームに亘り連続的に実行される演出のような変動態様に関するものや、背景の変更、キャラクタ等の登場のような表示装置41での表示による演出、発光装置の発光による演出、役物の動作による演出、音声による演出などが含まれる。この演出内容を設定する際には、遊技制御装置100で決定された変動パターンにおいて実行可能な複数種類の演出のうちから、特図変動表示ゲームの結果に応じて実行する演出や演出の組み合わせを選択する。
複数種類の演出の各々及び演出の組み合わせについては、特図変動表示ゲームの結果に応じた実行確率が予め定められており、この実行確率に従い演出及び演出の組み合せを選択する。このように特図変動表示ゲームの結果に応じた実行確率に従い演出や演出の組み合せを選択することで、演出や演出の組み合せが実行されたことにより示唆される大当りとなる可能性の高さ(期待値)が定まることとなる。例えば、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合の方がはずれである場合よりも実行確率が高い演出や演出の組み合わせは、当該演出や演出の組み合わせが実行されることで大当りとなる可能性が高いことを報知するものとなり、期待値の高い演出となる。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームに関連する演出の実行制御を行う演出制御手段をなすとともに、複数種類の演出から、少なくとも変動表示ゲームの結果に応じた実行確率に従い、実行する演出及び演出の組み合わせを選択して実行する演出実行手段をなす。
また、実行された演出や演出の組み合わせに応じて遊技価値とは異なる遊技ポイントを決定して報知するようにしている。上述したように、演出や演出の組み合せは特図変動表示ゲームの結果に応じた実行確率に従い選択されるので、大当りとなる可能性の高さ(期待値)を示唆するものであり、実行された演出や演出の組み合わせに応じた遊技ポイントを決定して報知することは、演出や演出の組み合わせについての期待値を具体的な数値として報知することとなり、より明確に期待値を示すことが可能となる。
〔ランキング制御処理〕
このような遊技ポイントの決定や報知を行うために、図12に示した2ndメイン処理において図14に示すランキング制御処理を行う。このランキング制御処理では、まず、実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンをチェックし(ステップB131)、リーチ演出を実行するものであるかを判定する(ステップB132)。リーチ演出を実行するものでない場合(ステップB132;No)は、ランキング制御処理を終了する。また、リーチ演出を実行するものである場合(ステップB132;Yes)は、ポイント報知タイミングであるかを判定する(ステップB133)。
ポイント報知タイミングとは、遊技ポイントを遊技者に報知するタイミングであり、特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームで結果態様を仮停止した際や停止した際など、飾り特図変動表示ゲームの実行態様により定められるタイミングである。このポイント報知タイミングでない場合(ステップB133;No)は、ランキング制御処理を終了する。また、ポイント報知タイミングである場合(ステップB133;Yes)は、実行済みの演出をチェックし(ステップB134)、遊技ポイント情報を設定する(ステップB135)。なお、演出には表示装置41での表示による演出の他、発光装置の発光による演出、役物の動作による演出、音声による演出などが含まれる。また、一の変動表示ゲーム内で行われる演出の他、複数の変動表示ゲームに亘り連続的に実行される演出も含まれる。
遊技ポイント情報を設定する処理(ステップB135)では、リーチ演出の種類や実行された演出、演出の組み合わせなどについて、実行確率に応じて予め設定されている遊技ポイント(図25参照)を取得する処理や、取得した遊技ポイントの総計を算出する処理等を行う。そして、これらの処理の過程で得られる情報である、実行された演出や演出の組み合せに対して決定された遊技ポイントの詳細や、リーチや演出の名称などの情報を遊技ポイント情報として設定する。すなわち、演出制御装置300が、実行した演出及び演出の組み合わせに応じて遊技価値とは異なる遊技ポイントを決定する遊技ポイント決定手段をなす。
次に、遊技ポイント情報を表示装置41に表示する設定(ステップB136)を行い、遊技ポイント情報を履歴情報としてセーブする(ステップB137)。履歴情報は、少なくとも遊技ポイントの値を含み、この他に、実行された各演出や演出の組み合せに対して決定された遊技ポイントの詳細や、リーチや演出の名称などを含む。
そして、今回発生した遊技ポイント情報(履歴情報)が、過去の履歴情報を所定順に並べたポイント歴代ランキングを更新するものかを判定する(ステップB138)。なお、ポイント歴代ランキングにおけるランキングの順位は、遊技ポイントが高い順又は低い順、期待値が高い順又は低い順、リーチ演出の種類順などが挙げられる。このポイント歴代ランキングを更新するものでない場合(ステップB138;No)は、ランキング制御処理を終了する。また、ポイント歴代ランキングを更新するものである場合(ステップB138;Yes)は、ランキングを表示装置41に表示する設定(ステップB139)を行い、ランキング制御処理を終了する。
すなわち、演出制御装置300が、遊技ポイント決定手段により決定された遊技ポイントを報知するポイント報知手段をなす。また、演出制御装置300が、遊技ポイント決定手段により決定された遊技ポイントに関する情報である履歴情報を記憶する履歴記憶手段をなすとともに、履歴情報を表示装置41に表示する履歴表示手段をなす。
<始動条件の1回の成立に基づく変動表示を複数の図柄列で行う構成について>
ところで、前述したように、表示装置41における飾り特図変動表示ゲームでは、例えば、まず飾り特別図柄(識別情報)を左図柄列(左変動表示領域)、右図柄列(右変動表示領域)、中図柄列(中変動表示領域)のそれぞれにおいて識別困難な速さで変動表示(高速変動)し、所定時間後に変動表示中の図柄列を左図柄列、右図柄列、中図柄列の順に順次停止させるようになっている。すなわち、複数の識別情報は複数の図柄列によって構成されており、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を、すべての図柄列(本実施形態の場合、3つの図柄列)で行うよう構成されている。
<始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行う構成について>
さらに、本実施形態の遊技機10は、所定の場合(例えば、時短状態中(普電サポート中)である場合)に、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を、複数の図柄列(本実施形態の場合、3つの図柄列)のうち一の図柄列で行うよう構成されている。
すなわち、本実施形態の遊技機10は、所定の場合以外の場合には、例えば図15(a)に示すように、保留(始動記憶)を1つ消化するために、左図柄列、右図柄列及び中図柄列を変動表示させ、その後、変動表示中の図柄列を左図柄列、右図柄列、中図柄列の順に順次停止させるよう構成されている。
一方、所定の場合には、例えば図15(b)に示すように、保留(始動記憶)を1つ消化するために、左図柄列、右図柄列及び中図柄列のうち一の図柄列のみを変動表示させ、その後、変動表示中の一の図柄列を停止させるよう構成されている。したがって、所定の場合には、保留を1つ消化するために一の図柄列しか変動表示させないので、変動表示中の複数の図柄列を順次停止させるために費やす時間を省略することができる。これにより変動表示の時間効率を向上させることができ、保留を効率よく消化することが可能となる。
ここで、本実施形態の遊技機10は、表示装置41における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)での変動表示は、所定の場合以外の場合と所定の場合とで異なるが、本図柄表示装置(第1特図変動表示装置51,第2特図変動表示装置52)における変動表示ゲームの変動表示は、所定の場合以外の場合と所定の場合とで変化しないよう構成されている。すなわち、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行う場合であっても、本図柄表示装置における変動表示は変更しないよう構成されている。
なお、本実施形態では、所定の場合に、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行うよう構成したが、これに限ることはなく、所定の場合であるか否かにかかわらず常に、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行うよう構成することも可能である。
図15(b)には、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行う場合(パターン(1−1))の例を示した。また、図16には、図15(b)に対応する表示装置41での表示例を示した。
保留を1つ消化するための変動表示ゲームが開始して(t11、図16(a)参照)、所定時間が経過すると、複数の図柄列のうち一の図柄列(この例の場合、左図柄列)の変動表示が開始する。ここでは、リーチ状態が発生していないので(図16(b)参照)、当該一の図柄列は高速変動している(t12)。
その後、当該一の図柄列の変動表示が停止して、所定時間が経過すると、当該変動表示ゲームが終了する(t13)。ここでは、特別結果態様が導出されなかったので(図16(c)参照)、次の保留を消化するための変動表示ゲーム(すなわち、次の変動表示ゲーム)が開始する。
