JP2014051917A - 廃熱回収システムと廃熱回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の排ガスで冷却液を加熱して暖気促進を図り、暖気後は廃熱回収装置によって動力を取出して、得られた動力を内燃機関運転の省燃費化を図るようにした廃熱回収システムと廃熱回収方法を提供する。
【解決手段】排ガスによって冷却液を加熱する第1熱交換器6と、熱交換された冷却液を熱源として、熱エネルギーを回収する第2熱交換器21を備えた廃熱回収装置2と、第1熱交換器6への冷却液流量を調整する第1バルブ7と、第1熱交換器6を通過した冷却液を内燃機関1と廃熱回収装置2とに切換える第2バルブ8と、内燃機関流入口の冷却液温度を検出する第2温度センサと、を備え、第2温度センサの検出温度が内燃機関の暖気目標温度以下の場合には、第1バルブ7は冷却液を第1熱交換器6側に流すようにすると共に、第2バルブは冷却液を内燃機関側に流すようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃熱回収システムを備えた内燃機関の廃熱回収システムと廃熱回収方法に関する。
内燃機関を搭載した車両において、内燃機関の廃熱エネルギーを廃熱回収装置により回収して、内燃機関の熱効率を向上させることが行われている。
一方、車両に搭載された内燃機関が排出する排ガスの熱を利用して、空調装置のヒータ熱源として使用されている。
特許文献1によると、内燃機関から排出される排ガスを回収する廃熱回収器と、この廃熱回収器に与えられる排ガスの熱量を調節する熱量調節手段と、廃熱回収器での該熱量調節手段の検出値に基づいて熱量調節手段を制御する制御装置を備えて、排ガス量及び排ガス温度を含めた総熱量に着目して車室内の暖気促進や内燃機関の昇温を図る技術が開示されている。
また、特許文献2によると、内燃機関を冷却する冷却液が循環する冷却液循環路と、冷却液と熱交換することにより作動流体を過熱する第1熱交換器と、第1熱交換器で加熱された作動流体を膨張させる膨張器と、該膨張器で膨張された作動流体を冷却するコンデンサと、コンデンサで冷却された作動流体を循環するポンプとを備えたランキンサイクルを備え、冷却液を排ガスで加熱して、加熱された冷却液を第1熱交換器で熱エルギーに交換するようにして、作動媒体の炭化を防止するため、第1熱交換器に流入する冷却液の流量をサーモスタットによって調整する技術が開示されている。
特開2005−273582号公報 特開2006−144744号公報
ところが、特許文献1によると、排ガスの熱を回収して、車室内の暖気促進に用いることで、暖房能力が不足した場合等においても速やかな暖房が行うことができ、乗員の快適性を向上させることができるもので、回収熱エネルギーを内燃機関運転中の省燃費に使用するものではない。
また、特許文献2においては、サーモスタットには、予め所定温度が設定されているとしているが、どのような温度で、どのような構造によって流量を調整するのか記載されておらず不明である。
本発明は、上述した従来技術の課題に鑑みなされた発明であって、内燃機関の排ガスで冷却液を加熱して暖気促進を図り、暖気後は廃熱回収装置によって動力を取出して、得られた動力を内燃機関運転の省燃費化を図るようにした廃熱回収システムと廃熱回収方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明によれば、内燃機関と、前記内燃機関の冷却液を冷却するラジエータと、
前記冷却液を前記内燃機関から排出される排ガスによって加熱する第1熱交換器と、
前記冷却液から熱エネルギーを回収する第2熱交換器を有する廃熱回収装置と、
前記内燃機関と前記ラジエータとを連結する廃熱回収配管中に介装され前記ラジエータと前記第1熱交換器への前記冷却液の流量を調整する第1バルブと、
前記第1熱交換器を通過した前記冷却液の流れを前記廃熱回収装置側又は、前記廃熱回収装置側を迂回する側に切換える第2バルブと、
前記内燃機関のウォータポンプと前記内燃機関の冷却液流入口との間の前記冷却液の温度を検出する流入口温度検出手段と、
前記流入口温度検出手段の検出値に基づいて前記第1バルブと前記第2バルブとを開閉制御する制御手段と、を備え、
前記廃熱回収装置にて前記内燃機関の廃熱エネルギーを回収する廃熱回収システムであって、
