JP5929652B2 - 排水機能付鋼材 - Google Patents
排水機能付鋼材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5929652B2 JP5929652B2 JP2012198971A JP2012198971A JP5929652B2 JP 5929652 B2 JP5929652 B2 JP 5929652B2 JP 2012198971 A JP2012198971 A JP 2012198971A JP 2012198971 A JP2012198971 A JP 2012198971A JP 5929652 B2 JP5929652 B2 JP 5929652B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filter
- drainage
- water
- steel material
- steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
- Foundations (AREA)
- Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)
Description
例えば、地盤が液状化しないように地盤強度(密度)を増大させる締固め工法(サンドコンパクションパイル工法など)、薬液注入などによる地盤改良工法などが幅広く適用されている。
しかし、同工法では周辺地盤をかなり広い領域にわたって対策する必要があるため用地確保が必要なことや、確実に効果を発揮するためには構造物直下地盤を改良することが肝要である。既設構造物への適用を考えた場合、一旦構造物を撤去し、地盤を改良した後に再び構造物を設置するか、構造物周辺地盤から構造物直下地盤の改良を施す必要がある。しかし、施工スペースの制限や、低騒音・低振動施工が求められるなど適用の制限を受けることが考えられる。さらに、対策工法や地盤の改良範囲によっては多大な工期、工費が必要となり非合理的となることも考えられる。
特許文献1に記載の発明は、矢板本体に該矢板本体の長手方向に沿った排水路を形成する排水用部材を1条または複数条、該矢板本体の所定区間に設け、該排水用部材に多数の孔(開口部)を穿設し、軸方向に貫通孔を有し該貫通孔内にフィルターを設けてなる栓(鋼材用栓)を、前記排水用部材に穿設した前記各孔に設けたことを特徴とする。
このような発明では、排水用部材を取り付けた矢板を打設するようにしているため施工時間の短縮が可能であり、効果的かつ経済的である。
なお、図12において、鋼材用栓6の左側が地盤側に向き、右側が排水用部材3の内側(排水路)に向いている。
前記排水用部材に水を流通可能とする複数の開口部が設けられ、これら開口部に当該開口部から前記排水路への土砂の侵入を防ぐためのフィルターを有する鋼材用栓が取り付けられた排水機能付鋼材であって、
前記鋼材用栓は、軸方向に貫通する貫通孔を有する栓本体と、当該貫通孔に設けられた通水性を有するフィルターと備え、
前記貫通孔に前記フィルターを挟んで通水性を有するフィルター防護部材と通水性を有するフィルター補強部材とが設けられていることを特徴とする。
前記フィルター補強部材の外周部が前記栓本体の貫通孔の内周部に接合されていることが好ましい。
ここで、水溶性物質とは、所定時間経過後(例えば3週間以内)に水に溶ける物質のことであり、例えば、水溶性ポリマーのメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの水との混合物、塩化ナトリウム系、あるいはポリビニルアルコール系の物質等が挙げられる。このような水溶性物質を用いることにより、前記効果が発揮されるが、それ以外でも、水溶性物質として所定時間以内(すなわち、排水機能付鋼材1の地盤打設後、工事が竣工するまでの時間以内。場合により1〜6ケ月くらい以内でもよい)に地下水に溶けるものなら特に限定されない。
前記防護部材通水孔は、前記補強部材通水孔の少なくとも一部と前記栓本体の軸方向において重なっているのが好ましい。
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態の排水機能付鋼材の要部を示す断面図、図2は当該排水機能付鋼材に取り付けられる鋼材用栓を示すもので、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。
栓本体6aには、その軸方向(図1において左右方向)に貫通する貫通孔6dが形成されており、この貫通孔6dに前記フィルター防護部材8が設けられている。フィルター防護部材8は、フィルター7の損傷を防止するためのものであり、メッシュ状に配置された多数の防護部材通水孔8aを有しており、これによって通水性を有している。なお、このような防護部材通水孔8aは、縦横に格子状に配置された桟材8bによって形成された孔である。
