JP2017039890A - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Akiko Yasuda
亜希子 安田
滋幹 安部
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【課題】熱エネルギーの作用により記録ヘッドから吐出されるインクジェット用インクにおいて、耐光性が良好な画像を記録可能であるとともに、吐出安定性が良好なインク、並びにそのインクを用いたインクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】熱エネルギーの作用により記録ヘッドから吐出されるインクジェット用インクであって、キサンテン骨格を有する化合物、及びカルボキシメチルセルロースを含有し、カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量が250,000以上であることを特徴とするインクである。また、そのインクと、そのインクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジである。さらに、そのインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
キサンテン骨格を有する化合物は、高いマゼンタ色の発色を有する色材として知られており、染色、塗料及びインクなどに広く使用されている。インクジェット用のマゼンタインクとしては、発色性の他に画像の堅牢性やインクの吐出安定性などが求められており、様々な検討がなされている。
例えば、特許文献1には、特定のセルロースを含有することで、吐出安定性を向上させるインクが提案されている。また、特許文献2にはインクに水溶性樹脂を含有させることで、画質の向上を図るインクメディアセットが提案されている。
特開2001−181539号公報 特開2014−121834号公報
しかし、特許文献1では、所望の画像性能及び吐出性を得るためにはインクはある程度の粘度を有する必要があり、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録方法においては、吐出安定性は得られないことがわかった。また、特許文献2では、インクに低分子のカルボキシメチルセルロースを添加することで凝集ムラや滲みの発生を抑制できるが、一方で画像の耐光性が低下することがわかった。
したがって、本発明の目的は、熱エネルギーの作用により記録ヘッドから吐出されるインクジェット用インクにおいて、耐光性が良好な画像を記録可能であるとともに、吐出安定性が良好なインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、熱エネルギーの作用により記録ヘッドから吐出されるインクジェット用インクであって、キサンテン骨格を有する化合物、及びカルボキシメチルセルロースを含有し、前記カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量が250,000以上であることを特徴とするインクが提供される。
本発明によれば、熱エネルギーの作用により記録ヘッドから吐出されるインクジェット用インクにおいて、耐光性が良好な画像を記録可能であるとともに、吐出安定性が良好なインクを提供することができる。また、本発明の別の実施態様によれば、前記インクを用いたインクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用のインクのことを、単に「インク」と記載することがある。また、物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値とする。
マゼンタインクにおいて、発色性の高いインクを提供するためには、キサンテン骨格を有する化合物を使用することが有用であることが知られている。また、キサンテン骨格を有する化合物はマゼンタの色相が良好であることから、キサンテン骨格を有する化合物の含有量を多くすることでインクジェット用インクとして求められる画像性能を持ったマゼンタインクを得ることができる。
一方で、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録方法において、吐出安定性を低下させる要因として、有機物や無機物によるコゲがある。これは、ヒーター上にコゲが付着することにより、熱エネルギーが伝わりにくくなるため、インクの不吐出や吐出よれが発生する現象である。本発明者らの検討の結果、キサンテン骨格を有する化合物を多く含有するインクは、長時間インクを吐出した際に、吐出安定性が著しく低下することがわかった。吐出後のヒーターを観察すると、有機物が付着しており、コゲが確認された。本発明者らは、コゲの原因はキサンテンの構造に由来すると推測している。すなわち、キサンテン骨格を有する化合物は平面性が高い構造を有しているため、化合物同士がスタッキングしやすい。これが不溶化物として析出し、ヒーター上に有機物のコゲがつきやすいため、吐出安定性が低くなると推測している。
