JP2014050854A - タンデムサブマージアーク溶接方法 - Google Patents

タンデムサブマージアーク溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接速度が160〜200cm/minと高速な条件で、火力発電ボイラ火炉の水冷壁を溶接しても、優れた溶接品質が得られるタンデムサブマージアーク溶接方法提供する。
【解決手段】肉厚が4.5mm以上で外径が25.4mm以上の鋼管の外面と、板厚が4.5mm以上の平鋼とを、電極ワイヤの直径D、溶接速度S、先行電極の電流I、先行電極の電流Iと後行電極の電流Iとの比(I/I)、先行電極の後退姿勢での傾斜角度α、後行電極の前進姿勢での傾斜角度β、先行電極と後行電極の動作角γ、先行電極と後行電極との距離G、先行電極のアーク電圧、後行電極のアーク電圧、チップ母材間距離を特定の範囲にすると共に、先行電極の極性を直流ワイヤプラス、後行電極の極性を交流とし、塩基度Bが0.6〜0.9の範囲にある溶融フラックスを用いて、平鋼の長手方向に水平すみ肉姿勢でタンデムサブマージアーク溶接する。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉粒状溶接フラックスの中に2本の電極ワイヤを送り込んで溶接を行うタンデムサブマージアーク溶接方法に関する。より詳しくは、溶接速度が160〜200cm/minの範囲のタンデムサブマージアーク高速溶接方法に関する。
ボイラを製造する際、火炉壁の溶接速度は製造効率に対して大きな影響要因であり、高速溶接を達成するために様々な検討が図られている。従来検討されてきた溶接プロセスは、ガスシールドアーク溶接とサブマージアーク溶接である。ガスシールドアーク溶接は、溶加材として働く消耗電極ワイヤを一定の速度で送給しながら電極チップで給電し、消耗電極ワイヤと被溶接材間にアークを発生させる溶接方法である。その際、アルゴン(Ar)と二酸化炭素(CO)の混合ガスやCOなどのシールドガスを流し、溶接部を周囲の大気より保護する。また、ガスシールドアーク溶接では、アークの安定性などに配慮し、電流の種類としては、通常、直流ワイヤプラス(以下、「DCEP」と記す。)が採用される。
一方、サブマージアーク溶接は、母材上にあらかじめ散布した粉粒状溶接フラックスの中に消耗電極ワイヤを送り込み、消耗電極ワイヤと被溶接材間にアークを発生させる溶接方法である。サブマージアーク溶接は、ガスシールドアーク溶接と違って、シールドガスは使用せず、電流の種類としては、DCEP又は交流(以下、「AC」と記す。)が採用される。また、高速溶接性及び溶接品質の両立の観点から、タンデムサブマージアーク溶接も検討されている。タンデムサブマージアーク溶接は、溶接フラックスの中に2本の電極ワイヤを送り込み溶接する方法であり、高速溶接においても十分な溶着金属量が確保できるという特徴がある。
一方、タンデムサブマージアーク溶接プロセスには、多くのパラメーターがあり、その条件設定が高速溶接性及び溶接品質に対して非常に重要である(特許文献1〜3参照)。例えば、特許文献1には、良好なビード形状が得られる小脚長高速水平すみ肉溶接を実現するために、フラックス入りワイヤを用いて行う2電極1プール方式の水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法が提案されている。この特許文献1に記載の小脚長高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法では、先行電極のワイヤ突き出し長さ(WL)と後行電極の突き出し長さ(WL)との関係が、(WL+5mm)<WL≦45mmを満足し、かつ、少なくとも後行電極はルチール系フラックス入りワイヤとし、溶接速度1.0m/min以上で脚長3〜4mmビードを形成するようにしている。
また、特許文献2には、溶接H形鋼の製造を高能率化するために、2電極のすみ肉潜弧溶接を適用し、先行電極と後行電極のワイヤ径、電流比、電圧、傾度、角度、極間距離、フランジとの最短距離等を一定範囲に規制することによりアンダーカットやオーバラップなどの欠陥なしに高能率の製造を行う溶接方法が提案されている。この特許文献2に記載のT継手の2電極水平すみ肉潜弧溶接方法では、L極ワイヤ径:3.2〜6.4mm、T極ワイヤ径:3.2〜7.0mm、L極電流とT極電流の比(I/I):0.6〜1.0、L極電圧(V):V≦45V、T極電圧(V):V≦50V、L極電極傾度(a):3〜30°、T極電極傾度(b):3〜35°、L極電極角度(c):−10〜+10°、T極電極角度(d):0〜30°、L極とT極の極間距離(l):10〜120mm、L極とフランジの最短距離(e):0〜10mm、T極とフランジの最短距離(f):1〜13mmにしている。
更に、特許文献3には、水平タンデムサブマージアーク溶接における高速溶接性、大脚長性、耐アンダーカット性を向上させるために、先行電極や後行電極の溶接ワイヤの先端を、それぞれ回転させる溶接方法が提案されている。この特許文献3に記載のタンデム回転サブマージアーク溶接方法では、先行電極と後行電極を用い、溶接フラックス下で溶接ワイヤと母材間、あるいは溶接ワイヤ間にアークを発生させ、これにより生じる高熱を利用してタンデムサブマージアーク溶接を行う際に、狙い位置を溶接線より片側にずらした先行電極の溶接ワイヤ先端を、溶接ワイヤ前側が溶接線に近づく方向に回転させ、及び/又は、狙い位置を先行電極と反対側にずらした後行電極の溶接ワイヤの先端を、溶接ワイヤ前側が溶接線に近づく方向に回転させている。
特開平10−216943号公報 特開平8−281436号公報 特開2011−51005号公報
しかしながら、前述した従来のタンデムサブマージアーク溶接方法には、溶接速度が160〜200cm/minと高速な条件下で、火力発電ボイラの火炉水冷壁を溶接した場合、十分な溶接品質が得られないという問題点がある。例えば、特許文献1に記載の技術は、2電極のガスシールドアーク溶接方法であり、ボイラ火炉壁の高速溶接には適用することができない。
また、特許文献2に記載の溶接方法は、ワイヤ径が3.2mm以上と規定されており、高速溶接には不向きである。高速溶接では、溶接物間の隙間を埋めるために十分な溶着金属量(ワイヤ送給量)が要求されるが、溶接電流が同じ条件では、ワイヤ径が太くなるほどワイヤ送給量が少なくなる。このため、ワイヤ径が3.2mm以上の場合、狙い溶接速度によっては、十分な溶着金属量が確保できないことがある。一方、溶接電流を高くすると溶着金属量を増やすことができるが、ボイラ火炉壁などのように板厚が8mm未満のものを高電流で溶接すると、母材の溶落ちが発生する虞がある。
また、特許文献3に記載の技術は、先行電極と後行電極をそれぞれ溶接線に対してずらして配置することが特徴であるが、高速溶接において前後の電極をずらすと、溶接ビードが分かれる虞があり、この溶接方法も160〜200cm/minの溶接速度での溶接には適していない。
そこで、本発明は、溶接速度が160〜200cm/minと高速な条件で、火力発電ボイラ火炉の水冷壁を溶接しても、優れた溶接品質が得られるタンデムサブマージアーク溶接方法提供することを主目的とする。
本発明者は、ボイラ火炉壁の溶接において、溶接速度を速くしても、良好な溶接品質が得られるタンデムサブマージアーク溶接方法及び溶接条件について、鋭意実験検討を行った。具体的には、高速溶接性を確保するため、直径が1.6mm、2.0mm又は2.4mmと細径の電極ワイヤを使用したタンデムサブマージアーク溶接について検討を行い、先行電極と後行電極の電流や電圧、極間距離及び電極の角度などの溶接条件を、特定の範囲にすることで、良好な溶接品質が得られることを知見した。
即ち、本発明に係るタンデムサブマージアーク溶接方法は、電極ワイヤの直径D:1.6mm、2.0mm又は2.4mm、溶接速度S:160〜200cm/min、先行電極の電流I:(100×D+200)〜(100×D+320)A、先行電極の電流Iと後行電極の電流Iとの比(I/I):1.3〜1.8、先行電極の傾斜角度α:後退角で0〜10°、後行電極の傾斜角度β:前進角で10〜20°、先行電極と後行電極の動作角γ:10〜20°、先行電極と後行電極との距離G:(5D−2)〜(5D+1)mm、先行電極のアーク電圧:24〜28V、後行電極のアーク電圧:28〜32V、チップ母材間距離:18〜22mm、先行電極の極性をDCEP、後行電極の極性をACとし、CaO、CaF、MgO、BaO、NaO、KO、MnO、FeO、SiO、Al、TiO及びZrOの含有量(mol%)を、それぞれ[CaO]、[CaF]、[MgO]、[BaO]、[NaO]、[KO]、[MnO]、[FeO]、[SiO]、[Al]、[TiO]及び[ZrO]としたとき、下記数式1から算出される塩基度Bが0.6〜0.9の範囲にある溶融フラックスを用いて、肉厚が4.5mm以上で外径が25.4mm以上の鋼管の外面と、板厚が4.5mm以上の平鋼とを、前記平鋼の長手方向に水平すみ肉姿勢で溶接する。
Figure 2014050854
