JP2014051546A - 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】間欠吐出安定性に優れているとともに、泡立ちが抑制され、かつ、消泡性に優れたインクジェット用の水性インクを提供する。
【解決手段】色材及びラクトン化合物を含有するインクジェット用の水性インクである。色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、ラクトン化合物が、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、及びε−カプロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
Figure 2014051546

【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙などの記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。一方、インクジェット記録方法の問題点として、得られた記録物の画像保存性に劣ることが挙げられる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較してその画像保存性が低い。特に、記録物が、光、湿度、熱、空気中に存在するオゾンガスなどの環境ガスに長時間さらされた際に、記録物の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいといった問題がある。
ブラックの色相を有するインクを用いて記録した画像の褪色は、色材の劣化による色調の変化を伴うことが多い。このような問題に対して、耐光性や耐オゾン性に優れた構造を有する色材を含有するインクを用いることで、画像の耐光性や耐オゾン性を向上させることに関する提案がなされている。例えば、ジスアゾ化合物を含有するインクに関する提案がある(特許文献1参照)。
また、インクが泡立ちやすい場合には、インクカートリッジに所定量のインクを充填するのが困難である場合や、充填の際にインクがこぼれてしまう場合がある。このため、インクジェット用のインクには、泡立ちにくく、かつ、泡立ったとしても素早く泡が消えることが要求される。これまでにも、インクの泡立ち抑制などに関するいくつかの提案がなされている。例えば、インクの消泡性を高めるために、フッ素系の界面活性剤を含有させたインクに関する提案がある(特許文献2参照)。また、記録ヘッドの駆動条件やインクの温度変化に対する安定性を確保するために、ロスマイルス法による泡の安定性が特定の範囲内にあるインクに関する提案がある(特許文献3参照)。
国際公開第2012/014954号 特開2010−022928号公報 特開平10−053739号公報
特許文献1に記載のビスアゾ化合物を含有するインクについて本発明者らが検討したところ、このインクを用いれば耐光性及び耐オゾン性の良好な画像を記録可能であることが判明した。しかし、このインクは泡立ちやすく、また、泡が消えにくいため、インクカートリッジへの充填性が良好ではないことがわかった。次に、特許文献1に記載のビスアゾ化合物を含有するインクに種々の一般的な消泡剤を添加して検討を行った。その結果、インクの泡立ちは抑制され、消泡性は向上したが、消泡剤の影響によりインクの間欠吐出安定性が低下することがわかった。
そこで、特許文献2に記載のフッ素系界面活性剤を含有させたインクについて検討を行った。その結果、インクの消泡性には優れていたものの、間欠吐出安定性が不十分であることがわかった。さらに、特許文献3に記載のインクについても、間欠吐出安定性は必ずしも十分であるとは言えなかった。また、特許文献3に記載のインクをインクカートリッジに充填する際に泡が発生し、インクの充填が困難であった。
したがって、本発明の目的は、間欠吐出安定性に優れているとともに、泡立ちが抑制され、かつ、消泡性に優れたインクジェット用の水性インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、色材及びラクトン化合物を含有するインクジェット用の水性インクであって、前記色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、前記ラクトン化合物が、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、及びε−カプロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする水性インクが提供される。
Figure 2014051546
(前記一般式(I)中、Mは、それぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
本発明によれば、間欠吐出安定性に優れているとともに、泡立ちが抑制され、かつ、消泡性に優れたインクジェット用のインクを提供することができる。また、本発明によれば、この水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。