このようなフィルター防護部材8は、標準的には、栓本体6aと樹脂の射出成形によって一体的に形成するのが効率的であるが、フィルター保護部材8を栓本体6aと接着により接合させる場合は、フィルター防護部材8はステンレス、チタンなどの金属製材料から製作したものを用いることもできる。
また、フィルター7は、ステンレス製のフィルターを用いてもよく、合成繊維製のものや合成樹脂製のものを用いてもよい。発錆の懸念があるときは、後者のフィルターの方が好ましく、例えばナイロン製、ポリエチレンモノフィラメント製、ポリエステル製などの経編布や、ポリプロピレン製、ポリエステル繊維製などの不織布などを用いることができる。また、合成繊維どうし、あるいは合成繊維と合成樹脂を組合わせたり、重ね合せたりして、フィルターとしてもよい。また、薄い合成繊維製フィルターを一重に設けてもよいし、このフィルターを二重に設けてもよい。
フィルター補強部材10は、地盤側からフィルター7に土水圧が作用した際に、フィルター7が栓本体6aから剥がれたり、破損したりするのを防止するものであり、その厚さは標準的にはフィルター防護部材8と同じか薄く形成されているが、フィルター補強部材10の桟材10bの数などを考慮してフィルター防護部材8より厚く形成されてもよい。
補強部材通水孔10aは四角形状に形成されているが、この補強部材通水孔10aの形状は四角形に限るものでなく、円形、多角形、またはその他の形状などに形成してもよい。また、補強部材通水孔10aの大きさ、形状、個数は前記防護部材通水孔8aの大きさ、形状、個数と等しくなっており、さらに補強部材通水孔10aが、防護部材通水孔8aと栓本体6aの軸方向において重なっている。つまり、多数の防護部材通水孔8aと多数の補強部材通水孔10aとは、栓本体6aの軸線視において一致して配置されている。
なお、このような防護部材通水孔8aと補強部材通水孔10aとは栓本体6aの軸線視において一致して配置されていなくても、防護部材通水孔8aが、補強部材通水孔10aの少なくとも一部と栓本体6aの軸方向において重なっていればよい。
まず、図3(a−1)に示すように、フィルター防護部材8は、栓本体6aと一体的に射出成形によって形成されている。
また、栓本体6aの貫通孔6dの外周側には2つの段差部6e,6fが貫通孔6dの周方向に環状に形成されている。
このようにして、フィルター7をフィルター補強部材10とフィルター防護部材8とで挟んだ状態とすることによって、フィルター補強部材10による補強効果を確実に発揮させることができる。
また、段差部6eによってフィルター7の位置決めを確実に行え、段差部6fによってフィルター補強部材10の位置決めを確実に行える。
なお、図3(c−1)では、フィルター7とフィルター補強部材10との間には若干の隙間があるが、溶着時、段差部6fを溶融させるなどしてフィルター補強部材10をフィルター7に密接させるのが好ましい。
このようにして、フィルター7をフィルター補強部材10とフィルター防護部材8とで挟んだ状態とすることによって、フィルター補強部材10による補強効果を確実に発揮させることができる。
なお、図3(c−2)では、フィルター7は、フィルター防護部材8とフィルター補強部材10の両者に接触して配置されているので、フィルター7にどの方向から圧力がかかろうともこれらの両者によって補強される。また、フィルター7とフィルター補強部材10は、1回の熱溶着によってそれらの外周が栓本体6aに固定されるので合理的に加工できる。
また、図2(a)に示すように、栓離脱防止部6bは、栓本体6aの左端部に一体的に、円板状に形成されている。この円板状の栓離脱防止部6bの外周部には、斜めに傾斜する環状の傾斜面6gが形成されており、この傾斜面6gと円板状の栓離脱防止部6bの裏面とのなす角度をθとすると、θ≦60°に設定されている。
ここでθをこのように設定したのは、θが60°を超えると、鋼材2を地盤に施工(打設)する際に、栓離脱防止部6bが土砂の圧力によって捲れあがって鋼材2から外れ易くなるからである。また、θが小さい場合には、栓離脱防止部6bの外周先端部は薄くなり地盤との摩擦により破断しやすくなる。この場合は、先端部を面取りして破断を回避すればよい。
このようにスリット6sを形成することによって、栓離脱防止部6cは弾性的なに縮径を効率的に可能とし、縮径した状態では、栓離脱防止部6cの直径は開口部5の直径以下となっている。