前記流入口温度検出手段の検出温度が前記内燃機関の暖気目標温度以下の場合には、前記第1バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第1熱交換器側に流すように操作されると共に、前記第2バルブは前記制御手段によって前記冷却液が前記廃熱回収装置を迂回する側に流すように操作されるようにしたことを特徴とする廃熱回収システムを提供できる。
本発明によれば、内燃機関の排出する排ガスで冷却液を加熱して、加熱した冷却液を内燃機関に戻すようにしたので、暖気促進が図れて、暖気促進に伴い内燃機関の熱効率が向上するので、内燃機関運転の省燃費化が図れる廃熱回収システムを備えた内燃機関の暖気促進装置を提供することができる。
また、本発明において好ましくは、前記内燃機関の冷却液流出口と前記第1バルブとの間の前記冷却液の温度を検出する流出口温度検出手段を備え、前記流出口温度検出手段の検出温度が内燃機関過熱警戒温度以下の場合、前記第1バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第1熱交換器側へ流すように操作され、前記第2バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第2熱交換器側へ流すように操作されて、前記冷却液は前記第2熱交換器にて熱交換されるようにするとよい。
このような構成にすることにより、内燃機関の冷却液が過熱警戒温度以下の場合、即ち内燃機関がオーバヒートしない場合には、冷却液全量を第2熱交換器側に流すことにより、より多くの熱エネルギー回収ができ、内燃機関の省エネルギー化が可能となる。
また、本発明において好ましくは、前記内燃機関の冷却液流出口と前記第1バルブとの間の廃熱回収配管内の前記冷却液圧力を検出する流出口圧力検出手段を備え、前記流出口圧力検出手段の検出圧力が廃熱回収配管の過圧設定圧力以下の場合、前記第1バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第1熱交換器側へ流すように操作されて、前記第2バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第2熱交換器側へ流すように操作され、前記冷却液は前記第2熱交換器にて熱交換されるようにするとよい。
このような構成にすることにより、内燃機関の冷却液流出口の冷却液が過圧設定圧力以下の場合、即ち廃熱回収用配管内の圧力に異常がない場合には、内燃機関の冷却に問題ないと判断して、冷却液全量を第2熱交換器側に流すことにより、より多くの熱エネルギー回収ができ、内燃機関の省エネルギー化が可能となる。
また、本発明において好ましくは、前記流出口温度検出手段が検出した検出温度が、内燃機関過熱警戒温度以上になったときに、前記第1バルブは、前記制御手段によって前記冷却液を冷却液温度高さに沿って前記ラジエータ側への前記冷却液の流量を増加させるように操作されるようにするとよい。
このような構成にすることにより、冷却液温度が内燃機関の過熱警戒温度になったら、ラジエータ側に流す冷却液を増加させて、内燃機関のオーバヒートを防止する。
一方、冷却液温度を過熱警戒温度になるまで、冷却液全量を第1熱交換器側に流すことにより、冷却液の温度を上げ、第2熱交換器側での熱エネルギーの回収量を増加させることができる。
前記流出口圧力検出手段が検出した検出圧力が、廃熱回収配管の過圧設定圧力以上になったときに、前記第1バルブは、前記制御手段によって前記冷却液を冷却液圧力高さに沿って前記ラジエータ側への前記冷却液の流量を増加させるように操作されるようにするとよい。
このような構成にすることにより、冷却液温度が内燃機関の廃熱回収配管の過圧設定圧力以上になったら、ラジエータ側に流す冷却液を増加させて、冷却液の温度を下げて、廃熱回収配管内の圧力をさげる。
一方、冷却液温度を過熱警戒温度になる直前まで、冷却液全量を第1熱交換器側に流すことにより、冷却液の温度を上げ、第2熱交換器側での熱エネルギーの回収量を増加させることができる。
また、本発明によると、内燃機関と、前記内燃機関の冷却液を冷却するラジエータと、
前記冷却液を前記内燃機関から排出される排ガスによって加熱する第1熱交換器と、
前記冷却液から熱エネルギーを回収する第2熱交換器を有する廃熱回収装置と、
前記内燃機関と前記ラジエータとを連結する廃熱回収配管中に介装され前記ラジエータと前記第1熱交換器への前記冷却液の流量を調整する第1バルブと、