まず、特定のラクトン化合物を用いた場合に、一般的な消泡剤を用いた場合と異なり、間欠吐出安定性に優れるとともに、インクカートリッジに充填する際などに問題となる泡の影響が低減されたインクが得られる理由について説明する。
インクは、良好な色調を有する画像を記録可能であるだけではなく、間欠吐出安定性に優れることも必要である。さらに、インクは、インクカートリッジに充填する際に問題となる泡の発生が少なく、安定した充填性を有することも必要である。一般式(I)で表される化合物を含有するインクを用いれば、良好な色調を有するとともに、高い耐候性を示す画像を記録することができる。しかし、一般式(I)で表される化合物を含有するインクをインクカートリッジに充填する際には泡による影響を受け、所定の量を充填できない場合があった。
そこで、本発明者らは、種々の一般的な消泡剤をインクに添加し、インクカートリッジへの充填性を改善することを試みた。その結果、充填性が良好となる量の消泡剤をインクに添加した場合に、新たな問題が発生することがわかった。すなわち、消泡剤の添加量を、泡立ちを抑制可能な量としたインクの性能を確認したところ、間欠吐出安定性が低下してしまい、記録される画像に乱れが生じてしまうことがわかった。これに対して、本発明者らが特定のラクトン化合物をインクに添加したところ、泡立ちが抑制されるとともに、消泡性も向上することがわかった。なお、泡立ちを抑制するのに必要な量の一般的な消泡剤をインクに添加しても、インクの表面張力は変化しないか、或いは僅かに低下するのみであった。これに対して、ラクトン化合物を添加した場合には、インクの表面張力が大きく低下した。すなわち、一般的な消泡剤と異なり、ラクトン化合物はインクの表面張力を下げる効果をも有することが判明した。
インクの表面張力については、インクの間欠吐出安定性や記録される画像などの観点から最適な値に調整する必要がある。インクジェット用のインクの表面張力を調整するには、通常、アセチレングリコール系化合物などの界面活性剤を添加するが、その含有量によってはインクの間欠吐出安定性を低下させてしまう場合がある。これに対して、前述の通り、ラクトン化合物はインクの表面張力を下げる効果を有するため、ラクトン化合物を用いる場合には界面活性剤の添加量を減らすことができる。以上より、ラクトン化合物を添加した本発明のインクは、間欠吐出安定性の低下が抑制されたものと推測される。
<インク>
以下、本発明のインクを構成する各成分やインクの物性について詳細に説明する。
(色材:一般式(I)で表される化合物)
本発明のインクは、下記一般式(I)で表される化合物を色材として含有する。インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
Figure 2014051546
一般式(I)中のMは、それぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などを挙げることができる。一般式(I)には複数のMが存在するが、リチウム及びナトリウムが含まれることが好ましい。
(色材の検証方法)
本発明で用いる色材が各インク中に含まれているか否かを検証するには、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記(1)〜(3)の検証方法を適用することができる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークについての極大吸収波長
(3)(1)のピークについてのマススペクトルのM/Z(posi)、M/Z(nega)
高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、以下に示す通りである。純水で約1,000倍に希釈した液体(インク)を測定用サンプルとする。そして、下記の条件で高速液体クロマトグラフィーでの分析を行い、ピークの保持時間(retention time)、及びピークの極大吸収波長を測定する。
・カラム:SunFire C18(日本ウォーターズ製)2.1mm×150mm
・カラム温度:40℃
・流速:0.2mL/min
・PDA:200nm〜700nm
・移動相及びグラジエント条件:表1
Figure 2014051546
また、マススペクトルの分析条件は以下に示す通りである。得られたピークについて、下記の条件でマススペクトルを測定し、最も強く検出されたM/Zをposi及びnegaのそれぞれに対して測定する。
・イオン化法:ESI
・キャピラリ電圧:3.5kV
・脱溶媒ガス:300℃
・イオン源温度:120℃
・検出器:
posi;40V 200〜1500amu/0.9sec
nega;40V 200〜1500amu/0.9sec
上記した方法及び条件下で、遊離酸型の一般式(I)で表される化合物について測定を行った。その結果、得られた保持時間、極大吸収波長、M/Z(posi)、及びM/Z(nega)の値を表2に示す。未知のインクについて、上記と同様の方法及び条件下で測定を行って、得られた測定値が表2に示す値に該当する場合、本発明のインクに用いる化合物を含有すると判断することができる。
Figure 2014051546
(ラクトン化合物)
本発明のインクは、特定のラクトン化合物を含有する。このラクトン化合物は、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、及びε−カプロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種である(下記式参照)。特定のラクトン化合物を含有させることにより、泡立ちが抑制され、消泡性に優れたインクを得ることができる。これら特定のラクトン化合物を含有させると、消泡性に特に優れた効果を示すインクとすることができる。また、一般的な消泡剤とは異なり、特定のラクトン化合物を添加するとインクの表面張力が低下する。このため、インクの表面張力を調整するために必要な界面活性剤の添加量を減らすことができる。一方、上記以外のラクトン化合物、例えば、β−プロピオラクトンを使用する場合、その含有量を多くしても、泡立ちを抑制し、消泡性を向上するという効果を得ることはできず、この場合には、間欠吐出安定性も不十分となる。また、ε−カプロラクトンよりも分子量が大きいラクトン化合物は水溶性が低いため、水性インクに使用するのは困難である。
Figure 2014051546
インク中のラクトン化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.01質量%以上3.00質量%以下であることが好ましい。ラクトン化合物の含有量が0.01質量%未満であると、本発明の効果が十分に得られない場合がある。一方、ラクトン化合物の含有量が3.00質量%超であると、インクの粘度が高くなりすぎる傾向にあり、インクの間欠吐出安定性がかえって低下する場合がある。ラクトン化合物の含有量は、高いレベルの間欠吐出安定性が得られるため、0.15質量%以下であることがさらに好ましい。
(インクの表面張力)
本発明のインクの23℃における表面張力は、25mN/m以上55mN/m以下であることが好ましく、30mN/m以上45mN/m以下であることがさらに好ましい。表面張力を上記の範囲とすることで、間欠吐出安定性に優れるだけではなく、優れた画像をも記録可能なインクとすることができる。
(界面活性剤)
インクの表面張力は、界面活性剤を含有させることで調整することができる。消泡性を有する界面活性剤と、インクの表面張力を調整するための界面活性剤とは互いに異なる特性を有することは知られている。後者の目的に使用する界面活性剤としては、アセチレングリコール系、フッ素系、シリコーン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系などを挙げることができる。なかでも、アセチレングリコール系の界面活性剤はインクの信頼性の点から好ましい。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。なお、この含有量は、ラクトン化合物の含有量を含む値である。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より少ないと、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に吐出安定性などの信頼性が得られない場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より多いと、インクの粘度が上昇して、インクの供給不良が起きる場合がある。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
(その他のインク)
また、フルカラーの画像などを形成するために、本発明のインクと、本発明のインクとは別の色相を有するその他のインクとを組み合わせて用いることができる。その他のインクとしては、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、レッドインク、グリーンインク、及びブルーインクからなる群より選択される少なくとも一種のインクを挙げることができる。また、これらのインクと実質的に同一の色相を有する、いわゆる淡インクをさらに組み合わせて用いることもできる。その他のインクや淡インクに用いられる色材は、公知の染料であっても、新規に合成された染料であってもよい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22,24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材の合成>
(化合物Aの合成)
(a)
4’−アミノアセトフェノン8.5g、マロノニトリル4.9g、トルエン26.5mL、酢酸アンモニウム5.0g、及び酢酸5.9gを室温で混合した後、100℃まで昇温し、同温度で3時間撹拌した。この液体を40℃まで冷却した後、メタノール31.8mLを添加して20分間撹拌し、生成した結晶をろ過して分離した。得られた結晶をイソプロピルアルコール42.4mLで洗浄した後、60℃で8時間乾燥させ、下記式(1)で表される化合物11.1gを得た。
