JP2014053088A - 赤外線光源 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に且つ精度良く作製することができ、放射効率が低下しない赤外線光源を提供することを目的とする。
【解決手段】発熱体15と、最表面が第1金属層L21からなるからなる放射体23とを備えた所定の波長にピークを有する赤外線を輻射する赤外線光源101であって、第1金属層L21の表面には、直径が波長のオーダーである寸法で円筒形のマイクロキャビティMCが複数配列され、マイクロキャビティMCの円筒の半径をR、深さをDとした場合に、D/2Rが、0.3から0.7であることを特徴としている。
【選択図】図1
【解決手段】発熱体15と、最表面が第1金属層L21からなるからなる放射体23とを備えた所定の波長にピークを有する赤外線を輻射する赤外線光源101であって、第1金属層L21の表面には、直径が波長のオーダーである寸法で円筒形のマイクロキャビティMCが複数配列され、マイクロキャビティMCの円筒の半径をR、深さをDとした場合に、D/2Rが、0.3から0.7であることを特徴としている。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種センサや検出器、特定媒体の加熱等に利用される赤外線光源に関する。
赤外線光源は、医療分野や自動車分野等で検出器やセンサとして広く用いられており、抵抗体に通電することにより発熱して放射される放射光を赤外線光源として用いることが一般的に知られている。
上述した赤外線光源として、特許文献1に、プラズモン共鳴を利用し表面にマイクロキャビティ905を有した波長選択性熱放射材料900が提案されている。図9は、特許文献1の従来例における波長選択性熱放射材料900を説明する図であって、図9(a)は、波長選択性熱放射材料900のコンピュータシミュレーション数値解析法(RCWA法)に用いた解析モデル図であって、図9(b)は、波長選択性熱放射材料900の表面を拡大して示す走査型電子顕微鏡写真である。
従来例の波長選択性熱放射材料900は、図9(a)に示すように、シリコン基板902の平面上に周期的に繰り返される多数のマイクロキャビティ905と、マイクロキャビティ905を覆う被覆層907を有して構成されている。そして、多数のマイクロキャビティ905は、「ふく射性ガス」の光吸収帯波長と実質的に同じ周期か又は1μm短い周期で格子状に配列して形成されている。なお、ここで言う「ふく射性ガス」とは、赤外領域(波長1〜10μm)に強い吸収をもつ気体または気液混合体のことを言う。
また、マイクロキャビティ905は、図9(a)に示す矩形状または図9(b)に示す矩形のコーナーが丸くなった形状(円形状)に開口し、所定の開口比(図9(a)では、幅W/周期P)及び所定のアスペクト比(図9(a)では、深さD/幅W)を有している。そして、このマイクロキャビティ905の開口比は、0.5〜0.9の範囲であり、このマイクロキャビティ905のアスペクト比は、0.8〜3.0の範囲であることを特徴としている。このように構成された従来例の波長選択性熱放射材料900は、赤外領域(波長1〜10μm)の熱ふく射電磁波を選択的に放射し、「ふく射性ガス」を効率良く加熱することができるとしている。
この従来例のような波長選択性熱放射材料900を実用的に用いる場合、アスペクト比を小さくすると、放射効率が極端に低下するため、深い穴の加工が必要であった。しかしながら、金属材料への小さく深い穴の加工は制御が難しく、しかも設計された通りの深さD、幅Wからずれるようになる。このため、波長選択性熱放射材料900から発せられる赤外線強度のピーク波長と所望の波長とがずれてしまうと言う課題があった。
本発明は、上述した課題を解決するもので、容易に且つ精度良く作製することができ、放射効率が低下しない赤外線光源を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の請求項1による赤外線光源は、発熱体と、最表面が第1金属層からなるからなる放射体とを備えた所定の波長にピークを有する赤外線を輻射する赤外線光源であって、前記第1金属層の表面には、直径が前記波長のオーダーである寸法で円筒形のマイクロキャビティが複数配列され、前記マイクロキャビティの円筒の半径をR、深さをDとした場合に、D/2Rが、0.3から0.7であることを特徴としている。
また、本発明の請求項2による赤外線光源は、前記第1金属層が、主たる成分が金であることを特徴としている。