そこで本発明者らは、キサンテン骨格を有する化合物のスタッキングを緩和することでヒーター上のコゲの付着を抑制できると考え、添加剤の検討を行った。その結果、インクにカルボキシメチルセルロースを含有させた際に、コゲの付着が抑制され、吐出安定性が向上することがわかった。これは、カルボキシメチルセルロースの構造に由来すると考えられる。具体的には、カルボキシメチルセルロースの環の疎水部がキサンテン骨格の疎水部と相互作用することによって、キサンテン骨格を有する化合物は見かけ上、親水性基(カルボン酸基)が多くなる。このため、キサンテン骨格を有する化合物同士の相互作用を弱める効果があると考えられる。カルボキシメチルセルロースはかさ高い構造のため、より染料のスタッキングを弱める効果が高いと推測される。
本発明者らはさらに検討を進めていったところ、カルボキシメチルセルロースの分子量によっては記録した画像の耐光性が低下することがわかった。具体的には、分子量の小さいカルボキシメチルセルロースを含有させたインクを使用した場合、インクの吐出安定性は向上するが、画像の耐光性が低下することがわかった。一方で、分子量の大きいカルボキシメチルセルロースを含有させたインクを使用した場合、耐光性が良好な画像を記録することができ、インクの吐出安定性を向上させることができることを見出し、本発明に至った。本発明者らの検討の結果、カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量は250,000以上のときに上記効果が発現されることがわかった。
この理由を本発明者らは以下のように推測している。画像の高耐光性を発現するためには、ある程度の色材が集合体を形成している必要がある。しかし、分子量の小さいカルボキシメチルセルロースを含有させたインクの場合、インク中の色材がほぐれすぎて、記録媒体において集合体を形成することができず、その結果、画像の耐光性が低下したものと推測される。一方、分子量の大きいカルボキシメチルセルロースを含有させたインクの場合、いくつかの色材が一つのカルボキシメチルセルロースの分子に吸着されており、記録媒体にも色材の集合体が存在するため、画像の耐光性を低下させなかったものと推測される。
<インク>
以下、本発明のインクを構成する各成分やインクの物性について詳細に説明する。
(カルボキシメチルセルロース)
本発明のインクは、重量平均分子量が250,000以上のカルボキシメチルセルロースを含有する。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量である。なお、カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量があまりにも大きいと、インクを製造する際の精製工程で除去されやすくなり、カルボキシメチルセルロースを含有させることによる効果が十分に発揮されない場合がある。このため、カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量は、2,000,000以下であることが好ましい。
カルボキシメチルセルロースのエーテル化度は0.2以上1.5以下であることが好ましく、0.7以上1.2以下であることがさらに好ましい。エーテル化度が低すぎるとインク中での分散性が低くなり、吐出安定性が低くなる場合があるためである。また、エーテル化度が高すぎるとカルボキシメチルセルロースのインク中の液媒体との親和性が高くなりすぎて、キサンテン骨格を有する化合物の吸着力が低下する場合があるためである。ここで、カルボキシメチルセルロースのエーテル化度とは、1ユニットの無水グルコースについてのカルボキシメチル基の置換数(平均値)を示す指標である。無水グルコースの1ユニットは3つのヒドロキシ基を有するため、カルボキシメチル基の置換数、すなわちエーテル化度の最大値は3.0である。エーテル化度は、インクから適宜分取したカルボキシメチルセルロースを無水化するために焼成し、これに濃度既知の酸(硫酸など)を添加した試料について、アルカリ(水酸化カリウムなどの水溶液)による逆滴定を行うことで測定することができる。
カルボキシメチルセルロースは塩であってもよい。塩としては、ナトリウム、カリウム、及びリチウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウム、及びカルシウムなどのアルカリ土類金属塩が好ましい。より好ましくはナトリウム塩又はカリウム塩である。カルボキシメチルセルロースは、例えば、特開2012−36375号公報などを参考にしながら合成することができる。また、市販のカルボキシメチルセルロースを用いることもできる。市販品として、例えば、シグマアルドリッチ製のナトリウムカルボキシメチルセルロース、ダイセルファインケム製のCMCダイセル、第一工業製薬製のセロゲン、日本製紙製のサンローズ、及びスギノマシン製のBiNFi−sなどの商品を挙げることができる。
インク中のカルボキシメチルセルロースの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.001質量%以上0.100質量%以下であることが好ましい。なかでも、0.004質量%以上0.076質量%以下であることがより好ましい。カルボキシメチルセルロースの含有量が0.004質量%未満であると、吐出安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。一方、カルボキシメチルセルロースの含有量が0.076質量%超であると、インクの粘度が上昇し、十分な吐出安定性を得ることができない場合がある。カルボキシメチルセルロースの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.005質量%以上0.075質量%以下であることがさらに好ましい。カルボキシメチルセルロースの含有量が0.005質量%以上であることにより、インクの吐出安定性がさらに良好になる。また、カルボキシメチルセルロースの含有量が0.075質量%以下であることにより、インクの粘度上昇を抑制できるため、インクの吐出安定性をさらに高めることができる。
