JP2014051594A - 電磁波吸収用粉体、および電磁波吸収用紛体とセラミックスとの複合体の製造方法 - Google Patents

電磁波吸収用粉体、および電磁波吸収用紛体とセラミックスとの複合体の製造方法 Download PDF

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孝 白井
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彰 野々山
Masatada Fuji
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Abstract

【課題】量産性を高めつつ、均質な導電パスを有し、良好な導電性を示すセラミックス・カーボン複合体を製造する方法を提供することである。
【解決手段】セラミックス粉体、水溶性モノマー、架橋剤、および分散剤により水系スラリーを調整し、界面活性剤、重合開始剤、油相と前記水系スラリーとを減圧下で撹拌することによりW/O型エマルションを作製し、このエマルションにマイクロ波を照射して懸濁重合させることにより、ポリマーネットワークを有する顆粒を得る。得られたポリマーネットワークを有する顆粒は、不活性雰囲気下で焼成され、カーボンネットワークを有する顆粒となる。また、ポリマーネットワークを有する顆粒の加圧成形を行い、不活性雰囲気で焼成することにより、カーボンネットワークにより導電性を有するセラミックスとカーボンとの複合体が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波を吸収するカーボン紛体、およびセラミックスとカーボンとの複合体に関する。
複合材料とは、2種以上の素材を組み合わせて個々の素材より優れた性質を持たせることを目的とした材料である。複合化により、材料特性の高機能化、多機能化を果たし、従来の単体の材料とは異なる用途への適応、高耐用性の実現を目的とする。
主な複合化の形態としては、マトリクス材料中に粒子や繊維状のフィラーを混合したものが挙げられる。セラミックスをマトリクスとした複合材料においては、セラミックスの欠点とされる脆性の改善、さらには電気的あるいは熱的な機能の付与・向上に関する研究が多く行われている。
セラミックスに導電性を持たせるためにフィラーを添加する場合、フィラーの充填量がある一定量に達した時点で急激に導電性が向上することが知られている。これは、充填量の増加によりフィラー同士が接触することで導電パスが形成され、フィラーの導電性が支配的となるためである。このような現象はパーコレーション理論によって説明がなされている。
一般的なパーコレーション理論では、一定の間隔で区切られた均一な空間に、ある濃度で物質が存在している場合を仮定する。隣り合う空間に存在する物質の集団をクラスターといい、クラスター同士が連続して上下左右の空間の端面まで存在している場合、クラスターが系をパーコレートしているという。パーコレートするようなクラスターが現れることを臨界現象と呼び、そのときの物質濃度がしきい値となる。大きさや確率を考慮せず、単純に仕切られた空間にランダムに物質が存在する場合、二次元の空間では35〜60%が、三次元空間では10〜30%がしきい値となる。つまり、電気伝導や熱伝導のパスを形成させるためには、このようなしきい値を超える量のフィラーの成分が必要となる。
ただし、これらのしきい値は似成分の形状が同じで、相互作用などによらず、ランダムに存在している場合のものであり、実際の系ではフィラーの異方性やサイズによって大きく異なる。大きな比表面積やアスペクト比はパーコレーションに対して有利に働き、しきい値を下げることができるため、ナノサイズのフィラーを用いた系が多く研究されている。
セラミックスからなるマトリクスとカーボン(炭素)とを複合化するために、フィラーとしては、耐熱性、耐食性、熱伝導性、耐熱衝撃性、および電気伝導率などの高い特性、さらにサイズおよび異方性に基づくパーコレーションへの優位性から、カーボンナノチューブやグラフェンシートなどのナノカーボン材料が多く用いられる。しかし、ナノカーボンフィラーを用いる場合、カーボンの持つ疎水性とナノサイズによる高い凝集性が問題となり、均一な複合状態を得ることが難しい。ナノカーボン表面に官能基を導入することで均一な複合状態を得る手法が検討されているが、官能基の導入は炭素の6員環構造に欠陥を導入するため、機械的および電気的特性を低下させることが知られている。
本発明者らは、モノマーと架橋剤とセラミックス粉体とを含む水系スラリーを用いたゲルキャスティング法によってポリマーネットワークを有するセラミックスの成形体を作製し、成形体を還元焼成することで導電性を有するセラミックスとカーボンとの複合体を製造することに成功している。しかしながら、ゲルキャスティング法による成形体の作製には、複雑な工程を有し、乾燥工程に時間がかかるため、量産性がやや低いという問題点があった。
そこで、セラミックススラリーと分散媒である油相を乳化させ、W/O型エマルションを作製し、ウォーターバス等によって加熱することで、エマルションの水相中のモノマーを重合させ、水滴を顆粒として取り出し、加圧成形法を用いることで導電性セラミックス・カーボン複合体の量産性を向上させることを試みた。ところが、ウォーターバスによる加熱では、水相への熱の伝わりに不均一が生じ、重合の際の反応が進みにくいという問題点があった。(特許文献1、非特許文献1および非特許文献2参照)。
特許公開 2012−52026
日本セラミックス協会年会講演予稿集 巻:2012 頁:265懸濁重合法で作製した顆粒を用いた導電性セラミックスの作製とその特性 セラミックス基盤工学研究センター年報 (2010)Vol.10 頁21−27 ナノカーボン系セラミックス複合材料の研究動向と新規製造プロセスの開発
合成反応や分解反応等の化学反応系にマイクロ波を照射することによって化学反応が促進され、反応速度を高められることが報告されている。エマルションのような複数の相が存在する系にマイクロ波を照射する場合には、物質の誘電損失角の違いにより、マイクロ波吸収による加熱のされやすさが異なる。これをマイクロ波による選択的加熱と呼ぶ。W/O型エマルションの懸濁重合の際にマイクロ波加熱を用いることで水相が選択的に加熱され、重合反応が促進されると考えられる。
本発明の課題は、量産性を高めつつ、均質な導電パスを有し、良好な導電性を示すセラミックス・カーボン複合体を作製することである。懸濁重合法にマイクロ波を導入することよって、ポリマーネットワークを有する顆粒体を効率的に作製し、カーボンネットワークを有する顆粒、および加圧成形による導電性セラミックス・カーボン複合体を得ることである。
本発明によれば、セラミックス粉体、水溶性モノマー、架橋剤、および分散剤により水系スラリーを調整し、界面活性剤、重合開始剤、油相と前記水系スラリーとを減圧下で撹拌することによりW/O型エマルションを作製する。このエマルションにマイクロ波を照射して懸濁重合させることにより、ポリマーネットワークを有する顆粒が得られる。得られたポリマーネットワークを有するセラミックス顆粒は、加圧成形後に不活性雰囲気下で焼成されると、カーボンネットワークを有する顆粒となる。すなわち、カーボンネットワークにより導電性を有するセラミックスとの複合体が得られる。すなわち、本発明によれば、以下の製造方法が提供される。
[1]重合体としてメタクリルアミド系モノマー、架橋剤としてN,N‘−メチレンビスアクリルアミドを用いた懸濁重合法により作製されるポリマーネットワークを有する顆粒体の製造方法。
[2]スラリーと油相とをノニオン性界面活性剤を用いて乳化させることにより、W/O型エマルションを作製し、水相中のモノマーを重合させることによって得られる前記[1]に記載の顆粒体の製造方法。
[3] 前記重合の際にマイクロ波を照射することによって、重合反応を促進させる前記[2]に記載の顆粒体の製造方法。
[4]前記ポリマーネットワークを有する顆粒を不活性雰囲気中で焼成することにより、ポリマーを炭化させたカーボンネットワークを有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の顆粒体の製造方法。
[5]前記ポリマーネットワークを有する顆粒体を、加圧成形したのち不活性雰囲気で焼成するセラミックスとカーボンとの複合体の製造方法。
本発明によれば、成形体の作製に加圧成形を用いることで導電性セラミックス・カーボン複合体の量産性が向上し、また懸濁重合の際にマイクロ波を用いることで重合が促進され、良好な導電性を有する電磁波吸収用紛体およびセラミックスとカーボンとの複合体を作製できる。
本発明の実施例1および実施例2に係り、ポリマーを有する顆粒および複合成形体をアルゴン雰囲気中で焼成する焼成プログラムを示す。 本発明の実施例1に係り、アルミナとカーボンとの複合体をダイヤモンドカッターで切断し、四端子法による導電率測定およびラマン分光分析法に供する試料の得る方法を示す。 カーボンネットワークを有するセラミックス紛体のみの導電率評価のための試料作製方法と測定治具を示す。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明は、セラミックス粉体とモノマーを含むスラリーを調整するスラリー調整工程と、スラリーと油相を乳化させ、W/O型エマルションを作製する乳化工程と、マイクロ波加熱による懸濁重合を行う重合工程と、顆粒を加圧成形によって成形を行う成形工程と、成形体を焼成する焼成工程に分けることができる。
