JP2014052032A - コネクティングロッド構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃費を悪化させることなくロッドベアリングの耐久性を向上させることのできるコネクティングロッド構造体を提供する。
【解決手段】ロッドベアリング200には、クランクピン300との摺動面に凹部210が形成されている。また、クランクピン300には、厚み方向の両面に第1凸部310及び第2凸部320が形成されている。凹部210は、エンジンの運転時において、コネクティングロッド100の大端部110の変位を吸収する。また、第1凸部310及び第2凸部320は、エンジンの運転時において、クランクピン300の薄肉化によりフラットな面形状に変形する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両に搭載されるエンジンにおけるクランクシャフトのクランクピンとピストンピンとをコネクティングロッドによって連結した構造体であるコネクティングロッド構造体に関する。
一般に、図11に示すように、例えば車両に搭載される直列4気筒のエンジン50には、クランクケース53を有するシリンダブロック52が設けられている(例えば特許文献1)。クランクケース53は、複数のクランクジャーナル支持壁部66の下端部に設けられた複数の側面半円状のクランクジャーナルベアリング67を有している。クランクジャーナルベアリング67には断面半円状のベアリングキャップ56が接合されており、これによってクランクジャーナル支持構造55が形成されている。
クランクケース53の内部には、図12に示すクランクシャフト51が収容されている。このクランクシャフト51は、クランクジャーナル支持構造55及びクランクジャーナルベアリング67によってクランクケース53の内部に回転可能に支持されている。
クランクシャフト51のクランクピン61には、図13に示すように、該クランクピン61とピストンピン68とを連結するコネクティングロッド57が取り付けられる。このコネクティングロッド57の大端部60は、ロッドベアリング62を介してクランクシャフト51のクランクピン61に接続されている。また、コネクティングロッド57の小端部58は、ピストンピン68を介してピストン59に接続されている。これにより、図14に示す態様で、クランクピン61とピストンピン68とが連結される。
なお、上記クランクシャフト51の内部には、図示しない潤滑油供給路が設けられている。そしてこの潤滑油供給路を介して、オイルポンプにより加圧された潤滑油が、クランクジャーナル54に当接するクランクジャーナルベアリング67及びロッドベアリング62に供給される。これにより、クランクジャーナル54とクランクジャーナルベアリング67との間、及びクランクピン61とロッドベアリング62との間が潤滑されることとなる。
特開2002−070516号公報
ところで、エンジン50の運転に伴ってコネクティングロッド57等に負荷が加わると、エンジン50の停止時及び運転時における図14のA−A断面を図15(a)及び(b)にそれぞれ示すように、コネクティングロッド57の大端部60がクランクピン61に向かって突出するように変形する。またこれに伴い、大端部60に当接されているロッドベアリング62も、形状が変形した大端部60に倣って変形する。この結果、コネクティングロッド57とクランクピン61との間の潤滑油の圧力である油膜圧力の分布は、図16に示すように、コネクティングロッド57の底面部57aの突出量が最大となる中央領域Oaで局所的に増大する。このため、中央領域Oaにおけるロッドベアリング62の摺動面の疲労剥離等が懸念されていた。また、こうした問題を解決すべく、重量の増加等によりコネクティングロッド57の剛性を高めたとこしても、コネクティングロッド57の往復運動に伴う負荷の増大に起因して燃費の悪化等が避けられなくなる。
なお、最近は、エンジンの排気量を小さくして、その排気量の低下分を過給で補ういわゆるダウンサイジングエンジンが採用されることも多い。ただし、このダウンサイジングエンジンは、過給によるコンロッドの負荷が増大する上に、異常燃焼に伴い筒内圧が約20Mpa以上に高まる現象が散発することが知られている。このため、ダウンサイジングエンジンにあっては、コンロッドの変位量がさらに増大し、潤滑油の圧力分布のばらつきもより顕著になる傾向にある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃費を悪化させることなくロッドベアリングの耐久性を向上させることのできるコネクティングロッド構造体を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、エンジンを構成するクランクシャフトのクランクピンにロッドベアリングを介してコネクティングロッドの大端部が回転自在に連結されたコネクティングロッド構造体において、前記ロッドベアリングは、前記クランクピンとの摺動される円周面が軸方向中央部にかけてコネクティングロッド側に凹む凹部を有して形成されてなる。