また、スリット6sの底部s1と辺部s2,s2とが滑らかに接続されているので、栓離脱防止部6cを弾性的に縮径させ、さらに弾性復帰によって元に戻るような場合においては、底部s1の端部から亀裂等が生じることを防止できる。
以上、フィルター防護部材8が栓本体6aと一体的に形成される例を示したが、フィルター補強部材10が栓本体6aと一体的に形成され、後からフィルター7、フィルター防護部材8を栓本体6aにその外周を溶着させて取り付けることもできる。
図4および図5は排水機能付鋼材を示すもので、図4の各図は排水機能付鋼材1の斜視図、図5(a)は排水機能付鋼材の正面図、図5(b)は図5(a)におけるA−A線断面図、図5(c)は排水機能付鋼材を地盤に設置した状態を模式的に示す図である。また、図5(d)、(e)は排水機能付鋼材の他の態様における断面を表し、それぞれ排水用部材断面が矩形、円形に閉断面で排水路を形成する例を示す図である。これらの排水用部材3が閉断面の場合では、排水用部材3は、鋼材2の長手方向全長にわたり接合されている必要はなく、鋼材2に一部だけ接合されていてもよい。なお、図4(e)は、図3(d)に示す排水機能付鋼材の断面図である。
また、排水用部材3が閉断面の場合には、前述したような鋼材用栓3を取り付けた排水用部材3そのものを、鋼材2に接合することなく単独で、一定の間隔で液状化地盤に打設することにより液状化対策用の排水機能付鋼材として供用することも可能である。
鋼材2はU形鋼矢板であり、ウェブ2aと、ウェブ2aの両側縁からそれぞれ互いに広がるように斜めに延出する一対のフランジ2bと、左右のフランジ2bの先端に設けられた継手2cとを備えている。
また、図5(d)、(e)に示すように排水用部材3は、横断面コの字状に限ったものでなく、角形や円形のように閉断面形状のものでもよく、この場合は鋼材2の所定区間に少なくとも排水用部材3の一部で接合されていればよい。排水用部材3が鋼材2に例えば下方の一部でも接合されていれば、圧入機での地盤への打設の場合や、バイブロハンマーでの打設時、排水用部材の上部に矩形板を取り付けてそれをバイブロハンマーの把持装置で鋼材本体2を同時に把持する施工方法の場合、鋼材2と排水用部材3は同時に地盤に打設されることになり機能を発揮できる。
排水用部材3の材質は鋼製、ステンレス製などの金属製が好適であるが、地盤に打設し液状化対策などに供用されるものであるから、地盤の圧力によって損壊するなどしないよう必要な耐圧力、加工性、耐久性を有するなど条件を満たせば、樹脂製など他の材料であってもよい。
なお、排水用部材3は、横断面コ字形の場合、閉断面形状の場合であっても、ウェブ2aの幅方向中央部付近に取り付けるのが施工性などの観点から望ましい。
また、排水用部材3は、横断面コ字形、閉断面形状に限られるものではなく、板状のものを用いて、鋼材2のウェブおよびフランジを利用して、排水路4を確保する構造であってもよい。
このフィルター保護プレート12は、図4および図5(a)に示すように、矩形板状のものであり、その上面はフィルター7が設けられた鋼材用栓16の上面より突出している。これによって、排水機能付鋼材1の施工時に土砂が鋼材用栓16の上面に干渉するのを防止しており、これによって、フィルター7の損傷を防止している。
また、フィルター保護プレート12の幅は排水用部材3の幅以下となっている。
また、排水用部材3の上端部には、その上端開口を塞ぐ蓋部材11が取り付けられている(図4(a)〜(d)参照)。
排水区間K1においては、多数の開口部5が密に配置されており、流入区間K2においては、多数の開口部5が疎に配置されている。
すなわち、排水区間K1における単位長さあたり(排水用部材3の長手方向における単位長さあたり)の開口部5の開口面積が、流入区間K2における単位長さあたり(排水用部材3の長手方向における単位長さあたり)の開口部5の開口面積より大きくなっている。つまり、排水区間K1における単位長さあたりの複数の開口部5の開口面積の総和が、流入区間K2における単位長さあたりの複数の開口部5の開口面積の総和より大きくなっている。
また、排水区間K1における開口部5の総開口面積は、排水路4の通水断面積以上としておけば排水が円滑に行われ易い。このため、排水用部材3の上部の排水区間に、排水用部材3の側面にも開口部5を設けるなどして、排水区間の開口部5の開口面積の総和を増やすこともできる(図3(b)参照)。
ただし、排水機能付鋼材を設置する液状化地盤の性質などにより、排水用部材3の単位長さあたりの複数の開口部5の開口面積の総和は、流入区間と排水区間と同じであってもよい。