まずスラリー調整工程について説明する。懸濁重合の際に用いるスラリーには、水、ゲル化剤、セラミックス粉体が含まれる。これらの材料をボールミル、ポットミル等によって調整する。この際の材料混合割合は、セラミックス粉体が60〜80重量%、水が15〜30重量%、ゲル化剤が30〜50重量%とする。また、スラリー中のセラミックス粉末を均一に分散させるため、分散剤を加えても良い。
本発明で用いられるゲル化剤は、合成樹脂もしくは天然高分子等を用いることができ、合成樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれかを使用することができ、特に、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂がよく、メタクリルアミド(モノマー)とメチレンビスアクリルアミド(架橋剤)を使用することが好ましい。セラミックス粉体にはアルミナ、ジルコニア、シリカ、マグネシアなど酸化物系セラミックスを用いる。分散剤はスラリー中のセラミックス粉体を分散させるために用いるもので、ポリカルボン酸アンモニウム等分散させるセラミックス粉体に適したものを用いる。
次に、W/O型エマルションを作製する乳化工程について説明する。調整したスラリーと油相、界面活性剤、開始剤を混合し、減圧下で撹拌することにより、W/O型エマルションが得られる。エマルションの構成割合は、油相に対してスラリーを5〜40体積%程度含むものとする。界面活性剤はスラリーと油相を乳化させるのに適する分だけ導入する。開始剤はマイクロ波によって重合が促進させるものを用い、10重量%程度に水で薄めたものをスラリー100gに対して10〜15ml程度加える。
油相はエマルションの分散媒であり、非極性でマイクロ波吸収が少ない流動パラフィンやヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、塩化メチレン等を用いることができる。
界面活性剤は水系スラリーと油相を乳化させるために用い、W/O型エマルションを作製するためには、ノニオン性界面活性剤で、HLB値が4〜9程度のものが好ましい。具体的には、テトライソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ト リイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンオレイン酸グリセリル、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、 ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ 油、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、イソス テアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、ポリグリセリンラウリ ン酸エステル及びポリグリセリンオレイン酸エステルなどが挙げられる。これらから1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
開始剤はマイクロ波を照射した際に熱に反応して重合を促進させるもので、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2−シアノ−2−プロピラゾホルムアミド、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2'−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]のようなアゾ化合物;ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドのようなジアシル、ジアルキルパーオキサイド系化合物;t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートのようなパーオキシエステル系化合物;t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートのようなパーカーボネート系化合物;1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンのようなパーオキシケタール系化合物等である。これらのラジカル重合開始剤は単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
次に、重合工程について説明する。この工程では、マイクロ波加熱炉を用いてエマルションにマイクロ波を照射して加熱を行う。この際のマイクロ波の照射条件は、温度プログラムによって制御を行う。開始剤によって重合が始まる十分な温度まで昇温後、重合が完了するまで保持を行い、その後炉内で放冷を行う。昇温は到達温度まで1分以内に到達することが好ましい。加熱後は、顆粒体から油相成分を取り除くため、アセトンやエタノール、ヘキサン等を用いて洗浄し、乾燥を行う。
本発明におけるマイクロ波は、電波法による規制の観点から、家庭用電子レンジに使用される2.45GHz帯が最も利用しやすいが、本発明の目的を達成可能な範囲においてこれらの周波数帯に限定されない。
次に、加圧成形によって顆粒を成形する成型工程について説明する。本発明で得られた顆粒を成形する方法は、一軸加圧成形、冷間静水圧成形、熱間静水圧成形、ホットプレスなどを用いることができる。
焼成工程は、還元雰囲気中で成形体を焼成する工程である。還元焼成を行う際のガスは、高温でも不活性なアルゴンやヘリウムが望ましい。雰囲気調整炉の内部を不活性ガスで置換を行った後、ガスフローによって炉内を不活性雰囲気に保ったまま焼成を行う。焼成温度は焼成を行う原料に合わせた温度で行う。
(実施例1:アルミナ/カーボン複合体の作製と評価)
以下、本発明におけるポリマーネットワークを有する顆粒および還元焼成にカーボンネットワークを有する顆粒とアルミナとの複合体の製造方法について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
スラリーの調製のため、水溶性モノマーとしてメタクリルアミドを13.8g,架橋剤としてN,N‘−メチレンビスアクリルアミドを4.6g,蒸留水を128.5g,セラミックス粉体としてアルミナ粉体を350g,分散剤としてポリカルボン酸アンモニウムを3.15gをボールミルによって12時間以上混合した。
次に、前記調製した水系スラリーを50ml,油相として流動パラフィンを400ml,界面活性剤としてHLB=8.3のモノオレイン酸ポリエチレングリコールを5ml,開始剤として2,2‘−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩の10wt%水溶液を12mlを混合し、セパラブルフラスコを用いた減圧撹拌容器中で氷冷を行いながら、15分間300rpmで減圧撹拌を行いW/O型エマルションを作製した。
作製したエマルションをマイクロ波加熱によって懸濁重合させるため、マイクロ波加熱炉内にセットし、温度プログラムによって80℃で10分加熱を行った。昇温速度は1分間で80℃に達するようにプログラムした。これにより得られた顆粒は、アセトンで洗浄後、室温で24時間、80℃乾燥機中で24時間乾燥を行った。
得られたポリマーを有する顆粒を一軸加圧成形によって成形を行った。成形圧力は10MPa,50MPa,100MPa,150MPaで行った。
ポリマーを含有する顆粒および成形体をアルゴン雰囲気中で焼成を行った。焼成プログラムは図1に示すとおりである。アルゴンガスは2L/minでフローを行いつつ焼成を行った。
前記のように焼成されたアルミナとカーボンとの複合体をダイヤモンドカッターで図2のように切断し、四端子法によって導電率を測定した。また、ラマン分光分析法により黒鉛化度を測定した。黒鉛化度の指標となるのは、グラファイトの面内モードであるGバンド(1580cm−1)とグラファイト構造の乱れによるDバンド(1360cm−1)の強度比であるR値(I1360/I1580)であり。R値が小さいほど黒鉛化度は高いということになる。それぞれの測定結果を表1に示す。
(実施例2:顆粒のみの焼成と評価)
加圧成形による成形を行わず、顆粒のまま還元焼成を行い、それ以外は実施例1と同じ条件でカーボンネットワークを有する顆粒を得た。また黒鉛化度については実施例1と同じ測定を行った。導電率は、顆粒には4端子法を用いることができないため、図3のような治具を用いた測定を行った。測定の概要を以下に示す。まずバックグラウンド測定として粉体試料を入れず圧縮応力が50 MPa(荷重4 kN)に達した時の抵抗値x(Ω)と冶具の高さa(cm)を記録した.つづいて粉体試料を充填し,粉体層を0.05 mm圧縮するごとに冶具の高さb(cm)と抵抗値y(Ω)を記録した.得られた測定値と式(1)を使って粉体層電気抵抗率Rを算出し,導電性評価に用いた.尚,式(1)中のSは粉体層の断面積(cm)である。測定した結果を表2に示す。