上記構成では、エンジンの運転に伴ってコネクティングロッドが往復運動すると、コネクティングロッドは、大端部がその延設方向に向かって膨張するように変形する。また、このコネクティングロッドが当接されるロッドベアリングは、コネクティングロッドによってクランクピンの側に押し出される態様で変形する。このとき、ロッドベアリングにはクランクピンとの摺動面に凹部が形成されていることから、クランクピンの側に押し出されるロッドベアリングの上記摺動面の面形状はフラットに近い形状となる。この結果、ロッドベアリングとクランクピンとが局所的に圧接されることが抑制され、ロッドベアリングとクランクピンとの間の隙間が均等に維持される。このため、エンジンの運転に伴い駆動したオイルポンプにより潤滑油が供給されても、ロッドベアリングとクランクピンとの間の油膜圧力分布が均一となる。これにより、コネクティングロッドやロッドベアリングの剛性を高めずとも、ロッドベアリングに発生する疲労剥離や焼付不具合が抑制されることとなる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコネクティングロッド構造体において、前記クランクピンは、前記ロッドベアリングと摺動される外周面が摺動面中央にかけて盛り上がる凸部を有して形成されてなる。
上記クランクピンは、異常筒内圧が発生すると、中央部分の肉厚が薄くなるように凹変形する傾向にある。この結果、凹変形したクランクピンとロッドベアリングとの間の隙間が増大する懸念がある。この点、上記構成によれば、クランクピンに凸部が形成されたことで、異常筒内圧に伴い薄肉化する部分が予め肉厚に形成される。これにより、エンジンの運転時には、クランクピンの面形状がフラットな形状となり、このクランクピンとロッドベアリングとの間の隙間の一層の均等化が図られることとなる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のコネクティングロッド構造体において、前記凸部の突出高さは、前記凹部の凹みよりも低い。
上記構成によれば、クランクピンの凸部の突出高さが、ロッドベアリングの凹部の深さである凹み深さよりも低く形成される。このため、クランクピンの凹変形の変形量が、ロッドベアリングの変形量よりも少ないときであれ、クランクピンとロッドベアリングとの間の隙間が確実に維持される。これにより、クランクピンに凸部が設けられる構成でありながらも、クランクピンとロッドベアリングとの間の隙間が的確に確保される構成が実現される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコネクティングロッド構造体において、前記凹部の凹み深さが、2〜6μmである。
エンジンの運転に伴うロッドベアリングの変位は、2〜6μmの範囲で発生することが多い。そして、上記構成によれば、ロッドベアリングに設けられた凹部の凹み深さが2〜6μmの範囲で形成されることにより、大端部の変位時における面形状のフラット化が好適に実現されることとなる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコネクティングロッド構造体において、前記凹部の凹み深さが、3〜4μmである。
ロッドベアリングに設けられた凹部による油膜圧分布の均等化の効果は、凹部の凹み深さが3〜4μmとされたときに特に高くなることが発明者によって確認されている。そして、上記構成では、ロッドベアリングの凹部の凹み深さが3〜4μmとされることで、油膜圧分布のさらなる均等化が図られることとなる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコネクティングロッド構造体において、前記クランクピンは、前記ロッドベアリングと摺動される外周面が摺動面中央にかけて盛り上がる凸部を有して形成されてなり、前記凸部の突出高さが、1〜4μmである。
エンジンの筒圧変化時におけるクランクピンの変位は、1〜4μmの範囲で発生することが多い。そして、上記構成によれば、クランクピンの凸部の突出高さが1〜4μmの範囲で形成されることにより、クランクピンの変位時における面形状のフラット化が好適に実現されることとなる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のコネクティングロッド構造体において、前記凸部の突出高さが、2〜3μmである。