次いで、次の保留を消化するための変動表示ゲームの開始から所定時間が経過すると、複数の図柄列のうち一の図柄列(この例の場合、右図柄列)の変動表示が開始する。ここでは、リーチ状態が発生していないので(図16(d)参照)、当該一の図柄列は高速変動している(t14)。
その後、当該一の図柄列の変動表示が停止して、所定時間が経過すると、当該変動表示ゲームが終了する(t15)。ここでは、特別結果態様が導出されなかったので(図16(e)参照)、次の保留を消化するための変動表示ゲーム(すなわち、次の変動表示ゲーム)が開始する。
次いで、次の保留を消化するための変動表示ゲームの開始から所定時間が経過すると、複数の図柄列のうち一の図柄列(この例の場合、中図柄列)の変動表示が開始する。ここでは、リーチ状態が発生しているので(図16(f)参照)、当該一の図柄列は低速変動している(t16)。
その後、当該一の図柄列の変動表示が停止して、特別結果態様が導出された場合には(図16(g)参照)、当該変動表示ゲームの終了(t17)後に、特別遊技状態が開始する。
一方、当該一の図柄列の変動表示が停止して、特別結果態様が導出されなかった場合には(図16(h)参照)、当該変動表示ゲームの終了(t17)後に、次の保留を消化するための変動表示ゲーム(すなわち、次の変動表示ゲーム)が開始する。
そして、次の保留を消化するための変動表示ゲームの開始から所定時間が経過すると、複数の図柄列のうち一の図柄列の変動表示が開始する。ここでは、直前の変動表示ゲームに続いて当該変動表示ゲームでもリーチ状態が発生しているので(図16(i)参照)、直前の変動表示ゲームと同じ図柄列(この例の場合、中図柄列)が変動(低速変動)している。
このように、本実施形態の遊技機10は、リーチ状態が発生して特別結果態様が導出されなかった場合であって、次の変動表示ゲームでもリーチ状態が発生する場合には、連続して同じ図柄列を変動表示させることで、再度リーチを実行するよう構成されている。一方、それ以外の場合には、連続して同じ図柄列を変動表示させないよう構成されている。
なお、複数の図柄列のうち一の図柄列が変動表示されている間、変動表示されていない残りの図柄列は、完全に停止した状態で表示されてもよいし、図16や図17に示すように、仮停止表示のような状態(例えば、振動した状態)で表示されてもよい。
また、変動表示する図柄列の位置や図柄列の変動方向(例えば、上方向への変動又は下方向への変動)と、期待度(特図変動表示ゲームの実行内容(例えば、リーチが発生するか、どのリーチが発生するか)や特図変動表示ゲームの結果(例えば、特別結果態様となるか)に対する期待度)と、を対応付けてもよい。
また、リーチ発生時には図柄列を低速変動させるよう構成したが、これに限ることはなく、リーチ発生時も図柄列を高速変動させるよう構成することも可能である。
また、本実施形態の遊技機10は、始動条件の成立に基づき変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された変動表示ゲームの実行結果が特別結果態様となるか実行開始前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、事前判定手段によって変動表示ゲームの結果が特別結果態様となると判定された場合は、当該変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されるように、複数の変動表示ゲームを跨いでそれぞれ異なる図柄列を変動制御するよう構成されている。
具体的には、図16に示す例の場合、「7,5,3」の状態(図16(a)参照)から、左図柄列が変動して「2,5,3」が導出され(図16(b),(c)参照)、次いで、右図柄列が変動して「2,5,2」が導出され(図16(d),(e)参照)、次いで、中図柄列が変動して特別結果態様「2,2,2」が導出されている(図16(f),(g)参照)。すなわち、結果が特別結果態様となると事前判定された変動表示ゲーム(事前判定変動表示ゲーム)にて特別結果態様「n,n,n」が導出されるように、当該変動表示ゲーム(事前判定変動表示ゲーム)よりも前に実行される変動表示ゲームから当該変動表示ゲーム(事前判定変動表示ゲーム)までに亘って徐々に特別結果態様「n,n,n」を形成している。
<始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行う構成の変形例(変形例1)について>
また、例えば、図18に示すように、本実施形態の遊技機10は、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶されている所定の始動記憶に対して、それよりも以前に記憶されている始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されている間に、特別結果態様の導出を示唆する事前演出(先読み演出)を実行する事前演出手段を備え、当該所定の始動記憶(すなわち、事前演出の対象となる始動記憶)に基づく変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されるように、複数の変動表示ゲームを跨いでそれぞれ異なる図柄列を変動制御するよう構成されていてもよい。
図18には、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行う場合であって、事前演出の対象となる始動記憶に基づく変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されるように複数の変動表示ゲームを跨いでそれぞれ異なる図柄列を変動制御する場合の例を示した。
ここで、図18では、事前演出の対象となる始動記憶を示す飾り特図始動記憶表示Mを、事前演出の対象とならない始動記憶を示す飾り特図始動記憶表示Mよりも濃い色で表示している。すなわち、飾り特図始動記憶表示Mの色を変化させることによって事前演出を実行している。
具体的には、図18に示す例の場合、既に始動記憶が記憶されている状態で事前演出の対象となる始動記憶が記憶された後、「7,5,3」の状態(図18(a)参照)から、左図柄列が変動して「2,5,3」が導出され(図18(b),(c)参照)、次いで、右図柄列が変動して「2,5,2」が導出され(図18(d),(e)参照)、次いで、中図柄列が変動して特別結果態様「2,2,2」が導出されている(図18(f),(g)参照)。すなわち、事前演出の対象となる始動記憶に基づく変動表示ゲーム(事前演出変動表示ゲーム)にて特別結果態様「n,n,n」が導出されるように、当該変動表示ゲーム(事前演出変動表示ゲーム)よりも前に実行される変動表示ゲームから当該変動表示ゲーム(事前演出変動表示ゲーム)までに亘って徐々に特別結果態様「n,n,n」を形成している。
無論、図18(h)に示すように、事前演出の対象となる始動記憶に基づく変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されない場合もある。
事前演出は、特別結果態様の導出を示唆する演出に限ることはなく、例えば、「リーチ状態の発生」や「リーチの形成」を示唆する演出であってもよい。
事前演出が「リーチ状態の発生」を示唆する演出である場合には、事前演出の対象となる始動記憶に基づく変動表示ゲームにてリーチ状態が発生するように複数の変動表示ゲームを跨いでそれぞれ異なる図柄列を変動制御するよう構成される。また、事前演出が「リーチの形成」を示唆する演出である場合には、事前演出の対象となる始動記憶に基づく変動表示ゲームにてリーチが形成されるように複数の変動表示ゲームを跨いでそれぞれ異なる図柄列を変動制御するよう構成される。
ここで、「リーチの形成」とは、変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の停止結果態様として「n,n,m」、「n,m,n」、「m,n,n」の何れかが表示されることである。また、「リーチ状態の発生」とは、変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)として、形成されたリーチを崩さない図柄列の変動表示、すなわち「n,n,↓」、「n,↓,n」、「↓,n,n」(「↓」は変動中の識別情報を示す)の何れかが表示されることである。
<始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行う構成の変形例(変形例2)について>
また、例えば、図19に示すように、本実施形態の遊技機10は、変動表示ゲームの結果が特別結果態様とならない場合は、当該変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が停止したタイミングで当該変動表示ゲームの次の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示を開始するよう構成することも可能である。
図19には、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行う場合であって、結果が特別結果態様とならない変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が停止したタイミングで、次の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示を開始する場合(パターン(1−2))の例を示した。また、図20には、図19に対応する表示装置41の表示例を示した。