前記第1熱交換器を通過した前記冷却液の流れを前記廃熱回収装置側又は、前記廃熱回収装置側を迂回する側に操作される第2バルブと、
前記内燃機関の冷却液流出口と前記第1バルブとの間の前記冷却液の温度を検出する流出口温度検出手段と、
前記内燃機関のウォータポンプと前記内燃機関の冷却液流入口との間の前記冷却液の温度を検出する流入口温度検出手段と、
前記流入口温度検出手段の検出値に基づいて前記第1バルブと前記第2バルブとを開閉制御する制御手段と、を備えた廃熱回収システムにおける廃熱回収方法であって、
前記流出口温度検出手段と及び前記流入口温度検出手段によって前記冷却液の温度を検知する温度検知工程と、
前記流入口温度検出手段の検出温度が内燃機関の暖気目標温度以下の場合に、前記第1バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第1熱交換器側に流すように操作されると共に、前記第2バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記廃熱回収装置を迂回する側に流れるように操作される暖気促進工程と、
前記流出口温度検出手段の検出温度が内燃機関過熱警戒温度以上の場合、前記第1バルブは、前記制御手段によって前記冷却液を冷却液温度高さに沿って前記ラジエータ側への前記冷却液の流量を増加させるように操作される冷却工程と、
前記流出口温度検出手段の検知温度が前記内燃機関過熱警戒温度以下の場合、前記第1バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第1熱交換器側へ流すように操作されると共に、前記第2バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記廃熱回収装置側へ流すように操作され、これにより、廃熱エネルギーを回収する廃熱エネルギー回収工程と、を有することを特徴とする廃熱回収システムにおける廃熱回収方法を提供できる。
このような方法により、排ガスの熱で冷却液を温め、温めた冷却液を内燃機関に戻すようにしたので、内燃機関の暖気が促進され、早期に廃熱回収が可能となり、燃費改善促進が可能となる。
このようにすることで、内燃機関の排出する排ガスで冷却液を加熱して暖気促進を図り、暖気後は廃熱回収装置によって動力を取出すようにして、得られた動力を内燃機関運転の省燃費化を図るようにした廃熱回収システムを備えた内燃機関の暖気促進装置と作動方法を提供することができる。
本発明の実施形態が適用された、廃熱回収装置を備えた内燃機関の暖気促進装置の概略構成図を示す。 本発明に実施形態における第1バルブの概略流量調整特性図を示す。 本発明を実施するフロー図を示す。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の実施形態が用いられた廃熱回収装置を備えた内燃機関の暖気促進装置の概略構成図を示す。
1は車両に搭載される内燃機関を示す。2は内燃機関1の廃熱エネルギーを回収する廃熱回収装置であるランキンサイクル回路を示す。
内燃機関1には、本発明の内燃機関1の暖気促進装置5を形成する各装置と、各装置を連結する冷却液流通路が形成されている。
尚、冷却液は、一般に使用されている、水にエチレングリコールを加えたものである。
暖気促進装置5は、内燃機関1からの冷却液を第1バルブに導く廃熱回収配管の一部を構成する第1冷却液配管11と、該第1冷却液配管11の先端側に連結された第1バルブ7と、内燃機関1の冷却液を冷却するラジエータ9と、該ラジエータ9と第1バルブ7とを連結する第2冷却液配管12と、
第1バルブ7からの冷却液を排ガスで加熱する第1熱交換器6と、第1熱交換器6と第1バルブ7とを連結する廃熱回収配管の一部を構成する第3冷却液配管13と、第1熱交換器6の冷却液流路の下流側に位置して、内燃機関1のウォータポンプ10又はランキンサイクル回路2の第2熱交換器21に冷却液の流路を切換える第2バルブ8と、第2バルブ8と第1熱交換器6とを連結する廃熱回収配管の一部を構成する第4冷却液配管14と、ウォータポンプ10と、第2バルブ8とウォータポンプ10の冷却液流路上流側に連結している廃熱回収配管の一部を構成する第5冷却液配管15と、該第2バルブ8と第2熱交換器21とを連結する廃熱回収配管の一部を構成する第6冷却液配管16と、第2熱交換器21とウォータポンプ10とを連結する廃熱回収配管の一部を構成する第7冷却液配管17と、ウォータポンプ10と内燃機関1(冷却液流入口)とを連結する廃熱回収配管の一部を構成する第8冷却液配管18と、ラジエータ9からの冷却液をウォータポンプ10に導く第9冷却液配管19と、第1冷却液配管に配設され、内燃機関1から流出される冷却液の状態を検知する流出口温度検出手段である第1温度センサ51と、冷却液流出口の冷却液の流量を検知する第1流量センサ52と、冷却液流出口の冷却液の圧力を検知する流出口圧力検出手段である第1圧力センサ53と、第8冷却液配管18に配設され、内燃機関1に流入する冷却液の状態を検知する流入口温度検出手段である第2温度センサ55と、冷却液流入口の冷却液の流量を検知する第2流量センサ56と、冷却液流入口の冷却液の圧力を検知する流入口圧力手段である第2圧力センサ57と、これら各センサ類からの検知結果の入力、該検知結果の入力に基づいて第1バルブ7、第2バルブ8、ランキンサイクル回路2の作動流体を圧送するポンプ25等を駆動・制御する制御装置(CPU)3と、を備えている。
4は内燃機関1から排出される排ガスの排ガス浄化装置である。排ガス浄化装置4にて浄化された排ガスが第1熱交換器6内にて、冷却液を加熱する。
ランキンサイクル回路2は、内燃機関1の冷却液を熱媒体として、ランキンサイクル回路2の作動流体を冷却液で高温・高圧の蒸気状態にする第2熱交換器21と、高温・高圧の蒸気状態の作動流体を膨張させて動力を取出す膨脹器22と、膨張した作動流体を凝縮させるコンデンサ23と、凝縮され液体化した作動流体を第2熱交換器21に圧送するポンプ25とで構成されている。
尚、コンデンサ23とポンプ25とを連結する配管に、コンデンサ23によって凝縮された作動流体の気液分離を促進させる気液分離器を配設することもできる。
この場合、気液分離器にて蒸気と液体とを確実に分離した液体(媒体)を第2熱交換器21に圧送することで、熱交換の効率がより確実に行わせることができる。
第1バルブ7は流量調整機能を有している。図2に流量調整機能に基づく冷却液の温度に対する流量調整比率(流量調整特性)を示したものである。
図2によると、冷却液の温度が低い場合には、内燃機関1から流出された冷却液は、全量が第1熱交換器6側に流れるようになっている。冷却液は冷却液温度が上昇し、過熱警戒温度Toh温度になるとラジエータ9側への流量が増加し、増加した分、第1熱交換器6側に流れる量が減少するようになっている。
冷却液温度が上昇することは、内燃機関1のオーバヒートを生起させる原因になるため、ラジエータ9側に流れる冷却液の量を増加させて、オーバヒートを防止する。
また、過熱警戒温度になるまで、冷却液をラジエータ9側へ流さないようにすることにより、内燃機関1の暖気促進と、ランキンサイクル回路2側でのエネルギー回収増大と早期化を図るためである。
第2バルブ8は、第1熱交換器6側からの冷却液をウォータポンプ10側、又は廃熱回収装置であるランキンサイクル回路2側のいずれか一方に流路を切換える切換バルブとなっている。
尚、本実施形態において、第2バルブ8は流路の切換え機能を有するものとしたが、第1バルブと同じ流量切換え特性を有するようにしてもよい。
即ち、冷却液温度が低い場合、冷却液は、ウォータポンプ10側に全量流れるようにする。冷却液温度が高くなった場合、冷却液は温度上昇に沿って第2熱交換器21側に多く流れるようにすることも可能である。
図3に基づいて、コントローラ(CPU)3の制御方法を説明する。
ステップS1においてスタートする。ステップS2において、内燃機関(E/G)1を始動する。
ステップS3において、内燃機関1の冷却液流出口における冷却液の温度、流量、及び圧力を第1温度センサ51、第1流量センサ52、及び第1圧力センサ53にて検出する。
これら各センサ51、52、53の検知結果は制御装置(CPU)3に入力される。
一方ステップS4において、内燃機関1の冷却液流入口における冷却液の温度、流量、及び圧力を第2温度センサ55、第2流量センサ56、及び第2圧力センサ57にて検出する。
冷却液温度、流量及び圧力の測定は、内燃機関の温度を最適温度状態に保ち、高効率の燃焼を保つために、内燃機関の冷却液回路の諸機器を制御するためである。(温度検知工程)
冷却液温度検出は内燃機関の温度が暖気状態、またはオーバヒート状態、最適状態にあるかを検出して、内燃機関の高効率の燃焼を維持するものである。