クランクピンに設けられた凸部は、その突出高さが2〜3μmとされたときに安定したフラット化が実現されることが発明者によって確認されている。そして、上記構成では、クランクピンの突出部の突出高さが2〜3μmとされることで、油膜圧分布のさらなる均等化が図られることとなる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコネクティングロッド構造体において、前記エンジンが、過吸機により吸入空気が加圧されてかつ、排気量が低減されるダウンサイジングエンジンからなる。
ダウンサイジングエンジンは、過吸機による吸入空気の加圧が行われることから、コネクティングロッドの大端部及びロッドベアリングの変位量が特に大きく、これに伴う油膜圧分布のばらつきも顕著となる。
この点、上記構成によれば、ダウンサイジングエンジンの運転に伴いコネクティングロッドやロッドベアリングに負荷が加えられたとしても、ロッドベアリングにおけるクランクピンとの摺動面のフラット化が図られる。これにより、コネクティングロッドやロッドベアリングの剛性を高めることなく、ダウンサイジングエンジンの安定性の高い運転が実現されることとなる。
本発明にかかるコネクティングロッド構造体の一の実施の形態について、エンジンの停止時におけるコネクティングロッド、ロッドベアリング、及びクランクピンを幅方向から見た部分断面図。 エンジンの運転時におけるコネクティングロッド、ロッドベアリング、及びクランクピンを幅方向から見た部分断面図。 本発明にかかるコネクティングロッド構造体の他の実施の形態について、エンジンの停止時におけるコネクティングロッド、ロッドベアリング、及びクランクピンを幅方向から見た部分断面図であり、クランクピンに形成された凸部の他の形態を示す図。 本発明にかかるコネクティングロッド構造体の他の実施の形態について、エンジンの停止時におけるコネクティングロッド、ロッドベアリング、及びクランクピンを幅方向から見た部分断面図であり、クランクピンに形成された凸部の他の形態を示す図。 本発明にかかるコネクティングロッド構造体の他の実施の形態について、エンジンの停止時におけるコネクティングロッド、ロッドベアリング、及びクランクピンを幅方向から見た部分断面図であり、クランクピンの他の形態を示す図。 本発明にかかるコネクティングロッド構造体の他の実施の形態について、エンジンの停止時におけるコネクティングロッド、ロッドベアリング、及びクランクピンを幅方向から見た部分断面図であり、ロッドベアリングに形成された凹部の他の形態を示す図。 本発明にかかるコネクティングロッド構造体の他の実施の形態について、エンジンの停止時におけるコネクティングロッド、ロッドベアリング、及びクランクピンを幅方向から見た部分断面図であり、ロッドベアリングに形成された凹部の他の形態を示す図。 本発明にかかるコネクティングロッド構造体の他の実施の形態について、エンジンの停止時におけるコネクティングロッド、ロッドベアリング、及びクランクピンを幅方向から見た部分断面図であり、ロッドベアリングに形成された凹部の他の形態を示す図。 本発明にかかるコネクティングロッド構造体の他の実施の形態について、エンジンの停止時におけるコネクティングロッド、ロッドベアリング、及びクランクピンを幅方向から見た部分断面図であり、クランクピンに形成された凸部の他の形態を示す図。 本発明にかかるコネクティングロッド構造体の他の実施の形態について、エンジンの停止時におけるコネクティングロッド、ロッドベアリング、及びクランクピンを幅方向から見た部分断面図であり、クランクピンに形成された凸部の他の形態を示す図。 従来のコネクティングロッドを有するエンジンの概略構成を示す斜視図。 クランクシャフトの側面構造を示す側面図。 コネクティングロッドの分解構造を示す分解斜視図。 コネクティングロッドの側面構造を示す断面図。 コネクティングロッドの幅方向における断面構造を示す部分断面図であり、(a)はエンジンの停止時における図。(b)はエンジンの運転時における図。 油膜圧力分布の一例を示すグラフ。
以下、本発明にかかるコネクティングロッド構造体を具体化した一実施の形態について図1及び図2を参照して説明する。なお、本実施の形態のコネクティングロッド構造体は、過吸機により吸入空気が加圧されてかつ、排気量が低減されるダウンサイジングエンジンに適用されるものである。なお、図1は、先の図15に対応するコネクティングロッドを幅方向から見た断面形状を示したものである。
図1に示すように、コネクティングロッド100の大端部110とクランクピン300との間には、ロッドベアリング200が介在されている。
ロッドベアリング200は、クランクピン300との摺動面に、該摺動面とは反対側、すなわち大端部110側に向かって凹設された凹部210を有している。凹部210は、クランクピン300との摺動される円周面が軸方向中央部にかけてコネクティングロッド100側に凹む形状をなしている。凹部210は、当該凹部210の非形成面と当該凹部210の形成領域の底部との距離である凹み深さL1が例えば約3〜4μmの範囲で形成されている。また、本実施の形態の凹部210は、ロッドベアリング200の幅方向における両端から中心に向かって所定の曲率のもとに湾曲する形状をなしている。