また、流入区間K2は、厳密には、排水用部材3の地下水位以下であるが、地下水位は時期により変動するので、地下水位の変動を想定して設定される。排水区間K1は想定地下水位より上方に位置する排水用部材3の区間に設定でき、あるいは砕石と排水用部材が重なり排水が容易となる区間として設定することもできる。すなわち、排水用部材の排水区間K1は必ずしも単粒度砕石Sと当該排水用部材が重なる区間に限られず、場合によっては図5(c)に示したK2区間上部の地下水位以上も液状化時地盤間隙水の流入がなく、排水用部材内の水も部分的に排水される可能性があるので、広い意味で、地下水位以上を排水区間K1に含めることもできる。
なお、排水区間K1および流入区間K2のいずれにおいても、排水用部材3の正面側の開口部5は排水用部材3の長手方向(図4(a)において上下方向)に沿って、かつ横方向に2列平行に配置された場合を例に示した。しかし、排水用部材3の開口部5はこうした2列配置に限らず、鋼材用栓16が大きい場合など長手方向に沿って、横方向に単列に配置されていてもよい(図3(c)参照)。また、開口部5は排水用部材3の正面部分だけでなく側面部分に配置されていてもよい(図3(b)参照)。さらには、排水用部材3が円形の閉断面を有し排水用部材3上に開口部5が配置されていてもよい(図3(d)参照)。
この時、砕石を設置する費用を考えると、出来る限り単粒度砕石Sの厚さを薄くする方が材料・施工面で経済性に優れる。それには、排水用部材上部の排水区間K1の開口部5の総面積をできるだけ大きく設定することが効果的である。
開口総面積を向上させる構造としては、個々の開口部5の断面積を大きくする方法や、開口部の長手方向ピッチを狭くする方法、排水用部材3のウェブ3aに加えてフランジ3bにも開口部を設ける方法等がある(図4(b))。また、開口部は円形や楕円形、矩形のものなど開口部の形状は限定されない。開口部が円形以外の場合、鋼材用栓3の形状も開口部の形状に応じて、開口部に鋼材用栓を嵌設できるものに仕様調整すればよい。
また、栓本体6aとフィルター防護部材8とが一体的に形成されているので、フィルター防護部材8を栓本体6aとともに同時に形成でき、その後、栓本体6aの貫通孔6dの内周部にフィルター補強部材10の外周部を接合することによって、容易に、フィルター7をフィルター防護部材8とフィルター補強部材10とによって挟んで設けることができる。
さらに、排水区間K1における開口部5の総開口面積が、排水路4の通水断面積以上であるので、地盤から排水用部材3内に流入し、排水路4を通った水は排水区間K1から十分に排水される。
このように、流入区間K2から排水用部材3内に流入し、排水路4を通った水を排水区間K1から十分に排水できるので、排水効果を十分に発揮できる。
また、フィルター保護プレート12の幅が排水用部材3の幅以下と狭くなっているので、ウォータジェットホースを引き抜く際にウォータジェットホースがフィルター保護プレート12の端部に接触するのを防止して、ウォータジェットホースの損傷をさらに防止できる。
図6は第2の実施の形態に係る排水機能付鋼材の要部を示す断面図、図7は当該排水機能付鋼材に取り付けられる鋼材用栓を示すもので、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。
図6に示す排水機能付鋼材が図1に示す排水機能付鋼材と異なる点は、排水機能付鋼材に取り付ける鋼材用栓のフィルター補強部材の構成であり、その他の部分は図1に示すものと同一であるので、同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
さらに、防護部材通水孔8aは、補強部材通水孔20aの一部と栓本体6aの軸方向において重なっている。また、防護部材通水孔8aを形成する格子状の桟材8bの一部は、補強部材通水孔20aを形成する格子状の桟材20bの一部と栓本体6aの軸方向において重なっており、前記格子状の桟材8bの残りの一部は補強部材通水孔20aと栓本体6aの軸方向において重なっている。
このように、防護部材通水孔8aが、補強部材通水孔20aの一部と栓本体6aの軸方向において重なることによって、防護部材通水孔8aを通った水はフィルター7を通り、さらに補強部材通水孔20aをスムーズに通るようになっている。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる他、フィルター補強部材20の補強部材通水孔20aが大きいので、通水性がよくなるとともに、材料費を軽減できるという利点がある。
図8は第3の実施の形態に係る排水機能付鋼材の要部を示す断面図である。
この図に示す排水機能付鋼材が図1に示す排水機能付鋼材と異なる点は排水機能付鋼材に取り付ける鋼材用栓16bのフィルター防護部材8の防護部材通水孔8aに水溶性物質を充填した点であり、その他の部分は図1に示すものと同一であるので、同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
