JP2014053137A - 車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】灯具の小型化・軽量化が可能であり、かつ断線等が生じた場合にも動作上の不具合が生じないようにする。
【解決手段】定電流制御される半導体発光素子21から出射される光の配光状態を変化させるためのアクチュエータ6は、半導体発光素子21に直列接続される。半導体スイッチング素子24は、アクチュエータ6の動作を制御する。給電端子95は、半導体発光素子21と半導体スイッチング素子24により共用される。
【選択図】図5
【解決手段】定電流制御される半導体発光素子21から出射される光の配光状態を変化させるためのアクチュエータ6は、半導体発光素子21に直列接続される。半導体スイッチング素子24は、アクチュエータ6の動作を制御する。給電端子95は、半導体発光素子21と半導体スイッチング素子24により共用される。
【選択図】図5
Description
本発明は、車両に搭載される灯具に関する。
この種の灯具として、車両の近距離前方を照明するロービーム配光パターンと、車両の前方遠距離までを照明可能なハイビーム配光パターンとを切替え可能とされた前照灯が知られている。例えば、光源から出射される光の一部をシェードで遮ることによりロービーム配光パターンを形成し、アクチュエータで当該シェードを変位させて遮光状態を解消することによりハイビーム配光パターンを形成するものが知られている。
アクチュエータとしては、例えばソレノイドコイルを有するものが用いられる。ソレノイドコイルに電力を供給しない定常状態においては、シェードは光源からの光を遮る位置に配置されている。ソレノイドコイルに電力が供給されることによりアクチュエータが動作し、シェードが遮光状態を解消する位置へ変位される(例えば、特許文献1参照)。
ソレノイドコイルへの電力供給は、一般に車載バッテリから直接に行なわれる。バッテリの電源電圧は変動幅を有しており、供給電圧が最小値をとる場合においてもアクチュエータが動作するようにソレノイドコイルの設計がなされる。供給電圧がより高い値をとる場合、アクチュエータの動作に必要な電圧を上回る分については熱として消費される。この余剰供給電圧に伴う発熱に耐えるためには、大型のソレノイドを用いる必要がある。
車両の軽量化や広い居室空間の確保のために、前照灯には小型化とりわけ車両の前後方向寸法の縮小(薄型化)が求められている。この要求に応えるために小型のソレノイドコイルを用いると、耐熱性が低下して断線や故障の原因となる。これらの理由により、アクチュエータがシェードを遮光位置から退避させた位置で動作しなくなった場合、ハイビーム配光の形成状態が常時維持されることになり、前方車両や歩行者等にグレアを与えてしまう。
よって本発明の目的は、灯具の小型化・軽量化が可能であり、かつ断線等が生じた場合にも動作上の不具合が生じないようにする技術を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる一態様は、車両に搭載される灯具であって、
定電流制御される半導体発光素子と、
前記半導体発光素子から出射される光の配光状態を変化させる配光制御機構と、
前記半導体発光素子に直列接続され、前記配光制御機構を駆動するアクチュエータと、
前記アクチュエータの動作を制御する半導体スイッチング素子と、
前記半導体発光素子と前記半導体スイッチング素子により共用される給電端子とを備える。
定電流制御される半導体発光素子と、
前記半導体発光素子から出射される光の配光状態を変化させる配光制御機構と、
前記半導体発光素子に直列接続され、前記配光制御機構を駆動するアクチュエータと、
前記アクチュエータの動作を制御する半導体スイッチング素子と、
前記半導体発光素子と前記半導体スイッチング素子により共用される給電端子とを備える。
このような構成によれば、アクチュエータの動作を制御するために半導体スイッチング素子を用いているため、リレー等のスイッチング素子と比較すると、消費電力を抑制しつつ実装スペースを小さくすることができる。また半導体発光素子と半導体スイッチング素子へ給電を行なう端子が共用されているため、半導体発光素子と半導体スイッチング素子を限られた実装スペース内に効率よく配置することができる。よって灯具の小型化・軽量化が可能となる。
前記半導体スイッチング素子は、
前記給電端子を通じた給電によりオン状態とされて前記アクチュエータへの給電を遮断する第1スイッチング素子と、
車載バッテリからの給電を受けるとオン状態とされるとともに、前記第1スイッチング素子をオフ状態とする第2スイッチング素子を備え、
前記第1スイッチング素子がオフ状態とされることにより、前記半導体発光素子から前記アクチュエータへの給電がなされる構成としてもよい。