保留を1つ消化するための変動表示ゲームが開始して(t21、図20(a)参照)、所定時間が経過すると、複数の図柄列のうち一の図柄列(この例の場合、左図柄列)の変動表示が開始する(t22、図20(b)参照)。
その後、当該一の図柄列の変動表示が停止する。ここでは、特別結果態様が導出されないので、図柄列の変動表示が停止した後、直ちに当該変動表示ゲームが終了して、次の保留を消化するための変動表示ゲーム(次の変動表示ゲーム)が開始し、その開始と略同時に複数の図柄列のうち一の図柄列(この例の場合、中図柄列)の変動表示が開始する(t23、図20(c)参照)。
その後、当該一の図柄列の変動表示が停止する。ここでは、特別結果態様が導出されないので、図柄列の変動表示が停止した後、直ちに当該変動表示ゲームが終了して、次の保留を消化するための変動表示ゲーム(次の変動表示ゲーム)が開始し、その開始と略同時に複数の図柄列のうち一の図柄列(この例の場合、右図柄列)の変動表示が開始する(t24、図20(d)参照)。
その後、当該一の図柄列の変動表示が停止して、特別結果態様が導出された場合には(t25、図20(e)参照)、当該変動表示ゲームの終了(t26)後に、特別遊技状態が開始する。
図15(b)及び図16に例を示したパターン(1−1)では、変動表示ゲームで特別結果態様が導出されない場合であっても、当該変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が停止した後、所定の停止時間の経過後に、次の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示を開始するよう構成されていた。これに対し、図19及び図20に例を示したパターン(1−2)では、変動表示ゲームで特別結果態様が導出されない場合には、当該変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が停止した後、直ちに次の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示を開始するよう構成されているので、パターン(1−1)よりも無駄な停止時間を短縮することが可能となる。
なお、パターン(1−2)の場合、一の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が停止した後、直ちに次の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示を開始するよう構成したが、これに限ることはなく、一の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が停止した後、通常の停止時間よりも短い停止時間が経過した後に次の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示を開始するよう構成することも可能である。ここで、「通常の停止時間」とは、所定の場合に始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行うよう構成されている場合であれば、例えば、所定の場合以外の場合における停止時間(一の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が停止してから次の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が開始するまでの時間)のことである。
<始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させる構成について>
また、例えば、図21に示すように、本実施形態の遊技機10は、所定の場合(例えば、時短状態中(普電サポート中)である場合)に、期待度(変動表示ゲームの結果が特別結果態様となる期待度等)に応じて、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させるよう構成することも可能である。
ここで、本実施形態の遊技機10は、表示装置41における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)での変動表示は、所定の場合以外の場合と所定の場合とで異なるが、本図柄表示装置(第1特図変動表示装置51,第2特図変動表示装置52)における変動表示ゲームの変動表示は、所定の場合以外の場合と所定の場合とで変化しないよう構成されている。すなわち、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させる場合であっても、本図柄表示装置における変動表示は変更しないよう構成されている。
なお、所定の場合に、期待度に応じて始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させるのではなく、所定の場合であるか否かにかかわらず常に、期待度に応じて始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させるよう構成することも可能である。
図21には、変動表示を行う図柄列の数と、期待度(特図変動表示ゲームの実行内容や特図変動表示ゲームの結果に対する期待度)と、の対応関係の例を示した。
図21に示す例では、一の変動表示ゲームにおいて変動表示を行う図柄列の数(変動ライン数)が「1」の場合は、当該一の変動表示ゲームでリーチが形成される期待度が10%、当該一の変動表示ゲームでリーチが形成され当該一の変動表示ゲームの次の変動表示ゲームで特別結果態様が導出される期待度(大当り期待度)が15%となっている。
また、一の変動表示ゲームにおいて変動表示を行う図柄列の数(変動ライン数)が「2」の場合は、当該一の変動表示ゲームでリーチが形成される期待度が40%、当該一の変動表示ゲームでリーチが形成され当該一の変動表示ゲームの次の変動表示ゲームで特別結果態様が導出される期待度が50%、当該一の変動表示ゲームで特別結果態様が導出される期待度が60%となっている。
また、一の変動表示ゲームにおいて変動表示を行う図柄列の数(変動ライン数)が「3」の場合は、当該一の変動表示ゲームでリーチが形成される期待度が90%、当該一の変動表示ゲームでリーチが形成され当該一の変動表示ゲームの次の変動表示ゲームで特別結果態様が導出される期待度が95%、当該一の変動表示ゲームで特別結果態様が導出される期待度が10%となっている。
なお、一の変動表示ゲームにおいて変動表示を行う図柄列の数(変動ライン数)は、当該一の変動表示ゲームにおける変動パターン等によって規定される。
ここで、一の変動表示ゲームにおいて変動表示を行う図柄列の数(変動ライン数)が「1」の場合、当該一の変動表示ゲームの直前の変動表示ゲームでリーチが形成されたときに、当該一の変動表示ゲームで特別結果態様が導出され、当該一の変動表示ゲームの直前の変動表示ゲームでリーチが形成されないときには、当該一の変動表示ゲームで特別結果態様は導出されない。
一の変動表示ゲームの直前の変動表示ゲームでの変動ライン数が「1」であり、その直前の変動表示ゲームでリーチが形成されたときには、その直前の変動表示ゲームの次の変動表示ゲーム(すなわち、当該一の変動表示ゲーム)で特別結果態様が導出される期待度は15%となる。
また、一の変動表示ゲームの直前の変動表示ゲームでの変動ライン数が「2」であり、その直前の変動表示ゲームでリーチが形成されたときには、その直前の変動表示ゲームの次の変動表示ゲーム(すなわち、当該一の変動表示ゲーム)で特別結果態様が導出される期待度は50%となる。
また、一の変動表示ゲームの直前の変動表示ゲームでの変動ライン数が「3」であり、その直前の変動表示ゲームでリーチが形成されたときには、その直前の変動表示ゲームの次の変動表示ゲーム(すなわち、当該一の変動表示ゲーム)で特別結果態様が導出される期待度は95%となる。
すなわち、当該一の変動表示ゲームの直前に実行される変動表示ゲームでの変動ライン数に応じて、当該一の変動表示ゲームで特別結果態様が導出される期待度が異なるので、図21では、変動ライン数「1」に対応する“当該変動 大当り期待度”を「−」としている。
なお、本実施形態では、図21に示す例のように、一の変動表示ゲームにおいて変動表示を行う図柄列の数(変動ライン数)が複数の場合、当該一の変動表示ゲームでリーチの形成及び特別結果態様の導出のうち何れか一方がなされるようになっているが、これに限ることはなく、一の変動表示ゲームにおいて変動表示を行う図柄列の数が複数であっても、当該一の変動表示ゲームでリーチの形成も特別結果態様の導出もなされないよう構成することも可能である。すなわち、図21に示す例では、変動ライン数が複数の場合、“当該変動 リーチ形成期待度”と“当該変動 大当り期待度”との和が「100%」になっているが、これに限ることはなく、変動ライン数が複数であっても“当該変動 リーチ形成期待度”と“当該変動 大当り期待度”との和が「100%」にならないよう構成することも可能である。
図22には、期待度に応じて始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させる場合(パターン(2−1))の例を示した。
変動ライン数が「1」の場合には、図22(a),(b)に示すように、3つの図柄列のうち一の図柄列(この例の場合、左図柄列)の変動表示が開始される。図21に示す例では、変動ライン数が「1」の場合、“当該変動 リーチ形成期待度”も“当該変動 大当り期待度”も最も低いので、図22(c)に示すように、当該一の変動表示ゲームでリーチの形成も特別結果態様の導出もなされないことが多い。
