JP2014050855A - スカム堰、薄肉鋳片の製造方法、薄肉鋳片の製造装置及び薄肉鋳片 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転する一対の冷却ドラム11,11と一対のサイド堰15によって形成された溶鋼溜まり部16に、浸漬ノズル19を介して溶鋼3を供給し、冷却ドラム11の周面に凝固シェル5を形成・成長させて薄肉鋳片1を製造する薄肉鋳片の製造方法で用いられるスカム堰20であって、炭素を3mass%以上15mass%以下、フェライト鉄との格子整合度が6%以下である凝固核生成促進物質を5mass%以上97mass%以下、前記凝固核生成促進物質を含む金属酸化物を55mass%以上95mass%以下、を含む材料で構成されている。
【選択図】図1
Description
そこで、特許文献3,4に開示されているように、溶鋼溜まり部にスカム堰を配設することによって、スカムの巻き込みや凝固開始点における溶鋼面の変動を抑制する技術が提案されている。
また、特許文献3に開示されているように、スカム堰には、耐食性、粒度、強度、容積安定性(低熱変形性)といった特性も求められている。そこで、特許文献3においては、黒鉛と金属酸化物からなるスカム堰が提案されている。
柱状晶組織が発達した薄肉鋳片においては、曲げ応力が作用すると、柱状晶の粒界において割れが発生しやすい。このため、薄肉鋳片の搬送時、巻き取り時に割れや破断が発生したり、冷間圧延時にエッジ割れや破断が発生したりするおそれがある。上述の脆性材料、難熱延材においては、この傾向が特に顕著となる。このため、薄肉鋳片を製造することによって熱間圧延を省略したにもかかわらず、その後の加工等で割れてしまい、製造歩留まりを向上させることができなかった。
ここで、凝固核生成促進物質の含有量が5mass%未満の場合には、スカム堰の表面に、凝固核生成促進物質が十分に露出せず、凝固核の生成を促進できなくなるおそれがある。このため、凝固核生成促進物質の含有量を5mass%以上としている。
さらに、炭素を3mass%以上15mass%以下の範囲内で含有しているので、耐熱衝撃性を確保できるとともに、強度及び耐溶損性を確保することができる。
これらの物質は、フェライト鉄との格子整合度が6%以下であることから、確実に凝固核の生成を促進でき、薄肉鋳片における等軸晶の比率を高くすることが可能となる。具体的には、フェライト鉄との格子整合度は、TiNが3.9%、TiCが5.9%、β型SiCが6.0%、MgO・Al2O3が1.4%、MgOが2.8%、Rem2O3が5.0%とされている。なお、β型SiCは、直接通電法(アチソン法)で製造された一般的なα型SiCとは結晶構造が異なるものである。
この場合、凝固核の生成がさらに促進されるため、薄肉鋳片における等軸晶の比率をさらに高くすることが可能となる。
この場合、スカム堰から凝固核生成促進物質及び金属酸化物が脱落して薄肉鋳片に巻き込まれた場合であっても、薄肉鋳片の表面欠陥となることを抑制できる。よって、鋳造を長時間安定して実施することができる。
なお、溶鋼溜まり部には、サイド堰、浸漬ノズル等も配設されることになるが、これらの表面では溶鋼の流速が確保することが困難である。このように表面の溶鋼流速が低い部位に凝固核を生成させた場合、凝固核がその表面で成長して地金となり、薄肉鋳片に巻き込まれて欠陥が生じたり、鋳造トラブルが発生したりするおそれがある。このため、本発明においては、溶鋼の流速を確保できるスカム堰の表面において凝固核の生成を促進するように構成している。
また、過熱度を3℃以上30℃以下と低くすることにより、等軸晶化が促進され、薄肉鋳片における等軸晶の比率をさらに高くすることが可能となる。なお、過熱度は、例えば、放射温度計や熱電対等によって測定することができる。また、溶鋼溜まり部における温度低下量を把握しておき、浸漬ノズルへ溶鋼を供給するタンディッシュ等の溶鋼温度で管理することも可能である。
Arガスは、窒素やHeといった他の不活性ガスに比べて熱伝導率が低い。よって、前記冷却ドラムと凝固シェルとの間の空隙に、熱伝導率の低いArガスを介在させることにより、冷却ドラムによる抜熱を抑えて柱状晶の発達を抑制することができる。
