JP2014051866A - 排水機能付鋼材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排水用部材3がその長手方向において、排水用部材3の上部に位置して、排水路4から地盤に排水する排水区間K1と、この排水区間K1の下方に位置して、地盤から排水路4に流入する流入区間K2とに分けられ、排水区間K1において、水溶性物質SBが充填されていない鋼材用栓6が開口部5に取り付けられ、流入区間K2において、水溶性物質SBが充填されている鋼材用栓16が開口部5に取り付けられているので、鋼材の地盤への打設時にはフィルター7が目詰まりし難く、液状化時には、間隙水を上部から確実に排出できる。
【選択図】図4
Description
例えば、地盤が液状化しないように地盤強度(密度)を増大させる締固め工法(サンドコンパクションパイル工法など)、薬液注入などによる地盤改良工法などが幅広く適用されている。
しかし、同工法では周辺地盤をかなり広い領域にわたって対策する必要があるため用地確保が必要なことや、確実に効果を発揮するためには構造物直下地盤を改良することが肝要である。既設構造物への適用を考えた場合、一旦構造物を撤去し、地盤を改良した後に再び構造物を設置するか、構造物周辺地盤から構造物直下地盤の改良を施す必要がある。しかし、施工スペースの制限や、低騒音・低振動施工が求められるなど適用の制限を受けることが考えられる。さらに、対策工法や地盤の改良範囲によっては多大な工期、工費が必要となり非合理的となることも考えられる。
特許文献1に記載の矢板は、矢板本体に該矢板本体の長手方向に沿った排水路を形成する排水用部材を設け、該排水用部材に多数の孔(開口部)を穿設し、軸方向に貫通孔を有し該貫通孔内にフィルターを設けてなる栓(鋼材用栓)を、前記排水用部材に穿設した前記各孔に設けたものである。
また、このような矢板を地盤に設置(打設)する場合に、貫通孔から微細な粘性土の粒子が侵入し、フィルターに付着すると、排水効果が低下し、所定の液状化抑止効果が期待し難い。これを防止するため、フィルターを有する栓の貫通孔に所定時間経過後に水に溶ける物質(水溶性物質)を予め充填している。
通常、排水用部材の上部は地下水面より上に設置し、地下水位面以下の液状化層の間隙水を排出する排出区間とするのがよい。
この排出区間には、地下水位が存在しないので、その部分に水溶性物質を充填したフィルターを有する鋼材用栓を設けても水溶性物質が溶け難く排水に支障をきたすという問題があった。
前記排水用部材がその長手方向において、前記排水用部材の上部に位置して、前記排水路から地盤に排水する排水区間と、この排水区間の下方に位置して、前記地盤から前記排水路に流入する流入区間とに分けられ、
前記排水区間において、水溶性物質が充填されていない鋼材用栓が前記開口部の少なくとも一部に取り付けられ、
前記流入区間において、水溶性物質が充填されている鋼材用栓が前記開口部の少なくとも一部に取り付けられていることを特徴とする。
したがって、液状化時には、間隙水を下部の流入区間から排水用部材内の排水路に流入させ、上部の排水区間から外部に効率的に排水できる。
前記排水区間において、水溶性物質が充填されていない前記鋼材用栓が前記開口部の全部または一部に取り付けられ、
前記流入区間において、水溶性物質が充填されている前記鋼材用栓が前記開口部の全部または一部に取り付けられているのが好ましい。
この場合、前記排水区間において、水溶性物質が充填されていない前記鋼材用栓が前記開口部の全部に取り付けられ、
前記流入区間において、水溶性物質が充填されている前記鋼材用栓が前記開口部の全部に取り付けられているのがさらに好ましい。
前記フィルター防護部材は、複数の防護部材通水孔を有し、
少なくとも当該防護部材通水孔に前記水溶性物質が充填されているのが好ましい。
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態の排水機能付鋼材の要部を示す断面図、図2は当該排水機能付鋼材に取り付けられる鋼材用栓を示すもので、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。