また、変動ライン数が「2」の場合には、図22(c),(d)に示すように、3つの図柄列のうち二の図柄列(この例の場合、中図柄列及び右図柄列)の変動表示を同時に開始するよう構成することも可能であるし、図22(c),(e)、(f)に示すように、3つの図柄列のうち二の図柄列(この例の場合、中図柄列及び右図柄列)の変動表示を時間差をつけて開始するよう構成することも可能であるし、時間差をつけて開始するか否かを抽選結果等に応じて設定するよう構成することも可能である。図21に示す例では、変動ライン数が「2」の場合、“当該変動 大当り期待度”が最も高いので、図22(g)に示すように、特別結果態様が導出されることが多い。
なお、変動ライン数が「2」の場合だけでなく、変動ライン数が「3」の場合も、複数の図柄列の変動表示を同時に開始するよう構成することも可能であるし、時間差をつけて開始するよう構成することも可能であるし、時間差をつけて開始するか否かを抽選結果等に応じて設定するよう構成することも可能である。時間差をつけて開始すると、一の変動表示ゲーム中に遊技者の期待感を変化させることができるので、遊技の興趣がより向上する。
また、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させる構成の場合も、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行う構成の場合と同様、図柄列が変動表示されている間、変動表示されていない図柄列は、完全に停止した状態で表示されてもよいし、仮停止表示のような状態(例えば、振動した状態)で表示されてもよい。
<始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させる構成の変形例(変形例3)について>
また、例えば、図23に示すように、本実施形態の遊技機10は、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶されている所定の始動記憶に対して、それよりも以前に記憶されている始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されている間に、特別結果態様の導出を示唆する事前演出(先読み演出)を実行する事前演出手段を備え、当該所定の始動記憶(すなわち、事前演出の対象となる始動記憶)よりも以前に記憶されている始動記憶に基づく各変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示態様を同一にするよう構成されていてもよい。
図23には、期待度に応じて始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させる場合であって、事前演出の対象となる始動記憶よりも以前に記憶されている始動記憶に基づく各変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示態様を同一にする場合(パターン(2−2))の例を示した。
ここで、図23では、事前演出の対象となる始動記憶を示す飾り特図始動記憶表示Mを、事前演出の対象とならない始動記憶を示す飾り特図始動記憶表示Mよりも濃い色で表示している。すなわち、飾り特図始動記憶表示Mの色を変化させることによって事前演出を実行している。
具体的には、図23に示す例の場合、まず、事前演出の対象となる始動記憶が記憶されると(図23(a)参照)、それよりも以前に記憶されている始動記憶のうち最も古い始動記憶に基づく変動表示ゲームでも(図23(b),(c)参照)、それよりも以前に記憶されている始動記憶のうち2番目に古い始動記憶に基づく変動表示ゲームでも(図23(d),(e)参照)、それよりも以前に記憶されている始動記憶のうち3番目に古い(すなわち、それよりも以前に記憶されている始動記憶のうち最も新しい)始動記憶に基づく変動表示ゲームでも(図23(f),(g)参照)、同一の変動表示態様で図柄列が変動表示されている。この例の場合、同一の変動表示態様として、右図柄列を変動表示している。
その後、事前演出の対象となる始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行される。事前演出の対象となる始動記憶に基づく変動表示ゲームでは、図23(h)に示すように、それよりも以前に記憶されている始動記憶に基づく変動表示ゲームにおける変動表示態様とは異なる変動表示態様で図柄列が変動表示されている。この例の場合、異なる変動表示態様として、左図柄列、中図柄列及び右図柄列のすべてを変動表示している。
無論、事前演出の対象となる始動記憶に基づく変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されない場合もある。
また、事前演出は、特別結果態様の導出を示唆する演出に限ることはなく、例えば、リーチ状態の発生やリーチの形成を示唆する演出であってもよい。
なお、事前演出の対象となる始動記憶に基づく変動表示ゲームにて変動表示を行う図柄列の数は、当該事前演出の対象となる始動記憶に対する期待度に応じて変化するよう構成されている。
また、事前演出の対象となる始動記憶よりも以前に記憶されている始動記憶に基づく各変動表示ゲームにて変動表示を行う図柄列の数は、1つに限ることはなく、事前演出の対象となる始動記憶よりも以前に記憶されている始動記憶のうちの何れか(例えば、事前演出の対象となる始動記憶よりも以前に記憶されている始動記憶のうち最も古い始動記憶)に対する期待度に応じて変化するよう構成することも可能である。
<始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させる構成の変形例(変形例4)について>
また、例えば、図24に示すように、本実施形態の遊技機10は、リーチが形成された後、当該リーチを崩さない図柄列の変動表示を行うだけでなく、当該リーチを崩すような図柄列の変動表示を行うよう構成することも可能である。
図24には、期待度に応じて始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させる場合であって、リーチが形成された後、当該リーチを崩さない図柄列の変動表示を行うだけでなく、当該リーチを崩すような図柄列の変動表示を行う場合(パターン(2−3))の例を示した。
一の変動表示ゲームにてリーチが形成された場合(図24(a)〜(c)参照)、次の保留を消化するために、当該リーチを崩さない図柄列の変動表示を行う変動表示ゲーム(図24(d)参照)、あるいは、当該リーチを崩す図柄列の変動表示を行う変動表示ゲーム(図24(f)参照)が実行される。
そして、リーチを崩さない変動表示ゲームが実行される場合、当該変動表示ゲームでは、特別結果態様が導出される場合もあるし(図24(e)参照)、特別結果態様が導出されない場合もある。
また、リーチを崩す変動表示ゲームが実行される場合、当該変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合には、停止(仮停止を含む)表示されていた図柄列の変動表示が開始して(図24(g)参照)、特別結果態様が導出される(図24(h)参照)。この場合、遊技者はリーチを崩す図柄列の変動表示が開始されて落胆するが、その後、停止表示されていた図柄列の変動表示が開始されて特別結果態様が導出されるので、一の変動表示ゲーム中に遊技者の期待感を変化させることができ、遊技の興趣がより向上する。無論、停止(仮停止を含む)表示されていた図柄列の変動表示が開始した場合でも、特別結果態様が導出されない場合もあり、こうすることで、期待感が損なわれにくい。
また、リーチを崩す変動表示ゲームが実行される場合、当該変動表示ゲームで特別結果態様が導出されない場合には、当該リーチを崩す図柄列の変動表示が停止して、特別結果態様が導出されずに(図24(i)参照)、当該変動表示ゲームが終了する。
ここで、リーチを崩さない図柄列の変動表示を行う変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合よりも、リーチを崩す図柄列の変動表示を行う変動表示ゲームで特別結果態様が導出された場合の方が、遊技者により高い遊技価値を付与するよう構成することが好ましい。
具体的には、例えば、偶数図柄を通常図柄、奇数図柄を確変図柄とした場合には、リーチを崩さない図柄列の変動表示を行う変動表示ゲームでは、奇数図柄(確変図柄)の特別結果態様が導出される確率よりも、偶数図柄(通常図柄)の特別結果態様が導出(例えば、図24(e)参照)される確率の方が高くなるよう設定するとともに、リーチを崩す図柄列の変動表示を行う変動表示ゲームでは、偶数図柄(通常図柄)の特別結果態様が導出される確率よりも、奇数図柄(確変図柄)の特別結果態様が導出(例えば、図24(h)参照)される確率の方が高くなるよう設定することによって、リーチを崩す図柄列の変動表示を行う変動表示ゲームで特別結果態様が導出された場合の方が、確変期待度を高くするよう構成することも可能である。
また、リーチを崩さない図柄列の変動表示を行う変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合よりも、リーチを崩す図柄列の変動表示を行う変動表示ゲームで特別結果態様が導出された場合の方が、得られる球数を多くするよう構成することも可能である。
なお、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行う構成と、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させる構成と、各構成の変形例(変形例1〜4)と、を組み合わせて適用することも可能である。