具体的には、本実施形態である薄肉鋳片1は、C;0.001mass%以上0.055mass%以下、Si;0.10mass%以上4.15mass%以下、Mn;0.07mass%以上0.60mass%以下、P;0.15mass%以下、S;0.01mass%以下、Al;0.02mass%以上4.0mass%以下、Ti;0.20mass%以下、Cu;3.0mass%以下、を含む鋼材で構成されている。以下に、各元素を上述のように規定した理由について説明する。
Cは、鋼材の強度を向上させる作用効果を有する元素である。ここで、Cの含有量を0.001mass%未満とすることは、精錬コストが大幅に上昇するため好ましくない。一方、Cの含有量が0.055mass%を超えると加工性が劣化するため好ましくない。そこで、Cの含有量を0.001mass%以上0.055mass%以下の範囲内に設定している。
Siは、脱酸剤として作用する元素であり、特に、Al添加前の予備脱酸として添加される。また、電磁鋼の主成分として添加される。ここで、Siの含有量が0.10mass%未満では、脱酸効果を十分に奏功せしめることができない。一方、Siの含有量が4.15mass%を超えると、靭性が低下し、鋳片の横割れ等が発生するおそれがある。そこで、Siの含有量を0.1mass%以上4.15mass%以下の範囲内に設定している。
Mnは、強度を向上させる作用効果を有する元素である。ここで、Mnの含有量が0.07mass%未満では、強度を十分に向上させることができない。一方、Mnの含有量が0.60mass%を超えると靭性が低下するため好ましくない。そこで、Mnの含有量を0.07mass%以上0.60mass%以下の範囲内に設定している。
Pは、いわゆる固溶強化元素であり、鋼の強度を向上させる作用効果を有する。ここで、Pの含有量が0.15mass%を超えると、偏析した部位で鋳片割れが生じやすくなるため好ましくない。そこで、Pの含有量を0.15mass%以下に設定している。なお、下限は特に規定しないが、合理的なコストとの兼ね合いから、0.002mass%以上とすることが好ましい。
Sは、加工性及び靭性を低下させる有害元素である。そこで、上限を0.01mass%以下に限定している。なお、下限は特に規定しないが、精錬コストとの兼ね合いから、0.001mass%以上とすることが好ましい。
Alは、脱酸剤として作用する元素である。また、比重を軽くする作用効果も有する。ここで、Alの含有量が0.02mass%未満では、脱酸剤として効果を十分に奏功せしめることができない。一方、Alの含有量が4.0mass%を超えると靭性が低下するため好ましくない。そこで、Alの含有量を0.02mass%以上4.0mass%以下の範囲内に設定している。
Tiは、鋼の強度を向上させる作用効果を有する元素である。ここで、Tiの含有量が0.20mass%を超えると、粗大なTiNが生じ、靭性が低下する。そこで、Tiの含有量を0.20mass%以下に設定している。なお、下限は特に規定せず0mass%でもよいが、強度向上の作用効果を確実に奏功せしめるためには、Tiの含有量を0.01mass%以上とすることが好ましい。
Cuは、鋼の強度を向上させる作用効果を有する元素である。ここで、Cuの含有量が3.0mass%を超えると、靭性が低下し、鋳片の横割れが生じるおそれがある。そこで、Cuの含有量を3.0mass%以下に設定している。なお、下限は特に規定せず0mass%でもよい。
本実施形態である薄肉鋳片の製造装置10は、図1に示すように、一対の冷却ドラム11、11と、薄肉鋳片1を曲げるベンダーロール12、12と、薄肉鋳片1を支持するピンチロール13、13と、一対の冷却ドラム11、11の幅方向端部に配設されたサイド堰15と、これら一対の冷却ドラム11、11とサイド堰15とによって画成された溶鋼溜まり部16に対して溶鋼3を供給するタンディッシュ18及び浸漬ノズル19と、を備えている。
そして、溶鋼溜まり部16には、本実施形態であるスカム堰20が配設されている。詳述すると、図2に示すように、スカム堰20は、浸漬ノズル19と冷却ドラム11、11との間に配置され、一部が溶鋼3内に浸漬されている。なお、本実施形態では、スカム堰20は、矩形平板状をなしており、溶鋼3への浸漬深さDが5mm以上とされている。