また、本発明の請求項3による赤外線光源は、前記第1金属層の下には、チタンまたはチタンを含有する合金からなる第2金属層が設けられたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、本発明の赤外線光源は、マイクロキャビティの円筒の半径をR、深さをDとした場合に、D/2Rが、0.3から0.7であるので、従来例の波長選択性熱放射材料と比較して、マイクロキャビティを加工する際のアスペクト比(本発明では、D/2R)が小さく、最表面が金属からなる放射体の表面に形成するマイクロキャビティを容易に且つ精度良く作製することができる。更にマイクロキャビティが円筒形であるので、従来例の波長選択性熱放射材料の角柱形と比較して、角柱形のコーナー部分の寸法違い(所望の寸法と実際に得られる寸法との違い)が無く、より精度良く加工することができる。しかも従来例の波長選択性熱放射材料と比較して、アスペクト比が小さいのにも関わらず、放射効率が低下しない。したがって、容易に且つ精度良く作製することができ、放射効率が低下しない赤外線光源を提供することができる。
請求項2の発明によれば、本発明の赤外線光源は、第1金属層が主たる成分が金であるので、従来例の波長選択性熱放射材料に用いられるタングステンと比較して、より半値幅の小さい波形を得ることができる。このことにより、波長領域の狭い赤外線光源を使用する製品、例えばガスセンサ等に好適に用いることができる。
請求項3の発明によれば、本発明の赤外線光源は、最表面の第1金属層の下には、チタンまたはチタンを含有する合金からなる第2金属層が設けられているので、第1金属層の微細構造の穴加工を行う際に、第2金属層の表面に形成された不動態膜により、第1金属層の深さ方向の穴加工が確実に止まるようになる。このため、第2金属層を第1金属層の深さ方向の穴加工用ストッパーとしてより良く利用することができ、穴の深さを精度良く加工することができる。このことにより、最表面の微細構造を設計寸法通りに精度良く作製することができ、赤外線の強度のピーク波長を所望の波長と精度良く一致させることができる。
したがって、本発明の赤外線光源は、容易に且つ精度良く作製することができ、放射効率が低下しない赤外線光源を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の赤外線光源101を説明する斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態の赤外線光源101を説明する図であって、図1に示すZ1側から見た平面図である。図3は、本発明の第1実施形態の赤外線光源101を説明する図であって、図2に示すIII−III線における断面図である。なお、図1ないし図3は、模式的に構成を示すもので、実際のサイズを正確に示していない。
図1は、本発明の第1実施形態の赤外線光源101を説明する斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態の赤外線光源101を説明する図であって、図1に示すZ1側から見た平面図である。図3は、本発明の第1実施形態の赤外線光源101を説明する図であって、図2に示すIII−III線における断面図である。なお、図1ないし図3は、模式的に構成を示すもので、実際のサイズを正確に示していない。
本発明の第1実施形態の赤外線光源101は、図1ないし図3に示すように、発熱体15と、最表面が第1金属層L21からなる放射体23とを備えて構成され、第1金属層L21の下には、第1金属層L21とは異なる材質からなる第2金属層L22が設けられている。また、図3に示すように、第1金属層L21の表面には、直径が2R(Rは半径)、深さがDの円筒形のマイクロキャビティMCが一定の周期Pで複数配列されている。
発熱体15は、板状の形状をしており、アルミナ等のセラミックヒータを用いている。発熱体15は、放射体23の裏面側に密着させて配置し、放射体23を加熱するためのヒータである。なお、本発明の第1実施形態の赤外線光源101の発熱体15に、セラミックヒータを用いたが、放射体23を加熱できれば良く、電熱線ヒータやハロゲンヒータ等でも良い。
放射体23の第1金属層L21は、金または金を主たる成分とする合金で作製されている。また、第1金属層L21の表面には、図1ないし図3に示すように、波長のオーダーである寸法で微細な加工が施されており、前述したマイクロキャビティMCが形成された微細構造を有している。このため、発熱体15による放射体23の加熱により、マイクロキャビティMCの内部で表面プラズモン共鳴が発現し、特定の波長の赤外線だけが放射するようになる。この放射される赤外線の強度のピーク波長は、マイクロキャビティMCの一定の周期P、マイクロキャビティMCの半径R(直径は2R)及びマイクロキャビティMCの深さDを適切に選ぶことで任意に設定できる。これにより、所定の波長にピークを有する赤外線を輻射する赤外線光源101を得ることができる。その際には、本発明の第1実施形態の赤外線光源101は、D/2Rが、0.3から0.7の条件を満たしている。