クランクピン300は、ロッドベアリング200との摺動面に第1凸部310を有している。第1凸部310は、ロッドベアリング200と摺動される外周面が摺動面中央にかけて盛り上がる形状をなしている。また、クランクピン300は、ロッドベアリング200との摺動面は反対側の面に第2凸部320を有している。第2凸部320は、第1凸部310の形成面に対応する面において、ロッドベアリング200と摺動される外周面が摺動面中央にかけて盛り上がる形状をなしている。
第1凸部310は、当該第1凸部310の非形成面と当該第1凸部310の先端との距離である突出高さL2が、例えば約2〜3μmの範囲で形成されている。同様に、第2凸部320は、当該第2凸部320の非形成面と当該第2凸部320の先端との距離である突出高さL3が、例えば約2〜3μmの範囲で形成されている。なお、本実施の形態では、クランクピン300の第1凸部310、第2凸部320の突出高さL2、L3は、ロッドベアリング200の凹部210の凹み深さL1よりも低く形成される。また、第1凸部310、第2凸部320は、例えば、所定の曲率のもとに湾曲する形状をなしている。
次に、本実施の形態のコネクティングロッド構造体の作用について図1及び図2を参照して説明する。
まず、コネクティングロッド100を備えて構成されるエンジンの運転が開始されると、これに伴いコネクティングロッド100が回転運動を開始する。
そして、図示しない過吸機の過給による負荷がコネクティングロッド100に加わると、図2に例示するように、コネクティングロッド100の大端部110がその延設方向に突出する態様で変形する。変形した大端部110は、当該大端部110に当接しているロッドベアリング200をクランクピン300側に押し出す力をロッドベアリング200に付与する。
ロッドベアリング200は、大端部110から力が付与されることにより、厚み方向における形状が変化する。これにより、ロッドベアリング200における大端部110との摺動面には、形状変化した大端部110の面形状に倣う凹部220が新たに形成される。また、これに伴い、大端部110の摺動面とは反対側に形成されていた凹部210は、フラット化された面形状をなすフラット部211に変化する。
また、エンジンの運転に伴い筒内圧が上昇すると、クランクピン300には当該クランクピン300を幅方向に圧縮させる力が付与される。これにより、クランクピン300に形成されていた第1凸部310及び第2凸部320が、フラット化された面形状をなすフラット部311及び321に変化する。
この結果、エンジンの運転時には、ロッドベアリング200とクランクピン300との間の距離L23が、フラット部211及びフラット部311の形成領域に亘って略一定に維持される。これにより、ロッドベアリング200とクランクピン300との間の隙間Sが均等になり、これらロッドベアリング200とクランクピン300との間に供給される潤滑油の油膜圧力分布も均等なものとなる。
以上説明したように、本実施の形態にかかるコネクティングロッド構造体によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ロッドベアリング200は、クランクピン300との摺動面に凹部210を有した。このため、コネクティングロッド100の大端部110の変形時には、凹部210がフラット部211に変形する。これにより、ロッドベアリング200とクランクピン300とが局所的に圧接されることが抑制され、ロッドベアリング200とクランクピン300との間の隙間Sが均等に維持される。これにより、コネクティングロッド100やロッドベアリング200の剛性を高めずとも、ロッドベアリング200に発生する疲労剥離や焼付不具合等が抑制されることとなる。また、ロッドベアリング200に凹部210が形成されたことで、ロッドベアリング200の両サイドからのオイル漏れが抑制され、メインギャラの油圧アップ、オイルポンプとの出量低減によるフリクション低減効果も期待される。
(2)クランクピン300におけるロッドベアリング200との摺動面に、ロッドベアリング200側に突出する第1凸部310が形成された。このため、クランクピン300は、筒内圧の上昇に伴い薄肉化する部分が肉厚な形状となる。これにより、エンジンの運転時には、クランクピン300の第1凸部310の形成領域がフラットな形状となり、このクランクピン300とロッドベアリング200との間の隙間Sの一層の均等化が図られることとなる。また、これにより、ロッドベアリング200の凹部210にクランクピン300の第1凸部310が嵌入する構成となり、ロッドベアリング200がコネクティングロッド100とクランクピン300との間に安定して保持されることともなる。