炭素の含有量が3mass%未満であると、耐熱衝撃性が不足するため、スカム堰20の使用時、特に鋳造開始時に割れが発生するおそれがある。一方、炭素の含有量が15mass%を超えると、強度が低下するとともに溶損量が増加するため、スカム堰20の寿命が短くなるおそれがある。以上のことから、炭素の含有量を3mass%以上15mass%以下の範囲に設定している。
フェライト鉄との格子整合度が6%以下である凝固核生成促進物質は、スカム堰20と溶鋼3とが接触した部分において、スカム堰20の表面に初晶フェライト鉄の凝固核を生成させ、薄肉鋳片1における等軸晶比率を向上させるものである。この凝固核生成促進物質の含有量が5mass%未満の場合には、スカム堰20の表面に凝固核生成促進物質が十分に露出せず、凝固核の生成を促進できなくなるおそれがある。以上のことから、凝固核生成促進物質の含有量を5mass%以上としている。なお、上述のように、炭素を3mass%含有することから、凝固核生成促進物質の含有量の上限は97mass%となる。
また、凝固核生成促進物質を含む金属酸化物の含有量が55mass%未満の場合には、耐溶損性が低下し、スカム堰20が早期に劣化するおそれがある。また、金属酸化物の含有量が95mass%を超える場合には、耐熱衝撃性が低下し、スカム堰20に割れが生じるおそれがある。以上のことから、凝固核生成促進物質を含む金属酸化物の含有量を55mass%以上95mass%以下の範囲に設定している。
また、上述の凝固核生成促進物質として、TiN、TiCから選択される1種又は2種以上と、MgO・Al2O3、MgO、Rem2O3から選択される1種又は2種以上と、を併せて含有することがさらに好ましい。
一対の冷却ドラム11、11を回転方向Rに向けて、すなわち、一対の冷却ドラム11、11同士が近接する領域が鋳片の引抜方向(図1においては下方向)に向かうように、それぞれの冷却ドラム11、11を回転させる。
なお、浸漬ノズル19からの吐出流は、浸漬されたスカム堰20に向かうように配置されている。これにより、スカム堰20の表面における溶鋼3の流速が10cm/sec以上とされている。
また、スカム堰20と冷却ドラム11との間の雰囲気がArガス雰囲気とされており、冷却ドラム11と凝固シェル5との間にArガスを介在させている。
さらに、浸漬ノズル19とスカム堰20との間で測定される溶鋼3の過熱度を3℃以上30℃以下の範囲内に設定している。
このとき、溶鋼溜まり部16に浸漬されたスカム堰20により、溶鋼溜まり部16に貯留された溶鋼3の上部に浮遊する介在物(スカム)が冷却ドラム11側へと混入することが防止され、薄肉鋳片1へのスカムの巻き込みが抑制される。また、スカム堰20により、冷却ドラム11の凝固開始点における溶鋼面の変動が抑制される。
さらに、凝固核生成促進物質として、TiN、TiCから選択される1種又は2種以上と、MgO・Al2O3、MgO、Rem2O3から選択される1種又は2種以上と、を併せて含有しているので、凝固核の生成がさらに促進され、薄肉鋳片1における等軸晶の比率を確実に高くすることが可能となる。
また、本実施形態においては、浸漬ノズル19とスカム堰20との間で測定される溶鋼3の過熱度を3℃以上30℃以下の範囲内に設定しているので、等軸晶化が促進され、薄肉鋳片1における等軸晶の比率をさらに高くすることが可能となる。
例えば、本実施形態では、ベンダーロール及びピンチロールを配設したもので説明したが、これらのロール等の配置に限定はなく、適宜設計変更してもよい。また、タンディシュ、浸漬ノズル等の構成は、本実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更してもよい。
スカム堰と冷却ドラムとの間の雰囲気をArガスとしたもので説明したが、これに限定されることはなく、他のガス雰囲気としてもよい。
ここで、後述するすべての耐火材において、炭素粒子の最大粒径は300μm以下、平均粒径100μm以下、酸化物、炭化物、窒化物の最大粒径は100μm以下、平均粒径50μm以下とした。
鋳造速度 : 平均50m/min
鋳造幅 : 1300mm
スカム堰浸漬深さ : 15mm
スカム堰/冷却ドラム間の流速 : 20cm/sec以上
ノズル側のスカム堰に面した溶鋼の流速 : 15cm/sec以上
溶鋼プール内の過熱度 : 25℃目標、20〜30℃の範囲内