放射体23の第2金属層L22は、図1及び図3に示すように、第1金属層L21とは異なる材質で、チタンまたはチタンを含有する合金で作製されており、マイクロキャビティMCの底面24pを形成している。第2金属層L22は、チタンまたはチタンを含有する合金からなる金属なので、表面に露出している底面24pの部分が不動態膜を形成している。
このように構成された本発明の第1実施形態の赤外線光源101について、モデルを作成して、赤外線光源101から放射される赤外線のシミュレーションを行った。このシミュレーションは、解析手法にRCWA法(Rigorous Coupled Wave Analysis)を用い、解析計算モデルとして、放射体の外部から、ある波長の光を放射体に入射した際の放射体の吸収効率を求め、その結果(吸収効率)が放射効率と等価であるとし、放射体から放射される、ある波長に対する強度とした。
図4は、本発明の第1実施形態の赤外線光源101についてのシミュレーションに用いたモデル図である。このモデルに用いた赤外線光源101は、第1金属層L21を金として、マイクロキャビティMCの形状が、一定の周期P=4.6μm、直径2R=2.3μmとし、深さDを1μm、2μm、3μm、4μmと変化させてシミュレーションを行った。なお、図4は、模式的に構成を示すもので、実際のサイズを正確に示していない。図5は、本発明の第1実施形態の赤外線光源101のシミュレーション結果を示したグラフである。図5のグラフは、横軸が波長、縦軸が赤外線の強度を示している。なお、赤外線の強度は、黒体の完全輻射を1として規格化したものである。また、図中のA1は深さDを1μm、A2は深さDを2μm、A3は深さDを3μm、A4は深さDを4μmとしたデータである。
その結果、放射体23の第1金属層L21の表面に形成された円筒形のマイクロキャビティMCにより、表面プラズモン共鳴が発現し、図5に示すように、波長が4.8μm付近にピーク強度を有する赤外線が得られた。一定の周期Pが4.6μm、直径2Rが2.3μmであるため、一定の周期P及び直径2Rはピーク波長のオーダーの寸法である。そして、図示はしていないが、従来例の波長選択性熱放射材料900に用いられるタングステンと比較して、より半値幅の小さい波形となっている。これは、第1金属層L21に金を用いたことに起因する。また、第1金属層L21に、金または主たる成分が金である合金を用いたので、レアアースのような稀少金属を用いることが無く、容易に放射体23を形成することができる。
また、図5に示すように、深さDが深くなるにつれてピーク強度が徐々にではあるが下がっていく傾向が見られる。つまり、円筒形のマイクロキャビティMCのアスペクト比(本発明では、深さD/直径2Rとしている)が小さくなるにつれてピーク強度が徐々に下がっていく傾向である。なお、得られるピーク波長(図5に示すピーク波長は4.8μm)は、一定の周期P、半径R(直径は2R)、深さDを適切に選定することにより、容易に変えることができる。例えば、二酸化炭素ガス(CO2ガス)センサに要求される4.26μm付近にピーク強度を有する赤外線や、一酸化炭素ガス(COガス)センサに要求される4.66μm付近にピーク強度を有する赤外線等の波長にすることができる。ピーク波長は、一定の周期Pと近い値となり、直径2Rと比較しても同じオーダー(数分の1から数倍)の寸法になる。
次に、比較のため、図9(a)に示す従来例についても、同様な解析手法でシミュレーションを行った。この比較例(従来例)のモデルに用いた波長選択性熱放射材料900は、被覆層907を金として、マイクロキャビティ905の形状が、周期P=4.6μm、幅W=2.3μmと同じにし、深さDも1μm、2μm、3μm、4μmと変化させて行った。図8は、従来例(比較例)の波長選択性熱放射材料900シミュレーション結果を示したグラフであり、図5と比較している。図8のグラフも、横軸が波長、縦軸が赤外線の強度を示している。図中のC1は深さDを1μm、C2は深さDを2μm、C3は深さDを3μm、C4は深さDを4μmとしたデータである。
その結果、図8に示すように、深さDが深くなるにつれてピーク強度が大きく下がっていく傾向が見られる。つまり、角柱形のマイクロキャビティ905のアスペクト比が小さくなるにつれてピーク強度が大きく下がっていく傾向である。