本発明によれば、電極ワイヤ径、先行電極及び後行電極の電流、電圧、極間距離などの各種溶接条件を特定の範囲とし、塩基度が特定の範囲にある溶融フラックスを使用しているため、溶接速度が160〜200cm/minのタンデムサブマージアーク高速溶接であっても、十分な溶着金属量が確保できると共に、溶接ビード幅、溶込み深さ及びビード形状の全てにおいて、優れた溶接品質が得られる。
本発明の実施形態のタンデムサブマージアーク溶接方法を示す模式図である。 図1に示すタンデムサブマージアーク溶接方法における電極の動作角γを示す模式図である。 図1に示すタンデムサブマージアーク溶接方法における極間距離Gを示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。図1は本発明の実施形態に係るタンデムサブマージアーク溶接方法を示す模式図であり、図2は図1に示す電極1,2の動作角γを示す模式図であり、図3は極間距離Gを示す模式図である。
図1〜3に示すように、本実施形態のタンデムサブマージアーク溶接方法(以下、単に溶接方法ともいう。)は、肉厚が4.5mm以上で外径(直径)が25.4mm以上の鋼管3aと、板厚が4.5mm以上の平鋼(メンブレンバー)3bとを、平鋼3bの長手方向に水平すみ肉姿勢で溶接し、例えば鋼管3aと平鋼3bとが交互に隅肉溶接されたパネルが複数接続された構造のボイラ火炉水冷壁を形成する。ここで、被溶接材である鋼管3a及び平鋼3bの材質は、特に限定されるものではないが、例えば火力発電用ボイラ火炉の場合は、主に炭素鋼や低合金鋼などが使用される。
具体的には、母材3(鋼管3a,平鋼3b)上に、先行電極1と後行電極2を所定の極間距離G、所定の傾斜角度α,β、所定の動作角γで配置すると共に、ホッパー4を配置し、ホッパー4から溶接フラックス5を供給する。そして、先行電極1と母材3(鋼管3a,平鋼3b)との間、後行電極2と母材3(鋼管3a,平鋼3b)との間、先行電極1と後行電極2との間をそれぞれ溶接フラックス5で満たし、溶接フラックス5に埋没した状態で、先行電極1と母材3(鋼管3a,平鋼3b)との間及び後行電極2と母材3との間に電圧を印加する。
これにより、先行電極1と母材3(鋼管3a,平鋼3b)との間及び後行電極2と母材3(鋼管3a,平鋼3b)との間にそれぞれアークが発生し、そのアーク熱により、先行電極1、後行電極2及び母材3(鋼管3a,平鋼3b)が溶融して、溶融金属6aとなる。また、溶融金属6a上には、溶接フラックス5が溶融してスラグ7aが形成される。そして、先行電極1、後行電極2及びホッパー4を、溶接方向xに前進させると、これらの後方では、溶融金属6a及び溶融スラグ7aが凝固し、ビード(溶接金属)6b及びその上部の凝固スラグ7bが形成される。
その際の溶接条件は、電極ワイヤ1,2の直径Dは1.6mm、2.0mm又は2.4mm、溶接速度Sは160〜200cm/minとする。また、先行電極1の電流Iは(100×D+200)〜(100×D+320)A、先行電極1の電流Iと後行電極2の電流Iとの比(I/I)は1.3〜1.8、先行電極1の傾斜角度αは後退角で0〜10°、後行電極2の傾斜角度βは前進角で10〜20°、先行電極1と後行電極2の動作角γは10〜20°とする。更に、先行電極1と後行電極2との距離Gは(5D−2)〜(5D+1)mm、先行電極1のアーク電圧は24〜28V、後行電極2のアーク電圧は28〜32V、チップ母材間距離は18〜22mmとし、先行電極1の極性をDCEP、後行電極2の極性をACとする。
一方、溶接フラックス5には、下記数式2から算出される塩基度Bが0.6〜0.9の範囲にある溶融フラックスを用いる。なお、下記数式2における[CaO]、[CaF]、[MgO]、[BaO]、[NaO]、[KO]、[MnO]、[FeO]、[SiO]、[Al]、[TiO]及び[ZrO]は、それぞれCaO、CaF、MgO、BaO、NaO、KO、MnO、FeO、SiO、Al、TiO及びZrOの含有量(mol%)である。
Figure 2014050854
次に、本実施形態のタンデムサブマージアーク溶接方法における各種条件設定の理由について説明する。
[溶接速度S:160〜200cm/min]
溶接速度Sが160cm/min未満では「高速な条件」とは言えず、本発明の目的から外れる。また、溶接速度Sが160cm/min未満の場合、従来の溶接方法でも、良好な溶接品質が得られることがある。一方、溶接速度Sが200cm/minを超えると、後述する条件を採用しても、溶着金属量が不十分となったり、溶接ビード幅、溶込み深さ又はビード形状に不良が発生することがある。よって、本実施形態の溶接方法では、溶接速度Sは160〜200cm/minとする。
[タンデムサブマージアーク溶接]