鋳造雰囲気 : Ar
鋳造厚み : 平均3.0mm
鋳造量 : 10ton
p=%TiN+%TiC+%β-SiC+%MgO・Al2O3+%MgO+%Rem2O3
また、表3及び表4に、金属酸化物の合計質量%をqとして表示した。なお、qは、以下の式で算出した。
q=%Al2O3+%SiO2+%ZrO2+(他の酸化物)+%MgO・Al2O3+%MgO+%Rem2O3
得られた薄肉鋳片の等軸晶の比率を測定した。鋳片1/4幅、1/2幅、3/4幅部の断面の凝固組織を観察し、各位置の(等軸晶厚み)/(鋳片全厚み)×100(%)を算出し、3ヶ所の平均値を代表値とした。評価結果を表3,4に示す。
鋳造終了後のスカム堰を回収し、片面における鋳造後の溶損深さの最大値が0.5mm以上の場合を×、0.5mm未満の場合を○とした。評価結果を表3,4に示す。
鋳造終了後のスカム堰を回収し、スカム堰の表面に、長さ3mm以上の亀裂が見られた場合を×、それ以外の場合を○とした。なお、亀裂は、特にスカム堰先端の角部に発生することが多い。評価結果を表3,4に示す。
炭素含有量が15%超とされた比較例29においては、鋳造中に脱炭が進行してしまい、鋳造終了後のスカム堰の溶損深さが0.5mm以上であった。
核生成促進物質の合計量pが5mass%未満とされた比較例30〜38においては、等軸晶の比率が25%に達しなかった。
金属酸化物の合計量qが55mass%未満とされた比較例39においては、耐溶損性が不十分であった。
金属酸化物の合計量qが95mass%超とされた比較例40においては、耐熱衝撃性が不十分であった。
また、本発明例20〜27は、(a)TiN、TiCから選択される物質の1種または2種以上と、(b)MgO・Al2O3、MgO、Rem2O3から選択される物質の1種または2種以上とを併せて添加した耐火物を用いたものである。
p(凝固核生成促進物質の合計質量%)が同一のものと比較すると、上記(a)から選択される物質のみ、あるいは上記(b)から選択される物質のみを添加した場合よりも、(a)と(b)からそれぞれ選択した物質を併せて添加した場合に、等軸晶の比率が増加していることが確認される。
スカム堰を構成する耐火物の組成は、実施例1の本発明例2に示したC;10mass%、Al2O3;75mass%、TiN;11mass%、TiO2;4mass%を含有するものとした。なお、スカム堰の原料の粒径を表5,6に示すように規定した。
本発明例101〜104は、銅含有高リン低炭素鋼で、雰囲気と溶鋼プール過熱度を変更した。
本発明例105〜107と、比較例120,121は、高Al鋼で、過熱度を変更した。
本発明例108〜114と、比較例122〜124は、高Si鋼で、雰囲気や過熱度、流速、耐火物原料粉末の粒径を変更した。
本発明例115〜119と、比較例125、126は、高Si、高P、高Al、高Cuを含有する非常に脆化し易い鋼種で、雰囲気や過熱度を変更した。
なお、表2に示した条件以外の、他の鋳造条件は実施例1と同様とした。
鋳造時における溶鋼の流速を測定した。表7,8には、スカム堰と冷却ドラム間、あるいはスカム堰の浸漬ノズル側に面した溶鋼の流速のいずれか低い方の流速を記した。なお、湯面モニター画像で溶鋼表面に浮遊するスカムの移動速度より算出した。
鋳造後のスカム堰を観察し、最大長さ5mm以上の地金が、スカム堰(浸漬ノズル側の面、冷却ドラム側の面のいずれも可)に付着していた場合を×、4mm以下の場合を○とした。評価結果を表7,8に示す。
鋳造中に地金を冷却ドラム間に巻込み、ドラムキス点を通過する際に冷却ドラム間が開いて、未凝固部を含んだ局部的な鋳片高温部が発生した場合を×、未発生の場合は○とした。評価結果を表7,8に示す。
コイラー巻取り後、室温まで冷却してから鋳片を巻き戻し、横割れの有無を調査した。鋳片長さ1mあたり1個以上の場合を×、1個未満の場合を○とした。評価結果を表7,8に示す。
横割れの無い部位を、67%の圧下率で冷間圧延し、長さ100mm以上の横割れが発生した場合を×、未発生の場合を○とした。評価結果を表7,8に示す。
冷延板表面を目視観察し、長さ5mm以上の表面疵が長さ1mあたり3個以上発生した場合を×、1個以上3個未満発生した場合を○、1個未満の場合を◎と評価した。評価結果を表7,8に示す。
