JP2014049534A - 電子機器の放熱構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板1の主面1aから放熱部材2,3まで延びる筒状の樹脂充填ケース4,5と、樹脂充填ケースに充填された放熱樹脂6と、を備え、樹脂充填ケースが基板に形成された要冷却部7,8を囲むように配され、放熱樹脂が、放熱部材側に位置する樹脂充填ケースの第一端部21,31において隙間なく充填され、かつ、基板側に位置する樹脂充填ケースの第二端部22,32において要冷却部に接触する放熱構造を提供する。
【選択図】図1
Description
ところで、このような放熱構造を備える電子機器では、基板上に形成された回路(電子部品・配線等によって構成される回路)中にも、冷却を要する部分(要冷却部)が存在する。なお、要冷却部には、通電により発熱する熱源部分の他、前述したヒートシンク上の発熱部品や基板上の熱源部分によって加熱されることが好ましくない部分も含まれる。従来では、ヒートシンクと基板との隙間を放熱樹脂(熱伝導性に優れた材質の樹脂)で埋めることにより、基板上に形成された要冷却部の加熱を防ぐことが考えられている。
特許文献1のように仕切り板を設ければ放熱樹脂の使用量を抑制できるものの、仕切り板は基板を収容するケースに一体に設けられるため、基板における発熱部品の配置に応じた形状のケースを製造する必要があり、汎用性が低い、という問題がある。
また、要冷却部の大きさや、基板と放熱部材との隙間に合わせたサイズの樹脂充填ケースを用意し、要冷却部の位置に合わせて樹脂充填ケースを配すればよいため、汎用性の高い放熱構造を提供することが可能となる。
上記放熱構造では、樹脂充填ケースを基板や放熱部材に取り付けた後に、樹脂充填ケース内に放熱樹脂を注入することが可能となる。
上記放熱構造では、電子部品をはんだによって基板に固定する工程において、樹脂充填ケースも同時に基板に固定できる。すなわち、樹脂充填ケースを基板に対して効率よく固定することができる。
上記放熱構造では、樹脂充填ケースの接続突起を基板に差し込むことで、基板に対する樹脂充填ケースの位置決めを容易に行うことができる。
さらに、平板部が放熱部材に固定されることで、樹脂充填ケースから放熱部材に効率よく熱を逃がすことができる。
上記放熱構造では、要冷却部の周囲に配された別の熱源の熱が、樹脂充填ケースから放熱樹脂に伝達されるよりも、樹脂充填ケースにおいて優先的に拡散される。したがって、樹脂充填ケース内において放熱樹脂に接触する要冷却部が発熱部品の熱によって加熱されることを確実に防止できる。
また、樹脂充填ケースが接地されるため、基板に形成された回路の電位を安定させることができる。
図1に示すように、この実施形態に係る電子機器の放熱構造は、基板1と、二つの放熱部材2,3と、二つの樹脂充填ケース4,5と、放熱樹脂6とを備えている。
基板1には配線パターン(不図示)が形成されており、この配線パターンに電子部品7〜9が電気接続されることで回路が形成されている。本実施形態では、基板1の両主面(上面1a及び下面1b)に電子部品(要冷却部)7,8が搭載されている。また、本実施形態では、第一放熱部材2に搭載された電子部品9(以下、発熱部品9と呼ぶ。)が基板1に電気接続されている。
本体部11は、例えば通電により発熱する半導体素子(不図示)を樹脂内に埋設して構成されている。この本体部11は、ネジ止めや接着等によって第一放熱部材2の上面2aに固定されている。一方、外部端子12は、本体部11から基板1に向けて突出している。この外部端子12の先端部は、基板1の厚さ方向に貫通するスルーホール13に挿通された上で、基板1の上面1aにおいてはんだ14で基板1に接合されている。これにより、発熱部品9が基板1の配線パターンに電気接続されている。
本実施形態では、各放熱部材2,3側に位置する各樹脂充填ケース4,5の軸方向の一端(第一端部21,31)に、樹脂充填ケース4,5の径方向に延在する平板部23,33が形成されている。この平板部23,33は、各放熱部材2,3に面接触可能となっている。本実施形態では、平板部23,33が径方向内側に延在している。すなわち、本実施形態の各樹脂充填ケース4,5は有底筒状に形成され、平板部23,33は各樹脂充填ケース4,5の底壁板部23,33となっている。底壁板部23,33には、その厚さ方向に貫通する貫通孔24,34が形成されている。
また、樹脂充填ケース4,5は、例えば、金属製でもよいし樹脂製あってもよいが、放熱樹脂6よりも熱伝導率の高い材料によって形成されていることがより好ましい。また、樹脂充填ケース4,5は、導電性を有していることが好ましい。
例えば、図2に示す平面視矩形の有底筒状に形成された金属製の樹脂充填ケース4,5を折り曲げ加工により製造する場合には、例えば図3に示すように、打ち抜き加工等により底壁板部23,33の各辺に側壁部26,36を接続した金属平板を形成した後、底壁板部23,33と側壁部26,36との境界線において折り曲げればよい。なお、折り曲げ後の状態において隣り合う側壁部26,36の間に隙間がある場合には、樹脂充填ケース4,5内に充填される放熱樹脂6がこの隙間から外部に漏れ出さないように、溶接等によって隙間を埋めればよい。