そこで、本発明の第1実施形態の赤外線光源101と従来例の波長選択性熱放射材料900とを分かり易く比較した。図6は、本発明の第1実施形態の赤外線光源101のシミュレーション結果と従来例とを比較してまとめたグラフである。図6のグラフは、横軸がアスペクト比、縦軸が赤外線のピーク強度を示している。図中のAAは本発明の結果であり、図中のCCは従来例(比較例)の結果である。なお、本発明の第1実施形態のアスペクト比は、D/2Rとし、従来例のアスペクト比は、D/Wとしている。
図6に示すように、アスペクト比が1.2以上であれば、本発明の結果AAと従来例の結果CCは、ほぼ同等の赤外線の強度であるが、アスペクト比が1.2以下になると、従来例CCは、大きく赤外線の強度が低下している。一方、本発明AAは、0.7以下で少し赤外線の強度の低下が見られるが、0.3まで外挿しても大幅に低下していない。これにより、本発明の第1実施形態の赤外線光源101は、従来例の波長選択性熱放射材料900と比較して、アスペクト比が小さいのにも関わらず、放射効率が低下していないといえる。
次に、本発明の第1実施形態の赤外線光源101の作製方法について説明する。図7は、本発明の第1実施形態の赤外線光源101の作製方法を説明する工程図であって、図7(a)は、第2金属層L22が形成された状態を示し、図7(b)は、図7(a)の上層に第1金属層L21が形成された状態を示し、図7(c)は、レジスト膜R1がパターニングされた状態を示し、図7(d)は、第1金属層L21がエッチングされた状態を示し、図7(e)は、レジスト膜R1が剥離された状態を示している。
先ず、真空蒸着やスパッタリング法により、図7(a)に示すように、発熱体15上にチタンまたはチタンを含有する合金を成膜して第2金属層L22を形成する。更に、同様な成膜方法で、図7(b)に示すように、第2金属層L22上に金または主たる成分が金である合金を成膜して第1金属層L21を形成する。
次に、フォトリソグラフィー法によって、図7(c)に示すように、第1金属層L21上にレジスト膜R1をパターニングする。そして、例えばヨウ素が含まれたエッチング液のように、金とチタンとで十分に選択比がとれるエッチング液を用いて、第1金属層L21にエッチング加工を行う。エッチング加工は、図7(d)に示すように、第1金属層L21のエッチングが第2金属層L22に達するまで行われ、エッチングは、第2金属層L22によって、深さ方向にはそれ以上ほとんど進行しないようになる。つまり、ウェット加工による加工レートが、第1金属層L21が大きく第2金属層L22が小さくなっているので、第1金属層L21の穴の径方向の更なる加工が進む前、及び第2金属層L22の穴の深さ方向の加工が進む前に、エッチング加工を終了することができる。
特に、本発明の第1実施形態では、第2金属層L22が不動態膜を形成するチタンまたはチタンを含有する合金からなるので、この第2金属層L22の表面に形成された不動態膜により、第1金属層L21の深さ方向の穴加工が確実に止まるようになる。このようにして、第1金属層L21の微細構造の穴加工を行う際に、第2金属層L22を第1金属層L21の深さ方向の穴加工用ストッパーとしてより良く利用することができる。このことにより、穴の深さを精度良く加工することができ、最表面の微細構造を設計寸法通りに精度良く作製することができる。
また、エッチングストッパーとなる第2金属層L22を設けない場合であっても、マイクロキャビティMCの円筒の半径をR、深さをDとした場合に、D/2Rが、0.3から0.7であるので、従来例の波長選択性熱放射材料900と比較して、マイクロキャビティMCを加工する際のアスペクト比が小さいので、最表面が金属からなる放射体23の表面に形成するマイクロキャビティMCを容易に且つ精度良く作製することができる。さらに、第1金属層L21の微細構造の穴加工を行う際に、開口が広くて浅い穴を加工することになるので、穴加工が容易になるばかりでなく、マイクロキャビティMCの直径2R(Rは半径)の寸法精度が良い加工を行うことができる。
また、エッチングストッパーとなる第2金属層L22を設けない場合であっても、マイクロキャビティMCが円筒形であるので、従来例の波長選択性熱放射材料900の角柱形と比較して、より精度良く加工することができる。なぜなら、従来例の波長選択性熱放射材料900は、エッチング加工時に、レジストパターンや面方向への等方エッチングのため、図9(b)に示すように、角柱形のコーナー部分にR形状を有してしまう。このため、所望の設計寸法と実際に得られる寸法との違いが大きくなる。一方、本発明の第1実施形態では、マイクロキャビティMCが円円筒形であるので、レジストパターにコーナー部分は存在せず、しかも面方向に等方エッチングされても円周方向に均等にエッチングされる。このため、所望の設計寸法と実際に得られる寸法との違いが小さくなる。