1本の電極ワイヤを用いて、160〜200cm/minの溶接速度でサブマージアーク溶接した場合、溶着金属量が不足する。よって、本実施形態の溶接方法では、2本の電極ワイヤ(先行電極1,後行電極2)を使用するタンデムサブマージアーク溶接を行う。
[電極ワイヤ径D:1.6mm、2.0mm又は2.4mm]
サブマージアーク溶接では、溶接速度が速くなるに従い、溶着金属量及び溶込み深さが不足になりやすい傾向がある。溶接電流が同じである場合、ワイヤ径が細いほど溶着金属量が多くなり、更に、アークが集中するため、溶込み深さも深くなる。一方、太径のワイヤを用いて溶接電流を上げれば、必要な溶着金属量及び溶込みが得られるが、その場合、アンダーカットや母材3の溶落ちなどの溶接欠陥が発生しやすくなる。
このため、本実施形態の溶接方法では、電極1,2のワイヤ径Dの範囲を1.6〜2.4mとする。具体的には、直径が1.6mm、2.0mm又は2.4mmの電極ワイヤを使用する。なお、電極ワイヤ径Dが1.6mm未満の場合、凸ビードになりやすく、また、電極ワイヤ径Dが2.4mmを超えると、アンダーカットや鋼管3a又は平板3bの溶落ちなどの溶接欠陥が発生しやすくなる。
[先行電極1の電流I(A):(100×D+200)≦I≦(100×D+320)]
先行電極1の電流Iが、(100×D+200)A未満の場合、溶込みが不足する。一方、溶接電流の適正値はワイヤ径によって変わり、電極ワイヤ径Dが前述した範囲の場合、電流Iが(100×D+320)Aを超えると、凸ビードになりやすい。よって、本実施形態の溶接方法では、先行電極1の電流I(A)を、(100×D+200)以上、かつ、(100×D+320)以下とする。
[先行電極1の電流I(A)と後行電極2の電流I(A)の比(I/I):1.3〜1.8]
先行電極1と後行電極2のそれぞれの主な役割は、先行電極1の溶接で溶込み形状を決め、後行電極2が溶着金属の補充とビード幅(又は脚長)の増幅を果すことである。ただし、これらの電流の比(I/I)が1.3未満の場合、後行電極2のアークが先行電極2のアークと干渉し、不整ビードになりやすい。一方、I/Iが1.8を超えると、後行電極2の電流Iが先行電極1の電流Iよりも極端に低くなり、後行電極2による溶着金属の補充とビード幅(又は脚長)の増幅効果が不十分となる。よって、本実施形態の溶接方法では、先行電極1の電流Iと後行電極2の電流I(A)との比(I/I)は1.3〜1.8とする。
[先行電極1と後行電極2の極間距離G(mm):(5×D−2)≦G≦(5×D+1)]
先行電極1と後行電極2の極間距離Gは、ビード形状に影響する重要な因子である。極間距離Gが小さすぎると、即ち、先行電極1と後行電極2とが近すぎると、2つのアークが互いに干渉してビード形状が劣化する。本実施形態の溶接方法では、極間距離Gが(5×D−2)mm未満の場合、このような問題が生じる。
一方、極間距離Gが大きすぎると、即ち、先行電極1と後行電極2とが離れすぎると、先行電極1の溶融池と後行電極2の溶融池が分かれ形成され、1つの溶融池にならない。本実施形態の溶接方法の場合、極間距離Gが(5×D+1)mmを超えると、2つの溶融池が形成され、ビードも2本重ねたビードのような外観となり、ビード幅が狭くなる。よって、本実施形態の溶接方法では、極間距離Gは、(5×D−2)mm以上、かつ、(5×D+1)以下とする。
[先行電極1の極性:DCEP,後行電極2の極性:AC]
一般に、電極の極性がDCEPの場合は溶込みが深くなり、ACの場合はワイヤが溶けやすく、溶着金属量が多くなることが知られている。本実施形態の溶接方法において、先行電極1と後行電極2のそれぞれの主な役割は、先行電極1の溶接で溶込み形状を決め、後行電極2が溶着金属の補充及びビード幅(又は脚長)の増幅を果すことである。そこで、先行電極1の極性をDCEPとし、後行電極2の極性をACとすることにより、先行電極1による深い溶込み、後行電極2による溶着金属補充効果を最大限に発揮できる。なお、前後電極1,2のアーク干渉を避ける観点からも、前後電極1,2は異なる極性にすることが好ましい。
[先行電極1のアーク電圧:24〜28V,後行電極2のアーク電圧:28〜32V]
高速溶接の場合、アンダーカットや不整ビードが発生しやすいため、アーク電圧をできるだけ低く設定し、アーク長を短くすることが重要である。ただし、先行電極1のアーク電圧が24V未満の場合、ワイヤが母材3に突っ込み、アークが不安定となるため、ビード形状がかえって劣化する。また、先行電極1の電圧が28Vを超えると、アンダーカットや不整ビードが発生する。よって、先行電極1のアーク電圧は、24〜28Vとする。これにより、高速溶接でも良好な溶接ビードを、安定して形成することができる。