(比較例1)
顆粒作製の際の加熱の条件をウォーターバスにて70℃で15分間とし、それ以外は実施例1と同じ条件でアルミナ/カーボン複合体を得た。また実施例1と同じように測定を行った。測定した結果を実施例1とともに表1に示す。
(比較例2)
顆粒作製の際の加熱の条件をウォーターバスにて70℃で15分間とし、それ以外は実施例2と同じ条件でカーボンネットワークを有する顆粒を得た。また実施例2と同じように測定を行った。測定した結果を実施例2とともに表2に示す。
表1より、アルミナとカーボンとの複合体の場合は、成形圧が小さい場合に、ウォーターバスによる加熱で合成した顆粒を成形して焼成した場合に比べ、マイクロ波加熱によって合成した顆粒を用いた場合の方が導電率が大きくなり、また、黒鉛化度も高くなっていることから均質に導電パスが形成さらたものと考える。一方、表2より、カーボンのみの紛体の場合は、ウォーターバス加熱によって合成した顆粒に比べてマイクロ波加熱によって合成した顆粒の方が抵抗率が大きく、導電率が小さくなった。しかしながら黒鉛化度はマイクロ波加熱による顆粒の方が高くなっているため、マイクロ波によって顆粒強度が高くなり、抵抗率測定の際に荷重をかけても顆粒が押しつぶされにくく、抵抗率が高くなったと考えられる。
本発明のカーボン紛体あるいはセラミックスとカーボンとの複合体は電波吸収体等に利用できる。