(キサンテン骨格を有する化合物)
本発明のインクは、色材(染料)として、キサンテン骨格を有する化合物を含有する。キサンテン骨格を有する化合物としては、水に溶解する化合物であれば、使用することができる。例えば、C.I.ナンバーを有する染料として、C.I.アシッドレッド289、及びC.I.アシッドレッド52を挙げることができる。また、フェニル基を含む置換基がアミノ基を介してキサンテン母骨格に結合した構造を有する、下記一般式(1)で表される化合物などを用いても良い。
Figure 2017039890
一般式(1)中、R1、R5、R6及びR10は、それぞれ独立にアルキル基を表す。R3及びR8は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表す。R2、R4、R7及びR9は、それぞれ独立に水素原子又は下記一般式(2)で表されるアシルアミノ基を表し、R2、R4、R7及びR9の少なくとも1つは、下記一般式(2)で表されるアシルアミノ基である。Zは、SO3H基、SO3M基、又はスルファモイル基を表し、Mは、アンモニウムイオン又はアルカリ金属イオンを表す。Zは芳香環の少なくとも1つの水素原子の位置に置換している。R2、R3、R4、R7、R8及びR9の少なくとも1つがイオン性基で置換されている場合には、nは0乃至3の整数を表し、イオン性基で置換されていない場合には、nは1乃至3の整数を表す。
Figure 2017039890
一般式(2)中、R11は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルケニル基、又はヘテロ環基のいずれかを表す。*は一般式(1)の芳香環との結合部位を表す。
インク中のキサンテン骨格を有する化合物の含有量(質量%)は、カルボキシメチルセルロースの含有量(質量%)に対する質量比率で、10倍以上1,000倍以下であることが好ましい。なかでも、33倍以上800倍以下であることがより好ましい。キサンテン骨格を有する化合物の含有量がカルボキシメチルセルロースの含有量に対する質量比率で33倍未満であると、色材の集合体が小さいために、耐光性が低下する場合がある。キサンテン骨格を有する化合物の含有量がカルボキシメチルセルロースの含有量に対する質量比率で800倍超であると、吐出安定性の効果が十分に得られない場合がある。キサンテン骨格を有する化合物の含有量(質量%)は、カルボキシメチルセルロースの含有量(質量%)に対する質量比率で、35倍以上750倍以下であることがさらに好ましい。キサンテン骨格を有する化合物の含有量がカルボキシメチルセルロースの含有量に対する質量比率で35倍以上であることにより、耐光性に優れた画像を得ることができる。また、キサンテン骨格を有する化合物の含有量がカルボキシメチルセルロースの含有量に対する質量比率で750倍以下、より好ましくは700倍以下であることにより、インクの吐出安定性がさらに良好となる。
(水性媒体)
本発明のインクは、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。本発明のインクは、水性媒体として少なくとも水を含有する、水性のインクであることが好ましい。水としては脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水溶性有機溶剤としては特に限定されるものではなく、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、及び含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。また、これらの水溶性有機溶剤の1種又は2種以上をインクに含有させることができる。
本発明のインクは、水溶性有機溶剤のなかでも、両末端アルカンジオールを含有することが好ましい。両末端アルカンジオールは、両末端アルカンジオールの疎水部に色材が吸着することによるスタッキングを緩和させる働きが他の溶剤よりも強いため、吐出安定性の向上により効果的であると推測されるためである。また、両末端アルカンジオールは、粘度調整剤としての役割も果たすため有用である。両末端ジオールとは、分子構造中の最も長い炭化水素鎖(好ましくはアルキル鎖)の両端にヒドロキシ基が置換した2価アルコールのことである。両末端ジオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの炭素数直鎖3乃至6程度の直鎖構造のジオール類;3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどの炭素数4乃至8程度の分岐鎖構造のジオール類;などを挙げることができる。
インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が3.0質量%未満であると、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に耐固着性などの信頼性が得られない場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が50.0質量%超であると、インクの粘度が上昇して、インクの供給不良が起きる場合がある。
(その他の成分)
本発明のインクには、上記成分の他に、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンなどの常温(25℃)で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、本発明のインクには、必要に応じて、界面活性剤、樹脂、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。本発明においては、例えば、アセチレングリコール系、フッ素系、シリコーン系、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル系などの界面活性剤の1種又は2種以上をインクに含有させることが好ましい。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上2.00質量%以下であることが好ましい。
(インクの物性)
本発明においては、インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上3.5mPa・s以下であることがさらに好ましい。また、インクの25℃における静的表面張力は、28mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。また、インクの25℃におけるpHは、5以上9以下であることが好ましい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに熱エネルギーを付与する方式を利用する。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材の合成>
特開2011−148973の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物Aを得た。
Figure 2017039890
<カルボキシメチルセルロースの水分散液の調製>
(カルボキシメチルセルロース1)
重量平均分子量が700,000、エーテル化度が0.9のカルボキシメチルセルロースとしてシグマアルドリッチ製のナトリウムカルボキシメチルセルロース1部とイオン交換水99部を混合した。この混合物に、分散・乳化機(商品名「クレアミックス」、エム・テクニック製)を使用してプレミキシング(10,000rpm,60分間)を行った。その後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行った。イオン交換水を添加した後にエバポレーターにて濃縮し、カルボキシメチルセルロース(CMC)1の水分散液(CMCの含有量:1.0%)を得た。
(カルボキシメチルセルロース2)
重量平均分子量が250,000、エーテル化度が0.7のカルボキシメチルセルロースとしてシグマアルドリッチ製のナトリウムカルボキシメチルセルロースに変更した以外はカルボキシメチルセルロース1と同様にして、カルボキシメチルセルロース(CMC)2の水分散液を得た。この水分散液中のCMC2の含有量は、1.0%であった。
(カルボキシメチルセルロース3)
重量平均分子量が250,000、エーテル化度が0.9のカルボキシメチルセルロースとしてシグマアルドリッチ製のナトリウムカルボキシメチルセルロースに変更した以外はカルボキシメチルセルロース1と同様にして、カルボキシメチルセルロース(CMC)3の水分散液を得た。この水分散液中のCMC3の含有量は、1.0%であった。
(カルボキシメチルセルロース4)
重量平均分子量が250,000、エーテル化度が1.2のカルボキシメチルセルロースとしてシグマアルドリッチ製のナトリウムカルボキシメチルセルロースに変更した以外はカルボキシメチルセルロース1と同様にして、カルボキシメチルセルロース(CMC)4の水分散液を得た。この水分散液中のCMC4の含有量は、1.0%であった。
(カルボキシメチルセルロース5)
重量平均分子量が90,000、エーテル化度が0.7のカルボキシメチルセルロースとしてシグマアルドリッチ製のナトリウムカルボキシメチルセルロースに変更した以外はカルボキシメチルセルロース1と同様にして、カルボキシメチルセルロース(CMC)5の水分散液を得た。この水分散液中のCMC5の含有量は、1.0%であった。
<インクの調製>
表1の上段に示す各成分(単位:%)を混合し十分に撹拌した後、ポアサイズが0.2μmであるポリプロピレンフィルター(ポール製)にて加圧ろ過を行って各インクを調製した。なお、サーフィノール465(Air Products製)は、アセチレングリコール系の界面活性剤の商品名であり、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物で、エチレンオキサイド基の付加モル数が10のものである。また、表1の下段には、カルボキシメチルセルロース(CMC)の重量平均分子量(Mw)、及びCMCのエーテル化度を示した。同様に、表1の下段には、インク中の色材の含有量A(単位:%)、インク中のCMCの含有量B(単位:%)、及びCMCの含有量Bに対する色材の含有量Aの質量比率(A/B)の値を示した。