一方、後行電極2の極性はACであるが、アーク電圧が同じである場合、AC溶接はDC溶接よりも形成されるビード幅が狭く、ワイヤが母材に突っ込みやすい傾向がある。このため、ACの後行電極2については、アーク電圧の範囲(上限・下限)を、DCの先行電極1よりも高く設定する必要があり、本実施形態の溶接方法では、前述した先行電極1よりも4V高くし、後行電極2のアーク電圧を28〜32Vとする。
[先行電極1の傾斜角度α:後退角で0〜10°]
一般的に、溶込み深さを確保するためには、電極は前進姿勢よりも後退姿勢のほうがよい。前述したように、先行電極1は、良好な溶込み形状を得るために重要であり、その傾斜角度αが0°よりも小さいと、前進角となって溶込みが浅くなる他、後行電極2との干渉の観点から、タンデム装置の配置が難しくなる。一方、先行電極1の傾斜角度αが10°よりも大きいと、ビード形状が劣化する。よって、本実施形態の溶接方法では、先行電極1の傾斜角度αは、後進角で0〜10°とする。
[後行電極2の傾斜角度β:前進角で10〜20°]
一般的に、ビード幅を確保するためには、電極は後退姿勢よりも前進姿勢のほうがよい。前述したように、後行電極2は、良好なビード幅を得るために重要であり、前進姿勢の傾斜角度βが10°よりも小さいと、ビード幅が狭くなる他、先行電極1との干渉の観点から、タンデム装置の配置が難しくなる。一方、後進電極2における前進姿勢の傾斜角度βが20°よりも大きいと、ビード形状が劣化する。よって、本実施形態の溶接方法では、後行電極2の傾斜角度βは、前進角で10〜20°とする。
[先行電極1と後行電極2の動作角γ:10〜20°]
本実施形態の溶接方法で対象としている火力発電用ボイラの火炉水冷壁の溶接では、溶接継手がすみ肉溶接に近いため、電極の動作角γが10°よりも小さいと、ビードと鋼管3a及び平鋼3bとのなじみが不良となり、ビード形状が劣化する。一方、電極の動作角γが20°よりも大きいと溶込みが浅くなる。よって、本実施形態の溶接方法では、先行電極1と後行電極2の動作角γを10〜20°とする。
[チップ母材間距離:18〜22mm]
チップ母材間距離が18mmよりも短いと、先行電極1と後行電極2のチップ先端同士が寄り過ぎて、接触する虞があり、これらが接触した場合、溶接中に短絡してしまうことも考えられる。一方、チップ母材間距離が22mmよりも長いと、ワイヤの狙い位置のコントロールが難しくなる。よって、本実施形態の溶接方法では、チップ母材間距離を18〜22mmとする。
[溶融フラックスの塩基度B:0.6〜0.9]
溶融フラックスは、各組成原料を一旦溶融して製造されたものであり、短時間で溶融することから、高速溶接に適している。ただし、上記数式2により算出される塩基度Bが0.6未満の溶融フラックスを使用すると、ワイヤ合金成分の溶接金属への歩留まりが低下し、所定の溶接金属性能が得られない。一方、溶融フラックスの塩基度Bが0.9を超えると、ビード形状及びスラグ剥離性が劣化する。よって、本実施形態の溶接方法では、上記数式2により求められる塩基度Bが0.6〜0.9の範囲にある溶融フラックスを使用する。
以上、詳述したように、本実施形態の溶接方法は、ワイヤ径が1.6mm、2.0mm又は2.4mmである2本電極を使用したタンデムサブマージアーク溶接であるため、160〜200cm/minの高速溶接を行っても、十分な溶着金属量を確保することができる。また、本実施形態の溶接方法では、先行電極と後行電極の電流比、傾斜角度、前進角・後退角、動作角、チップ・母材間距離、電源極性、組み合わせる溶融フラックスの塩基度、母材の板厚及び溶接姿勢などの溶接条件を特定しているため、十分な溶接ビード幅及び溶込み深さ、良好なビード形状が得られ、良好な溶接品質が獲得できる。
その結果、ボイラの火炉水冷壁の溶接において、タンデムサブマージアーク溶接方法により、160〜200cm/minの高溶接速度で、優れた溶接品質を得ることができる。本実施形態の溶接方法は、例えば、火力発電などに用いられるボイラの火炉水冷壁を、製造・補修する際に好適である。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。前述したように、ボイラ火炉壁を構成する鋼管や平鋼には、炭素鋼や低合金鋼が使用されているが、これらの材料間で溶接条件の違いはないことが知られているため、本実施例では炭素鋼を用いて以下の評価を行った。