Figure 2014051546
(b)
前記手順(a)で得た式(1)で表される化合物8.0g、硫黄2.8g、炭酸水素ナトリウム7.4g、ジメチルアセトアミド160.0mL、アセトニトリル80.0mL、及び水80.0mLを室温で混合した。その後、40℃まで昇温し、同温度で1時間撹拌した。この液体を25℃まで冷却した後にろ過して、下記式(2)で表される化合物を含む液体を得た。
Figure 2014051546
(c)
0℃に冷却したアセトン100.0mLに、塩化シアヌル18.4gを添加した。この液体に、2,5−ジスルホアニリン27.5g、及び炭酸ナトリウム10.6gを95.0gの水に溶解させた溶液を、0〜4℃に保ちながら30分間かけて滴下した。その後、0〜5℃に保ちながら2.5時間撹拌し、次いで、5℃以下に保ちながらメタノール200.0mL、及びイソプロピルアルコール200.0mLを滴下した。その後、ろ過して、下記式(3)で表される化合物を含む液体を得た。
Figure 2014051546
(d)
前記手順(c)で得た式(3)で表される化合物を含む液体を20℃に保ち、前記手順(b)で得た式(2)で表される化合物を含む液体240.0gを滴下し、30℃まで昇温して、2時間撹拌した。その後、この液体を30〜35℃に保ちながら、イソプロピルアルコール2300.0mLを1時間かけて滴下し、同温度で30分間撹拌した。生成した結晶をろ過し、イソプロピルアルコールで洗浄した後、乾燥させて、下記式(4)で表される化合物24.0gを得た。
Figure 2014051546
(e)
タウリン8.0g、及び炭酸ナトリウム6.8gを室温で水650.0mLに溶解させて得た液体に、前記手順(d)で得た式(4)で表される化合物24.0gを添加した後、100℃まで昇温し、同温度で1.5時間撹拌した。25℃まで冷却して、下記式(5)で表される化合物を含む液体を得た。
Figure 2014051546
(f)
2−アミノベンゾニトリル4.4gに水58.0mLを加え、室温で撹拌した後、12.0mol/Lの塩酸10.5mLを滴下し、液体を0℃まで冷却した。その後、0〜4℃に保ちながら、亜硝酸ナトリウム2.8gの25.0%水溶液を滴下し、次いで、0〜5℃に保ちながら1.5時間撹拌した。その後、尿素0.4gを加えて15分間撹拌し、ジアゾニウム塩を含む液体を得た。また、前記手順(e)で得た式(5)で表される化合物に水300.0mLを加え、2℃まで冷却した後、2〜4℃に保ちながら、先に得たジアゾニウム塩を含む液体を15分かけて滴下した。2〜4℃に保ちながら2時間撹拌して、下記式(6)で表される化合物を含む液体を得た。
Figure 2014051546
(g)
下記式(7)で表される化合物75.0gにアニリン224.7gを添加し、150℃で4時間撹拌した。その後、100℃まで冷却してイソプロピルアルコール150.0mLを添加し、さらに70℃まで冷却してメタノール150.0mLを添加した。次いで、40℃まで冷却して水30.0mLを添加した。これを、室温で1mol/Lの塩酸3000.0mLに注いで、結晶を析出させた。析出した結晶をろ過して分取し、乾燥させて、下記式(8)で表される化合物107.5gを得た。得られた下記式(8)で表される化合物3.0gをアセトニトリル10.0mLに懸濁させ、氷冷下でクロロ硫酸3.42mLを3分間かけて滴下した後、30℃で1時間撹拌した。この混合物を氷水10.0mLに注ぎ、室温で撹拌して結晶を析出させた。析出した結晶をろ過して分取し、アセトニトリル10.0mLで洗浄した後、乾燥させて、下記式(9)で表される化合物4.3gを得た。
Figure 2014051546
Figure 2014051546
Figure 2014051546
(h)
前記手順(f)で得た式(6)で表される化合物を含む液体を室温で撹拌した後、前記手順(g)で得た式(9)で表される化合物17.7gを水60.0mLに溶解させた液体を滴下した。次いで、22℃で、亜硝酸イソアミル4.5gを滴下し、同温度で30分間撹拌した。さらに、亜硝酸イソアミル0.2gを滴下し、同温度で2時間撹拌した。液体をろ過して不溶物を除去した後、ろ液にジメチルアセトアミド183.0mLを添加し、イソプロピルアルコール1100.0mLを30分かけて滴下した。その後、ろ過して分取したスラリーをメタノール2000.0mLで洗浄し、遊離酸型として下記式(10)で表される化合物の粗体を得た。
Figure 2014051546
(i)