水溶性物質SBは、所定時間経過後(例えば3週間以内)に水に溶ける物質であればよく、例えば、水溶性ポリマーのメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの水との混合物、塩化ナトリウム系、あるいはポリビニルアルコール系の物質等が挙げられる。このような物質を用いることにより、前記効果が発揮されるが、それ以外でも、水溶性物質として所定時間以内(すなわち、排水機能付鋼材1の地盤打設後、工事が竣工するまでの時間以内。場合により1〜6ケ月くらい以内でもよい)に地下水に溶けるものなら特に限定されない。
このような水溶性物質SBを防護部材通水孔8aに充填するには、例えば、栓本体6aを射出成形によって形成したうえで、フィルター7を取り付けた後、当該フィルター7の裏面側(フィルター補強部材10側)に防護部材通水孔8aを裏側から塞ぐ塞ぎ板を配置し、次に、フィルター防護部材8の表面側から水溶性物質SBを防護部材通水孔8aおよびフィルター7に充填すればよい。
すなわち、鋼材2の排水用部材3は液状化層に設置され液状化時、排水用部材3内に地盤の間隙水が流入することにより地中の間隙水圧の上昇を抑止するが、排水用部材3に入った間隙水は排水用部材3の上部から、排水用部材3外へ流出させる必要がある。通常、排水用部材3の上部は、地下水面より上に設置し、地下水位面以下の液状化層の間隙水を排出する区間とするのがよい。排水用部材3の上部すなわち排水区間K1においては、雨水等の浸入は期待できるが地下水は存在しないので、その部分に水溶性物質を充填した鋼材用栓16bを設けても水溶性物質SBが溶けるのに時間がかかることになる。
そのため、間隙水を排出する排水区間K1には、水溶性物質を充填しない前記鋼材用栓16または鋼材用栓16aを取り付け、それ以下の流入区間K2には、水溶性物質SBを充填した鋼材用栓16bを取り付けることによって、鋼材2の地盤への打設時にはフィルター7は目詰まりし難く、間隙水が上部の排水区間K1から早期に排出されるようにすることができる。ただし、排水用部材3への栓の取り付け作業の簡易化という点からは、排水用部材3の開口部5のすべてに同仕様の鋼材用栓16b(後述する16c、16dでもよい)を取り付けることもできる。この場合、充填した水溶性物質の水溶解速度を極端に遅くならないように調整すれば、排水区間K1においても雨水等の浸入や空気中の湿度分によって鋼材用栓16bの水溶性物質が溶解していくので、排水用部材3は所定の機能を発揮することになる。
図9は第4の実施の形態に係る排水機能付鋼材の要部を示す断面図である。
この図に示す排水機能付鋼材が図8に示す排水機能付鋼材と異なる点は、排水機能付鋼材に取り付ける鋼材用栓16cの補強部材通水孔10aにも水溶性物質SBを充填した点であり、その他の部分は図8に示すものと同一であるので、同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
鋼材用栓16cは、前記第3の実施の形態と同様に効果を得ることができる。
図10は第5の実施の形態に係る鋼材用栓を示すもので、当該鋼材用栓を排水用部材に取り付けた状態を示す断面図である。
この図に示す鋼材用栓16dが、図6に示す鋼材用栓16aと異なる点は、フィルター補強部材20の補強部材通水孔20a、フィルター7、フィルター防護部材8の防護部材通水孔8aおよびこの防護部材通水孔8aより前側(図10において左側)の貫通孔6dの部分に水溶性物質SBを充填した点であり、その他の部分は鋼材用栓16aと同一であるので、同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
したがって、前記第3〜第5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記では鋼材用栓が円形状の場合を示したが、この栓の形状は円形に限るものでなく、例えば矩形、四角形など多角形であっても前記の鋼材用栓16b、16c、16dと同様の構造、製品仕様とすれば同様の効果が得られる。ただし、この場合は、鋼材用栓が開口部5に嵌設できるよう、当該開口部5の形状は鋼材用栓の形状に応じたものとする必要がある。
また、鋼材としても、U形鋼矢板に限ることなく、ハットU形矢板、Jパイル(近接土留め用鋼材)、直線形鋼矢板、Z形鋼矢板、鋼管矢板、鋼管杭、SC杭、H形鋼、さらにはこれら組み合わせた鋼材であってもよい。
2 鋼材
3 排水用部材
5 開口部
6a 栓本体
6d 貫通孔
7 フィルター
8 フィルター防護部材
8a 防護部材通水孔
10a 補強部材通水孔
10 フィルター補強部材