本実施例においては、図1に示すように、先行電極1と後行電極2を送給ローラーにより連続的に送給すると共に、母材3上に溶接フラックス5を散布し、先行電極1及び後行電極2と母材3との間の空間を溶接フラックス5で満たした。そして、溶接フラックス5に埋没した状態で、先行電極1及び後行電極2と母材3との間に電圧を印加し、これらの間にアークを発生させてサブマージアーク溶接を実施した。
<第1実施例>
先ず、第1実施例として、電極ワイヤ径D、電極数、溶接電流(I,I)を変えて、サブマージアーク溶接を行い、ビード形状、アンダーカットの発生状況、溶け込み形状を評価した。その際、先行電極1の極性をDCEP、後行電極2の極性をACとし、溶接速度Sは200cm/min、アーク電圧は、先行電極1を26V、後行電極2を28Vとした。また、先行電極1の傾斜角度αは後退角で5°、後行電極2の傾斜角度βは前進角で15°とし、これらの動作角γは15°とした。更に、チップ母材管距離は20mmとし、溶接フラックスには塩基度Bが0.7の溶融フラックスを用いた。
また、ビード形状の評価は、良好のものを○、不整ビード又は外観不良が発生したものを×とした。また、アンダーカット発生状況は、アンダーカットが0.5mm未満のものを○、0.5mm以上のものを×とした。溶込み形状は、良好のものを○、溶け込みが浅かったり、溶落ちや幅が狭いなどの溶込み不良が発生したものを×とした。以上の結果を、下記表1に示す。
Figure 2014050854
上記表1に示すように、電極数を1本にしてシングル溶接した比較例1,2,5,6,9,10,13,14は、良好な溶接ビードが得られなかった。一方、本発明の範囲を超える3.2mmのワイヤ径の電極を使用した比較例3では、先行電極1の溶接電流が高く、溶落ちが発生した。また、比較例4もワイヤ径が3.2mmの電極を使用した例であるが、溶落ちを防ぐため、溶接電流を下げたところ、溶込み深さ、ビード幅及び余盛り高さのバランスが悪くなった。
比較例7,11,15は、ワイヤ径Dに対して、先行電極1の電流Iが高すぎて、凸ビードとなり、ビード形状不良であった。一方、比較例8、12、16は、先行電極1の電流Iが低すぎて、溶込み深さが不十分であった。また、比較例17〜21は、ワイヤ径Dが1.4mmと本発明の範囲よりも細く、何れの溶接条件においても、良好な溶接ビードは得られなかった。
これに対して、実施例1〜9では、ビード形状、アンダーカット及び溶込み形状のいずれも優れていた。
<第2実施例>
次に、第2実施例として、溶接速度を変えてタンデムサブマージアーク溶接を行い、ビード形状、アンダーカットの発生状況、溶け込み形状、高速溶接性について評価した。その結果を下記表2に示す。なお、本実施例においては、下記表2に示す条件以外は、前述した第1実施例と同様にした。また、下記表2に示す高速溶接性の評価は、ビード形状及び溶け込み形状が良好でかつアンダーカットが0.5mm未満のものを○、不整ビード若しくは外観不良が発生したもの、アンダーカットが0.5mm以上のもの、又は浅溶け込み、溶け落ち、狭ビード若しくは溶け込み不良が発生したものを×とした。
Figure 2014050854
上記表2に示すように、実施例10〜13は、高速溶接であっても、ビード形状、アンダーカット及び溶込み形状のいずれも優れていた。これに対して、溶接速度Sが200cm/minを超えている比較例22,23は、溶接速度が高すぎて、ビード形状が劣っていた。
<第3実施例>
次に、第3実施例として、先行電極1における溶接電流Iと、後行電極2における溶接電流Iとの比(I/I)を変えて、タンデムサブマージアーク溶接を行い、ビード形状、アンダーカットの発生状況、溶け込み形状について評価した。その結果を下記表3に示す。なお、本実施例においては、下記表3に示す条件以外は、前述した第1実施例と同様にした。
Figure 2014050854
上記表3に示すように、電流比(I/I)が本発明の範囲よりも小さい比較例24,26,28,30は、ビード形状及び溶込み形状が不良となった。一方、電流比(I/I)が本発明の範囲よりも大きい比較例25,27,29,31は、溶込み形状不良が発生した。これに対して、電流比(I/I)が1.3〜1.8の範囲内の実施例14〜21は、ビード形状、アンダーカット及び溶込み形状のいずれも優れていた。
<第4実施例>
次に、第4実施例として、極間距離Gを変えて、タンデムサブマージアーク溶接を行い、ビード形状、アンダーカットの発生状況、溶け込み形状について評価した。その結果を下記表4に示す。なお、本実施例においては、溶接速度Sは160cm/minとし、その他下記表4に示した条件以外の溶接条件は、前述した第1実施例と同様にした。
Figure 2014050854