冷却液圧力検出及び冷却液流量は、内燃機関または廃熱回収用配管内における目詰まり、冷却液の蒸気化、等による冷却効果の劣化を早期に検出するためである。
これら各センサ51、52,53、55、56及び、57の検知結果は制御装置3に入力される。
ステップ5において、第2温度センサ55が検知した内燃機関1の冷却液流入口の冷却液温度Tin<E/G暖気目標温度Tprhの状態になっているか否かを判断する。
Yesの場合は、ステップS6に進み、第1バルブ(V1)7は内燃機関1からの冷却液を全量第1熱交換器6側に流す(V1第1熱交換器6側開)。
第1熱交換器6に流入された冷却液は、第1熱交換器6内にて内燃機関1から排出された排ガスによって加熱される。
排ガスは排気管41を介して排気浄化装置4で浄化されてから第1熱交換器6に導入される。
一方、第2バルブ(V2)8は第1熱交換器6から第4冷却液配管14を介して導入された冷却液をウォータポンプ(W/P)10側に流す(V2 W/P10側開)。
ステップS7において、第1熱交換器6で加熱された冷却液は、ウォータポンプ10によって内燃機関1内に圧送される。
このようにして、冷却液の暖気を促進する専用の冷却液回路が形成される暖気促進工程が実施される。
尚、この専用の冷却液回路は、冷却液温度がE/G暖気目標温度Tprhになるまで持続される。
ステップS5において、冷却液温度Tin>暖気目標温度Tprhになると、Noを選択して、ステップS8に進む。
ステップS8において、
E/G流出口温度Tout<E/G過熱警戒温度Toh
又は(OR) E/G流出口圧力Pout<廃熱回収配管過圧設定圧力Poh を判断する。
E/G流出口温度Tout<E/G過熱警戒温度Tohは、内燃機関(E/G)1内部がオーバヒートに近い状態になっているかを判断するものである。
本実施形態では、二重の安全管理のため、冷却液のE/G流出口温度Toutの他に、冷却液のE/G流出口圧力Poutを検知している。
冷却液の圧力を見ることにより、冷却液の高温化に伴い蒸気等が発生して、冷却液の冷却液能力低下と、冷却液の蒸気化による廃熱回収配管内の高圧化を判断するものである。
そのため、E/G流出口圧力Pout<廃熱回収配管過圧設定圧力Pohの場合は、蒸気等が発生はなく、冷却液の冷却液能力及び、廃熱回収配管内の圧力は所定範囲内にあることを判断している。
一般的には、E/G流出口温度Tout<E/G過熱警戒温度Tohの場合には、冷却液が蒸気化することはないので、コスト低減のため省くことも可能である。
ステップS8においてYesが選択されると、内燃機関1内は正常運転状態であり、オーバヒートの心配はないことを示す。ステップS9に進む。
ステップS9において、第1バルブ(V1)7は第1熱交換器6側に冷却液全量を第1熱交換器6側に流す。(V1第1熱交換器6側開)
第2バルブ(V2)8は冷却液全量をランキンサイクル回路(廃熱回収装置)2の第2熱交換器21側に流す。
ステップS10において、第2熱交換器21は冷却液による熱交換が行われ、ランキンサイクル回路2の作動流体は高温・高圧蒸気に変換される。
ランキンサイクル回路2が作動を開始する。高温、高圧の作動流体は膨張器22にて動力として出力される。(廃熱エネルギー回収工程)
ステップS11において、内燃機関1が停止して、廃熱回収装置2が作動停止し、ステップS12にて終了する。
一方、ステップS8において、Noを選択した場合、
E/G流出口温度Tout>E/G過熱警戒温度Toh
又は(OR) E/G流出口圧力Pout>廃熱回収配管過圧設定圧力Poh と判断する。
この場合、E/G流出口温度Tout>E/G過熱警戒温度Tohは内燃機関1内が高温になっており、オーバヒートになる可能性が高いことを示している。
それに伴って、E/G流出口圧力Pout>廃熱回収配管過圧設定圧力Pohの状態は冷却液の一部が蒸気化して、暖気促進装置5、廃熱回収装置2の夫々の機器、熱交換器及び廃熱回収配管内に高圧力が発生又は発生の可能性が高いことを示している。
従って、E/G流出口温度Tout>E/G過熱警戒温度Tohの場合、又は(OR)、E/G流出口圧力Pout>廃熱回収配管過圧設定圧力Pohのいずれかの場合には、ステップS13に進む。
ステップS13において、第1バルブ(V1)7は冷却液温度の高さに沿って、冷却液をラジエータ9側と、第1熱交換器6側とに流す比率を制御装置3によって制御する。流量調整制御は、図2にて説明した流量調整特性沿って行われる。