樹脂充填ケース4,5が樹脂製である場合には、樹脂成形等により容易に製造することが可能である。なお、樹脂製の樹脂充填ケース4,5を図1のようにはんだ15で基板1に固定する場合には、金属製の接続突起35をインサート成形すればよい、あるいは、樹脂製の接続突起35にスズメッキを施してもよい。
また、本実施形態では、第一樹脂充填ケース4の第一端部21(底壁板部23)と第一放熱部材2の上面2aとの間に、放熱シート43あるいは放熱グリス44が挟み込まれている。これら放熱シート43や放熱グリス44は、第一樹脂充填ケース4や第一放熱部材2よりも柔らかく変形可能であるため、寸法公差等によって第一樹脂充填ケース4の第一端部21と第一放熱部材2との間に生じた隙間を埋めることができる。
本実施形態では、第一樹脂充填ケース4の接続突起25が、基板1の厚さ方向に貫通するスルーホール17に挿通された上で、基板1の上面1aにおいてはんだ15により接合されている。なお、接続突起25が接合された状態において、基板1の下面1bと第一樹脂充填ケース4の第二端部22との間に隙間が生じている場合には、この隙間が樹脂等からなる接着剤18によって埋められる。
また、本実施形態では、第一樹脂充填ケース4の場合と同様に、第二樹脂充填ケース5の第一端部31(底壁板部33)と第二放熱部材3との間に放熱シート43あるいは放熱グリス44が挟み込まれているため、第二樹脂充填ケース5の第一端部31と第二放熱部材3との間に生じる隙間を埋めることができる。
本実施形態では、第二樹脂充填ケース5の接続突起35が、基板1の厚さ方向に貫通するスルーホール17に挿通された上で、基板1の下面1bにおいてはんだ15により接合されている。なお、接続突起35が接合された状態において、基板1の上面1aと第二樹脂充填ケース5の第二端部32との間に隙間が生じている場合には、この隙間が接着剤18によって埋められる。
また、例えば図1のように、第一電子部品7や第二電子部品8の近傍に発熱部品9(別の熱源)が配されていても、この発熱部品9の熱を各樹脂充填ケース4,5や放熱樹脂6を介して各放熱部材2,3に逃がすことも可能である。すなわち、第一電子部品7や第二電子部品8が発熱部品9によって加熱されることも防止できる。
なお、樹脂充填ケース4,5の熱伝導率が放熱樹脂6よりも高ければ、発熱部品9の熱が樹脂充填ケース4,5から放熱樹脂6に伝達されるよりも、樹脂充填ケース4,5において優先的に拡散されるため、樹脂充填ケース4,5内において放熱樹脂6に接触する電子部品7,8が発熱部品9の熱によって加熱されることを確実に防止できる。
さらに、本実施形態の放熱構造では、基板1に搭載される電子部品7,8の大きさや、基板1と各放熱部材2,3との隙間に合わせたサイズの樹脂充填ケース4,5を用意し、電子部品7,8の位置に合わせて樹脂充填ケース4,5を配すればよいため、汎用性の高い放熱構造を提供することが可能となる。
また、樹脂充填ケース4,5が接地されるため、基板1に形成された回路の電位を安定させることができる。
なお、第二樹脂充填ケース5内に放熱樹脂6を充填した後には、第二樹脂充填ケース5の第一端部31をネジ42によって第二放熱部材3に固定すればよい。ただし、この固定は、ネジ42の軸部を第二樹脂充填ケース5の貫通孔34に羅着させる必要があるため、第二樹脂充填ケース5に注入された放熱樹脂6が硬化する前に行われることがより好ましい。
本実施形態では、各樹脂充填ケース4,5が接続突起25,35を備えるため、例えば、電子部品7,8が表面実装されるチップ部品である場合、第二電子部品8をはんだによって基板1の上面1aに固定する工程において、フローあるいはリフローはんだ付けにより第一樹脂充填ケース4を同時に基板1に固定することができる。また、第一電子部品7をはんだによって基板1の下面1bに固定する工程において、第二樹脂充填ケース5を同時に基板1に固定することができる。
また、例えば、電子部品がスルーホール実装されるリード部品である場合、第一電子部品7を基板1の下面1bに固定する工程において、第一樹脂充填ケース4を同時に基板1に固定することができる。また、第二電子部品8を基板1の上面1aに固定する工程において、第二樹脂充填ケース5を同時に基板1に固定することができる。
さらに、各樹脂充填ケース4,5の底壁板部23,33が各放熱部材2,3に固定されることで、各樹脂充填ケース4,5から各放熱部材2,3に効率よく熱を逃がすことができる。
例えば、放熱樹脂6は、上記実施形態のように第一樹脂充填ケース4内に隙間なく充填されることに限らず、少なくとも基板1に搭載された電子部品7に接触するように充填されればよい。したがって、放熱樹脂6は、例えば図5に示すように、基板1との間に隙間が生じるように充填されてもよい。この構成では、使用する放熱樹脂6の量をさらに減少できるため、電子機器の軽量化をさらに図ることが可能である。