図25には、リーチ演出の種類や演出、演出の組み合わせなどに応じて予め設定されている遊技ポイントの一部を示した。例えば、背景が昼から夜に変更される演出1に応じた遊技ポイントは10ポイントとされている。また、背景が夜から昼に変更される演出2に応じた遊技ポイントは15ポイントとされている。すなわち演出1よりも演出2の方が期待値の高い演出となっている。さらに、演出1の後に演出2が発生する演出の組み合わせに応じた遊技ポイントは30ポイントとされている。つまり、演出1の10ポイントに加えて組み合わせポイントとして30ポイントが決定表示される。すなわち、演出1や演出2を単独で実行するよりも期待値の高い演出となっている。
また、演出5から7に示すようにリーチ図柄の種類に対しても遊技ポイントが決定表示されるようになっている。ここで、本実施形態の遊技機では、飾り特図変動表示ゲームの識別情報として、偶数数字のチャンス図柄と、3及び7を除く奇数数字の確変図柄、3及び7のプレミア図柄が設定されている。結果態様がチャンス図柄のぞろ目であった場合は特別遊技状態でのラウンド数が11回とされ、特別遊技状態の終了後に通常確率状態又は高確率状態となる。結果態様が確変図柄のぞろ目であった場合は特別遊技状態でのラウンド数が11回とされ、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる。結果態様がプレミア図柄のぞろ目であった場合は特別遊技状態でのラウンド数が16回とされ、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる。
また、演出8から12に示すようにリーチ演出についても、ノーマルリーチ、ロングリーチ(SP1リーチ)、火山リーチ(SP2リーチ)、大噴火リーチ(SP3リーチ)、全回転リーチ(プレミアリーチ)の各リーチ演出に応じた遊技ポイントが決定表示されるようになっている。ここでもリーチ演出の期待値に比例した遊技ポイントが決定表示される。なお、リーチ演出については、ノーマルリーチで当り、ロングリーチで当り、はずれの結果態様で仮停止した後に再度変動表示を行う再始動(再変動態様)で当りの組み合わせ演出があった場合にも遊技ポイントが決定表示されるが、これらの組み合わせ演出に対して決定表示される遊技ポイントは期待値とは関係のない遊技ポイントである。
このように演出に応じて遊技ポイントを決定することで、同じリーチ演出であっても途中で行われた演出による期待値の変化を知ることが可能となり、従来のようにリーチ演出名を示すのみではわからなかった総合的な期待値を知ることができるので、演出内容と大当りに対する期待値を分かりやすく示すことが可能となる。
図26から図32には遊技ポイントの報知が行われる場合の例を示した。図26には遊技ポイントの報知が行われる場合の実行態様を示した。この例では、特図変動表示ゲームの開始に伴い飾り特図変動表示ゲームで識別図柄の変動表示が開始し(t31)、所定時間後にリーチ状態となる(t32)。そして、リーチ状態が終了して結果態様を示した状態で仮停止した状態となり(t33からt35)、その後、結果態様を停止表示した状態となる(t35からt36)。この停止表示時間が経過した後に次の特図変動表示ゲームが開始される(t36)。
飾り特図変動表示ゲームでは種々の演出が行われ、実行された演出に応じて決定される遊技ポイントの報知を行うポイント獲得表示が、識別情報が仮停止している期間において開始される(t34)。このポイント獲得表示は次の特図変動表示ゲームの開始に伴い終了する(t36)。なお、始動記憶がなく、次の特図変動表示ゲームが開始されない場合は、ポイント獲得表示は開始から所定時間後に終了する。このように遊技ポイントの報知を仮停止中や停止中に行うようにすることで、遊技の邪魔とならないタイミングで違和感なく行うことができるとともに、遊技者が遊技ポイントの報知を集中してみることが可能となり、快適に遊技を行うことが可能となる。
図27には、図26に示した実行態様における表示装置41での表示態様を示した。図27(a)に示すように、表示装置41の表示領域の中央には、左変動表示領域(第一特別図柄)、右変動表示領域(第二特別図柄)、中変動表示領域(第三特別図柄)が一列に並ぶように設定され、特図変動表示ゲームの開始に伴い各表示領域で識別情報が変動表示される。また、表示領域の右下部には、特図始動記憶に対応した飾り特図始動記憶表示が表示され、ここでは特図始動記憶が2つあることを示している。さらに、表示領域の全体には所定の背景画像が表示される。
この例では、変動表示中における背景による演出として、図27(b)に示すように背景画像が昼背景となった後に図27(c)に示すように夜背景に変化する演出が行われている。その後、図27(d)に示すように左及び右変動表示領域の変動表示が停止してリーチ状態となる。この例では、確変図柄である5でリーチ状態となっており、リーチ演出の種類は火山リーチが選択されている。この後、図27(e)に示すようにリーチ演出の終了にあわせて中変動表示領域での変動表示速度が遅くなり、図27(f)に示すようにはずれの結果態様を示した状態で識別情報が仮停止する。
仮停止した状態では、識別情報がゆれるように表示され、完全に停止していないことが示される。識別情報が仮停止した状態では、所定時間に亘り結果態様を表示した後、図27(g)に示すようにポイント獲得表示が行われる。ポイント獲得表示では、実行された演出や演出の組み合せとそれぞれに応じて決定された遊技ポイント、決定された遊技ポイントの合計及び実行された演出により示唆される大当りとなる可能性の高さである期待値が報知される。この例では、背景の変化(昼から夜)に対して10ポイント、確変図柄でのリーチ発生に対して10ポイント、火山リーチの発生に対して15ポイントの遊技ポイントが決定され、合計35ポイントの遊技ポイントが決定されたことが示され、期待値は34%であったことが示されている。このポイント獲得表示は、図27(h)に示すように次の特図変動表示ゲームが開始することにより終了する。
また、図27(i)に示すように大当りの結果態様(特別結果態様)で仮停止した場合も同様に、図27(j)に示すようにポイント獲得表示が行われる。このポイント獲得表示は、図27(k)に示すように特別遊技状態が開始することにより終了する。
また、今回発生した遊技ポイント情報(履歴情報)が、過去の履歴情報を所定順に並べたポイント歴代ランキングを更新するである場合には、図27(g)や(j)に示したような遊技ポイントの報知の後に、ランキング表示が行われる。図28にはランキング表示が行われる場合の実行態様を示した。この場合は、ポイント獲得表示が次の特図変動表示ゲームが開始しても継続される点が異なる(t46からt47)。
図29には、ランキング表示が行われる場合の表示装置41での表示態様を示した。図29(a)に示すように今回獲得した遊技ポイントの報知が行われた後、図29(b)に示すようにポイント歴代ランキングを更新した旨の表示がなされ、図29(c)に示すように、ランキング表示が行われる。
この例では、結果がはずれであった履歴情報のランキングを更新しており、ランキング表示では、更新後の結果がはずれであった履歴情報のランキングが表示される。結果がはずれであった履歴情報のランキングでは、期待値の高かったものから順位が設定されるようになっている。また、今回ランキングに入った履歴情報は、過去の履歴情報と区別できるように表示(ここでは丸で囲む表示)がなされる。ランキング表示では、順位、リーチ演出の種類、遊技者の名前、期待値及び実行された演出と遊技ポイントが表示される。なお、遊技者の名前は、遊技者が遊技機に直接入力することや会員情報の外部からの入力などにより認識されるようになっている。
また、ランキング表示の右下部には、飾り特図変動表示ゲームの識別情報が表示されるようになっており、図29(c)に示すように結果態様が停止表示されている状態であることや、図29(d)に示すように次の特図変動表示ゲームが開始されて変動表示されている状態であることが示される。
なお、次の特図変動表示ゲームの変動表示が開始しても一定時間は前の特図変動表示ゲームの結果態様を表示したままとしても良い。また、遊技者による演出ボタン25の操作によってランキング表示を終了させるようにしても良い。さらに、次の特図変動表示ゲームが大当りとなる場合や特定のリーチが発生するなど期待値が高い場合は、次の特図変動表示ゲームの開始に伴い、識別情報を主として表示し、ランキング表示を小さく表示するようにしても良い。
図30には、ランキング表示の例を示した。図30(a)は、結果がはずれであった履歴情報についてのランキング表示である。このランキング表示では、期待値が高い順又は遊技ポイントが高い順に表示する。このようにすることで、他にも高い期待値や遊技ポイントであったにもかかわらずはずれとなった遊技者がいることを知ることができ、自身の結果がはずれであったことに対する落胆感を軽減することができるので、遊技を継続する意欲を持たせることができる。なお、結果がはずれであった履歴情報は多数発生するので、ランキング表示では遊技ポイントや期待値が一定値以上のもののみを表示するようにしてもよい。
また、このランキング表示では、履歴情報を外部の機器に出力可能とするために各履歴情報を情報として含むQRコード(登録商標)を併せて表示している。このQRコードを遊技者が携帯端末で読み取ることにより履歴情報を取得可能であり、例えば遊技者自身で自身の履歴情報を集約したり、遊技ポイントを貯めたりすることができ、情報を有効に活用することができる。なお、このQRコードは、ランキング表示を行う際に演出制御装置300が履歴情報を含むQRコードを生成して表示するようになっている。