Claims (5)

  1. 重合体としてメタクリルアミド系モノマー、架橋剤としてN,N‘−メチレンビスアクリルアミドを用いた懸濁重合法により作製されるポリマーネットワークを有する顆粒体の製造方法。
  2. スラリーと油相とをノニオン性界面活性剤を用いて乳化させることにより、W/O型エマルションを作製し、水相中のモノマーを重合させることによって得られる請求項1に記載の顆粒体の製造方法。
  3. 前記重合の際にマイクロ波を照射することによって、重合反応を促進させる請求項2に記載の顆粒体の製造方法。
  4. 前記ポリマーネットワークを有する顆粒を不活性雰囲気中で焼成することにより、ポリマーを炭化させたカーボンネットワークを有する請求項1〜3のいずれかに記載の顆粒体の製造方法。
  5. 前記ポリマーネットワークを有する顆粒体を、加圧成形したのち不活性雰囲気で焼成するセラミックスとカーボンとの複合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021519831A (ja) * 2018-03-02 2021-08-12 シャンハイ チュアンシー インダストリー グループ カンパニー リミテッドShanghai Chuangshi Industry Group Co., Ltd. ポリマー、サーモクロミック剤、及び/又はハイドロゲル組成物並びに装置、それを実施する製品、並びにそれを製造する方法及びプロセス

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