上記表4に示すように、先行電極1と後行電極2の極間距離Gが本発明の範囲から外れている比較例32〜35は、ビード形状が不良となった。これに対して、極間距離Gが本発明の範囲内である実施例22〜25は、ビード形状、アンダーカット及び溶込み形状のいずれも優れていた。
<第5実施例>
次に、第5実施例として、溶接電圧を変えて、タンデムサブマージアーク溶接を行い、ビード形状、アンダーカットの発生状況、溶け込み形状について評価した。その際、先行電極1の極性をDCEP、後行電極2の極性をACとし、ワイヤ径Dを1.6mm、溶接速度Sを200cm/min、先行電極1の溶接電流Iは440A、後行電極2の溶接電流Iは280A、これらの電流比(I/I)は1.6とし、極間距離Gは7mmとした。また、先行電極1の傾斜角度αは後退角で5°、後行電極2の傾斜角度βは前進角で15°とし、これらの動作角γは15°とした。更に、チップ母材管距離は20mmとし、溶接フラックスは塩基度Bが0.7の溶融フラックスを用いた。その結果を下記表5に示す。
Figure 2014050854
上記表5に示すように、先行電極1又は後行電極2の電圧が低い比較例36,38は、アーク不安定で、ビード形状不良などの不具合が発生した。一方、先行電極1又は後行電極2の電圧が高すぎる比較例37,39では、アンダーカットなどの不具合が発生した。これに対して、先行電極1のアーク電圧及び後行電極2のアーク電圧が、いずれも本発明の範囲内である実施例26〜29は、ビード形状、アンダーカット及び溶込み形状のいずれも優れていた。
<第6実施例>
次に、第6実施例として、先行電極1と後行電極2の極性を変えて、タンデムサブマージアーク溶接を行い、ビード形状について評価した。その際、ワイヤ径Dを1.6mm、溶接速度Sを160cm/min、先行電極1の溶接電流Iは440A、後行電極2の溶接電流Iは280A、これらの電流比(I/I)は1.6とし、極間距離Gは9mmとした。
また、アーク電圧は、先行電極1を26V、後行電極2を28Vとし、先行電極1の傾斜角度αは後退角で5°、後行電極2の傾斜角度βは前進角で15°、これらの動作角γは15°とした。更に、チップ母材管距離は20mmとし、溶接フラックスは塩基度Bが0.7の溶融フラックスを用いた。その結果を下記表6に示す。
Figure 2014050854
上記表6に示すように、先行電極をDCEP、後行電極をACにした実施例30を除き、先行電極と後行電極の極性をそれぞれDCEPとACにしなかった比較例40〜42はいずれもビード形状が不良となった。
<第7実施例>
次に、第7実施例として、先行電極1と後行電極2の傾斜角度α,β及び動作角γを変えて、タンデムサブマージアーク溶接を行い、ビード形状、アンダーカットの発生状況、溶け込み形状について評価した。その際、先行電極1の極性をDCEP、後行電極2の極性をACとし、ワイヤ径Dを1.6mm、溶接速度Sを200cm/min、先行電極1の溶接電流Iは440A、後行電極2の溶接電流Iは280A、これらの電流比(I/I)は1.6とし、極間距離Gは7mmとした。
また、アーク電圧は、先行電極1を26V、後行電極2を28Vとし、チップ母材管距離は20mmとし、溶接フラックスは塩基度Bが0.7の溶融フラックスを用いた。その結果を下記表7に示す。
Figure 2014050854
上記表7に示すように、先行電極1の後退姿勢の傾斜角度αが大きい比較例43は、ビード形状不良となった。後行電極2の前進姿勢の傾斜角度βが小さい比較例44は、良好な溶接ビードが得られなかった。一方、後行電極の傾斜角度βが大きい比較例45は、ビード形状不良となった。また、先行電極1と後行電極2の動作角γが小さい比較例46は、良好なビードが得られなかった。一方、また、先行電極1と後行電極2の動作角γが大きい比較例47は、溶込み不良となった。
これに対して、先行電極1の後退姿勢の傾斜角度α、後行電極の傾斜角度β、先行電極1と後行電極2の動作角γの全てが、本発明の範囲内である実施例31〜39は、ビード形状、アンダーカット及び溶込み形状のいずれも優れていた。
<第8実施例>
次に、第8実施例として、チップ母材間距離を変えて、タンデムサブマージアーク溶接を行い、ビード形状について評価した。その際、ワイヤ径Dを1.6mm、溶接速度Sを200cm/min、先行電極1の溶接電流Iは440A、後行電極2の溶接電流Iは280A、これらの電流比(I/I)は1.6とし、極間距離Gは7mmとした。
また、先行電極1の極性をDCEP、後行電極2の極性をACとし、アーク電圧は、先行電極1を26V、後行電極2を28Vとし、溶接フラックスは塩基度Bが0.7の溶融フラックスを用いた。更に、先行電極1の傾斜角度αは後退角で5°、後行電極2の傾斜角度βは前進角で15°とし、これらの動作角γは15°とした。その結果を下記表8に示す。