第2バルブ(V2)8は第1熱交換器6側から流入した冷却液を全量第2熱交換器21側に流出させる。
第2熱交換器21によって熱交換させることにより、冷却液の温度を下げると共に、エネルギー回収も同時に行う。
ステップS14において、冷却液温度の状況を再度確認する。
と判断された場合は、冷却液の温度はオーバヒートの可能性ありと判断され、Yesが選
択される。
Yesが選択されるとステップS13に戻り、第1バルブ(V1)7は冷却液をラジエータ9側に流す量を増加させるように制御装置3によって制御される。(冷却工程)
この制御は、ステップS14にてNoが選択されるまで継続される。
ステップS14にてNoが選択されるとステップS9に進む。
ステップS14にてNoが選択される場合は、
E/G流出口温度Tout<E/G過熱警戒温度Toh
E/G流出口圧力Pout<廃熱回収配管過圧設定圧力Poh
となり、冷却液温度が所望の温度に戻ったことを示している。
この場合には、E/G流出口温度Tout及びE/G流出口圧力Pout共にE/G過熱警戒温度Toh及び廃熱回収配管過圧設定圧力Poh以下になっている必要がある。
ステップS9に進むと、既述のとおり、第1バルブ(V1)7は第1熱交換器6側に冷却液全量を第1熱交換器6側に流す。(V1第1熱交換器6側開)
第2バルブ(V2)8は冷却液全量をランキンサイクル回路2の第2熱交換器21側に流すように制御される。
ステップS10以降は説明が重複するので省略する。
この場合、冷却液をラジエータ9と第2熱交換器21とで冷却するので、ラジエータ9の冷却容量の低減使用頻度の低減が可能になるため、ラジエータ9のコンパクト化、耐久性を向上させることができる。
このような装置及び制御方法によると、内燃機関の排出する排ガスで冷却液を加熱して暖気促進を図り、暖気後は廃熱回収装置によって動力を取出すようにして、得られた動力を内燃機関運転の省燃費化を図るようにした廃熱回収システムを備えた内燃機関の暖気促進装置と作動方法を提供することができる。
廃熱回収装置を備えた車両の省燃費化に利用できる。
1 内燃機関(E/G)
2 ランキンサイクル回路(廃熱回収装置)
3 制御装置(制御手段)
5 暖気促進装置
6 第1熱交換器
7 第1バルブ
8 第2バルブ
9 ラジエータ
10 ウォータポンプ
21 第2熱交換器
22 膨張器
23 凝縮器
51 第1温度センサ(流出口温度検出手段)
52 第1流量センサ
53 第1圧力センサ(流出口圧力検出手段)
55 第2温度センサ(流入口温度検出手段)
56 第2流量センサ
57 第2圧力センサ(流入口圧力検出手段)

Claims (6)

  1. 内燃機関と、前記内燃機関の冷却液を冷却するラジエータと、
    前記冷却液を前記内燃機関から排出される排ガスによって加熱する第1熱交換器と、
    前記冷却液から熱エネルギーを回収する第2熱交換器を有する廃熱回収装置と、
    前記内燃機関と前記ラジエータとを連結する廃熱回収配管中に介装され前記ラジエータと前記第1熱交換器への前記冷却液の流量を調整する第1バルブと、
    前記第1熱交換器を通過した前記冷却液の流れを前記廃熱回収装置側又は、前記廃熱回収装置側を迂回する側に切換える第2バルブと、
    前記内燃機関のウォータポンプと前記内燃機関の冷却液流入口との間の前記冷却液の温度を検出する流入口温度検出手段と、
    前記流入口温度検出手段の検出値に基づいて前記第1バルブと前記第2バルブとを開閉制御する制御手段と、を備え、
    前記廃熱回収装置にて前記内燃機関の廃熱エネルギーを回収する廃熱回収システムであって、
    前記流入口温度検出手段の検出温度が前記内燃機関の暖気目標温度以下の場合には、前記第1バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第1熱交換器側に流すように操作されると共に、前記第2バルブは前記制御手段によって前記冷却液が前記廃熱回収装置を迂回する側に流すように操作されることを特徴とする廃熱回収システム。