栓本体6aには、その軸方向(図1において左右方向)に貫通する貫通孔6dが形成されており、この貫通孔6dに前記フィルター防護部材8が設けられている。フィルター防護部材8は、フィルター7の損傷を防止するためのものであり、メッシュ状に配置された多数の防護部材通水孔8aを有しており、これによって通水性を有している。なお、このような防護部材通水孔8aは、縦横に格子状に配置された桟材8bによって形成された孔である。
このようなフィルター防護部材8は、標準的には、栓本体6aと樹脂の射出成形によって一体的に形成するのが効率的であるが、フィルター保護部材8を栓本体6aと接着により接合させる場合は、フィルター防護部材8はステンレス、チタンなどの金属製材料から製作したものを用いることもできる。
また、フィルター7は、ステンレス製のフィルターを用いてもよく、合成繊維製のものや合成樹脂製のものを用いてもよい。発錆の懸念があるときは、後者のフィルターの方が好ましく、例えばナイロン製、ポリエチレンモノフィラメント製、ポリエステル製などの経編布や、ポリプロピレン製、ポリエステル繊維製などの不織布などを用いることができる。また、合成繊維どうし、あるいは合成繊維と合成樹脂を組合わせたり、重ね合せたりして、フィルターとしてもよい。また、薄い合成繊維製フィルターを一重に設けてもよいし、このフィルターを二重に設けてもよい。
盤の土の粒径構成粒子が粗いなど特別な場合には、フィルター防護部材そのものにフィルター機能を持たせることもできる。こうした地盤を対象とする場合には、図1(水溶性物質SB充填タイプ)、図5(a)(水溶性物質SB無充填タイプ)における、フィルター7だけを除いた鋼材用栓でもって、排水機能付鋼材用の鋼材用栓とし、排水用部材3の区間ごとに適切な栓タイプを取り付けてもよい。
このような水溶性物質SBを防護部材通水孔8aに充填するには、例えば、栓本体6aを射出成形によって形成したうえで、フィルター7を取り付けた後、当該フィルター7の裏面側(フィルター補強部材10側)に防護部材通水孔8aを裏側から塞ぐ塞ぎ板を配置し、次に、フィルター防護部材8の表面側から水溶性物質SBを防護部材通水孔8aに充填すればよい。
また、図2(a)に示すように、栓離脱防止部6bは、栓本体6aの左端部に一体的に、円板状に形成されている。この円板状の栓離脱防止部6bの外周部には、斜めに傾斜する環状の傾斜面6gが形成されており、この傾斜面6gと円板状の栓離脱防止部6bの裏面とのなす角度をθとすると、θ≦60°に設定するのが好適である。
ここでθをこのように設定したのは、θが60°を超えると、鋼材2を地盤に施工(打設)する際に、栓離脱防止部6bが土砂の圧力によって捲れあがって鋼材2から外れ易くなるからである。また、θが小さい場合には、栓離脱防止部6bの外周先端部は薄くなり地盤との摩擦により破断しやすくなる。この場合は、先端部を面取りして破断を回避すればよい。
このようにスリット6sを形成することによって、栓離脱防止部6cは弾性的な縮径を効率的に可能とし、縮径した状態では、栓離脱防止部6cの直径は開口部5の直径以下となっている。
また、スリット6sの底部s1と辺部s2,s2とが滑らかに接続されているので、栓離脱防止部6cを弾性的に縮径させ、さらに弾性復帰によって元に戻るような場合においては、底部s1の端部から亀裂等が生じることを防止できる。
図3および図4は排水機能付鋼材を示すもので、図3(a)〜(d)は排水機能付鋼材の斜視図、図4(a)は排水機能付鋼材の正面図、図4(b)は図4(a)におけるA−A線断面図、図4(c)は排水機能付鋼材を地盤に設置した状態を模式的に示す図である。また、図4(d)、(e)は排水機能付鋼材の他の態様における断面を表し、それぞれ排水用部材断面が矩形、円形に閉断面で排水路を形成する例を示す図である。これらの排水用部材3が閉断面の場合では、排水用部材3は、鋼材2の長手方向全長にわたり接合されている必要はなく、鋼材2に一部だけ接合されていてもよい。なお、図4(e)は、図3(d)に示す排水機能付鋼材の断面図である。
また、排水用部材3が閉断面の場合には、前述したような鋼材用栓3を取り付けた排水用部材3そのものを、鋼材2に接合することなく単独で、一定の間隔で液状化地盤に打設することにより液状化対策用の排水機能付鋼材として供用することも可能である。
鋼材2はU形鋼矢板であり、ウェブ2aと、ウェブ2aの両側縁からそれぞれ互いに広がるように斜めに延出する一対のフランジ2bと、左右のフランジ2bの先端からウェブに設けられた継手2cとを備えている。
排水用部材3の材質は鋼製、ステンレス製などの金属製が好適であるが、地盤に打設し液状化対策などに供用されるものであるから、地盤の圧力によって損壊するなどしないよう必要な耐圧力、加工性、耐久性を有するなど条件を満たせば、樹脂製など他の材料であってもよい。
なお、排水用部材3は、横断面コ字形の場合、閉断面形状の場合であっても、ウェブ2aの幅方向中央部付近に取り付けるのが施工性などの観点から望ましい。
また、排水用部材3は、横断面コ字形、閉断面形状に限られるものではなく、板状のものを用いて、鋼材2のウェブおよびフランジを利用して、排水路4を確保する構造であってもよい。
このフィルター保護プレート12は、図3および図4(a)に示すように、矩形板状のものであり、その上面はフィルター7が設けられた鋼材用栓16の上面より突出している。これによって、排水機能付鋼材1の施工時に土砂が鋼材用栓16の上面に干渉するのを防止しており、これによって、フィルター7の損傷を防止している。
また、フィルター保護プレート12の幅は排水用部材3の幅以下となっている。
また、排水用部材3の上端部には、その上端開口を塞ぐ蓋部材11が取り付けられている(図3(a)〜(d)参照)。
排水区間K1においては、多数の開口部5が密に配置されており、流入区間K2においては、多数の開口部5が疎に配置されている。
すなわち、排水区間K1における単位長さあたり(排水用部材3の長手方向における単位長さあたり)の開口部5の開口面積が、流入区間K2における単位長さあたり(排水用部材3の長手方向における単位長さあたり)の開口部5の開口面積より大きくなっている。つまり、排水区間K1における単位長さあたりの複数の開口部5の開口面積の総和が、流入区間K2における単位長さあたりの複数の開口部5の開口面積の総和より大きくなっている。
また、排水区間K1における開口部5の総開口面積を、排水路4の通水断面積以上としておけば排水が円滑に行われ易い。このため、排水用部材3の上部の排水区間に、排水用部材3の側面にも開口部5を設けるなどして、排水区間の開口部5の開口面積の総和を増やすこともできる(図3(b)参照)。
ただし、排水機能付鋼材を設置する液状化地盤の性質などにより、排水用部材3の単位長さあたりの複数の開口部5の開口面積の総和は、流入区間と排水区間と同じであってもよい。
また、流入区間K2は、厳密には、排水用部材3の地下水位以下であるが、地下水位は時期により変動するので、地下水位の変動を想定して設定される。排水区間K1は想定地下水位より上方に位置する排水用部材3の区間に設定でき、あるいは砕石と排水用部材が重なり排水が容易となる区間として設定することもできる。
そのため、排水用部材3の上部は、図4(c)に示すように、間隙水が排出されやすいように、砕石(空隙率を確保できる単粒度砕石が望ましい)からなる通水性の良い単粒度砕石Sなどを設け排水用部材3に接触させるとよい。この排水区間K1は、雨水等が入るが地下水と常時接触していない。このため、その部分に水溶性物質SBが充填された鋼材用栓16を設けても水溶性物質SBの溶解速度は遅く水溶性物質SBが溶解していない場合には、液状化時に排水機能を果たせない。よって、水溶性物質SBが充填されていない前記鋼材用栓6を少なくとも一部の開口部5に取り付けるのが効率的である。
水溶性物質SBが充填されていない前記鋼材用栓6の他の取り付けとしては、砕石Sと接する排水用部材3の開口部全てに水溶性物質SBが充填されていない鋼材用栓6を設けるとともに、その直下の排水用部材の一定区間(地下水以上)にも水溶性物質SBが充填されていない鋼材用栓6を取り付けてもよい。このようにしておけば、供用中に砕石Sが沈下しても水溶性物質SBが充填されていない前記鋼材用栓6が砕石Sと接触することとなり、十分な排水が可能である点からも好適である。