(3)クランクピン300のロッドベアリング200の摺動面とは反対側の面に。第2凸部320が形成された。このため、クランクピン300は、厚み方向の両面が肉厚とされる。これにより、内圧上昇時におけるクランクピン300の厚み方向の両面に亘るフラット化が図られることとなる。
(4)クランクピン300の第1凸部310、第2凸部320の突出高さL2、L3が、ロッドベアリング200の凹部210の凹み深さL1よりも低く形成された。このため、クランクピン300の凹変形の変形量が、ロッドベアリング200の変形量よりも少ないときであれ、クランクピン300とロッドベアリング200との間の隙間Sが確実に維持される。これにより、クランクピン300におけるロッドベアリング200との摺動面に第1凸部310が設けられる構成でありながらも、クランクピン300とロッドベアリング200との間の隙間Sが的確に確保される構成が実現される。
(5)ロッドベアリング200に形成された凹部210の凹み深さL1が、約3〜4μmの範囲とされた。これにより、コネクティングロッド100の大端部110の変位時における面形状のフラット化が好適に実現され、油膜圧分布のさらなる均等化が図られることとなる。
(6)クランクピン300に形成された第1凸部310、第2凸部320の突出高さL2、L3が、約2〜3μmの範囲とされた。これにより、クランクピン300の変位時における面形状のフラット化が好適に実現され、油膜圧分布のさらなる均等化が図られることとなる。
(7)上記コネクティングロッド100、ロッドベアリング200、及びクランクピン300が適用されるエンジンとして、過吸機により吸入空気が加圧されるダウンサイジングエンジンが採用された。これにより、ダウンサイジングエンジンの運転に伴いコネクティングロッド100やロッドベアリング200に負荷が加えられたとしても、ロッドベアリング200におけるクランクピン300との摺動面のフラット化が図られる。これにより、ロッドベアリング200やクランクピン300の剛性を高めることなく、ダウンサイジングエンジンの安定性の高い運転が実現されることとなる。
なお、上記実施の形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・クランクピン300に形成された第1凸部310及び第2凸部320の突出高さL2及びL3が、同じ高さとされた。これに限らず、第1凸部310及び第2凸部320の突出高さL2及びL3は、互いに異なる高さであってもよい。
・クランクピン300に形成された第1凸部310、第2凸部320の突出高さL2、L3が、約2〜3μmの範囲とされた。これに限らず、第1凸部310、第2凸部320の突出高さL2、L3は、約1〜4μmの範囲とされてもよい。これによっても、クランクピン300の変位時における面形状のフラット化が好適に実現されることとなる。さらに、第1凸部310、第2凸部320の突出高さL2、L3は、約1μm未満であっても、約4μm以上であってもよい。要は、第1凸部310、第2凸部320の突出高さL2、L3は、クランクピン300の厚み方向における厚肉化を図ることができる高さであればよい。
・ロッドベアリング200に形成された凹部210の凹み深さL1が、約3〜4μmの範囲とされた。これに限らず、凹部210の凹み深さL1は、約2〜6μmの範囲であってもよい。これによっても、コネクティングロッド100の変位時におけるロッドベアリング200のフラット化が好適に実現されることとなる。さらに、凹部210の凹み深さL1は、約2μm未満であっても、約6μm以上であってもよい。要は、凹部210の凹み深さL1は、コネクティングロッド100の大端部110の変位の影響を緩和できる深さであればよい。
・クランクピン300の第1凸部310及び第2凸部320の突出高さL2及びL3が、ロッドベアリング200の凹部210の凹み深さL1よりも低く形成された。これに限らず、第1凸部310及び第2凸部320の突出高さL2及びL3は、凹部210の凹み深さL1と同じ寸法であってもよい。また、ロッドベアリング200とクランクピン300との隙間Sを確保することができれば、第1凸部310、第2凸部320の突出高さL2、L3は、凹部210の凹み深さL1の寸法よりも長く形成されてもよい。
・上記クランクピン300におけるロッドベアリング200との摺動面に、ロッドベアリング200の凹部210に対向する第1凸部310が形成された。また、クランクピン300のロッドベアリング200の摺動面とは反対側の面に、第2凸部320が形成された。これに限らず、図3に示すように、クランクピン300におけるロッドベアリング200との摺動面に、ロッドベアリング200の凹部210に対向する第1凸部310のみが形成されてもよい。また、図4に示すように、クランクピン300のロッドベアリング200の摺動面とは反対側の面に、第2凸部320のみが形成されてもよい。さらに、図5に示すように、クランクピン300に第1凸部310及び第2凸部320が形成されない構成であってもよい。