なお、ドライ加工においても、例えば、反応性イオンエッチング法を用い、酸化窒素を含むエッチングガスのプラズマ中でドライ加工することにより、加工レートが、第1金属層L21を大きく第2金属層L22を小さくすることができる。このため、第2金属層L22を第1金属層L21の深さ方向の穴加工用ストッパーとして良く利用することができ、穴の深さを精度良く加工することができる。
最後に、図7(e)に示すように、レジスト膜R1を剥離すると、マイクロキャビティMCが形成された放射体23を有した赤外線光源101が得られる。
以上により、本発明の赤外線光源101は、マイクロキャビティMCの円筒の半径をR、深さをDとした場合に、D/2Rが、0.3から0.7であるので、従来例の波長選択性熱放射材料900と比較して、マイクロキャビティMCを加工する際のアスペクト比(本発明では、深さD/直径2R)が小さく、最表面が金属からなる放射体23の表面に形成するマイクロキャビティMCを容易に且つ精度良く作製することができる。更にマイクロキャビティMCが円筒形であるので、従来例の波長選択性熱放射材料900の角柱形と比較して、角柱形のコーナー部分の寸法違い(所望の寸法と実際に得られる寸法との違い)が無く、より精度良く加工することができる。しかも従来例の波長選択性熱放射材料900と比較して、アスペクト比が小さいのにも関わらず、放射効率が低下しない。したがって、容易に且つ精度良く作製することができ、放射効率が低下しない赤外線光源101を提供することができる。
また、第1金属層L21が主たる成分が金であるので、従来例の波長選択性熱放射材料900に用いられるタングステンと比較して、より半値幅の小さい波形を得ることができる。このことにより、波長領域の狭い赤外線光源を使用する製品、例えばガスセンサ等に好適に用いることができる。
また、最表面の第1金属層L21の下には、チタンまたはチタンを含有する合金からなる第2金属層L22が設けられているので、第1金属層L21の微細構造の穴加工を行う際に、第2金属層L22の表面に形成された不動態膜により、第1金属層L21の深さ方向の穴加工が確実に止まるようになる。このため、第2金属層L22を第1金属層L21の深さ方向の穴加工用ストッパーとしてより良く利用することができ、穴の深さを精度良く加工することができる。このことにより、最表面の微細構造を設計寸法通りに精度良く作製することができ、赤外線の強度のピーク波長を所望の波長と精度良く一致させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
<変形例1>
上記第1実施形態では、第1金属層L21の下に第2金属層L22を設けて放射体23と構成したが、第2金属層L22がなく、第1金属層L21のみで放射体を構成しても良い。
上記第1実施形態では、第1金属層L21の下に第2金属層L22を設けて放射体23と構成したが、第2金属層L22がなく、第1金属層L21のみで放射体を構成しても良い。
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
L21 第1金属層
L22 第2金属層
23 放射体
15 発熱体
MC マイクロキャビティ
101 赤外線光源
L22 第2金属層
23 放射体
15 発熱体
MC マイクロキャビティ
101 赤外線光源
Claims (3)
- 発熱体と、最表面が第1金属層からなるからなる放射体とを備えた所定の波長にピークを有する赤外線を輻射する赤外線光源であって、
前記第1金属層の表面には、直径が前記波長のオーダーである寸法で円筒形のマイクロキャビティが複数配列され、
前記マイクロキャビティの円筒の半径をR、深さをDとした場合に、
D/2Rが、0.3から0.7であることを特徴とする赤外線光源。 - 前記第1金属層は、主たる成分が金であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線光源。
- 前記第1金属層の下には、チタンまたはチタンを含有する合金からなる第2金属層が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の赤外線光源。
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