なお、上記のように放熱樹脂6を第一樹脂充填ケース4内に充填する場合には、放熱樹脂6を注入する際に基板1と第一樹脂充填ケース4の第二端部22との隙間から放熱樹脂6が漏れ出すことが無い。したがって、この隙間を接着剤18によって埋める必要が無くなり、電子機器の製造を簡便に行うことができる。
このような構成でも、上記実施形態の場合と同様に、各樹脂充填ケース4,5を効率よく基板1に固定することが可能である。例えば、電子部品7,8が表面実装されるチップ部品である場合、第一電子部品7をはんだで基板1の下面1bに固定する工程において、第一樹脂充填ケース4も同時に基板1に固定できる。また、第二電子部品8をはんだで基板1の上面1aに固定する工程において、第二樹脂充填ケース5も同時に基板1に固定できる。
なお、放熱部材2,3と樹脂充填ケース4,5の第一端部21,31とを放熱シート43や放熱グリス44のみによって接続する場合は、基板1や第二放熱部材3を第一放熱部材2に固定する力を利用して、樹脂充填ケース4,5を各放熱部材2,3に押し付けるようにすればよい。
さらに、各樹脂充填ケース4,5の第一端部21,31を接着によって各放熱部材2,3に固定する場合、各樹脂充填ケース4,5の第一端部21,31に形成される平板部23,33は、上記実施形態のように径方向内側に延在することに限らず、例えば径方向外側に延在してもよい。
また、樹脂充填ケース4,5は、基板1の両主面(上面1a及び下面1b)に配されることに限らず、少なくとも電子機器の要冷却部を囲むように少なくとも基板1の一方の主面(上面1aあるいは下面1b)に配されていればよい。
1a 上面(主面)
1b 下面(主面)
2 第一放熱部材
3 第二放熱部材
4 第一樹脂充填ケース
5 第二樹脂充填ケース
6 放熱樹脂
7 第一電子部品(要冷却部)
8 第二電子部品(要冷却部)
15 はんだ
19 樹脂注入孔
20 ネジ挿通孔(樹脂注入孔)
21,31 第一端部
22,32 第二端部
23,33 底壁板部(平板部)
25,35 接続突起
43 放熱シート
44 放熱グリス
Claims (8)
- 少なくとも一方の主面に電子部品が搭載されて回路を形成した基板と、該基板の主面に間隔をあけた位置に配された放熱部材と、前記基板の主面から前記放熱部材まで延びる筒状の樹脂充填ケースと、該樹脂充填ケースに充填された放熱樹脂と、を備え、
前記樹脂充填ケースが、前記回路のうち冷却を要する要冷却部を囲むように配され、
前記放熱樹脂が、前記放熱部材側に位置する樹脂充填ケースの第一端部において隙間なく充填され、かつ、前記基板側に位置する樹脂充填ケースの第二端部において少なくとも前記要冷却部に接触することを特徴とする電子機器の放熱構造。 - 前記放熱部材あるいは前記基板に、前記樹脂充填ケース内に連通する樹脂注入孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の放熱構造。
- 前記樹脂充填ケースの第二端部がはんだによって前記基板に固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器の放熱構造。
- 前記樹脂充填ケースの第二端部に、該樹脂充填ケースの軸方向に突出して前記基板に挿通される接続突起が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器の放熱構造。
- 前記樹脂充填ケースの第一端部に、該樹脂充填ケースの径方向に延在する平板部が形成され、
該平板部が、前記放熱部材に面接触可能であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子機器の放熱構造。 - 前記樹脂充填ケースの第一端部と前記放熱部材との間に、放熱シートあるいは放熱グリスが介在していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電子機器の放熱構造。
- 前記樹脂充填ケースが、前記放熱樹脂よりも熱伝導率の高い材料によって形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電子機器の放熱構造。
- 前記樹脂充填ケース及び前記放熱部材が導電性を有し、
前記基板の接地配線が、前記樹脂充填ケースを介して前記放熱部材に電気接続されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子機器の放熱構造。
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JPH06283884A (ja) * | 1993-03-25 | 1994-10-07 | Nippon Chemicon Corp | シールド基板及びその処理方法 |
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