前記手順(h)で得た式(10)で表される化合物の粗体に水220.0mLを加えてこの粗体を溶解させた。さらにイソプロピルアルコール370.0mLを滴下した後、ろ過してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水220.0mLに溶解させた後、1.0mol/L水酸化リチウム水溶液を添加して液体のpHを8.3に調整した。この液体にメタノール100.0mLを添加した後、ろ過した。得られたろ液を40℃に昇温し、同温度でイソプロピルアルコールに塩化リチウムを飽和させた溶液300.0mLを滴下した。析出した結晶をろ過してウェットケーキを分取した。このウェットケーキに、水170.0mL、及びメタノール100.0mLを加え、40℃に昇温した後、撹拌下でイソプロピルアルコールに塩化リチウムを飽和させた溶液300.0mLを滴下した。析出した結晶をろ過してウェットケーキを分取した。このウェットケーキに、水170.0mL、及びメタノール100.0mLを加え、40℃に昇温した後、撹拌下でイソプロピルアルコールに塩化リチウムを飽和させた溶液430.0mLを滴下した。析出した結晶をろ過してウェットケーキを分取した。このウェットケーキをイソプロピルアルコール500.0mLで洗浄した後、強酸性陽イオン交換樹脂(商品名「IR120B」、オルガノ製)をリチウム塩及びナトリウム塩の混合型としたものを用いてイオン交換処理を行った。次いで、40℃で12時間乾燥させ、遊離酸型として前記式(10)で表される化合物Aのリチウム及びナトリウムの混合塩(80%:20%)11.3gを得た。
<インクの調製>
表3に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.20μmのフィルターで加圧ろ過して各インクを調製した。なお、表3中の「アセチレノールE100」はノニオン性界面活性剤(川研ファインケミカル製)の商品名であり、インクの表面張力を調整するために使用した。また、「SNウエット980」は、消泡剤として使用した、ノニオン性界面活性剤(サンノプコ製)の商品名である。アセチレノールE100の含有量によって、各インクの23℃における表面張力が39mN/mとなるように調整した。
Figure 2014051546
<評価>
上記で得たインクを用いて以下に示す評価を行った。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、Cを許容できないレベル、A及びBを許容できるレベルとした。評価結果を表4に示す。
(インクの泡立ち抑制、消泡性)
25℃の環境下、上記で得たインク200mLを900mmの高さから30秒間かけてインク液面に滴下した。滴下終了直後(泡立ち抑制)と、滴下終了から20秒後(消泡性)の泡の高さを測定し、以下に示す評価基準にしたがってインクの泡立ち抑制及び消泡性を評価した。なお、本評価方法はJIS K3362−2008.8.5に準ずるものである。
〔泡立ち抑制〕
A:泡高が0mm以上30mm以下であった。
B:泡高が30mmを超えて、50mm以下であった。
C:泡高が50mmを超えていた。
〔消泡性〕
A:泡高が0mm以上10mm以下であった。
B:泡高が10mmを超えて、30mm以下であった。
C:泡高が30mmを超えていた。
(間欠吐出安定性)
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS MP990」、キヤノン製)を改造したものに搭載した。温度25℃、相対湿度10%の環境下で、このインクジェット記録装置を、記録ヘッドの吐出口近傍に存在するインクの温度が上昇しないようにした状態のまま、5時間以上吐出を行わずに放置した後、インクを吐出させた。次いで、インクの吐出を5秒間休止した後、記録ヘッドの回復動作などを行わずにインクを再び吐出させ、記録媒体(商品名「HR−101」、キヤノン製)に、縦罫線を記録した記録物を作製した。作製した記録物の縦罫線を目視で確認し、以下に示す評価基準にしたがって間欠吐出安定性を評価した。
A:縦罫線が正常に記録されていた。
B:縦罫線が若干乱れていた。
C:縦罫線に不吐出や目立つ乱れがあった。
Figure 2014051546

Claims (4)

  1. 色材及びラクトン化合物を含有するインクジェット用の水性インクであって、
    前記色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、
    前記ラクトン化合物が、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、及びε−カプロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする水性インク。
    Figure 2014051546
    (前記一般式(I)中、Mは、それぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
  2. さらに界面活性剤を含有する請求項1に記載の水性インク。
  3. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1又は2に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  4. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1又は2に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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