前記給電端子を通じた給電によりオン状態とされて前記アクチュエータへの給電を遮断する第1スイッチング素子と、
車載バッテリからの給電を受けるとオン状態とされるとともに、前記第1スイッチング素子をオフ状態とする第2スイッチング素子を備え、
前記第1スイッチング素子がオフ状態とされることにより、前記半導体発光素子から前記アクチュエータへの給電がなされる構成としてもよい。
このような構成によれば、例えばスイッチ配線に断線等が生じて車載バッテリからの給電が絶たれても、アクチュエータに給電がなされない状態が維持される。またアクチュエータの熱損傷等によって半導体スイッチング素子とアクチュエータを接続する配線に断線等が生じても、アクチュエータに給電がなされない状態に変わりはない。したがって断線等が生じた場合に、アクチュエータに無用の給電が継続されることによる電力浪費や不具合を回避することができる。
例えば、前記配光制御機構がハイビーム配光とロービーム配光を切り替え可能なシェードを備えており、前記アクチュエータは、通電時において前記ハイビーム配光を実現可能な位置へ前記シェードを変位させるような構成の場合、断線等が生じた場合にハイビーム配光の形成が維持されることがない。このため、前方車両や歩行者等にグレアを与えるおそれがない。
前記半導体発光素子と前記半導体スイッチング素子の間に設けられた遮熱部材をさらに備える構成としてもよい。この場合、半導体発光素子の発光に伴い発生する熱の半導体スイッチング素子への伝達を抑制できる。よって半導体スイッチング素子の動作、すなわちアクチュエータおよび配光制御機構の動作を安定させることができる。
前記半導体発光素子、前記半導体スイッチング素子、および前記給電端子を収容する共通のハウジングをさらに備え、当該ハウジングの一部が前記遮熱部材を形成する構成としてもよい。この場合、部品・製造コストを抑制しうるとともに、灯具を組み立てる際の作業性が向上する。
添付の図面を参照しつつ本発明について以下詳細に説明する。なお以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明の一実施形態に係る前照灯ユニット1の外観を示す斜視図である。図2は、前照灯ユニット1を分解した状態を示す斜視図である。これらの図から明らかなように、本発明の灯具としての前照灯ユニット1は、光源ユニット2、放熱ユニット3、リフレクタ4、シェードユニット5、アクチュエータユニット6、ホルダユニット7、および投影レンズ8を備えている。
前照灯ユニット1は、図示しないランプハウジングと透光カバーにより区画形成される灯室内部に配置され、車両の前端部に搭載される。
光源ユニット2は、光源21を備えている。本実施形態においては、半導体発光素子である白色発光ダイオード(LED)を光源として用いている。
放熱ユニット3は、ヒートシンク31、および冷却ファン32を備えている。光源ユニット2は、ヒートシンク31の上部に装着されている。冷却ファン32は、ヒートシンク31の下部に配置されている。ヒートシンク31は、熱伝導性の高い材料からなり、光源ユニット2より発生した熱を放出する。また冷却ファン32が回転することにより、ヒートシンク31が空冷される。
図3は、光源ユニット2、リフレクタ4、シェードユニット5、アクチュエータユニット6、および投影レンズ8の位置関係を模式的に示した図である。リフレクタ4の内面は反射面4aとされ、当該反射面4aが光源21に対向するように配置される。
図2に示すように、本発明の配光制御機構としてのシェードユニット5は、シェード51、回動軸52、およびコイルばね53を備えている。また本発明のアクチュエータとしてのアクチュエータユニット6は、ヨークケース61、ソレノイドコイル62、プランジャ63、およびリンク64を備えている。
シェード51は、車両の左右方向に延びる本体部51a、および当該本体部51aの左右両端部に設けられた一対の支持部51bを備えている。各支持部51bには挿通孔51cが形成されている。回動軸52は、コイルばね53を挿通して車両の左右方向に延び、その両端部が挿通孔51cに挿入されている。
ヨークケース61は、内部にソレノイドコイル62を収容し、磁気回路を形成している。プランジャ63は、ソレノイドコイル62が巻き回されたボビン(図示せず)の空芯部に挿入され、車両の前後方向に可動とされた鉄心である。図3に示すように、プランジャ63の前端部63aは、ヨークケース61の前面61aより前方に突出している。リンク64は、プランジャ63の前端部63aと、シェード51の本体部51aに設けられた接続部51d(図2参照)とを接続している。
ホルダユニット7は、レンズホルダ71、アクチュエータホルダ72、リフレクタ固定部73、ヒートシンク固定部74、およびシェード支持面75を備えている。レンズホルダ71は、ホルダユニット7の前端部に設けられ、投影レンズ8の周縁部8aを支持する。アクチュエータホルダ72は、ホルダユニット7の前部に形成されて箱状の外観を呈している。周壁により区画形成された収容部72aにアクチュエータユニット6が収容される。
リフレクタ固定部73は、ホルダユニット7の後端部において上方に開口する一対のネジ孔73aを有している。リフレクタ4に設けられた一対の固定片4bに挿通された一対のネジ9aがネジ孔73aに螺合されることにより、リフレクタ4がホルダユニット7に対して固定される。
ヒートシンク固定部74は、ホルダユニット7の後端部において後方に開口する一対のネジ孔(図示せず)を有している。ヒートシンク31に設けられた一対の固定片31aに挿通された一対のネジ9bがネジ孔74aに螺合されることにより、放熱ユニット3およびこれに装着された光源ユニット2が、ホルダユニット7に対して固定される。
シェード支持面75には、シェード51が備える回動軸52が装着される軸支持部(図示せず)が設けられている。
図3に示すように、リフレクタ4の反射面4aは、光軸Axを中心軸とする略楕円球面の一部を構成するように形成されている。光源21は、反射面4aの縦断面を構成する楕円の第1焦点に配置されており、光源21から出射された光が上記楕円の第2焦点Fに収束するように構成されている。
投影レンズ8は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズであり、光源21の前方における光軸Ax上に配置されている。投影レンズ8は、後側焦点がリフレクタ4の反射面4aの第2焦点Fに一致するように配置されている。
したがってリフレクタ4は、光源21から出射された光の一部を反射し、投影レンズ8の後方に収束させる。投影レンズ8は、後方より入射した光を前方に照射し、後側焦点上の像を車両前方の鉛直仮想スクリーン上に反転像として投影する。
シェード51の本体部51aの上端縁51eは、上記の第2焦点Fのやや前方において車両の左右方向に延びている。したがって光源21より出射されリフレクタ4の反射面4aにより反射された光の一部は、本体部51aにより遮られる。上端縁51eの形状が投影レンズ8により反転投影されることにより、上端縁51eの形状に対応するカットオフラインを有し、その下方が照明領域となるロービーム配光パターンが車両前方に形成される。
コイルばね53の一端53aはホルダユニット7のシェード支持面75(図2参照)に、他端53bはシェード51の本体部51aの後端部に係合されており、シェード51が図3に示す定常位置(遮光可能位置)に配置されるように付勢力を発生している。
アクチュエータユニット6のソレノイドコイル62に電力が供給されると、発生した磁力によりプランジャ63が後方に引かれる(矢印A)。これに伴いプランジャ63の前端部63aに接続されたリンク64が後方に変位する(矢印B)。変位したリンク64がシェード51の接続部51dを後方へ押すことにより、シェード51は、コイルばね53の付勢力に抗しつつ、回動軸52を中心に後方へ回動する(矢印C)。
これによりシェード51の上端縁51eが光軸Axよりも下方に退避し、光源21から出射された光の遮光状態が解消される。光源21から出射されリフレクタ4によって反射された光は、投影レンズ8および図示しない透光カバーを通じて車両の前方へ照射され、ハイビーム配光パターンを形成する。
図4は、前照灯ユニット1における光源21とアクチュエータユニット6の制御構成を概念的に示す図である。本実施形態の前照灯ユニット1は、ランプハウジングと透光カバーにより区画形成される灯室の内部に配置された光源制御部100に接続されている。
車載バッテリ101のプラス側端子は、運転席に配置されたランプスイッチ102を介して光源制御部100の第1入力端子100aに接続されている。光源制御部100の第1出力端子100bは、光源21が備えるLEDのアノード側に接続されている。車載バッテリ101のマイナス側端子は、光源制御部100の第2入力端子100cに接続され、第2出力端子100dとともに接地されている。
光源制御部100は、光源21を定電流制御可能に構成された制御回路を備えている。ランプスイッチ102がオンされることにより、車載バッテリ101の電源電圧が光源制御部100に入力される。光源制御部100は、所定の一定値を有する電流を第1出力端子100bより出力する。光源21は、当該電流の供給を受けて発光する。
前照灯ユニット1は、アクチュエータ制御部22を備えている。車載バッテリ101のプラス側端子は、運転席に配置されたディマスイッチ103を介してアクチュエータ制御部22の入力端子22aに接続されている。アクチュエータ制御部22は、アクチュエータユニット6のソレノイドコイル62の両端に接続された第1制御端子22bおよび第2制御端子22cを備えている。またアクチュエータ制御部22は、第1制御端子22bと第2制御端子22cの短絡/非短絡状態を切替え可能なスイッチング回路を備えている。
ディマスイッチ103がオフの状態では、第1制御端子22bと第2制御端子22cは短絡状態とされている。このとき光源制御部100より光源21に供給された電流は、LEDのカソード側から第1制御端子22bを経由して第2制御端子22cへと流れ、ソレノイドコイル62には電力が供給されない。
したがってプランジャ63は、コイルばね53の付勢力により前方に押し出された状態を維持し、シェード51は、図3に示す定常位置に配置される。すなわちディマスイッチ103がオフの状態では、光源21より出射された光の一部はシェード51により遮られ、車両の前方にロービーム配光パターンが形成される。
ディマスイッチ103がオンされると、車載バッテリ101の電源電圧がアクチュエータ制御部22の入力端子22aに入力される。スイッチング回路は、電源電圧の入力を受けて第1制御端子22aと第2制御端子22bを非短絡状態とするように構成されている。したがって光源制御部100より光源21に供給された電流は、LEDのカソード側からアクチュエータユニット6へと流れ、ソレノイドコイル62に電力が供給される。
これによりソレノイドコイル62に磁力が発生し、プランジャ63がコイルばね53の付勢力に抗して後方に引かれるため、上述のようにシェード51が回動軸52を中心に後方へ回動する。すなわちディマスイッチ103がオンの状態では、光源21より出射された光はシェード51に遮られることなく車両の前方へ照射され、ハイビーム配光パターンが形成される。
本発明のアクチュエータの一部を構成するソレノイドコイル62は、光源21と直列接続されている。すなわち光源21に供給される一定値の電流がソレノイドコイル62にも供給されるため、車載バッテリ101の電源電圧変動に依存しない安定した駆動が可能である。また車載バッテリからソレノイドコイルへ直接電力を供給する構成のように、余剰供給電圧に伴う発熱を考慮する必要がないため、ソレノイドコイル62として小型のものを使用することができる。したがってアクチュエータユニット6を小型化することが可能であり、前照灯ユニット1の小型化・軽量化に対する要求に応えることができる。
図5は、アクチュエータ制御部22の具体的な回路構成を示す図である。アクチュエータ制御部22は、本発明の半導体スイッチング素子としての第1FET(電界効果トランジスタ)23および第2FET24を備えている。
本発明の第1スイッチング素子としての第1FET23のゲート端子は、光源制御部100の第1出力端子100bと電気的に接続されている。第1FET23のドレイン端子は、光源21のカソード側および第1制御端子22bと電気的に接続されている。第1FET23のソース端子は、第2制御端子22cと電気的に接続されているとともに、接地電位に固定されている。
本発明の第2スイッチング素子としての第2FET24のゲート端子は、入力端子22aと電気的に接続されている。第2FETのドレイン端子は、第1FET23のゲート端子と電気的に接続されている。第2FETのソース端子は、接地電位に固定されている。
ランプスイッチ102がオンされると、光源制御部100より供給される電流により光源21が発光する。このときディマスイッチ103がオフ状態であると、第2FET24がオフ状態とされるため、第1FET23がオン状態とされる。したがって第1FET23のドレイン端子に電流が流れ、第1制御端子22bと第2制御端子22cが短絡状態とされる。
この状態ではソレノイドコイル62に電力が供給されないため、シェード51は図3に示す定常位置を維持し、光源21から出射される光の一部がシェード51に遮られ、車両の前方にロービーム配光パターンが形成される。
一方、ディマスイッチ103がオンされると、入力端子22aを通じて車載バッテリ102の電源電圧が第2FET24のゲート端子に印加される。これにより第2FET24がオン状態とされるため、第1FET23がオフ状態とされ、第1制御端子22bと第2制御端子22c間が非短絡状態となる。
この状態では光源21を介してソレノイドコイル62に電力が供給されるため、シェード51は遮光位置から退避し、光源21から出射された光は遮られることなく、車両前方にハイビーム配光パターンを形成する。
オン状態にある第1FET23は、スイッチング素子の常閉接点とみなすことができる。すなわちソレノイドコイル62は、スイッチング素子の常閉接点に並列接続されているということができる。
図6に示す比較回路例のように、ソレノイドコイル62の両端に直接ディマスイッチ103を接続し、これをオン状態とすることによってソレノイドコイル62の両端を短絡し、電流が供給されない状態を形成することもできる。この例においては、ディマスイッチ103がオフ状態とされることにより、ソレノイドコイル62に電流が供給され、シェード51が遮光位置から退避してハイビーム配光パターンが形成されることになる。
しかしながら本回路例においては、ディマスイッチ103の配線に万一断線等が生じた場合、ソレノイドコイル62に電流が流れ続けるため、ハイビーム配光パターンの形成状態が常時維持され、前方車両や歩行者等にグレアを与えてしまう。
一方、本実施形態の構成によれば、万一ディマスイッチ103の配線に断線等が生じても、第2FET24に電圧が印加されない状態が続くのみであり、第1FET23のオン状態は維持される。また万一ソレノイドコイル62の熱損傷等によって光源ユニット2とアクチュエータユニット6を接続する配線に断線が生じても、ソレノイドコイル62に電流が供給されない状態に変わりはない。したがって断線等を理由にハイビーム配光の形成状態が常時維持されることがないため、前方車両や歩行者等にグレアを与えるおそれがない。
図7は、光源ユニット2の外観を示す斜視図である。光源ユニット2は、第1収容部25と第2収容部26が形成された樹脂性のハウジング27を備えている。第1収容部25には、光源21としての複数のLEDが実装された集積回路28が収容されている。回路収容部26には、上述したアクチュエータ制御部22が実装された集積回路29が収容されている。5本の端子群91〜95がハウジング27に収容され、それらの一部が突出している。図8は、端子群91〜95と集積回路28、29との接続構成を示す斜視図である。
第1端子91は、上述したアクチュエータ制御部22の入力端子22aと電気的に接続される端子である(図5参照)。ディマスイッチ103がオンされると、第1端子91を介して車載バッテリ102の電源電圧が集積回路29内に実装されたアクチュエータ制御部22に入力される。
第2端子92は、上述した光源制御部100の第2出力端子100dと電気的に接続される端子である(図5参照)。第3端子93は、上述したアクチュエータ制御部22の第2制御端子22cと電気的に接続される端子である(図5参照)。また第3端子93は、アクチュエータユニット6におけるソレノイドコイル62のマイナス側端部と電気的に接続されている。第2端子92および第3端子93は、ともに接地電位に固定される。
第4端子94は、上述したアクチュエータ制御部22の第1制御端子22bと電気的に接続される端子である(図5参照)。また第4端子94は、アクチュエータユニット6におけるソレノイドコイル62のプラス側端子と電気的に接続されている。図8に示すように、第4端子94は、第1収容部25へ延びる分岐路94aを有している。分岐路94aは、集積回路28に実装されたLEDのカソード側と電気的に接続されている(詳細な配線接続構造は図示していない)。
ランプスイッチ102とディマスイッチ103の双方がオンされることにより第1FET23がオフ状態とされると、集積回路28に実装されたLEDを流れる電流が、第4端子94を通じてソレノイドコイル62に供給され、シェード51を遮光位置から退避させてハイビーム配光パターンを形成する。
第5端子95は、上述した光源制御部100の第1出力端子100bと電気的に接続される端子である(図5参照)。また第5端子95は、集積回路29に実装されたアクチュエータ制御部22における第1FET23のゲート端子と電気的に接続されている。図8に示すように、第5端子95は、第1収容部25へ延びる分岐路95aを有している。分岐路95aは、集積回路28に実装されたLEDのアノード側と電気的に接続されている(詳細な配線接続構造は図示していない)。
ランプスイッチ102がオンされることにより、第5端子95およびその分岐路95aを通じて、光源21としてのLEDおよび第1FET23のゲート端子へ車載バッテリ101からの給電がなされる。
本実施形態においては、アクチュエータユニット6におけるソレノイドコイル62の動作を制御するためのスイッチング素子として、半導体スイッチング素子であるFETを用いている。そのためリレー等のスイッチング素子と比較すると、消費電力を抑制しつつ実装スペースを小さくすることができる。よって前照灯ユニット1の小型化・軽量化が可能となる。
また給電端子としての第5端子95は、半導体発光素子である光源21のLEDと、半導体スイッチング素子である第1FET23により共用されている。そのため光源21およびアクチュエータ制御部22を、限られた実装スペース内に効率よく配置することができる。よって前照灯ユニット1の小型化・軽量化が可能となる。
本実施形態においては、光源21のLEDが実装された集積回路28と、アクチュエータ制御部22が実装された集積回路29と、上記第5端子95を含む端子群とが、一体成型された共通のハウジング27に収容されて光源ユニット2を構成している。これにより部品・製造コストを抑制しうるとともに、前照灯ユニット1を組み立てる際の作業性が向上する。
またハウジング27が集積回路28と集積回路29の間に介在していることにより遮熱部材として機能し、光源21の発光に伴い集積回路28で発生する熱の集積回路29への伝達を抑制できる。よってアクチュエータ制御部22によるスイッチング動作、ひいてはアクチュエータユニット6およびシェードユニット5の動作を安定させることができる。
上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは明らかである。
本発明の半導体発光素子は、上述のLEDに限定されるものではない。定電流制御される限りにおいて、レーザダイオードや有機EL素子等を用いてもよい。
本発明の半導体スイッチング素子は、上述のFETに限定されるものではない。所望のスイッチング機能が実現可能であれば、トランジスタ等の周知の半導体スイッチング素子を用いてもよい。複数種の半導体スイッチング素子を組み合わせて所望のスイッチング機能を実現してもよい。
アクチュエータユニット6により制御される配光制御機構は、ハイビーム配光パターンとロービーム配光パターンを切替えるためのシェードユニット5に限られるものではない。ある配光状態から別の配光状態に切り替えるための可動シェードを変位させるために、アクチュエータ6を用いてもよい。またアクチュエータユニット6の操作対象は、シェードに限られるものではない。光源、リフレクタ、光学部品の少なくとも1つの位置や向きを変更するためにアクチュエータユニット6を用い、配光状態を変化させてもよい。
集積回路28で発生した熱の集積回路29への伝達を抑制するための遮熱部材は、必ずしもハウジング27の一部により行なわれることを要しない。適当な遮熱壁等を光源21とアクチュエータ制御部22における第1FET23および第2FET24との間に設ける構成としてもよい。集積回路28、集積回路29、および第5端子95は、必ずしも共通のハウジング27に収容されることを要しない。仕様に応じて適宜の構成が選択されうる。
光源制御部100は、必ずしも前照灯ユニット1の外部に配置されることを要しない。配置スペースの許容する限りにおいて、前照灯ユニット1に装備される構成としてもよい。また光源制御部100は、前照灯ユニット1の外部に配置される場合において、必ずしもランプハウジングと透光カバーにより区画形成される灯室の内部に配置されることを要しない。光源21のLEDを定電流制御する機能の少なくとも一部は、車両側に搭載された統合制御部(ECU)によって分担されてもよい。
本発明の灯具は、前照灯ユニット1に限られるものではない。配光制御が求められる適宜の車両用灯具に対して本発明を適用可能である。
1:前照灯ユニット、5:シェードユニット、6:アクチュエータユニット、21:光源、22:アクチュエータ制御部、23:第1FET、24:第2FET、27:ハウジング、51:シェード、95:第5端子
Claims (5)
- 車両に搭載される灯具であって、
定電流制御される半導体発光素子と、
前記半導体発光素子から出射される光の配光状態を変化させる配光制御機構と、
前記半導体発光素子に直列接続され、前記配光制御機構を駆動するアクチュエータと、
前記アクチュエータの動作を制御する半導体スイッチング素子と、
前記半導体発光素子と前記半導体スイッチング素子により共用される給電端子とを備える、灯具。 - 前記半導体スイッチング素子は、
前記給電端子を通じた給電によりオン状態とされて前記アクチュエータへの給電を遮断する第1スイッチング素子と、
車載バッテリからの給電を受けるとオン状態とされるとともに、前記第1スイッチング素子をオフ状態とする第2スイッチング素子を備え、
前記第1スイッチング素子がオフ状態とされることにより、前記半導体発光素子から前記アクチュエータへの給電がなされる、請求項1に記載の灯具。 - 前記半導体発光素子と前記半導体スイッチング素子の間に設けられた遮熱部材をさらに備える、請求項1または2に記載の灯具。
- 前記半導体発光素子、前記半導体スイッチング素子、および前記給電端子を収容する共通のハウジングをさらに備え、当該ハウジングの一部が前記遮熱部材を形成する、請求項3に記載の灯具。
- 前記配光制御機構は、ハイビーム配光とロービーム配光を切り替え可能なシェードを備えており、
前記アクチュエータは、通電時において前記ハイビーム配光を実現可能な位置へ前記シェードを変位させる、請求項1から4のいずれか一項に記載の灯具。
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