16,16a〜16d 鋼材用栓
K1 排水区間
K2 流入区間
Claims (3)
- 鋼材に、当該鋼材との間に排水路を形成する排水用部材が前記鋼材の長手方向に沿って設けられ、または閉断面を有し内部が排水路となる排水用部材が前記鋼材の長手方向に沿って少なくとも一部が当該鋼材に接合するように設けられ、
前記排水用部材に水を流通可能とする複数の開口部が設けられ、これら開口部に当該開口部から前記排水路への土砂の侵入を防ぐためのフィルターを有する鋼材用栓が取り付けられた排水機能付鋼材であって、
前記鋼材用栓は、軸方向に貫通する貫通孔を有する栓本体と、当該貫通孔に設けられた通水性を有するフィルターと備え、
前記貫通孔に前記フィルターを挟んで通水性を有するフィルター防護部材と通水性を有するフィルター補強部材とが設けられ、
前記栓本体と前記フィルター防護部材とは一体的に形成され、
前記フィルター防護部材の外周部に形成された環状部に、前記フィルターの外周部が当接されており、
前記環状部に前記フィルターの外周部を挟んで前記フィルター補強部材の外周部が当接されており、
前記フィルター補強材は、その外周部が前記環状部に前記フィルターの外周部とともに熱溶着された状態となっており、
前記フィルター防護部材は複数の防護部材通水孔を有し、
前記フィルター補強部材は複数の補強部材通水孔を有し、
前記補強部材通水孔は、前記防護部材通水孔より大きくかつ個数が少なくなっていることを特徴とする排水機能付鋼材。 - 鋼材に、当該鋼材との間に排水路を形成する排水用部材が前記鋼材の長手方向に沿って設けられ、または閉断面を有し内部が排水路となる排水用部材が前記鋼材の長手方向に沿って少なくとも一部が当該鋼材に接合するように設けられ、
前記排水用部材に水を流通可能とする複数の開口部が設けられ、これら開口部に当該開口部から前記排水路への土砂の侵入を防ぐためのフィルターを有する鋼材用栓が取り付けられた排水機能付鋼材であって、
前記鋼材用栓は、軸方向に貫通する貫通孔を有する栓本体と、当該貫通孔に設けられた通水性を有するフィルターと備え、
前記貫通孔に前記フィルターを挟んで通水性を有するフィルター防護部材と通水性を有するフィルター補強部材とが設けられ、
前記栓本体と前記フィルター防護部材とは一体的に形成され、
前記栓本体の前記貫通孔の外周側に当該貫通孔の軸方向に隣り合う2つの段差部が前記貫通孔の周方向に環状に形成され、
一方の前記段差部に当接された前記フィルターの外周部が当該段差部に熱溶着されており、
他方の前記段差部に当接された前記フィルター補強部材の外周部が当該段差部に熱溶着されていることを特徴とする排水機能付鋼材。 - 前記フィルター防護部材は複数の防護部材通水孔を有し、少なくとも当該防護部材通水孔に水溶性物質が充填されていることを特徴とする請求項1または2に記載の排水機能付鋼材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012198971A JP5929652B2 (ja) | 2012-09-10 | 2012-09-10 | 排水機能付鋼材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012198971A JP5929652B2 (ja) | 2012-09-10 | 2012-09-10 | 排水機能付鋼材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014051867A JP2014051867A (ja) | 2014-03-20 |
JP5929652B2 true JP5929652B2 (ja) | 2016-06-08 |
Family
ID=50610574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012198971A Expired - Fee Related JP5929652B2 (ja) | 2012-09-10 | 2012-09-10 | 排水機能付鋼材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5929652B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2833036B2 (ja) * | 1988-11-11 | 1998-12-09 | 住友金属工業株式会社 | 排水機能付矢板および該矢板用フィルターの装着方法 |
JP2738122B2 (ja) * | 1990-03-30 | 1998-04-08 | 住友金属工業株式会社 | 液状化抑止杭および矢板 |