なお、水溶性物質SBが充填されていない鋼材用栓6を取り付ける砕石S直下の区間は砕石Sの沈下、施工誤差、開口部5の総断面積等を考慮して設定しておけばよい。
なお、前記鋼材用栓6は、フィルター防護部材8に設けられた防護部材通水孔8aに水溶性物質SBが充填されていないものであり、その他の構成は前記鋼材用栓16と同一であるので、同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
また、排水区間K1は、地中から流入した水が十分に排水されるだけの開口面積が必要であり、その区間を網羅するように単粒度砕石Sを設置する必要がある。
この時、砕石を設置する費用を考えると、出来る限り単粒度砕石層の厚さを薄くする方が材料・施工面で経済性に優れる。それには、排水用部材上部の排水区間K1の開口部5の総面積をできるだけ大きく設定することが効果的である。
開口総面積を向上させる構造としては、個々の開口部5の断面積を大きくする方法や、開口部5の長手方向ピッチを狭くする方法、排水用部材3の断面が溝形状や矩形状の場合、ウェブ3aに加えてフランジ3bにも開口部を設ける方法等がある(図3(b)参照)。また、開口部5の形状は円形に限らず、楕円形、矩形、多角形のものなどその形状は限定されなく、鋼材用栓6、16は当該開口部5に嵌設できるのであればよい。
したがって、液状化時には、間隙水を下部の流入区間K2から排水用部材3内の排水路4に流入させ、上部の排水区間K1から外部に排水する機能を速やかに発揮できる。
さらに、排水区間K1における開口部5の総開口面積が、排水路4の通水断面積以上であるので、地盤から排水用部材3内に流入し、排水路4を通った水は排水区間K1から円滑に排水される。
このように、流入区間K2から排水用部材3内に流入し、排水路4を通った水を排水区間K1から十分に排水できるので、排水効果を十分に発揮できる。
また、排水用部材3の流入区間K2に存在する開口部5の少なくとも一部に鋼材用栓16が取り付けられており、この鋼材用栓16のフィルター防護部材8の防護部材通水孔8aに水溶性物質SBが充填されている。したがって、フィルター防護部材を有しない栓本体6aの貫通孔6dに水溶性物質SBを充填する場合に比して、水溶性物質SBの栓本体6aへの付着力が高まるとともに、当該水溶性物質SBがフィルター防護部材8によって保護されることになる。
したがって、排水機能付鋼材1を地盤に打設する際に、この水溶性物質SBはフィルター防護部材8の通水孔8aに存在することによって、フィルター7が削り取られるのを防止し、フィルター7の地盤側への露出を防止するので当該フィルター7への微細な粘性土の粒子の付着を防止できるとともに、フィルター防護部材8の通水孔8aに粘性土粒子の付着や砂の細粒分の固結状の詰りを防げる。このことにより、地盤の液状化時に、鋼材用栓16の通水性を損なわず地盤の間隙水が排水用部材3に円滑に流入するので、地盤の過剰間隙水圧の上昇を抑え液状化抑止機能が効果的に発揮される。
また、フィルター保護プレート12の幅が排水用部材3の幅以下としているので、ウォータジェットホースを引き抜く際にウォータジェットホースがフィルター保護プレート12の端部に接触するのを防止して、ウォータジェットホースの損傷をさらに防止できる。
図6は第2の実施の形態に係る排水機能付鋼材の要部を示す断面図である。
図6に示す排水機能付鋼材が、図1に示す排水機能付鋼材と異なる点は、栓本体6aの貫通孔6dにフィルター補強部材10を設けた点であり、その他の部分は図1に示す排水機能付鋼材と同一であるので、同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
フィルター補強部材10は、地盤側からフィルター7に土水圧が作用した際に、フィルター7が栓本体6aから剥がれたり、破損したりするのを防止するものであり、フィルター防護部材8より若干薄く形成されている。
補強部材通水孔10aは四角形状に形成されているが、この補強部材通水孔10aの形状は四角形に限るものでなく、円形、多角形やその他の形状に形成してもよい。また、補強部材通水孔10aの大きさ、形状、個数は前記防護部材通水孔8aの大きさ、形状、個数と等しくなっており、さらに補強部材通水孔10aが、防護部材通水孔8aと栓本体6aの軸方向において重なっている。つまり、多数の防護部材通水孔8aと多数の補強部材通水孔10aとは、栓本体6aの軸線視において一致して配置されている。
なお、このような防護部材通水孔8aと補強部材通水孔10aとは栓本体6aの軸線視において一致して配置されていなくても、防護部材通水孔8aが、補強部材通水孔10aの少なくとも一部と栓本体6aの軸方向において重なっていればよい。
以上は、フィルター防護部材8が栓本体6aと一体的に形成される例を示したが、フィルター補強部材10が栓本体6aと一体的に形成され、後からフィルター7、フィルター防護部材8を栓本体6aにその外周を溶着させて取り付けることもできる。
まず、図7(a−1)に示すように、フィルター防護部材8は、栓本体6aと一体的に射出成形によって形成されている。
また、栓本体6aの貫通孔6dの外周側には2つの段差部6e,6fが貫通孔6dの周方向に環状に形成されている。
このようにして、フィルター7をフィルター補強部材10とフィルター防護部材8とで挟んだ状態とすることによって、フィルター補強部材10による補強効果を確実に発揮させることができる。
また、段差部6eによってフィルター7の位置決めを確実に行え、段差部6fによってフィルター補強部材10の位置決めを確実に行える。
なお、図7(c−1)では、フィルター7とフィルター補強部材10との間には若干の隙間があるが、溶着時、段差部6fを溶融させるなどしてフィルター補強部材10をフィルター7に密接させるのが好ましい。
この取り付け方法では、栓本体6aの貫通孔6dの外周側には段差部がなく、貫通孔6dの周方向には、フィルター7とフィルター補強部材10を溶着させる面6gが環状に形成されている。
このようにして、フィルター7をフィルター補強部材10とフィルター防護部材8とで挟んだ状態とすることによって、フィルター補強部材10による補強効果を確実に発揮させることができる。
なお、図7(c−2)では、フィルター7は、フィルター防護部材8とフィルター補強部材10の両者に接触して配置されているので、フィルター7にどの方向から圧力がかかってこれらの両者によって補強される。また、フィルター7とフィルター補強部材10は、1回の熱溶着によってそれらの外周が栓本体6aに固定されるので合理的に加工できる。
図8は第3の実施の形態に係る排水機能付鋼材の要部を示す断面図である。
図8に示す排水機能付鋼材が図6に示す排水機能付鋼材と異なる点は、フィルター防護部材8の防護部材通水孔8aに加えて、フィルター補強部材10の補強部材通水孔10aにも水溶性物質SBを充填した点であり、その他の部分は図6に示す排水機能付鋼材と同一であるので、同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図9は第4の実施の形態に係る排水機能付鋼材の要部を示す断面図である。
図9に示す排水機能付鋼材が図1に示す排水機能付鋼材と異なる点は、フィルター防護部材8の防護部材通水孔8aおよびこの防護部材通水孔8aより前側(図9において左側)の貫通孔6dの部分に水溶性物質SBを充填した点と、フィルター補強部材の構成であり、その他の部分は図1に示す排水機能付鋼材と同一であるので、同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
このようにして、水溶性物質SBを充填することによって、貫通孔6dに、フィルター防護部材8の前方において水溶性物質SBがフィルター防護部材8に密着して充填されている。
さらに、防護部材通水孔8aは、補強部材通水孔20aの一部と栓本体6aの軸方向において重なっている。また、防護部材通水孔8aを形成する格子状の桟材8bの一部は、補強部材通水孔20aを形成する格子状の桟材20bの一部と栓本体6aの軸方向において重なっており、前記格子状の桟材8bの残りの一部は補強部材通水孔20aと栓本体6aの軸方向において重なっている。
このように、防護部材通水孔8aが、補強部材通水孔20aの一部と栓本体6aの軸方向において重なることによって、防護部材通水孔8aを通った水はフィルター7を通り、さらに補強部材通水孔20aをスムーズに通るようになっている。
図10は第5の実施の形態に係る排水機能付鋼材の要部を示す断面図である。
図10に示す排水機能付鋼材が図1に示す排水機能付鋼材と異なる点は、フィルター防護部材8の防護部材通水孔8aおよびこの防護部材通水孔8aより前側(図10において左側)の貫通孔6dの部分に水溶性物質SBを充填した点と、フィルター補強部材の構成及びフィルター補強部材通水孔20aに水溶性物質SBを充填した点であり、その他の部分は図1に示す排水機能付鋼材と同一であるので、同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
このようにして、水溶性物質SBを充填することによって、貫通孔6dに、フィルター防護部材8の前方において水溶性物質SBがフィルター防護部材8に密着して充填されるとともにフィルター7、フィルター補強部材20に充填されている。
さらに、防護部材通水孔8aは、補強部材通水孔20aの一部と栓本体6aの軸方向において重なっている。また、防護部材通水孔8aを形成する格子状の桟材8bの一部は、補強部材通水孔20aを形成する格子状の桟材20bの一部と栓本体6aの軸方向において重なっており、前記格子状の桟材8bの残りの一部は補強部材通水孔20aと栓本体6aの軸方向において重なっている。
このように、防護部材通水孔8aが、補強部材通水孔20aの一部と栓本体6aの軸方向において重なることによって、防護部材通水孔8aを通った水はフィルター7を通り、さらに補強部材通水孔20aをスムーズに通るようになっている。
2 鋼材
3 排水用部材
5 開口部
7 フィルター
6 鋼材用栓
6a 栓本体
6d 貫通孔
8 フィルター防護部材
8a 防護部材通水孔
10 フィルター補強部材
10a 補強部材通水孔
16,16a〜16d 鋼材用栓
K1 排水区間
K2 流入区間
Claims (4)
- 鋼材に、当該鋼材との間に排水路を形成する排水用部材が前記鋼材の長手方向に沿って設けられ、または閉断面を有し内部が排水路となる排水用部材が前記鋼材の長手方向に沿って少なくとも一部が当該鋼材に接合するように設けられ、
前記排水用部材に水を流通可能とする複数の開口部が設けられ、これら開口部に当該開口部から前記排水路への土砂の侵入を防ぐためのフィルターを有する鋼材用栓が設けられた排水機能付鋼材であって、
前記排水用部材がその長手方向において、前記排水用部材の上部に位置して、前記排水路から地盤に排水する排水区間と、この排水区間の下方に位置して、前記地盤から前記排水路に流入する流入区間とに分けられ、
前記排水区間において、水溶性物質が充填されていない鋼材用栓が前記開口部の少なくとも一部に取り付けられ、
前記流入区間において、水溶性物質が充填されている鋼材用栓が前記開口部の少なくとも一部に取り付けられていることを特徴とする排水機能付鋼材。 - 前記排水区間における単位長さあたりの前記開口部の開口面積が、前記地盤流入区間における単位長さあたりの前記開口部の開口面積より大きくなっており、
前記排水区間において、水溶性物質が充填されていない前記鋼材用栓が前記開口部の少なくとも一部に取り付けられ、
前記流入区間において、水溶性物質が充填されている前記鋼材用栓が前記開口部の少なくとも一部に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の排水機能付鋼材。 - 前記鋼材用栓は、軸方向に貫通する貫通孔を有する栓本体と、前記貫通孔に設けられた通水性を有するフィルターおよび通水性を有するフィルター防護部材を備え、
前記フィルター防護部材は、複数の防護部材通水孔を有し、
少なくとも当該防護部材通水孔に前記水溶性物質が充填されていることを特徴とする請求項1または2に記載の排水機能付鋼材。 - 前記栓本体の前記貫通孔に、フィルター補強部材が前記フィルターを挟んで前記フィルター防護部材と反対側に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の排水機能付鋼材。
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