Figure 2014050854
上記表8に示すように、チップ母材間距離が短い比較例48は、所定の極間及びトーチの傾斜角度を確保するために、先行電極のチップと後行電極のチップが寄り過ぎて、溶接中にチップ同士が接触して溶接中止し、連続ビードとならなかった。一方、チップ母材間距離が長い比較例49は、溶接中にワイヤの狙い位置が変わって、ビード形状不良となった。これに対して、チップ母材間距離が本発明の範囲内である実施例40,41では、良好なビード形状が得られた。
<第9実施例>
次に、第9実施例として、塩基度が異なる溶融フラックスを用いて、タンデムサブマージアーク溶接を行い、ビード形状、スラグ剥離製、ワイヤ化学成分の歩留まりについて評価した。その際、先行電極1の極性をDCEP、後行電極2の極性をACとし、ワイヤ径Dを1.6mm、溶接速度Sを200cm/min、先行電極1の溶接電流Iは440A、後行電極2の溶接電流Iは280A、これらの電流比(I/I)は1.6とし、極間距離Gは7mmとした。
また、アーク電圧は、先行電極1を26V、後行電極2を28Vとし、チップ母材管距離は20mmとした。更に、先行電極1の傾斜角度αは後退角で5°、後行電極2の傾斜角度βは前進角で15°、これらの動作角γは15°とした。その結果を下記表9に示す。なお、下記表9に示すスラグ剥離性は、良好なものを○、不良のものを×として評価した。また、ワイヤ化学成分の歩留まりは、ワイヤ合金成分であるCrの溶接金属へ歩留まり率が80%以上を○、80%未満を×として評価した。なお、ここでいう「Crの歩留まり率」は、下記数式3により算出される値である。
Figure 2014050854
Figure 2014050854
上記表9に示すように、塩基度Bが低い溶融フラックスを使用した比較例50は、ビード形状及びスラグ剥離性は良好であったが、Crの歩留まり率が低く、ワイヤ化学成分の溶着金属中への歩留まりが悪かった。一方、塩基度Bが高い溶融フラックスを使用した比較例51は、ビード形状及びスラグ剥離性も不良となった。これに対して、塩基度Bが本発明の範囲内である溶融フラックスを使用した実施例42,43は、良好なビード形状が得られ、スラグ剥離性及びワイヤ化学成分の溶着金属中への歩留まりも優れていた。
なお、本実施例では、鋼管3a及び平鋼3bのいずれも炭素鋼を用いているが、低合金鋼を用いた評価でも、同様の結果が得られた。
1、2 電極
3 母材
3a 鋼管
3b 平鋼
4 ホッパー
5 溶接フラックス
6a 溶融金属
6b ビード(溶接金属)
7a スラグ
7b 凝固スラグ
x 溶接方向
α、β 傾斜角度
γ 動作角
G 電極間距離

Claims (2)

  1. 電極ワイヤの直径D:1.6mm、2.0mm又は2.4mm、
    溶接速度S:160〜200cm/min、
    先行電極の電流I:(100×D+200)〜(100×D+320)V、
    先行電極の電流Iと後行電極の電流Iとの比(I/I):1.3〜1.8、
    先行電極の傾斜角度α:後退角で0〜10°、
    後行電極の傾斜角度β:前進角で10〜20°、
    先行電極と後行電極の動作角γ:10〜20°、
    先行電極と後行電極との距離G:(5D−2)〜(5D+1)mm、
    先行電極のアーク電圧:24〜28V、
    後行電極のアーク電圧:28〜32V、
    チップ母材間距離:18〜22mm、
    先行電極の極性を直流ワイヤプラス、
    後行電極の極性を交流とし、
    CaO、CaF、MgO、BaO、NaO、KO、MnO、FeO、SiO、Al、TiO及びZrOの含有量(mol%)を、それぞれ[CaO]、[CaF]、[MgO]、[BaO]、[NaO]、[KO]、[MnO]、[FeO]、[SiO]、[Al]、[TiO]及び[ZrO]としたとき、下記数式(I)から算出される塩基度Bが0.6〜0.9の範囲にある溶融フラックスを用いて、
    肉厚が4.5mm以上で外径が25.4mm以上の鋼管の外面と、板厚が4.5mm以上の平鋼とを、前記平鋼の長手方向に水平すみ肉姿勢で溶接するタンデムサブマージアーク溶接方法。
    Figure 2014050854
  2. 前記鋼管及び/又は前記平鋼は、炭素鋼又は低合金鋼からなることを特徴とする請求項1に記載のタンデムサブマージアーク溶接方法。
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