  2. 前記内燃機関の冷却液流出口と前記第1バルブとの間の前記冷却液の温度を検出する流出口温度検出手段を備え、前記流出口温度検出手段の検出温度が内燃機関過熱警戒温度以下の場合、前記第1バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第1熱交換器側へ流すように操作され、前記第2バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第2熱交換器側へ流すように操作されて、前記冷却液は前記第2熱交換器にて熱交換されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の廃熱回収システム。
  3. 前記内燃機関の冷却液流出口と前記第1バルブとの間の廃熱回収配管内の前記冷却液圧力を検出する流出口圧力検出手段を備え、前記流出口圧力検出手段の検出圧力が廃熱回収配管の過圧設定圧力以下の場合、前記第1バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第1熱交換器側へ流すように操作されて、前記第2バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第2熱交換器側へ流すように操作され、前記冷却液は前記第2熱交換器にて熱交換されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の廃熱回収システム。
  4. 前記流出口温度検出手段が検出した検出温度が、内燃機関過熱警戒温度以上になったときに、前記第1バルブは、前記制御手段によって前記冷却液を冷却液温度高さに沿って前記ラジエータ側への前記冷却液の流量を増加させるように操作されることを特徴とする請求項3記載の廃熱回収システム。
  5. 前記流出口圧力検出手段が検出した検出圧力が、廃熱回収配管の過圧設定圧力以上になったときに、前記第1バルブは、前記制御手段によって前記冷却液を冷却液圧力高さに沿って前記ラジエータ側への前記冷却液の流量を増加させるように操作されることを特徴とする請求項4記載の廃熱回収システム。
  6. 内燃機関と、前記内燃機関の冷却液を冷却するラジエータと、
    前記冷却液を前記内燃機関から排出される排ガスによって加熱する第1熱交換器と、
    前記冷却液から熱エネルギーを回収する第2熱交換器を有する廃熱回収装置と、
    前記内燃機関と前記ラジエータとを連結する廃熱回収配管中に介装され前記ラジエータと前記第1熱交換器への前記冷却液の流量を調整する第1バルブと、
    前記第1熱交換器を通過した前記冷却液の流れを前記廃熱回収装置側又は、前記廃熱回収装置側を迂回する側に操作される第2バルブと、
    前記内燃機関の冷却液流出口と前記第1バルブとの間の前記冷却液の温度を検出する流出口温度検出手段と、
    前記内燃機関のウォータポンプと前記内燃機関の冷却液流入口との間の前記冷却液の温度を検出する流入口温度検出手段と、
    前記流入口温度検出手段の検出値に基づいて前記第1バルブと前記第2バルブとを開閉制御する制御手段と、を備えた廃熱回収システムにおける廃熱回収方法であって、
    前記流出口温度検出手段と及び前記流入口温度検出手段によって前記冷却液の温度を検知する温度検知工程と、
    前記流入口温度検出手段の検出温度が内燃機関の暖気目標温度以下の場合に、前記第1バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第1熱交換器側に流すように操作されると共に、前記第2バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記廃熱回収装置を迂回する側に流れるように操作される暖気促進工程と、
    前記流出口温度検出手段の検出温度が内燃機関過熱警戒温度以上の場合、前記第1バルブは、前記制御手段によって前記冷却液を冷却液温度高さに沿って前記ラジエータ側への前記冷却液の流量を増加させるように操作される冷却工程と、
    前記流出口温度検出手段の検知温度が前記内燃機関過熱警戒温度以下の場合、前記第1バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記第1熱交換器側へ流すように操作されると共に、前記第2バルブは前記制御手段によって前記冷却液を前記廃熱回収装置側へ流すように操作され、これにより、廃熱エネルギーを回収する廃熱エネルギー回収工程と、を有することを特徴とする廃熱回収システムにおける廃熱回収方法。

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