Figure 2017039890
Figure 2017039890
Figure 2017039890
<評価>
上記で得られた各インクをインクカートリッジに充填し、熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP4600」、キヤノン製)にセットした。上記のインクジェット記録装置では、1/600インチ×1/600インチの単位領域に1滴当たりの質量が5ng±10%であるインク滴を1滴付与する条件で記録した画像を記録デューティが100%であると定義する。本発明においては、以下に示す評価基準で、「C」を許容できないレベル、「A」及び「B」を許容できるレベルとした。評価結果を表2に示す。
(吐出安定性)
上記のインクジェット記録装置を用いて、各インクを10,000Hzの吐出周波数で8時間連続吐出させた後、上記インクジェット記録装置のノズルチェックパターンを1枚記録した。このときのノズルチェックパターンを目視で観察することにより、インクの吐出安定性を評価した。インクの吐出安定性の評価基準は以下の通りである。
A:吐出よれは生じていなかった。
B:吐出よれがわずかに生じていたが気にならないレベルであった。
C:吐出よれが生じていた。
(耐光性)
上記のインクジェット記録装置を用いて、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 プロフェッショナル PR−201」、キヤノン製)に、記録デューティが100%であるベタ画像(2cm×2cm)を記録した。得られた画像を温度23℃、相対湿度55%で24時間自然乾燥した。上記の方法で得た各記録物の画像の光学濃度を測定した(「試験前の光学濃度」とする)。その後、この記録物をキセノン試験装置(商品名「キセノンウェザーメーターSX−75」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度24℃、相対湿度60%、照度100klxの条件で、100時間キセノン光を画像に照射した。次いで、このようにして得られた記録物の画像の光学濃度を測定した(「試験後の光学濃度」とする)。そして、光学濃度の残存率(%)=(試験後の光学濃度/試験前の光学濃度)×100、を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐光性を評価した。
A:光学濃度の残存率が70%以上であった。
B:光学濃度の残存率が60%以上70%未満であった。
C:光学濃度の残存率が60%未満であった。
Figure 2017039890
なお、実施例11においては、初期よりわずかに吐出よれが発生していた。

Claims (7)

  1. 熱エネルギーの作用により記録ヘッドから吐出されるインクジェット用インクであって、
    キサンテン骨格を有する化合物、及びカルボキシメチルセルロースを含有し、
    前記カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量が250,000以上であることを特徴とするインク。
  2. 前記カルボキシメチルセルロースの含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.005質量%以上0.075質量%以下である請求項1に記載のインク。
  3. 前記キサンテン骨格を有する化合物の含有量(質量%)が、前記カルボキシメチルセルロースの含有量(質量%)に対する質量比率で、35倍以上750倍以下である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記カルボキシメチルセルロースのエーテル化度が、0.2以上1.5以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク。
  5. 両末端アルカンジオールを含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
  6. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  7. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
JP2015163756A 2015-08-21 2015-08-21 インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Pending JP2017039890A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018052022A1 (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 三菱ケミカル株式会社 着色樹脂組成物、硬化物及び画像表示装置

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