比較例120、125は、溶鋼溜まり部の過熱度が30℃を超えたため、等軸晶の比率が25%未満であり、そのため、鋳片横割れと冷延板の割れが発生し、いずれの評価も×であった。
比較例121、126は、溶鋼溜まり部の過熱度が3℃未満だったため、スカム堰表面に地金が付着しており、地金付着の評価は×であった。そして、操業中に地金を巻き込んで、未凝固部を含んだ局部的高温部が発生したため、操業性は×であった。
比較例123、124は、耐火物原料の粒径が規定範囲を超えており、鋳造中に脱落し鋳片に巻込まれた粗大な粒子が原因となって、冷延板に長さ5mm以上の表面疵が発生したため、冷延板表面疵が×であった。
3 溶鋼
5 凝固シェル
10 薄肉鋳片の製造装置
11 冷却ドラム
15 サイド堰
16 溶鋼溜まり部
19 浸漬ノズル
20 スカム堰
Claims (8)
- 回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶鋼溜まり部に、浸漬ノズルを介して溶鋼を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する薄肉鋳片の製造方法で用いられるスカム堰であって、
炭素を3mass%以上15mass%以下、フェライト鉄との格子整合度が6%以下である凝固核生成促進物質を5mass%以上97mass%以下、前記凝固核生成促進物質を含む金属酸化物を55mass%以上95mass%以下、を含む材料で構成されていることを特徴とするスカム堰。 - 前記凝固核生成促進物質として、TiN、TiC、β型SiC、MgO・Al2O3、MgO、Rem2O3から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のスカム堰。
- 前記凝固核生成促進物質として、TiN、TiCから選択される1種又は2種以上と、MgO・Al2O3、MgO、Rem2O3から選択される1種又は2種以上と、を併せて含有することを特徴とする請求項1に記載のスカム堰。
- 前記凝固核生成促進物質及び前記金属酸化物の最大粒径が100μm以下、平均粒径が50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスカム堰。
- 回転する一対の冷却ドラム一対のサイド堰によって形成された溶鋼溜まり部に、浸漬ノズルを介して溶鋼を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する薄肉鋳片の製造方法であって、
前記溶鋼溜まり部に、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のスカム堰を配置し、
前記浸漬ノズルと前記スカム堰との間で測定される溶鋼の過熱度を3℃以上30℃以下の範囲内に設定するとともに、
前記スカム堰の表面における前記溶鋼の流速が10cm/sec以上とすることを特徴とする薄肉鋳片の製造方法。 - 前記スカム堰と前記冷却ドラムとの間の雰囲気をArとすることを特徴とする請求項5に記載の薄肉鋳片の製造方法。
- 回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶鋼溜まり部に、浸漬ノズルを介して溶鋼を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する薄肉鋳片の製造装置であって、
前記溶鋼溜まり部には、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のスカム堰が配設されていることを特徴とする薄肉鋳片の製造装置。 - C;0.001mass%以上0.055mass%以下、Si;0.10mass%以上4.15mass%以下、Mn;0.07mass%以上0.60mass%以下、P;0.15mass%以下、S;0.01mass%以下、Al;0.02mass%以上4.0mass%以下、Ti;0.20mass%以下、Cu;3.0mass%以下、を含み、残部がFe及び不可避不純物である鋼からなり、
鋳片厚みに対する等軸晶の厚み比率が25%以上とされていることを特徴とする薄肉鋳片。
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