・ロッドベアリング200の凹部210が、ロッドベアリング200の幅方向における両端から例えば中心に向かって所定の曲率のもとに湾曲する形状となるように形成された。これに限らず、図6に例示するように、ロッドベアリング200の幅方向における両端から例えば中心に向かって一直線上に伸びる溝210Aによって、凹部が形成されてもよい。また、図7に例示するように、ロッドベアリング200の中心付近に凹設された溝210Bによって、凹部が形成されてもよい。さらに、図8に例示するように、ロッドベアリング200の中心付近に向かって段階的に形成された溝210Cによって、凹部が形成されてもよい。
・第1凸部310が、例えば、所定の曲率のもとに湾曲する形状となるように形成された。これに限らず、図9に例示するように、クランクピン300におけるロッドベアリング200との摺動面のうちの例えば中央付近に凸設された凸部310Aが形成される構成であってもよい。また、図10に例示するように、クランクピン300におけるロッドベアリング200との摺動面の両端から例えば中央付近に向かって段階的に凸設された凸部310Bが形成される構成であってもよい。なお、段階的に凸設された凸部310Bがクランクピン300に形成される構成では、同図10に例示するように、段階的に凹設された溝210Cがロッドベアリング200に形成されるとよい。これによれば、対応する形状をなす凸部310Bと溝210Cとの間の隙間の均等化が図られることとなる。
50…エンジン、51…クランクシャフト、52…シリンダブロック、53…クランクケース、54…クランクジャーナル、55…クランクジャーナル支持構造、56…ベアリングキャップ、57…コネクティングロッド、57a…底面部、58…小端部、59…ピストン、60…大端部、61…クランクピン、62…ロッドベアリング、66…クランクジャーナル支持壁部、67…クランクジャーナルベアリング、68…ピストンピン、100…コネクティングロッド、110…大端部、200…ロッドベアリング、210…凹部、210A…溝(凹部)、210B…溝(凹部)、210C…溝(凹部)、211…フラット部、220…凹部、300…クランクピン、310…第1凸部、310A…凸部、310B…凸部、311…フラット部、320…第2凸部、L1…凹部の深さ、L2…第1凸部の突出高さ、L3…第2凸部の突出高さ。

Claims (8)

  1. エンジンを構成するクランクシャフトのクランクピンにロッドベアリングを介してコネクティングロッドの大端部が回転自在に連結されたコネクティングロッド構造体において、
    前記ロッドベアリングは、前記クランクピンとの摺動される円周面が軸方向中央部にかけてコネクティングロッド側に凹む凹部を有して形成されてなる
    ことを特徴とするコネクティングロッド構造体。
  2. 前記クランクピンは、前記ロッドベアリングと摺動される外周面が摺動面中央にかけて盛り上がる凸部を有して形成されてなる
    請求項1に記載のコネクティングロッド構造体。
  3. 前記凸部の突出高さは、前記凹部の凹みよりも低い
    請求項2に記載のコネクティングロッド構造体。
  4. 前記凹部の凹み深さが、2〜6μmである
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のコネクティングロッド構造体。
  5. 前記凹部の凹み深さが、3〜4μmである
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のコネクティングロッド構造体。
  6. 前記クランクピンは、前記ロッドベアリングと摺動される外周面が摺動面中央にかけて盛り上がる凸部を有して形成されてなり、
    前記凸部の突出高さが、1〜4μmである
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のコネクティングロッド構造体。
  7. 前記凸部の突出高さが、2〜3μmである
    請求項6に記載のコネクティングロッド構造体。
  8. 前記エンジンが、過吸機により吸入空気が加圧されてかつ、排気量が低減されるダウンサイジングエンジンからなる
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のコネクティングロッド構造体。
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