さらに、有線や無線の通信により、遊技店に設置された管理装置(ホールコンピュータ)や、遊技者が保有する携帯端末などに履歴情報を出力するようにしても良い。遊技店に設置された管理装置(ホールコンピュータ)に履歴情報を出力するようにすれば、遊技店にある複数の遊技機の履歴情報や他店舗も含めた履歴情報を集約することができ、情報を有効に活用することができる。この場合も演出制御装置300が履歴情報を通信により外部に出力する制御を行うようにする。すなわち、演出制御装置300が、履歴情報を外部の機器に出力する履歴出力手段をなす。
図30(b)には、結果が大当りであった履歴情報についてのランキング表示を示した。このランキング表示では期待値の低いものから順に表示する。このようにすることで、ただ当たったのではなく、稀な演出態様(レアパターン)で当たったことを強調できる。図30(c)には、リーチ演出の発生順に履歴情報を表示する履歴表示を示した。この履歴表示では、はずれと大当りの両方の結果を含むので、リーチ演出の欄には結果を表示する。
なお、ランキング表示や履歴表示は、特図変動表示ゲームでランキングを更新した場合に表示するのに限られず、例えば、特図変動表示ゲームが実行されていない客待ち状態でも表示可能とする。そして、遊技者がランキング表示や履歴表示のうち所望の表示を選択できるようにし、さらに、表示順も期待値順や遊技ポイント順、発生順、リーチ演出順など選択できるようにしても良い。また、特定の演出や演出の組み合わせを含む履歴情報のみのランキングや、特定の日付、時間帯における履歴情報のランキングなど、ランキングの表示態様を様々に変更できるようにしても良い。このようなランキング表示や履歴表示を行うことで、過去に実行された演出に対する遊技ポイントを報知でき、どのような演出が大当りとなる可能性が高いのか又は低いのかを確認しやすく、また、実行された演出を過去に実行された演出と比較でき、遊技の参考とすることができるとともに、遊技に対する意欲を持たせることができる。また遊技台を選択する際の参考とすることができる。
以上のことから、始動条件の成立に基づき表示装置41で識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となったことに基づき遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、変動表示ゲームに関連する演出の実行制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、複数種類の演出から、少なくとも変動表示ゲームの結果に応じた実行確率に従い、実行する演出及び演出の組み合わせを選択して実行する演出実行手段(演出制御装置300)と、実行した演出及び演出の組み合わせに応じて遊技価値とは異なる遊技ポイントを決定する遊技ポイント決定手段(演出制御装置300)と、遊技ポイント決定手段により決定された遊技ポイントを報知するポイント報知手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、遊技ポイント決定手段(演出制御装置300)により決定された遊技ポイントに関する情報である履歴情報を記憶する履歴記憶手段(演出制御装置300)と、履歴情報を表示装置41に表示する履歴表示手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、履歴表示手段(演出制御装置300)は、リーチ状態が発生した変動表示ゲームについての履歴情報を、獲得した遊技ポイントの順に表示するようにしていることとなる。
また、履歴表示手段(演出制御装置300)は、結果が特別結果となった変動表示ゲームについての履歴情報と、結果が特別結果とならなかった変動表示ゲームについての履歴情報と、を別々に表示可能であることとなる。
また、履歴情報を外部の機器に出力する履歴出力手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
また、ポイント報知手段(演出制御装置300)は、実行中の変動表示ゲームにおいて決定された遊技ポイントを、当該変動表示ゲームで識別情報の変動表示を仮停止又は停止した際に報知するようにしていることとなる。
図31には、ランキング表示で後の特図変動表示ゲームの予告を行う例を示した。後の特図変動表示ゲームの予告とは、後の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることや特定のリーチが発生することなどを予告するものであり、未だ実行されていない特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を示唆する先読み予告である。
図31(a)では、遊技者の名前を登録された名前とは異なる名前に変更(ここでは、まぐま太郎をまぐれ太郎に変更)することで後の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることや特定のリーチが発生することなどを予告している。また、図31(b)では、遊技ポイントを示す欄に「その次の変動で大当り」と表示するとともに、期待値を示す欄に「次変動100%」と表示することで、後の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることを予告している。このようにすることで、遊技者はポイント獲得表示を注意深く確認することとなり、ポイント獲得表示を演出の一態様とすることができ、ポイント獲得表示を表示する意味が大きく向上する。
図32には、ランキング表示により実行中の特図変動表示ゲームについての予告を行う例を示した。この例では、識別情報の変動表示を仮停止した後に再度変動表示を行って結果態様を導出する再変動態様が選択されており、仮停止中に表示するランキング表示において実行中の特図変動表示ゲームについての予告、すなわち再変動が行われる旨の報知を行う。
特図変動表示ゲームの開始に伴い飾り特図変動表示ゲームで図32(a)に示すように識別情報の変動表示が行われ、図32(b)から(c)に示すように背景画像を昼から夜に変更する演出が行われている。そして、図75(d)に示すように確変図柄でリーチ状態となり、リーチ演出の種類は大噴火リーチが選択されている。その後、図32(e)に示すようにリーチ演出の終了にあわせて中変動表示領域での変動表示速度が遅くなり、図32(f)に示すように結果態様を示した状態で識別情報が仮停止して、図32(g)に示すようにポイント獲得表示がなされ、実行された演出の種類や獲得した遊技ポイント等が報知される。
この後、図32(h)に示すようにランキングを更新した旨の報知が行われ、図32(i)に示すようにランキング表示が行われる。このランキング表示における演出詳細の欄において、図32(g)で示された実行済みの演出の他に、未だ実行されていない演出である「大噴火リーチ再始動当り」が表示されている。この「大噴火リーチ再始動当り」の表示が実行中の特図変動表示ゲームについての予告表示であり、この後に「大噴火リーチ再始動当り」の演出が行われることを示している。
そして、ランキング表示が終了した後、予告表示された「大噴火リーチ再始動当り」の演出として、図32(j)に示すように再度変動表示が開始され、図32(k)に示すように大当りの結果態様が表示される。なお、仮停止中に表示する遊技ポイントの報知(図32(g))において、後に実行される演出を表示することで予告を行うようにしても良い。
このような予告演出を行うようにすることで、遊技者が遊技ポイントの報知に対して興味を持つようになり、実行されていない演出が履歴にないか注意深く確認するようになって、効果的に遊技ポイントの報知を行うことができる。また、履歴の表示が演出の一態様となり、履歴を表示する意味が大きく向上する。さらに、履歴と実行された演出にも関係性が生まれるため、変動表示中に実行された演出も遊技者は注意深く観察するようになり、遊技自体の興趣が大きく向上することとなる。
なお、再変動表示を行う場合であっても遊技ポイントの報知やランキング表示において予告を行わない場合を含むようにしても良い。このようにすれば、常にこれらの表示の後にも大きく期待を持つようになり、興趣が格段に向上する。また、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様以外の結果態様で仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動表示を一回以上行う、いわゆる擬似連変動表示態様である場合も仮停止中に遊技ポイントの報知やランキング表示を表示し、これらの表示において再変動表示が行われることを報知するようにしても良い。さらに、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続的に演出を行う連続予告の場合には、仮停止中又は停止中に遊技ポイントの報知やランキング表示を表示し、これらの表示において次の特図変動表示ゲームでも予告が継続することを報知するようにしても良い。
以上のことから、演出実行手段(演出制御装置300)は、識別情報の変動表示を仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動態様を選択可能であり、ポイント報知手段(演出制御装置300)は、演出実行手段により再変動態様が選択された場合には、仮停止中に遊技ポイントを報知するようにしていることとなる。
また、ポイント報知手段(演出制御装置300)は、演出実行手段(演出制御装置300)により再変動態様が選択された場合において仮停止中に遊技ポイントを報知する際に、再度変動表示が行われることに関する情報を併せて報知するようにしていることとなる。
なお、遊技ポイントを決定する際に、特図変動表示ゲームの結果や遊技状態(時短状態や高確率状態)、演出モードなどを考慮して決定する遊技ポイントを変えるようにしても良い。また、期待値と遊技ポイントが比例するようにしたが、遊技ポイントと期待値とに関連性を持たせなくても良い。また、獲得した遊技ポイントの報知を識別情報の仮停止中や停止中に行うとしたが、遊技ポイントの決定対象となる演出が発生した際に、当該演出に応じて決定される遊技ポイントやそれまでの合計ポイントを報知するようにしても良い。また、特図変動表示ゲームにおける所定期間内(例えばリーチ発生前まで)に獲得した遊技ポイントにより、その後の演出(例えばリーチ演出の種類や内容)が変化するようにしても良い。
また、演出や演出の組み合わせ以外の事象に対して遊技ポイントを決定表示するようにしても良い。このような事象としては、例えば、始動記憶の発生や特定の入賞口への入賞、始動記憶が上限値に達している状態での始動入賞(いわゆるオーバーフロー入賞)の発生、演出ボタン25の操作、遊技時間の長さなどが挙げられる。
また、電源装置400のバックアップ電源部420から、電源遮断時にも演出制御装置300の主制御用マイコン311(特に内蔵RAM)に電力を供給するようにし、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶された履歴情報が保持されるようにしても良い。すなわち、電源遮断時にも履歴情報を保持可能なバックアップ手段(電源装置400及び演出制御装置300)を備えるようにしても良い。
ところで、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が予め定められた特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機が知られている。このような遊技機において、変動表示ゲームの実行回数と、大当りとなったリーチ演出の種類または、遊技者が選択した遊技モードを履歴として記憶し、遊技者に情報として開示する遊技機が知られている(例えば特開2012−16579号公報参照)。
しかしながら特開2012−16579号公報のような遊技機では、大当りとなったリーチ演出の種類がなんであるかはわかるものの、大当りとなる過程での細かい演出内容まではわからなかった。そのため大当りとなる過程で行われる細かい演出内容が、実際にどれくらい大当りとなる可能性の高さ(期待値)を示すものであったかなど遊技者は知る由もなかった。またハズレの場合の演出については記憶されないため、珍しいリーチ演出であっても大当りに結びつかなければ記憶されるものではなかった。
以上の課題を解決するため、遊技機10は、始動条件の成立に基づき表示装置41で識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となったことに基づき遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、変動表示ゲームに関連する演出の実行制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、複数種類の演出から、少なくとも変動表示ゲームの結果に応じた実行確率に従い、実行する演出及び演出の組み合わせを選択して実行する演出実行手段(演出制御装置300)と、実行した演出及び演出の組み合わせに応じて遊技価値とは異なる遊技ポイントを決定する遊技ポイント決定手段(演出制御装置300)と、遊技ポイント決定手段により決定された遊技ポイントを報知するポイント報知手段(演出制御装置300)と、を備えている。
ここで、演出には、変動表示ゲームの変動態様や表示装置での表示による演出の他、発光装置の発光による演出、役物の動作による演出、音声による演出などが含まれる。また、一の変動表示ゲーム内で行われる演出の他、複数の変動表示ゲームに亘り連続的に実行される演出も含まれる。
したがって、演出に応じて遊技ポイントを決定することで、同じリーチ演出であっても途中で行われた演出による期待値の変化を知ることが可能となり、従来のようにリーチ演出名を示すのみではわからなかった総合的な期待値を知ることができるので、演出内容と大当りに対する期待値を分かりやすく示すことが可能となる。
また、遊技ポイント決定手段(演出制御装置300)により決定された遊技ポイントに関する情報である履歴情報を記憶する履歴記憶手段(演出制御装置300)と、履歴情報を表示装置41に表示する履歴表示手段(演出制御装置300)と、を備えている。
ここで、履歴情報は、少なくとも遊技ポイントの値を含み、この他に、実行された各演出や演出の組み合せに対して決定された遊技ポイントの詳細や、リーチや演出の名称などを含む。
したがって、過去に実行された演出に対する遊技ポイントを報知でき、演出内容と大当りに対する期待値を分かりやすく示すことが可能となる。また、履歴として記憶することで見逃してしまった演出を再度確認することも可能となる、さらに、他の遊技者が行った結果も確認することができ、自分と他者の比較が行え、遊技に対する意欲を持たせることができる。また、遊技者が台選びの参考とすることもできる。
また、履歴表示手段(演出制御装置300)は、リーチ状態が発生した変動表示ゲームについての履歴情報を、獲得した遊技ポイントの順に表示するようにしている。
したがって、実行された演出を過去に実行された演出と比較でき、遊技の参考とすることができるとともに、遊技に対する意欲を持たせることができる。
また、履歴表示手段(演出制御装置300)は、結果が特別結果となった変動表示ゲームについての履歴情報と、結果が特別結果とならなかった変動表示ゲームについての履歴情報と、を別々に表示可能である。
したがって、どのような演出が大当りとなる可能性が高いのか又は低いのかを確認しやすく、遊技の参考とすることができるとともに、遊技に対する意欲を持たせることができる。また、結果がはずれとなることで落胆した遊技者が、結果がはずれとなった履歴情報を見ることで自分と同じような境遇の遊技者を知ることとなって気が紛れ、遊技を継続する意欲を持たせることができる。
また、履歴情報を外部の機器に出力する履歴出力手段(演出制御装置300)を備えている。
ここで、外部の機器とは、遊技店に設置された管理装置(ホールコンピュータ)や、遊技者が保有する携帯端末などである。また、外部の機器に出力するとは、有線や無線の通信によるものの他、携帯端末で読み取り可能なコード(例えばQRコード;登録商標)などを表示することにより情報を出力するものも含む。
したがって、外部の機器で履歴情報を記憶することができ、遊技店にある複数の遊技機の履歴情報や他店舗も含めた履歴情報を集約することや、遊技者自身で自身の履歴情報を集約することができ、情報を有効に活用することができる。
また、ポイント報知手段(演出制御装置300)は、実行中の変動表示ゲームにおいて決定された遊技ポイントを、当該変動表示ゲームで識別情報の変動表示を仮停止又は停止した際に報知するようにしている。
したがって、遊技ポイントの報知を遊技の邪魔とならないタイミングで違和感なく行うことができるとともに、遊技者が遊技ポイントの報知を集中してみることが可能となり、快適に遊技を行うことが可能となる。
また、演出実行手段(演出制御装置300)は、識別情報の変動表示を仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動態様を選択可能であり、ポイント報知手段(演出制御装置300)は、演出実行手段により再変動態様が選択された場合には、仮停止中に遊技ポイントを報知するようにしている。
したがって、遊技ポイントの報知を行うことで遊技者は変動表示ゲームが終了したものと強く錯覚するので、この後に再度変動表示を行うことで遊技者は遊技ポイントの報知の後にも大きく期待することとなり、興趣が格段に向上する。
また、ポイント報知手段(演出制御装置300)は、演出実行手段(演出制御装置300)により再変動態様が選択された場合において仮停止中に遊技ポイントを報知する際に、再度変動表示が行われることに関する情報を併せて報知するようにしている。
したがって、遊技者が遊技ポイントの報知に対して興味を持つようになり、効果的に遊技ポイントの報知を行うことができる。例えば、遊技ポイントの報知により変動表示ゲームが終了したと見せかけ、当該遊技ポイントの報知において未だ実行していない演出を履歴として表示し、その後、表示した実行していない演出を実行するようにする。このように構成すれば、遊技者は実行されていない演出が履歴にないか注意深く確認することとなる。つまり、履歴の表示が演出の一態様となり、履歴を表示する意味が大きく向上する。また、履歴と実行された演出にも関係性が生まれるため、変動表示中に実行された演出も遊技者は注意深く観察するようになり、遊技自体の興趣が大きく向上することとなる。
以上説明した遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき表示装置41で複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームが特別結果態様となったことに基づき遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、複数の識別情報は、複数の図柄列によって構成され、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を、当該複数の図柄列のうち一の図柄列で行うよう構成されている。
すなわち、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行うので、変動表示を行う図柄列の数が複数の場合よりも変動表示ゲームの変動時間を短縮することが可能となり、効率よく変動表示ゲームを行うことができる。
なお、本実施形態では、一の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が停止した後に、他の変動表示ゲーム(例えば、次の変動表示ゲーム)における図柄列の変動表示を開始するよう構成したが、これに限ることはなく、一の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示の実行中に、他の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示を開始するよう構成することも可能である。すなわち、複数の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示を並行して行うよう構成することも可能である。本実施形態のように一の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が停止した後に、他の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示を開始するよう構成することで、変動表示ゲームの切り替わりが分かりやすくなる。一方、複数の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示を並行して行うように構成することで、より効率よく変動表示ゲームを行うことが可能となる。
また、以上説明した遊技機10によれば、通常遊技状態(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37が通常動作状態である状態)と、当該通常遊技状態よりも始動条件の成立が容易な特定遊技状態(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37が時短動作状態である状態)と、を発生可能であり、特定遊技状態中(時短状態中(普電サポート中))である場合に、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を、当該複数の図柄列のうち一の図柄列で行うよう構成されている。
すなわち、特定遊技状態中である場合に、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行うので、特定遊技状態中の変動表示ゲームを効率よく消化することができる。
また、以上説明した遊技機10によれば、変動表示ゲームの結果が特別結果態様とならない場合は、当該変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が停止したタイミングで当該変動表示ゲームの次の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示を開始するよう構成することが可能である。
この場合、結果が特別結果態様とならない変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が停止すると直ちに次の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が開始するので、無駄な停止時間をとらずに済み、効率よく変動表示ゲームを行うことができる。また、一の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示が停止した後に、他の変動表示ゲームにおける図柄列の変動表示を開始するので、変動表示ゲームの切り替わりが分かりやすい。
また、以上説明した遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された変動表示ゲームの実行結果が特別結果態様となるか実行開始前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、事前判定手段によって変動表示ゲームの結果が特別結果態様となると判定された場合は、当該変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されるように、複数の変動表示ゲームを跨いでそれぞれ異なる図柄列を変動制御するよう構成されている。
すなわち、結果が特別結果態様となると事前判定された変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されるように、複数の変動表示ゲームを跨いで図柄列を変動制御するので、複数の変動表示ゲームを跨いで徐々に特別結果態様を形成することができ、遊技の興趣が向上する。
また、以上説明した遊技機10によれば、複数の図柄列を変動表示させる変動表示ゲームと、複数の図柄列のうち一の図柄列を変動表示させる変動表示ゲームと、を実行可能であり、所定の場合に、一の図柄列を変動表示させる変動表示ゲームを実行するよう構成されている。
すなわち、所定の場合(例えば、時短状態中(普電サポート中)である場合)に、一の図柄列を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、所定の場合以外の場合には、複数の図柄列を変動表示させる変動表示ゲームを実行するので、様々な変動表示ゲームを実行することができ、遊技の興趣が向上する。
また、以上説明した遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき表示装置41で複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームが特別結果態様となったことに基づき遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、複数の識別情報は、複数の図柄列によって構成され、複数の図柄列を変動表示させる変動表示ゲームと、前記複数の図柄列のうち一の図柄列を変動表示させる変動表示ゲームと、を実行可能であり、特別結果態様となる期待度に応じて、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させるよう構成することも可能である。
この場合、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数が変化するので、変動表示を行う図柄列の数が固定されている場合よりも変動表示ゲームの変動時間を短縮することが可能となり、効率よく変動表示ゲームを行うことができる。
また、特別結果態様となる期待度に応じて変動表示を行う図柄列の数が変化するので、特別結果態様となる期待度を容易に把握することができ、遊技の興趣が向上する。
なお、特別結果態様となる期待度に応じて、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させる構成の場合も、結果が特別結果態様となると事前判定された変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されるように、複数の変動表示ゲームを跨いでそれぞれ異なる図柄列を変動制御するよう構成することも可能であるし、事前演出の対象となる始動記憶に基づく変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されるように、複数の変動表示ゲームを跨いでそれぞれ異なる図柄列を変動制御するよう構成することも可能である。
また、以上説明した遊技機10によれば、通常遊技状態(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37が通常動作状態である状態)と、当該通常遊技状態よりも始動条件の成立が容易な特定遊技状態(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37が時短動作状態である状態)と、を発生可能であり、特定遊技状態中(時短状態中(普電サポート中))である場合に、特別結果態様となる期待度に応じて、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させるよう構成することも可能である。
この場合、特定遊技状態中である場合に、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数が変化するので、特定遊技状態中の変動表示ゲームを効率よく消化することができる。
また、以上説明した遊技機10によれば、始動条件の成立によって、表示装置41における変動表示ゲームと並行して当該変動表示ゲームの当落情報を示す変動表示を実行可能な本図柄表示装置(第1特図変動表示装置51,第2特図変動表示装置52)を備え、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行う場合も、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させる場合も、本図柄表示装置における変動表示は変更しないよう構成されている。
すなわち、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を一の図柄列で行う場合も、始動条件の1回の成立に基づく変動表示を行う図柄列の数を変化させる場合も、本図柄表示装置における表示は変更しないので、処理を簡略化することができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、遊技球を用いるスロットマシンなどの遊技球を使用する全ての遊技機や、メダルを使用するスロットマシンに適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。