JP2789783B2 (ja) * | 1990-05-18 | 1998-08-20 | 住友金属工業株式会社 | 液状化対策管、その製作方法、および液状化対策管の栓 |
JP2780438B2 (ja) * | 1990-05-18 | 1998-07-30 | 住友金属工業株式会社 | 構造物の耐震補強構造 |
JP2890869B2 (ja) * | 1991-03-19 | 1999-05-17 | 住友金属工業株式会社 | 排水機能付矢板、その製作方法、および栓 |
-
2012
- 2012-09-10 JP JP2012198971A patent/JP5929652B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014051867A (ja) | 2014-03-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20110044759A1 (en) | Erosion control ballast and soil confinement mat | |
KR102162206B1 (ko) | 식생블록 시공용 결속배수판조립체 | |
JP5527173B2 (ja) | 通水性鋼矢板とそれを用いた通水性鋼製壁 | |
JP2009209571A (ja) | 導水材および導水材の設置方法 | |
JP2780438B2 (ja) | 構造物の耐震補強構造 | |
JP2890869B2 (ja) | 排水機能付矢板、その製作方法、および栓 | |
JP3031336B2 (ja) | 排水機能付矢板、該矢板用フィルターの装着方法および排水用部材 | |
JP5782734B2 (ja) | 液状化対策を施した壁体および液状化抑止機能を有する鋼矢板 | |
KR100789976B1 (ko) | 연속배수공간이 구비된 드레인 보드를 이용한 연약지반배수방법 | |
JP5929653B2 (ja) | 通水用栓 | |
JP5929652B2 (ja) | 排水機能付鋼材 | |
JP5929651B2 (ja) | 排水機能付鋼材 | |
JP2833036B2 (ja) | 排水機能付矢板および該矢板用フィルターの装着方法 | |
JP2001214698A (ja) | 防水シート材 | |
JP5974744B2 (ja) | 通水用栓 | |
JP5976050B2 (ja) | 盛土用の排水パイプ | |
JP2789803B2 (ja) | 液状化抑止杭および液状化抑止杭の栓 | |
JP5387488B2 (ja) | 排水機能付き地盤打込み部材及びその施工方法、地中壁及び栓保護部材 | |
JP5782713B2 (ja) | 排水機能付き矢板および矢板壁 | |
JP7287868B2 (ja) | 防草シートの敷設構造 | |
JP4636478B2 (ja) | 液状化防止構造 | |
JP5683040B2 (ja) | 埋設構造物の周辺地盤の液状化に伴う影響対策材およびその施工方法 | |
JP2789783B2 (ja) | 液状化対策管、その製作方法、および液状化対策管の栓 | |
JP5855877B2 (ja) | 水抜き管のフィルタ手段及び水抜き管に対するフィルタ手段の装着方法 | |
JP2020180458A (ja) | 地盤の液状化抑制構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140811 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150430 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150526 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150722 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151013 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151116 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160405 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160418 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5929652 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |